JP3002152B2 - 多官能性ビニルシクロプロパン誘導体 - Google Patents

多官能性ビニルシクロプロパン誘導体

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    • C07C69/74Esters of carboxylic acids having an esterified carboxyl group bound to a carbon atom of a ring other than a six-membered aromatic ring
    • C07C69/743Esters of carboxylic acids having an esterified carboxyl group bound to a carbon atom of a ring other than a six-membered aromatic ring of acids with a three-membered ring and with unsaturation outside the ring
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    • C08F36/02Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds the radical having only two carbon-to-carbon double bonds
    • C08F36/20Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds the radical having only two carbon-to-carbon double bonds unconjugated

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多官能性ビニルシ
クロプロパン誘導体、それらの調製方法、特に、歯科用
材料としてのそれらの使用、それらを含有する歯科用材
料、およびそれらから得られ得るポリマーおよびコポリ
マーに関する。
【0002】
【従来の技術】置換ビニルシクロプロパンは、当該分野
で公知である。それゆえ、T. Takahashiらは、J. Poly
m. Sci.、Part B、3 (1965)、251において、ビニルシク
ロプロパンのラジカル重合中に、1,5-開環化合物が形成
され、そしてラジカル安定化置換基が1位でこの開環を
促進することを記載している。
【0003】さらに、1,1-二置換2-ビニルシクロプロパ
ン(例えば、液体の1,1-ビス(エトキシカルボニル)シク
ロプロパンまたは1,1-ジシアノ-2-ビニルシクロプロパ
ン)は、従来のビニルモノマー(例えば、アクリロニトリ
ルまたはメチルメタクリレート)と比較して、重合時に
ある程度低い体積収縮を示すことが明らかになってい
る。しかし、特別に置換されたビニルシクロプロパン
(すなわち、1,1-ビス(フェノキシカルボニル)-2-ビニル
シクロプロパン)については、ラジカル重合後に、体積
膨張もまた記録されている(J. Sugiyamaら、Macromolec
ules 27 (1994)、5543を参照)。
【0004】公知の開環モノマー(例えば、メチレン基
含有スピロオルトカーボネート、スピロオルトエステ
ル、または二環式オルトエステル) (R.K. Sadhirら、Ex
panding Monomers、CRC Press、Boca Raton 1992を参
照)は、一般に、水分感受性であり、複雑な合成によっ
てのみ得られ得、そしてラジカル重合によってのみ、低
分子量を有するポリマーに調製され得る。さらに、スピ
ロオルトカーボネートまたはスピロオルトエステルのラ
ジカル重合により、主鎖においてカーボネート−エーテ
ル基またはエステル−エーテル基を有するポリマーを生
じる。しかし、これらの基は、これらのポリマーが対応
する条件下でそれほど安定でない程度に、加水分解また
は酵素により容易に開裂し得る。
【0005】従来より公知の1,1-二置換2-ビニルシクロ
プロパンは、ほとんどの場合には、重合可能な基を1個
だけ有し、例えば、ジ(メタ)アクリレートをベースにし
た通例の架橋モノマーの重合と比較した重合の結果とし
て、機械的特性に乏しいポリマーだけを生成し得る。重
合可能な基を2個有するビニルシクロプロパン(例え
ば、1-ビニル-6,7-ベンゾ-4,9-ジオキサスピロ[2.6]ノ
ナン) (F. Sandaら、Macromolecules 27 (1994)、1099
を参照)または1,10-ビス(ビニル)-4,8,12,15-テトラオ
キサトリスピロ[2.2.2.2.2]ペンタデカン(T. Okazaki
ら、Macromolecules 28、(1995) 6026を参照)は、ビニ
ルシクロプロパン基を有する環状アセタールであり、実
際、公知であるが、ラジカル重合すると、それらは同様
に、主鎖において加水分解的または酵素的に開裂し得る
エステル結合を有するポリマーを生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ラジカル重合し得るビニルシクロプロパンを利用可
能にし、それらの多官能性によって架橋ポリマーを生
じ、主鎖において、加水分解により開裂し得る基を有さ
ないポリマー、特に、歯科用材料の成分として使用され
得るポリマーを形成することである。
【0007】本発明の目的は、請求項1または2に記載
の多官能性ビニルシクロプロパン誘導体により達成され
る。
【0008】本発明の主題はまた、請求項3および4に
記載の多官能性ビニルシクロプロパン誘導体の調製方
法、請求項5〜7に記載のそれらの使用、請求項8およ
び9に記載の多官能性ビニルシクロプロパン誘導体を含
有する歯科用材料、ならびに請求項10に記載の多官能
性ビニルシクロプロパン誘導体のポリマーおよびコポリ
マーである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の一般式
(I)の多官能性ビニルシクロプロパン誘導体、それらの
立体異性体、およびこのような立体異性体の混合物であ
り、
【0010】
【化7】
【0011】ここで、R1、R2、R3、R4、X、Y、およびn
が、互いに独立して以下の意味を有し:R1が、H、置換
または未置換C1〜C12アルキル、あるいは置換または未
置換C6〜C14アリールであり;R2が、O、S、N、またはNH
により介在され得るn回置換C1〜C20アルキレン、ある
いはn回置換C6〜C14アリーレンであり;Xが、CO、CO−
O、CO−S、CO−NR3、またはSO2であるか、あるいは存在
せず、ここで、R3が、H、C1〜C6アルキル、またはC6〜C
14アリールであり;Yが、CO、CO−O、CO−S、CO−NR4
またはSO2であり、ここで、R4が、H、C1〜C6アルキル、
またはC6〜C14アリールであり;そしてnが、2〜6で
ある。
【0012】好適な実施態様では、上記式(I)の記号
は、互いに独立して以下の意味を有する:R1が、H、置
換または未置換C1〜C6アルキル、あるいは置換または未
置換C6アリールであり;R2が、n回置換C1〜C12アルキ
レン、C6〜C14アリーレン、またはC6〜C8シクロアルキ
レンであり;XがCO−Oであり;R3が、HまたはC1〜C3
ルキルであり;YがCO−Oであり;R4がHまたはC1〜C3
ルキルであり;および/またはnが2または3である。
【0013】本発明はまた、上記ビニルシクロプロパン
誘導体の調製方法であって、(A)式(IIA)のモノビニルシ
クロプロパン誘導体
【0014】
【化8】
【0015】を式(IIB)のn回官能基化されたカップリ
ング成分
【0016】
【化9】
【0017】と反応させて、式(I)の多官能性ビニルシ
クロプロパン誘導体を形成する工程を包含するか;また
は(B)式(IIIA)の化合物
【0018】
【化10】
【0019】をn回官能基化されたカップリング成分
(IIB)
【0020】
【化11】
【0021】と反応させて、式(IIIB)の中間体
【0022】
【化12】
【0023】を形成する工程と、次いで、該(IIIB)を、
1,4-ジブロモブト-2-エンと反応させて、式(I)の多官
能性ビニルシクロプロパン誘導体を形成する工程とを包
含し;ここで、TがHまたはハロゲンであり、Zが脱離基
であり、そして残りの記号が、上記定義の通りである。
【0024】好適な実施態様では、Zは、OH、NH2、また
はハロゲンである。
【0025】本発明はまた、接着剤、セメント、複合材
料、または成形体の構成成分としての、上記多官能性ビ
ニルシクロプロパン誘導体の使用である。
【0026】本発明はまた、歯科用材料の構成成分とし
ての、上記多官能性ビニルシクロプロパン誘導体の使用
である。
【0027】好適な実施態様では、上記多官能性ビニル
シクロプロパン誘導体は、少なくとも部分的に重合した
形態で存在する。
【0028】本発明はまた、上記多官能性ビニルシクロ
プロパン誘導体を含有する、歯科用材料である。
【0029】好適な実施態様では、少なくとも部分的に
重合した形態で、上記多官能性ビニルシクロプロパン誘
導体を含有する。
【0030】本発明はまた、上記多官能性ビニルシクロ
プロパン誘導体の重合または共重合により得られ得る、
ポリマーおよびコポリマーである。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の多官能性ビニルシクロプ
ロパン誘導体は、以下の一般式(I)の化合物、それらの
立体異性体、ならびにこのような立体異性体の混合物で
ある:
【0032】
【化13】
【0033】ここで、R1、R2、R3、R4、X、Y、およびn
は、互いに独立して、以下の意味を有し:R1は、H、置
換または未置換C1〜C12アルキル、あるいは置換または
未置換C6〜C14アリールであり;R2は、O、S、N、または
NHにより介在され得るn回置換C1〜C20アルキレン、ま
たはn回置換C6〜C14アリーレンであり;Xは、CO、CO−
O、CO−S、CO−NR3、SO2であるか、または存在せず、こ
こで、R 3は、H、C1〜C6アルキル、またはC6〜C14アリー
ルであり;Yは、CO、CO−O、CO−S、CO−NR4、またはSO
2であり、ここで、R4は、H、C1〜C6アルキル、またはC6
〜C14アリールであり;そしてnは、2〜6である。
【0034】上式(I)は、原子価理論に適合し得る化合
物のみを包含する。
【0035】R2として可能なアルキレン基は、例えば、
Oにより介在され得、すなわち、これは、その炭素鎖に
て、C−O−C部分を含有する。
【0036】さらに、アルキル基およびアルキレン基
は、直鎖状、分枝状または環状であり得る。
【0037】この基R1の場合に、必要に応じて存在する
置換基には、特に、OH、ハロゲン、C1〜C6アルコキシ、
またはCOOHがあり、さらに、R1が、数回置換されていて
もよい。いくつかの置換基が存在する際には、それら
は、互いに独立して選択され得る。
【0038】一般式(I)では、指数nは、このR2基が、
括弧内に示される置換ビニルシクロプロパン基によっ
て、n回置換されていることを意味する。
【0039】さらに、式(I)の上記記号に対して、互い
に独立して選択され得る好ましい定義が存在し、これら
の定義は、以下の通りである:R1は、H、置換または未
置換C1〜C6アルキル、あるいは置換または未置換C6アリ
ールであり;R2は、n回置換C1〜C12アルキレン、C6〜C
14アリーレン、またはC6〜C8シクロアルキレンであり;
XはCO−Oであり;R3は、HまたはC1〜C3アルキルであ
り;YはCO−Oであり;R4は、HまたはC1〜C3アルキルで
あり;および/またはnは、2または3である。
【0040】従って、好ましい化合物には、式(I)の記
号の少なくとも1個が、上記の好ましい定義を有するも
のがある。
【0041】本発明のビニルシクロプロパン誘導体は、
通常、立体異性体混合物、特に、ラセミ化合物として存
在する。
【0042】本発明の多官能性ビニルシクロプロパン誘
導体を調製するためには、以下の方法が使用される:式
(IIA)のモノビニルシクロプロパン誘導体を、
【0043】
【化14】
【0044】式(IIB)のn回官能基化されたカップリン
グ成分と反応させて、
【0045】
【化15】
【0046】式(I)の多官能性ビニルシクロプロパン誘
導体を形成し、ここで、TはHまたはハロゲンであり、Z
は脱離基であり、そして残りの記号は、上記定義の通り
である。
【0047】脱離基Zの好ましい例には、OH、NH2、また
はハロゲンがある。
【0048】従って、本発明の調製方法は、以下の反応
式によって説明され得る。
【0049】
【化16】
【0050】式(IIA)の化合物は、トランス-1,4-ジハロ
ブト-2-エンと、対応するマロン酸の誘導体との反応に
よるビニルシクロプロパンの公知の調製方法に従って、
調製され得(US-A-4,713,478号およびUS-A-4,713,479号
を参照)、この場合、必要に応じて、保護基と共に提供
されるエダクトが使用されるべきである。この方法は、
例を参照して、以下の式により例示される。
【0051】
【化17】
【0052】および、必要に応じて、
【0053】
【化18】
【0054】二官能性ビニルシクロプロパン(4)は、例
えば、以下の反応式に従って、レゾルシノールと1-メト
キシカルボニル-1-クロロホルミル-2-ビニルシクロプロ
パンとのエステル化により、本発明の方法によって得ら
れ得る:
【0055】
【化19】
【0056】さらに、二官能性ビニルシクロプロパン
(3)は、例えば、エチレングリコールと2-ビニルシクロ
プロパン-1,1-ジカルボン酸モノメチルエステルとのエ
ステル化により、本発明の方法に従って得られ得、その
一部は、市販のマロン酸ジメチルエステルとトランス-
1,4-ジブロモブト-2-エンとの反応、および以下の反応
式に従って、形成した2-ビニルシクロプロパン-1,1-ジ
カルボン酸ジメチルエステルとのその後の部分けん化に
よって得られ得る。
【0057】
【化20】
【0058】カップリング成分(IIB)は、特に、二価ま
たは多価のヒドロキシ化合物(例えば、エチレングリコ
ール、ジ−またはトリエチレングリコール、ブチレング
リコール、1,6-ヘキサンジオール、グリセロール、トリ
エタノールアミン、トリメチロールプロパントリオー
ル、ペンタエリトリトールまたはグルコース、およびヒ
ドロキノン、レゾルシノール、ピロカテコール、または
ピロガロール)であり得る。
【0059】さらに、二官能性または多官能性のアミン
(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、およびo-、p-、またはm-フェニ
レンジアミン)もまた、適切である。
【0060】さらに、特に、カップリング成分(IIB)と
して、二官能性または多官能性の有機ハロゲン化合物
(例えば、1,2-ジブロモエタン、1,4-ジブロモブタン、
1,10-ジブロモデカン、1,2,3-トリブロモプロパン、1,4
-ジブロモベンゼン、または1,3,5-トリブロモベンゼン)
を使用することも可能である。これらのハロゲン化合物
は、例えば、以下の反応式に従って、ビニルシクロプロ
パン-1,1-ジカルボン酸モノメチルエステルのナトリウ
ム塩と反応して、本発明の対応するビニルシクロプロパ
ン誘導体を形成し得る。
【0061】
【化21】
【0062】先に記載の方法に加えて、第一の工程に
て、以下の反応式に示されるように、この化合物(IIIA)
とn回官能基化されたカップリング成分(IIB)とを反応
させることにより、中間体(IIIB)を調製することが可能
であり、次いで、この中間体は、1,4-ジブロモブト-2-
エンとの反応により、本発明のn回官能基化されたビニ
ルシクロプロパン誘導体(I)に転化される:
【0063】
【化22】
【0064】化合物(IIIA)の好ましい例には、マロン酸
の誘導体がある。
【0065】このようにして、例えば、以下の反応式に
示されるように、二官能性ビニルシクロプロパン(4)
は、まず、レゾルシノールをマロン酸モノメチルエステ
ルクロライドでエステル化し、その後、形成したエステ
ルを1,4-ジブロモブト-2-エンと反応させることにより
調製され得る:
【0066】
【化23】
【0067】
【化24】
【0068】重合可能な基の存在のために、本発明の多
官能性ビニルシクロプロパン誘導体は、ポリマーおよび
コポリマーの調製のための出発物質として適切である。
これらは、公知のラジカル重合方法を用いて単独重合さ
れ得るか、または例えば、適切なコモノマーと共重合さ
れ得る。従来のラジカル重合開始剤を使用する場合、開
環1,5-構造を有するポリマーおよびコポリマーが非常に
広範にわたって形成され、その結果、しばしば重合収縮
が低下する。
【0069】ラジカル重合は、公知のラジカル開始剤(E
ncyclopedia of Polymer Science and Engineering、第
13巻、Wiley-Interscience Publisher、New York 198
8、754頁以降を参照)を用いて行われる。この目的に
は、特に、アゾ化合物(例えば、アゾビス(イソブチロニ
トリル) (AIBN)またはアゾビス(4-シアノ吉草酸))、あ
るいは過酸化物(ジベンゾイルペルオキシド、ジラウロ
イルペルオキシド、tert-ブチルパーオクトエート、ter
t-ブチルパーベンゾエート、またはジ(tert-ブチル)-ペ
ルオキシド)が適切である。
【0070】ベンズピナコールおよび2,2'-ジアルキル
ベンズピナコールは、熱硬化の開始剤として、とりわけ
適切である。
【0071】さらに、光開始剤(J.P. Fouassier、J.F.
Rabek(発行人)、Radiation Curing in Polymer Scien
ce and Technology、第II巻、Elsevier Applied Scienc
e、London and New York 1993を参照)もまた、UV光また
は可視光を用いる重合に使用され得、例えば、ベンゾイ
ンエーテル、ジアルキルベンジルケタール、ジアルコキ
シアセトフェノン、アシルホスフィンオキシド、α−ジ
ケトン(例えば、9,10-フェナントレンキノン)、ジアセ
チル、フリル、アニシル、4,4'-ジクロロベンジル、な
らびに4,4'-ジアルコキシベンジルおよびカンファーキ
ノンがある。
【0072】過酸化物またはα−ジケトンによる開始を
促進するために、特に、芳香族アミンとの組合せが使用
され得る。さらに、促進剤として、レドックス系が使用
され得、例えば、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイル
ペルオキシド、またはカンファーキノンと、アミン(例
えば、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジヒドロキシ
エチル-p-トルイジン、または構造的に関連したアミン)
との組合せがある。
【0073】ビニルシクロプロパンは、接着剤、セメン
ト、複合材料、および成形体の構成成分、および好まし
くは歯科用材料の構成成分として特に使用され得る。ビ
ニルシクロプロパンを、少なくとも部分的に重合した形
態で存在させることは可能である。ビニルシクロプロパ
ンと組み合わせられ得るさらなる成分を、以下に示す。
【0074】本発明のビニルシクロプロパン誘導体は、
単独で、または従来のラジカル重合性のコモノマー(特
に、二官能性架橋モノマー)と一緒に重合され得る。接
着剤または歯科用材料の調製に特に適切なコモノマーに
は、とりわけ、架橋性の二官能性または多官能性アクリ
レートまたはメタクリレート(例えば、ビスフェノール-
A-ジ(メタ)アクリレート、メタクリル酸とビスフェノ
ール-A-ジグリシジルエーテルとの付加生成物、ウレタ
ンジメタクリレート(例えば、ヒドロキシエチルメタク
リレートと2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネートとの付加生成物)、ジ−、トリ−またはテトラエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテト
ラ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)ア
クリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、および1,12-ドデカンジオールジ(メタ)アクリ
レートがある。
【0075】さらに、本発明のビニルシクロプロパン誘
導体、またはそれらと他のモノマーとの混合物には、機
械的特性を改良するために、有機または無機の粒子また
は繊維が充填され得る。好ましい無機粒子フィラーに
は、SiO2、ZrO2、および/またはTiO2の混合酸化物をベ
ースにした非晶質球状物質、微細フィラー(例えば、熱
分解シリカまたは沈降シリカ)、およびマクロまたはミ
ニフィラー(例えば、0.01μm〜5μmの平均粒子サイズ
を有する石英粉末、ガラスセラミック粉末、またはガラ
ス粉末)、およびX線不透過性フィラー(例えば、三フッ
化イッテルビウム)がある。さらに、ガラス繊維、ポリ
アミド繊維、または炭素繊維もまた、使用され得る。
【0076】最終的に、本発明のビニルシクロプロパン
誘導体には、さらなる成分(例えば、安定剤、UV吸収
剤、染料、顔料、または潤滑剤)もまた添加され得る。
【0077】本発明の多官能性ビニルシクロプロパン誘
導体は、特に、歯科用材料の構成成分(例えば、歯科用
接着剤、固定セメントまたは充填複合材料、およびイン
レーおよび/またはアンレー用のまたは歯の材料、また
はクラウンおよびブリッジ用の単板材料)として適切で
ある。本発明のこのような歯科用材料は、低い重合収縮
および良好な機械的特性により特徴付けられる。特に、
それらは、(メタ)アクリレートに対してアレルギー性の
患者にさえ使用され得る。さらに、本発明の重合したビ
ニルシクロプロパンは、主鎖において、加水分解により
開裂し得る基を有さないので、口腔内に比較的長時間残
っている場合でさえ安定であることが明らかとなってお
り、このことは、それらを歯科用材料として使用する場
合、本質的に特に有利である。
【0078】本発明の好ましい歯科用材料は、以下の成
分(a)、(b)、(c)、および/または(d)を含有する: (a)99重量%まで(好ましくは、10重量%〜80重量%、そ
して特に好ましくは、20重量%〜70重量%)の本発明の
多官能性ビニルシクロプロパン誘導体; (b)0.01重量%〜5重量%(特に好ましくは、0.1重量%
〜2.0重量%)の開始剤; (c)0重量%〜80重量%(好ましくは、0重量%〜60重量
%、そして特に好ましくは、0重量%〜50重量%)のラ
ジカル重合性のコモノマー; (d)0重量%〜90重量%(特に好ましくは、用途に依存し
て、接着剤の場合には0重量%〜20重量%、セメントの
場合には20重量%〜60重量%、そして充填複合材料の場
合には60重量%〜85重量%)のフィラー。
【0079】
【実施例】本発明を、以下の実施例を参照してさらに詳
細に説明する。
【0080】<実施例1> 2-ビニルシクロプロパン-
1,1-ジカルボン酸モノメチルエステル(1)の合成 温度計、マグネチックスターラー、およびCaCl2管を備
えた100 mlの2口フラスコにて、マロン酸ジメチルエス
テルおよびトランス-1,4-ジブロモブト-2-エンから得ら
れ得る2-ビニルシクロプロパン-1,1-ジカルボン酸ジメ
チルエステル36.8g(0.2モル) (US-A-4,713,478号およ
びUS-A-4,713,479号を参照)を、メタノール65 mlに溶解
し、そしてこの溶液を、氷水で約5℃まで冷却する。次
いで、温度が15℃より上がらないようにして、KOH13.3
g(0.2モル)を少しずつ添加する。反応を完結するため
に、撹拌を12時間継続し、次いで、真空(50 mbar)に
て、50℃で、ロータリーエバポレーター中で揮発性成分
を除去する。得られたオイル(約43g)を、水50 mlに溶
解し、そして冷却しながら濃塩酸を用いて約2〜3のpH
に調整する。その有機相を、ジエチルエーテル100 mlに
取り出し、各100 mlのジエチルエーテルでさらに2回抽
出し、そして合わせたエーテル相を無水Na2SO4で乾燥す
る。この溶液を、ヒドロキノンモノメチルエーテル0.01
gで安定化し、真空にて濃縮し、中程度の高真空下にて
乾燥する。その結果、無色の液体28.2g(収率83%)を得
る。
【0081】
【表1】
【0082】<実施例2> 1,1,1-トリス[(2-ビニルシ
クロプロパン-1-カルボン酸メチルエステル-1-カルボニ
ルオキシ)メチル]プロパン(2)の合成 温度計およびCaCl2管を備えた100 mlの2口フラスコに
て、実施例1で調製したエステル(1)9.45g(55.6ミリモ
ル)、1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)プロパン2.5g(1
8.7ミリモル)、および4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)
0.061g(0.5ミリモル)を、無水塩化メチレン40 mlに溶
解し、そしてこの溶液を、氷水で0℃〜5℃まで冷却す
る。N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)11.45
g(55.6ミリモル)を、撹拌しさらに冷却しながら1.5時
間にわたって、少しずつ添加する。反応を完結するため
に、撹拌をさらに8時間継続する。沈殿した析出物を吸
引濾過し、いくらかの塩化メチレンで洗浄し、そして合
わせた有機相を、0.5NのHCl(100 ml)、飽和重炭酸ナト
リウム溶液60 ml、および飽和塩化ナトリウム溶液50 ml
で連続的に抽出する。塩化メチレンを、ロータリーエバ
ポレーターにて30℃〜40℃で留去した後、無色のオイル
を得、これを、残渣のN,N'-ジシクロヘキシル尿素を分
離するために、アセトン10 mlに溶解し、濾過後に再び
濃縮する。中程度の高真空下にてさらに乾燥した後、無
色透明で粘稠性の高いオイル7.1g(収率64%)を得る。
【0083】
【表2】
【0084】<実施例3> 1,2-ビス(2-ビニルシクロ
プロパン-1-カルボン酸メチルエステル-1-カルボニルオ
キシ)エタン(3)の合成 この手順は、実施例2のものと同様であり、そしてエス
テル(1)6.8g(0.04モル)、無水エチレングリコール1.25
g(0.02モル)、およびDMAP0.061g(0.5モル)の塩化メチ
レン20 mlの溶液を、DCC8.25g(0.04モル)と反応させ
る。得られたオイルを、いくらかのフェノチアジンを添
加しながら中程度の高真空下にて蒸留し、無色のオイル
(b.p.0.01 mbar=155℃〜160℃)4.1g(収率56%)を得
る。
【0085】
【表3】
【0086】<実施例4> ビス(2-ビニルシクロプロ
パン-1,1-ジカルボン酸メチル)レゾルシニルエステル
(4)の合成−(合成変形例A) この手順は、実施例2のものと同様であり、そしてエス
テル(1)17.0g(0.1モル)、レゾルシノール5.5g(0.02モ
ル)、およびDMAP0.3g(2.5ミリモル)の塩化メチレン60
mlの溶液を、DCC20.6g(0.1モル)と反応させる。塩化メ
チレンを留去した後、得られたオイルを、中程度の高真
空下にて乾燥する。数日放置した後、この生成物(15.2
g、収率73%)は固体になり、示差走査熱量測定(DSC)に
より、30℃〜80℃の融解範囲を示す。
【0087】
【表4】
【0088】<実施例5> ビス(2-ビニルシクロプロ
パン-1,1-ジカルボン酸メチル)レゾルシニルエステル
(4)の合成−(合成変形例B) 第一段階: ビス(マロン酸メチル)レゾルシニルエステ
ル 機械式撹拌機、温度計、塩化カルシウム管、および滴下
漏斗を備えた750 mlのスルホン化フラスコに、レゾルシ
ノール22.2g(0.2モル)、トリエチルアミン44.5g(0.44
モル)、およびDMAP2.48g(0.02モル)の無水THF(200 ml)
の溶液を導入し、そしてマロン酸モノメチルエステルク
ロライド74.4g(0.53モル)のTHF(200 ml)の溶液を、充
分に撹拌しながら0℃〜5℃で1時間以内に滴下する。
混合物を室温まで加温し、反応混合物の撹拌をさらに5
時間継続し、沈殿したトリエチルアミン塩酸塩を吸引濾
過し、エーテル200 mlで洗浄し、そして合わせた有機相
を、中性のpHに達するまで、1NのHCl(100 ml)で5回、1
0%Na2CO3溶液(100 ml)で8回、および飽和NaCl溶液(10
0 ml)で5回抽出する。次いで、それを無水Na2SO4で乾
燥し、ロータリーエバポレーターにて濃縮し、そして一
定重量が得られるまで、中程度の高真空下にて乾燥す
る。得られた粗生成物(34.5g)を、カラムクロマトグラ
フィーにより精製し、それにより、純粋な生成物9g
(収率15%)を得る。
【0089】
【表5】
【0090】第二段階: ビス(2-ビニル-シクロプロパ
ンジカルボン酸メチル)レゾルシニルエステル(4) 還流冷却器および温度計を備えた250 mlの3口丸底フラ
スコに、オイル中の60%分散体として、水素化ナトリウ
ム12.44g(30.5ミリモル)を導入し、アルゴン下にて、
無水石油エーテル50 mlで洗浄する。次いで、この石油
エーテルをデカントする。この手順を2回繰り返し、最
後に、トランス-1,4-ジブロモ-2-ブテン6.1g(27.8ミリ
モル)および無水THF(90 ml)を添加する。その後、ビス
(マロン酸メチル)レゾルシニルエステル4.3g(13.9ミリ
モル)のTHF(90 ml)の溶液を、アルゴン下にて室温で30
分間にわたって滴下し、そして得られた反応混合物を、
65℃で4時間撹拌する。次いで、得られた懸濁液を、乾
燥するまでロータリーエバポレーターにて45℃で濃縮
し、残渣をジエチルエーテル100 mlに取り出し、そして
飽和Na2CO3溶液100 mlで3回および飽和NaCl溶液100 ml
で4回抽出する。得られた黄色の透明エーテル相を、無
水Na2SO4で乾燥し、そしてロータリーエバポレーターに
て濃縮する。得られた残渣(4.2g)を、各50 ppmのジ-te
rt-ブチルクレゾールおよびフェノチアジンで安定化
し、中程度の高真空下にて24時間乾燥し、そしてフラッ
シュクロマトグラフィーによって精製する。生成物2.4
g(収率43%)を得、IRおよび1H-NMRスペクトルは、実施
例4のモノマー(4)のものと同様である。
【0091】<実施例6> ビニルシクロプロパン誘導
体(4)のラジカル単独重合 ビニルシクロプロパン誘導体(4)1.005g(2.4ミリモル)
を、アゾビス(イソブチロニトリル)95 mg(0.06ミリモ
ル)で処理し、Schlenk容器で脱気し、次いで、アルゴン
下にて65℃で重合する。15時間後、冷却し、かつクロロ
ホルム20 mlを添加することにより、重合を停止する。
モノマーおよび不溶性ポリマー(ゲルの割合19.5%)の密
度差から、僅かに約9.5容量%の重合収縮を算出した。
【0092】<実施例7> ビニルシクロプロパン誘導
体(4)をベースにした歯科用セメントの調製 従来のメタクリレート混合物をベースにした複合材料固
定セメントA)、従来の単官能性ビニルシクロプロパン
を含有する複合材料固定セメントB)、および本発明の
二官能性ビニルシクロプロパン誘導体(4)を含有する複
合材料固定セメントC)を調製した。これらのセメント
は、表1に示される組成を有していた。これらのセメン
トから試験片を調製し、歯科用光源、すなわち、Spectr
amat(Vivadent)で3分間にわたり2回照射した。
【0093】表2から、従来のメタクリレート混合物を
有する材料Aは、最大の重合収縮を有していることが分
かる。他方、材料Cは、機械的特性および重合収縮の両
方の点で、材料AおよびBよりも優れている。
【0094】
【表6】
【0095】1) 2-ヒドロキシエチルメタクリレート
(2モル)および2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネート-1,6(1モル)から調製したウレタンジメタク
リレート。
【0096】2) 文献(J. Sugiamaら、Macromolecules
27、(1994) 5543を参照)と同様の様式で調製した1,1-ビ
ス(フェノキシカルボニル)-2-ビニルシクロプロパン。
【0097】3) Degussaから得た熱分解シリカ。
【0098】4) Rhone-Poulencから得た
【0099】
【表7】
【0100】
【発明の効果】本発明によれば、ラジカル重合し得るビ
ニルシクロプロパンを利用可能にし、それらの多官能性
によって架橋ポリマーを生じ、主鎖において、加水分解
により開裂し得る基を有さないポリマーを形成し得る。
本発明の多官能性ビニルシクロプロパン誘導体は、特
に、歯科用材料の構成成分(例えば、歯科用接着剤、固
定セメントまたは充填複合材料、およびインレーおよび
/またはアンレー用のまたは歯の材料、またはクラウン
およびブリッジ用の単板材料)として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08F 36/20 C08F 36/20 C09J 4/00 C09J 4/00 133/06 133/06 (72)発明者 フランク ズナー リヒティンシュタイン公国 フォドーツ エフエル−9490、 アム ヴィダグラ バ 7 (72)発明者 ノルベルト モズナー リヒティンシュタイン公国 エシェン エフエル−9492, シャフハウサーシュ トラーセ 43ツェー (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 69/743 C07C 49/527 C07C 233/58 C07C 317/12 C07C 327/24 C08F 36/20 CA(STN) EPAT(QUESTEL) REGISTRY(STN) WPI/L(QUESTEL)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の一般式(I)の多官能性ビニルシク
    ロプロパン誘導体、それらの立体異性体、およびこのよ
    うな立体異性体の混合物: 【化1】 ここで、R1、R2、R3、R4、X、Y、およびnが、互いに独
    立して以下の意味を有し: R1が、H、置換または未置換C1〜C12アルキル、あるいは
    置換または未置換C6〜C14アリールであり; R2が、O、S、N、またはNHにより介在され得るn回置換C
    1〜C20アルキレン、あるいはn回置換C6〜C14アリーレ
    ンであり; Xが、CO、CO−O、CO−S、CO−NR3、またはSO2である
    か、あるいは存在せず、 ここで、R3が、H、C1〜C6アルキル、またはC6〜C14アリ
    ールであり; Yが、CO、CO−O、CO−S、CO−NR4、またはSO2であり、
    ここで、R4が、H、C1〜C6アルキル、またはC6〜C14アリ
    ールであり;そして nが、2〜6であり;ここで各置換基は、OH、ハロゲ
    ン、C 1 〜C 6 アルコキシ、またはCOOHから独立に選択され
  2. 【請求項2】 前記式(I)の記号が、互いに独立して以
    下の意味を有する、請求項1に記載のビニルシクロプロ
    パン誘導体: R1が、H、置換または未置換C1〜C6アルキル、あるいは
    置換または未置換C6アリールであり; R2が、n回置換C1〜C12アルキレン、C6〜C14アリーレ
    ン、またはC6〜C8シクロアルキレンであり; XがCO−Oであり; R3が、HまたはC1〜C3アルキルであり; YがCO−Oであり; R4がHまたはC1〜C3アルキルであり;および/またはn
    が2または3であり;ここで各置換基は、OH、ハロゲ
    ン、C 1 〜C 6 アルコキシ、またはCOOHから独立に選択され
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のビニルシクロ
    プロパン誘導体の調製方法であって、 (A)式(IIA)のモノビニルシクロプロパン誘導体 【化2】 を式(IIB)のn回官能基化されたカップリング成分 【化3】 と反応させて、式(I)の多官能性ビニルシクロプロパン
    誘導体を形成する工程を包含するか;または(B)式(III
    A)の化合物 【化4】 をn回官能基化されたカップリング成分(IIB) 【化5】 と反応させて、式(IIIB)の中間体 【化6】 を形成する工程と、 次いで、該(IIIB)を、1,4-ジブロモブト-2-エンと反応
    させて、式(I)の多官能性ビニルシクロプロパン誘導体
    を形成する工程とを包含し;ここで、 TがHまたはハロゲンであり、 Zが脱離基であり、そして残りの記号が、請求項1に定
    義の通りである、方法。
  4. 【請求項4】 Zが、OH、NH2、またはハロゲンである、
    請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 接着剤、セメント、複合材料、または成
    形体の構成成分としての、請求項1または2に記載の多
    官能性ビニルシクロプロパン誘導体の使用。
  6. 【請求項6】 歯科用材料の構成成分としての、請求項
    1または2に記載の多官能性ビニルシクロプロパン誘導
    体の使用。
  7. 【請求項7】 前記多官能性ビニルシクロプロパン誘導
    体が、少なくとも部分的に重合した形態で存在する、請
    求項5または6に記載の使用。
  8. 【請求項8】 請求項1または2に記載の多官能性ビニ
    ルシクロプロパン誘導体を含有する、歯科用材料。
  9. 【請求項9】 少なくとも部分的に重合した形態で、前
    記多官能性ビニルシクロプロパン誘導体を含有する、請
    求項8に記載の歯科用材料。
  10. 【請求項10】 請求項1または2に記載の多官能性ビ
    ニルシクロプロパン誘導体の重合または共重合により得
    られ得る、ポリマーおよびコポリマー。
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