JP2019195954A - 筆記具 - Google Patents
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Abstract
Description
そして、販売個数の多い比較的低価格帯の筆記具においては、前記キャップや軸筒は、樹脂素材を用いた射出成形によるものが多い。したがって、着脱が繰り返されるごとに嵌合係止部分を形成する突起やアンダーカット部分の摩耗が進行し、嵌合力が除々に低下すると共に、嵌合部分の摩耗により表面品質も低下する(外観が見苦しくなる)などの問題を有している。
このドラム状の板ばねを備えた嵌合係止構造は、キャップの内周面側に膨出する短冊状部材の弾性を利用して、軸筒に対して嵌合係止するものであるため、板ばねの素材や寸法形状の誤差により、嵌合力にばらつきが生じ易いという問題を有している。
このOリングを備えた嵌合係止構造によると、Oリングを構成するゴム素材の劣化を受けて数年程度で嵌合係止の機能が喪失し易く、ゴム素材の破断により嵌合係止が不可能になる等の問題も有している。
また、嵌合係止される二部品は、基本的には共に円柱状の外面と円筒状の内面を有するものの組み合わせに限られるものとなる。
また、二部品間の着脱操作に際して、程よいクリック感が得られると共に、円形以外の異形状の外面または内面を有する二部品間の嵌合係止にも好適に利用することができる筆記具を提供することを主要な課題とするものである。
さらに、ガータースプリングは、円形以外の異形状の外面または内面に対して、柔軟に変形して二部品間の嵌合係止に寄与することができるので、異形状の外面または内面を有する筆記具の嵌合係止部分に好適に採用することができる。
なお、以下に示す各図においては、同一部分を同一符号で示しているが、一部の図面においては紙面の都合で代表的な部分に符号を付けて、その詳細ついては、各部品単位で示したそれぞれの図に付けた符号を引用して説明することもある。
すなわち、軸筒2の外周面は両外側に取り付けられる一対の軸飾り21の厚みに相当する分が、予めそぎ落とされて成形されており、前記一対の軸飾り21が軸筒2の長手方向に沿って取り付けられることによって、全体が円柱状に、また前端部付近は緩やかな先細りの円柱状となるように構成されている。
この、ボールペンリフィール3には、前端部側の細く成形された部分に、リフィールスプリング31が装着された状態で、軸筒2内に収容されている。
そして、キャップユニット4は、前記したとおり、ボールペンリフィール3の先端筆記部3aを覆うようにして、軸筒1に対して着脱可能に取り付けられている。
以下、キャップユニット4を構成する各部材について、部品単位で個々に説明する。
そして、キャップ部材41の天部には後で説明するブッシュ材44が収容されるブッシュ収容凹部41aが形成されており、このブッシュ収容凹部41a内には、直線状縁部41bが対向するように形成されることで、内周面が非円形になされている。
また、図10(B)に示すようにキャップ部材41内には、天部に向かって内径を細くする段差部41dが形成されている。この段差部41dは、後で説明する内キャップ46が収容された場合の内キャップの位置決めとして利用される。
なお、この矩形部42dは、キャップユニット4を組み上げる際に、先端が二股状(凹状)に形成された治具(ドライバー)を用いて、キャップ部材41の内側において、天冠42を回動させるために利用される。
すなわち、ブッシュ材44には第1の回り止め部44bと第2の回り止め部44cが形成されることで、このブッシュ材44を介して、キャップ部材41とクリップ43は回り止めされ、天冠42の軸部42bによってクリップ43はキャップ部材41に取り付けられるものとなる。
内キャップ46には、その前端部側に図14に示した止めリング45を収容する円筒状に形成された止めリング収容部46aが備えられ、この止めリング収容部46aにおける周に沿った180度対向する位置には、軸方向に向かって一対の溝部46bが形成されている。この一対の溝部46bは、前記止めリング45に形成された一対のガイド体45eが収容されることで、止めリング45が軸方向にスライドするように機能する。
また、図15(D)に示すように、内キャップ46の後端部側は、末広がりに内外径が拡大され、後端部の外周面には雄ねじ46dが施されている。
また、図15(D)および図4に示すように、内キャップリング47は、後端部から内側に向かって除々に肉厚になされ、軸方向のほぼ中央部に形成された段差部47bから先は薄肉状に成形されて、内キャップリング47は内径が拡大されている。
この構成により、前記段差部47bと内キャップ46の後端部との間で、環状凹部(段差部と同一符号47bで示す。)が形成されている。そして、この環状凹部47bに沿って、ガータースプリング48が収容されている。すなわち、環状凹部47bはガータースプリング48の取り付け凹部を構成している。
なお、ガータースプリングには、ラジアルスプリングやアキシャルスプリングと称される斜め巻きコイルばねを用いたものも存在するが、この実施の形態において用いられるガータースプリング48は、その素材であるコイルばねの巻き方向が、全周にわたり法線方向に巻かれたものを好適に利用することができる。このガータースプリング48は、後で詳しく説明するが、軸筒2の先端筆記部に対して、キャップユニット4が着脱されるに際して、程よいクリック感が出るように作用するものとなる。
このカツラ部材49は、前方円筒部49aと後方円筒部49bは、ドラム状に湾曲されたばね性を利用して、キャップ部材41の後端開口に密着する。また、短冊状に成形されて内側に膨出する弾性部49cは、軸筒2の軸回りに程よく接触して、軸筒2に対するキャップユニット4のがたつき(ぐらつき)が皆無となるように作用する。
そして、螺旋状に層巻きされた部分は、上下に隣接する波形の巻き部の山51eと波形の巻き部の谷51fが対峙するようにして巻き上げられている。したがって、この種のウェーブスプリング51は、コイルドウェーブスプリングとも呼ばれている。
この実施の形態においては、このウェーブスプリング51を利用して、クリップ43を元に戻す(クリップ本体43aをキャップ部材41の側面に向かって閉じる)ように作用させるものとなる。
先ず、図15に示す状態の内キャップ46、内キャップリング47およびガータースプリング48が組まれたユニットにおいて、内キャップ46に形成された止めリング収容部46a内に、止めリング45を収容する。この場合、止めリング45に形成されたガイド体45eが、内キャップ46の溝部46b内に入るように装着する。
そして、止めリング45の第1筒体45aの外周に、ウェーブスプリング51を装着することで、ウェーブスプリング51はスプリング受け部45d上に載置される。
そして、キャップ部材41の天部に形成したブッシュ収容凹部41a内に、ブッシュ材44を装着する。この時、ブッシュ材44に形成された面そぎ部(第1の回り止め部)44bが、ブッシュ収容凹部41aの直線状縁部41bに沿うように、ブッシュ材44を装着する。
この時、止めリング45のガイド体45eが、内キャップ46の溝部46bに沿ってスライドし、止めリング45の回転は阻止されるので、天冠42を効率よく止めリング45に対して締め付けることができる。
したがって、クリップ43の取り付け脚部43cは、天冠42の鍔部42aによってブッシュ材44側に押し付けられ、クリップ本体43aには、キャップ部材41の側面に向かって閉じる付勢力が与えられる。
クリップ43が開かれると、図9に示すようにクリップ43の取り付け脚部43cが、天冠42を押し上げる。これにより、天冠の雄ねじ42cに螺合した止めリング45が引上げられ、止めリング45のスプリング受け部45dと、キャップ部材41の天部内面との間に配置された前記ウェーブスプリング51は圧縮を受ける。
これにより、クリップ本体43aの先端部を無意識に過度に拡開させるのを防止させることができ、クリップの取り付け部分を破損させる問題を回避できる。
また、ウェーブスプリング51は、前記したとおりばね定数が高いので、スプリングの圧縮方向の全長を短縮させることができ、その結果、スプリングの収容容積を減少させることに寄与できる。これにより、製品の長さ方向の寸法を短縮させること、また外径を縮小させることも可能となる。
すなわち、軸筒2側にはガータースプリング48が嵌合係止する係止凹部が形成されており、以下において軸筒2側に施されたガータースプリング48の係止凹部について、主に図3および図4に基づいて説明する
また、前記したキャップ部材41と軸筒2との間に限らず、例えば芯ケースとこの芯ケースの外側に被せるノックカバーとの間においても、さらに他の二部品の間においても、ガータースプリングを介して着脱させることで、同様の作用効果を得ることができる。
2 軸筒(第1部品)
21 軸飾り
21a 面取り部(ガータースプリング係止凹部)
3 ボールペンリフィール
3a ボールペンチップ
4 キャップユニット
41 キャップ部材(第2部品)
41a ブッシュ収容凹部
42 天冠
42a 鍔部(頭部)
42b 軸部
43 クリップ
43a クリップ本体
43b クリップ玉
43c 取り付け脚部
44 ブッシュ材
44a 挿通孔
44b 面そぎ部(第1の回り止め部)
44c クリップ係止突起(第2の回り止め部)
45 止めリング
45d スプリング受け部
46 内キャップ
46d 雄ねじ
47 内キャップリング
47a 雌ねじ
47b 段差部(ガータースプリング取り付け凹部)
48 ガータースプリング(環状スプリング)
49 カツラ部材
51 ウェーブスプリング
Claims (3)
- 軸筒もしくは芯ケースを含む第1部品と、前記第1部品の外側に被せるキャップ部材もしくはノックカバーを含む第2部品とを備えた筆記具であって、
前記第1部品の外周面または第2部品の内周面には、コイルばねの両端部が結合されて環状になされたガータースプリング(環状スプリング)が取り付けられると共に、前記第2部品の内周面または第1部品の外周面には、前記ガータースプリングの少なくとも一部に係止することができる係止凹部が形成され、
前記ガータースプリングと前記係止凹部との間で、前記第1部品と第2部品が着脱可能に取り付けられることを特徴とする筆記具。 - 前記第1部品は軸筒、前記第2部品はキャップ部材であり、前記キャップ部材内には内キャップと内キャップリングの結合体が収容され、前記内キャップと内キャップリングとの間に形成された環状の取り付け凹部内に沿って、前記ガータースプリングが取り付けられ、前記内キャップの後端部における外周面には雄ねじが施され、前記内キャップリングの前端部内周面に雌ねじが施されて、内キャップの雄ねじと内キャップリングの雌ねじが螺合されて両者が結合されると共に、前記内キャップリングに形成された内径が拡大された段差部と、内キャップの後端部との間で、前記環状の取り付け凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の筆記具。
- 前記軸筒の側面には軸飾りが取り付けられ、前記軸飾りに形成された面取り部と前記軸筒との間に、前記ガータースプリングが係止する係止凹部が形成され、前記軸飾りは、前記軸筒の側面における軸対称の位置にそれぞれ配置され、それぞれの軸飾りに形成された前記面取り部と前記軸筒との間に、前記係止凹部が軸筒の周方向に沿って間欠的に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の筆記具。
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