JP2019198183A - 機械式作業設備の電気的保護装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気的保護装置を提供する。【解決手段】電気的保護装置は機械式作業設備に用いられ、回路基板、前段保護回路および後段保護回路を備える。前段保護回路および後段保護回路は回路基板に形成される。前段保護回路は電源およびコントローラの前段に接続され、電気的保護条件に従って作動する。電源のサージエネルギーが電気的保護条件を超えた場合、前段保護回路はサージエネルギーがコントローラへ流れることを阻止する。後段保護回路は前段保護回路およびコントローラの後段に接続される。サージエネルギーが発生した場合、後段保護回路の応答速度は前段保護回路の応答速度より遅い。上述した手段により、本発明による電気的保護装置はサージエネルギーを効果的に遮断し、機械式作業設備の電子システムの損壊を避けることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、電気的保護装置に関し、詳しくは機械式作業設備の電気的保護装置に関するものである。
コントローラは自動作業設備または機械設備の様々な作動、例えば加工、測量および輸送などを制御するものである。作動過程は旋転、移動および掴み取りなどの作業を含む。コントローラはプロブラムまたは指令によって様々な工程および作業を執行する。
コントローラが稼働する際、電力エネルギーは周囲および環境の設備、電力線の反応、雷および電源に接触し、サージを発生させる。サージは電源流路に沿ってコントローラへ進み、コントローラまたは端末負荷を損壊させてしまう。
サージによる機器の損壊を防ぐために、通常はコントローラ内部の電子部品の応答に対応する保護回路または保護装置を設計する。しかしながらこの方式はコントローラ内部のすべての電子部品を反応させる条件を全般的に考慮することが必要である。また規格が同じ電子部品でもパラメータの誤差が生じて応答性に影響を与えることがあるため、保護装置の設計は簡単ではない。
一方、機械式作業設備は内部空間が限られるため、保護回路を配置する空間が狭くて小さい。従って狭くて小さい空間に適切な保護装置を配置する方式を探ることは業界が解決したい課題である。
本発明は、機械式作業設備のシステム内の電子部品の応答状態を考慮する必要なく、サージによる機器の損壊を効果的に避けることができる電気的保護装置を提供することを主な目的とする。
上述した課題を解決するため、電気的保護装置は機械式作業設備に用いられ、回路基板、前段保護回路および後段保護回路を備える。前段保護回路および後段保護回路は回路基板に形成される。前段保護回路は電源およびコントローラの前段に接続され、電気的保護条件に従って作動する。電源のサージエネルギーが電気的保護条件を超えた場合、前段保護回路はサージエネルギーがコントローラへ流れることを阻止する。後段保護回路は前段保護回路およびコントローラの後段に接続される。サージエネルギーが発生した場合、後段保護回路の応答速度は前段保護回路の応答速度より遅い。
上述した技術手段により、本発明による電気的保護装置は前段保護回路および後段保護回路を備え、サージエネルギーが発生した時に後段保護回路の応答を遅延させるものであるため、前段保護回路より応答が速い電子部品が配置してあるコントローラまたは負荷を考慮する必要なく、保護回路を簡単化し、サージエネルギーを効果的に遮断することができる。
本発明による電気的保護装置を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による電気的保護装置を示す回路図である。 本発明の別の一実施形態による電気的保護装置を示す回路図である。 本発明の別の一実施形態による電気的保護装置を示す回路図である。 本発明の別の一実施形態による電気的保護装置を示す回路図である。
本発明による電気的保護装置は機械式作業設備、例えばロボット、電動グリッパ、スライドレールなどに適用される。以下、本発明による電気的保護装置を図面に基づいて説明する。
(一実施形態)
図1に示すように、本発明の一実施形態による電気的保護装置10は電源に生じたサージエネルギーがコントローラ20または機械式作業設備の内部の電子部品を損壊させてしまうことを避けるため、コントローラ20および電源30に接続される。機械式作業設備において、執行装置、即ち負荷40は電動グリッパおよびスライドレールなどである。
図1および図2に示すように、コントローラ20はコンバータ21、プロセッサー23およびフォトリレー25を有する。コンバータ21は電気的保護装置10に接続され、電気的保護装置10を流れる電気エネルギーを受ける。プロセッサー23はコンバータ21およびフォトリレー25に接続され、負荷40の制御指令を出力したり負荷40のフィードバック信号を受信したりする。別の実施形態においてコントローラ20は上述に限らず、さらに別のモジュールまたは多くのプロセッサーを有する。モジュールは整流器およびインバータなどである。
電気的保護装置10は、回路基板11、前段保護回路13および後段保護回路15を備える。前段保護回路13および後段保護回路15は回路基板11に形成される。回路基板11の部品面が21*50mmであれば好ましい。回路基板11は単層または多層の導体から構成される。部品面は電子部品を載せる面である。別の実施形態において、回路基板11はサイズが上述に限らず増減してもよい。例えば部品面の長辺を50から85mmに変更し、部位面の短辺を21から35mmに変更してもよい。長辺および短辺の長さを一致させてもよい。
前段保護回路13は電源30およびコントローラ20の前段27に接続される。後段保護回路15は前段保護回路13およびコントローラ20の後段29に接続される。前段27はコントローラ20の入力である。後段29はコントローラ20の出力である。コントローラ20の後段29は負荷40に接続される端点であり、負荷40に指令を出力する。つまり、コントローラ20は前段27が入力端となり、後段29が出力端となる。
電源30の入力に伴って生じたサージエネルギーが電気的保護条件を満たす場合、前段保護回路13はサージエネルギーがコントローラ20へ流れることを阻止する。本実施形態において、電気的保護条件は±1000ボルト(1KV)に設定される。言い換えれば、サージエネルギーが1KVを超えると、前段保護回路13が起動する。別の実施形態において、電気的保護条件のパラメータは上述に限らず、増減してもよい。
サージエネルギーは順方向サージエネルギーおよび逆方向サージエネルギーに分けられる。順方向サージエネルギーは高電位から低電位に向かって流れるエネルギーである。逆方向サージエネルギーは低電位から高電位に向かって流れるエネルギーである。サージエネルギーは短時間または瞬間的に激増したエネルギーであるため、システムは耐えることができない。電気的保護条件は順方向の保護パラメータおよび逆方向の保護パラメータを含む。エネルギーおよびパラメータは電流、電圧、パワーまたは演算および変換によって求められたデジタルパラメータである。
サージエネルギーが順方向の保護パラメータより大きい場合と、サージエネルギーが逆方向の保護パラメータより小さい場合であれば、電気的保護条件を満たす。サージエネルギーが順方向の保護パラメータより大きい場合には、前段保護回路13は短絡方式でサージエネルギーを接地端へ誘導することによってサージエネルギーがコントローラ20へ流れることを避ける。
サージエネルギーが逆方向の保護パラメータより小さい場合には、前段保護回路13は断路方式でコントローラ20の外部にサージエネルギーを遮断することによってサージエネルギーがコントローラ20へ流れることを避ける。
前段保護回路13は、前段電圧抑制装置131および耐高圧性ダイオード133を有する。前段電圧抑制装置131は電源30に並列に接続される。耐高圧性ダイオード133は正極が前段電圧抑制装置131の正極に接続され、負極が後段保護回路15およびコントローラ20の前段27に接続される。順方向の保護パラメータは前段電圧抑制装置131に関わる。
本実施形態において、前段電圧抑制装置131は過渡電圧抑制ダイオード(TVS)である。過渡電圧抑制ダイオードが24ボルト双方向過渡電圧抑制ダイオードであれば好ましく、300アンペア(A)/3KWに耐えることができる。耐高圧性ダイオード133は耐電圧1KVが好ましい。別の実施形態は選択条件がパラメータに限定されない。別の実施形態において、前段電圧抑制装置131は金属酸化物バリスタ(MOV)、サージエネルギーに耐えられる電子部品またはその組み合わせから構成されてもよい。
サージエネルギーが発生した時、後段保護回路15は応答速度が前段保護回路13の応答速度より遅く、外部の静電気がコントローラ20へ進むことを防止する。
サージエネルギーが順方向の保護パラメータより大きい場合には、後段保護回路15の抵抗は前段保護回路13の抵抗より大きいため、後段保護回路15の応答を遅延させる。サージエネルギーが逆方向の保護パラメータより小さい場合には、前段保護回路13と後段保護回路15との間は電流が流れていない状態になるため、後段保護回路15の応答が遅延する。
本実施形態において、後段保護回路15は分流器151および後段電圧抑制装置153を有する。サージエネルギーが発生した時、分流器151は後段保護回路15の応答が遅い要因となる。分流器151は抵抗器から構成され、一端が前段保護回路13の耐電圧性ダイオード133の負極に接続され、他端が後段電圧抑制装置153に接続される。後段電圧抑制装置153はコントローラ20の後段29に並列に接続される。
サージエネルギーが発生した時、分流器151は後段電圧抑制装置153の応答時間を遅延させ、後段電圧抑制装置153およびフォトリレー25を保護する。サージエネルギーが発生した時、前段保護回路13のほうが先に応答する。特に順方向サージエネルギーが発生した時、前段電圧抑制装置131は短絡が生じ、抵抗が分流器151の抵抗より小さいため、大部分のサージエネルギーはコントローラ20または後段保護回路15に進むことなく、短絡が生じた前段電圧抑制装置131を流れる。
後段電圧抑制装置153および前段電圧抑制装置131は部品が同じであるが、部品の条件およびパラメータ、例えば電圧に耐える程度および応答時間などは異なってもよい。
別の実施形態において、分流器151は上述の抵抗器に限らず、抵抗になる部品またはモジュールから構成されてもよい。抵抗器の数が多くてもよい。
本実施形態は体積の小さい回路基板11に対し、サイズが8*5.9*2.6または2.6*1.3*1.1mmの過渡電圧抑制ダイオードと、サイズが5*2.7*2.2mmの耐電圧性ダイオード133を採用する。実際のサイズはそれより小さいか大きくてもよい。それらの部品を回路基板11に配置することさえできればよい。抵抗器の抵抗値は20から60オーム(Ω)である。上述したとおり、本発明による電気的保護装置10の部品を回路基板11に完全に配置し、機械式作業設備に取り付けることができる。
電気的保護装置10が稼働したうえで電源30がサージエネルギー、即ち順方向サージエネルギーおよび逆方向サージエネルギーを発生させる際、順方向サージエネルギーは前段保護回路13の前段電圧抑制装置131を起動させる。前段電圧抑制装置131は導通し、短絡が生じる。従って、順方向サージエネルギーはコントローラ20へ進むことなく、短絡が生じた前段電圧抑制装置131から接地端へ流入する。
逆方向サージエネルギーが電源30を介して電気的保護装置10に流れ込む場合、逆方向サージエネルギーは前段電圧抑制装置131を流れるが、耐高圧性ダイオード133は電流が流れていない状態になるため、逆方向サージエネルギーはコントローラ20へ進むことができない。前段保護回路13はコントローラ20を効果的に保護できるため、コントローラ20は順方向または逆方向サージエネルギーによる損壊を避けることができる。
前段電圧抑制装置131および後段電圧抑制装置153は応答速度の同じ部品から構成される。後段電圧抑制装置153の応答が前段電圧抑制装置131の応答より早いことが原因でコントローラ20または後段電圧抑制装置153を損壊させてしまうことを避けるために、後段保護回路15の分流器151によって後段電圧抑制装置153の応答を効果的に遅延させることができる。
後段電圧抑制装置153は負荷40に生じた静電圧を効果的に遮断し、コントローラ20のフォトリレー25を保護することができる。
上述したとおり、本発明による電気的保護装置10は前段保護回路13および後段保護回路15を備えるため、前段電圧抑制装置131より応答が速い電子部品が配置してあるコントローラ20、負荷40または別のシステムを考慮する必要がなく、保護回路の簡単化およびコスト削減を実現させ、サージエネルギーを効果的に遮断することができる。
(別の一実施形態)
図3は本発明の別の一実施形態による電気的保護装置を示す回路図である。図の中では、間隔を置いて配列した黒い点、即ち線路または部品の数は増加してもよい。上述した実施形態と同じ部分の説明を省略する。
前段電圧抑制装置531は金属酸化物バリスタ(MOV)から構成され、サージエネルギーによるコントローラ20の損壊を避けることができる。金属酸化物バリスタは大電流を処理でき、サージエネルギーを吸収でき、応答が迅速であるため、コントローラ20を保護できる。別の実施形態において、前段電圧抑制装置531は上述に限らず、サージエネルギーに耐えられるかそれを吸収できる電子部品から構成されてもよい。
コントローラ20は複数の出力端を有する。複数の出力端は複数のフォトリレー25aに対応する。後段保護回路55は一つの分流器551(即ち抵抗器)および複数の後段電圧抑制装置553を有する。後段電圧抑制装置553は一対一でフォトリレー25aに並列に接続されると同時に複数の負荷40に接続される。
上述したとおり、本実施形態において、本発明による電気的保護装置10は一つの分流器551によって複数の後段電圧抑制装置553の応答を遅延させることが目的である。
(別の一実施形態)
図4は本発明の別の一実施形態による電気的保護装置を示す回路図である。上述した実施形態と同じ部分の説明を省略する。図4に示すように後段保護回路65の分流器651は前段保護回路63に接続される複数の抵抗器651を有する。抵抗器651および後段電圧抑制装置653は数が比例関係であり、一対一で配置される。一方、複数の抵抗器651は実際の回路設計に応じて抵抗値が同じ抵抗器または抵抗値が異なる抵抗器であってもよい。それに対し、複数の後段電圧抑制装置653は応答時間が同じであるか異なる。
(別の一実施形態)
図5は本発明の別の一実施形態による電気的保護装置を示す回路図である。上述した実施形態と同じ部分の説明を省略する。図5に示すように後段保護回路75の分流器751は抵抗器7511のほかにスイッチ7513を有する。スイッチ7513は前段保護回路73、接地端および抵抗器7511に接続される。抵抗器7511の接続方式は上述した実施形態と同じであるため、説明を省略する。
スイッチ7531は機械式スイッチまたは電子式スイッチである。機械式スイッチはリレーなどである。電子式スイッチはトランジスタまたはトランジスタから構成されるスイッチ回路である。スイッチ7513は後段電圧抑制装置および耐高圧性ダイオードを接続する流路を遮断し、流路へ電流を流さない方式または直接に接地端と接続する方式を採用できる。
スイッチを後段電圧抑制装置と耐高圧性ダイオードとを接続する流路に切り替える場合には、負荷を流れる電流は電源から供給される。この状態はsourcing模式である。スイッチを後段電圧抑制装置とスイッチの接地端とを接続する流路に切り替える場合には、後段電圧抑制装置は短絡が生じ、接地端(OV)と接続する。負荷を流れる電流は負荷から供給され、後段電圧抑制装置を通って接地端へ流れる。この状態はsinking模式である。
上述したとおり、本発明による電気的保護装置は電源または電力線に生じたサージエネルギーを効果的に遮断または吸収できるため、機械式作業設備はサージエネルギーによる電子部品の損壊を避けることができる。
一方、本発明による電気的保護装置は機械式作業設備の電子部品の電気的特性を考慮する必要がなく、前段保護回路によって大部分のサージエネルギーがコントローラまたは別の機械式作業設備へ流れることを阻止することができる。
10 電気的保護装置
11 回路基板
13、63、73 前段保護回路
131、531 前段電圧抑制装置
133 耐高圧性ダイオード
15、65、75 後段保護回路
151、551、51、751 分流器
153、553、653 後段電圧抑制装置
20 コントローラ
21 コンバータ
23 プロセッサー
25、25a フォトリレー
27 前段
29 後段
30 電源
40、40a 負荷
7511 抵抗器
7531 スイッチ
本発明は、電気的保護装置に関し、詳しくは機械式作業設備の電気的保護装置に関するものである。
コントローラは自動作業設備または機械設備の様々な作動、例えば加工、測量および輸送などを制御するものである。作動過程は旋転、移動および掴み取りなどの作業を含む。コントローラはプロブラムまたは指令によって様々な工程および作業を執行する。
コントローラが稼働する際、電力エネルギーは周囲および環境の設備、電力線の反応、雷および電源に接触し、サージを発生させる。サージは電源流路に沿ってコントローラへ進み、コントローラまたは端末負荷を損壊させてしまう。
サージによる機器の損壊を防ぐために、通常はコントローラ内部の電子部品の応答に対応する保護回路または保護装置を設計する。しかしながらこの方式はコントローラ内部のすべての電子部品を反応させる条件を全般的に考慮することが必要である。また規格が同じ電子部品でもパラメータの誤差が生じて応答性に影響を与えることがあるため、保護装置の設計は簡単ではない。
一方、機械式作業設備は内部空間が限られるため、保護回路を配置する空間が狭くて小さい。従って狭くて小さい空間に適切な保護装置を配置する方式を探ることは業界が解決したい課題である。
特開昭59−194621号公報 特開2007−306789号公報 特開2010−213487号公報 特開2017−127948号公報 特表平10−507339号公報 実開昭63−81635号公報 実開平3−127903号公報 登録実用新案第3211461号公報 米国特許出願公開第2005/0259373号明細書 米国特許出願公開第2014/0185172号明細書 国際公開第2011/104922号
本発明は、機械式作業設備のシステム内の電子部品の応答状態を考慮する必要なく、サージによる機器の損壊を効果的に避けることができる電気的保護装置を提供することを主な目的とする。
上述した課題を解決するため、電気的保護装置は機械式作業設備に用いられ、回路基板、前段保護回路および後段保護回路を備える。前段保護回路および後段保護回路は回路基板に形成される。前段保護回路は電源およびコントローラの前段に接続され、電気的保護条件に従って作動する。電源のサージエネルギーが電気的保護条件を超えた場合、前段保護回路はサージエネルギーがコントローラへ流れることを阻止する。後段保護回路は前段保護回路およびコントローラの後段に接続される。サージエネルギーが発生した場合、後段保護回路の応答速度は前段保護回路の応答速度より遅い。
上述した技術手段により、本発明による電気的保護装置は前段保護回路および後段保護回路を備え、サージエネルギーが発生した時に後段保護回路の応答を遅延させるものであるため、前段保護回路より応答が速い電子部品が配置してあるコントローラまたは負荷を考慮する必要なく、保護回路を簡単化し、サージエネルギーを効果的に遮断することができる。
本発明による電気的保護装置を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による電気的保護装置を示す回路図である。 本発明の別の一実施形態による電気的保護装置を示す回路図である。 本発明の別の一実施形態による電気的保護装置を示す回路図である。 本発明の別の一実施形態による電気的保護装置を示す回路図である。
本発明による電気的保護装置は機械式作業設備、例えばロボット、電動グリッパ、スライドレールなどに適用される。以下、本発明による電気的保護装置を図面に基づいて説明する。
(一実施形態)
図1に示すように、本発明の一実施形態による電気的保護装置10は電源に生じたサージエネルギーがコントローラ20または機械式作業設備の内部の電子部品を損壊させてしまうことを避けるため、コントローラ20および電源30に接続される。機械式作業設備において、執行装置、即ち負荷40は電動グリッパおよびスライドレールなどである。
図1および図2に示すように、コントローラ20はコンバータ21、プロセッサー23およびフォトリレー25を有する。コンバータ21は電気的保護装置10に接続され、電気的保護装置10を流れる電気エネルギーを受ける。プロセッサー23はコンバータ21およびフォトリレー25に接続され、負荷40の制御指令を出力したり負荷40のフィードバック信号を受信したりする。別の実施形態においてコントローラ20は上述に限らず、さらに別のモジュールまたは多くのプロセッサーを有する。モジュールは整流器およびインバータなどである。
電気的保護装置10は、回路基板11、前段保護回路13および後段保護回路15を備える。前段保護回路13および後段保護回路15は回路基板11に形成される。回路基板11の部品面が21*50mmであれば好ましい。回路基板11は単層または多層の導体から構成される。部品面は電子部品を載せる面である。別の実施形態において、回路基板11はサイズが上述に限らず増減してもよい。例えば部品面の長辺を50から85mmに変更し、部位面の短辺を21から35mmに変更してもよい。長辺および短辺の長さを一致させてもよい。
前段保護回路13は電源30およびコントローラ20の前段27に接続される。後段保護回路15は前段保護回路13およびコントローラ20の後段29に接続される。前段27はコントローラ20の入力である。後段29はコントローラ20の出力である。コントローラ20の後段29は負荷40に接続される端点であり、負荷40に指令を出力する。つまり、コントローラ20は前段27が入力端となり、後段29が出力端となる。
電源30の入力に伴って生じたサージエネルギーが電気的保護条件を満たす場合、前段保護回路13はサージエネルギーがコントローラ20へ流れることを阻止する。本実施形態において、電気的保護条件は±1000ボルト(1KV)に設定される。言い換えれば、サージエネルギーが1KVを超えると、前段保護回路13が起動する。別の実施形態において、電気的保護条件のパラメータは上述に限らず、増減してもよい。
サージエネルギーは順方向サージエネルギーおよび逆方向サージエネルギーに分けられる。順方向サージエネルギーは高電位から低電位に向かって流れるエネルギーである。逆方向サージエネルギーは低電位から高電位に向かって流れるエネルギーである。サージエネルギーは短時間または瞬間的に激増したエネルギーであるため、システムは耐えることができない。電気的保護条件は順方向の保護パラメータおよび逆方向の保護パラメータを含む。エネルギーおよびパラメータは電流、電圧、パワーまたは演算および変換によって求められたデジタルパラメータである。
サージエネルギーが順方向の保護パラメータより大きい場合と、サージエネルギーが逆方向の保護パラメータより小さい場合であれば、電気的保護条件を満たす。サージエネルギーが順方向の保護パラメータより大きい場合には、前段保護回路13は短絡方式でサージエネルギーを接地端へ誘導することによってサージエネルギーがコントローラ20へ流れることを避ける。
サージエネルギーが逆方向の保護パラメータより小さい場合には、前段保護回路13は断路方式でコントローラ20の外部にサージエネルギーを遮断することによってサージエネルギーがコントローラ20へ流れることを避ける。
前段保護回路13は、前段電圧抑制装置131および耐高圧性ダイオード133を有する。前段電圧抑制装置131は電源30に並列に接続される。耐高圧性ダイオード133は正極が前段電圧抑制装置131の正極に接続され、負極が後段保護回路15およびコントローラ20の前段27に接続される。順方向の保護パラメータは前段電圧抑制装置131に関わる。
本実施形態において、前段電圧抑制装置131は過渡電圧抑制ダイオード(TVS)である。過渡電圧抑制ダイオードが24ボルト双方向過渡電圧抑制ダイオードであれば好ましく、300アンペア(A)/3KWに耐えることができる。耐高圧性ダイオード133は耐電圧1KVが好ましい。別の実施形態は選択条件がパラメータに限定されない。別の実施形態において、前段電圧抑制装置131は金属酸化物バリスタ(MOV)、サージエネルギーに耐えられる電子部品またはその組み合わせから構成されてもよい。
サージエネルギーが発生した時、後段保護回路15は応答速度が前段保護回路13の応答速度より遅く、外部の静電気がコントローラ20へ進むことを防止する。
サージエネルギーが順方向の保護パラメータより大きい場合には、後段保護回路15の抵抗は前段保護回路13の抵抗より大きいため、後段保護回路15の応答を遅延させる。サージエネルギーが逆方向の保護パラメータより小さい場合には、前段保護回路13と後段保護回路15との間は電流が流れていない状態になるため、後段保護回路15の応答が遅延する。
本実施形態において、後段保護回路15は分流器151および後段電圧抑制装置153を有する。サージエネルギーが発生した時、分流器151は後段保護回路15の応答が遅い要因となる。分流器151は抵抗器から構成され、一端が前段保護回路13の耐電圧性ダイオード133の負極に接続され、他端が後段電圧抑制装置153に接続される。後段電圧抑制装置153はコントローラ20の後段29に並列に接続される。
サージエネルギーが発生した時、分流器151は後段電圧抑制装置153の応答時間を遅延させ、後段電圧抑制装置153およびフォトリレー25を保護する。サージエネルギーが発生した時、前段保護回路13のほうが先に応答する。特に順方向サージエネルギーが発生した時、前段電圧抑制装置131は短絡が生じ、抵抗が分流器151の抵抗より小さいため、大部分のサージエネルギーはコントローラ20または後段保護回路15に進むことなく、短絡が生じた前段電圧抑制装置131を流れる。
後段電圧抑制装置153および前段電圧抑制装置131は部品が同じであるが、部品の条件およびパラメータ、例えば電圧に耐える程度および応答時間などは異なってもよい。
別の実施形態において、分流器151は上述の抵抗器に限らず、抵抗になる部品またはモジュールから構成されてもよい。抵抗器の数が多くてもよい。
本実施形態は体積の小さい回路基板11に対し、サイズが8*5.9*2.6または2.6*1.3*1.1mmの過渡電圧抑制ダイオードと、サイズが5*2.7*2.2mmの耐電圧性ダイオード133を採用する。実際のサイズはそれより小さいか大きくてもよい。それらの部品を回路基板11に配置することさえできればよい。抵抗器の抵抗値は20から60オーム(Ω)である。上述したとおり、本発明による電気的保護装置10の部品を回路基板11に完全に配置し、機械式作業設備に取り付けることができる。
電気的保護装置10が稼働したうえで電源30がサージエネルギー、即ち順方向サージエネルギーおよび逆方向サージエネルギーを発生させる際、順方向サージエネルギーは前段保護回路13の前段電圧抑制装置131を起動させる。前段電圧抑制装置131は導通し、短絡が生じる。従って、順方向サージエネルギーはコントローラ20へ進むことなく、短絡が生じた前段電圧抑制装置131から接地端へ流入する。
逆方向サージエネルギーが電源30を介して電気的保護装置10に流れ込む場合、逆方向サージエネルギーは前段電圧抑制装置131を流れるが、耐高圧性ダイオード133は電流が流れていない状態になるため、逆方向サージエネルギーはコントローラ20へ進むことができない。前段保護回路13はコントローラ20を効果的に保護できるため、コントローラ20は順方向または逆方向サージエネルギーによる損壊を避けることができる。
前段電圧抑制装置131および後段電圧抑制装置153は応答速度の同じ部品から構成される。後段電圧抑制装置153の応答が前段電圧抑制装置131の応答より早いことが原因でコントローラ20または後段電圧抑制装置153を損壊させてしまうことを避けるために、後段保護回路15の分流器151によって後段電圧抑制装置153の応答を効果的に遅延させることができる。
後段電圧抑制装置153は負荷40に生じた静電圧を効果的に遮断し、コントローラ20のフォトリレー25を保護することができる。
上述したとおり、本発明による電気的保護装置10は前段保護回路13および後段保護回路15を備えるため、前段電圧抑制装置131より応答が速い電子部品が配置してあるコントローラ20、負荷40または別のシステムを考慮する必要がなく、保護回路の簡単化およびコスト削減を実現させ、サージエネルギーを効果的に遮断することができる。
(別の一実施形態)
図3は本発明の別の一実施形態による電気的保護装置を示す回路図である。図の中では、間隔を置いて配列した黒い点、即ち線路または部品の数は増加してもよい。上述した実施形態と同じ部分の説明を省略する。
前段電圧抑制装置531は金属酸化物バリスタ(MOV)から構成され、サージエネルギーによるコントローラ20の損壊を避けることができる。金属酸化物バリスタは大電流を処理でき、サージエネルギーを吸収でき、応答が迅速であるため、コントローラ20を保護できる。別の実施形態において、前段電圧抑制装置531は上述に限らず、サージエネルギーに耐えられるかそれを吸収できる電子部品から構成されてもよい。
コントローラ20は複数の出力端を有する。複数の出力端は複数のフォトリレー25aに対応する。後段保護回路55は一つの分流器551(即ち抵抗器)および複数の後段電圧抑制装置553を有する。後段電圧抑制装置553は一対一でフォトリレー25aに並列に接続されると同時に複数の負荷40に接続される。
上述したとおり、本実施形態において、本発明による電気的保護装置10は一つの分流器551によって複数の後段電圧抑制装置553の応答を遅延させることが目的である。
(別の一実施形態)
図4は本発明の別の一実施形態による電気的保護装置を示す回路図である。上述した実施形態と同じ部分の説明を省略する。図4に示すように後段保護回路65の分流器651は前段保護回路63に接続される複数の抵抗器651を有する。抵抗器651および後段電圧抑制装置653は数が比例関係であり、一対一で配置される。一方、複数の抵抗器651は実際の回路設計に応じて抵抗値が同じ抵抗器または抵抗値が異なる抵抗器であってもよい。それに対し、複数の後段電圧抑制装置653は応答時間が同じであるか異なる。
(別の一実施形態)
図5は本発明の別の一実施形態による電気的保護装置を示す回路図である。上述した実施形態と同じ部分の説明を省略する。図5に示すように後段保護回路75の分流器751は抵抗器7511のほかにスイッチ7513を有する。スイッチ7513は前段保護回路73、接地端および抵抗器7511に接続される。抵抗器7511の接続方式は上述した実施形態と同じであるため、説明を省略する。
スイッチ7531は機械式スイッチまたは電子式スイッチである。機械式スイッチはリレーなどである。電子式スイッチはトランジスタまたはトランジスタから構成されるスイッチ回路である。スイッチ7513は後段電圧抑制装置および耐高圧性ダイオードを接続する流路を遮断し、流路へ電流を流さない方式または直接に接地端と接続する方式を採用できる。
スイッチを後段電圧抑制装置と耐高圧性ダイオードとを接続する流路に切り替える場合には、負荷を流れる電流は電源から供給される。この状態はsourcing模式である。スイッチを後段電圧抑制装置とスイッチの接地端とを接続する流路に切り替える場合には、後段電圧抑制装置は短絡が生じ、接地端(OV)と接続する。負荷を流れる電流は負荷から供給され、後段電圧抑制装置を通って接地端へ流れる。この状態はsinking模式である。
上述したとおり、本発明による電気的保護装置は電源または電力線に生じたサージエネルギーを効果的に遮断または吸収できるため、機械式作業設備はサージエネルギーによる電子部品の損壊を避けることができる。
一方、本発明による電気的保護装置は機械式作業設備の電子部品の電気的特性を考慮する必要がなく、前段保護回路によって大部分のサージエネルギーがコントローラまたは別の機械式作業設備へ流れることを阻止することができる。
10 電気的保護装置
11 回路基板
13、63、73 前段保護回路
131、531 前段電圧抑制装置
133 耐高圧性ダイオード
15、65、75 後段保護回路
151、551、51、751 分流器
153、553、653 後段電圧抑制装置
20 コントローラ
21 コンバータ
23 プロセッサー
25、25a フォトリレー
27 前段
29 後段
30 電源
40、40a 負荷
7511 抵抗器
7531 スイッチ

Claims (5)

  1. 機械式作業設備に用いられ、回路基板、前段保護回路および後段保護回路を備え、
    前記前段保護回路は、前記回路基板に形成され、電源およびコントローラの前段に接続され、電気的保護条件に従って作動し、
    前記電源のサージエネルギーが前記電気的保護条件を超えた場合、前記前段保護回路は前記サージエネルギーが前記コントローラへ流れることを阻止し、
    後段保護回路は、前記回路基板に形成され、前記前段保護回路および前記コントローラの後段に接続され、
    前記サージエネルギーが発生した場合、前記後段保護回路の応答速度は前記前段保護回路の応答速度より遅いことを特徴とする、
    電気的保護装置。
  2. 前記前段保護回路は、前段電圧抑制装置および耐高圧性ダイオードを有し、前記前段電圧抑制装置は前記電源に並列に接続され、前記順方向のサージエネルギーが前記コントローラへ流れることを阻止し、前記耐高圧性ダイオードは前記前段電圧抑制装置および前記後段保護回路に別々に接続され、前記逆方向のサージエネルギーが前記コントローラへ流れることを阻止することを特徴とする請求項1に記載の電気的保護装置。
  3. 前記電気的保護条件は、順方向の保護パラメータおよび逆方向の保護パラメータを含み、前記サージエネルギーが前記順方向の保護パラメータより大きい場合には、前記後段保護回路の抵抗は前記前段保護回路の抵抗より大きいため、前記後段保護回路の応答を遅延させ、前記サージエネルギーが前記逆方向の保護パラメータより小さい場合には、前記前段保護回路と前記後段保護回路との間は電流が流れていない状態になるため、前記後段保護回路の応答が遅延することを特徴とする請求項1に記載の電気的保護装置。
  4. 前記後段保護回路は、分流器および後段電圧抑制装置を有し、前記分流器は抵抗値を持ち、前記前段保護回路および前記後段電圧抑制装置に別々に接続され、前記後段電圧抑制装置は前記コントローラの前記後段に接続されることを特徴とする請求項3に記載の電気的保護装置。
  5. 前記分流器は、抵抗器を有し、前記後段電圧抑制装置は過渡電圧抑制ダイオードおよび金属酸化物バリスタのいずれか一つであることを特徴とする請求項4に記載の電気的保護装置。
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