JP7054024B2 - 過電流保護回路及び電気機器 - Google Patents

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Description

本発明は、過電流保護回路及び電気機器に関する。
電力を利用して動作する電気機器において、短絡等による過電流から回路を保護することを目的として、過電流発生時に電流の導通を遮断する過電流保護回路が利用されている。
特開2019-213405号公報
過電流保護回路には、導通状態のオン/オフを切り替えるスイッチ回路が利用される。過電流発生時にはスイッチ回路がオフに切り替わることになるが、オフに切り替わるタイミングによっては、スイッチ回路に過大なスイッチング損失が発生し、スイッチ回路が破損する可能性が高くなる。
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、スイッチ回路が破損する可能性の低い過電流保護回路及び電気機器を提供することを目的とする。
本発明の第1態様に係る過電流保護回路は、電源と保護対象とを接続する導線の導通状態のオン/オフを切り替えるスイッチ部と、前記スイッチ部と前記保護対象との間を流れる入力電流を検出する電流検出部と、前記電源と前記スイッチ部との間にかかる入力電圧を検出する電圧検出部と、前記電流検出部の検出結果及び前記電圧検出部の検出結果に基づき前記スイッチ部を制御する制御部と、を備え、前記電圧検出部は、前記入力電圧が予め定められた第1閾値より小さいか否かを検出し、前記入力電圧が前記第1閾値より小さい第2閾値より小さいか否かを検出し、前記制御部は、前記入力電圧が前記第1閾値より小さい場合、又は、前記入力電流が予め定められた過電流閾値以上であり且つ前記入力電圧が前記第2閾値より小さい場合に、前記スイッチ部をオフにする、ことを特徴とするものである。
本発明の第2態様に係る電気機器は、交流電圧を所定の電圧に調整して出力するACアダプタと、前記ACアダプタと保護対象とを接続する導線の導通状態のオン/オフを切り替えるスイッチ部と、前記スイッチ部と前記保護対象との間を流れる入力電流を検出する電流検出部と、前記ACアダプタと前記スイッチ部との間にかかる入力電圧を検出する電圧検出部と、前記電流検出部の検出結果及び前記電圧検出部の検出結果に基づき前記スイッチ部を制御する制御部と、を備え、前記ACアダプタは、過電流が検知された場合に、出力する電圧を正常時より低下させる保護動作を行い、前記電圧検出部は、前記入力電圧が予め定められた第1閾値より小さいか否かを検出し、前記入力電圧が前記第1閾値より小さい第2閾値より小さいか否かを検出し、前記制御部は、前記入力電圧が前記第1閾値より小さい場合、又は、前記入力電流が予め定められた過電流閾値以上であり且つ前記入力電圧が前記第2閾値より小さい場合に、前記スイッチ部をオフにする、ことを特徴とするものである。
本発明に依れば、スイッチ回路が破損する可能性の低い過電流保護回路及び電気機器を提供することが可能となる。
図1は、第1実施形態に係る電気機器の構成の一例を示すブロック図である。 図2は、第1実施形態に係る過電流保護回路の具体的構成の一例を示すブロック図である。 図3は、第1実施形態に係る過電流保護回路によるオフへの切り替え時における処理の一例を示すフローチャートである。 図4は、第1実施形態に係るACアダプタの過電流発生時における保護動作の一例を示すグラフである。 図5は、第1実施形態に係る過電流保護回路によるオンへの切り替え時における処理の一例を示すフローチャートである。 図6は、第1実施形態に係るスイッチ回路のオフへの切り替え時における電圧-電流真理表の一例を示す図である。 図7は、第1実施形態に係るスイッチ回路のオンへの切り替え時における電圧-電流真理表の一例を示す図である。 図8は、第2実施形態に係る電気機器の構成の一例を示すブロック図である。 図9は、第2実施形態に係る過電流保護回路による処理の一例を示すフローチャートである。
以下に、実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施形態により開示技術が限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る電気機器1の構成の一例を示すブロック図である。
電気機器1は、外部から供給される電力を利用して所定の機能を実現する機器である。電気機器1の種類は特に限定されるべきものではないが、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等であり得る。
電気機器1は、ACアダプタ10、コネクタ11、システム回路12(保護対象)、及び過電流保護回路13を有する。
ACアダプタ10は、商用電源等の外部電源から供給される交流電圧を所定の電圧に調整して出力する。コネクタ11は、ACアダプタ10と電気的に接続し、ACアダプタ10から供給される電力を電気機器1の内部へ導く。
システム回路12は、コネクタ11を介して入力された電力により所定の処理を行う回路である。システム回路12の具体的構成は特に限定されるべきものではないが、例えば、プログラムに従い所定の演算処理を行うプロセッサ、データを記憶する記憶装置、コネクタ11を介して入力された電力を蓄える蓄電装置等であり得る。
過電流保護回路13は、システム回路12を過電流から保護するために、コネクタ11(ACアダプタ10を含む電源)からシステム回路12に流れる電流が予め定められた過電流閾値を超えないように動作する回路である。
過電流保護回路13は、スイッチ回路21(スイッチ部)、電流検出回路22(電流検出部)、電圧検出回路23(電圧検出部)、及び制御回路24(制御部)を有する。
スイッチ回路21は、コネクタ11とシステム回路12とを接続する導線18の接続状態のオン(導通状態)/オフ(非導通状態)を切り替える回路である。
電流検出回路22は、スイッチ回路21とシステム回路12との間を流れる電流(入力電流)を検出する回路である。
電圧検出回路23は、コネクタ11(電源)とスイッチ回路21との間にかかる電圧(入力電圧)を検出する回路である。電圧検出回路23は、入力電圧が予め定められた第1閾値より小さいか否かを検出する。また、電圧検出回路23は、入力電圧が第1閾値より小さい第2閾値より小さいか否かを検出する。第2閾値は、スイッチ回路21の破損を回避可能な電圧値として設定された値であることが好ましい。第2閾値は、例えば、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)の安全動作領域に対応する値であることが好ましい。
制御回路24は、電流検出回路22の検出結果及び電圧検出回路23の検出結果に基づきスイッチ回路21を制御する回路である。制御回路24は、入力電流が過電流閾値より小さく且つ入力電圧が第1閾値より小さい場合、又は、入力電流が過電流閾値以上であり且つ入力電圧が第2閾値より小さい場合に、スイッチ回路21をオフにする。
図2は、第1実施形態に係る過電流保護回路13の具体的構成の一例を示すブロック図である。
図2に例示するスイッチ回路21は、第1FET31、第2FET32、及び駆動回路33を有する。第1FET31及び第2FET32は、コネクタ11(ACアダプタ10)とシステム回路12との間で直列に接続されている。駆動回路33は、制御回路24からの制御信号に応じて第1FET31及び第2FET32のそれぞれのオン/オフを切り替えるための駆動信号(ゲート電圧)を出力する。
図2に例示する電流検出回路22は、抵抗器41及び増幅器42を有する。抵抗器41は、スイッチ回路21とシステム回路12との間に接続されている。増幅器42は、抵抗器41の両端部の電圧差から抵抗器41に流れる電流(入力電流)を検出する。増幅器42からの出力信号は、制御回路24に入力される。
図2に例示する電圧検出回路23は、第1比較器51及び第2比較器52を有する。第1比較器51は、コネクタ11とスイッチ回路21との間の電圧(入力電圧)と第1閾値としての16Vとを比較する。第2比較器52は、入力電圧と第2閾値としての10Vとを比較する。第1比較器51からの出力信号(入力電圧が16Vより小さいか否かを示す信号)及び第2比較器52からの出力信号(入力電圧が10Vより小さいか否かを示す信号)は、制御回路24に入力される。
図2に例示する制御回路24は、増幅器42からの出力信号(入力電流の検出結果)と、第1比較器51及び第2比較器52のそれぞれから出力される出力信号(入力電圧の検出結果)とに基づき、駆動回路33を制御するための制御信号を出力する。制御回路24の具体的な回路構成は、後述する処理を実現可能であればどのような構成であってもよい。制御回路24は、例えば、加算器、乗算器等を適宜組み合わせて構成される論理回路であってもよいし、プログラムに従い所定の演算処理を行うプロセッサを利用した回路であってもよい。
図3は、第1実施形態に係る過電流保護回路13によるオフへの切り替え時における処理の一例を示すフローチャートである。
制御回路24は、電流検出回路22の検出結果(増幅器42の出力信号)に基づき、入力電流Iが過電流閾値Iocより小さいか否かを判定する(S101)。入力電流Iが過電流閾値Iocより小さい場合(S101:Yes)、制御回路24は、電圧検出回路23の検出結果(第1比較器51の出力信号)に基づき、入力電圧Vが16V(第1閾値)より小さいか否かを判定する(S102)。入力電圧Vが16Vより小さい場合(S102:Yes)、制御回路24は、スイッチ回路21(第1FET31及び第2FET32)をオフにするための制御信号を出力する(S103)。入力電圧Vが16Vより小さくない場合(S102:No)、ステップS101が再度実行される。
入力電流Iが過電流閾値Iocより小さくない場合(S101:No)、制御回路24は、電圧検出回路23の検出結果(第2比較器52の出力信号)に基づき、入力電圧Vが10V(第2閾値)より小さいか否かを判定する(S104)。入力電圧Vが10Vより小さい場合(S104:Yes)、制御回路24は、スイッチ回路21をオフにするための制御信号を出力する(S103)。入力電圧Vが10Vより小さくない場合(S104:No)、ステップS101が再度実行される。
上記処理により、入力電流Iが過電流閾値Iocを超えている場合であっても、入力電圧Vが第2閾値である10Vより小さくなるまでスイッチ回路21のオン状態が維持される。換言すれば、入力電圧Vがスイッチ回路21の破損を回避可能な電圧値として設定された10Vまで低下するのを待ってスイッチ回路21がオフへ切り替えられる。これにより、スイッチ回路21の損失が一時的に過大となるポイントでスイッチ回路21がオフになることを回避でき、スイッチ回路21が破損する可能性を低減できる。
過電流発生後における入力電圧Vの低下は、例えば、ACアダプタ10が行う保護動作により実現される。
図4は、第1実施形態に係るACアダプタ10の過電流発生時における保護動作の一例を示すグラフである。
図4に示すように、ACアダプタ10は、過電流を検知すると、出力電圧Vを正常時より低下させる保護動作を実行する。上述した図3に示すステップS102における処理は、例えば、このようなACアダプタ10による保護動作を利用して実現される。
図5は、第1実施形態に係る過電流保護回路13によるオンへの切り替え時における処理の一例を示すフローチャートである。
制御回路24は、電圧検出回路23の検出結果(第1比較器51の出力信号)に基づき、V≧16Vの状態が1秒以上継続しているか否かを判定する(S201)。V≧16Vの状態が1秒以上継続していない場合(S201:No)、ステップS201が再度実行される。V≧16Vの状態が1秒以上継続している場合(S201:Yes)、制御回路24は、スイッチ回路21のオンへの切り替えを開始する(第1FET31又は第2FET32のうちの一方をオンに切り替える)(S202)。
その後、制御回路24は、入力電流Iが過電流閾値Iocより小さいか否かを判定する(S203)。入力電流Iが過電流閾値Iocより小さい場合(S203:Yes)、制御回路24は、スイッチ回路21のオンへの切り替えを継続する(第1FET31又は第2FET32のうちの他方をオンに切り替える)(S204)。その後、制御回路24は、スイッチ回路21の全てがオンになったか否か(第1FET31及び第2FET32の両方がオンになったか否か)を判定する(S205)。スイッチ回路21の全てがオンになった場合(S205:Yes)、本ルーチンは終了し、スイッチ回路21の全てがオンになっていない場合(S205:No)、ステップS203が再度実行される。
入力電流Iが過電流閾値Iocより小さくない場合(S203:No)、制御回路24は、スイッチ回路21をオフにし(S206)、その後ステップS201が再度実行される。
図6は、第1実施形態に係るスイッチ回路21のオフへの切り替え時における電圧-電流真理表の一例を示す図である。
図6に示すように、I≧Ioc且つV<10、又は、I<Ioc且つV<16の場合に、スイッチ回路21はオフに切り替わる。I≧Ioc且つV≧10、又は、I<Ioc且つV≧16の場合に、スイッチ回路21はオンに維持される。
図7は、第1実施形態に係るスイッチ回路21のオンへの切り替え時における電圧-電流真理表の一例を示す図である。
図7に示すように、I<Ioc且つV≧16の場合に、スイッチ回路21はオンに切り替わる。I≧Ioc、又は、I<Ioc且つV<16の場合に、スイッチ回路21はオフに維持される。
以上のように、本実施形態によれば、スイッチ回路21は、入力電流Iが過電流閾値Iocを超えた場合、入力電圧Vが第2閾値まで低下した後にオフへ切り替えられる。これにより、スイッチ回路21の損失が一時的に過大となるポイントでスイッチ回路21がオフになることを回避でき、スイッチ回路21が破損する可能性を低減できる。
以下、他の実施形態について図面を参照して説明するが、第1実施形態と同一又は同様の箇所については同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態に係る電気機器101の構成の一例を示すブロック図である。
本実施形態に係る電気機器101の過電流保護回路111は、ラッチ回路122を有する。ラッチ回路122は、電気機器101が現在異常状態にあるか否かを示す状態情報を保持する。例えば、ラッチ回路122は、過電流による異常状態が発生したときに異常状態であることを示す状態情報(1ビットデータ等)を保持し、異常状態が解消されたときに正常状態であることを示す状態情報を保持する。
本実施形態に係る制御回路121は、電流検出回路22の検出結果及び電圧検出回路23の検出結果に加え、ラッチ回路122が保持している状態情報に基づき、スイッチ回路21を制御する。
図9は、第2実施形態に係る過電流保護回路111による処理の一例を示すフローチャートである。
本実施形態に係る制御回路121は、先ず、ラッチ回路122に保持されている状態情報に基づき、電気機器101が現在異常状態にあるか否かを判定する(S301)。異常状態でない(正常状態である)場合(S301:No)、制御回路121は、スイッチ回路21のオン/オフを切り替える処理を第1実施形態と同様に(図3に示すS101~S104及び図5に示すS201~S206)実行する。一方、異常状態である場合(S301:Yes)、制御回路121は、スイッチ回路21をオフにする(S302)。
本実施形態によれば、異常状態が継続している状況下でスイッチ回路21がオンに切り替わることを防止でき、異常時においてスイッチ回路21がハンチングのような現象を起こすことを防止できる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1,101 電気機器
10 ACアダプタ
11 コネクタ
12 システム回路(保護対象)
13,111 過電流保護回路
18 導線
21 スイッチ回路(スイッチ部)
22 電流検出回路(電流検出部)
23 電圧検出回路(電圧検出部)
24,121 制御回路(制御部)
31 第1FET
32 第2FET
33 駆動回路
41 抵抗器
42 増幅器
51 第1比較器
52 第2比較器
122 ラッチ回路

Claims (3)

  1. 交流電圧を所定の電圧に調整した電力を出力するACアダプタと保護対象とを接続する導線の導通状態のオン/オフを切り替えるスイッチ部と、
    前記ACアダプタから出力され、前記スイッチ部と前記保護対象との間を流れる入力電流を検出する電流検出部と、
    前記ACアダプタから出力され、前記ACアダプタと前記スイッチ部との間にかかる入力電圧を検出する電圧検出部と、
    前記電流検出部の検出結果及び前記電圧検出部の検出結果に基づき前記スイッチ部を制御する制御部と、
    を備え、
    前記電圧検出部は、前記入力電圧が予め定められた第1閾値より小さいか否かを検出し、前記入力電圧が前記第1閾値より小さい第2閾値より小さいか否かを検出し、
    前記制御部は、前記入力電流が予め定められた過電流閾値より小さく且つ前記入力電圧が前記第1閾値より小さい場合、又は、前記入力電流が前記過電流閾値以上であり且つ前記入力電圧が前記第2閾値より小さい場合に、前記スイッチ部をオフにする、
    過電流保護回路。
  2. 前記スイッチ部は、電界効果トランジスタを含み、
    前記第2閾値は、前記電界効果トランジスタの安全動作領域に対応する値である、
    請求項1に記載の過電流保護回路。
  3. 交流電圧を所定の電圧に調整した電力を出力するACアダプタと、
    前記ACアダプタと保護対象とを接続する導線の導通状態のオン/オフを切り替えるスイッチ部と、
    前記ACアダプタから出力され、前記スイッチ部と前記保護対象との間を流れる入力電流を検出する電流検出部と、
    前記ACアダプタから出力され、前記ACアダプタと前記スイッチ部との間にかかる入力電圧を検出する電圧検出部と、
    前記電流検出部の検出結果及び前記電圧検出部の検出結果に基づき前記スイッチ部を制御する制御部と、
    を備え、
    前記ACアダプタは、過電流が検知された場合に、出力する電圧を正常時より低下させる保護動作を行い、
    前記電圧検出部は、前記入力電圧が予め定められた第1閾値より小さいか否かを検出し、前記入力電圧が前記第1閾値より小さい第2閾値より小さいか否かを検出し、
    前記制御部は、前記入力電流が予め定められた過電流閾値より小さく且つ前記入力電圧が前記第1閾値より小さい場合、又は、前記入力電流が前記過電流閾値以上であり且つ前記入力電圧が前記第2閾値より小さい場合に、前記スイッチ部をオフにする、
    電気機器。
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