JP2014121199A - トランジスタの駆動回路及びそれを用いた半導体遮断器並びにその遮断制御方法 - Google Patents

トランジスタの駆動回路及びそれを用いた半導体遮断器並びにその遮断制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】過電流を短時間に限流するとともに、トランジスタのターンオフ時に発生する過電圧を良好に抑制することができるトランジスタの駆動回路及び半導体遮断器並びにその遮断制御方法を提供すること。
【解決手段】トランジスタ66のソース側の電流を検出する電流検出部67と、トランジスタ66のドレイン側の電圧を検出する電圧検出部69と、電圧検出部69の出力によりトランジスタ66の駆動状態を決定する制御部70とを備え、制御部70は、電流検出部67の検出電流が所定の過電流閾値より大きくなった場合に、トランジスタ66をオフするゲート電圧制御を行い、電圧検出部67の検出電圧が所定の起電圧上限閾値より大きくなった場合には、トランジスタ66のゲート電圧をオン電圧とオフ電圧の間の第1の中間電位に電圧制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、トランジスタの駆動回路及びそれを用いた半導体遮断器並びにその遮断制御方法に関し、より詳細には、過電流を短時間に限流するとともに、トランジスタのターンオフ時に発生する過電圧を良好に抑制することができるトランジスタの駆動回路及び直流給電回路の短絡事故により発生する過電流を、スナバ回路を使わず遮断する半導体遮断器並びにその遮断制御方法に関する。
近年、電源側から直流給電で負荷に電力供給を行う開発がなされている。交流−直流変換、直流−交流変換の回数を減らし、その変換での損失をなくす試みであるが、直流給電では、負荷側に短絡事故、地絡などが発生し過電流が生じた場合の回路の遮断方法に、交流の場合とは異なる遮断方法が必要となる。遮断素子となる半導体として、絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(MOSFET)、バイポーラトランジスタなどを利用する方式が検討されているが、直流が流れている状態で回路を遮断、開放すると、回路の寄生インダクタンスにより半導体素子のドレインやコレクタに高起電圧の発生や発振が発生し、素子を破壊する可能性や、発振の収束に長い時間を要する可能性などの問題がある。
また、寄生インダクタンスに蓄えられたエネルギーをどこかで消費する必要があるが、通常は各種のスナバ回路が用いられ、大電流を扱う場合にはスナバ回路に使う素子が大型化する。遮断装置としては、他にヒューズや遮断ブレーカ(MCCB)があるが、短絡時の遮断時間がミリ秒のオーダーと長い。半導体遮断器では、この速度が数10マイクロ秒と期待されている。また、再利用性の点でヒューズは交換が必要であり、遮断ブレーカ(MCCB)も繰り返し利用で接点抵抗の劣化の課題があり、半導体遮断器はこの繰り返し利用性でも優れている。
なお、スナバ回路(Snubber circuit)とは、電気回路中にあってスイッチの遮断時に生じる過渡的な高電圧を吸収する保護回路のことで、回路の電流を突然遮断すると回路の寄生インダクタンスによって電圧が急上昇するが、スナバ回路がこのスパイク状の高電圧を抑制することで、スイッチ自身や周囲の電子部品の損傷を防ぎ電磁ノイズを最小化するという機能を有する。
例えば、特許文献1には、半導体スイッチを用い、スナバ回路を用いないスナバレス構成の半導体遮断器が開示されている。半導体スイッチとして、絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(MOSFET)を用いている。
図10は、特許文献1に記載されている直流電流遮断装置のブロック構成図である。従来の直流電流遮断装置は、スイッチ部12と並列に抵抗Rと容量Cを直列にしたRCスナバ回路を設けている(特許文献1の図12参照)。この特許文献1に記載の直流電流遮断装置10は、給電線17上に短絡事故により過電流が流れると、電流検出部11により検出され、制御回路13の過電流判定部14により過電流発生と認識され、スイッチ駆動部15からスイッチ部12のトランジスタのゲートにスイッチをオン状態からオフ状態に遷移させるためのゲート制御電圧が供給される。このゲート制御電圧は、ゆっくりと徐々に下げられるが、任意波形発生部16により事前に設定される様々なゲート電圧降下の波形パターンが使われる。
また、例えば、特許文献2では、半導体スイッチとして静電誘導トランジスタ(SIT)を用いている。静電誘導トランジスタは、接合型電界効果トランジスタ(JFET)の一種であり、ゲート電圧によりpn接合部の空乏層幅を制御し、電導チャンネルをオン、オフするものである。
図11は、特許文献2に記載されている半導体遮断装置のブロック構成図である。その動作は、上述した特許文献1と類似のものになっている。この半導体遮断器21は、電流センサ32と電流計測部33で電流値を記憶部54に蓄積し、この情報をもとに制御部52は過電流の発生を判断する。また、制御部52は電流値情報と入力インターフェース35を介して外部から設定記憶部53に設定された波形制御パラメータとから半導体部31のゲート信号の制御を決定する。なお、符号22は電源装置、23は負荷装置、34はトランジスタ駆動回路、41,42は直流出力線、43,44は直流入力線、51はドライブ部を示している。
図12は、図11における半導体遮断装置の遮断動作を説明するための回路モデル図である。図13は、図12における遮断動作時の各部の電圧と電流の時間変化を示す図である。時間t2で過電流が検出され、それ以降のゲート制御電圧の制御波形と回路のドレイン電流、ドレイン・ソース電圧などが示されている。
トランジスタがオン状態となるゲート電圧を電圧V1、オフ状態となるゲート電圧を電圧V2とし、それぞれ0V、−20Vとなっている。過電流を検出してから、時刻t3でゲート電圧Vgsを電圧V5に下げ、一定時間後に電圧V3に上昇させ、T1の時間をかけて電圧V4まで下げる。時刻t6でオフ電圧V2とする。この間にドレイン電圧Vdは急速に上昇し、徐々に電源電圧に収束している。
上述した特許文献2では、半導体スイッチとして静電誘導トランジスタを用いているため、絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(MOSFET)の場合と異なりスイッチのオン抵抗値を制御するためのゲート電圧Vgsの制御電圧幅が広くとれ、遮断特性もよく、数10マイクロ秒で遮断が終了している。
特開2008−67440号公報 特開2010−220325号公報
上述したように、特許文献1では、半導体スイッチとして絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(MOSFET)を用いている。この絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(MOSFET)では、ゲート電圧Vgsが閾値Vthの前後で急速にオンとオフの状態が切り替わり、トランジスタのオン抵抗値は小さい状態と非常に大きな値の間を遷移する。
この特許文献1の遮断回路は、スナバレスにするために、このスイッチがオン状態からオフ状態に遷移するときの導通抵抗で電流を消費させるが、このためには、寄生インダクタに蓄えられたエネルギーに応じて消費時間を十分にかせぐ必要があり、ゲート制御電圧はゆっくりと徐々に下げる必要がある。また、特許文献1では、ミリ秒のオーダーのゲート制御時間を考えており、従来のヒューズや遮断ブレーカ(MCCB)と同等の遮断応答時間となり、半導体遮断器として期待される数10マイクロ秒の遮断応答は難しい。
そのため、ゲート電圧Vgsを閾値Vth付近に精度よく保ち、徐々に電圧を下げられれば応答時間を早くできる可能性があるが、半導体トランジスタではよく知られているように閾値Vthは素子毎にばらつき、ゲート電圧Vgsを一定に設定しても素子毎に特性が大きく変わってしまう。このため、素子が変わっても特性が安定するような、閾値ばらつきの対策が必要となる。
また、上述した特許文献2では、静電誘導トランジスタのノーマリオン特性を利用したゲート電圧制御により高速な遮断特性が実現されることが記載されているが、上述したゲート電圧制御において、ゲート電圧V3、ゲート電圧V4、ゲート電圧V5、T1時間などを素子特性との関係でどのように決めるか、その情報が開示されていない。
つまり、ゲート電圧V3がオフ電位に近い場合は、急速にトランジスタがオフされるためドレイン電圧は急速に上昇し高い起電圧が発生し、素子を破壊する可能性がある。ゲート電圧V3がオン電位に近い場合は、電流値の減少が小さくドレイン電圧は電源電圧以下になる可能性があり、結局、遮断までの時間が長くなる。
トランジスタを流れる電流値を決める閾値Vthは、絶縁ゲート型電界効果トランジスタの場合と同様に重要なパラメータで、この閾値が製造素子毎にばらつくと、起電圧、電流の変化の仕方が素子毎に変わり、固定のゲート電圧制御法では遮断が難しい。上述した特許文献2の第2の電圧から第3の電圧まで徐々に電圧を低くする期間T1を所定時間設けるという手法は、素子の特性ばらつきを考えると難しい。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、過電流を短時間に限流するとともに、トランジスタのターンオフ時に発生する過電圧を良好に抑制することができるトランジスタの駆動回路及び高速に過電流を遮断するとともに、発生する起電圧を一定の振れ幅の中に押さえ収束させることが可能で、素子の閾値ばらつきにも対応できる半導体遮断器並びにその遮断制御方法を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、トランジスタ(66)のソース側の電流を検出する電流検出部(67)と、前記トランジスタ(66)のドレイン側の電圧を検出する電圧検出部(69)と、該電圧検出部(69)の出力により前記トランジスタ(66)の駆動状態を決定する制御部(70)とを備えていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御部(70)は、前記電流検出部(67)の検出電流が所定の過電流閾値より大きくなった場合に、前記トランジスタ(66)をオフするゲート電圧制御を行い、前記電圧検出部(67)の検出電圧が所定の起電圧上限閾値より大きくなった場合には、前記トランジスタ(66)のゲート電圧をオン電圧とオフ電圧の間の第1の中間電位に電圧制御することを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記制御部(70)は、前記電圧検出部(67)の検出電圧が所定の起電圧下限閾値より小さくなった場合には、前記トランジスタ(66)のゲート電圧を前記第1の中間電位とオフ電圧の間の第2の中間電位に電圧制御することを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1,2又は3に記載の発明において、前記制御部(70)は、前記電流検出部(67)の電流値の減少率に基づいて前記トランジスタ(66)のゲート電圧を切り替えることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記制御部(70)は、前記電流検出部(67)の電流値が所定の電流下限値以下であり、かつ、前記電圧検出部(69)の電圧値と前記直流電源(62)の電圧との差が所定の差電圧閾値以内であるときに、前記トランジスタ(66)のゲート電位をオフ電位とすることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、前記電流検出部(67)により検出された電流のアナログ信号をデジタル信号に変換する電流変換部(68)を備えていることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明において、前記制御部(70)の出力に応じて前記トランジスタ(66)のゲート電圧を出力するドライブ部(71)を備えていることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明において、前記トランジスタ(66)が、電界効果トランジスタであることを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記電界効果トランジスタが接合型電界効果トランジスタで、該接合型電界効果トランジスタが、シリコン,シリコンカーバイド又はガリウムナイトライドを半導体材料として形成されたことを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記接合型電界効果トランジスタが、ノーマリオン型の接合型電界効果トランジスタであることを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10のいずれかに記載のトランジスタの駆動回路を用い、直流電源(62)からの給電線(64,65)に接続された負荷装置(63)と、前記直流電源(62)との間に設けられた半導体遮断器(61)において、前記給電線(65)を流れる電流を検出する電流検出部(67)と、前記給電線(64)に流れる電流を制御する半導体スイッチ(66)と、該半導体スイッチ(66)の直流電源(62)側の電圧を検出する電圧検出部(69)と、前記電流検出部(67)と前記電圧検出部(69)の出力により前記半導体スイッチ(66)の駆動状態を決定する制御部(70)とを備えていることを特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の発明において、前記制御部(70)は、前記給電線(65)を流れる電流が所定の過電流閾値より大きくなった場合に、前記半導体スイッチ(66)をオフするゲート電圧制御を行い、前記電圧検出部(67)の検出電圧が所定の起電圧上限閾値より大きくなった場合には、前記半導体スイッチ(66)のゲート電圧をオン電圧とオフ電圧の間の第1の中間電位に電圧制御することを特徴とする。
また、請求項13に記載の発明は、請求項11又は12に記載の発明において、前記制御部(70)は、前記電圧検出部(67)の検出電圧が所定の起電圧下限閾値より小さくなった場合には、前記半導体スイッチ(66)のゲート電圧を前記第1の中間電位とオフ電圧の間の第2の中間電位に電圧制御することを特徴とする。
また、請求項14に記載の発明は、請求項11,12又は13に記載の発明において、前記制御部(70)は、前記電流検出部(67)の電流値の減少率に基づいて前記半導体スイッチ(66)のゲート電圧を切り替えることを特徴とする。
また、請求項15に記載の発明は、請求項11乃至14のいずれかに記載の発明において、前記制御部(70)は、前記電流検出部(67)の電流値が所定の電流下限値以下であり、かつ、前記電圧検出部(69)の電圧値と前記直流電源(62)の電圧との差が所定の差電圧閾値以内であるときに、前記半導体スイッチ(66)のゲート電位をオフ電位とすることを特徴とする。
また、請求項16に記載の発明は、請求項11乃至15のいずれかに記載の発明において、前記電流検出部(67)により検出された電流のアナログ信号をデジタル信号に変換する電流変換部を備えていることを特徴とする。
また、請求項17に記載の発明は、請求項11乃至16のいずれかに記載の発明において、前記制御部(70)の出力に応じて前記半導体スイッチ(66)のゲート電圧を出力するドライブ部(71)を備えていることを特徴とする。
また、請求項18に記載の発明は、請求項11乃至17のいずれかに記載の発明において、前記半導体スイッチ(66)が、電界効果トランジスタであることを特徴とする。
また、請求項19に記載の発明は、請求項18に記載の発明において、前記電界効果トランジスタが接合型電界効果トランジスタで、該接合型電界効果トランジスタが、シリコン,シリコンカーバイド又はガリウムナイトライドを半導体材料として形成されたことを特徴とする。
また、請求項20に記載の発明は、請求項19に記載の発明において、前記接合型電界効果トランジスタが、ノーマリオン型の接合型電界効果トランジスタであることを特徴とする。
また、請求項21に記載の発明は、請求項1乃至10のいずれかに記載のトランジスタの駆動回路を用い、直流電源(62)からの給電線(64,65)に接続された負荷装置(63)と、前記直流電源(62)との間に設けられた半導体遮断器(61)の遮断制御方法において、前記半導体遮断器(61)が、前記給電線(65)を流れる電流を検出する電流検出部(67)と、前記給電線(64)に流れる電流を制御する半導体スイッチ(66)と、該半導体スイッチ(66)の直流電源(62)側の電圧を検出する電圧検出部(69)と、前記電流検出部(67)と前記電圧検出部(69)の出力により前記半導体スイッチ(66)の駆動状態を決定する制御部(70)とを備え、前記制御部(70)が、前記給電線(65)を流れる電流が所定の過電流閾値より大きくなった場合に、前記半導体スイッチ(66)をオフするゲート電圧制御を行い、前記電圧検出部(67)の検出電圧が所定の起電圧上限閾値より大きくなった場合には、前記半導体スイッチ(66)のゲート電圧をオン電圧とオフ電圧の間の第1の中間電位に電圧制御することを特徴とする。
また、請求項22に記載の発明は、請求項21に記載の発明において、前記制御部(70)は、前記電圧検出部(67)の検出電圧が所定の起電圧下限閾値より小さくなった場合には、前記半導体スイッチ(66)のゲート電圧を前記第1の中間電位とオフ電圧の間の第2の中間電位に電圧制御することを特徴とする。
また、請求項23に記載の発明は、請求項21又は22に記載の発明において、前記制御部(70)は、前記電流検出部(67)の電流値の減少率に基づいて前記半導体スイッチ(66)のゲート電圧を切り替えることを特徴とする。
また、請求項24に記載の発明は、請求項21,22又は23に記載の発明において、前記制御部(70)は、前記電流検出部(67)の電流値が所定の電流下限値以下であり、かつ、前記電圧検出部(69)の電圧値と前記直流電源(62)の電圧との差が所定の差電圧閾値以内であるときに、前記半導体スイッチ(66)のゲート電位をオフ電位とすることを特徴とする。
本発明によれば、過電流を短時間に限流するとともに、トランジスタのターンオフ時に発生する過電圧を良好に抑制することができるトランジスタの駆動回路が実現できる。
また、本発明の半導体遮断器及びその遮断制御方法により、直流遮断器において発生する過電圧を確実に、かつ高速に遮断することが可能になる。また、遮断器設置環境による寄生インダクタンスの違いや半導体スイッチ素子毎の閾値ばらつきに対応したゲート制御の調整が不必要となる。
また、遮断動作により発生する起電圧を一定の振れ幅の中に押さえ収束させることが可能となるので、直流電源が複数の負荷に接続されている場合も、短絡事故による他負荷への影響を抑えることが可能となる。
本発明に係る半導体遮断器を説明するためのブロック構成図である。 本実施例における半導体スイッチとして用いる接合型電界トランジスタのI−V特性図である。 本実施例における半導体スイッチのI−V特性図である。 直流給電−負荷回路の簡易回路モデル図である。 閾値Vth=−5.3V素子の遮断動作の説明図である。 閾値Vth=−5.3V素子でのゼロ電流遮断の説明図である。 閾値Vth=−5.1V素子での遮断動作の説明図である。 閾値Vth=−5.1V素子でのゼロ電流遮断の説明図である。 閾値Vth=−5.5V素子での遮断動作の説明図である。 特許文献1に記載されている直流電流遮断装置のブロック構成図である。 特許文献2に記載されている半導体遮断装置のブロック構成図である。 図11における半導体遮断装置の遮断動作を説明するための回路モデル図である。 図12における遮断動作時の各部の電圧と電流の時間変化を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の各実施例について説明する。
図1は、本発明に係るトランジスタの駆動回路及びそのトランジスタの駆動回路を用いた半導体遮断器を説明するためのブロック構成図である。図中符号61は半導体遮断器、62は直流電源、63は負荷装置、64は正側給電線、65は負側給電線、66は半導体スイッチ(トランジスタ)、67は電流検出部、68は電流変換部(電流計測部)、69は電圧検出部、70は制御部、71はドライブ部、72はシステムコントローラを示している。なお、トランジスタの駆動回路は、電流検出部67と電流変換部(電流計測部)68と電圧検出部69と制御部70とドライブ部71とで構成されている。
本発明のトランジスタの駆動回路は、過電流を短時間に限流するとともに、トランジスタのターンオフ時に発生する過電圧を良好に抑制することができるトランジスタ66の駆動回路である。
電流検出部67は、トランジスタ66のソース側の電流を検出するものである。また、電圧検出部69は、トランジスタ66のドレイン側の電圧を検出するものである。また、制御部70は、電圧検出部69の出力によりトランジスタ66の駆動状態を決定するものである。
また、制御部70は、電流検出部67の検出電流が所定の過電流閾値より大きくなった場合に、トランジスタ66をオフするゲート電圧制御を行い、電圧検出部67の検出電圧が所定の起電圧上限閾値より大きくなった場合には、トランジスタ66のゲート電圧をオン電圧とオフ電圧の間の第1の中間電位に電圧制御するものである(制御A)。
また、制御部70は、電圧検出部67の検出電圧が所定の起電圧下限閾値より小さくなった場合には、トランジスタ66のゲート電圧を第1の中間電位とオフ電圧の間の第2の中間電位に電圧制御するものである(制御B)。
また、制御部70は、電流検出部67の電流値の減少率に基づいてトランジスタ66のゲート電圧を切り替えるものである(制御C)。
したがって、制御部70は、上述した制御A,B,Cの組み合わせによって制御されるものである。
また、制御部70は、電流検出部67の電流値が所定の電流下限値以下であり、かつ、電圧検出部69の電圧値と直流電源62の電圧との差が所定の差電圧閾値以内であるときに、トランジスタ66のゲート電位をオフ電位とするものである。
また、本発明のトランジスタの駆動回路は、電流検出部67により検出された電流のアナログ信号をデジタル信号に変換する電流変換部68を備えている。また、制御部70の出力に応じてトランジスタ66のゲート電圧を出力するドライブ部71を備えている。
また、トランジスタ66は、電界効果トランジスタであることが好ましい。また、電界効果トランジスタが接合型電界効果トランジスタで、接合型電界効果トランジスタが、シリコン,シリコンカーバイド又はガリウムナイトライドを半導体材料として形成されていることが好ましい。また、接合型電界効果トランジスタが、ノーマリオン型の接合型電界効果トランジスタであることが好ましい。
上述したように、本発明のトランジスタの駆動回路によれば、過電流を短時間に限流するとともに、トランジスタのターンオフ時に発生する過電圧を良好に抑制することができる。
本発明の半導体遮断器61は、上述した実施例1におけるトランジスタの駆動回路を用い、直流電源62からの給電線64,65に接続された負荷装置63と、直流電源62との間に設けられた半導体遮断器61である。
また、本発明の半導体遮断器の遮断制御方法は、上述した実施例1のトランジスタの駆動回路を用い、直流電源62からの給電線64,65に接続された負荷装置63と、直流電源62との間に設けられた半導体遮断器61の遮断制御方法である。
電流検出部67は、給電線65を流れる電流を検出するものである。また、半導体スイッチ66は、給電線64に流れる電流を制御するものである。また、電圧検出部69は、半導体スイッチ66の直流電源62側の電圧を検出するものである。また、制御部70は、電流検出部67と電圧検出部69の出力により半導体スイッチ66の駆動状態を決定するものである。
また、制御部70は、給電線65を流れる電流が所定の過電流閾値より大きくなった場合に、半導体スイッチ66をオフするゲート電圧制御を行い、電圧検出部67の検出電圧が所定の起電圧上限閾値より大きくなった場合には、半導体スイッチ66のゲート電圧をオン電圧とオフ電圧の間の第1の中間電位に電圧制御するものである(制御A)。
また、制御部70は、電圧検出部67の検出電圧が所定の起電圧下限閾値より小さくなった場合には、半導体スイッチ66のゲート電圧を第1の中間電位とオフ電圧の間の第2の中間電位に電圧制御するものである(制御B)。
また、制御部70は、電流検出部67の電流値の減少率に基づいて半導体スイッチ66のゲート電圧を切り替えるものである(制御C)。
つまり、制御部70は、上述した制御A,B,Cの組み合わせによって制御するものである。
また、制御部70は、電流検出部67の電流値が所定の電流下限値以下であり、かつ、電圧検出部69の電圧値と直流電源62の電圧との差が所定の差電圧閾値以内であるときに、半導体スイッチ66のゲート電位をオフ電位とするものである。
また、本発明の半導体遮断器61は、電流検出部67により検出された電流のアナログ信号をデジタル信号に変換する電流変換部を備えている。また、制御部70の出力に応じて半導体スイッチ66のゲート電圧を出力するドライブ部71を備えている。
また、半導体スイッチ66は、電界効果トランジスタであることが好ましい。また、電界効果トランジスタが接合型電界効果トランジスタで、接合型電界効果トランジスタが、シリコン,シリコンカーバイド又はガリウムナイトライドを半導体材料として形成されていることが好ましい。また、接合型電界効果トランジスタが、ノーマリオン型の接合型電界効果トランジスタであることが好ましい。
つまり、本発明の半導体遮断器61は、直流電源62と負荷装置63の間には正側の給電線64と負側の給電線65が接続される。半導体スイッチ66が正側の給電線64の直流電源62と負荷装置63の間に設けられている。この半導体スイッチ66は、接合型電界効果トランジスタJFETで、ドレイン端子が直流電源62側に、ソースが負荷装置63側に接続される。ゲート端子は、ドライブ部71の出力と接続される。電流検出部65が負側装置63と直流電源62の間の負側給電線65上に設けられる。この電流検出部67は、電流センサであってホール素子などを用いた非接触タイプでもシャント抵抗を用いたタイプでもよい。また、シリコンホール素子を用い、電流変換部67などと1チップ化してもよい。電流検出部67のアナログ信号出力は、電流変換部68に入力され、波形コンディショニング及びAD変換されデジタル化される。電流変換部68の電流デジタルデータは、制御部70に送られる。
電圧検出部69は、半導体スイッチ66のドレイン側と負側給電線65の間の電圧を計測し、その電圧値出力は制御部70に送られる。制御部70は、電流検出部67からの電流値情報、電圧検出部69からの半導体スイッチ66のドレイン電圧情報と、システムコントローラ72から設定されるゲート制御情報を用いて半導体スイッチ66の動作を制御する。具体的には、半導体スイッチ66のゲート電圧を決めるが、制御部70は、制御に関わるデジタル制御信号をドライブ部71に送り、ドライブ部71がデジタル制御信号を変換し、アナログゲート電圧を出力する。
電圧検出部69の負側給電線65側の端子は、半導体スイッチ66のソース側に接続しても以降の説明と同等の動作が可能である。
制御部70に設定されるゲート制御情報は、以下で説明する過電流閾値、起電圧上限閾値、起電圧下限閾値、電流下限値、差電圧閾値などである。
次に、半導体遮断器の動作について説明する。
最初に、本実施例で半導体スイッチとして用いる炭化珪素(SiC)製の接合型電界効果トランジスタのI−V特性について説明する。
図2は、本実施例における半導体スイッチとして用いる接合型電界トランジスタのI−V特性図で、ノーマリオン特性を有する接合型電界効果トランジスタのドレイン電圧Vdが広域でのI−V特性を示している。ノーマリオン特性は、ゲート・ソース間の電圧Vgsがゼロのときにも電流が流れる特性をいう。つまり、ゲート電圧を印加していない時に、ソース・ドレイン間に電流が流れる半導体デバイスの特性である。これに対して、ノーマリオフ特性とは、ゲートに電圧を印加していない時に、ソース・ドレイン間に電流が流れない半導体デバイスの特性である。
図2では、ドレイン・ソース間電圧Vdの横軸が1000V以上と大きくなっているので、Vgs=0のときの電流曲線は左のドレイン電流値Idの軸に重なっている。
このトランジスタを(完全)オフするには、用途によりブロック電圧をいくらにするかにも関わるが、ゲート電圧Vgsに負電圧、例えば、−10Vから−15Vをかける。
ドレイン電圧Vdが750V付近ではゲート電圧Vgsが、−7Vのときに電流が流れ出し、ゲート電圧Vgsを上げていくと電流値が大きくなる。このような電流値の立ち上がり特性は、一般に3極管特性と言われている。電流が流れ出す閾値Vthがドレイン電圧Vdsに依存するためで、絶縁ゲート型トランジスタにはない特性を利用している。
図2よりドレイン電圧Vdが数100Vのとき、ゲート電圧を一定の負電圧(−6Vから−7.5Vの間)に設定することで、電流を流さないことも、大きな電流を流すことも可能である。これが半導体スイッチに大きな起電圧がかかった状態で、ゲート電圧を調整することでトランジスタの電流値、抵抗値を調整しながら寄生インダクタンスのエネルギーを消費させることができる理由である。
図2の半導体スイッチのトランジスタでは、ゲート電圧Vgsが、−6Vから−7.5Vの範囲で電流立ち上がりのドレイン電圧Vdが100Vから1500Vまで変わっている。この特性はトランジスタの設計・製造条件により変えられ、例えば、電流立ち上がり時のドレイン電圧Vdが100Vのとき、このときのゲート電圧を、−6Vから更に、−5V,−4Vと下げることも可能である。
次に、この半導体スイッチのトランジスタの閾値Vthが製造によりばらつく場合を考える。図2のトランジスタの閾値Vthのばらつきが±0.5Vあったとすると、ゲート電圧Vg=−7VのI−V特性が、ほぼゲート電圧Vg=−6.5V及びゲート電圧Vg=−7.5VのI−V特性に変わってしまうことになる。電流の立ち上がりドレイン電圧Vdを、750Vを想定していたところが、閾値Vthが、0.5V上がると、電流の立ち上がりドレイン電圧Vdが1300V付近となりまったく電流が流れない、スイッチ抵抗が非常に大きいことになる。また、逆に閾値Vthが0.5V下がると、電流立ち上がりが300V付近になり、この場合はVg=−7Vの設定で大電流が流れ、スイッチ抵抗が非常に小さいことになる。
図3は、本実施例における半導体スイッチのI−V特性図で、半導体スイッチのトランジスタの閾値Vthが、中心値から±0.2Vずれた場合のI−V特性の変化を示す図である。なお、図2におけるトランジスタとは特性が異なる。
中心の閾値Vthが、−5.3Vで、ゲート電圧Vgsが、−5.9Vで、電流立ち上がりのドレイン電圧Vdが400V付近である。閾値の0.2Vのずれで同じゲート電圧Vgsで、下が280V、上が550Vから立ち上がり、差が大きいことが分かる。
なお、このI−V特性から、直流電源が400Vの場合は、半導体スイッチをオフするゲート電圧Vgsを、−5.9V以下にする必要があることが分かる。素子により閾値が中心閾値Vth=−5.3VよりずれてVth=−5.1V(Δ=+0.2V)になった場合は、ゲート電圧Vgsは、−5.7Vより低く、また、閾値がVth=−5.5(Δ=−0.2V)になった場合は、ゲート電圧Vgsは、−6.1Vより低くする必要がある。
次に、過電流が発生した後のゲート電圧制御について説明する。
図4は、直流給電−負荷回路の簡易回路モデル図である。上述した特許文献2と同様の回路構成である。寄生インダクタンスLは350uH、直流電源は400Vである。ゲート制御信号源が半導体スイッチである接合型電界効果トランジスタ(以下、JFETという)のオン/オフ制御を行う。抵抗Rは電流調整用である。
最初にJFETの閾値が、図3の特性を有し、標準閾値Vthが、−5.3Vの素子の遮断制御例を説明する。
図5は、閾値Vth=−5.3V素子の遮断動作の説明図で、JFETのドレイン・ソース電圧Vds、ドレイン電流Ids、ゲート電圧Vgsの遮断動作時の経時変化を示している。
JFETのゲート電圧をオン状態とし、寄生インダクタンスとJFETに流す電流を増加していく。過電流閾値は4Aに設定されており、15usで過電流検出し、遮断動作に入る。以降の説明では15us以降の遮断動作について説明する。
遮断動作の最初はゲート電圧Vgsを、JFETの(完全)オフ電圧である、−10Vに設定する。これは過電流検出後にすぐに、かつ確実に遮断動作に入るためである。ゲート電圧Vgsをトランジスタのオン電圧とオフ電圧の中間オン電位に設定した場合、中間電位によりトランジスタのオン抵抗が低いと過電流が流れる時間が長くなる。
遮断動作によりJFETのドレイン電圧Vdsは上昇を始める。起電圧上限閾値は500Vに設定されており、この閾値を超えたことが検出されると制御部がゲート電圧Vgsを、−5.0Vに上昇させ、JFETを中間オン状態とする。
ゲート電圧Vgsが、−10Vから、−5Vに変化するまでの時間はドレイン電圧Vdsが500Vの起電圧上限閾値に達するまでの時間に依存し、これは寄生インダクタンスLや短絡事故の特性など回路環境にも依存する。
この−5Vというゲート電圧は、用いるJFETの閾値がばらつき、大きくなった場合にも起電圧上昇を抑制できる電流が流れるように閾値のばらつき幅を考慮し決定する。なお、過電圧検出後、すぐに、ゲート電圧Vgsを上昇させるが、ドレイン電流は550Vまで上昇している。これはゲート電圧Vgs出力までの時間遅れも寄与している。JFETは、中間オン状態であるのでドレイン電流は減少し、ドレイン電圧Vdsも減少する。
19.4usのとき、ドレイン電圧Vdsが起電圧下限閾値300Vに達したため、ゲート電圧Vgsを、−5.5Vに下降させる。抵抗値を上げエネルギーを消費させるとともにドレイン電圧を収束値400Vに近づける。図3で説明したJFETの400Vオフ電圧が、大体、−6Vであるので、最初の設定電圧値(−5V)との中間電圧としている。ドレイン電圧Vdsは一度、上昇するが下降に転じる。ドレイン電流Idは更に減少を続けるが飽和の傾向を示す。
電流値が飽和の傾向を示すのは、トランジスタのオン抵抗値が、このゲート電圧Vgs=−5.5Vに対応する値となるためで、ゲート電圧Vgsが変わらなければ対応するドレイン電流が流れ続けることになる。
23.0usでドレイン電流の減少率dI/dt〜0となるので、このタイミングでゲート電圧Vgsを、更に、−5.75Vに減少させる。
ドレイン電流の減少率dI/dtは、例えば、前回のゲート電圧を下げた時に起こった電流値の減少割合ΔI/(usec)を記憶しておき、この値が1/5〜1/10以下になったとき、飽和したと判断する。
ゲート電位Vgsの変化量は前回の電圧減少幅の更に半分とし、急激な変化を避けている。
ドレイン電流Idsは更に減少し、次に、25.6usではドレイン電流がほぼゼロ、ドレイン電圧Vdsが400Vとなるので、ここで更にゲート電圧Vgsを、Vds=400Vでの電流遮断電圧である、−6Vに下げると、ドレイン電圧Vds、ドレイン電流Idsはそれぞれ400Vとゼロ電流値に収束している。このあとはどのタイミングでも完全オフ電圧である、−10Vをかけて遮断してもよい。
図6は、閾値Vth=−5.3V素子でのゼロ電流遮断の説明図で、電流値が所定の電流下限値以下で、かつ、ドレイン電圧Vdsと直流電源電圧VDDとの差が所定の差閾値以内であるときの遮断例を示している。25.6usのときにゲート電圧Vgsを、−10Vに引き下げているがドレイン電圧Vdsの発振は見られない。電流下限値は、本実施例では20mA以下、過電流4Aに対しては0.5%以下であることが望ましい。また、電圧の差閾値は20V以下が望ましい。
次に、閾値Vthが、−5.1Vの素子の遮断制御例を説明する。
図7は、閾値Vth=−5.1V素子での遮断動作の説明図で、JFETのドレイン・ソース電圧Vds、ドレイン電流Ids、ゲート電圧Vgsの遮断動作時の経時変化を示している。
過電流検出後にゲート電圧Vgs=−10VとしJFETを遮断する。その後、ドレイン電圧Vdsが上昇し、起電圧上限閾値500Vを超えたことを検出し、ゲート電圧Vgs=−5.0Vと設定する。この後もドレイン電圧Vdsが上昇するが、上昇は標準閾値の場合より大きく、ピーク電圧は600Vに達する。この後下降し、21usのとき300Vの起電圧下限閾値を超えるので、ゲート電圧Vgsを、−5.5Vに設定する。
その後、ドレイン電流Idsは24.3usでほぼゼロ電流値となるので、このタイミングで、更にゲート電圧Vgsを、−5.75Vに下げる。更にこの後、28usでもゼロ電流となるので、ここでもゲート電圧Vgsを、−6Vに下げている。このタイミング以降は、ドレイン電圧は400V、ドレイン電流はゼロになっているので、完全オフ電圧、−10Vをいつでもかけられる。
図8は、閾値Vth=−5.1V素子でのゼロ電流遮断の説明図で、24.3usでほぼ電流値がゼロ、電流下限値以下で、ドレイン電圧が差電圧閾値以内での遮断例を示している。
次に、閾値Vthが、−5.5Vの素子の遮断制御例を説明する。
図9は、閾値Vth=−5.5V素子での遮断動作の説明図で、JFETのドレイン・ソース電圧Vds、ドレイン電流Ids、ゲート電圧Vgsの遮断動作時の経時変化を示している。
過電流検出後にゲート電圧Vgs=−10VとしJFETを遮断する。その後、ドレイン電圧Vdsが上昇し、起電圧上限閾値500Vを超えたことを検出し、ゲート電圧Vgs=−5.0Vと設定。この後もドレイン電圧Vdsが上昇するが、上昇は標準閾値の場合より小さく、ピーク電圧は530V程度である。この後下降し、18.3usで300Vの起電圧下限閾値を超えるので、ゲート電圧Vgsを、−5.5Vに設定する。
その後、ドレイン電圧Vdsは上昇、下降するが、ドレイン電流Idsは下がり続けるが、22.9usでdI/dtがほぼゼロになるので、このタイミングでゲート電圧Vgsを、−5.75Vに下げる。再度、ドレイン電圧Vdsが上昇、下降を行い、ドレイン電流Idsも下がり続けるが、26.6usでdI/dtがほぼゼロになるので、このタイミングでゲート電圧Vgsを−6Vに設定する。29usで、ドレイン電流Idsがほぼゼロ、ドレイン電圧Vdsも400Vとなるので、ゲート電圧Vgs=−10として遮断している。
以上で、半導体スイッチである接合型電界トランジスタの閾値がVth=−5.3Vを中心に±0.2Vばらついた場合の遮断動作を説明した。起電圧上限閾値を500V、起電圧下限閾値を300Vと設定することで、生成起電圧が300Vと600V弱の電圧範囲に抑えられている。また、遮断時間も遮断動作から20us以内に終了しており、高速に過電流を遮断できている。
このように、閾値のばらつきがより大きい場合にも、上述の遮断制御の考え方から変数を設定することで、本発明の回路構成や制御手法により対応が可能である。
上述したように、本発明の半導体遮断器及びその遮断制御方法によれば、トランジスタの駆動回路及び高速に過電流を遮断するとともに、発生する起電圧を一定の振れ幅の中に押さえ収束させることが可能で、素子の閾値ばらつきにも対応できる半導体遮断器及びその遮断制御方法が実現できる。
10 直流電流遮断装置
11 電流検出部
12 スイッチ部
13 制御回路
14 過電流判定部
15 スイッチ駆動部
16 任意波形発生部
17 給電線
21 半導体遮断器
22 電源装置
23 負荷装置
31 半導体部
32 電流センサ
33 電流計測部
34 トランジスタ駆動回路
35 入力インターフェース
41,42 直流出力線
43,44 直流入力線
51 ドライブ部
52 制御部
53 設定記憶部
54 記憶部
61 半導体遮断器
62 直流電源
63 負荷装置
64 正側給電線
65 負側給電線
66 半導体スイッチ(トランジスタ)
67 電流検出部
68 電流変換部(電流計測部)
69 電圧検出部
70 制御部
71 ドライブ部
72 システムコントローラ

Claims (24)

  1. トランジスタのソース側の電流を検出する電流検出部と、
    前記トランジスタのドレイン側の電圧を検出する電圧検出部と、
    該電圧検出部の出力により前記トランジスタの駆動状態を決定する制御部と
    を備えていることを特徴とするトランジスタの駆動回路。
  2. 前記制御部は、
    前記電流検出部の検出電流が所定の過電流閾値より大きくなった場合に、前記トランジスタをオフするゲート電圧制御を行い、前記電圧検出部の検出電圧が所定の起電圧上限閾値より大きくなった場合には、前記トランジスタのゲート電圧をオン電圧とオフ電圧の間の第1の中間電位に電圧制御することを特徴とする請求項1に記載のトランジスタの駆動回路。
  3. 前記制御部は、
    前記電圧検出部の検出電圧が所定の起電圧下限閾値より小さくなった場合には、前記トランジスタのゲート電圧を前記第1の中間電位とオフ電圧の間の第2の中間電位に電圧制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のトランジスタの駆動回路。
  4. 前記制御部は、
    前記電流検出部の電流値の減少率に基づいて前記トランジスタのゲート電圧を切り替えることを特徴とする請求項1,2又は3に記載のトランジスタの駆動回路。
  5. 前記制御部は、
    前記電流検出部の電流値が所定の電流下限値以下であり、かつ、前記電圧検出部の電圧値と前記直流電源の電圧との差が所定の差電圧閾値以内であるときに、前記トランジスタのゲート電位をオフ電位とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトランジスタの駆動回路。
  6. 前記電流検出部により検出された電流のアナログ信号をデジタル信号に変換する電流変換部を備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトランジスタの駆動回路。
  7. 前記制御部の出力に応じて前記トランジスタのゲート電圧を出力するドライブ部を備えていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトランジスタの駆動回路。
  8. 前記トランジスタが、電界効果トランジスタであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のトランジスタの駆動回路。
  9. 前記電界効果トランジスタが接合型電界効果トランジスタで、該接合型電界効果トランジスタが、シリコン,シリコンカーバイド又はガリウムナイトライドを半導体材料として形成されたことを特徴とする請求項8に記載のトランジスタの駆動回路。
  10. 前記接合型電界効果トランジスタが、ノーマリオン型の接合型電界効果トランジスタであることを特徴とする請求項9に記載のトランジスタの駆動回路。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載のトランジスタの駆動回路を用い、直流電源からの給電線に接続された負荷装置と、前記直流電源との間に設けられた半導体遮断器において、
    前記給電線を流れる電流を検出する電流検出部と、
    前記給電線に流れる電流を制御する半導体スイッチと、
    該半導体スイッチの直流電源側の電圧を検出する電圧検出部と、
    前記電流検出部と前記電圧検出部の出力により前記半導体スイッチの駆動状態を決定する制御部と
    を備えていることを特徴とする半導体遮断器。
  12. 前記制御部は、
    前記給電線を流れる電流が所定の過電流閾値より大きくなった場合に、前記半導体スイッチをオフするゲート電圧制御を行い、前記電圧検出部の検出電圧が所定の起電圧上限閾値より大きくなった場合には、前記半導体スイッチのゲート電圧をオン電圧とオフ電圧の間の第1の中間電位に電圧制御することを特徴とする請求項11に記載の半導体遮断器。
  13. 前記制御部は、
    前記電圧検出部の検出電圧が所定の起電圧下限閾値より小さくなった場合には、前記半導体スイッチのゲート電圧を前記第1の中間電位とオフ電圧の間の第2の中間電位に電圧制御することを特徴とする請求項11又は12に記載の半導体遮断器。
  14. 前記制御部は、
    前記電流検出部の電流値の減少率に基づいて前記半導体スイッチのゲート電圧を切り替えることを特徴とする請求項11,12又は13に記載の半導体遮断器。
  15. 前記制御部は、
    前記電流検出部の電流値が所定の電流下限値以下であり、かつ、前記電圧検出部の電圧値と前記直流電源の電圧との差が所定の差電圧閾値以内であるときに、前記半導体スイッチのゲート電位をオフ電位とすることを特徴とする請求項11乃至14のいずれかに記載の半導体遮断器。
  16. 前記電流検出部により検出された電流のアナログ信号をデジタル信号に変換する電流変換部を備えていることを特徴とする請求項11乃至15のいずれかに記載の半導体遮断器。
  17. 前記制御部の出力に応じて前記半導体スイッチのゲート電圧を出力するドライブ部を備えていることを特徴とする請求項11乃至16のいずれかに記載の半導体遮断器。
  18. 前記半導体スイッチが、電界効果トランジスタであることを特徴とする請求項11乃至17のいずれかに記載の半導体遮断器。
  19. 前記電界効果トランジスタが接合型電界効果トランジスタで、該接合型電界効果トランジスタが、シリコン,シリコンカーバイド又はガリウムナイトライドを半導体材料として形成されたことを特徴とする請求項18に記載の半導体遮断器。
  20. 前記接合型電界効果トランジスタが、ノーマリオン型の接合型電界効果トランジスタであることを特徴とする請求項19に記載の半導体遮断器。
  21. 請求項1乃至10のいずれかに記載のトランジスタの駆動回路を用い、直流電源からの給電線に接続された負荷装置と、前記直流電源との間に設けられた半導体遮断器の遮断制御方法において、
    前記半導体遮断器が、
    前記給電線を流れる電流を検出する電流検出部と、
    前記給電線に流れる電流を制御する半導体スイッチと、
    該半導体スイッチの直流電源側の電圧を検出する電圧検出部と、
    前記電流検出部と前記電圧検出部の出力により前記半導体スイッチの駆動状態を決定する制御部とを備え、
    前記制御部が、
    前記給電線を流れる電流が所定の過電流閾値より大きくなった場合に、前記半導体スイッチをオフするゲート電圧制御を行い、前記電圧検出部の検出電圧が所定の起電圧上限閾値より大きくなった場合には、前記半導体スイッチのゲート電圧をオン電圧とオフ電圧の間の第1の中間電位に電圧制御することを特徴とする半導体遮断器の遮断制御方法。
  22. 前記制御部は、
    前記電圧検出部の検出電圧が所定の起電圧下限閾値より小さくなった場合には、前記半導体スイッチのゲート電圧を前記第1の中間電位とオフ電圧の間の第2の中間電位に電圧制御することを特徴とする請求項21に記載の半導体遮断器の遮断制御方法。
  23. 前記制御部は、
    前記電流検出部の電流値の減少率に基づいて前記半導体スイッチのゲート電圧を切り替えることを特徴とする請求項21又は22に記載の半導体遮断器の遮断制御方法。
  24. 前記制御部は、
    前記電流検出部の電流値が所定の電流下限値以下であり、かつ、前記電圧検出部の電圧値と前記直流電源の電圧との差が所定の差電圧閾値以内であるときに、前記半導体スイッチのゲート電位をオフ電位とすることを特徴とする請求項21,22又は23に記載の半導体遮断器の遮断制御方法。
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