JP2019204719A - 自己修復性負極 - Google Patents

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佑介 杉山
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剛司 近藤
友邦 阿部
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友邦 阿部
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浩平 間瀬
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Masakazu Murase
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Akira Harada
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浩靖 山口
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優 呑村
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Abstract

【課題】一度破壊された負極の状態を自ら修復する、自己修復性負極の提供。【解決手段】負極活物質、並びに、環状ホスト基及びゲスト基を含有する重合体を含有する負極活物質層を備えることを特徴とする負極。前記環状ホスト基がシクロデキストリン骨格を有し、前記ゲスト基が炭素数4〜18の鎖状アルキル骨格、又は、炭素数4〜14の環状炭素骨格を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、二次電池などの蓄電装置に用いられる、負極活物質及び自己修復性重合体を含有する負極活物質層を備える負極に関するものである。
二次電池等の蓄電装置は正極及び負極を備える。正極は正極集電体と正極集電体上に形成された正極活物質層を備え、また、負極は負極集電体と負極集電体上に形成された負極活物質層を備える。正極活物質層には正極活物質とともに結着剤が具備されるのが一般的であり、負極活物質層にも負極活物質とともに結着剤が具備されるのが一般的である。そして、結着剤としては各種の結着性の高分子が採用されている。
例えば、特許文献1には、負極活物質とともに結着剤であるポリアクリル酸を具備する負極及びリチウムイオン二次電池が具体的に記載されている。
特許文献2には、負極活物質であるシリコン粒子とともに結着剤であるポリイミドを具備する負極及びリチウムイオン二次電池が具体的に記載されている。
特許文献3には、負極活物質であるSiOとともに結着剤であるポリイミドを具備する負極及びリチウムイオン二次電池が具体的に記載されている。
特許文献4には、CaSiを酸と反応させてCaを除去した層状ポリシランを主成分とする層状シリコン化合物を合成し、当該層状シリコン化合物を300℃以上で加熱して水素を離脱させたシリコン材料を製造したこと、及び、当該シリコン材料を負極活物質として具備する負極の結着剤としてポリアクリル酸やポリアミドイミドが好ましいことが記載されている。
特開2017−112010号公報 特開2015−57767号公報 特開2015−179625号公報 国際公開第2014/080608号
さて、一般的に、二次電池の負極活物質においては、充放電時にその体積が膨張及び収縮することが知られている。そして、二次電池の充放電が繰り返されることにより、負極活物質を含有する負極活物質層に亀裂が生じたり、負極活物質層が負極集電体から剥離したり、負極活物質が負極活物質層から脱落することに因り、負極活物質に対する導電パスが破壊されるため、二次電池の容量は徐々に低下する。
したがって、二次電池の容量を維持するために、結着剤としては、負極活物質の膨張及び収縮に耐性を示す高分子を選択するのが一般的であった。
しかしながら、結着剤として如何なる高分子を選択したとしても、一度破壊された負極の状態が元に戻ることは、通常、考えられない。
本発明はかかる事情に鑑みて為されたものであり、一度破壊された負極の状態を自ら修復する、自己修復性負極を提供することを目的とする。
本発明者は、切断しても物性が復元する画期的な自己修復性高分子を開発した。かかる高分子はエラストマーであるか、又は、水若しくは有機溶剤を含有する高分子ゲルである。ここで、かかる高分子の自己修復能は、高分子の側鎖に存在する環状ホスト基及びゲスト基の包接作用を機序とすると考えられる。
本発明者のさらなる鋭意検討により、自己修復性高分子を膨潤状態にした上で解砕することで、蓄電装置の負極の結着剤として好適に使用できることを知見した。さらに、自己修復性高分子を負極活物質と共に負極活物質層に含有する負極は、劣化後に自己修復能力を示すことを本発明者は知見した。かかる知見に基づき、本発明者は本発明を完成させた。
本発明の負極は、負極活物質、並びに、環状ホスト基及びゲスト基を含有する重合体を含有する負極活物質層を備えることを特徴とする。
本発明の負極は、自己修復能を有する。
本発明の負極の負極活物質層における、本発明の重合体の状態変化を示すモデル図である。
以下に、本発明を実施するための形態を説明する。なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「a〜b」は、下限a及び上限bをその範囲に含む。そして、これらの上限値及び下限値、ならびに実施例中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。さらに、これらの数値範囲内から任意に選択した数値を、新たな上限や下限の数値とすることができる。
本発明の負極は、負極活物質、並びに、環状ホスト基及びゲスト基を含有する重合体(以下、本発明の重合体ということがある。)を含有する負極活物質層を備えることを特徴とする。
本明細書は負極の発明について説明するものであるが、本発明の重合体は、蓄電装置の正極用結着剤としても使用できるし、蓄電装置の負極用結着剤としても使用できる。本発明の重合体は、充放電時に膨張及び収縮の程度が大きいSi含有負極活物質を具備する負極用の結着剤として使用するのがより好ましい。
本発明の重合体は、環状ホスト基及びゲスト基を含有するため、通常の状態では、一のポリマー鎖の環状ホスト基が、他のポリマー鎖のゲスト基を包接することにより、ポリマー鎖同士が架橋状態となる。負極活物質の膨張及び収縮に伴う応力に因り、当該架橋状態が破壊されたとしても、環状ホスト基がゲスト基を再び包接することで、架橋状態が回復される。かかる状態変化のモデル図を図1に示す。
本発明の重合体の架橋状態の回復に伴い、負極活物質層の内部に共存する負極活物質の導電状態も回復される。その結果として、本発明の負極は自己修復能を示す。本発明の重合体は負極修復剤であるともいえる。
本発明の重合体の具体的な化学構造を説明する。環状ホスト基及びゲスト基は、それぞれの化学構造に応じて適宜適切に選択される。
環状ホスト基としては、シクロデキストリン骨格、カリックスアレーン骨格、クラウンエーテル骨格、シクロファン骨格又はククルビットウリル骨格を有する基が好ましい。
シクロデキストリン骨格としては、6個のグルコースが結合したα−シクロデキストリン骨格、7個のグルコースが結合したβ−シクロデキストリン骨格、8個のグルコースが結合したγ−シクロデキストリン骨格を例示できる。
カリックスアレーン骨格としては、カリックス[n]アレーンとの表記において、フェノール単位を示すnが4〜10のもの、nが4〜8のもの、nが5〜8のものを例示できる。
クラウンエーテル骨格としては、18−クラウン−6−エーテル以上の大員環骨格が好ましく、24−クラウン−8−エーテル骨格及び30−クラウン−10−エーテル骨格が好ましい。また、ベンゼン環を1又は複数有するベンゾクラウンエーテル骨格でもよいし、Oの代わりにNHを1又は複数有するアザクラウンエーテル骨格や、Oの代わりにSを1又は複数有するチアクラウンエーテル骨格を選択してもよい。
シクロファン骨格としては、メタシクロファン骨格、パラシクロファン骨格を例示できる。シクロファン骨格としては、4個以上の芳香環を有するものが好ましく、4〜8個の芳香環を有するものがさらに好ましい。また、芳香環が4未満の場合には、芳香環を連結する鎖の元素数が4以上であるのが好ましく、4〜7の範囲内がさらに好ましい。
ククルビットウリル骨格としては、ククルビット[n]ウリルとの表記において、グリコールウリル単位を示すnが5〜14のもの、nが6〜10のもの、nが6〜8のものを例示できる。
環状ホスト基におけるシクロデキストリン骨格、カリックスアレーン骨格、クラウンエーテル骨格、シクロファン骨格又はククルビットウリル骨格は、適宜適切な置換基を有することができる。
置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、不飽和シクロアルキル基、芳香族基、複素環基、ハロゲン、OH、SH、CN、SCN、OCN、ニトロ基、アルコキシ基、不飽和アルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホニル基、スルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、リン酸基、ボロン酸基、スルホン酸基、−OCONHR(Rはアルキル基)を例示できる。これらの置換基はさらに置換されてもよい。また置換基が2つ以上ある場合、置換基は同一でも異なっていてもよい。
本発明の負極を製造する際に用いる溶剤が、水や高極性の有機溶剤の場合には、環状ホスト基における各骨格は、極性基を置換基として有するのが好ましい。また、本発明の負極を製造する際に用いる溶剤が、有機溶剤の場合には、環状ホスト基における各骨格は、疎水性の基を置換基として有するのが好ましい。
例えば、シクロデキストリン骨格を有する環状ホスト基を選択する場合であって、本発明の負極を製造する際に用いる溶剤が水や高極性の有機溶剤の場合には、シクロデキストリン骨格の水酸基をそのままの状態とすればよい。
また、シクロデキストリン骨格を有する環状ホスト基を選択する場合であって、本発明の負極を製造する際に用いる溶剤が有機溶剤の場合には、シクロデキストリン骨格の水酸基をアルコキシ基、アシルオキシ基、−OCONHR(Rはアルキル基)、−OCONR(Rはアルキル基)などに変換すればよい。アルコキシ基:−OR、アシルオキシ基:−OCOR、−OCONHR、及び、−OCONRにおけるアルキル基Rの炭素数としては、1〜6、1〜4、1〜2を例示できる。
環状ホスト基を含むモノマー単位の化学構造としては、下記一般式(1)を例示できる。一般式(1)のモノマー単位を含有する重合体の主鎖は、ポリエチレン鎖及び/又はポリプロピレン鎖である。
Figure 2019204719
一般式(1)において、Rは水素又はメチル基から選択される。Lは主鎖とHostを連結するリンカーであって2価の基である。nは0以上の整数である。Hostは環状ホスト基である。
Lとしては、−CO−、−CO−、−CONH−、−CONR−、−(CH)−、−O−、−S−、−NH−、−NR−、−Ar−、−Cy−から選択される2価の基を、(L)nにおけるnの数に応じて、1種類又は複数種類選択すればよい。
(L)nにおけるnとしては、0〜4が好ましく、0〜3がより好ましい。
−(CH)−におけるmは1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜2がさらに好ましい。
−CONR−及び−NR−におけるRは炭化水素基である。当該Rとしては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。
−Ar−におけるArは置換基を有していても良い芳香環を意味する。芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、インドール環、イソインドール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、プリン環、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環、キノキサリン環、シンノリン環、プテリジン環、カルバゾール環を例示できる。
−Cy−におけるCyは置換基を有していても良い飽和若しくは不飽和の単環又は縮合環を意味する。単環又は縮合環は、環を構成する元素が炭素のみの炭素環でもよいし、炭素の一部が窒素、酸素、硫黄で置換された複素環でもよい。縮合環としては、環同士が辺を共有する縮合環でもよいし、架橋構造やスピロ構造の縮合環でもよい。
次に、ゲスト基について説明する。
環状ホスト基として、シクロデキストリン骨格を採用した場合は、ゲスト基は疎水性の基を有するものが適している。環状ホスト基として、カリックスアレーン骨格又はシクロファン骨格を採用した場合は、ゲスト基は疎水性の基又はπ−π相互作用を示す基を有するものが適している。環状ホスト基として、クラウンエーテル骨格を採用した場合は、ゲスト基はカチオン性の基を有するものが適している。環状ホスト基として、ククルビットウリル骨格を採用した場合は、ゲスト基はカチオン性の基又は疎水性の基を有するものが適している。
特に、環状ホスト基としてシクロデキストリン骨格を採用した場合は、シクロデキストリンの内部空洞の大きさからみて、ゲスト基は炭素数4〜18の鎖状アルキル骨格又は炭素数4〜14の環状炭素骨格を有するものが好ましい。
炭素数4〜18の鎖状アルキル骨格としては、直鎖状又は分岐状のいずれでもよい。鎖状アルキル骨格の炭素数としては、4〜12、5〜10、6〜8を例示できる。
炭素数4〜14の環状炭素骨格としては、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロノナン環、シクロデカン環、シクロブテン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘプテン環、シクロオクテン環、シクロノネン環、シクロデセン環、ベンゼン環、ジヒドロベンゼン環、ナフタレン環、ジヒドロナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、デカヒドロナフタレン環、アントラセン環、ジヒドロアントラセン環、テトラヒドロアントラセン環、ヘキサヒドロアントラセン環、オクタヒドロアントラセン環、テトラデカヒドロアントラセン環、アダマンタン環、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン環を例示できる。環状炭素骨格の炭素数としては、5〜14、6〜12、6〜10を例示できる。
ゲスト基は置換基を有していても良い。
置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、不飽和シクロアルキル基、芳香族基、複素環基、ハロゲン、OH、SH、CN、SCN、OCN、ニトロ基、アルコキシ基、不飽和アルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホニル基、スルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、リン酸基、ボロン酸基、スルホン酸基、−OCONHR(Rはアルキル基)を例示できる。これらの置換基はさらに置換されてもよい。また置換基が2つ以上ある場合、置換基は同一でも異なっていてもよい。
ゲスト基を含むモノマー単位の化学構造としては、下記一般式(2)を例示できる。一般式(2)のモノマー単位を含有する重合体の主鎖は、ポリエチレン鎖及び/又はポリプロピレン鎖である。
Figure 2019204719
一般式(2)において、Rは水素又はメチル基から選択される。Lは主鎖とGuestを連結するリンカーであって2価の基である。nは0以上の整数である。Guestはゲスト基である。
L及び(L)nについては、一般式(1)での説明を援用する。
理論的には、本発明の重合体において、環状ホスト基を含むモノマー単位の数と、ゲスト基を含むモノマー単位の数は、等しいのがよい。本発明の重合体におけるratio=(環状ホスト基を含むモノマー単位の数)/(ゲスト基を含むモノマー単位の数)の現実的な範囲としては、0.7≦ratio≦1.4、0.8≦ratio≦1.2、0.9≦ratio≦1.1を例示できる。
本発明の重合体には、環状ホスト基を含むモノマー単位及びゲスト基を含むモノマー単位以外の、他のモノマー単位が存在するのが好ましい。
他のモノマー単位の存在により、本発明の重合体に柔軟性や伸縮性が付与されるため、負極活物質の膨張及び収縮に対する耐性が増す。また、他のモノマー単位の存在により、本発明の負極を製造する際に用いる溶剤に対する、本発明の重合体の親和性を増加することもできる。
本発明の重合体において、全モノマー単位の数に対する、環状ホスト基を含むモノマー単位及びゲスト基を含むモノマー単位を合計したホスト−ゲストモノマー単位の数の割合は、0.1〜50%の範囲内であるのが好ましく、0.2〜20%の範囲内であるのがより好ましく、0.4〜10%の範囲内であるのがさらに好ましく、0.6〜5%の範囲内であるのが特に好ましく、0.8〜4%の範囲内であるのが最も好ましい。
他のモノマー単位の化学構造としては、下記一般式(3−1)を例示できる。一般式(3−1)のモノマー単位を含有する重合体の主鎖は、ポリエチレン鎖及び/又はポリプロピレン鎖である。
Figure 2019204719
一般式(3−1)において、Rは水素又はメチル基から選択される。XはO、S、NH、NR(Rは炭素数1〜3のアルキル基である。)から選択される。
3−1は、H、置換基を有していても良いアルキル基から選択される。
3−1におけるアルキル基の炭素数としては、1〜4、1〜3、1〜2を例示できる。R3−1におけるアルキル基の置換基としては、ハロゲン、OH、SH、CN、SCN、OCN、ニトロ基、アルコキシ基、不飽和アルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基、アルキルチオ基、スルホニル基、スルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、リン酸基、ボロン酸基、スルホン酸基、−OCONHR(Rは炭素数1〜4のアルキル基)を例示できる。これらの置換基はさらに置換されてもよい。また置換基が2つ以上ある場合、置換基は同一でも異なっていてもよい。
環状ホスト基が疎水性の基を有している場合、すなわち、疎水性の環状ホスト基を含有するモノマーを本発明の重合体の原料として用いる場合には、他のモノマーのR3−1としては、H又は置換基を有していないアルキル基が選択されるのが好ましい。他のモノマーが疎水性となり、他のモノマーに対する環状ホスト基を含有するモノマーの親和性や溶解性が向上するためである。
ゲスト基が疎水性の基を有している場合、又は、本発明の負極を製造する際に用いる溶剤が有機溶剤の場合も同様に、他のモノマーのR3−1として、H又は置換基を有していないアルキル基が選択されるのが好ましい。
環状ホスト基が極性の基を有している場合、すなわち、親水性の環状ホスト基を含有するモノマーを本発明の重合体の原料として用いる場合には、他のモノマーのR3−1としては、CHCHOH、CHCHOCHCHOH、CHCHOCHCHOCHCHOH、[CHCHO]CHが選択されるか、又は、Xとして、NH若しくはNRが選択されるのが好ましい。他のモノマーが親水性となり、他のモノマーに対する環状ホスト基を含有するモノマーの親和性や溶解性が向上するためである。
ゲスト基が極性の基を有している場合、又は、本発明の負極を製造する際に用いる溶剤が水若しくは高極性の有機溶剤の場合も同様に、他のモノマーのR3−1として、CHCHOH、CHCHOCHCHOH、CHCHOCHCHOCHCHOH、[CHCHO]CHが選択されるか、又は、Xとして、NH若しくはNRが選択されるのが好ましい。
なお、R3−1として[CHCHO]CHが選択されたものについて補足すると、そのモノマーは、Monofunctional Polymerizable PEG Acrylateや、Monofunctional Polymerizable PEG Acrylamideなどとして市販されている。これらのモノマーの平均分子量は500〜40000程度である。
また、他のモノマー単位は、下記一般式(3−2)で表される架橋モノマー単位でもよい。
Figure 2019204719
一般式(3−2)において、Rはそれぞれ独立に水素又はメチル基から選択される。Xはそれぞれ独立にO、S、NH、NR(Rは炭素数1〜3のアルキル基である。)から選択される。
3−2は、炭素の一部がOで置換されていても良いアルキレン鎖である。アルキレン鎖の炭素数としては1〜6、1〜4を例示できる。
本発明の重合体の製造方法について説明する。
有機溶剤と共に各モノマーを混合して、一般的な方法で重合させて本発明の重合体を製造してもよい。水の存在下で各モノマーを混合及び重合して、水を含有するヒドロゲルとして本発明の重合体を製造してもよい。また、有機溶剤や水の非存在下で、各モノマーを重合させる、いわゆる塊状重合で、本発明の重合体を製造してもよい。塊状重合により製造される本発明の重合体は、エラストマーとして得られる。
モノマーの重合反応は、光重合反応でもよいし、熱重合反応でもよい。モノマーの重合反応には、種々の重合開始剤や触媒を用いるのが好ましい。反応温度、反応時間、重合開始剤の種類及び量、触媒の種類及び量、並びに、溶媒の種類及び量については、適宜適切に決定すればよい。
本発明の負極の負極活物質としては、電荷担体を吸蔵及び放出し得る材料が使用可能である。したがって、リチウムイオンなどの電荷担体を吸蔵及び放出可能である単体、合金又は化合物であれば特に限定はない。たとえば、負極活物質としてLiや、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、錫などの14族元素、アルミニウム、インジウムなどの13族元素、亜鉛、カドミウムなどの12族元素、アンチモン、ビスマスなどの15族元素、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、銀、金などの11族元素をそれぞれ単体で採用すればよい。合金又は化合物の具体例としては、Ag−Sn合金、Cu−Sn合金、Co−Sn合金等の錫系材料、各種黒鉛などの炭素系材料、Si含有材料が挙げられる。また、負極活物質して、Nb、TiO、LiTi12、WO、MoO、Fe等の酸化物、又は、Li3−xN(M=Co、Ni、Cu)で表される窒化物を採用しても良い。負極活物質として、これらのものの一種以上を使用することができる。
高容量化の可能性の点から、好ましい負極活物質として、黒鉛、Si含有材料、Sn含有材料を挙げることができる。また、本発明の重合体の特性を鑑みると、電池の充放電時の膨張及び収縮の程度が大きいSi含有材料であるSi含有負極活物質が特に好ましい。
Si含有負極活物質の具体例として、Si単体や、Si相とケイ素酸化物相との2相に不均化された又は未不均化状態のSiO(0.3≦x≦1.6)を例示できる。SiOにおけるxの範囲は0.5≦x≦1.5であるのがより好ましく、0.7≦x≦1.2であるのがさらに好ましい。
Si含有負極活物質の具体例として、国際公開第2014/080608号などに開示されるシリコン材料(以下、単に「シリコン材料」という。)を挙げることができる。
シリコン材料は、複数枚の板状シリコン体が厚さ方向に積層されてなる構造を有するものである。シリコン材料は、例えば、CaSiと酸とを反応させてポリシランを主成分とする層状シリコン化合物を合成する工程、さらに、当該層状シリコン化合物を300℃以上で加熱して水素を離脱させる工程を経て製造されるものである。
シリコン材料の製造方法を、酸として塩化水素を用いた場合の理想的な反応式で示すと以下のとおりとなる。
3CaSi+6HCl → Si+3CaCl
Si → 6Si+3H
ただし、ポリシランであるSiを合成する上段の反応では、副生物や不純物除去の観点から、通常、反応溶媒として水が用いられる。そして、Siは水と反応し得るため、上段の反応を含む層状シリコン化合物を合成する工程において、層状シリコン化合物がSiのみを含むものとして製造されることはほとんどなく、層状シリコン化合物はSi(OH)(Xは酸のアニオン由来の元素若しくは基、s+t+u=6、0<s<6、0<t<6、0<u<6)で表されるものとして製造される。なお、上記の化学式においては、残存し得るCaなどの不可避不純物については、考慮していない。そして、当該層状シリコン化合物を加熱して得られるシリコン材料も、酸素や酸のアニオン由来の元素を含む。
既述のとおり、シリコン材料は、複数枚の板状シリコン体が厚さ方向に積層されてなる構造を有する。リチウムイオン等の電荷担体が効率的に吸蔵及び放出されるためには、板状シリコン体は厚さが10nm〜100nmの範囲内のものが好ましく、20nm〜50nmの範囲内のものがより好ましい。板状シリコン体の長手方向の長さは、0.1μm〜50μmの範囲内が好ましい。また、板状シリコン体は、(長手方向の長さ)/(厚さ)が2〜1000の範囲内であるのが好ましい。板状シリコン体の積層構造は走査型電子顕微鏡などによる観察で確認できる。また、この積層構造は、原料のCaSiにおけるSi層の名残りであると考えられる。
シリコン材料には、アモルファスシリコン及び/又はシリコン結晶子が含まれるのが好ましい。特に、上記板状シリコン体において、アモルファスシリコンをマトリックスとし、シリコン結晶子が当該マトリックス中に点在している状態が好ましい。シリコン結晶子のサイズは、0.5nm〜300nmの範囲内が好ましく、1nm〜100nmの範囲内がより好ましく、1nm〜50nmの範囲内がさらに好ましく、1nm〜10nmの範囲内が特に好ましい。なお、シリコン結晶子のサイズは、シリコン材料に対してX線回折測定を行い、得られたX線回折チャートのSi(111)面の回折ピークの半値幅を用いたシェラーの式から算出される。
シリコン材料に含まれる板状シリコン体、アモルファスシリコン及びシリコン結晶子の存在量や大きさは、主に加熱温度や加熱時間に左右される。加熱温度は、400℃〜900℃の範囲内が好ましく、500℃〜800℃の範囲内がより好ましい。
Si含有負極活物質は、炭素で被覆されたものが好ましい。炭素被覆により、Si含有負極活物質の導電性が向上する。
Si含有負極活物質は、粒子の集合体である粉末状のものが好ましい。Si含有負極活物質の平均粒子径は、1〜30μmの範囲内が好ましく、2〜20μmの範囲内がより好ましい。なお、本明細書における平均粒子径とは、一般的なレーザー回折式粒度分布測定装置で試料を測定した場合におけるD50を意味する。
本発明の負極は、負極活物質及び本発明の重合体を含有する負極活物質層を備える。また、本発明の蓄電装置は、本発明の負極を具備する。
蓄電装置としては、一次電池、二次電池、キャパシタを例示できる。以下、蓄電装置の代表例である二次電池及びリチウムイオン二次電池についての説明を通じて、本発明の負極、本発明の蓄電装置及び本発明のリチウムイオン二次電池の説明をする。
本発明の負極は、具体的には、集電体と、集電体の表面に形成され、負極活物質及び本発明の重合体を含有する負極活物質層とを備える。
集電体は、リチウムイオン二次電池などの二次電池の放電又は充電の間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子伝導体をいう。集電体の材料は、使用する活物質に適した電圧に耐え得る金属であれば特に制限はない。集電体の材料としては、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、白金、錫、インジウム、チタン、ルテニウム、タンタル、クロム、モリブデンから選ばれる少なくとも一種、並びにステンレス鋼などの金属材料を例示することができる。集電体は公知の保護層で被覆されていても良い。集電体の表面を公知の方法で処理したものを集電体として用いても良い。
集電体は箔、シート、フィルム、線状、棒状、メッシュなどの形態をとることができる。そのため、集電体として、例えば、銅箔、ニッケル箔、アルミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔を好適に用いることができる。集電体が箔、シート、フィルム形態の場合は、その厚みが1μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
負極活物質層は、負極活物質及び本発明の重合体を含み、さらに、必要に応じて本発明の重合体以外の結着剤や導電助剤などの添加剤を含み得る。負極活物質層には、負極活物質が負極活物質層全体の質量に対して、60〜98質量%で含まれるのが好ましく、70〜95質量%で含まれるのがより好ましい。また、負極活物質層には、本発明の重合体が負極活物質層全体の質量に対して、1〜20質量%で含まれるのが好ましく、5〜15質量%で含まれるのがより好ましい。負極活物質層において、本発明の重合体は負極活物質層全体に分散しているのが好ましい。
本発明の重合体以外の結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンゴムなどの公知のものを採用すればよい。
導電助剤は、負極活物質層の導電性を高めるために添加される。そのため、導電助剤は、負極活物質層の導電性が不足する場合に任意に加えればよく、負極活物質層の導電性が十分に優れている場合には加えなくても良い。導電助剤としては化学的に不活性な電子高伝導体であれば良く、炭素質微粒子であるカーボンブラック、黒鉛、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber)、および各種金属粒子などが例示される。カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、ファーネスブラック、チャンネルブラックなどが例示される。これらの導電助剤を単独又は二種以上組み合わせて負極活物質層に添加することができる。
負極活物質層には、導電助剤が負極活物質層全体の質量に対して、1〜10質量%で含まれるのが好ましく、2〜8質量%で含まれるのがより好ましい。
集電体の表面に負極活物質層を形成させて本発明の負極を製造するには、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの従来から公知の方法を用いて、集電体の表面に負極活物質層製造用組成物を塗布すればよい。具体的には、負極活物質、本発明の重合体、溶剤、並びに必要に応じて他の結着剤及び導電助剤などの添加剤を混合してスラリー状の負極活物質層製造用組成物にしてから、当該負極活物質層製造用組成物を集電体の表面に塗布後、乾燥する。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、メタノール、メチルイソブチルケトン、水を例示できる。電極密度を高めるべく、乾燥後のものを圧縮しても良い。
本発明の重合体が、エラストマーやヒドロゲルとして得られた場合には、次段落の工程を経て本発明の負極を製造するのが好ましい。
本発明の重合体を溶剤で膨潤させて、膨潤体を製造する工程(以下、膨潤工程ということがある。)、
前記膨潤体を解砕機で解砕する工程(以下、解砕工程ということがある。)、
解砕後の重合体と負極活物質と溶剤を混合して、負極活物質層製造用組成物を製造する工程、
負極活物質層製造用組成物を集電体の表面に塗布する工程(以下、塗布工程ということがある。)。
膨潤工程で用いる溶剤(以下、膨潤溶剤ということがある。)としては、水、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンを例示できる。
膨潤溶剤としては、本発明の重合体が十分に膨潤できるものを選択するのが好ましい。膨潤工程における本発明の重合体の膨潤率としては、400〜4900%が好ましく、900〜3900%がより好ましく、1400〜3400%がさらに好ましい。
なお、膨潤率は以下の式で算出される。
膨潤率(%)=100×(膨潤体の質量−本発明の重合体の質量)/(本発明の重合体の質量)
解砕工程で使用する解砕機としては、混合攪拌機、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、分散機、超音波分散機、ホモジナイザー、ホモミキサー、プラネタリーミキサー、遊星式攪拌脱泡装置を採用すればよい。
具体的な解砕機としては、商品名ディスパーミキサー(プライミクス株式会社)、商品名クレアミックス(エム・テクニック株式会社)、商品名フィルミックス(プライミクス株式会社)、商品名ペイントコンディショナー(レッドデビル社)、商品名DYNO−MILL(株式会社シンマルエンタープライゼス)、商品名アイリッヒ インテンシブ ミキサー(日本アイリッヒ株式会社)、商品名脱泡機DP−200(エム・テクニック株式会社)、商品名粉砕ナノ太郎(株式会社シンキー)、商品名あわとり練太郎(株式会社シンキー)、商品名スターミル(アシザワファインテック株式会社)、商品名ホモディスパー(プライミクス株式会社)を挙げることができる。
解砕機による解砕速度及び解砕時間は、本発明の重合体が好適に解砕される速度及び時間を適宜設定すればよい。具体的な解砕速度としては、例えば、回転数500〜50000rpmや、周速5〜70m/sなどの範囲内で適宜適切に設定すればよい。
また、解砕工程においては、必要に応じて、膨潤溶剤を追加してもよい。
解砕工程においては、膨潤体の解砕を目的とするが、膨潤体と共に負極活物質や導電助剤を共存させてもよい。さらに、膨潤溶剤と負極活物質層製造用組成物を製造する工程で用いる溶剤を同じ溶剤とすることで、解砕工程と負極活物質層製造用組成物を製造する工程を一工程としてもよい。
解砕工程で得られた解砕物は、そのまま次工程に供してもよいし、一旦乾燥させた後に、次工程に供してもよい。
負極活物質層製造用組成物を製造する工程で用いる溶剤としては、水、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンを例示できる。負極活物質層製造用組成物を製造する工程で用いる溶剤は、膨潤溶剤と同一であってもよいし、異なるものでもよい。
負極活物質層製造用組成物の全体に対して、溶剤の量は、20〜80質量%が好ましく、45〜75質量%がより好ましい。
負極活物質層製造用組成物を製造する工程で用いる混合機としては、一般的なものを採用すればよいし、解砕工程で説明した解砕機を混合機として用いてもよい。
塗布工程においては、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの従来から公知の方法を用いて、集電体の表面に負極活物質層製造用組成物を塗布すればよい。
塗布工程の後には、負極活物質層製造用組成物から溶剤を除去して負極活物質層を形成する乾燥工程や、負極をプレスして負極活物質層の密度を適切なものとするプレス工程を実施してもよい。
本発明の蓄電装置は、正極及び本発明の負極、並びに、セパレータ及び電解液、又は、固体電解質を具備する。
正極は、集電体と、集電体の表面に形成され、正極活物質を含有する正極活物質層とを備える。集電体としては、本発明の負極の集電体にて説明したものを適宜適切に選択すればよい。また、正極活物質層は、必要に応じて結着剤や導電助剤などの添加剤を含み得る。結着剤や導電助剤としては、本発明の負極の集電体にて説明したものを適宜適切に選択すればよい。
正極活物質としては、層状岩塩構造の一般式:LiNiCo(MはMn及びAlから選択される。DはW、Mo、Re、Pd、Ba、Cr、B、Sb、Sr、Pb、Ga、Nb、Mg、Ta、Ti、La、Zr、Cu、Ca、Ir、Hf、Rh、Fe、Ge、Zn、Ru、Sc、Sn、In、Y、Bi、S、Si、Na、K、P、Vから選ばれる少なくとも1の元素である。a、b、c、d、e、fは0.2≦a≦2、b+c+d+e=1、0≦e<1、1.7≦f≦3を満足する。)で表されるリチウム複合金属酸化物、LiMnOを挙げることができる。また、正極活物質として、LiMn等のスピネル構造の金属酸化物、スピネル構造の金属酸化物と層状化合物の混合物で構成される固溶体、LiMPO、LiMVO又はLiMSiO(式中のMはCo、Ni、Mn、Feのうちの少なくとも一種から選択される)などで表されるポリアニオン系化合物を挙げることができる。さらに、正極活物質として、LiFePOFなどのLiMPOF(Mは遷移金属)で表されるタボライト系化合物、LiFeBOなどのLiMBO(Mは遷移金属)で表されるボレート系化合物を挙げることができる。正極活物質として用いられるいずれの金属酸化物も上記の組成式を基本組成とすればよく、基本組成に含まれる金属元素を他の金属元素で置換したものも使用可能である。また、正極活物質として、電荷担体(例えば充放電に寄与するリチウムイオン)を含まないものを用いても良い。例えば、硫黄単体、硫黄と炭素を複合化した化合物、TiSなどの金属硫化物、V、MnOなどの酸化物、ポリアニリン及びアントラキノン並びにこれら芳香族を化学構造に含む化合物、共役二酢酸系有機物などの共役系材料、その他公知の材料を用いることもできる。さらに、ニトロキシド、ニトロニルニトロキシド、ガルビノキシル、フェノキシルなどの安定なラジカルを有する化合物を正極活物質として採用してもよい。
セパレータは、正極と負極とを隔離し、両極の接触による短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータとしては、公知のものを採用すればよく、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアラミド(Aromatic polyamide)、ポリエステル、ポリアクリロニトリル等の合成樹脂、セルロース、アミロース等の多糖類、フィブロイン、ケラチン、リグニン、スベリン等の天然高分子、セラミックスなどの電気絶縁性材料を1種若しくは複数用いた多孔体、不織布、織布などを挙げることができる。また、セパレータは多層構造としてもよい。
電解液は、非水溶媒と非水溶媒に溶解した電解質とを含んでいる。
非水溶媒としては、環状カーボネート、環状エステル、鎖状カーボネート、鎖状エステル、エーテル類等が使用できる。環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートを例示でき、環状エステルとしては、ガンマブチロラクトン、2−メチル−ガンマブチロラクトン、アセチル−ガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトンを例示できる。鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネートを例示でき、鎖状エステルとしては、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等を例示できる。エーテル類としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタンを例示できる。非水溶媒としては、上記具体的な溶媒の化学構造のうち一部又は全部の水素がフッ素に置換した化合物を採用しても良い。
電解質としては、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO等のリチウム塩を例示できる。
電解液としては、フルオロエチレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの非水溶媒に、LiClO、LiPF、LiBF、LiCFSOなどのリチウム塩を0.5mol/Lから1.7mol/L程度の濃度で溶解させた溶液を例示できる。
固体電解質としては、リチウムイオン二次電池の固体電解質として使用可能なものを適宜採用すればよい。
本発明のリチウムイオン二次電池の具体的な製造方法の一例について述べる。
例えば、正極と負極とでセパレータを挟持して電極体とする。電極体は、正極、セパレータ及び負極を重ねた積層型、又は、正極、セパレータ及び負極の積層体を捲いた捲回型のいずれの型にしても良い。正極の集電体および負極の集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までを、集電用リード等を用いて接続した後に、電極体に電解液を加えてリチウムイオン二次電池とするとよい。
本発明のリチウムイオン二次電池の形状は特に限定されるものでなく、円筒型、角型、コイン型、ラミネート型等、種々の形状を採用することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、車両に搭載してもよい。車両は、その動力源の全部あるいは一部にリチウムイオン二次電池による電気エネルギーを使用している車両であればよく、例えば、電気車両、ハイブリッド車両などであるとよい。車両にリチウムイオン二次電池を搭載する場合には、リチウムイオン二次電池を複数直列に接続して組電池とするとよい。リチウムイオン二次電池を搭載する機器としては、車両以外にも、パーソナルコンピュータ、携帯通信機器など、電池で駆動される各種の家電製品、オフィス機器、産業機器などが挙げられる。さらに、本発明のリチウムイオン二次電池は、風力発電、太陽光発電、水力発電その他電力系統の蓄電装置及び電力平滑化装置、船舶等の動力及び/又は補機類の電力供給源、航空機、宇宙船等の動力及び/又は補機類の電力供給源、電気を動力源に用いない車両の補助用電源、移動式の家庭用ロボットの電源、システムバックアップ用電源、無停電電源装置の電源、電動車両用充電ステーションなどにおいて充電に必要な電力を一時蓄える蓄電装置に用いてもよい。
本発明の負極が劣化した場合には、充放電を休止することで、図1に示すとおり、環状ホスト基がゲスト基を再包接して、負極の機能が修復される。本発明の負極を加温すると修復速度が増加する。加温の温度範囲としては、30〜150℃の範囲内、35〜100℃の範囲内、40〜80℃の範囲内、45〜70℃の範囲内を例示できる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
以下に、実施例及び比較例などを示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
(環状ホスト基含有モノマーの合成)
(合成例1)
200mLのガラス製丸底フラスコに、γ−シクロデキストリン5g(5mmol)、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド700mg(1.3mmol)、p−トルエンスルホン酸一水和物95mg(0.5mmol)、及び、N,N−ジメチルホルムアミド25mLを投入して、反応液とした。オイルバスを用いて、反応液を90℃に加熱し、1時間攪拌した。冷却後の反応液を、攪拌下のアセトン45mLに加え、沈殿物を生成させた。沈殿物を濾過し、かつ、アセトン10mLでの洗浄を3回繰り返した後に、減圧乾燥して、沈殿乾燥物を得た。
沈殿乾燥物を水に溶解して、水溶液とした。当該水溶液を、多孔質ポリスチレン樹脂(三菱ケミカル株式会社、ダイヤイオンHP20)充填カラムを用いたクロマトグラフィー(不純物溶出液は10%メタノール水溶液、目的成分溶出液は25%メタノール水溶液である。)で精製して、N−ヒドロキシメチルアクリルアミドの水酸基が、γ−シクロデキストリンにおける1のグルコースの6位の水酸基で置換された構造であるアクリルアミドメチル−γ−シクロデキストリン(以下、γCDAAmMeと略す。)を単離した。
γCDAAmMeは、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド1分子と、γ−シクロデキストリン1分子との反応生成物である。
γCDAAmMeは白色の粉末であり、その収量は809mgであった。γCDAAmMeの収率は15%であった。
0.95mmolのγCDAAmMe、及び、脱水処理したN,N−ジメチルホルムアミド30mLを、シュレンク管に投入して、γCDAAmMe溶液とした。氷冷及び攪拌下のγCDAAmMe溶液に対して、85.5mmolの水素化ナトリウム及び85.5mmolのヨウ化メチルを加えて、48時間攪拌し、その後、水10mLを加えて、反応を終了させた。
反応液から溶媒を留去し、得られた残渣を200mgのチオ硫酸ナトリウム五水和物を含む飽和塩化ナトリウム水溶液50mLに溶解して、水溶液とした。トルエンを用いて、水溶液から目的成分をトルエン層に抽出した。分離したトルエン層から、トルエンを留去して、固形物を得た。固形物をメタノール50mLに溶解し、ヘキサン50mLで洗浄した。分離したメタノール層からメタノールを留去して、γCDAAmMeの水酸基及びアミド基のNがメチル化された化合物(以下、N−Me−TMγCDAAmMeと略す。)を得た。
N−Me−TMγCDAAmMeの化学構造は、質量分析及びNMRにて確認された。N−Me−TMγCDAAmMeは、γCDAAmMeの水酸基すべて及びアミド基のNがメチル化された化合物である。
N−Me−TMγCDAAmMeを、合成例1の環状ホスト基含有モノマーとした。
(合成例2)
γ−シクロデキストリンに替えて同モルのβ−シクロデキストリンを用い、N−ヒドロキシメチルアクリルアミドに替えて同モルのアクリルアミドを用いた以外は、合成例1と同様の方法で、合成例2の環状ホスト基含有モノマーを製造した。
合成例2における中間体化合物は、β−シクロデキストリンにおける1のグルコースの6位の水酸基がアクリルアミドのアミド基で置換された構造である、アクリルアミド−β−シクロデキストリン(以下、βCDAAmと略す。)である。
合成例2の環状ホスト基含有モノマーは、βCDAAmの水酸基すべて及びアミド基のNがメチル化された化合物(以下、N−Me−TMβCDAAmと略す。)である。N−Me−TMβCDAAmの化学構造は、質量分析及びNMRにて確認された。
(合成例3)
γ−シクロデキストリンに替えて同モルのα−シクロデキストリンを用いた以外は、合成例1と同様の方法で、合成例3の環状ホスト基含有モノマーを製造した。
合成例3における中間体化合物は、N−ヒドロキシメチルアクリルアミドの水酸基が、α−シクロデキストリンにおける1のグルコースの6位の水酸基で置換された構造である、アクリルアミドメチル−α−シクロデキストリン(以下、αCDAAmMeと略す。)である。
合成例3の環状ホスト基含有モノマーは、αCDAAmMeの水酸基すべて及びアミド基のNがメチル化された化合物(以下、N−Me−TMαCDAAmMeと略す。)である。N−Me−TMαCDAAmMeの化学構造は、質量分析及びNMRにて確認された。
(合成例4)
γ−シクロデキストリンに替えて同モルのβ−シクロデキストリンを用いた以外は、合成例1と同様の方法で、合成例4の環状ホスト基含有モノマーを製造した。
合成例4における中間体化合物は、N−ヒドロキシメチルアクリルアミドの水酸基が、β−シクロデキストリンにおける1のグルコースの6位の水酸基で置換された構造である、アクリルアミドメチル−β−シクロデキストリン(以下、βCDAAmMeと略す。)である。
合成例4の環状ホスト基含有モノマーは、βCDAAmMeの水酸基すべて及びアミド基のNがメチル化された化合物(以下、N−Me−TMβCDAAmMeと略す。)である。N−Me−TMβCDAAmMeの化学構造は、質量分析及びNMRにて確認された。
(合成例5)
0.95mmolのγCDAAmMe、及び、脱水処理したN,N−ジメチルホルムアミド30mLを、シュレンク管に投入して、γCDAAmMe溶液とした。氷冷及び攪拌下のγCDAAmMe溶液に対して、85.5mmolの水素化ナトリウム及び85.5mmolのヨウ化メチルを加えて、48時間攪拌し、その後、水10mLを加えて、反応を終了させた。
反応液から溶媒を留去し、得られた残渣を200mgのチオ硫酸ナトリウム五水和物を含む飽和塩化ナトリウム水溶液50mLに溶解して、水溶液とした。トルエンを用いて、水溶液から目的成分をトルエン層に抽出した。分離したトルエン層から、トルエンを留去して、固形物を得た。固形物をメタノール50mLに溶解し、ヘキサン50mLで洗浄した。分離したメタノール層からメタノールを留去して、N−Me−TMγCDAAmMeを得た。
N−Me−TMγCDAAmMeを20mLの水に溶解した水溶液に、1.4mmolのトリフルオロ酢酸を加えて、1時間攪拌して反応させた。反応液から溶媒を留去し、得られた残渣を飽和塩化ナトリウム水溶液50mLに溶解して、水溶液とした。トルエンを用いて、水溶液から目的成分をトルエン層に抽出した。分離したトルエン層から、トルエンを留去して、固形物を得た。
固形物は、γ−シクロデキストリンにおける1のグルコースの6位の水酸基以外の水酸基すべてが、メトキシ基に変換された化合物(以下、TM−γCDと略すことがある。)である。N−Me−TMγCDAAmMeに対する酸水溶液の反応を、反応式で示すと、以下のとおりである。
N−Me−TMγCDAAmMe + HO →
TM−γCD + CH=CHCON(CH)CHOH
固形物をN,N−ジメチルホルムアミド10mLに溶解して溶液とし、当該溶液に、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド2.9mmol、及び、p−トルエンスルホン酸一水和物0.095mmolを投入して、反応液とした。オイルバスを用いて、反応液を90℃に加熱し、4時間攪拌した。反応液から溶媒を留去して、得られた残渣を飽和塩化ナトリウム水溶液50mLに溶解して、水溶液とした。トルエンを用いて、水溶液から目的成分をトルエン層に抽出した。分離したトルエン層から、トルエンを留去して、γCDAAmMeの水酸基すべてがメチル化され、アミド基のNはメチル化されていない化合物(以下、N−H−TMγCDAAmMeと略す。)を得た。
N−H−TMγCDAAmMeの化学構造は、質量分析及びNMRにて確認された。
N−H−TMγCDAAmMeを、合成例5の環状ホスト基含有モノマーとした。
(合成例6)
20gのγCDAAmMeを300mLのピリジンに溶解した溶液に、170.133gの無水酢酸を加えた上で、55℃で12時間以上攪拌して反応させた。その後、メタノール50mLを加えて反応を終了させ、次いで、減圧下、全体量が200mLとなるまで有機物を留去して、濃縮液とした。
濃縮液を2000mLの水に滴下して、沈殿を生成させた。濾過にて沈殿を回収し、当該沈殿をアセトン200mLに溶解して、アセトン溶解液とした。アセトン溶解液を2000mLの水に滴下して、沈殿を生成させた。沈殿を単離することで、γCDAAmMeの水酸基すべてがアセチル化された化合物(以下、N−H−TAcγCDAAmMeと略す。)を得た。
N−H−TAcγCDAAmMeの化学構造は、質量分析及びNMRにて確認された。なお、N−H−TAcγCDAAmMeにおいて、アミド基のNはアセチル化されていない。
N−H−TAcγCDAAmMeを、合成例6の環状ホスト基含有モノマーとした。
(合成例7)
γCDAAmMeに替えて、βCDAAmMeを用いた以外は、合成例6と同様の方法で、合成例7の環状ホスト基含有モノマーを製造した。
合成例7の環状ホスト基含有モノマーは、βCDAAmMeの水酸基すべてがアセチル化された化合物(以下、N−H−TAcβCDAAmMeと略す。)である。N−H−TAcβCDAAmMeの化学構造は、質量分析及びNMRにて確認された。
(合成例8)
150mgのγCDAAmMeをシュレンク管に投入して、シュレンク管内の空気を窒素ガスで置換した。その後、2mLのジメチルスルホキシド及び1062mgのエチルイソシアネートをシュレンク管に投入して、48時間攪拌して、生成物を得た。当該生成物を、合成例8の環状ホスト基含有モノマーとした。
質量分析の結果、合成例8の環状ホスト基含有モノマーは、γCDAAmMeの1分子における2〜5個の水酸基が、N−エチルカルバメートに置換された化合物であることが確認された。
(合成例9)
500mg(0.31mmol)のTM−γCDをシュレンク管に投入して、シュレンク管内の空気を窒素ガスで置換した。その後、N−(2−アクリレートエチル)カルバメート(77.6mg、0.62mmol)をクロロホルム4mLに溶解した溶液を、シュレンク管に滴下し、さらに、1滴のジラウリル酸ジブチルスズをクロロホルム2mLに溶解した溶液も、シュレンク管に滴下して、反応液とした。当該反応液を60℃で終夜攪拌して反応させた。終夜攪拌後の反応液に、N−(2−アクリレートエチル)カルバメート(155.7mg、1.24mmol)をクロロホルム2mLに溶解した溶液を滴下して加え、60℃で1日間、攪拌して反応させた。
反応生成物を、合成例9の環状ホスト基含有モノマーとした。
合成例9の環状ホスト基含有モノマーは、N−(2−アクリレートエチル)カルバメートのOH基がTM−γCDの水酸基で置換された構造の化合物(以下、TM−γCDAECと略す。)である。なお、TM−γCDAECの化学構造は、質量分析で確認された。
(合成例10)
500mg(0.31mmol)のTM−γCDをシュレンク管に投入して、シュレンク管内の空気を窒素ガスで置換した。その後、N−(2−メタクリレートエチル)カルバメート(288.6mg、1.86mmol)をクロロホルム4mLに溶解した溶液を、シュレンク管に滴下し、さらに、1滴のジラウリル酸ジブチルスズをクロロホルム2mLに溶解した溶液も、シュレンク管に滴下して、反応液とした。当該反応液を60℃で終夜攪拌して反応させた。終夜攪拌後の反応液に、N−(2−メタクリレートエチル)カルバメート(865.8mg、5.58mmol)をクロロホルム2mLに溶解した溶液を滴下して加え、60℃で1日間、攪拌して反応させた。
反応生成物を、合成例10の環状ホスト基含有モノマーとした。
合成例10の環状ホスト基含有モノマーは、N−(2−メタクリレートエチル)カルバメートのOH基がTM−γCDの水酸基で置換された構造の化合物(以下、TM−γCDMECと略す。)である。なお、TM−γCDMECの化学構造は、質量分析で確認された。
(合成例11)
γCDAAmMeに替えて、βCDAAmを用いた以外は、合成例6と同様の方法で、合成例11の環状ホスト基含有モノマーを製造した。
合成例11の環状ホスト基含有モノマーは、βCDAAmの水酸基すべてがアセチル化された化合物(以下、N−H−TAcβCDAAmと略す。)である。
合成例で合成した環状ホスト基含有モノマーの一覧を表1に示す。
表1において、CDとはシクロデキストリンの略称であり、連結基とはビニル基又はプロペニル基とシクロデキストリンにおけるグルコースの6位の炭素との間を連結する基である。
Figure 2019204719
(製造例1)
合成例1の環状ホスト基含有モノマー、ゲスト基含有モノマーである2−エチル−2−アダマンチルアクリレート、及び、n−ブチルアクリレートを、モル比0.5:0.5:99で混合して、1時間、超音波で処理を行い、モノマー混合物とした。
光重合開始剤である1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンをモノマー混合物全体に対して1mol%の量で加えて、塊状重合用の原料溶液とした。ダンベル試験片状に切り抜いたブチルゴムシート上に原料溶液を塗布し、紫外線(λ=365nm)を照射してランダム重合反応を開始して、その後、減圧下で一晩加熱乾燥した。
製造された約1mmの厚みのエラストマーを、製造例1の重合体とした。
(製造例2)
合成例1の環状ホスト基含有モノマーに替えて、合成例2の環状ホスト基含有モノマーを用いた以外は、製造例1と同様の方法で、製造例2の重合体を製造した。
(製造例3)
合成例1の環状ホスト基含有モノマー、ゲスト基含有モノマーである2−エチル−2−アダマンチルアクリレート、及び、エチルアクリレートを、モル比1:1:98で混合して、1時間、超音波で処理を行い、モノマー混合物とした。
以下、製造例1と同様の方法で、製造例3の重合体を製造した。
(製造例4)
合成例1の環状ホスト基含有モノマー、ゲスト基含有モノマーである2−エチル−2−アダマンチルアクリレート、及び、メチルアクリレートを、モル比1:1:98で混合して、1時間、超音波で処理を行い、モノマー混合物とした。
以下、製造例1と同様の方法で、製造例4の重合体を製造した。
(製造例5)
合成例1の環状ホスト基含有モノマーに替えて、合成例4の環状ホスト基含有モノマーを用いた以外は、製造例1と同様の方法で、製造例5の重合体を製造した。
(製造例6)
合成例1の環状ホスト基含有モノマーに替えて、合成例4の環状ホスト基含有モノマーを用いたこと、及び、ゲスト基含有モノマーとしてN−1−アダマンチルアクリルアミドを用いたこと以外は、製造例1と同様の方法で、製造例6の重合体を製造した。
(製造例7)
合成例1の環状ホスト基含有モノマーに替えて、合成例4の環状ホスト基含有モノマーを用いたこと、及び、ゲスト基含有モノマーとして1−アダマンチルオキシメチルアクリレートを用いたこと以外は、製造例1と同様の方法で、製造例7の重合体を製造した。
(製造例8)
合成例1の環状ホスト基含有モノマーに替えて、合成例6の環状ホスト基含有モノマーを用いたこと以外は、製造例1と同様の方法で、製造例8の重合体を製造した。
(製造例9)
環状ホスト基含有モノマー、ゲスト基含有モノマー及びn−ブチルアクリレートを、モル比1:1:98で混合して、1時間、超音波で処理を行い、モノマー混合物としたこと以外は、製造例8と同様の方法で、製造例9の重合体を製造した。
(製造例10)
環状ホスト基含有モノマー、ゲスト基含有モノマー及びn−ブチルアクリレートを、モル比2:2:96で混合して、1時間、超音波で処理を行い、モノマー混合物としたこと以外は、製造例8と同様の方法で、製造例10の重合体を製造した。
(製造例11)
合成例6の環状ホスト基含有モノマー、ゲスト基含有モノマーである2−エチル−2−アダマンチルアクリレート、及び、エチルアクリレートを、モル比0.5:0.5:99で混合して、1時間、超音波で処理を行い、モノマー混合物としたこと以外は、製造例1と同様の方法で、製造例11の重合体を製造した。
(製造例12)
環状ホスト基含有モノマー、ゲスト基含有モノマー及びエチルアクリレートを、モル比1:1:98で混合して、1時間、超音波で処理を行い、モノマー混合物としたこと以外は、製造例11と同様の方法で、製造例12の重合体を製造した。
(製造例13)
環状ホスト基含有モノマー、ゲスト基含有モノマー及びエチルアクリレートを、モル比2:2:96で混合して、1時間、超音波で処理を行い、モノマー混合物としたこと以外は、製造例11と同様の方法で、製造例13の重合体を製造した。
(製造例14)
合成例6の環状ホスト基含有モノマー、ゲスト基含有モノマーである2−エチル−2−アダマンチルアクリレート、及び、メチルアクリレートを、モル比0.5:0.5:99で混合して、1時間、超音波で処理を行い、モノマー混合物としたこと以外は、製造例1と同様の方法で、製造例14の重合体を製造した。
(製造例15)
環状ホスト基含有モノマー、ゲスト基含有モノマー及びメチルアクリレートを、モル比1:1:98で混合して、1時間、超音波で処理を行い、モノマー混合物としたこと以外は、製造例14と同様の方法で、製造例15の重合体を製造した。
(製造例16)
環状ホスト基含有モノマー、ゲスト基含有モノマー及びメチルアクリレートを、モル比2:2:96で混合して、1時間、超音波で処理を行い、モノマー混合物としたこと以外は、製造例14と同様の方法で、製造例16の重合体を製造した。
(製造例17)
合成例5の環状ホスト基含有モノマー、ゲスト基含有モノマーである2−エチル−2−アダマンチルアクリレート、及び、エチルアクリレートを、モル比1:1:98で混合して、1時間、超音波で処理を行い、モノマー混合物とした。
以下、製造例1と同様の方法で、製造例17の重合体を製造した。
(製造例18)
合成例7の環状ホスト基含有モノマー、ゲスト基含有モノマーである1−アダマンチルオキシメチルアクリレート、及び、エチルアクリレートを、モル比1:1:98で混合して、1時間、超音波で処理を行い、モノマー混合物とした。
以下、製造例1と同様の方法で、製造例18の重合体を製造した。
(製造例19)
合成例7の環状ホスト基含有モノマー、ゲスト基含有モノマーである2−エチル−2−アダマンチルアクリレート、及び、エチルアクリレートを、モル比1:1:98で混合して、1時間、超音波で処理を行い、モノマー混合物とした。
以下、製造例1と同様の方法で、製造例19の重合体を製造した。
(製造例20)
合成例6の環状ホスト基含有モノマー、ゲスト基含有モノマーである1−アダマンチルオキシメチルアクリレート、及び、エチルアクリレートを、モル比1:1:98で混合して、1時間、超音波で処理を行い、モノマー混合物とした。
以下、製造例1と同様の方法で、製造例20の重合体を製造した。
(製造例21)
合成例6の環状ホスト基含有モノマー、ゲスト基含有モノマーである2−エチル−2−アダマンチルアクリレート、及び、エチルアクリレートを、モル比0.1:0.1:99.8で混合して、1時間、超音波で処理を行い、モノマー混合物とした。
以下、製造例1と同様の方法で、製造例21の重合体を製造した。
(製造例22)
合成例6の環状ホスト基含有モノマー、ゲスト基含有モノマーである2−エチル−2−アダマンチルアクリレート、及び、エチルアクリレートを、モル比5:5:90で混合して、1時間、超音波で処理を行い、モノマー混合物とした。
以下、製造例1と同様の方法で、製造例22の重合体を製造した。
(製造例23)
合成例7の環状ホスト基含有モノマー、ゲスト基含有モノマーである4−ビニルフェニルボロン酸、及び、N,N−ジメチルアクリルアミドを、モル比1:1:98で混合して、1時間、超音波で処理を行い、モノマー混合物とした。
以下、製造例1と同様の方法で、製造例23の重合体を製造した。
(製造例24)
合成例5の環状ホスト基含有モノマー、ゲスト基含有モノマーである2−エチル−2−アダマンチルアクリレート、及び、n−ブチルアクリレートを、モル比1:1:98で混合して、1時間、超音波で処理を行い、モノマー混合物とした。
以下、製造例1と同様の方法で、製造例24の重合体を製造した。
(製造例25)
合成例5の環状ホスト基含有モノマー、ゲスト基含有モノマーである2−エチル−2−アダマンチルアクリレート、及び、メチルアクリレートを、モル比0.5:0.5:99で混合して、1時間、超音波で処理を行い、モノマー混合物とした。
以下、製造例1と同様の方法で、製造例25の重合体を製造した。
(製造例26)
合成例5の環状ホスト基含有モノマー、ゲスト基含有モノマーである2−エチル−2−アダマンチルアクリレート、及び、メチルアクリレートを、モル比1:1:98で混合して、1時間、超音波で処理を行い、モノマー混合物とした。
以下、製造例1と同様の方法で、製造例26の重合体を製造した。
(製造例27)
環状ホスト基含有モノマーであるβCDAAmMe、ゲスト基含有モノマーであるN−1−アダマンチルアクリルアミド、及び、2−ヒドロキシエチルアクリレートを、モル比2:2:96で混合して、超音波で処理を行い、モノマー混合物とした。
重合開始剤である過硫酸アンモニウムをモノマー混合物全体に対して0.25mol%の量、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミンをモノマー混合物全体に対して5mol%の量、及び、水を加えて、重合用の原料溶液とした。水の量は、原料溶液全体に対して、69.64質量%とした。
原料溶液を室温で1時間放置することで、ランダム重合反応を進行させた。
製造されたヒドロゲルを、製造例27の重合体とした。
(製造例28)
環状ホスト基含有モノマーであるβCDAAmMe、ゲスト基含有モノマーであるN−1−アダマンチルアクリルアミド、及び、2−ヒドロキシエチルアクリルアミドを、モル比2:2:96で混合して、超音波で処理を行い、モノマー混合物とした。
以下、製造例27と同様の方法で、製造例28の重合体を製造した。
(製造例29)
環状ホスト基含有モノマーであるβCDAAmMe、ゲスト基含有モノマーであるN−1−アダマンチルアクリルアミド、及び、末端がCHであるポリエチレングリコールアクリルアミドを、モル比2:2:96で混合して、超音波で処理を行い、モノマー混合物とした。
以下、製造例27と同様の方法で、製造例29の重合体を製造した。
(製造例30)
合成例11の環状ホスト基含有モノマー、ゲスト基含有モノマーである4−ビニルフェニルボロン酸、及び、アクリル酸を、モル比1:1:98で混合して、1時間、超音波で処理を行い、モノマー混合物とした。
以下、製造例1と同様の方法で、製造例30の重合体を製造した。
製造例で製造した重合体におけるモノマー単位(上段)と、そのモル比(下段)の一覧を、表2−1〜表2−2に示す。
表2−1〜表2−2において、EtAdAとは2−エチル−2−アダマンチルアクリレートの略称であり、AdAAmとはN−1−アダマンチルアクリルアミドの略称であり、ADOM−Aとは1−アダマンチルオキシメチルアクリレートの略称であり、VPBとは4−ビニルフェニルボロン酸の略称である。BAとはn−ブチルアクリレートの略称であり、EAとはエチルアクリレートの略称であり、MAとはメチルアクリレートの略称であり、DMAAmとはN,N−ジメチルアクリルアミドの略称であり、HEAとは2−ヒドロキシエチルアクリレートの略称であり、HEAAmとは2−ヒドロキシエチルアクリルアミドの略称であり、PEGAAmとは末端がCHであるポリエチレングリコールアクリルアミドの略称であり、AAとはアクリル酸の略称である。
Figure 2019204719
Figure 2019204719
(評価例1)
製造例11〜製造例13の重合体について、材料試験機(オートグラフ AGX−plus、株式会社島津製作所)を用いて、破断強度及び破断時の伸び率を測定した。結果を表3に示す。なお、表3において、環状ホスト基含有モノマーをHM、ゲスト基含有モノマーをGM、エチルアクリレートをEAと略した。
Figure 2019204719
表3の結果から、製造例11〜製造例13の重合体はいずれも靱性及び強度に優れるといえる。
(評価例2)
製造例12の重合体を2つに切断した。切断後の製造例12の重合体の2片を、25℃又は80℃の条件下で24時間接触させた。切断前の製造例12の重合体、切断後に25℃で接触させた製造例12の重合体、及び、切断後に80℃で接触させた製造例12の重合体につき、評価例1と同様の方法で、破断強度を測定した。
切断前の製造例12の重合体の破断強度を100%とした場合、切断後に25℃で接触させた製造例12の重合体の破断強度は68%であり、切断後に80℃で接触させた製造例12の重合体の破断強度は107%であった。
製造例12の重合体が優れた自己修復能力を有することが裏付けられたといえる。また、自己修復能力は、加温に因り促進されることも裏付けられたといえる。
(実施例1)
ジメチルカーボネート(以下、DMCと略すことがある。)中で、エラストマーである製造例17の重合体(以下、EA−TMγCDAAmMe−AdEtA(1,1)と略すことがある。)180mgを膨潤させて、膨潤体とした。以下の式で算出した製造例17の重合体の膨潤率は1760%であった。
製造例17の重合体の膨潤率(%)=100×(膨潤体の質量−製造例17の重合体の質量)/(製造例17の重合体の質量)
膨潤体の全量、Si含有負極活物質である炭素被覆シリコン材料1620mg、及び、複数の径1mmのジルコニア製のボールを、12mLの容器に投入して、混練機(あわとり練太郎ARE−310、株式会社シンキー)で2000rpmの混合を10分間実施した後に、2200rpmの混合を1分間実施して、実施例1のスラリーとした。実施例1のスラリーにおいて、製造例17の重合体とSi含有負極活物質の質量比は1:9である。
なお、以下の実施例のスラリーの製造においては、混練機での混合終了時に目視で小塊が観察された場合には、少量の膨潤溶剤を添加あるいは留去し粘度調整した上で、小塊をスパチュラで解砕して、上述した混練機での追加の混合を実施した。
実施例1のスラリーを乾燥してジメチルカーボネートを留去し、N−メチル−2−ピロリドン3mLを添加して、混練機(あわとり練太郎ARE−310、株式会社シンキー)で2000rpmの混合を5分間実施した後に、2200rpmの混合を30秒間実施して混合することで、実施例1の負極活物質層製造用組成物を製造した。
<負極の製造>
負極用集電体として厚み30μmの電解Cu箔を準備した。ドクターブレード法で、負極用集電体の表面に実施例1の負極活物質層製造用組成物を膜状に塗布した。実施例1の負極活物質層製造用組成物が塗布された負極用集電体を乾燥させてN−メチル−2−ピロリドンを除去して、集電体と集電体上に形成された負極活物質層を具備する負極を製造した。次いで、ロールプレス機を用いて負極活物質層の厚みを20μmとするプレスを行い、さらに、減圧下、150℃で2時間の加熱処理をすることで、実施例1の負極を製造した。
<リチウムイオン二次電池の製造>
実施例1の負極を径11mmの円形に裁断し、評価極とした。厚さ500μmの金属リチウム箔を径16mmの円形に裁断し対極とした。セパレータとしてガラスフィルター(ヘキストセラニーズ社)及び単層ポリプロピレンであるcelgard2400(ポリポア株式会社)を準備した。また、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比1:1で混合した混合溶媒に、LiPFを1mol/Lで溶解した電解液を準備した。対極、ガラスフィルター、celgard2400、評価極の順に、2種のセパレータを対極と評価極で挟持し電極体とした。この電極体をコイン型電池ケースCR2032(宝泉株式会社)に収容し、さらに電解液を注入して、コイン型電池を得た。これを実施例1のリチウムイオン二次電池とした。
(実施例2)
製造例17の重合体とSi含有負極活物質の質量比を2:8とした以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2のスラリーを製造した。
実施例1のスラリーと比較して、実施例2のスラリーは流動性に劣っていた。実施例2のスラリーは、チキソトロピー様の性質を示すともいえる。
(実施例3)
製造例17の重合体とSi含有負極活物質の質量比を1:18とした以外は、実施例1と同様の方法で、実施例3のスラリーを製造した。
実施例1のスラリーと比較して、実施例3のスラリーは流動性に劣っていた。実施例3のスラリーは、チキソトロピー様の性質を示すともいえる。
(実施例4)
製造例17の重合体とSi含有負極活物質の質量比を1:27とした以外は、実施例1と同様の方法で、実施例4のスラリーを製造した。
実施例1のスラリーと比較して、実施例4のスラリーは流動性に劣っていた。実施例4のスラリーは、チキソトロピー様の性質を示すともいえる。
(実施例5)
製造例17の重合体とSi含有負極活物質の質量比を1:36とした以外は、実施例1と同様の方法で、実施例5のスラリーを製造した。
実施例1のスラリーと比較して、実施例5のスラリーは流動性に劣っていた。実施例5のスラリーは、チキソトロピー様の性質を示すともいえる。
(実施例6)
製造例17の重合体に替えて、製造例18の重合体(以下、EA−TAcβCDAAmMe−ADOMA(1,1)と略すことがある。)を採用した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例6のスラリーを製造した。
実施例1のスラリーと比較して、実施例6のスラリーは同等の流動性を示した。なお、ジメチルカーボネートを用いた場合の、製造例18の重合体の膨潤率は1860%であった。
(実施例7)
製造例17の重合体に替えて、製造例19の重合体(以下、EA−TAcβCDAAmMe−AdEtA(1,1)と略すことがある。)を採用した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例7のスラリーを製造した。
実施例1のスラリーと比較して、実施例7のスラリーは同等の流動性を示した。なお、ジメチルカーボネートを用いた場合の、製造例19の重合体の膨潤率は1190%であった。
(実施例8)
製造例17の重合体に替えて、製造例20の重合体(以下、EA−TAcγCDAAmMe−ADOMA(1,1)と略すことがある。)を採用した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例8のスラリーを製造した。
実施例1のスラリーと比較して、実施例8のスラリーは同等の流動性を示した。なお、ジメチルカーボネートを用いた場合の、製造例20の重合体の膨潤率は1310%であった。
(実施例9)
製造例17の重合体に替えて、製造例21の重合体(以下、EA−TAcγCDAAmMe−AdEtA(0.1,0.1)と略すことがある。)を採用した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例9のスラリーを製造した。
実施例1のスラリーと比較して、実施例9のスラリーは流動性に劣っていた。実施例9のスラリーは、チキソトロピー様の性質を示すともいえる。なお、製造例21の重合体は、ジメチルカーボネートに溶解した。
(実施例10)
製造例17の重合体に替えて製造例12の重合体(以下、EA−TAcγCDAAmMe−AdEtA(1,1)と略すことがある。)を採用したこと、及び、ジメチルカーボネートに替えてテトラヒドロフラン(以下、THFと略すことがある。)を採用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例10のスラリーを製造した。
実施例10のスラリーには小塊が残存していた。なお、テトラヒドロフランを用いた場合の、製造例12の重合体の膨潤率は1660%であった。
(実施例11)
製造例17の重合体に替えて製造例12の重合体を採用したこと、及び、ジメチルカーボネートに替えてN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略すことがある。)を採用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例11のスラリーを製造した。
実施例11のスラリーには小塊が残存していた。なお、N−メチル−2−ピロリドンを用いた場合の、製造例12の重合体の膨潤率は1480%であった。
(実施例12)
製造例17の重合体に替えて製造例12の重合体を採用したこと、及び、ジメチルカーボネートに替えてジクロロメタンを採用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例12のスラリーを製造した。
実施例1のスラリーと比較して、実施例12のスラリーは流動性に劣っていた。実施例12のスラリーは、チキソトロピー様の性質を示すともいえる。なお、ジクロロメタンを用いた場合の、製造例12の重合体の膨潤率は2720%であった。
(実施例13)
製造例17の重合体に替えて製造例12の重合体を採用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例13のスラリーを製造した。
実施例13のスラリーには小塊が残存していた。なお、ジメチルカーボネートを用いた場合の、製造例12の重合体の膨潤率は1800%であった。
(実施例14)
Si含有負極活物質である炭素被覆シリコン材料に替えて黒鉛を採用したこと以外は、実施例13と同様の方法で、実施例14のスラリーを製造した。
実施例1のスラリーと比較して、実施例14のスラリーは流動性に劣っていた。実施例14のスラリーは、チキソトロピー様の性質を示すともいえる。
(実施例15)
Si含有負極活物質である炭素被覆シリコン材料に替えてシリコン粉末を採用したこと以外は、実施例13と同様の方法で、実施例15のスラリーを製造した。
実施例1のスラリーと比較して、実施例15のスラリーは流動性に劣っていた。実施例15のスラリーは、チキソトロピー様の性質を示すともいえる。
(実施例16)
製造例17の重合体に替えて製造例13の重合体(以下、EA−TAcγCDAAmMe−AdEtA(2,2)と略すことがある。)を採用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例16のスラリーを製造した。
実施例1のスラリーと比較して、実施例16のスラリーは同等の流動性を示した。なお、ジメチルカーボネートを用いた場合の、製造例13の重合体の膨潤率は2140%であった。
(実施例17)
製造例13の重合体の重合体とSi含有負極活物質の質量比を1:18とした以外は、実施例16と同様の方法で、実施例17のスラリーを製造した。
実施例1のスラリーと比較して、実施例17のスラリーは同等の流動性を示した。
(実施例18)
製造例17の重合体に替えて製造例22の重合体(以下、EA−TAcγCDAAmMe−AdEtA(5,5)と略すことがある。)を採用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例18のスラリーを製造した。
実施例18のスラリーには小塊が残存していた。なお、ジメチルカーボネートを用いた場合の、製造例22の重合体の膨潤率は1590%であった。
(実施例19)
製造例17の重合体に替えて製造例23の重合体(以下、DMAAm−TAcβCDAAmMe−VPB(1,1)と略すことがある。)を採用したこと、及び、ジメチルカーボネートに替えてN−メチル−2−ピロリドンを採用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例19のスラリーを製造した。
実施例1のスラリーと比較して、実施例19のスラリーは同等の流動性を示した。なお、N−メチル−2−ピロリドンを用いた場合の、製造例23の重合体の膨潤率は470%であった。
(実施例20)
製造例17の重合体に替えて製造例24の重合体(以下、BA−TMγCDAAmMe−AdEtA(1,1)と略すことがある。)を採用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例20のスラリーを製造した。
実施例1のスラリーと比較して、実施例20のスラリーは同等の流動性を示した。なお、ジメチルカーボネートを用いた場合の、製造例24の重合体の膨潤率は2020%であった。
(実施例21)
製造例17の重合体に替えて製造例25の重合体(以下、MA−TMγCDAAmMe−AdEtA(0.5,0.5)と略すことがある。)を採用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例21のスラリーを製造した。
実施例21のスラリーには小塊が残存していた。なお、ジメチルカーボネートを用いた場合の、製造例25の重合体の膨潤率は1830%であった。
(実施例22)
製造例17の重合体に替えて製造例26の重合体(以下、MA−TMγCDAAmMe−AdEtA(1,1)と略すことがある。)を採用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例22のスラリーを製造した。
実施例1のスラリーと比較して、実施例22のスラリーは同等の流動性を示した。なお、ジメチルカーボネートを用いた場合の、製造例26の重合体の膨潤率は1450%であった。
(実施例23)
製造例17の重合体に替えて製造例27の重合体(以下、HEA−βCDAAmMe−AdAAm(2,2)と略すことがある。)を採用したこと、及び、ジメチルカーボネートに替えて水を採用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例23のスラリーを製造した。
実施例23のスラリーには小塊が残存していた。なお、水を用いた場合の、製造例27の重合体の膨潤率は500%であった。
(実施例24)
製造例17の重合体に替えて製造例27の重合体を採用したこと、及び、ジメチルカーボネートに替えてジメチルスルホキシド(以下、DMSOと略すことがある。)を採用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例24のスラリーを製造した。
実施例1のスラリーと比較して、実施例24のスラリーは流動性に劣っていた。実施例24のスラリーは、チキソトロピー様の性質を示すともいえる。なお、ジメチルスルホキシドを用いた場合の、製造例27の重合体の膨潤率は1570%であった。
(実施例25)
製造例17の重合体に替えて製造例27の重合体を採用したこと、及び、ジメチルカーボネートに替えてN−メチル−2−ピロリドンを採用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例25のスラリーを製造した。
実施例25のスラリーには小塊が残存していた。なお、N−メチル−2−ピロリドンを用いた場合の、製造例27の重合体の膨潤率は1230%であった。
(実施例26)
製造例17の重合体に替えて製造例28の重合体(以下、HEAAm−βCDAAmMe−AdAAm(2,2)と略すことがある。)を採用したこと、及び、ジメチルカーボネートに替えて水を採用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例26のスラリーを製造した。
実施例1のスラリーと比較して、実施例26のスラリーは流動性に劣っていた。実施例26のスラリーは、チキソトロピー様の性質を示すともいえる。なお、水を用いた場合の、製造例28の重合体の膨潤率は1960%であった。
(実施例27)
製造例17の重合体に替えて製造例28の重合体を採用したこと、及び、ジメチルカーボネートに替えてジメチルスルホキシドを採用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例27のスラリーを製造した。
実施例1のスラリーと比較して、実施例27のスラリーは流動性に劣っていた。実施例27のスラリーは、チキソトロピー様の性質を示すともいえる。なお、ジメチルスルホキシドを用いた場合の、製造例28の重合体の膨潤率は2120%であった。
(実施例28)
製造例17の重合体に替えて製造例29の重合体(以下、PEGAAm−βCDAAmMe−AdAAm(2,2)と略すことがある。)を採用したこと、及び、ジメチルカーボネートに替えて水を採用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例28のスラリーを製造した。
実施例1のスラリーと比較して、実施例28のスラリーは流動性に劣っていた。実施例28のスラリーは、チキソトロピー様の性質を示すともいえる。なお、水を用いた場合の、製造例29の重合体の膨潤率は860%であった。
(実施例29)
製造例17の重合体に替えて製造例29の重合体を採用したこと、及び、ジメチルカーボネートに替えてジメチルスルホキシドを採用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例29のスラリーを製造した。
実施例1のスラリーと比較して、実施例29のスラリーは流動性に劣っていた。実施例29のスラリーは、チキソトロピー様の性質を示すともいえる。なお、ジメチルスルホキシドを用いた場合の、製造例29の重合体の膨潤率は700%であった。
(実施例30)
製造例17の重合体に替えて製造例30の重合体(以下、AA−TAcβCDAAm−VPB(1,1)と略すことがある。)を採用したこと、及び、ジメチルカーボネートに替えてN−メチル−2−ピロリドンを採用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例30のスラリーを製造した。
実施例1のスラリーと比較して、実施例30のスラリーは同等の流動性を示した。なお、N−メチル−2−ピロリドンを用いた場合の、製造例30の重合体の膨潤率は1490%であった。
実施例30のスラリーに対して、N−メチル−2−ピロリドンを追加して、混合することで、実施例30の負極活物質層製造用組成物を製造した。
以下、実施例1と同様の方法で、実施例30の負極を製造した。
実施例のスラリーの一覧を表4−1〜表4−2に示す。
Figure 2019204719
Figure 2019204719
(比較例1)
5.86gの2−ヒドロキシエチルアクリレートを25gのN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、さらに、50mgのアゾビスイソブチロニトリルを添加して混合物とした。この混合物を80℃、3時間加熱することにより、固形分19.0 wt%のポリアクリル酸2−ヒドロキシエチル溶液を得た。
Si含有負極活物質である炭素被覆シリコン材料を90質量部、及び、ポリアクリル酸2−ヒドロキシエチル溶液をその固形分が10質量部となるように混合し、さらに、適量のN−メチル−2−ピロリドンを添加して、混合して、比較例1の負極活物質層製造用組成物を製造した。
比較例1の負極活物質層製造用組成物を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、比較例1の負極及びリチウムイオン二次電池を製造した。
(評価例3)
実施例1及び比較例1のリチウムイオン二次電池につき、0.05Cレートで0.01Vまで初回充電を行い、その後、0.05Cレートで1.0Vまで初回放電を行った。初回効率(%)を以下の式で算出した。
初回効率(%)=100×(初回放電容量)/(初回充電容量)
また、実施例1及び比較例1のリチウムイオン二次電池につき、0.3Cレートで0.01Vまで充電を行い、その後、0.3Cレートで1.0Vまで放電を行うとの、充放電サイクルを10回行った。容量維持率(%)を以下の式で算出した。
容量維持率(%)=100×(10回目のサイクルの放電容量)/(1回目のサイクルの放電容量)
充放電サイクルを10回行った後の実施例1及び比較例1のリチウムイオン二次電池につき、45℃で24時間保管した。保管後、0.3Cレートで0.01Vまで充電を行い、その後、0.3Cレートで1.0Vまで放電を行うとの、充放電を行った。そして、回復率(%)を以下の式で算出した。
回復率(%)=100×(保管後の放電容量)/(10回目のサイクルの放電容量)
以上の試験結果を、表5に示す。
Figure 2019204719
表5の結果から、実施例1のリチウムイオン二次電池は、比較例1のリチウムイオン二次電池と比較して、いずれの電池特性も優れていることがわかる。特に、実施例1のリチウムイオン二次電池においては、劣化後に保管することで、電池性能が回復していることがわかる。
本発明の技術的意義が裏付けられたといえる。
(評価例4)
実施例30の負極に対して、JIS K 6854−2に従い、剥離接着強さ試験を行った。その結果、負極活物質層と銅箔の間の剥離は観測されず、負極活物質層自体の破断が観測された。破断時の力は、概ね0.12N/mmであった。
集電体に対する本発明の重合体の結着力は強いといえる。

Claims (9)

  1. 負極活物質、並びに、環状ホスト基及びゲスト基を含有する重合体を含有する負極活物質層を備えることを特徴とする負極。
  2. 前記環状ホスト基を含むモノマー単位の化学構造が下記一般式(1)で表され、前記ゲスト基を含むモノマー単位の化学構造が下記一般式(2)で表される請求項1に記載の負極。
    Figure 2019204719
    (一般式(1)において、Rは水素又はメチル基から選択される。Lは主鎖とHostを連結するリンカーであって2価の基である。nは0以上の整数である。Hostは環状ホスト基である。)
    Figure 2019204719
    (一般式(2)において、Rは水素又はメチル基から選択される。Lは主鎖とGuestを連結するリンカーであって2価の基である。nは0以上の整数である。Guestはゲスト基である。)
  3. 前記環状ホスト基がシクロデキストリン骨格を有し、
    前記ゲスト基が、炭素数4〜18の鎖状アルキル骨格、又は、炭素数4〜14の環状炭素骨格を有する請求項1又は2に記載の負極。
  4. 前記シクロデキストリン骨格の水酸基が、アルコキシ基、アシルオキシ基、−OCONHR(Rはアルキル基)又は−OCONR(Rはアルキル基)に変換されている請求項3に記載の負極。
  5. 前記重合体を構成する全モノマー単位の数に対する、環状ホスト基を含むモノマー単位及びゲスト基を含むモノマー単位を合計したホスト−ゲストモノマー単位の数の割合が、0.1〜50%の範囲内である請求項1〜4のいずれか1項に記載の負極。
  6. 前記負極活物質がSi含有負極活物質である請求項1〜5のいずれか1項に記載の負極。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の負極を具備する蓄電装置。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の負極の製造方法であって、
    環状ホスト基を含有するモノマー及びゲスト基を含有するモノマーを重合させて重合体を製造する工程、
    前記重合体を溶剤で膨潤させて、膨潤体を製造する工程、
    前記膨潤体を解砕する工程、
    解砕後の重合体と負極活物質と溶剤を混合して、負極活物質層製造用組成物を製造する工程、
    を有する負極の製造方法。
  9. 負極活物質と、環状ホスト基及びゲスト基を含有する重合体と、溶剤を含有する負極活物質層製造用組成物。
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