JP3016743B2 - 官能基化二環式(メタ)アクリレート - Google Patents

官能基化二環式(メタ)アクリレート

Info

Publication number
JP3016743B2
JP3016743B2 JP9039599A JP3959997A JP3016743B2 JP 3016743 B2 JP3016743 B2 JP 3016743B2 JP 9039599 A JP9039599 A JP 9039599A JP 3959997 A JP3959997 A JP 3959997A JP 3016743 B2 JP3016743 B2 JP 3016743B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substituted
alkyl
aryl
unsubstituted
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP9039599A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09323913A (ja
Inventor
モズナー ノルベルト
ラインベルガー フォルカー
ヴォーゲル カリン
ゼウナー フランク
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ivoclar AG
Original Assignee
Ivoclar AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ivoclar AG filed Critical Ivoclar AG
Publication of JPH09323913A publication Critical patent/JPH09323913A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3016743B2 publication Critical patent/JP3016743B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D493/00Heterocyclic compounds containing oxygen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system
    • C07D493/02Heterocyclic compounds containing oxygen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D493/08Bridged systems

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Dental Preparations (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、官能基化二環式
(メタ)アクリレート、それらの調製方法、特に歯科用材
料としてのそれらの使用、それらを含有する歯科用材
料、およびそれらから得られ得るポリマーおよびコポリ
マーに関する。
【0002】
【従来の技術】ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エニル-(ノル
ボルネニル)基または7-オキサ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-
2-エニル基を有する二環式化合物、およびビシクロ[2,
2,1]ヘプト-2,5-ジエニル基(ノルボルナジエニル)を有
する二環式化合物は、公知であり、開環メタセシス重合
用のモノマーとして特に興味深い(D.J. Brunelle(編)、
Ring-Opening Polymerization、Hanser Pub. Munichな
ど、1993、p.129)。さらに、ノルボルネン化合物はま
た、低収縮チオール−エン重合用の反応性エン成分とし
て、US-A-4 808 638に記載されている。
【0003】少なくとも2個の異なる重合性基を有する
モノマーは、アンビファンクショナル(ambifunctional)
モノマーまたはハイブリッドモノマーと呼ばれ、それら
は、架橋し得るポリマーの制御された合成を可能にす
る。重合性基のタイプに依存して、例えば、ビニルオキ
シエチルメタクリレートの場合には、例えば、ラジカル
重合およびカチオンビニル重合の組合せにより、または
例えば、アクリロイルオキシエチルメタクリレートの場
合には、アニオン基移動重合およびラジカル重合の組合
せにより、ポリマーネットワークの一段階または二段階
合成が行われ得る。このことに関連してさらに、シクロ
オクト-5-エニルメタクリレートの開環メタセシス重合
も知られており、これにより、ラジカル的に架橋され得
るポリマーが生じる(B.R. Maughon、R.H. Grubbs、Ame
r. Chem. Soc. Polym. Div.、Polym.Prep. 36 (1) (199
5) 471)。
【0004】二環式メタクリレートもまた知られてお
り、これらには種々の用途が見出されている。例えば、
過酸化物により架橋され得る層と関連した、ノルボルネ
ニルメチルメタクリレートの合成および重合は、US-A-4
054 233に記載されている。ノルボルネニルメチルメタ
クリレートまたはボルネオールメタクリレートもまた、
熱安定性が向上したPVCの調製において、用途が見出さ
れている(SU-A-1 776 673、Chem. Abstract、119、2725
63参照)。5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物とヒ
ドロキシアルキル-(メタ)アクリレート(例えば、2-ヒド
ロキシエチル(メタクリレート))との反応生成物をベー
スにした接着性ポリマーは、CA-A-1 013 095に述べられ
ている。さらに、ラジカル的に架橋され得るポリイミド
が、7-オキサ-5,6-ジカルボキシイミド-N-イル-ビシク
ロ[2.2.1]ヘプト-2-エンアクリレートを介して得られ得
ることも知られている(T.M. Pyriadi、I.U. Altmamim
i、Macromol. Rep. A31 (1994) 191)。最後に、ジシク
ロペンタジエンと(メタ)アクリル酸との反応の付加生成
物もまた、知られている(S. Teshigahara、Y. Kano、To
so Kenkyu Hokoko、35 (1991) 47、Chem. Abstr. 116、
84740)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、官能
基化二環式(メタ)アクリレートを提供することであり、
これは、調製が簡単であり、室温でラジカルにより硬化
され得、開環メタセシス重合(ROMP)により重合され得、
そして特に、歯科用材料またはそれらの構成成分として
適切であり、とりわけ、歯質接着剤(dentine adhesive)
の接着性促進成分として適切である。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的は、請求項1〜
8に記載の官能基化二環式(メタ)アクリレートにより達
成される。
【0007】本発明はまた、請求項9に記載の官能基化
二環式(メタ)アクリレートの調製方法、請求項10およ
び11に記載のそれらの使用、請求項12および13に
記載のそれらを含有する歯科用材料、ならびに請求項1
4に記載のポリマーまたはコポリマーに関し、これら
は、官能基化二環式(メタ)アクリレートの重合または共
重合により得られ得る。
【0008】本発明は、以下の式(I)または(II)を有す
る官能基化二環式(メタ)アクリレート、ならびにそれら
の立体異性化合物および混合物である:
【0009】
【化8】
【0010】ここで、A−B、T、U、V、W、X、Y、Z、R、
R1、R2、R3、R4、n、およびmは、互いに独立して、以
下の意味を有し: A−Bは、C−CまたはC=Cであり; Xは、CH2、O、N−CO−OR、N−COR、N−CONR2、またはN
−SO2Rであり、ここで、個々の基Rは、互いに独立し
て、置換または未置換C1〜C12アルキルまたはC6〜C14
リールであり; Zは、CH2=CH−CO−またはCH2=C(CH3)−CO−であり; Vは、C1〜C6アルキレンオキシ、CH2−S、CH2−NH、また
はCOO−(C1〜C6)アルキレンオキシであり; Yは、H、C1〜C12アルキル、C6〜C14アリール、ハロゲ
ン、NO2、NR1 2、OR1、CN、CO−R1、CO−NR1 2、CO−O
R1、SR1、SO2R1、またはSO3R1であり、ここで、個々の
基R1は、互いに独立して、H、置換または未置換C1〜C12
アルキル、C6〜C14アリールまたは−(CH2CH2O)nHであ
り、nは1〜10であり; Tは、C1〜C12アルキル、C6〜C14アリール、ハロゲン、N
O2、NR2 2、OR2、CN、CO−R2、CO−NR2 2、CO−OR2、S
R2、SO2R2、またはSO3R2であり、ここで、個々の基R
2は、互いに独立して、H、置換または未置換C1〜C12
ルキル、C6〜C14アリールまたは−(CH2CH2O)nHであり、
nは1〜10であり; あるいは、YおよびTは一緒になって、−CO−O−CO−ま
たは−CO−NR3−CO−であり、ここで、R3は、 H、置換
または未置換C1〜C12アルキル、C6〜C14アリールまたは
−(CH2CH2O)nHであり、nは1〜10であり; Uは、 C1〜C12アルキレンオキシ、CO−NR4−、CO−O、
またはOであり、ここで、R4は、H、置換または未置換C1
〜C12アルキルまたはC6〜C14アリールであり; Wは、m倍に置換したC1〜C12アルキレン、C6〜C14アリ
ーレン、C8〜C16アラルキレン、または(−CH2CH2OCH2CH
2−)nであり、nは1〜10であり、ここで、該基は、さ
らなる置換基を有し得;そしてmは、2〜4であり、た
だし、A−Bが、C=Cであり、XがOであり、TがCO−OCH3
であり、YがCO−OCH3であり、そしてVが C1〜C2アルキ
レンオキシである場合、Zは、CH2=CH−CO−ではなく、
そして式(I)の二環式(メタ)アクリレートは、A−
BがC−Cであり、XがOであり、YおよびTが一緒に
なって−CO−O−CO−、−CO−NH−CO−、−
CO−NC 6 5 −CO−、または−CO−N(C 6 4
=NC 6 5 )−CO−であり、VがCH 2 Oであり、か
つZがCH 2 =CH(CH 3 )−CO−である場合を除
【0011】好適な実施態様では、上記式(I)および(I
I)の記号は、互いに独立して、以下の意味を有する:A
−Bは、C−CまたはC=Cであり;XはOであり;ZはCH2=C
H−CO−またはCH2=C(CH3)−CO−であり;VはCH2−Oで
あり;YはH、OH、COOH、CO−NH2、またはCO−OR1であ
り;R1は、H、置換または未置換C1〜C12アルキルまたは
C6〜C14アリールであり;Tは、OH、COOH、CO−NH2、ま
たはCO−OR2であり;R2は、H、置換または未置換C1〜C
12アルキルまたはC6〜C14アリールであり;あるいは、Y
およびTは一緒になって、−CO−O−CO−またはCO−NR3
−CO−であり;R3は、 H、置換または未置換C1〜C12
ルキルまたはC6〜C14アリールであり;Uは、 CO−Oまた
はCO−NR4であり;R4は、HまたはC1〜C5アルキルであ
り;Wは、m倍に置換したC1〜C12アルキレンであり、さ
らなる置換基を有し得;および/またはmは2である。
【0012】好適な実施態様では、A−Bは、C−Cまたは
C=Cであり;XはOであり;そしてVはCH2Oである。
【0013】好適な実施態様では、ZはCH2=C(CH3)−CO
−である。
【0014】好適な実施態様では、YおよびTは一緒にな
って、−CO−O−CO−であるか、あるいはYはCOOHであ
り、そしてTはCOOHである。
【0015】好適な実施態様では、TはCOOHであり、そ
してYはCOOR1であり、ここで、R1は、1個または2個の
OH基で置換したC1〜C6アルキルである。
【0016】好適な実施態様では、YはCOOHであり、Uは
CO−Oであり、そしてmは2である。
【0017】好適な実施態様では、Wはm倍に置換したC
1〜C12アルキレンであり、さらなる置換基として、少な
くとも1個のOH基または少なくとも1個のCOOH基を有し
得る。
【0018】本発明はまた、以下の式(I)または(II)を
有する二環式(メタ)アクリレートの調製方法であって、
【0019】
【化9】
【0020】ここで、A−B、T、U、V、W、X、Y、Z、R、
R1、R2、R3、R4、n、およびmは、互いに独立して、以
下の意味を有し: A−Bは、C−CまたはC=Cであり; Xは、CH2、O、N−CO−OR、N−COR、N−CONR2、またはN
−SO2Rであり、ここで、個々の基Rは、互いに独立し
て、置換または未置換C1〜C12アルキルまたはC6〜C14
リールであり; Zは、CH2=CH−CO−またはCH2=C(CH3)−CO−であり; Vは、C1〜C6アルキレンオキシ、CH2−S、CH2−NH、また
はCOO−(C1〜C6)アルキレンオキシであり; Yは、H、C1〜C12アルキル、C6〜C14アリール、ハロゲ
ン、NO2、NR1 2、OR1、CN、CO−R1、CO−NR1 2、CO−O
R1、SR1、SO2R1、またはSO3R1であり、ここで、個々の
基R1は、互いに独立して、H、置換または未置換C1〜C12
アルキル、C6〜C14アリールまたは−(CH2CH2O)nHであ
り、nは1〜10であり; Tは、C1〜C12アルキル、C6〜C14アリール、ハロゲン、N
O2、NR2 2、OR2、CN、CO−R2、CO−NR2 2、CO−OR2、S
R2、SO2R2、またはSO3R2であり、ここで、個々の基R
2は、互いに独立して、H、置換または未置換C1〜C12
ルキル、C6〜C14アリールまたは−(CH2CH2O)nHであり、
nは1〜10であり; あるいは、YおよびTは一緒になって、−CO−O−CO−ま
たは−CO−NR3−CO−であり、ここで、R3は、 H、置換
または未置換C1〜C12アルキル、C6〜C14アリールまたは
−(CH2CH2O)nHであり、nは1〜10であり; Uは、 C1〜C12アルキレンオキシ、CO−NR4−、CO−O、
またはOであり、ここで、R4は、H、置換または未置換C1
〜C12アルキルまたはC6〜C14アリールであり; Wは、m倍に置換したC1〜C12アルキレン、C6〜C14アリ
ーレン、C8〜C16アラルキレン、または(−CH2CH2OCH2CH
2−)nであり、nは1〜10であり、ここで、該基は、さ
らなる置換基を有し得;そしてmは、2〜4であり、
だし式(I)の二環式(メタ)アクリレートは、A−B
がC−Cであり、X がOであり、YおよびTが一緒にな
って−CO−O−CO−、−CO−NH−CO−、−C
O−NC 6 5 −CO−、または−CO−N(C 6 4 N=
NC 6 5 )−CO−であり、VがCH 2 Oであり、かつ
ZがCH 2 =CH(CH 3 )−CO−である場合を除く (a)一般式(III)を有する置換ジエン(メタ)アクリル化合
物と、以下の反応式に従って、ディールス−アルダー反
応によって、該式(I)を有する二環式(メタ)アクリレー
トの形成下にて、一般式(IV)を有する置換ジエノフィル
とを反応させる工程であって:
【0021】
【化10】
【0022】C−DがC=CまたはC≡Cである、工程;ある
いは(b)式(V)を有する二環式化合物を、以下の反応式
に従って、式(VI)を有するポリヒドロキシ化合物と縮合
して、式(II)を有する(メタ)アクリレートを形成する工
程;
【0023】
【化11】
【0024】を包含する、方法である。
【0025】本発明はまた、歯科用材料または歯科用材
料の成分としての、以下の式(I)または(II)を有する二
環式(メタ)アクリレートの使用である:
【0026】
【化12】
【0027】ここで、A−B、T、U、V、W、X、Y、Z、R、
R1、R2、R3、R4、n、およびmは、互いに独立して、以
下の意味を有し:A−Bは、C−CまたはC=Cであり;X
は、CH2、O、N−CO−OR、N−COR、N−CONR2、またはN−
SO2Rであり、ここで、個々の基Rは、互いに独立して、
置換または未置換C1〜C12アルキルまたはC6〜C14アリー
ルであり;Zは、CH2=CH−CO−またはCH2=C(CH3)−CO
−であり;Vは、C1〜C6アルキレンオキシ、CH2−S、CH2
−NH、またはCOO−(C1〜C6)アルキレンオキシであり;Y
は、H、C1〜C12アルキル、C6〜C14アリール、ハロゲ
ン、NO2、NR1 2、OR1、CN、CO−R1、CO−NR1 2、CO−O
R1、SR1、SO2R1、またはSO3R1であり、ここで、個々の
基R1は、互いに独立して、H、置換または未置換C1〜C12
アルキル、C6〜C14アリールまたは−(CH2CH2O)nHであ
り、nは1〜10であり;Tは、C1〜C12アルキル、C6〜C
14アリール、ハロゲン、NO2、NR2 2、OR2、CN、CO−R2
CO−NR2 2、CO−OR2、SR2、SO2R2、またはSO3R2であり、
ここで、個々の基R2は、互いに独立して、H、置換また
は未置換C1〜C12アルキル、C6〜C14アリールまたは−(C
H2CH2O)nHであり、nは1〜10であり;あるいは、Yおよ
びTは一緒になって、−CO−O−CO−または−CO−NR3−C
O−であり、ここで、R3は、 H、置換または未置換C1〜C
12アルキル、C6〜C14アリールまたは−(CH2CH2O)nHであ
り、nは1〜10であり;Uは、 C1〜C12アルキレンオキ
シ、CO−NR4−、CO−O、またはOであり、ここで、R
4は、H、置換または未置換C1〜C12アルキルまたはC6〜C
14アリールであり;Wは、m倍に置換したC1〜C12アルキ
レン、C6〜C14アリーレン、C8〜C16アラルキレン、また
は(−CH2CH2OCH2CH2−)nであり、nは1〜10であり、こ
こで、該基は、さらなる置換基を有し得;そしてmは、
2〜4である。
【0028】好適な実施態様では、上記歯科用材料は歯
質接着剤である。
【0029】本発明はまた、以下の式(I)または(II)を
有する、重合および/または未重合二環式(メタ)アクリ
レートを含有する、歯科用材料である:
【0030】
【化13】
【0031】ここで、A−B、T、U、V、W、X、Y、Z、R、
R1、R2、R3、R4、n、およびmは、互いに独立して、以
下の意味を有し:A−Bは、C−CまたはC=Cであり;X
は、CH2、O、N−CO−OR、N−COR、N−CONR2、またはN−
SO2Rであり、ここで、個々の基Rは、互いに独立して、
置換または未置換C1〜C12アルキルまたはC6〜C14アリー
ルであり;Zは、CH2=CH−CO−またはCH2=C(CH3)−CO
−であり;Vは、C1〜C6アルキレンオキシ、CH2−S、CH2
−NH、またはCOO−(C1〜C6)アルキレンオキシであり;Y
は、H、C1〜C12アルキル、C6〜C14アリール、ハロゲ
ン、NO2、NR1 2、OR1、CN、CO−R1、CO−NR1 2、CO−O
R1、SR1、SO2R1、またはSO3R1であり、ここで、個々の
基R1は、互いに独立して、H、置換または未置換C1〜C12
アルキル、C6〜C14アリールまたは−(CH2CH2O)nHであ
り、nは1〜10であり;Tは、C1〜C12アルキル、C6〜C
14アリール、ハロゲン、NO2、NR2 2、OR2、CN、CO−R2
CO−NR2 2、CO−OR2、SR2、SO2R2、またはSO3R2であり、
ここで、個々の基R2は、互いに独立して、H、置換また
は未置換C1〜C12アルキル、C6〜C14アリールまたは−(C
H2CH2O)nHであり、nは1〜10であり;あるいは、Yおよ
びTは一緒になって、−CO−O−CO−または−CO−NR3−C
O−であり、ここで、R3は、 H、置換または未置換C1〜C
12アルキル、C6〜C14アリールまたは−(CH2CH2O)nHであ
り、nは1〜10であり;Uは、 C1〜C12アルキレンオキ
シ、CO−NR4−、CO−O、またはOであり、ここで、R
4は、H、置換または未置換C1〜C12アルキルまたはC6〜C
14アリールであり;Wは、m倍に置換したC1〜C12アルキ
レン、C6〜C14アリーレン、C8〜C16アラルキレン、また
は(−CH2CH2OCH2CH2−)nであり、nは1〜10であり、こ
こで、該基は、さらなる置換基を有し得;そしてmは、
2〜4である。
【0032】好適な実施態様では、上記歯科用材料は歯
質接着剤である。
【0033】本発明はまた、以下の式(I)または(II)を
有する二環式(メタ)アクリレートの重合または共重合に
より得られ得る、ポリマーまたはコポリマーである:
【0034】
【化14】
【0035】ここで、A−B、T、U、V、W、X、Y、Z、R、
R1、R2、R3、R4、n、およびmは、互いに独立して、以
下の意味を有し: A−Bは、C−CまたはC=Cであり; Xは、CH2、O、N−CO−OR、N−COR、N−CONR2、またはN
−SO2Rであり、ここで、個々の基Rは、互いに独立し
て、置換または未置換C1〜C12アルキルまたはC6〜C14
リールであり; Zは、CH2=CH−CO−またはCH2=C(CH3)−CO−であり; Vは、C1〜C6アルキレンオキシ、CH2−S、CH2−NH、また
はCOO−(C1〜C6)アルキレンオキシであり; Yは、H、C1〜C12アルキル、C6〜C14アリール、ハロゲ
ン、NO2、NR1 2、OR1、CN、CO−R1、CO−NR1 2、CO−O
R1、SR1、SO2R1、またはSO3R1であり、ここで、個々の
基R1は、互いに独立して、H、置換または未置換C1〜C12
アルキル、C6〜C14アリールまたは−(CH2CH2O)nHであ
り、nは1〜10であり; Tは、C1〜C12アルキル、C6〜C14アリール、ハロゲン、N
O2、NR2 2、OR2、CN、CO−R2、CO−NR2 2、CO−OR2、S
R2、SO2R2、またはSO3R2であり、ここで、個々の基R
2は、互いに独立して、H、置換または未置換C1〜C12
ルキル、C6〜C14アリールまたは−(CH2CH2O)nHであり、
nは1〜10であり; あるいは、YおよびTは一緒になって、−CO−O−CO−ま
たは−CO−NR3−CO−であり、ここで、R3は、 H、置換
または未置換C1〜C12アルキル、C6〜C14アリールまたは
−(CH2CH2O)nHであり、nは1〜10であり; Uは、 C1〜C12アルキレンオキシ、CO−NR4−、CO−O、
またはOであり、ここで、R4は、H、置換または未置換C1
〜C12アルキルまたはC6〜C14アリールであり; Wは、m倍に置換したC1〜C12アルキレン、C6〜C14アリ
ーレン、C8〜C16アラルキレン、または(−CH2CH2OCH2CH
2−)nであり、nは1〜10であり、ここで、該基は、さ
らなる置換基を有し得;そしてmは、2〜4であり、 ただし式(I)の二環式(メタ)アクリレートは、A−
BがC−Cであり、X がOであり、YおよびTが一緒に
なって−CO−O−CO−、−CO−NH−CO−、−
CO−NC 6 5 −CO−、または−CO−N(C 6 4
=NC 6 5 )−CO−であり、VがCH 2 Oであり、か
つZがCH 2 =CH(CH 3 )−CO−である場合を除
【0036】
【発明の実施の形態】本発明の官能基化二環式(メタ)ア
クリレートは、以下の式(I)または(II)を有する化合
物、ならびにこれらの全ての立体異性化合物および任意
の混合物である:
【0037】
【化15】
【0038】ここで、A−B、T、U、V、W、X、Y、Z、R、
R1、R2、R3、R4、n、およびmは、互いに独立して、以
下の意味を有し:A−Bは、C−CまたはC=Cであり;X
は、CH2、O、N−CO−OR、N−COR、N−CONR2、またはN−
SO2Rであり、ここで、個々の基Rは、互いに独立して、
置換または未置換C1〜C12アルキルまたはC6〜C14アリー
ルであり;Zは、CH2=CH−CO−またはCH2=C(CH3)−CO
−であり;Vは、C1〜C6アルキレンオキシ、CH2−S、CH2
−NH、またはCOO−(C1〜C6)アルキレンオキシであり;Y
は、H、C1〜C12アルキル、C6〜C14アリール、ハロゲ
ン、NO2、NR1 2、OR1、CN、CO−R1、CO−NR1 2、CO−O
R1、SR1、SO2R1、またはSO3R1であり、ここで、個々の
基R1は、互いに独立して、H、置換または未置換C1〜C12
アルキル、C6〜C14アリール、または−(CH2CH2O)nHであ
り、nは1〜10であり;Tは、C1〜C12アルキル、C6〜C
14アリール、ハロゲン、NO2、NR2 2、OR2、CN、CO−R2
CO−NR2 2、CO−OR2、SR2、SO2R2、またはSO3R2であり、
ここで、個々の基R2は、互いに独立して、H、置換また
は未置換C1〜C12アルキル、C6〜C14アリール、または−
(CH2CH2O)nHであり、nは1〜10であり;あるいは、Yお
よびTは一緒になって、−CO−O−CO−または−CO−NR3
−CO−であり、ここで、R3は、 H、置換または未置換C1
〜C12アルキル、C6〜C14アリール、または−(CH2CH2O)n
Hであり、nは1〜10であり;Uは、 C1〜C12アルキレン
オキシ、CO−NR4−、CO−O、またはOであり、ここで、R
4は、H、置換または未置換C1〜C12アルキルまたはC6〜C
14アリールであり;Wは、m倍に置換したC1〜C12アルキ
レン、C6〜C14アリーレン、C8〜C16アラルキレンまたは
(−CH2CH2OCH2CH2−)nであり、nは1〜10であり、ここ
で、上記基は、さらなる置換基を有し得;そしてmは2
〜4である。
【0039】上式は、原子価理論に一致する化合物のみ
を包含する。
【0040】さらに、式(I)は、以下の2個の位置異性
体を表わす:
【0041】
【化16】
【0042】そして、式(II)は、以下の2個の位置異性
体を表わす:
【0043】
【化17】
【0044】従って、このことはまた、発明の詳細な説
明および特許請求の範囲で示される他の式にも適用さ
れ、ここで、式(I)および(II)で用られる表現形式は、
両方の位置異性体を包含するように使用される。
【0045】さらに、基Y、T、およびUは、互いに独立
して、エンド位またはエキソ位で結合される。
【0046】代表的には、本発明の(メタ)アクリレート
は、特に、ラセミ化合物として立体異性体混合物の形態
である。
【0047】必要に応じて、基R、R1、R2、R3、およびR
4上に存在する置換基は、特に、COOH、OH、ハロゲン、C
1〜C12アルコキシ、−N+−(C1〜C12アルキル)3、−O−P
=O(OH)2、または−P=O(OH)2である。このことはま
た、必要に応じて、W上に存在するさらなる置換基にも
適用される。これらの基上にいくつかの置換基が存在す
る場合、これらは、互いに独立して選択され得る。
【0048】式(II)の範囲に入る本発明の(メタ)アクリ
レートの場合には、基Wは、m倍に置換(すなわち、括
弧内に示されるノルボルネニル基で二置換から四置換)
されている。さらに、Wはまた、上記に示されるさらな
る置換基で置換され得る。
【0049】説明の目的上、対応する構造式は、式(I)
および(II)の範囲内に入る好ましい(メタ)アクリレート
について以下に示し、これらの式はまた、炭素原子Aお
よびB上の置換基を交換することにより得られる、対応
する位置異性体も表わす。
【0050】
【化18】
【0051】
【化19】
【0052】さらに、式(I)および(II)の上記記号に対
して、互いに独立して選択され得る好ましい定義が存在
し、これらの定義は、以下の通りである:A−Bは、C−C
またはC=Cであり;XはOであり;Zは、CH2=CH−CO−ま
たはCH2=C(CH3)−CO−であり;VはCH2−Oであり;Y
は、H、OH、COOH、CO−NH2、またはCO−OR1であり;R1
は、H、置換または未置換C1〜C12アルキルまたはC6〜C
14アリールであり;Tは、OH、COOH、CO−NH2、またはCO
−OR2であり;R2は、H、置換または未置換C1〜C12アル
キルまたはC6〜C14アリールであり;あるいは、Yおよび
Tは一緒になって、−CO−O−CO−またはCO−NR3−CO−
であり;R3は、 H、置換または未置換C1〜C12アルキル
またはC6〜C14アリールであり;Uは、 CO−OまたはCO−
NR4であり;R4は、HまたはC1〜C5アルキルであり;W
は、m倍に置換したC1〜C12アルキレンであり、これ
は、さらなる置換基を有し得;および/またはmは2で
ある。
【0053】従って、好ましい化合物には、式(I)およ
び(II)の記号の少なくとも1個が、上記の好ましい定義
を有するものがある。
【0054】本発明の特に好ましい二環式(メタ)アクリ
レートには、以下の(1.)〜(6.)の定義の少なくとも1個
を満足するものがある: (1.) 式(I)または(II)を有する二環式(メタ)アクリレ
ート:ここで、A−Bは、 C−CまたはC=Cであり、XはO
であり、そしてVはCH2Oである。 (2.) 式(I)または(II)を有する二環式(メタ)アクリレ
ート:ここで、Zは、CH2=C(CH3)−CO−である。 (3.) 式(I)を有する二環式(メタ)アクリレート:ここ
で、YおよびTは一緒になって、−CO−O−CO−である
か、またはYは、COOHであり、そしてTはCOOHである。 (4.) 式(I)を有する二環式(メタ)アクリレート:ここ
で、TはCOOHであり、そしてYはCOOR1であり、ここで、R
1は、1個または2個のOH基で置換したC1〜C6アルキル
である。 (5.) 式(II)を有する二環式(メタ)アクリレート:こ
こで、YはCOOHであり、UはCO−Oであり、そしてmは2
である。 (6.) 式(II)を有する二環式(メタ)アクリレート:こ
こで、Wは、m倍に置換したC1〜C12アルキレンであり、
これは、さらなる置換基として、少なくとも1個のOH基
または少なくとも1個のCOOH基を有し得る。
【0055】本発明の式(I)を有する官能基化(メタ)ア
クリレートは、ディールス−アルダー反応によって、置
換ジエン(メタ)アクリル化合物(III)と置換ジエノフィ
ル(IV)とを反応させることにより、調製される(H. Woll
weber、Diels-Alder-Reaktion、G. Thieme-Verlag、197
2参照)。
【0056】
【化20】
【0057】使用される置換ジエン(メタ)アクリル化合
物(III)は、一般に、適切に置換したフラン(X=O)また
はシクロペンタジエン(X=CH2)と、対応する(メタ)アク
リル化合物Z−OHまたはZ−Clとを反応させることにより
得られる:
【0058】
【化21】
【0059】例えば、ジエン(メタ)アクリル酸化合物(I
II)は、例えば、対応する置換ジエン(例えば、市販のフ
ルフリルアルコールまたはフルフリルアミン)と(メタ)
アクリル酸または(メタ)アクリル酸クロライドとのエス
テル化により調製され得る。以下の反応スキームは、こ
のようなエステル化の具体例を示す:
【0060】
【化22】
【0061】類似の反応は、適切に置換したシクロペン
タジエンを用いて行われ得る。
【0062】適切なジエノフィル(IV)には、主として、
マレイン酸またはアセチレンジカルボン酸あるいは対応
する誘導体(例えば、無水マレイン酸、またはアセチレ
ンジカルボン酸のジメチルエステル)がある。
【0063】式(II)の(メタ)アクリレートを調製するた
めには、出発生成物は、一般に、式(V)を有する二環式
化合物であり、これは、対応するエダクト(educt)から
のディールス−アルダー反応により得られ得る。次い
で、該二環式化合物(V)は、水の脱離を伴って、一般式
(VI)を有する多価ヒドロキシ化合物と縮合され、所望の
(メタ)アクリレート(II)を形成する。この反応を以下の
反応式により示す。
【0064】
【化23】
【0065】式(II)を有する特定かつ好ましい(メタ)ア
クリレートは、出発物質として、式(I)を有する(メタ)
アクリレートを用いて調製され得る。
【0066】それゆえ、式(I)の(メタ)アクリレート
(ここで、YおよびTは一緒になって、−CO−O−CO−を意
味する)を、少なくともm個の適切な反応基(例えば、ヒ
ドロキシル基またはアミノ基)を有する多官能性化合物
(例えば、ポリオール、ポリアミン、またはアミノアル
コール)、特に、式(VI)を有するポリヒドロキシ化合物
で縮合することにより、式(II)の本発明の対応する(メ
タ)アクリレートを調製することが可能である。
【0067】反応基に加えて、Wの定義において既に述
べたように、多官能性化合物はまた、さらなる置換基
(例えば、NO2またはC=O)を有し得る。
【0068】縮合反応は、カルボン酸無水物のアルコー
リシスおよびアミノリシスについて一般に公知の反応条
件下にて行われ得る(種々の著者、Organikum、Deutsche
r Verlag der Wissenschaften、Berlin 1973、p.444 ff
および453 ff参照)。本発明の式(II)を有する好ましい
(メタ)アクリレートのこの調製方法の一般的かつ具体的
な例を、反応式によって以下に示す:
【0069】
【化24】
【0070】多官能性化合物として使用され得る化合物
の例には、以下がある: ポリオール: エチレングリコール、ブタンジオー
ル、ヘキサンジオール、グリセロール、ジ−またはトリ
エチレングリコール。 ポリアミン: 1,3-ジアミノプロパン、1,6-ジアミ
ノヘキサン、またはフェニレンジアミン。 アミノアルコール:エタノールアミン、アミノプロパノ
ール、またはトリエタノールアミン。
【0071】重合性基の存在を考慮すると、本発明の二
環式(メタ)アクリレートは、ポリマーおよびコポリマー
を調製するための出発物質として適切である。これら
は、公知のラジカル重合法またはアニオン重合法を用い
て単独重合され得るか、あるいは、例えば、適切なビニ
ルモノマーまたは(メタ)アクリル酸モノマーと共重合さ
れ得る。所望であれば、ラジカルにより架橋され得るポ
リマーがラジカル重合の前に、例えば、アルコール水溶
液中の市販の塩化ルテニウム(III)を用いて、開環メタ
セシス重合により調製され得る(S.Y. Luら、Makromol.
Chem. Phys. 195、(1994) 1273参照)。
【0072】重合性基に加えて、本発明の(メタ)アクリ
レートは、いくつかの異なる官能基(例えば、OHまたはC
OOH)を含有し得る。このような官能基は、(メタ)アクリ
レートが接着剤に使用される場合、有利である。なぜな
ら、それらが、種々の基材(例えば、プラスチックまた
は金属)に対して接着剤の接着性を高めるに役立ち得る
からである。
【0073】本発明の(メタ)アクリレートは、接着剤
(例えば、金属−プラスチック結合を形成するための工
業用接着剤)の構成成分として使用され得る。
【0074】好ましくは、本発明の二環式(メタ)アクリ
レートは、歯科用材料(例えば、歯質接着剤のプライマ
ー成分)として、または歯科用材料の構成成分(例えば、
歯科用複合材料、裂溝密封剤、歯質の感覚を喪失させる
物質、または歯質接着剤)として使用される。これらの
用途の全てにおいて、それらが室温でラジカルにより硬
化される能力は、有利であることが明らかである。
【0075】本発明の(メタ)アクリレートを、歯科用材
料の構成成分として用いる場合、それらは、歯科用材料
を基準にして、0.1重量%〜60重量%の量、特に、5重
量%〜45重量%の量で使用される。歯科用材料を調製す
るために、本発明の(メタ)アクリレートは、特に、重合
性有機バインダー、フィラー、重合開始剤、および/ま
たは他の添加剤(例えば、通常の安定剤(例えば、ヒドロ
キノンモノメチルエーテル(MEHQ)または2,6-ジ-tert-ブ
チル-4-メチルフェノール(BHT))、UV吸収剤、顔料、染
料、または溶媒)と配合される。
【0076】適切な重合性有機バインダーには、歯科用
材料に適切な全てのバインダー(特に、単官能性または
多官能性(メタ)アクリレート)があり、これらは、単独
でまたは混合物中で使用され得る。該化合物の好ましい
例には、メチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)
アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テ
トラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、デカンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、ドデカンジオールジ(メタ)ア
クリレート、ビスフェノール-A-ジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、
2,2-ビス-4-(3-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシプロポ
キシ)フェニルプロパン(ビス-GMA)、およびイソシアネ
ート(特に、ジ−および/またはトリイソシアネート)とO
H基含有メタクリレートとの反応生成物がある。最後に
述べた生成物の特に好ましい例は、ヘキサメチレンジイ
ソイアネート1モルと2-ヒドロキシエチレンメタクリレ
ート2モルとの反応、トリ(6-イソシアナトヘキシル)ビ
ウレット1モルと2-ヒドロキシエチルメタクリレート3
モルとの反応、または2,2,4-トリメチルヘキサメチレン
ジイソシアネート1モルと2-ヒドロキシエチルメタクリ
レート2モルとの反応により得られ得る。
【0077】有機バインダーは、通常、本発明の歯科用
材料の0.1重量%〜60重量%の量で使用される。
【0078】好ましいフィラーの例には、石英粉末、ガ
ラスセラミック粉末、およびガラス粉末(特に、バリウ
ムシリケートガラス、Li/Alシリケートガラス、および
バリウムガラス粉末)、酸化アルミニウムまたは酸化ケ
イ素、非常に細かく分割されたシリカ(特に、発熱シリ
カまたは沈殿シリカ)、放射線不透過性フィラー(例え
ば、三フッ化イッテルビウム)がある。
【0079】フィラーは、代表的には、歯科用材料を基
準にして、0重量%〜80重量%の量で使用される。
【0080】本発明の歯科用材料は、加熱により、冷却
して、または光により重合され得る。熱重合に用いられ
る開始剤は、公知の過酸化物(例えば、ジベンゾイルペ
ルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、tert-ブチル
パーオクトエート、またはtert-ブチルパーベンゾエー
ト)であり得る。さらに、2,2'-アゾイソブチル酸ニトリ
ル(AIBN)、ベンズピナコール、および2,2'-ジアルキル
ベンズピナコールもまた、適切である。
【0081】光重合に用いられる開始剤は、例えば、ベ
ンゾフェノンおよびその誘導体、ならびにベンゾインお
よびその誘導体であり得る。さらに好ましい光開始剤に
は、α−ジケトン(例えば、9,10-フェナントレンキノ
ン、ジアセチル、フリル、アニシル、4,4'-ジクロロベ
ンジル、および4,4'-ジアルコキシベンジル)がある。特
に好ましくは、カンファーキノンが使用される。さら
に、アシルホスフィンオキシドのグループもまた、光重
合の開始に非常に適切である。開始を促進するために、
光開始剤は、好ましくは、還元剤と共に使用される。ア
ミン(特に、芳香族アミン)と共に使用するのが特に好ま
しい。
【0082】コールド重合に用いられる開始剤には、ラ
ジカルを提供するレドックス系(例えば、アミン(例え
ば、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジヒドロキシエ
チル-p-トルイジン、または他の構造的に関連したアミ
ン)と組み合わせたベンゾイルペルオキシドまたはラウ
ロイルペルオキシド)がある。
【0083】特に、歯の修復域(dental restoration)を
セメントで固めるための歯科用材料(例えば、ガラスセ
ラミックインレー、アンレー、部分クラウン、およびク
ラウン)では、異なるレドックス系と光開始剤との組合
せが有利であることが明らかになった。カンファーキノ
ン、ベンゾイルペルオキシド、およびアミン(例えば、
N,N-ジメチル-p-トルイジンおよび/またはN,N-シアノエ
チルメチルアニリン)の組合せが好ましい。
【0084】開始剤の濃度は、歯科用材料を基準にし
て、好ましくは0.05重量%〜2.0重量%の範囲、特に好
ましくは0.1重量%〜0.8重量%の範囲である。
【0085】特に好ましくは、本発明の二環式(メタ)ア
クリレートは、歯質接着剤の構成成分として使用され
る。驚くべきことに、それらは、公知の材料で使用され
ているような膜形成剤をさらに必要とすることなく、歯
質に対して向上した接着性を歯質接着剤に与える。該向
上した接着効果は、本発明の化合物において、重合性基
と官能基とが共存していることにより起こると推測され
る。例えば、本発明の(メタ)アクリレートをベースにし
た歯科用接着剤が、歯科用複合材料を固定するために使
用される場合、一方では(メタ)アクリレート基は、複合
材料との安定した結合を確保し、他方では官能基(例え
ば、カルボキシル基)は、硬い歯物質との結合をそれら
との相互作用によって生じると推測されている。さら
に、例えば、歯質コラーゲンのNH基と、本発明の(メタ)
アクリレートの不飽和二環式基との間で共有結合を生じ
ることも可能である。
【0086】
【実施例】本発明を、以下の実施例に基づいてさらに詳
細に説明する。
【0087】<実施例1> エキソ-1-[(メタクリロイ
ルオキシ)メチル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-
エン-2,3-ジカルボン酸無水物(1) 機械式撹拌機、温度計、およびCaCl2管を備えた500mlの
2口フラスコに、フルフリルメタクリレート166g(1モ
ル)、無水マレイン酸107.8g(1.1モル)、ブチルアセテ
ート250ml、およびヒドロキノンモノメチルエーテル(ME
HQ)0.01gを導入し、そして得られた混合物を、室温で
2日間撹拌した。沈殿した固体を、吸引濾過し、ブチル
アセテート100mlで洗浄し、そして一定重量が得られる
まで、真空下にて乾燥した。約140gの固体が得られ
た。母液を、さらに撹拌し、21日後、上記のようにし
て、さらなる生成物を単離した(約60g)。
【0088】
【表1】
【0089】<実施例2> エキソ-1-[(メタクリロイ
ルオキシ)メチル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-
エン-2,3-ジカルボン酸(2) 滴下漏斗、マグネチックスターラー、および温度計を備
えた100mlの2口フラスコ中で、水0.74g(0.041モル)お
よびフェノチアジン0.01gを、テトラヒドロフラン(TH
F)50mlに溶解し、溶液に、実施例1で調製した化合物
(1)10.6g(0.04モル)を添加した。混合物を5℃〜10℃
まで冷却し、そしてトリエチルアミン(TEA)8.0g(0.08
モル)および4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)0.25gのT
HF(15ml)溶液を、撹拌しながらゆっくりと滴下した。次
いで、室温にて、撹拌をさらに2時間継続し、そして得
られた反応混合物を、115mlの2N HCl(pH=1〜2)に注
いだ。水溶液を分離し、そしてエーテル100 mlで3回抽
出し、これを、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノー
ル(BHT)で安定化した。合わせた有機抽出物を硫酸ナト
リウムで乾燥し、そして溶媒を蒸留により除去した。オ
イルが残留しており、これを中程度の高真空下にて簡単
に乾燥した。次いで、形成されたグリース状の固体(8.5
g)を、少量のブチルアセテートと共に、3時間充分に
撹拌した。次いで、固体を吸引濾過し、少量のブチルア
セテートで洗浄し、そして一定重量が得られるまで、中
程度の高真空下にて乾燥した。
【0090】
【表2】
【0091】
【表3】
【0092】<実施例3> エキソ-1-[(メタクリロイ
ルオキシ)メチル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-
エン-2,3-ジカルボン酸モノ(2-ヒドロキシエチル)エス
テル(3) 滴下漏斗、CaCl2管、および温度計を備えた100mlの2口
フラスコ中で、エチレングリコール2.6g(0.041モル)お
よびフェノチアジン0.01gを、THF(50ml)に溶解した。
次いで、この溶液に、化合物(1)10.6g(0.04モル)を懸
濁させた。懸濁液を、約−15℃まで冷却し、次いで、TE
A4.0g(0.04モル)およびDMAP0.25g(2ミリモル)のTHF
(10ml)溶液を、撹拌しながら、45分間にわたって滴下し
た。混合物を、放置して室温まで加温し、そして撹拌を
さらに5時間継続して、この反応を完結させた。反応混
合物を、10% NaHCO3水溶液100mlおよびエーテル50mlの
混合物に取り出した。水相を分離し、エーテル50mlで再
び洗浄し、次いで、約10mlの濃塩酸でpH1〜2に
調節した。グリース状のオイルを得、これを、エーテル
300mlに取り出し、そしてBHT0.01gで安定化した。必要
に応じて、濾過により、エーテル溶液から不溶な物質を
除去した。
【0093】水相を、エーテル100mlで2回再び抽出
し、そして合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥した。溶
媒を、真空下にて最高30℃で留去し、得られた生成物
を、中程度の高真空下にて乾燥した。
【0094】
【表4】
【0095】
【表5】
【0096】<実施例4> 1,2-ビス[エキソ-1-[(メタ
クリロイルオキシ)メチル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘ
プト-5-エン-2(3)-カルボン酸-3(2)-カルボニルオキシ]
エタン(4) 滴下漏斗、CaCl2管、および温度計を備えた100mlの2口
フラスコ中で、エチレングリコール1.25g(0.02モル)お
よびフェノチアジン0.01gを、THF(50ml)に溶解した。
この溶液に、化合物(1)10.6g(0.04モル)を添加した。
混合物を、約−15℃まで冷却し、次いで、TEA4.0g(0.0
4モル)およびDMAP0.25g(2ミリモル)のTHF(10ml)溶液
を、撹拌しながら滴下した。混合物を放置して室温まで
加温し、そして撹拌をさらに3.5時間継続して、反応を
完結させた。反応混合物を、2N HCl(60ml)で弱酸のpH
に調節し、それにより、2相を形成した。有機相をエー
テル100mlに取り出し、水相をエーテル100mlで1回再び
抽出した。次いで、合わせた有機相を、それぞれ、10%
NaHCO3水溶液100mlと共に、2回振とうした。合わせた
ジカーボネートの溶液を、約10mlの濃塩酸でpH1〜2に
調節した。グリース状のオイルを得、これを、エーテル
400mlおよびメチレンクロライド100mlに取り出し、そし
てBHT(0.01g)で安定化した。必要に応じて、濾過によ
り、得られた溶液から不溶な物質を除去し、そして溶液
をNa2SO4で乾燥した。次いで、溶媒を、真空下にて最高
30℃で留去し、そして得られた生成物を、中程度の高真
空下にて乾燥した。
【0097】
【表6】
【0098】<実施例5> エキソ-1-[(メタクリロイ
ルオキシ)メチル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-
エン-2,3-ジカルボン酸モノ(2,3-ジヒドロキシプロピ
ル)エステル(5) 実施例3と同様の方法により、THF(80モル)中の、DMAP
0.25g、TEA4.0g、およびフェノチアジン0.01gの存在
下にて、無水グリセロール11.3g(0.12モル)と化合物
(1)10.6g(0.04モル)との反応、および得られた生成物
(5)の分離を行った。
【0099】
【表7】
【0100】
【表8】
【0101】<実施例6> エキソ-1-[(メタクリロイ
ルオキシ)メチル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-
エン-2,3-ジカルボン酸モノ(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチ
ルプロピル)エステル(6) 実施例3と同様の方法により、THF(80ml)中の、DMAP0.2
5g、TEA4.0g、およびフェノチアジン0.01gの存在下
にて、無水2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール12.8g
(0.12モル)と化合物(1)10.6g(0.04モル)との反応、お
よび生成物(6)の分離を行った。得られたオイル状の粗
生成物を、ブチルアセテートと共に0℃で1時間、さら
に充分に撹拌した。次いで、得られた沈殿物を吸引濾過
し、そして25℃で7時間、ローターリーエバポレーター
で乾燥した(20ミリバール)。
【0102】
【表9】
【0103】
【表10】
【0104】<実施例7> エキソ-1-[(メタクリロイ
ルオキシ)メチル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-
エン-2,3-ジカルボン酸モノ(8-ヒドロキシ-3,6-ジオキ
サオクチル)エステル(7) 実施例3と同様の方法により、THF(60ml)中の、DMAP0.2
5g、TEA4.0g、およびフェノチアジン0.01gの存在下
にて、無水トリエチレングリコール6.2g(0.041モル)と
化合物(1)10.6g(0.04モル)との反応、および生成物(7)
の分離を行った。
【0105】
【表11】
【0106】<実施例8> 1-メタクリロイルオキシメ
チル-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-
ジカルボン酸ジメチルエステル(8) 1-ヒドロキシメチル-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト-
2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル(これ
は、アセチレンジカルボン酸ジメチルエステルとフルフ
リルアルコールとのディールス−アルダー反応により、
容易に得られ得る)12.0g(0.05モル)、TEA5.4g(0.054
モル)およびBHT0.01gを、THF(80ml)に溶解し、そして
0℃で撹拌しながら、マグネチックスターラー、滴下漏
斗、温度計、およびCaCl2管を備えた250mlの3口フラス
コに導入した。メタクリル酸クロライド5.9g(0.056モ
ル)のTHF(20ml)溶液をゆっくりと滴下し、反応温度を0
℃と5℃との間に保持するようにした。反応混合物を、
撹拌し続けながら1時間にわたって放置し、室温まで加
温した。形成されたTEA塩酸塩を吸引濾過し、ジエチル
エーテルで洗浄し、濾液を、濃HClでpH1に調節した35m
lの飽和塩化ナトリウム溶液で抽出した。次いで、有機
相を、10mlの飽和ソーダ溶液で塩基性pHに調節した飽和
塩化ナトリウム溶液50mlで2回洗浄し、次いで100mlの
飽和塩化ナトリウム溶液で2回洗浄した。有機相を、乾
燥する目的で、50gの無水硫酸ナトリウムを用いて20分
間撹拌した。それを濾過し、そして30℃でロータリーエ
バポレーター乾燥装置にて、真空下で濃縮した。次い
で、得られた残留物を、一定の重量が得られるまで、中
程度の高真空下で乾燥した。このように得られた生成物
を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60(220メッ
シュ〜440メッシュ)/トルエン)によって精製した。
【0107】
【表12】
【0108】<実施例9> 本発明の官能基化ノルボル
ネン(メタ)アクリレート(1)、(2)、および(3)のラジカ
ル溶液重合 シュレンク容器中で、本発明の各(メタ)アクリレート
(1)、(2)、および(3)をそれぞれジメチルホルムアミド
(DMF)に溶解することにより、1.0モル/リットルのモノ
マー濃度を有するモノマー溶液を調製した。それぞれの
溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを、
0.02モル/リットルの開始剤濃度を与えるような量で導
入した。テフロンコートしたマグネチックスターラーを
挿入した後、溶液を、不活性ガス下で数回凍結し、真空
下で解凍するという通常の方法で脱気した。次いで、溶
液を、撹拌しながら、サーモスタットで調節した浴に、
25℃で、SUNTEST CPS(Heraeus)急速照射テーブルトップ
ユニットを用いて、UV光を照射した。1時間後、反応混
合物に対して10倍(times)量のジエチルエーテルを添加
することにより重合を中断し、ポリマーを沈澱させた。
次いで、濾過により単離したポリマーを、一定の重量が
得られるまで、中程度の高真空下で乾燥した。
【0109】各モノマーに対して測定したモノマーの転
化率および得られた各ポリマーの数平均分子量(mass)を
以下の表に示す。
【0110】
【表13】
【0111】Mn *−数平均分子量は、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー(GPC)により測定され、校正
は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)標準を用いて行わ
れた。
【0112】<実施例10〜14> 本発明のプライマーお
よび歯質接着剤ならびに比較例 歯質接着剤は、通常、表面改質成分(プライマー)および
層形成接着性成分(接着剤)から構成される。さらに、い
わゆるボンド(bonding)も使用され得、層形成性を向上
させる。
【0113】以下の実施例10〜13は、本発明のプライマ
ー配合物(これは、本発明の二環式(メタ)アクリレート
(2)または(3)を含有する)、および本発明の歯質接着剤
の成分としてのそれらの使用を記載する。該(メタ)アク
リレートの調製は、実施例2および3にそれぞれ記載さ
れている。
【0114】実施例14は、本発明の二環式(メタ)アクリ
レートを含有しない従来のプライマーに関し、それは比
較例として提供されている。
【0115】実施例10〜13は、本発明の化合物が、単独
の官能性構成成分として、またはさらなる膜形成剤(例
えば、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA))と組み
合わせて、使用され得ることを示す。
【0116】この配合物を、3層系として使用するか、
または2層系として取扱いを簡単にすることが可能であ
る。2層系として、硬い歯の物質との良好な結合を得る
ためには、プライマーまたはボンドに、さらなる膜形成
剤が添加される。
【0117】使用されるプライマー配合物を、撹拌しな
がら、個々の成分を調製した溶媒混合物に導入し、そし
て均一で透明な溶液が得られるまで、撹拌し続けること
により調製した。
【0118】歯質接着剤の成分として個々のプライマー
配合物を用いて得られる剪断強度値を測定するために、
抜歯し包埋した歯の歯質表面を、まず、500番の研磨紙
で磨き、そして圧縮空気で乾燥した。次いで、以下の操
作を行った。
【0119】<2層系> (a)次いで、当該配合物を、30秒間にわたってこれらの
歯質表面に塗布した。30秒の接触時間後、配合物に空気
を吹き付けた。暴露された表面は、濡れているように見
えた。
【0120】(b)次いで、光硬化性のボンドまたは変性
ボンドを塗布し、そして光照射を行った。次いで、歯質
表面に、分離可能なテフロン型(d=4mm、h=6mm)を支
持体と共に固定し、そしてテフロン型によりあらかじめ
規定した容量で、光硬化性の充填複合材料(すなわち、T
etric(Vivadent Ets.、Liechtenstein))を歯質表面に層
状に重合させ、それにより、接着性表面を測定した。剪
断強度値を、ISO-TR 11 405(歯科用材料−歯の構造物に
対する接着試験に関するガイドライン)に従って、37℃
で水中に24時間保存した後、測定した。
【0121】<3層系>3層系を2層系と同様にして調
製したが、工程(a)と工程(b)との間にて、歯質接着剤の
接着性成分を、層形成接着性成分(すなわち、35重量%
のテトラエチレングリコールジメタクリレート、5重量
%のグルタルアルデヒド、および60重量%の水の混合
物)としてこの表面に塗布した。該接着性成分を、空気
送風機を用いて穏やかに乾燥し(blow)、それにより分配
させ、その結果、歯質表面に薄層を得た。
【0122】使用したボンドおよび使用した変性ボンド
の組成を、以下に示した。
【0123】
【表14】
【0124】Bis−GMA*=2,2-ビス-4-(3-メタクリルオ
キシ-2-ヒドロキシ-プロポキシ)フェニルプロパン
【0125】
【表15】
【0126】<実施例10> 単独の官能性成分としての
(メタ)アクリレート(3)を有する配合物
【0127】
【表16】
【0128】接着性成分およびボンドと共に、3層系と
して、上記配合物(A)および(B)を用いて得られた歯質剪
断強度値は、以下の通りであった: 配合物(A):15.2±10.5MPa(8個の断面(fracture)のう
ち4個が凝集性)。 配合物(B):21.8±10.6MPa(8個の断面のうち3個が凝
集性)。
【0129】接着性断面の断面形成がこの物質(すなわ
ち、歯質または光硬化性の複合材料の領域)中で起こる
のに対して、接着性断面の破断帯(fracture zone)は、
接着剤層にあることに注目すべきである。結果的に、凝
集性の断面の存在は歯質接着剤の優れた結合強度を示唆
している。
【0130】<実施例11> 官能性成分としての(メタ)
アクリレート(3)およびHEMAを用いる配合物
【0131】
【表17】
【0132】DPIFP*=ジフェニルヨードニウムヘキサフ
ルオロホスフェート(カンファーキノンの促進剤) ボンドと共に、2層系として、上記配合物(A)および(B)
を用いて得られた歯質剪断強度値は、以下の通りであっ
た: 配合物(A):17±4MPa(6個の断面のうち2個が凝集
性)。 配合物(B):10.1±3.5MPa(全て接着性)。
【0133】<実施例12> 単独の官能性成分としての
(メタ)アクリレート(2)を用いる配合物
【0134】
【表18】
【0135】3層系として、上記配合物(A)および(B)を
用いて得られた歯質剪断強度値は、以下の通りであっ
た: 配合物(A):10.2±8.2MPa(7個の断面のうち2個が凝集
性)。 配合物(B):12.3±8.9MPa(8個の断面のうち2個が凝集
性)。
【0136】変性ボンドと共に、2層系として、上記配
合物(B)を用いて得られた歯質剪断強度値は、以下の通
りであった: 配合物(B):19.5±8.2MPa(6個の断面のうち5個が凝集
性)。
【0137】<実施例13> 官能性成分としての(メタ)
アクリレート(2)およびHEMAを用いる配合物
【0138】
【表19】
【0139】DPIFP*=ジフェニルヨードニウムヘキサフ
ルオロホスフェート(カンファーキノンの促進剤) このボンドと共に、2層系として、上記配合物(A)およ
び(B)を用いて得られた歯質剪断強度値は、以下の通り
であった: 配合物(A):22.9±8MPa(8個の断面のうち6個が凝集
性)。 配合物(B):16.4±5MPa(8個の断面のうち5個が凝集
性)。
【0140】<実施例14> 単独の官能性成分としての
ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を用いる配合物
(比較例)
【0141】
【表20】
【0142】接着性成分およびボンドと共に、3層系と
して、上記配合物(A)および(B)を用いて得られた歯
質剪断強度値は、以下の通りであった: 配合物(A):4.8±3.2MPa(全ての断面が接着性)。 配合物(B):3.8±4.1MPa(全ての断面が接着性)。
【0143】ボンドと共に、2層系として、上記配合物
(A)および(B)を用いて得られた歯質剪断強度値は、以下
の通りであった: 配合物(A):2.5±2.7MPa(全ての断面が接着性)。 配合物(B):2.0±0.9MPa(全ての断面が接着性)。
【0144】上記で示される剪断強度値と、実施例10の
本発明の材料について得られた値とを比較すると、本発
明の材料が優れていることが分かる。
【0145】
【発明の効果】本発明によれば、調製が簡単であり、室
温でラジカルにより硬化され得、そして開環メタセシス
重合により重合され得る官能基化二環式(メタ)アクリレ
ートが提供される。本発明の官能基化二環式(メタ)アク
リレートは、歯科用材料およびそれらの構成成分(特
に、歯質接着剤の接着性促進成分)として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 33/04 C08L 33/04 65/00 65/00 C09J 133/04 C09J 133/04 165/00 165/00 (72)発明者 フォルカー ラインベルガー リヒティンシュタイン公国 ファドーツ エフエル−9490, マレーシュトラー セ 34 (72)発明者 カリン ヴォーゲル リヒティンシュタイン公国 マウレン エフエル−9493, アム グプフェンヴ ェヘル 575 (72)発明者 フランク ゼウナー リヒティンシュタイン公国 ファドーツ エフエル−9490, アム ヴィダグラ バ 7 (56)参考文献 特開 昭52−134434(JP,A) 米国特許397422(US,A) 米国特許4808638(US,A) Chemical Abstract s;66:65340t Chemical Abstract s;71:81228w Chemical Abstract s;81:78318b (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 493/08 C07D 493/18 A61K 6/083 C08F 20/10 C08G 61/08 C08L 33/04 C08L 65/00 C09J 133/04 C09J 165/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の式(I)または(II)を有する官能基
    化二環式(メタ)アクリレート、ならびにそれらの立体異
    性化合物および混合物: 【化1】 ここで、 A−B、T、U、V、W、X、Y、Z、R、R1、R2、R3、R4、n、
    およびmは、互いに独立して、以下の意味を有し: A−Bが、C−CまたはC=Cであり; Xが、CH2、O、N−CO−OR、N−COR、N−CONR2、またはN
    −SO2Rであり、ここで、個々の基Rは、互いに独立し
    て、置換または未置換C1〜C12アルキルまたはC6〜C14
    リールであり; Zが、CH2=CH−CO−またはCH2=C(CH3)−CO−であり; Vが、C1〜C6アルキレンオキシ、CH2−S、CH2−NH、また
    はCOO−(C1〜C6)アルキレンオキシであり; Yが、H、C1〜C12アルキル、C6〜C14アリール、ハロゲ
    ン、NO2、NR1 2、OR1、CN、CO−R1、CO−NR1 2、CO−O
    R1、SR1、SO2R1、またはSO3R1であり、ここで、個々の
    基R1は、互いに独立して、H、置換または未置換C1〜C12
    アルキル、C6〜C14アリールまたは−(CH2CH2O)nHであ
    り、nは1〜10であり; Tが、C1〜C12アルキル、C6〜C14アリール、ハロゲン、N
    O2、NR2 2、OR2、CN、CO−R2、CO−NR2 2、CO−OR2、S
    R2、SO2R2、またはSO3R2であり、ここで、個々の基R
    2は、互いに独立して、H、置換または未置換C1〜C12
    ルキル、C6〜C14アリールまたは−(CH2CH2O)nHであり、
    nは1〜10であり; あるいは、YおよびTは一緒になって、−CO−O−CO−ま
    たは−CO−NR3−CO−であり、ここで、R3は、 H、置換
    または未置換C1〜C12アルキル、C6〜C14アリールまたは
    −(CH2CH2O)nHであり、nは1〜10であり; Uが、 C1〜C12アルキレンオキシ、CO−NR4−、CO−O、
    またはOであり、ここで、R4は、H、置換または未置換C1
    〜C12アルキルまたはC6〜C14アリールであり; Wが、m倍に置換したC1〜C12アルキレン、C6〜C14アリ
    ーレン、C8〜C16アラルキレン、または(−CH2CH2OCH2CH
    2−)nであり、nは1〜10であり、ここで、該基は、さ
    らなる置換基を有し得;そしてmが、2〜4であり、 ただし、A−Bが、C=Cであり、XがOであり、Tが
    CO−OCH3であり、YがCO−OCH3であり、そし
    てVがC1〜C2アルキレンオキシである場合、Zは、C
    2=CH−CO−ではなく、 そして式(I)の二環式(メタ)アクリレートは、A−
    BがC−Cであり、XがOであり、YおよびTが一緒に
    なって−CO−O−CO−、−CO−NH−CO−、−
    CO−NC 6 5 −CO−、または−CO−N(C 6 4
    =NC 6 5 )−CO−であり、VがCH 2 Oであり、か
    つZがCH 2 =CH(CH 3 )−CO−である場合を除
  2. 【請求項2】 前記式(I)および(II)の記号が、互いに
    独立して、以下の意味を有する、請求項1に記載の二環
    式(メタ)アクリレート: A−Bが、C−CまたはC=Cであり; XがOであり; ZがCH2=CH−CO−またはCH2=C(CH3)−CO−であり; VがCH2−Oであり; YがH、OH、COOH、CO−NH2、またはCO−OR1であり; R1が、H、置換または未置換C1〜C12アルキルまたはC6
    C14アリールであり; Tが、OH、COOH、CO−NH2、またはCO−OR2であり; R2が、H、置換または未置換C1〜C12アルキルまたはC6
    C14アリールであり; あるいは、YおよびTは一緒になって、−CO−O−CO−ま
    たはCO−NR3−CO−であり; R3が、 H、置換または未置換C1〜C12アルキルまたはC6
    〜C14アリールであり; Uは、 CO−OまたはCO−NR4であり; R4は、HまたはC1〜C5アルキルであり; Wは、m倍に置換したC1〜C12アルキレンであり、さらな
    る置換基を有し得;および/またはmが2である。
  3. 【請求項3】 A−Bが、C−CまたはC=Cであり; XがOであり;そしてVがCH2Oである、請求項1または2
    に記載の二環式(メタ)アクリレート。
  4. 【請求項4】 ZがCH2=C(CH3)−CO−である、請求項1
    〜3のいずれかに記載の二環式(メタ)アクリレート。
  5. 【請求項5】 YおよびTが一緒になって、−CO−O−CO
    −であるか、あるいはYがCOOHであり、そしてTがCOOHで
    ある、請求項1〜4のいずれかに記載の二環式(メタ)ア
    クリレート。
  6. 【請求項6】 TがCOOHであり、そしてYがCOOR1であ
    り、ここで、R1は、1個または2個のOH基で置換したC1
    〜C6アルキルである、請求項1〜5のいずれかに記載の
    二環式(メタ)アクリレート。
  7. 【請求項7】 YがCOOHであり、UがCO−Oであり、そし
    てmが2である、請求項1〜6のいずれかに記載の二環
    式(メタ)アクリレート。
  8. 【請求項8】 Wがm倍に置換したC1〜C12アルキレンで
    あり、さらなる置換基として、少なくとも1個のOH基ま
    たは少なくとも1個のCOOH基を有し得る、請求項1〜7
    のいずれかに記載の二環式(メタ)アクリレート。
  9. 【請求項9】 以下の式(I)を有する二環式(メタ)アク
    リレートの調製方法であって、 【化2】 ここで、 A−B、T、V、X、Y、Z、R、R1、R2、R3、およびnは、互
    いに独立して、以下の意味を有し: A−Bが、C−CまたはC=Cであり; Xが、CH2、O、N−CO−OR、N−COR、N−CONR2、またはN
    −SO2Rであり、ここで、個々の基Rは、互いに独立し
    て、置換または未置換C1〜C12アルキルまたはC6〜C14
    リールであり; Zが、CH2=CH−CO−またはCH2=C(CH3)−CO−であり; Vが、C1〜C6アルキレンオキシ、CH2−S、CH2−NH、また
    はCOO−(C1〜C6)アルキレンオキシであり; Yが、H、C1〜C12アルキル、C6〜C14アリール、ハロゲ
    ン、NO2、NR1 2、OR1、CN、CO−R1、CO−NR1 2、CO−O
    R1、SR1、SO2R1、またはSO3R1であり、ここで、個々の
    基R1は、互いに独立して、H、置換または未置換C1〜C12
    アルキル、C6〜C14アリールまたは−(CH2CH2O)nHであ
    り、nは1〜10であり; Tが、C1〜C12アルキル、C6〜C14アリール、ハロゲン、N
    O2、NR2 2、OR2、CN、CO−R2、CO−NR2 2、CO−OR2、S
    R2、SO2R2、またはSO3R2であり、ここで、個々の基R
    2は、互いに独立して、H、置換または未置換C1〜C12
    ルキル、C6〜C14アリールまたは−(CH2CH2O)nHであり、
    nは1〜10であり; あるいは、YおよびTは一緒になって、−CO−O−CO−ま
    たは−CO−NR3−CO−であり、ここで、R3は、 H、置換
    または未置換C1〜C12アルキル、C6〜C14アリールまたは
    −(CH2CH2O)nHであり、nは1〜10であり;ただし式(I)の二環式(メタ)アクリレートは、A−
    BがC−Cであり、XがOであり、YおよびTが一緒に
    なって−CO−O−CO−、−CO−NH−C O−、−
    CO−NC 6 5 −CO−、または−CO−N(C 6 4
    =NC 6 5 )−CO−であり、VがCH 2 Oであり、か
    つZがCH 2 =CH(CH 3 )−CO−である場合を除
    く、 (a)一般式(III)を有する置換ジエン(メタ)アクリル化合
    物と、以下の反応式に従って、ディールス−アルダー反
    応によって、該式(I)を有する二環式(メタ)アクリレー
    トの形成下にて、一般式(IV)を有する置換ジエノフィル
    とを反応させる工程であって: 【化3】 C−DがC=CまたはC≡Cである、工程 を包含する、方法。
  10. 【請求項10】 歯科用材料または歯科用材料の成分と
    しての、以下の式(I)または(II)を有する二環式(メタ)
    アクリレートの使用: 【化5】 ここで、 A−B、T、U、V、W、X、Y、Z、R、R1、R2、R3、R4、n、
    およびmは、互いに独立して、以下の意味を有し: A−Bが、C−CまたはC=Cであり; Xが、CH2、O、N−CO−OR、N−COR、N−CONR2、またはN
    −SO2Rであり、ここで、個々の基Rは、互いに独立し
    て、置換または未置換C1〜C12アルキルまたはC6〜C14
    リールであり; Zが、CH2=CH−CO−またはCH2=C(CH3)−CO−であり; Vが、C1〜C6アルキレンオキシ、CH2−S、CH2−NH、また
    はCOO−(C1〜C6)アルキレンオキシであり; Yが、H、C1〜C12アルキル、C6〜C14アリール、ハロゲ
    ン、NO2、NR1 2、OR1、CN、CO−R1、CO−NR1 2、CO−O
    R1、SR1、SO2R1、またはSO3R1であり、ここで、個々の
    基R1は、互いに独立して、H、置換または未置換C1〜C12
    アルキル、C6〜C14アリールまたは−(CH2CH2O)nHであ
    り、nは1〜10であり; Tが、C1〜C12アルキル、C6〜C14アリール、ハロゲン、N
    O2、NR2 2、OR2、CN、CO−R2、CO−NR2 2、CO−OR2、S
    R2、SO2R2、またはSO3R2であり、ここで、個々の基R
    2は、互いに独立して、H、置換または未置換C1〜C12
    ルキル、C6〜C14アリールまたは−(CH2CH2O)nHであり、
    nは1〜10であり; あるいは、YおよびTは一緒になって、−CO−O−CO−ま
    たは−CO−NR3−CO−であり、ここで、R3は、 H、置換
    または未置換C1〜C12アルキル、C6〜C14アリールまたは
    −(CH2CH2O)nHであり、nは1〜10であり; Uが、 C1〜C12アルキレンオキシ、CO−NR4−、CO−O、
    またはOであり、ここで、R4は、H、置換または未置換C1
    〜C12アルキルまたはC6〜C14アリールであり; Wが、m倍に置換したC1〜C12アルキレン、C6〜C14アリ
    ーレン、C8〜C16アラルキレン、または(−CH2CH2OCH2CH
    2−)nであり、nは1〜10であり、ここで、該基は、さ
    らなる置換基を有し得;そしてmが、2〜4である。
  11. 【請求項11】 前記歯科用材料が歯質接着剤である、
    請求項10に記載の使用。
  12. 【請求項12】 以下の式(I)または(II)を有する、重
    合および/または未重合二環式(メタ)アクリレートを含
    有する、歯科用材料: 【化6】 ここで、 A−B、T、U、V、W、X、Y、Z、R、R1、R2、R3、R4、n、
    およびmは、互いに独立して、以下の意味を有し: A−Bが、C−CまたはC=Cであり; Xが、CH2、O、N−CO−OR、N−COR、N−CONR2、またはN
    −SO2Rであり、ここで、個々の基Rは、互いに独立し
    て、置換または未置換C1〜C12アルキルまたはC6〜C14
    リールであり; Zが、CH2=CH−CO−またはCH2=C(CH3)−CO−であり; Vが、C1〜C6アルキレンオキシ、CH2−S、CH2−NH、また
    はCOO−(C1〜C6)アルキレンオキシであり; Yが、H、C1〜C12アルキル、C6〜C14アリール、ハロゲ
    ン、NO2、NR1 2、OR1、CN、CO−R1、CO−NR1 2、CO−O
    R1、SR1、SO2R1、またはSO3R1であり、ここで、個々の
    基R1は、互いに独立して、H、置換または未置換C1〜C12
    アルキル、C6〜C14アリールまたは−(CH2CH2O)nHであ
    り、nは1〜10であり; Tが、C1〜C12アルキル、C6〜C14アリール、ハロゲン、N
    O2、NR2 2、OR2、CN、CO−R2、CO−NR2 2、CO−OR2、S
    R2、SO2R2、またはSO3R2であり、ここで、個々の基R
    2は、互いに独立して、H、置換または未置換C1〜C12
    ルキル、C6〜C14アリールまたは−(CH2CH2O)nHであり、
    nは1〜10であり; あるいは、YおよびTは一緒になって、−CO−O−CO−ま
    たは−CO−NR3−CO−であり、ここで、R3は、 H、置換
    または未置換C1〜C12アルキル、C6〜C14アリールまたは
    −(CH2CH2O)nHであり、nは1〜10であり; Uが、 C1〜C12アルキレンオキシ、CO−NR4−、CO−O、
    またはOであり、ここで、R4は、H、置換または未置換C1
    〜C12アルキルまたはC6〜C14アリールであり; Wが、m倍に置換したC1〜C12アルキレン、C6〜C14アリ
    ーレン、C8〜C16アラルキレン、または(−CH2CH2OCH2CH
    2−)nであり、nは1〜10であり、ここで、該基は、さ
    らなる置換基を有し得;そしてmが、2〜4である。
  13. 【請求項13】 歯質接着剤である、請求項12に記載
    の歯科用材料。
  14. 【請求項14】 以下の式(I)または(II)を有する二環
    式(メタ)アクリレートの重合または共重合により得られ
    得る、ポリマーまたはコポリマー: 【化7】 ここで、 A−B、T、U、V、W、X、Y、Z、R、R1、R2、R3、R4、n、
    およびmは、互いに独立して、以下の意味を有し: A−Bが、C−CまたはC=Cであり; Xが、CH2、O、N−CO−OR、N−COR、N−CONR2、またはN
    −SO2Rであり、ここで、個々の基Rは、互いに独立し
    て、置換または未置換C1〜C12アルキルまたはC6〜C14
    リールであり; Zが、CH2=CH−CO−またはCH2=C(CH3)−CO−であり; Vが、C1〜C6アルキレンオキシ、CH2−S、CH2−NH、また
    はCOO−(C1〜C6)アルキレンオキシであり; Yが、H、C1〜C12アルキル、C6〜C14アリール、ハロゲ
    ン、NO2、NR1 2、OR1、CN、CO−R1、CO−NR1 2、CO−O
    R1、SR1、SO2R1、またはSO3R1であり、ここで、個々の
    基R1は、互いに独立して、H、置換または未置換C1〜C12
    アルキル、C6〜C14アリールまたは−(CH2CH2O)nHであ
    り、nは1〜10であり; Tが、C1〜C12アルキル、C6〜C14アリール、ハロゲン、N
    O2、NR2 2、OR2、CN、CO−R2、CO−NR2 2、CO−OR2、S
    R2、SO2R2、またはSO3R2であり、ここで、個々の基R
    2は、互いに独立して、H、置換または未置換C1〜C12
    ルキル、C6〜C14アリールまたは−(CH2CH2O)nHであり、
    nは1〜10であり; あるいは、YおよびTは一緒になって、−CO−O−CO−ま
    たは−CO−NR3−CO−であり、ここで、R3は、 H、置換
    または未置換C1〜C12アルキル、C6〜C14アリールまたは
    −(CH2CH2O)nHであり、nは1〜10であり; Uが、 C1〜C12アルキレンオキシ、CO−NR4−、CO−O、
    またはOであり、ここで、R4は、H、置換または未置換C1
    〜C12アルキルまたはC6〜C14アリールであり; Wが、m倍に置換したC1〜C12アルキレン、C6〜C14アリ
    ーレン、C8〜C16アラルキレン、または(−CH2CH2OCH2CH
    2−)nであり、nは1〜10であり、ここで、該基は、さ
    らなる置換基を有し得;そしてmが、2〜4であり、 ただし式(I)の二環式(メタ)アクリレートは、A−
    BがC−Cであり、XがOであり、YおよびTが一緒に
    なって−CO−O−CO−、−CO−NH−CO−、−
    CO−NC 6 5 −CO−、または−CO−N(C 6 4
    =NC 6 5 )−CO−であり、VがCH 2 Oであり、か
    つZがCH 2 =CH(CH 3 )−CO−である場合を除
  15. 【請求項15】 以下の式(II)を有する二環式(メタ)ア
    クリレートの調製方 法であって、 【化25】 ここで、 A−B、U、V、W、X、Y、Z、R、R 1 、R 4 、n、およびm
    は、互いに独立して、以下の意味を有し: A−Bが、C−CまたはC=Cであり; Xが、CH 2 、O、N−CO−OR、N−COR、N−CONR 2 、またはN
    −SO 2 Rであり、ここで、個々の基Rは、互いに独立し
    て、置換または未置換C 1 〜C 12 アルキルまたはC 6 〜C 14
    リールであり; Zが、CH 2 =CH−CO−またはCH 2 =C(CH 3 )−CO−であり; Vが、C 1 〜C 6 アルキレンオキシ、CH 2 −S、CH 2 −NH、また
    はCOO−(C 1 〜C 6 )アルキレンオキシであり; Yが、H、C 1 〜C 12 アルキル、C 6 〜C 14 アリール、ハロゲ
    ン、NO 2 、NR 1 2 、OR 1 、CN、CO−R 1 、CO−NR 1 2 、CO−O
    R 1 、SR 1 、SO 2 R 1 、またはSO 3 R 1 であり、ここで、個々の
    基R 1 は、互いに独立して、H、置換または未置換C 1 〜C 12
    アルキル、C 6 〜C 14 アリールまたは−(CH 2 CH 2 O) n Hであ
    り、nは1〜10であり; Uが、 C 1 〜C 12 アルキレンオキシ、CO−NR 4 −、CO−O、
    またはOであり、ここで、R 4 は、H、置換または未置換C 1
    〜C 12 アルキルまたはC 6 〜C 14 アリールであり; Wが、m倍に置換したC 1 〜C 12 アルキレン、C 6 〜C 14 アリ
    ーレン、C 8 〜C 16 アラルキレン、または(−CH 2 CH 2 OCH 2 CH
    2 −) n であり、nは1〜10であり、ここで、該基は、さ
    らなる置換基を有し得;そしてmが、2〜4であり、 (b)式(V)を有する二環式化合物を、以下の反応式に従
    って、式(VI)を有するポリヒドロキシ化合物と縮合し
    て、式(II)を有する(メタ)アクリレートを形成す る工
    程; 【化26】 を包含する、方法。
JP9039599A 1996-02-22 1997-02-24 官能基化二環式(メタ)アクリレート Expired - Fee Related JP3016743B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE19608316.8 1996-02-22
DE19608316A DE19608316C2 (de) 1996-02-22 1996-02-22 Funktionalisierte bicyclische (Meth)acrylate, Verfahren zu deren Herstellung und deren Verwendung ####

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09323913A JPH09323913A (ja) 1997-12-16
JP3016743B2 true JP3016743B2 (ja) 2000-03-06

Family

ID=7787174

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9039599A Expired - Fee Related JP3016743B2 (ja) 1996-02-22 1997-02-24 官能基化二環式(メタ)アクリレート

Country Status (6)

Country Link
US (1) US5962703A (ja)
EP (1) EP0792881B1 (ja)
JP (1) JP3016743B2 (ja)
AT (1) ATE202355T1 (ja)
CA (1) CA2198190C (ja)
DE (2) DE19608316C2 (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19616183C2 (de) * 1996-03-20 1999-05-12 Ivoclar Ag Funktionalisiertes und polymerisierbares Polymer
DE19742980A1 (de) * 1997-09-29 1999-04-01 Espe Dental Ag Dentalmassen auf der Basis von ROMP-Oligomeren oder -Polymeren
DE19742981B4 (de) * 1997-09-29 2013-07-25 3M Deutschland Gmbh Durch ROMP härtbare Dentalmassen
US20140088260A1 (en) 1999-02-05 2014-03-27 Materia, Inc. Metathesis-active adhesion agents and methods for enhancing polymer adhesion to surfaces
US6409875B1 (en) 1999-02-05 2002-06-25 Materia, Inc. Metathesis-active adhesion agents and methods for enhancing polymer adhesion to surfaces
DE19937092A1 (de) * 1999-08-06 2001-02-08 Espe Dental Ag Adhäsivsysteme I
DE102004002178A1 (de) 2004-01-15 2005-08-11 Ivoclar Vivadent Ag Dentalmeterialien auf der Basis von RÖMP-Kompositen
DE602005020806D1 (de) * 2004-06-15 2010-06-02 Dentsply Int Inc Mensetzungen mit geringer polymerisationsspannung
JP2008502697A (ja) 2004-06-15 2008-01-31 デンツプライ インターナショナル インコーポレーテッド 低収縮且つ低応力の歯科用組成物
JP4774815B2 (ja) * 2005-06-07 2011-09-14 旭硝子株式会社 含フッ素ノルボルネニルエステル化合物、およびその重合体
US8026296B2 (en) * 2005-12-20 2011-09-27 3M Innovative Properties Company Dental compositions including a thermally labile component, and the use thereof
WO2008002066A1 (en) * 2006-06-26 2008-01-03 Lg Chem, Ltd. Method for preparing norbornene monomer composition, norbornene polymer prepared therefrom, optical film comprising the norbornene polymer, and method for preparing the norbornene polymer
US9093263B2 (en) * 2013-09-27 2015-07-28 Az Electronic Materials (Luxembourg) S.A.R.L. Underlayer composition for promoting self assembly and method of making and using
MD3448859T2 (ro) 2017-03-20 2020-03-31 Forma Therapeutics Inc Compoziții de pirolopirol în calitate de activatori ai piruvatkinazei (PKR)
BR112021005188A2 (pt) 2018-09-19 2021-06-08 Forma Therapeutics, Inc. tratamento de anemia falciforme com um composto de ativação de piruvato cinase r
JP7450610B2 (ja) 2018-09-19 2024-03-15 ノヴォ・ノルディスク・ヘルス・ケア・アーゲー ピルビン酸キナーゼrの活性化
WO2022170012A1 (en) * 2021-02-08 2022-08-11 The Trustees Of Indiana University Synthesis of peg-based thiol-norbornene hydrogels with tunable hydroylitic degradation properties

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US397422A (en) 1889-02-05 Hiram emery fuller
US4808638A (en) 1986-10-14 1989-02-28 Loctite Corporation Thiolene compositions on based bicyclic 'ene compounds

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3311586A (en) * 1959-11-20 1967-03-28 Monsanto Co Esters of dibasic bicyclic acids and use as plasticizers
US3681438A (en) * 1970-10-26 1972-08-01 Union Carbide Corp Preparation of bicyclo (2.2.1) hept-2-en-ylmethyl acrylate
US3774305A (en) * 1970-12-28 1973-11-27 D Stoffey Thermosetting acrylic resins and their use as binders in dental filling compositions
BE792366A (fr) * 1971-12-06 1973-03-30 Mitsui Toatsu Chemicals Procede de raffinage d'une solution aqueuse d'acrylamide
US4115346A (en) * 1974-02-12 1978-09-19 Kulzer & Co. Gmbh Hydroxy group containing diesters of acrylic acids and their use in dental material
US4054233A (en) * 1976-05-05 1977-10-18 Eastman Kodak Company Fluid container for photographic processing material
US4131729A (en) * 1978-04-21 1978-12-26 Espe Fabrik Pharmazeutischer Praparate Gmbh Dental compositions comprising acrylic esters of tricyclo [5.2.1.02,6 ] decane polymers
DE2931926A1 (de) * 1979-08-07 1981-02-26 Bayer Ag Dentalmassen
US4379695A (en) * 1980-06-02 1983-04-12 Scientific Pharmaceuticals, Inc. Dental material comprising dimethyacrylate adducts of glycidyl methacrylate with diesters of bis(hydroxymethyl) tricyclo[5.2.1.02,6 ]decane and dicarboxylic acids
DE3070209D1 (en) * 1980-07-23 1985-03-28 Blendax Werke Schneider Co Adducts from diisocyanates and methacryloylalkylethers, -alcoxybenzenes resp. -alcoxycycloalcanes and their use
US4360467A (en) * 1981-02-23 1982-11-23 Ortho Pharmaceutical Corporation Process for preparing 8-oxabicyclo[3.2.1]-octane-1-acetic acids
US4670041A (en) * 1981-12-16 1987-06-02 E. I. Du Pont De Nemours And Company Oxabicycloalkane herbicides
US4426504A (en) * 1982-06-07 1984-01-17 Battelle Development Corporation Flexible dicyclopentenyl oxyethyl methacrylate curable compositions
DE3522006A1 (de) * 1985-06-20 1987-01-02 Bayer Ag (meth)-acrylsaeure-derivate von tricyclodecanen und ihre verwendung
DE3703130A1 (de) * 1986-07-25 1988-01-28 Bayer Ag Urethangruppen enthaltende (meth)-acrylsaeurederivate
DE3708618A1 (de) * 1987-03-17 1988-09-29 Kulzer & Co Gmbh Kunststoff-zahnersatzteil
JPS63253081A (ja) * 1987-04-09 1988-10-20 Chisso Corp 1,8−シネオ−ル−9−置換体及びその製造方法
US4964911A (en) * 1987-10-13 1990-10-23 Den-Mat Corporation Adhesive bonding of acrylic resins, especially in dentistry
DE3743782A1 (de) * 1987-12-23 1989-07-13 Bayer Ag Ester-urethan-(meth)-acrylsaeurederivate
DE3830878A1 (de) * 1988-09-07 1990-03-08 Schering Ag 2-oxa-bicyclo(2.2.1)heptanderivate und diese verbindungen enthaltende arzneimittel
US5348988A (en) * 1990-04-12 1994-09-20 Bisco, Inc. Dentin bonding system
DE4039440A1 (de) * 1990-08-15 1992-02-27 Bayer Ag N-alkyl-n-(meth)acryloyloxyalkylcarboxamide aromatischer carbonsaeuren und aromatischer carbonsaeureanhydride sowie adhaesive enthaltend diese verbindungen
DE4129877A1 (de) * 1991-09-09 1993-03-11 Bayer Ag Adhaesivkomponente zur restaurierung der zahnhartsubstanz

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US397422A (en) 1889-02-05 Hiram emery fuller
US4808638A (en) 1986-10-14 1989-02-28 Loctite Corporation Thiolene compositions on based bicyclic 'ene compounds

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Chemical Abstracts;66:65340t
Chemical Abstracts;71:81228w
Chemical Abstracts;81:78318b

Also Published As

Publication number Publication date
ATE202355T1 (de) 2001-07-15
DE19608316A1 (de) 1997-08-28
EP0792881A1 (de) 1997-09-03
JPH09323913A (ja) 1997-12-16
US5962703A (en) 1999-10-05
CA2198190C (en) 2002-12-10
CA2198190A1 (en) 1997-08-22
EP0792881B1 (de) 2001-06-20
DE59703838D1 (de) 2001-07-26
DE19608316C2 (de) 2000-11-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3016743B2 (ja) 官能基化二環式(メタ)アクリレート
JP3106111B2 (ja) 重合性機能化ポリマー
US6479592B2 (en) Functionalized and polymerizable polymer
JP3015316B2 (ja) 重合性ハイブリッドモノマー
US6031015A (en) Dental materials based on liquid crystalline monomers
JP3303904B2 (ja) 環式カーボネート基を含むウレタン(メタ)アクリレート
JP2588534B2 (ja) アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル
JPS61293960A (ja) (メタ)アクリル酸エステル類
JP5383012B2 (ja) 低い重合収縮率を有する歯科材料
JP2004143169A (ja) 重合性二環式シクロプロパン誘導体および歯科用材料の調製のためのその使用
US8727775B2 (en) Dimer acid-derived dimethacrylates and use in dental restorative compositions
JP3002152B2 (ja) 多官能性ビニルシクロプロパン誘導体
JP3549427B2 (ja) ビニルシクロプロパン−(メタ)アクリレートおよびそれらの使用
JP2714546B2 (ja) ビシクロ脂肪族2−メチレン−1,3−ジオキセパン
CN108348402B (zh) 基于可热裂解化合物的可聚合组合物
US6136887A (en) Vinylcyclopropane-(meth)acrylates and their use
US5808104A (en) Polymerizable aromatic carboxylic acids and carboxylic acid anhydrides with cyclic carbonate groups and formulations thereof
Moszner et al. Monomers for adhesive polymers: 1. Synthesis and radical polymerization of bicyclic monomers
JP2001522902A (ja) 重合可能な組成物及びその接着促進剤としての使用

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19991202

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees