次に、この発明の一実施形態に係る保温構造体の構成について説明する。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。図1は、この発明の一実施形態に係る保温構造体を示す概略平面図である。図2は、図1に示す保温構造体を裏面側から見た時の保温構造体を示す概略平面図である。図2は、図1のZ軸方向を示す矢印の向きとは反対の向きから保温構造体を見たときの図である。
図1および図2を参照して、保温構造体2は、板状部材である。所定の厚みを有する一枚の保温構造体2を箱状に折り曲げて、後述する保温箱が形成される。すなわち、保温構造体2は、内部空間の温度を一定に保つ保温箱に折り曲げて組み立てる前の状態の構造体である。図1および図2において、Z軸方向は、保温構造体2の板厚方向である。なお、保温構造体2の構成については、後述する。
図3は、保温構造体2の一部の概略断面図である。図3を参照して、保温構造体2は、板状の断熱部材41と、第一の被覆層42と、第二の被覆層43と、を含む。断熱部材41は、Z軸方向における一方側の面である第一の面411と、Z軸方向の他方側の面である第二の面412と、を含む。第一の被覆層42は、断熱部材41の第一の面411を覆うように配置される。第二の被覆層43は、断熱部材41の第二の面412を覆うように配置される。本実施の形態においては、断熱部材41は、発泡部材であり、例えば、発泡部材の材質は発泡ポリスチレン樹脂である。本実施の形態において、第一の被覆層42および第二の被覆層43は紙であり、例えばクラフト紙やコート紙等である。第一に被覆層42および第二の被覆層43は、断熱部材41に接着剤等により貼り合わせられている。本実施の形態においては、保温構造体2のZ軸方向における厚みS1は、例えば5mmである。なお、理解の容易の観点から、第一の被覆層42、第二の被覆層43の厚みを誇張して厚く図示している。
保温構造体2は、断熱部材41と、第一の被覆層42と、第二の被覆層43と、を含む一枚の積層部材を、刃を有する部材によりZ軸方向を示す矢印の向きに打ち抜いて製造される。保温構造体2の外形形状に対応する部分は、断熱部材41、第一の被覆層42および第二の被覆層43の全体を打ち抜いて形成される。保温構造体2を折り曲げる部分は、例えば、刃を有する部材を第一の被覆層42の外方側に露出する面413側から押し当て、第二の被覆層43を残し、第一の被覆層42および断熱部材41を切断するようにして形成される。この時の切断箇所は、破断部Tで示される。保温構造体2の外形形状に対応する部分、および折り曲げる部分の打ち抜き加工は同時に行ってもよいし、またはそれぞれ分けて行ってもよい。なお、図1および図2において、理解の容易の観点から、第二の被覆層43のみで接続されている部分を破線で示している。
図4は、保温構造体2を箱状に折り曲げた保温箱の斜視図である。図5は、保温箱の正面図である。図5は、図4のY軸方向を示す矢印の向きから保温箱を見た時の図である。図6は、保温箱の背面図である。図6は、図4のY軸方向を示す矢印の向きとは反対の向きから保温箱を見た時の図である。図7は、保温箱の左側面図である。図7は、図4のX軸方向を示す矢印の向きから保温箱を見た時の図である。図8は、保温箱の右側面図である。図8は、図1のX軸方向を示す矢印の向きとは反対の向きから保温箱を見た時の図である。図9は、保温箱の平面図である。図9は、図1のZ軸方向を示す矢印の向きとは反対の向きから保温箱を見た時の図である。図10は、保温箱の底面図である。図10は、図4のZ軸方向を示す矢印の向きから保温箱を見た時の図である。図4〜図10は、板状部材である保温構造体2を箱状に折り曲げて、保温箱とした状態を示している。なお、図1および図2は、保温箱1を板状に展開した時の展開図に相当する。
図4〜図10を参照して、保温箱1は、所定の厚みを有する一枚の保温構造体2を折り曲げて形成される。保温箱1は、組み立てられた後において、直方体形状である。保温箱1は、その内部の空間に保温を要する物体を収容可能である。本実施の形態においては、保温箱1の内部の空間には保冷用の物体、例えば、ケーキや洋菓子を収容可能である。
保温箱1は、それぞれ平板状である側板10と、底板11と、天板16と、を含む。側板10は、第一の側板12と、第二の側板13と、第三の側板14と、第四の側板15と、を含む。第一の側板12と、第三の側板14とは、対をなし、X軸方向に間隔をあけて平行に配置される。第二の側板13と、第四の側板15とは、対をなし、Y軸方向に間隔をあけて平行に配置される。底板11と、天板16とは、Z軸方向に間隔をあけて平行に配置される。本実施の形態において、保温箱1のY軸方向で示す横方向の長さM1は例えば235mmであり、X軸方向で示す縦方向の長さM2は例えば210mmであり、Z軸方向で示す高さ方向の長さM3は例えば115mmである。
次に保温構造体2の構成について説明する。再び、図1および図2を参照して、保温構造体2は、底板11に対応する領域である底板構成領域21と、側板10に対応する領域である側板構成領域22と、天板16に対応する領域である天板構成領域23と、保温箱1の内部空間を仕切るための仕切り構成領域28と、を含む。
底板構成領域21は、Z軸方向から平面的に見て、矩形状である。すなわち、底板構成領域21は、それぞれ直線状の4つの辺211、212、213、214を有する。第一の辺211と、第三の辺213とは対をなし、X軸方向に間隔をあけて平行に配置される。第二の辺212と、第四の辺214とは対をなし、Y軸方向に間隔をあけて平行に配置される。なお、第二の辺212と、第四の辺214とのY軸方向における長さL1は、長さM1より厚みS1の2倍の長さ分だけ短い。本実施の形態において、長さL1は例えば225mmである。第一の辺211と、第三の辺213とのX軸方向における長さL2は、長さM2より厚みS1の2倍の長さ分だけ短い。本実施の形態において、長さL2は例えば200mmである。
側板構成領域22は、保温箱1の外側に露出する外側板構成領域24と、保温箱1の内側に配置される内側板構成領域25と、を含む。外側板構成領域24は、第一の外側板構成領域241と、第二の外側板構成領域242と、第三の外側板構成領域243と、第四の外側板構成領域244と、を含む。第一の外側板構成領域241は、折り曲げられることで第一の側板12の一部を構成する。第二の外側板構成領域242は、折り曲げられることで第二の側板13を構成する。第三の外側板構成領域243は、折り曲げられることで第三の側板14の一部を構成する。第四の外側板構成領域244は、折り曲げられることで第四の側板15の一部を構成する。第一の外側板構成領域241は、第一の辺211に対応する領域であって、底板構成領域21との境界部分である第一の境界部分24Aにおいて、第二の被覆層43のみで底板構成領域21と接続されている。すなわち、第一の辺211において、第一の被覆層42および断熱部材41は切断されている。同様に、第二の外側板構成領域242、第三の外側板構成領域243および第四の外側板構成領域244は、第二の辺212、第三の辺213および第四の辺214のそれぞれに対応する領域であって、第一の境界部分24Aにおいて、第二の被覆層43のみで底板構成領域21と接続されている。このような構成とすることで、第一の境界部分24Aを支点として、第二の被覆層43を内側にして、第一の外側板構成領域241〜第四の外側板構成領域244を折り曲げることができる。
第一の外側板構成領域241は、Z軸方向から平面的に見て、略矩形状である。第一の外側板構成領域241の第四の外側板構成領域244が位置する側の端部241aと、第一の外側板構成領域241の第二の外側板構成領域242が位置する側の端部241bとのY軸方向の長さL3は、長さL1よりも厚みS1分だけ短い。第一の外側板構成領域241の底板構成領域21が位置する側の端部241cと、第一の外側板構成領域241の底板構成領域21が位置する側とは反対側に位置する端部241dとのX軸方向の長さL4は、長さM3より厚みS1の長さ分だけ短い。本実施の形態において、長さL4は例えば110mmである。端部241aのX軸方向の中央には、Y軸方向に突出する突出部51が設けられている。突出部51は、Z軸方向から平面的に見て、3本の直交する直線から構成されている。突出部51は、第一の外側板構成領域241の底板構成領域21が位置する側の端部241cからX軸方向に長さL5の位置に設けられている。突出部51は、端部241aから厚みS1よりもやや長い長さL7分だけY軸方向に突出する。端部241bのX軸方向の中央には、Y軸方向に突出する突出部52が設けられている。Z軸方向から平面的に見て、突出部52は3本の直交する直線から構成されている。突出部52は、端部241cからX軸方向に長さL10の位置に設けられている。本実施の形態において、長さL10は、長さL5と同じある。突出部52のX軸方向の長さL11は、突出部51のX軸方向の長さL6と同じである。突出部52は、端部241bからY軸方向に厚みS1分だけ突出している。なお、直線が交わる角部の形状は曲線状となっていてもよい。端部241d側であって、端部241aに近い側に位置するようにX軸方向に凹んだ凹部54が形成されている。凹部54は、端部241dから厚みS1分だけX軸方向に凹んでいる。本実施の形態において、凹部54を規定する底部541のY軸方向の長さL9は、例えば22mmである。
第二の外側板構成領域242は、Z軸方向から平面的に見て、略矩形状である。第二の外側板構成領域242の底板構成領域21が位置する側の端部242aと、底板構成領域21が位置する側とは反対側の端部242bとのY軸方向の長さL13は、長さL4より厚みS1分だけ短い。第二の外側板構成領域242の第一の外側板構成領域241が位置する側の端部242cと、第二の外側板構成領域242の第三の外側板構成領域243が位置する側の端部242dとのX軸方向の長さL14は、長さL2より厚みS1の2倍の長さ分だけ長い。本実施の形態においては、長さL14は、例えば210mmである。端部242cのY軸方向の中央には、X軸方向に凹んだ凹部65が形成されている。凹部65は、端部242aからY軸方向に長さL15の位置に形成されている。本実施の形態においては、凹部65を規定する底部651のY軸方向の長さL16は、長さL11と同じである。なお、長さL16は、長さL11よりもやや長くてもよい。凹部65は、端部242cから厚みS1分だけX軸方向に凹んでいる。このようにすることで、第二の外側板構成領域242を折り曲げた際に、凹部65には第一の外側板構成領域241に形成されている突出部52が嵌め込むことができる。
第三の外側板構成領域243の形状は、図2に示す基準線Gを基準として第一の外側板構成領域241と線対称である。第三の外側板構成領域243は、Z軸方向から平面的に見て、略矩形状である。第三の外側板構成領域243の第四の外側板構成領域244が位置する側の端部243aのX軸方向の中央には、Y軸方向に突出する突出部71が設けられている。第三の外側板構成領域243の第二の外側板構成領域242が位置する側の端部243bのX軸方向の中央には、Y軸方向に突出する突出部72が設けられている。第三の外側板構成領域243の底板構成領域21が位置する側とは反対側に位置する端部243d側であって、端部241aに近い側に位置するようにX軸方向に凹んだ凹部74が形成されている。
第四の外側板構成領域244は、Z軸方向から平面的に見て、略矩形状である。本実施の形態において、第四の外側板構成領域244のX軸方向の両端の間の長さL2は、例えば、200mmである。第四の外側板構成領域244の底板構成領域21が位置する側の端部244aと、底板構成領域21が位置する側とは反対側の端部244bとのY軸方向の長さL17は、長さL13より厚みS1分だけ短い。本実施の形態において、長さL17は、例えば、100mmである。
天板構成領域23は、天板構成領域23と第二の外側板構成領域242との境界部分である第二の境界部分24Bにおいて、第二の被覆層43のみで第二の外側板構成領域242と接続されている。このような構成とすることで、第二の被覆層43を内側にして、第二の境界部分24Bで天板構成領域23を折り曲げることができる。
天板構成領域23は、Z軸方向から平面的に見て、略矩形状である。天板構成領域23の第二の外側板構成領域242が位置する側の端部23aと、天板構成領域23の第二の外側板構成領域242が位置する側とは反対側の端部23bとのY軸方向の長さL18は、長さL1より厚みS1分だけ長い。本実施の形態において、長さL18は、例えば230mmである。天板構成領域23のX軸方向の両端の間の長さL2は、例えば、200mmである。天板構成領域23のX軸方向の両端側にX軸方向に突出する一対の突出部231、232が形成されている。突出部231、232は、端部23bに連なって設けられている。突出部231、232は、Z軸方向から平面的に見て、3本の直交する直線から構成されている。突出部231、232のY軸方向の長さL19は、長さL9より厚みS1の2倍の長さ分だけ長い。突出部231、232は、X軸方向の両端からそれぞれX軸方向に厚みS1分だけ突出している。このようにすることで、端部23aで天板構成領域23を折り曲げた際に、天板構成領域23の突出部231、232は、それぞれ第一の外側板構成領域241の凹部54と、第三の外側板構成領域243の凹部74とに嵌め込むことができる。
仕切り構成領域28は、保温箱1の内部空間に配置される内部空間配置領域27、および第四の外側板構成領域244と内部空間配置領域27とを接続する接続部構成領域26を含む。接続部構成領域26は、Z軸方向から平面的に見て、矩形状である。本実施の形態において、接続部構成領域26の第四の外側板構成領域244が位置する側の端部26bと、内部空間配置領域27が位置する側の端部26aとのY軸方向の長さL20は、例えば30mmである。接続部構成領域26は、第四の外側板構成領域244と接続部構成領域26との境界部分である第三の境界部分24Cにおいて、第二の被覆層43のみで第四の外側板構成領域244と接続されている。このため、接続部構成領域26は、第二の被覆層43を内側にして、第三の境界部分24Cで折り曲げることができる。端部26aにおいて、内部空間配置領域27は、第二の被覆層43のみで接続部構成領域26と接続されている。このため、内部空間配置領域27は、第二の被覆層43を内側にして、端部26aで折り曲げることができる。
Z軸方向から平面的に見て、内部空間配置領域27の外形形状は、略矩形状である。本実施の形態においては、内部空間配置領域27の接続部構成領域26が位置する側とは反対側の端部27aと、接続部構成領域26が位置する側の端部27bとのY軸方向の長さL21は、長さL17と同じである。なお、長さL21は、長さL17よりもやや短くてもよい。内部空間配置領域27は、X軸方向の両端側に位置し、接続部構成領域26に連なって形成されており、X軸方向の両端からそれぞれX軸方向に突出する一対の突出部276、277を含む。本実施の形態において、突出部276、277のX軸方向に長さL23は、厚みS1よりもやや長い。なお、長さL23は、厚みS1と同じ長さであってもよい。本実施の形態において、突出部276、277のY軸方向の長さL24は、例えば25mmである。
内部空間配置領域27は、接続部構成領域26が位置する端部側に配置されている第一の部分401と、第一の外側板構成領域241が位置する側に配置されている第二の部分402と、接続部構成領域26が位置する側とは反対側の端部側に配置されている第三の部分403と、第三の外側板構成領域243が位置する側に配置されている第四の部分404と、を含む。本実施の形態において、第一の部分401のX軸方向の両端の間の長さL2は、例えば200mmである。内部空間配置領域27には、第一の部分401と、第二の部分402と、第三の部分403と、第四の部分404とで囲まれ、Z軸方向に貫通する貫通孔272が形成されている。第二の部分402のY軸方向の中央には、貫通孔271が形成されている側に配置され、第二の被覆層43のみで第二の部分402と接続される扉部275が設けられている。扉部275は、Z軸方向に折り曲げることができる。同様に、第四の部分404のY軸方向の中央には、貫通孔271が形成されている側に配置され、第二の被覆層43のみで第四の部分404と接続される扉部274が設けられている。扉部274は、Z軸方向に折り曲げることができる。第三の部分403には、Y軸方向であって、貫通孔271が形成されている側に突出する3つの突出部278d、278e、278fが所定の間隔をあけてX軸方向に並んで形成されている。第三の部分403には、外方側に形成されており、Y軸方向に凹んだ4つの貫通孔272a、272b、272c、272dが形成されている。
内側板構成領域25は、第一の内側板構成領域251と、第二の内側板構成領域281と、第三の内側板構成領域252と、第四の内側板構成領域282と、を含む。第一の内側板構成領域251と、第三の内側板構成領域252とは、対をなし、図2に示すように基準線Gを基準として線対称となるように配置されている。図11は、第一の内側板構成領域251および第二の内側板構成領域281を示す概略平面図である。
図1および図11を参照して、第一の内側板構成領域251は、Z軸方向から平面的に見て、略矩形状である。第一の内側板構成領域251の第一の外側板構成領域241が位置する側の端部251aと、第一の外側板構成領域241が位置する側とは反対側の端部251bとのY軸方向の長さL25は、長さL3と同じである。第一の内側板構成領域251の第二の外側板構成領域242および天板構成領域23が位置する側の端部251cと、第二の外側板構成領域242および天板構成領域23が位置する側とは反対側の端部251dとのX軸方向の長さL26は、長さL4より厚みS1分だけ短い。第一の内側板構成領域251は、第一の内側板構成領域251と第一の外側板構成領域241との境界部分である第二の境界部分24Bにおいて、第二の被覆層43のみで第一の外側板構成領域241と接続されている。なお、突出部52が設けられている領域に対応する部分では、第一の被覆層42、断熱部材41および第二の被覆層43は切断されている。第一の内側板構成領域251は、第二の外側板構成領域242および天板構成領域23のX軸方向下方側の位置に隣り合うようにして配置される。第一の内側板構成領域251と、第二の外側板構成領域242および天板構成領域23との境界部分では、第一の被覆層42、断熱部材41および第二の被覆層43は切断されている。このため、第一の内側板構成領域251は、第二の境界部分24Bで折り曲げて、第一の外側板構成領域241に重なるようにすることができる。
第一の内側板構成領域251の第一の外側板構成領域241が位置する側とは反対側の端部251bのX軸方向の中央には、Y軸方向に突出する突起部312が形成されている。突起部312は、Z軸方向から平面的に見て、3本の直交する直線から構成されている。突起部312は、端部251cからX軸方向に長さL27の位置に形成されている。本実施の形態において、長さL27は、長さL5と同じである。本実施の形態において、突起部312のX軸方向の長さL28は、長さL6と同じである。なお、長さL28は、長さL6よりもやや短くてもよい。突起部312は、端部251bから厚みS1分だけ突出している。このような構成とすることで、第一の内側板構成領域251を折り曲げた際に、第一の内側板構成領域251の突起部312は、第一の外側板構成領域241の突出部51が位置する領域に重ねられる。
端部251bから長さL33の位置にX軸方向に凹んだ第一の切り欠き部317が形成されている。本実施の形態において、第一の切り欠き部317を規定する底部317aのY軸方向の長さL30は、厚みS1と同じ長さである。長さL30は、厚みS1よりやや長い長さであってもよい。第一の切り欠き部317は、第一の内側板構成領域251の第二の外側板構成領域242および天板構成領域23が位置する側とは反対側の端部251dからX軸方向に長さL32だけ凹んでいる。第一の切り欠き部317と端部251bとの間であって、端部251bに連なるようにして、端部251dから厚みS1だけ凹んだ凹部316が形成されている。このような構成とすることで、接続部構成領域26および内部空間配置領域27を折り曲げた際に、凹部316に接続部構成領域26を嵌め込み、内部空間配置領域27に形成されている突出部277を第一の切り欠き部317に嵌め込むことができる。なお、第一の切り欠き部317は、凹部316が形成されている側の領域において、外方側に向って開口が広くなる傾斜部318が形成されている。このように傾斜部318が形成されていることで、突出部277を第一の切り欠き部317に容易に嵌め込むことができる。
第二の内側板構成領域281は、Z軸方向から平面的に見て、略矩形状である。本実施の形態において、第二の内側板構成領域281の第一の外側板構成領域241が位置する側とは反対側の端部281aと、第一の外側板構成領域241が位置する側の端部281bとのY軸方向の長さL34は、例えば、108mmである。本実施の形態において、第二の内側板構成領域281の第四の外側板構成領域244が位置する側の端部281cと、第四の外側板構成領域244が位置する側とは反対側の端部281dとのX軸方向の長さL35は、長さL17と同じである。なお、長さL35は、長さL17よりやや短くてもよい。第二の内側板構成領域281は、第二の内側板構成領域281と第一の外側板構成領域241との境界部分である第二の境界部分24Bにおいて、第二の被覆層43のみで第一の外側板構成領域241と接続されている。なお、突出部51が設けられている領域に対応する部分では、第一の被覆層42、断熱部材41および第二の被覆層43は切断されている。第二の内側板構成領域281は、第四の外側板構成領域244のX軸方向下方側の位置に隣り合うようにして配置される。第二の内側板構成領域281と、第四の外側板構成領域244との境界部分では、第一の被覆層42、断熱部材41および第二の被覆層43は切断されている。このような構成とすることで、第二の内側板構成領域281は、第二の境界部分24Bで折り曲げることができる。
第二の内側板構成領域281の第一の外側板構成領域241が位置する側とは反対側の端部281aには、Y軸方向に凹んだ2つの嵌め込み凹部321、322がX軸方向に間隔をあけて形成されている。嵌め込み凹部321は、開口部に向って開口幅が狭くなるテーパー状に凹んだ形状である。すなわち、嵌め込み凹部321を規定する側壁部321bの開口部のX軸方向の長さL37は、側壁部321bの一方の端部側に配置される底部321aのX軸方向の長さL36よりも短く形成されている。なお、嵌め込み凹部322は、嵌め込み凹部321と同様の形状である。第二の内側板構成領域281を端部241aで折り曲げると、第二の内側板構成領域281の第一の外側板構成領域241が位置する側の端部281bには、突出部51の形状に対応する凹部323が形成される。そうすると、第一の内側板構成領域251を端部241bで折り曲げると、第一の内側板構成領域251に形成されている突起部312は、凹部323に嵌め込むことができる。
図12は、第三の内側板構成領域252および第四の内側板構成領域282を示す概略平面図である。第四の内側板構成領域282と、第二の内側板構成領域281とは、ほぼ同じ形状である。以下には、第四の内側板構成領域282の第二の内側板構成領域281と異なる部分について説明する。図12を参照して、第四の内側板構成領域282の第三の外側板構成領域243が位置する側とは反対側の端部282aと、第三の外側板構成領域243が位置する側の端部282bとのY軸方向の長さL38は、長さL34とを併せると、長さL2と同じである。端部282aには、Y軸方向に突出した2つの嵌め込み部341、342がX軸方向に間隔をあけて形成されている。嵌め込み部341、342は、Y軸方向に向かって外径が大きくなるように突出した形状である。すなわち、嵌め込み部341の第四の内側板構成領域282の本体部344が位置する側とは反対側の端部341aのX軸方向の長さL38は、本体部344が位置する側の端部341bのX軸方向の長さL39よりも長く形成されている。本実施の形態においては、長さL38は長さL36よりもやや短い。なお、長さL38は、長さL36と同じであってもよい。本実施の形態においては、長さL39は、長さL37よりもやや短い。なお、長さL39は、長さL37と同じであってもよい。
保温構造体2は、保持部31と、仕切り状態維持部36、立設状態維持部37と、を含む。図1、図11および図12を参照して、保持部31は、内側板構成領域25が外側板構成領域24に重ねられた状態を保持する。本実施の形態において保持部31は、第一の内側板構成領域251の突起部312と、第三の内側板構成領域252の突起部332と、突起部312を受け入れる凹部323と、突起部332を受け入れる凹部343と、を含む。突起部312と凹部323とにより、第一の内側板構成領域251が第一の外側板構成領域241に重ねられた状態を保持する。突起部332と凹部343とにより、第三の内側板構成領域252が第三の外側板構成領域243に重ねられた状態が保持できる。
保持部31は、第四の内側板構成領域282に形成されている嵌め込み部341、342と、嵌め込み部341を受け入れる嵌め込み凹部321と、嵌め込み部342を受け入れる嵌め込み凹部322と、を含む。嵌め込み部341、342と、嵌め込み凹部321、322とにより、第二の内側板構成領域281および第四の内側板構成領域282が第四の外側板構成領域244に重ねられた状態が保持できる。
仕切り状態維持部36は、内部空間配置領域27が保温箱1の内部の空間を仕切る状態を維持する。本実施の形態において仕切り状態維持部36は、仕切り構成領域における突出部276、277と、第一の内側板構成領域251に形成されている第一の切り欠き部317と、第三の内側板構成領域252に形成されている第二の切り欠き部337と、を含む。突出部276、277と、第一の切り欠き部317と、第二の切り欠き部337とにより、内部空間配置領域27が保温箱1の内部の空間を仕切る状態が維持できる。
立設状態維持部37は、外側板構成領域24を第一の境界部分24Aで折り曲げた際に、外側板構成領域24が底板構成領域21に対して立設した状態を維持する。本実施の形態において、第二の内側板構成領域281に形成される嵌め込み凹部321、322と、第四の内側板構成領域282に設けられる嵌め込み部341、342とは、立設状態維持部37でもある。嵌め込み凹部321、322と嵌め込み部341、342とにより、第一の外側板構成領域241および第三の外側板構成領域243が底板構成領域21に対して立設した状態が維持できる。
次に、この発明の一実施形態に係る保温構造体2を保温箱1に組み立てる手順の一例について説明する。図13は、保温構造体2を保温箱1に組み立てる際の工程を示すフローチャートである。
図13を参照して、まず、図1に示す形状の保温構造体2を準備し、第一の内側板構成領域251および第三の内側板構成領域252を折り曲げる(図13において、ステップS11、以下、「ステップ」を省略する)。図14は、保温構造体2の第一の内側板構成領域251および第三の内側板構成領域252を折り曲げた状態の中間体を示す斜視図である。図1および図14を参照して、第一の内側板構成領域251を第二の境界部分24Bで矢印R1の方向に折り曲げる。このようにして、第一の内側板構成領域251は、第一の外側板構成領域241に重なるように配置される。同様に、第三の内側板構成領域252を第二の境界部分24Bで矢印R2の方向に折り曲げて、第三の内側板構成領域252は第三の外側板構成領域243に重なるように配置される。この時に、第一の外側板構成領域241の突出部52と、第三の外側板構成領域243の突出部72とが表れる。
図15は、第一の外側板構成領域241および第二の外側板構成領域242を立設させた状態の中間体を示す斜視図である。図14および図15を参照して、第一の外側板構成領域241および第三の外側板構成領域243が折り曲げられる(S13)。より具体的には、第一の外側板構成領域241および第三の外側板構成領域243を第一の境界部分24Aでそれぞれ矢印R5、R6の方向に立設させながら折り曲げて、第二の内側板構成領域281の嵌め込み凹部321、322に第四の内側板構成領域282の嵌め込み部341、342を嵌め込む。このときに、第二の内側板構成領域281に形成される凹部323に第一の内側板構成領域251の突起部312が嵌め込まれる。同様に、第四の内側板構成領域282に形成されている凹部343に第三の内側板構成領域252の突起部332が嵌め込まれる。立設状態維持部37としての嵌め込み凹部321、322と、嵌め込み部341、342とにより、第一の外側板構成領域241および第三の外側板構成領域243が底板構成領域21に対して垂直に立設した状態が維持できる。また、保持部31としての突起部312と、凹部323とにより、第一の内側板構成領域251の折り曲げ方向R1への移動が規制され、第一の内側板構成領域251が第一の外側板構成領域241に重ねられた状態が維持できる。保持部31としての突起部332と、凹部343とにより、第三の内側板構成領域252の折り曲げ方向R2への移動が規制され、第三の内側板構成領域252が第三の外側板構成領域243に重ねられた状態が維持できる。
図16は、第二の内側板構成領域281および第四の内側板構成領域282が折り曲げられた状態の中間体を示す斜視図である。図16を参照して、第二の内側板構成領域281の嵌め込み凹部321、322と、第四の内側板構成領域282の嵌め込み部341、342とが嵌め合うことで、第二の内側板構成領域281と第四の内側板構成領域282とが面一となっている。第二の内側板構成領域281に形成される凹部323に第一の内側板構成領域251の突起部312が嵌め込まれることで、第一の内側板構成領域251は第二の内側板構成領域281に当接している。同様に、第四の内側板構成領域282に形成される凹部343に第三の内側板構成領域252の突起部332が嵌め込まれることで、第三の内側板構成領域252は第四の内側板構成領域282に当接している。理解の容易の観点から一点鎖線で示す領域Vが、第四の内側板構成領域282に形成される凹部343に第三の内側板構成領域252の突起部332が嵌め込まれている領域である。
図17は、内部空間配置領域27が折り曲げられた状態の中間体を示す斜視図である。図16、図17を参照して、第四の外側板構成領域244を折り曲げる(S13)。より具体的には、第四の外側板構成領域244を第一の境界部分24Aで矢印R7の方向に折り曲げながら、内部空間配置領域27を折り曲げると共に、接続部構成領域26を第三の境界部分24Cで折り曲げる。この時、第四の外側板構成領域244は、第二の内側板構成領域281および第四の内側板構成領域282に重ねられる。また、内部空間配置領域27の突出部277は、第一の内側板構成領域251に形成されている第一の切り欠き部317に嵌め込まれる。同様に、突出部276は、第三の内側板構成領域252に形成されている第二の切り欠き部337に嵌め込まれる。その結果、内部空間配置領域27は底板構成領域21に対して垂直に交わるように配置され、第四の外側板構成領域244、接続部構成領域26および内部空間配置領域27によって囲まれた空間Sが形成される。このように、保持部31としての嵌め込み部341、342と、嵌め込み凹部321、322とにより、第二の内側板構成領域281および第四の内側板構成領域282が第四の外側板構成領域244に重ねられた状態が維持できる。また、仕切り状態維持部36としての突出部276、277と、第一の切り欠き部317と、第二の切り欠き部337とにより、内部空間配置領域27が保温箱1の内部の空間を仕切る状態が維持できる。なお、第一の切り欠き部317および第二の切り欠き部337には、テーパー状の傾斜部318、338が設けられている。このため、突出部276、277を容易に嵌め込むことができる。なお、図17に示す第一の外側板構成領域241および第三の外側板構成領域243が底板構成領域21に対して立設した状態において、収容されるべき物体を天板構成領域23が位置する側から底板構成領域21に配置するようにしてもよい。
図17を参照して、第二の外側板構成領域242を折り曲げる(S14)。より具体的には、第二の外側板構成領域242を第一の境界部分24Aで矢印R8の方向に折り曲げながら、天板構成領域23を折り曲げる。この時に、第二の外側板構成領域242に形成される凹部65には、第一の外側板構成領域241の突出部52が嵌め込まれる。同様に、第二の外側板構成領域242に形成される凹部66には、第三の外側板構成領域243の突出部72が嵌め込まれる。そして、第一の外側板構成領域241に形成されている凹部54には、天板構成領域23の突出部231が嵌め込まれる。同様に、第三の外側板構成領域243に形成されている凹部74には、天板構成領域23の突出部232が嵌め込まれる。このようにして、図4に示す保温箱1が組み立てられる。
このような構成の保温構造体2によれば、第一の境界部分24Aで外側板構成領域24を折り曲げ、第二の境界部分24Bで内側板構成領域25を折り曲げることで、容易に底板11と側板10とを含む箱の形状とすることができる。使用しない状態においては、薄い板状のまま複数枚を積み重ねることができ、かさばらないようにして効率的な保管を図ることができる。外側板構成領域24と内側板構成領域25とが重ねられた側板10は、複数の板状部材から構成されているため、保温箱1の断熱性の向上を図ることができる。内側板構成領域25は、保持部31によって重ねられた状態が保持されているため、保温箱1の内部空間に収容される物体と側板10との干渉を避けることができる。このような保温構造体2は、第一の境界部分24Aおよび第二の境界部分24Bについて第二の被覆層43を残しながら、保温構造体2の外形形状の全体を切り落とすようにして、刃を有する部材で板厚方向に打ち抜いて製造することができる。したがって、製造工程の簡略化を図ることができ、製造コストの低減を図ることができる。その結果、このような保温構造体2は、効率的な保管を図ることができると共に断熱性の向上を図ることができ、製造コストの低減を実現することができる。
図18は、保温構造体2を保管するために折り畳んだ状態の一例を示す斜視図である。図1および図18を参照して、底板構成領域21と第二の外側板構成領域242との第一の境界部分24Aで第二の外側板構成領域242を折り曲げる。次に、第一の外側板構成領域241と第一の内側板構成領域251との第二の境界部分24Bで第一の内側板構成領域251を折り曲げる。次に、第三の外側板構成領域243と第三の内側板構成領域252との第二の境界部分24Bで第三の内側板構成領域252を折り曲げる。その結果、図18に示すように折り畳まれた状態の保温構造体2を形成することができる。このような構成とすることで、保温構造体2をより省スペースに保管することができる。
図19は、扉部274が開いた状態を示す斜視図である。なお、上記実施の形態においては、内部空間配置領域27には貫通孔272が形成されている。さらに、内部空間配置領域27には貫通孔272a、272b、272c、272dが形成されている。このような構成とすることで、例えば、空間Sに保冷剤を配置し、保冷を要する物体を配置する領域と、保冷剤が配置される領域とを離隔して配置すると、保冷剤から発せられる冷気を、保冷を要する物体が収容される空間に送ることができる。内部空間配置領域27には突出部278d、278e、278fが形成されている。このような構成とすることで、空間Sに配置される物体が空間Sから移動してしまうことを防止することができる。内部空間配置領域27に設けられている扉部274、275を図19に示すように開けることで、内部空間配置領域27に形成されている貫通孔272のY軸方向から平面的に見た時の面積をより大きくすることができる。このため、例えば、空間Sに保冷剤を配置した場合には、扉部274、275を開閉することで保冷剤から送られる冷気の量を調整することができる。
なお、上記実施の形態においては、保持部31は、第一の内側板構成領域251および第三の内側板構成領域252に設けられ、Y軸方向に突出する突起部312、332と、突起部312、332を受け入れる受け入れ凹部としての凹部323、343と、を含む。このような構成とすることで、突起部312、332を凹部323、343に嵌め込むことにより、第一の内側板構成領域251および第三の内側板構成領域252が折り曲げ方向R1、R2に移動することを規制することができる。
なお、上記実施の形態においては、第四の外側板構成領域244における第二の境界部分24Bとは異なる第三の境界部分24Cにおいて第四の外側板構成領域244と第二の被覆層43で接続されており、第三の境界部分24Cで折り曲げた際に保温箱1の内部の空間を仕切る内部空間配置領域27を含み、保温箱1の内部空間を仕切る仕切り構成領域28を備える。このような構成とすることで、第三の境界部分24Cで折り曲げた際に保温箱1の内部に内部空間配置領域27によって仕切られた複数の領域を形成することができる。このため、仕切られた複数の空間にそれぞれ物体を入れることができる。また、保温構造体2として一体で製造されるため、円滑な組み立てが容易となる。
なお、上記実施の形態においては、保温箱1は、直方体形状であって、底板11と対向する位置に配置される天板16を含む。底板構成領域21は、Z軸方向から平面的に見て、矩形状に割り当てられており、外側板構成領域24は、第一の外側板構成領域241と、第二の外側板構成領域242と、第三の外側板構成領域243と、第四の外側板構成領域244と、を含み、底板構成領域21の各辺に相当する部分において、それぞれ第二の被覆層43で接続されている。第一の内側板構成領域251は、第一の外側板構成領域241の第二の境界部分24Bにおいて、第二の被覆層43で接続されている。第三の内側板構成領域252は、第三の外側板構成領域243の第二の境界部分24Bにおいて、第二の被覆層43で接続されている。このような構成とすることで、保温構造体2を箱状に折り曲げた際に、物体を収容することができる十分な空間を内部に形成することができる。
なお、上記実施の形態において、外側板構成領域24は、第一の外側板構成領域241、第二の外側板構成領域242、第三の外側板構成領域243、および第四の外側板構成領域244のそれぞれを第一の境界部分24Aで折り曲げた際に、第一の外側板構成領域241と第三の外側板構成領域243とが対向すると共に、第二の外側板構成領域242と第四の外側板構成領域244とが対向するように配置されている。内側板構成領域25は、第一の外側板構成領域241の第二の境界部分24Bにおいて、第一の外側板構成領域241と第二の被覆層43で接続され、第二の境界部分24Bで折り曲げた際に第一の外側板構成領域241に対して保温箱1の内側で重なるように配置される第一の内側板構成領域251と、第三の外側板構成領域243の第二の境界部分24Bにおいて、第三の外側板構成領域243と第二の被覆層43で接続され、第二の境界部分24Bで折り曲げた際に第三の外側板構成領域243に対して保温箱1の内側で重なるように配置される第三の内側板構成領域252と、を含む。このような構成とすることで、2つの側板10において外側板構成領域24と内側板構成領域25とが重ねられた配置状態とすることができる。このため、保温箱1の断熱性をより向上させることができる。
なお、上記実施の形態においては、保温構造体2において、外側板構成領域24は、第一の外側板構成領域241、第二の外側板構成領域242、第三の外側板構成領域243、および第四の外側板構成領域244のそれぞれを第一の境界部分24Aで折り曲げた際に、第一の外側板構成領域241と第三の外側板構成領域243とが対向すると共に、第二の外側板構成領域242と第四の外側板構成領域244とが対向するように配置されている。内側板構成領域25は、第一の外側板構成領域241の第二の境界部分24Bにおいて、第一の外側板構成領域241と第二の被覆層43で接続され、第二の境界部分24Bで折り曲げた際に第四の外側板構成領域244に対して保温箱1の内側で重なるように配置される第二の内側板構成領域281と、第三の外側板構成領域243の第二の境界部分24Bにおいて、第三の外側板構成領域243と第二の被覆層43で接続され、第二の境界部分24Bで折り曲げた際に第四の外側板構成領域244に対して保温箱1の内側で重なるように配置される第四の内側板構成領域282と、を含む。立設状態維持部37は、第二の内側板構成領域281および第四の内側板構成領域282に形成されており、嵌め合うことで第一の外側板構成領域241および第三の外側板構成領域243を底板構成領域21に対して立設させた状態を維持する凹凸構造を含む。凹凸構造は、嵌め合うことで第二の内側板構成領域281および第四の内側板構成領域282を第四の外側板構成領域244に重ねた配置状態を保持する保持部31を兼ねている。凹凸構造を嵌め合わせるにより、第一の外側板構成領域241および第三の外側板構成領域243が底板構成領域21に対して立設した一定の形態を維持することができると共に、第二の内側板構成領域281および第四の内側板構成領域282が第四の外側板構成領域244に重ねられた配置状態を保持することができる。このため、側板10の一部を立設した状態を維持しながら、保温箱1の内部空間に収容されるべき物体を円滑に収容させることができる。また、保温箱1の内部空間に収容される物体と側板10との干渉を防ぎつつ、保温箱1の断熱性を向上させることができる。
なお、上記の実施の形態においては、断熱部材41は発泡部材としたが、これに限られるものではなく、断熱部材41は、段ボール等であってもよい。
なお、上記の実施の形態において、第一の被覆層42および第二の被覆層43は紙としたが、これに限られるものではなく、第一の被覆層42および第二の被覆層43は樹脂フィルムであってもよい。樹脂フィルムとしては、例えばポリプロピレンフィルム等である。また、第一の被覆層42および第二の被覆層43は、紙に樹脂フィルムが貼り合わせられた積層体であってもよく、例えばクラフト紙にポリプロピレンフィルムが貼り合わせられた積層体等が挙げられる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。