JP2019194344A - 新規イミン基含有樹脂 - Google Patents

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JP2019194344A
JP2019194344A JP2019127346A JP2019127346A JP2019194344A JP 2019194344 A JP2019194344 A JP 2019194344A JP 2019127346 A JP2019127346 A JP 2019127346A JP 2019127346 A JP2019127346 A JP 2019127346A JP 2019194344 A JP2019194344 A JP 2019194344A
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達 天野
Tatsu Amano
達 天野
幸雄 阿部
Yukio Abe
幸雄 阿部
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Gun Ei Chemical Industry Co Ltd
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Gun Ei Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

【課題】ガラス転移温度が高く、低誘電率及び低誘電正接を実現することが可能な樹脂を提供する。【解決手段】フェノール性水酸基を持つヒドロキシアルデヒドモノマーと、ホルムアルデヒド、以下の式(I):[式中、Yは、炭素原子数1〜4のアルコキシル基またはハロゲン原子を表し;R1及びR2は、存在する場合は、各々独立に、炭素数が1〜4のアルキル基を表し;s及びtは、各々独立して、1〜3の整数を表す。]で表される化合物、及び、式1のビフェニル基をモノフェニル基に置き換えた化合物から選択される架橋剤とを反応して得られるアルデヒド含有樹脂、並びに、モノアミン類を反応させて得られたイミン基含有樹脂。【選択図】なし

Description

本発明は、新規イミン基含有樹脂に関わる。また、本発明は、前記イミン基含有樹脂を
含む熱硬化性成形材料に関わる。更に、本発明は、前記熱硬化性成形材料から形成される
樹脂成形物及び半導体封止材にも関わる。
近年、電子製品の高性能化が図られる中、当該製品に使用される樹脂の特性に一層の向
上が求められている。
例えば、耐熱性を向上させ、且つ、吸湿水分の急激な気化膨張に発生するクラックを防
ぐため吸水率を低下させることを目的とし、フェノール類をビフェニル類で架橋して得ら
れる多価ヒドロキシ樹脂と、エポキシ樹脂と、を硬化させて得られる樹脂が提案されてい
る(特許文献1)。かかる樹脂は一般的なノボラック樹脂に比較して、難燃性が向上し、
低い吸水率を有しているが、十分に高いガラス転移温度が得られていない。
一方、フェノール類および多価フェノール類をビフェニル類で架橋させて得られる多価
ヒドロキシ樹脂と、エポキシ樹脂と、を硬化させて得られる樹脂が提案されている(特許
文献2)。かかる樹脂は、レゾルシン、カテコール等の多価フェノール類を構造に組み込
むことにより架橋密度を向上させている。該樹脂では、高いガラス転移温度を実現する一
方で、吸水率が上昇すると共に、熱分解温度も低下している。
従って、高いガラス転移温度、高い熱分解温度および低い吸水率という要求性能の全て
を同時に備えた樹脂は未だ見出されていない。
特開平7−239473号公報 特開2013−43958号公報
本発明は、ガラス転移温度が高く、熱分解温度が高く、且つ、吸水率の低い樹脂を提供
することを目的とする。
本発明者らは、近年の高性能電子製品において種々の特性の向上が要求される状況に鑑
み、エポキシ硬化系ではない別の硬化系でこれらの特性を実現できないか鋭意検討したと
ころ、アルデヒド含有樹脂とアミンとの硬化系を用いることにより、高ガラス転移温度、
高熱分解温度および低吸水率を実現した樹脂を得ることが可能であることを見出し、本発
明を完成した。
即ち、本発明は、
[1] フェノール性水酸基を持つヒドロキシアルデヒドモノマーと、ホルムアルデヒド
、以下の式(I):
Figure 2019194344
[式中、Yは、炭素原子数1〜4のアルコキシル基またはハロゲン原子を表し;
及びRは、存在する場合は、各々独立に、炭素数が1〜4のアルキル基を表し;
s及びtは、各々独立して、1〜3の整数を表す。]
で表される化合物および以下の式(II):
Figure 2019194344
[式中、Zは、炭素原子数1〜4のアルコキシル基またはハロゲン原子を表し;
は、存在する場合は、炭素数が1〜4のアルキル基を表し;
vは、2〜6の整数を表す。]
で表される化合物からなる群より選択される架橋剤とを反応して得られるアルデヒド含有
樹脂、並びに、
モノアミン類
を反応させて得られたイミン基含有樹脂;
[2] 以下の構造単位(A)及び(B):
Figure 2019194344
[式中、
1及び2は、各々、結合手を示し、
ここで、1は、いずれかの2と結合し、
1と1同士、2と2同士は結合することができず、
構造単位(B)の2は、1と結合しない場合は水素を示し、
構造単位(A)は、ポリマー鎖末端の一方を示し、1つのポリマー鎖に一単位存在する

Rは、−CH−であるか、以下の式(III):
Figure 2019194344
(ここで、R及びRは、存在する場合は、各々独立に、炭素数が1〜4のアルキル基
を表す。)
で表されるか、若しくは以下の式(IV):
Figure 2019194344
(ここで、Rは、存在する場合は、炭素数が1〜4のアルキル基を表す。)
で表される。]
からなるポリマー鎖、及び/又は構造単位(B)からなる環状ポリマーを含むアルデヒド
含有樹脂、並びに、
モノアミン類
を反応させて得られたイミン基含有樹脂;
[3] 前記フェノール性水酸基を持つヒドロキシアルデヒドモノマーがオルソヒドロキ
シベンズアルデヒドであり、前記架橋剤が式(I)で表される化合物である、前記[1]
に記載のイミン基含有樹脂;
[4] 前記フェノール性水酸基を持つヒドロキシアルデヒドモノマーがオルソヒドロキ
シベンズアルデヒドであり、前記架橋剤が式(II)で表される化合物である、前記[1
]に記載のイミン基含有樹脂;
[5] 構造単位(A)及び(B)においてアルデヒド基がオルソ位にあり、Rが式(I
II)で表される、前記[2]に記載のイミン基含有樹脂;
[6] 構造単位(A)及び(B)においてアルデヒド基がオルソ位にあり、Rが式(I
V)で表される、前記[2]に記載のイミン基含有樹脂;
[7] 前記モノアミン類が、アリルアミンである、前記[1]〜[6]のいずれか1項
に記載のイミン基含有樹脂;
[8] 前記[1]〜[7]のいずれか1項に記載のイミン基含有樹脂を含む、熱硬化性
成形材料;
[9] 前記[8]記載の熱硬化性成形材料から形成される樹脂成形物;
[10] 前記[8]に記載の熱硬化性成形材料から形成される半導体封止材
を提供するものである。
本発明により、ガラス転移温度が高く、熱分解温度が高く、且つ、吸水率の低い樹脂を
提供することができる。
本発明の樹脂から得られる樹脂成形物は、ガラス転移温度が高く、熱分解温度が高く、
且つ、吸水率が低いことから、高機能性高分子材料として極めて有用であり、熱的、電気
的に優れた材料として半導体封止材、電気絶縁材料、銅張り積層板用樹脂、レジスト、電
子部品の封止用樹脂、液晶のカラーフィルター用樹脂、塗料、各種コーティング剤、接着
剤、ビルドアップ積層板材料、FRPなどの幅広い用途に使用することができる。
本発明の1つの実施態様は、フェノール性水酸基を持つヒドロキシアルデヒドモノマー
と、ホルムアルデヒド、以下の式(I);
Figure 2019194344
[式中、Yは、炭素原子数1〜4のアルコキシル基またはハロゲン原子を表し;
及びRは、存在する場合は、各々独立に、炭素数が1〜4のアルキル基を表し;
s及びtは、各々独立して、1〜3の整数を表す。]
で表される化合物、及び以下の式(II):
Figure 2019194344
[式中、Zは、炭素原子数1〜4のアルコキシル基またはハロゲン原子を表し;
は、存在する場合は、炭素数が1〜4のアルキル基を表し;
vは、2〜6の整数を表す。]
で表される化合物からなる群より選択される架橋剤とを反応して得られるアルデヒド含有
樹脂、並びに、
モノアミン類
を反応させて得られたイミン基含有樹脂である。
フェノール性水酸基を持つヒドロキシアルデヒドモノマーは、両置換基(フェノール性
水酸基及びアルデヒド基)を持つモノマーであれば特に制限はないが、例えば、オルソヒ
ドロキシベンズアルデヒド、パラヒドロキシベンズアルデヒド、メタヒドロキシベンズア
ルデヒド等のモノヒドロキシベンズアルデヒド類、2,3−ジヒドロキシベンズアルデヒ
ド、2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド、
3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド等のジヒドロキシベンズアルデヒド類、2,3,
4−トリヒドロキシベンズアルデヒド、2,4,5−トリヒドロキシベンズアルデヒド、
2,4,6−トリヒドロキシベンズアルデヒド、3,4,5−トリヒドロキシベンズアル
デヒ等のトリヒドロキシベンズアルデヒド類、1−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒド、
2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド、6−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒド等のナ
フトアルデヒド類等が挙げられる。
本発明においては、オルソヒドロキシベンズアルデヒド、パラヒドロキシベンズアルデ
ヒド、メタヒドロキシベンズアルデヒド等のモノヒドロキシベンズアルデヒド類が好まし
く、オルソヒドロキシベンズアルデヒドが特に好ましい。
モノマーとしてオルソヒドロキシベンズアルデヒドを用いると、架橋剤との反応性が良
く、また、反応で残留したモノマーを容易に回収しリサイクルすることが可能である。
前記アルデヒド含有樹脂は、ヒドロキシアルデヒドモノマーと、ホルムアルデヒド、式
(I)で表される化合物および式(II)で表される化合物から成る群より選択される架
橋剤とを反応して得ることができる。
ホルムアルデヒドは、固形のものを用いてもよく、水溶液にして用いてもよいが、固形
のホルムアルデヒドは、水分量が少なくヒドロキシアルデヒドモノマーとの反応性が高い
ことから、固形のホルムアルデヒドを用いることが好ましい。
水溶液のホルムアルデヒドを用いて、脱水しながら反応を行なってもよいが、ホルムア
ルデヒドが留出し、モル比が変化してしまう恐れがある。
次に、式(I):
Figure 2019194344
で表される化合物について説明する。
式中、Yは、炭素原子数1〜4のアルコキシル基またはハロゲン原子を表す。
アルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキ
シ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げ
られ、好ましくはメトキシ基である。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、好ましくは、塩素、
臭素である。
式(I)において、R及びRは、存在していても存在しなくてもよく、存在する場
合は、各々独立に、炭素数が1〜4のアルキル基を表す。R及びRは、同一でも異な
っていてもよい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブ
チル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
及びRは、存在する場合は、夫々、各ベンゼン環上に1〜4個の範囲で存在する
ことができる。
また、Rが、ベンゼン環上に2個以上存在する場合は、各Rは同一でも異なってい
てもよい。Rが、ベンゼン環上に2個以上存在する場合も同様に、各Rは同一でも異
なっていてもよい。
式(I)において、s及びtは、各々独立して、1〜3の整数を表す。好ましくは、s
及びtは1である。
式(I)で示される化合物、即ち、ビス(アルコキシメチル)ビフェニルあるいはビス
(ハロゲン化メチル)ビフェニルは、4,4’−体、2,2’−体、2,4’−体の異性
体であってもよいが、比較的安価であり、ヒドロキシアルデヒドモノマーとの反応性が良
い4,4’−体であることが好ましい。
また、式(II):
Figure 2019194344
で表される化合物は、式中、Zは、炭素原子数1〜4のアルコキシル基またはハロゲン原
子を表す。
アルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキ
シ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げ
られ、好ましくはメトキシ基である。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、好ましくは、塩素、
臭素である。
式(II)において、Rは、存在していても存在しなくてもよく、存在する場合は、
炭素数が1〜4のアルキル基を表す。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブ
チル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
は、存在する場合は、各ベンゼン環上に1〜4個の範囲で存在することができる。
また、Rが、ベンゼン環上に2個以上存在する場合は、各Rは同一でも異なってい
てもよい。
式(II)において、vは、2〜6の整数を表す。好ましくは、vは2である。
式(II)で示される化合物、即ち、ビス(アルコキシメチル)キシレンあるいはビス
(ハロゲン化メチル)キシレンは、4,4’−体、2,2’−体、2,4’−体の異性体
であってもよいが、比較的安価であり、ヒドロキシアルデヒドモノマーとの反応性が良い
4,4’−体であることが好ましい。
本発明において、架橋剤とヒドロキシアルデヒドモノマーのモル比(架橋剤/モノマー
)は、通常0.01〜0.99であり、好ましくは0.05〜0.60である。モル比が
上記の範囲より低いと、歩留まり低下につながり、一方、モル比が上記の範囲より高いと
、ヒドロキシアルデヒドモノマーと架橋剤との反応に時間がかかり、生産性において好ま
しくない。
本発明において、ヒドロキシアルデヒドモノマーと架橋剤とを反応させる際に、触媒を
添加することができる。触媒の種類としては、無機酸(塩酸、硫酸、リン酸、3フッ化ホ
ウ素等)、有機酸(シュウ酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスル
ホン酸等)、アルカリ金属(塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化亜鉛)を使用することがで
き、反応が進行すればこれらの種類に特に制限はない。
また、ビス(ハロゲン化メチル)ビフェニルを架橋剤として用いる場合は、触媒を添加
しなくても反応させることが可能である。
触媒の添加量は、ヒドロキシアルデヒドモノマーに対して、通常は0.01〜10質量
%であり、好ましくは0.10〜1.00質量%である。触媒の添加量が上記範囲より少
ないと反応速度が遅く、上記範囲より多いと反応が急激に進み、反応をコントロールする
ことが難しくなる。
ヒドロキシアルデヒドモノマーと架橋剤とを反応させる温度は、通常10〜250℃で
あり、好ましくは60〜200℃である。反応温度が上記範囲より低いと、反応が進まず
、また、反応温度が上記範囲より高いと、反応を制御することが難しくなり、目的とする
アルデヒド含有樹脂を安定的に得ることが出来ない。
ヒドロキシアルデヒドモノマーと架橋剤とを反応させる際には、常圧下で反応させても
よいし、加圧下で反応させてもよい。
また、架橋剤にホルムアルデヒドを用いた場合、ヒドロキシアルデヒドモノマーとの反
応性が悪いため、初期反応時に、未反応のホルムアルデヒドが系外に留出してしまう恐れ
がある。従って、ホルムアルデヒドの留出抑制、反応率の向上の点で加圧反応をおこなう
ことが好ましい。
本発明において、ヒドロキシアルデヒドモノマーと架橋剤とを反応させた後に、未反応
のヒドロキシアルデヒドモノマーを除去することが好ましい。アルデヒド含有樹脂に未反
応ヒドロキシアルデヒドモノマーが相当量含まれていると、後述する樹脂ワニスから樹脂
成形物等を調製する際、モノアミン類がアルデヒド含有樹脂よりもヒドロキシアルデヒド
モノマーと優先的に反応するため、アルデヒド含有樹脂の硬化反応が妨げられ好ましくな
い。本発明においては、アルデヒド含有樹脂は、未反応のヒドロキシアルデヒドモノマー
を好ましくは1%以下、より好ましくは0.1%以下含有する。
本発明のもう1つの実施態様は、以下の構造単位(A)及び(B):
Figure 2019194344
からなるポリマー鎖、及び/又は構造単位(B)からなる環状ポリマーを含むアルデヒド
含有樹脂、並びに、
モノアミン類
を反応させて得られたイミン基含有樹脂である。
構造単位(A)及び(B)において、1及び2は、各々、結合手を示す。ここで、
1は、いずれかの2と結合する。また、1と1同士、2と2同士は結合する
ことができない。また、構造単位(B)の2は、1と結合しない場合は水素を示す。
構造単位(A)は、ポリマー鎖末端の一方を示し、1つのポリマー鎖に一単位存在する。
Rは、−CH−であるか、以下の式(III):
Figure 2019194344
(ここで、R及びRは、式(I)において定義した通りである。)
で表されるか、又は以下の式(IV):
Figure 2019194344
(ここで、Rは、式(II)において定義した通りである。)
で表される。
構造単位(A)及び(B)からなるポリマー鎖、及び/又は構造単位(B)からなる環
状ポリマーを含むアルデヒド含有樹脂は、フェノール性水酸基を持つヒドロキシアルデヒ
ドモノマーと、ホルムアルデヒド、式(I)で表される化合物および式(II)で表され
る化合物からなる群より選択される架橋剤とを反応して得ることができる。
構造単位(A)及び(B)において、アルデヒド基は、好ましくはオルソ位にある。
ヒドロキシアルデヒドモノマーが、オルソヒドロキシベンズアルデヒド、パラヒドロキ
シベンズアルデヒドの場合は反応点が2つであり、構造単位(B)における2の一方は
結合手であり、他方は水素となる。また、ヒドロキシアルデヒドモノマーが、メタヒドロ
キシベンズアルデヒドの場合は、反応点が3つになり、構造単位(B)における2の両
方が結合手となり得るが、条件によっては、一方が結合手で他方は水素となる場合、又は
両方が水素となる場合もある。
また、構造単位(A)及び(B)からなるポリマー鎖、及び/又は構造単位(B)から
なる環状ポリマーを含むアルデヒド含有樹脂は、未反応のヒドロキシアルデヒドモノマー
を好ましくは1%以下、より好ましくは0.1%以下含有する。
モノアミン類としては、構造中にアミノ基を1個含有していれば特に問題はないが、ア
リルアミン、ベンジルアミン、アニリン、トルイジン、アニシジン、アミノベンゾニトリ
ル等のベンゼン環を含有するアミン、メチルアミン、エチルアミン等のアルキルアミン、
エーテル結合を有するエーテルアミン等が挙げられる。
本発明において好ましくは、アリルアミンが用いられる。理論に拘束されることを意図
するものではないが、モノアミン類としてアリルアミンを使用すると、アリル基同士が重
合することにより、樹脂成形物に高耐熱化を付与することが可能となる。
モノアミン類としてアリルアミンを使用する場合、本願発明のイミン基含有樹脂は例え
ば、以下の式:
Figure 2019194344
(式中、nは1〜30の整数であり、Rは上述した通りである)
で表される。
アルデヒド含有樹脂およびモノアミン類は例えば、モノアミン類当量/アルデヒド含有
樹脂当量比(モル比)0.5〜1.5で反応する。また、好ましくは、モノアミン類当量
/アルデヒド含有樹脂当量比0.9〜1.1で反応する。前記範囲内の当量比で反応する
ことにより、得られる硬化物に優れた耐熱性を付与することができる。更に、余剰のモノ
アミン類を使用しないため、生産性にも優れる。
アルデヒド含有樹脂とモノアミン類との反応は、これらが反応する温度で実施されれば
、特に制限はない。アルデヒド含有樹脂とモノアミン類とは通常、10〜150℃の温度
範囲で反応し、好ましくは、30〜90℃の温度範囲で反応する。前記温度範囲で反応す
ることにより、モノアミンの沸点以下で反応させることができ、製造安定性に優れる。
本発明のもう1つの実施態様は、前記イミン基含有樹脂を含む、樹脂組成物に関する。
また、本発明の更にもう1つの態様は、前記イミン基含有樹脂を含む、熱硬化性成形材
料に関する。当該樹脂組成物および熱硬化性成形材料には、イミン基含有樹脂に加え、フ
ィラー、硬化触媒、カップリング剤、ワックス、難燃剤等を添加してもよい。
フィラーとしては、溶融シリカ、結晶シリカ、シリカゲル、多孔質シリカ、ガラス、ゼ
オライト、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸カ
ルシウム、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォ
ステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア、タルク、クレイ、マイカ等
の微粉未、又はこれらを球形化したビーズ状のものなどが挙げられる。中でも、線膨張係
数低減の観点からは溶融シリカが、高熱伝導性の観点からはアルミナが好ましい。これら
無機充填剤の1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬化触媒としては、例えば、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、1,
8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のジアザビシクロアルケンなどのシ
クロアミジン化合物、その誘導体、それらのフェノールノボラック塩及びこれらの化合物
に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン
、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ
−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フ
ェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタンなどのπ結合を
もつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物、トリエチレンジアミン、ベンジル
ジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチル
アミノメチル)フェノール等の三級アミン類及びこれらの誘導体、2−メチルイミダゾー
ル、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデ
シルイミダゾール等のイミダゾール類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボ
レート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等
のテトラフェニルボロン塩、トリフェニルホスフィン、ジフェニル(p−トリル)ホスフ
ィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィ
ン、トリス(アルキル・アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルキルフェニル
)ホスフィン、トリス(トリアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルキルフ
ェニル)ホスフィン、トリス(ジアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルコ
キシフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルコキシフェニル)ホスフィン、トリアル
キルホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン等の有
機ホスフィン類等が挙げられる。
カップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシ
シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニ
リノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−[ビス(β−ヒドロキシエチル)]アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、γ−(β−アミノエチル)アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−(ト
リメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N−(ジメトキシメチルシリルイソプロ
ピル)エチレンジアミン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のシ
ラン系カップリング剤、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルト
リス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチ
ル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタ
ネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホ
スファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネ
ート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオ
クタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプ
ロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジア
クリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロ
ピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト
)チタネート等のチタネート系カップリング剤等が挙げられ、これらを単独で用いても2
種以上を組み合わせて用いてもよい。
ワックスとしては、カルナバワックス、モンタン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、高
級脂肪酸金属塩、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス、酸化ポリエチレン、非酸
化ポリエチレン等のポリオレフィン系ワックス等が挙げられ、これらの1種を単独で用い
ても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のもう1つの実施態様は、前記熱硬化性材料から形成することができる樹脂成形
物である。
樹脂成形物には、樹脂成型物が包含されるものとする。樹脂成型物は、例えば、熱硬化
性材料をトランスファーにより80〜200℃で成型し、抜型後150〜250℃で1〜
5時間アフターベークすることにより調製することができる。このような方法で形成され
た樹脂成型物は例えば、半導体封止材である。
本発明のイミン基含有樹脂では、エポキシ硬化を使用しないことにより、架橋密度を向
上させ、高いガラス転移温度を実現している。また、エポキシ硬化を使用していないため
、樹脂の吸水率を低下させることができる。更に、エポキシ由来の熱分解を抑制すること
ができるため高い熱分解温度を実現している。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[測定方法及び測定機器]
後述する合成例で得られた樹脂について、分子量Mw、分散度Mw/Mn、軟化点、溶
融粘度を以下の方法で測定した。
(1)分子量Mwおよび分散度Mw/Mn
GPC測定装置:東ソー社製HLC8120GPC
カラム:TSKgel G3000H+G2000H+G2000H
(2)軟化点
JIS K 6910に従って軟化点を測定した。
(3)溶融粘度
150℃に設定した粘度計(ブルックフィールド社製CAP2000 VISCOME
TER)により150℃における溶融粘度を測定した。
後述する実施例で得られた樹脂成形物について、ガラス転移温度、熱分解温度、吸水率
を以下の方法で測定した。
(4)ガラス転移温度
樹脂成形物を幅1.0mm×長さ5.5mm×厚さ0.2mmに加工し、粘弾性スペク
トロメーター(セイコーインスツルメンツ社製DMS 110)を用いて10℃/分の昇
温速度で30℃〜300℃の範囲で測定した。
(5)熱分解温度
樹脂成形物を示差熱熱重量同時測定装置(セイコーインスツルメンツ社製TG/DTA
6300)により、エアー雰囲気下で熱重量減量を測定し、5%熱分解開始温度を求めた

(6)吸水率
熱硬化性成形材料から吸水率評価用の試験片(直径50mm、厚さ3mm)を作成し、
プレッシャークッカーに作成した試験片と純水(20ml)を入れ、121℃のオーブン
を用いて20時間後の重量増加を測定し、吸水率を算出した。
[合成例1]
オルソヒドロキシベンズアルデヒドとホルムアルデヒドの反応(モル比=0.40)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量1Lの耐圧製反応容器にオルソヒドロキシベン
ズアルデヒド850g(6.967mol)、92%パラホルムアルデヒド90.9g(
2.788mol)、パラトルエンスルホン酸4.3gを添加し、加圧下で140℃まで
昇温し、4時間加圧反応を行った。加圧反応終了後、100℃まで冷却し加圧を解除した
後、常圧で140℃まで脱水しながら昇温した。その後、140℃で3時間2次反応を行
い、30質量%NaOH水溶液でパラトルエンスルホン酸を中和した。中和塩を水洗で除
去した後、未反応オルソヒドロキシベンズアルデヒドモノマーを除去し、アルデヒド含有
ノボラック樹脂を得た。
得られた樹脂の軟化点は58.1℃、150℃における溶融粘度は0.2Pであった。
ゲル浸透クロマトグラフ分析(以下「GPC」と略記することもある。)による分子量M
wは393、分散度Mw/Mnは1.25であった。
[合成例2]
オルソヒドロキシベンズアルデヒドとビスメトキシメチルビフェニルの反応(モル比=0
.10)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量1Lの反応容器にオルソヒドロキシベンズアル
デヒド850g(6.967mol)、ビスメトキシメチルビフェニル168.6g(0
.696mol)、パラトルエンスルホン酸8.5g(オルソヒドロキシベンズアルデヒ
ドに対して1重量%)を仕込み160℃まで昇温し、4時間反応を行った。反応で副生す
るメタノールは、系外へ除去した。反応終了後、中和、水洗を行い、未反応オルソヒドロ
キシベンズアルデヒドモノマーを除去し、アルデヒド含有ビフェニル樹脂を得た。
得られた樹脂の軟化点は75℃、150℃における溶融粘度は0.6Pであった。ゲル
浸透クロマトグラフ分析による分子量Mwは648、分散度Mw/Mnは1.33であっ
た。
[合成例3]
オルソヒドロキシベンズアルデヒドとビスメトキシメチルビフェニルの反応(モル比=0
.40)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量1Lの反応容器にオルソヒドロキシベンズアル
デヒド850g(6.967mol)、ビスメトキシメチルビフェニル674.5g(2
.787mol)、パラトルエンスルホン酸8.5g(オルソヒドロキシベンズアルデヒ
ドに対して1重量%)を仕込み160℃まで昇温し、4時間反応を行った。反応で副生す
るメタノールは、系外へ除去した。反応終了後、中和、水洗を行い、未反応オルソヒドロ
キシベンズアルデヒドモノマーを除去し、アルデヒド含有ビフェニル樹脂を得た。
得られた樹脂の軟化点は81℃、150℃における溶融粘度は1.2Pであった。ゲル
浸透クロマトグラフ分析による分子量Mwは815、分散度Mw/Mnは1.48であっ
た。
[合成例4]
オルソヒドロキシベンズアルデヒドとパラキシレングリコールジメチルエーテルの反応(
モル比=0.10)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量1Lの反応容器にオルソヒドロキシベンズアル
デヒド850g(6.967mol)、パラキシレングリコールジメチルエーテル115
.5g(0.696mol)、パラトルエンスルホン酸を8.5g(オルソヒドロキシベ
ンズアルデヒドに対して1重量%)を仕込み160℃まで昇温し、4時間反応を行った。
反応で副生するメタノールは、系外へ除去した。反応終了後、中和、水洗を行い、未反応
オルソヒドロキシベンズアルデヒドモノマーを除去し、アルデヒド含有キシリレン樹脂を
得た。
得られた樹脂の軟化点は71℃、150℃における溶融粘度は0.5Pであった。ゲル
浸透クロマトグラフ分析による分子量Mwは551、分散度Mw/Mnは1.31であっ
た。
[合成例5]
オルソヒドロキシベンズアルデヒドとパラキシレングリコールジメチルエーテルの反応(
モル比=0.40)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量1Lの反応容器にオルソヒドロキシベンズアル
デヒド850g(6.967mol)、パラキシレングリコールジメチルエーテル462
.6g(2.787mol)、パラトルエンスルホン酸を8.5g(オルソヒドロキシベ
ンズアルデヒドに対して1重量%)を仕込み160℃まで昇温し、4時間反応を行った。
反応で副生するメタノールは、系外へ除去した。反応終了後、中和、水洗を行い、未反応
オルソヒドロキシベンズアルデヒドモノマーを除去し、アルデヒド含有キシリレン樹脂を
得た。
得られた樹脂の軟化点は80℃、150℃における溶融粘度は1.7Pであった。ゲル
浸透クロマトグラフ分析による分子量Mwは756、分散度Mw/Mnは1.44であっ
た。
次に、合成例で合成したアルデヒド含有樹脂を用いて本発明のイミン基含有樹脂を調製
した。
[実施例1]
合成例1のアルデヒド含有ノボラック樹脂を使用したイミン基含有樹脂(イミン基含有ノ
ボラック樹脂)の調製
合成例1で合成した樹脂100.0gを、トルエン100.0gに溶解し、80℃まで
昇温した。次に、発熱に注意しながらアリルアミン42.0gを2時間かけて添加した。
その後、使用したトルエンを160℃で除去し、軟化点55℃、150℃における溶融粘
度が0.2Pの樹脂Aを得た。ゲル浸透クロマトグラフ分析による分子量はMw433、
分散度Mw/Mnは1.20であった。
[実施例2]
合成例2のアルデヒド含有ビフェニル樹脂を使用したイミン基含有樹脂(イミン基含有ビ
フェニル樹脂)の調製
合成例2で合成した樹脂100.0gを、トルエン100.0gに溶解し80℃まで昇
温した。次に、発熱に注意しながらアリルアミン25.4gを2時間かけて添加した。そ
の後、使用したトルエンを160℃で除去し、軟化点70℃、150℃における溶融粘度
が0.8Pの樹脂Bを得た。ゲル浸透クロマトグラフ分析による分子量Mwは688、分
散度Mw/Mnは1.29であった。
[実施例3]
合成例3のアルデヒド含有ビフェニル樹脂を使用したイミン基含有樹脂(イミン基含有ビ
フェニル樹脂)の調製
合成例3で合成した樹脂100.0gを、トルエン100.0gに溶解し80℃まで昇
温した。次に、発熱に注意しながらアリルアミン23.4gを2時間かけて添加した。そ
の後、使用したトルエンを160℃で除去し、軟化点74℃、150℃における溶融粘度
が1.5Pの樹脂Cを得た。ゲル浸透クロマトグラフ分析による分子量Mwは889、分
散度Mw/Mnは1.41であった。
[実施例4]
合成例4のアルデヒド含有キシリレン樹脂を使用したイミン基含有樹脂(イミン基含有キ
シリレン樹脂)の調製
合成例4で合成した樹脂100.0gを、トルエン100.0gに溶解し80℃まで昇
温した。次に、発熱に注意しながらアリルアミン33.0gを2時間かけて添加した。そ
の後、使用したトルエンを160℃で除去し、軟化点68℃、150℃における溶融粘度
が0.5Pの樹脂Dを得た。ゲル浸透クロマトグラフ分析による分子量Mwは592、分
散度Mw/Mnは1.27であった。
[実施例5]
合成例5のアルデヒド含有キシリレン樹脂を使用したイミン基含有樹脂(イミン基含有キ
シリレン樹脂)の調製
合成例5で合成した樹脂100.0gを、トルエン100.0gに溶解し80℃まで昇
温した。次に、発熱に注意しながらアリルアミン31.0gを2時間かけて添加した。そ
の後、使用したトルエンを160℃で除去し、軟化点72℃、150℃における溶融粘度
が1.3Pの樹脂Eを得た。ゲル浸透クロマトグラフ分析による分子量Mwが806、分
散度Mw/Mnは1.40であった。
[比較例1]
フェノールとパラキシレングリコールジメチルエーテルとの反応による一般的な封止用途
のフェノールキシレンアラルキル樹脂の調製
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量1Lのガラス製フラスコにフェノール235g
(2.5mol)、パラキシレングリコールジメチルエーテル166g(1.0mol)
を入れ、この溶液にパラトルエンスルホン酸0.4gを添加し、150℃にて3時間反応
させた。このとき発生するメタノールは系外へ除去した。反応終了後95℃まで冷却し、
48%KOH水溶液で中和した。未反応モノマーを除去後、水洗し、多価ヒドロキシ樹脂
を得た。得られた樹脂の軟化点は69℃、溶融粘度は0.9Pであった。GPCによる分
子量Mwは801、分散度Mw/Mnは1.53であった。
[比較例2]
フェノールとビスメトキシメチルビフェニルとの反応による一般的な封止用途のフェノー
ルビフェニルアラルキル樹脂の調製
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量1Lのガラス製フラスコにフェノール376g
(4.0mol)、ビスメトキシメチルビフェニル242g(1.0mol)を入れ、こ
の溶液にパラトルエンスルホン酸0.6gを添加し、150℃にて3時間反応させた。こ
のとき発生するメタノールは系外へ除去した。反応終了後95℃まで冷却し、48%KO
H水溶液で中和した。未反応モノマーを除去後、水洗し、多価ヒドロキシ樹脂を得た。得
られた樹脂の軟化点は69℃、溶融粘度は0.9Pであった。GPCによる分子量Mwは
616、分散度Mw/Mnは1.23であった。
上記各実施例および各比較例で得られた調製樹脂を、下記表1に示す調合で、2軸ミキ
シングロール(ダイシン機械株式会社製)を用いて100℃で熱溶融混合した固形物を調
製した。
実施例で得られた調製樹脂を用いた場合、圧力30kgf/cm、175℃の条件下
において3分間トランスファー成型し(フジワ社製TEP12−16)、抜型後230℃
で1時間アフターベークを行い、樹脂成型物の試験片を得た。
また比較例で得られた調製樹脂を用いた場合には、実施例と同じ機器、同条件でトラン
スファー成型し、抜型後180℃で5時間アフターベークを行い、樹脂成型物の試験片を
得た。
試験片に用いた調合と併せ、各実施例および比較例で得られた調製樹脂を用いた試験片
の物性に関する試験結果を表1に示す。なお各成分に関し、表中に単位の表記のない数値
は含有量を表し、該含有量の単位はgである。
Figure 2019194344
表1で示した通り、本発明のイミン基含有樹脂から得られる樹脂成形物は、高いガラス
転移温度を有し、熱分解温度が高く、低吸水率を有していた。
以上より、本発明の樹脂成形物は、高機能性高分子材料として極めて有用であり、熱的
、電気的に優れた材料として半導体封止材、電気絶縁材料、銅張り積層板用樹脂、レジス
ト、電子部品の封止用樹脂、液晶のカラーフィルター用樹脂、塗料、各種コーティング剤
、接着剤、ビルドアップ積層板材料、FRPなどの幅広い用途に使用することができる。

Claims (10)

  1. フェノール性水酸基を持つヒドロキシアルデヒドモノマーと、ホルムアルデヒド、以下
    の式(I):
    Figure 2019194344
    [式中、Yは、炭素原子数1〜4のアルコキシル基またはハロゲン原子を表し;
    及びRは、存在する場合は、各々独立に、炭素数が1〜4のアルキル基を表し;
    s及びtは、各々独立して、1〜3の整数を表す。]
    で表される化合物および以下の式(II):
    Figure 2019194344
    [式中、Zは、炭素原子数1〜4のアルコキシル基またはハロゲン原子を表し;
    は、存在する場合は、炭素数が1〜4のアルキル基を表し;
    vは、2〜6の整数を表す。]
    で表される化合物からなる群より選択される架橋剤とを反応して得られるアルデヒド含有
    樹脂、並びに、
    モノアミン類
    を反応させて得られたイミン基含有樹脂。
  2. 以下の構造単位(A)及び(B):
    Figure 2019194344
    [式中、
    1及び2は、各々、結合手を示し、
    ここで、1は、いずれかの2と結合し、
    1と1同士、2と2同士は結合することができず、
    構造単位(B)の2は、1と結合しない場合は水素を示し、
    構造単位(A)は、ポリマー鎖末端の一方を示し、1つのポリマー鎖に一単位存在する

    Rは、−CH−であるか、以下の式(III):
    Figure 2019194344
    (ここで、R及びRは、存在する場合は、各々独立に、炭素数が1〜4のアルキル基
    を表す。)
    で表されるか、若しくは以下の式(IV):
    Figure 2019194344
    (ここで、Rは、存在する場合は、炭素数が1〜4のアルキル基を表す)
    で表される。]
    からなるポリマー鎖、及び/又は構造単位(B)からなる環状ポリマーを含むアルデヒド
    含有樹脂、並びに、
    モノアミン類
    を反応させて得られたイミン基含有樹脂。
  3. 前記フェノール性水酸基を持つヒドロキシアルデヒドモノマーがオルソヒドロキシベン
    ズアルデヒドであり、前記架橋剤が式(I)で表される化合物である、請求項1に記載の
    イミン基含有樹脂。
  4. 前記フェノール性水酸基を持つヒドロキシアルデヒドモノマーがオルソヒドロキシベン
    ズアルデヒドであり、前記架橋剤が式(II)で表される化合物である、請求項1に記載
    のイミン基含有樹脂。
  5. 構造単位(A)及び(B)においてアルデヒド基がオルソ位にあり、Rが式(III)
    で表される、請求項2に記載のイミン基含有樹脂。
  6. 構造単位(A)及び(B)においてアルデヒド基がオルソ位にあり、Rが式(IV)で
    表される、請求項2に記載のイミン基含有樹脂。
  7. 前記モノアミン類が、アリルアミンである、請求項1〜6のいずれか1項に記載のイミ
    ン基含有樹脂。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のイミン基含有樹脂を含む、熱硬化性成形材料。
  9. 請求項8に記載の熱硬化性成形材料から形成される樹脂成形物。
  10. 請求項8に記載の熱硬化性成形材料から形成される半導体封止材。
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