JP2019190906A - 物理量センサおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】保護膜が破壊されたり剥離することを抑制する。【解決手段】基板20の厚さ方向D1、D2に沿って凹部213が形成されることによってダイヤフラム217が構成されセンサチップ2と、凹部213の壁面に沿って配置された保護膜240と、を備える。そして、保護膜240は、外縁部Eにおける厚さ方向に沿った第1厚さd1が中心部における厚さ方向に沿った厚さ第2厚さd2よりも厚くなり、かつ凹部213の壁面側と反対側の表面240aの全面が曲率を有する曲面形状となるようにする。【選択図】図3

Description

本発明は、凹部に保護膜が配置された物理量センサおよびその製造方法に関するものである。
従来より、凹部が形成されることで構成されるダイヤフラムを有する物理量センサとして、圧力センサが提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、この圧力センサは、シリコン等で構成される基板を有している。そして、基板には、凹部が形成されることによって圧力に応じて変形可能なダイヤフラムが構成されている。なお、凹部は、ドライエッチング等によって形成されるため、側面と底面との連結部が角部となっている。そして、ダイヤフラムには、当該ダイヤフラムの変形に応じて抵抗値が変化するゲージ抵抗が形成されている。
また、このような圧力センサでは、凹部に異物等が付着すると検出精度が低下する可能性がある。このため、上記圧力センサでは、凹部に当該凹部の壁面に沿って基板より異物が付着し難い保護膜が形成されている。
特開2015−197367号公報
しかしながら、上記圧力センサでは、保護膜が凹部の壁面に沿って形成されている。このため、保護膜は、凹部の底面と側面との連結部分を被覆する部分に角部が形成される。したがって、保護膜は、角部に応力が集中し易く、破壊されたり、剥離する可能性がある。
なお、このような問題は、圧力センサに限定されるものではなく、例えば、ダイヤフラムを有する加速度センサや流量センサ等においても同様である。
本発明は上記点に鑑み、保護膜が破壊されたり剥離することを抑制できる物理量センサおよびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1では、ダイヤフラム(217)を有する物理量センサであって、基板(20)の厚さ方向(D1、D2)に沿って凹部(213)が形成されることによってダイヤフラムが構成されたセンサチップ(2)と、凹部の壁面に沿って配置された保護膜(240)と、を備え、凹部は、底面(214)と、底面の外縁部から厚さ方向に沿って突設した側面(215)と、を有し、保護膜は、底面および側面を被覆する状態で配置されており、外縁部(E)における厚さ方向に沿った第1厚さ(d1)が中心部における厚さ方向に沿った第2厚さ(d2)よりも厚くされ、かつ凹部の壁面側と反対側の表面(240a)の全面が曲率を有する曲面形状とされている。
これによれば、保護膜は、表面の全面が曲面形状とされている。このため、保護膜に応力が集中する箇所が存在し難くなり、保護膜が破壊されたり剥離したりすることを抑制できる。
また、請求項6は、請求項1に記載の物理量センサに関する製造方法であり、凹部が形成されたセンサチップを用意することと、保護膜を構成する保護膜成分(241)を溶媒(242)に溶解させた保護膜溶液(243)を用意することと、保護膜溶液を凹部内に塗布することと、保護膜溶液の溶媒を揮発させて保護膜成分を析出させることで保護膜を形成することと、を行い、保護膜溶液を塗布することでは、保護膜溶液における凹部の壁面側と反対側の表面(243a)において、中心部が外縁部よりも底面側に位置し、かつ全面が曲面形状であるメニスカス形状となるようにし、保護膜を形成することでは、メニスカス形状を維持しながら溶媒を揮発させることによって保護膜を形成するようにしている。
これによれば、保護膜の表面における全面が曲面形状とされた物理量センサが製造される。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態における圧力センサの断面図である。 図1中の検出部を示す平面図である。 図2中のIII−III線に沿った断面図である。 図1に示す圧力センサの製造工程を示す断面図である。 第2実施形態における圧力センサの断面図である。 他の実施形態における圧力センサの断面図である。 他の実施形態における圧力センサの断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、物理量センサを圧力センサに適用した例について説明する。本実施形態の圧力センサは、エンジン油圧センサとして用いられ、図示しないエンジンにおける作動油循環経路に対して装着可能に構成される。
まず、本実施形態の圧力センサの基本的な構成について、図1〜図3を参照しつつ説明する。本実施形態の圧力センサ1は、センサチップ2と、回路チップ3と、ボンディングワイヤ4a、4bと、リードフレーム5と、モールド樹脂6等を有する構成とされている。
センサチップ2は、第1基板21と第2基板22とが積層されて一体化された基板20を用いて構成されており、一端部2aと他端部2bとを有する板状とされている。そして、センサチップ2は、一端部2a側に検出部2cが形成され、圧力センサ1が上記の作動油循環経路に装着された場合、作動油内に浸漬されることで作動油圧に応じた電気的な信号(例えば、電圧)を出力するように構成されている。なお、センサチップ2の詳細な構成については後述する。
そして、センサチップ2は、他端部2b側がセンサチップ2の他端部2b側に配置された回路チップ3とボンディングワイヤ4aを介して電気的に接続されている。本実施形態の回路チップ3は、検出部2cにて発生した電気的な信号を処理するための信号処理回路等が形成されたICチップで構成されている。
回路チップ3は、リードフレーム5のアイランド部5aに接着剤等の接合部材7を介して固定されている。そして、回路チップ3は、アイランド部5aの周囲に配置された端子部5bともボンディングワイヤ4bを介して電気的に接続されている。なお、端子部5bは、図1とは別断面においても配置されており、それぞれ回路チップ3とボンディングワイヤ4bを介して電気的に接続されている。
そして、センサチップ2、回路チップ3、ボンディングワイヤ4a、4b、リードフレーム5は、センサチップ2の一端部2a側および端子部5bにおけるアイランド部5a側と反対側の端部が露出するように、モールド樹脂6によって封止されている。
以上が本実施形態における圧力センサ1の基本的な構成である。次に、センサチップ2の詳細な構成、およびセンサチップ2に配置される保護膜240等の詳細な構成について説明する。
ここで、図1では、圧力センサ1は、基板20の厚さ方向が図中上下方向となるように示されている。以下では、基板20の厚さ方向を「基板厚方向」ともいう。また、基板厚方向と平行な一方向であって、第2基板22側から第1基板21側に向かう方向(すなわち、図1における下方向)を「検出方向」ともいう。なお、検出方向は、図1中では、矢印D1にて示す方向となる。また、検出方向と反対の方向を「受圧方向」ともいい、受圧方向は、図1中では、矢印D2にて示す方向となる。さらに、基板厚方向と直交する任意の方向(すなわち、図1における左右方向)を「面内方向」ともいい、面内方向は、図1中では、矢印D3にて示す方向となる。さらに、検出方向を視線として対象物を見ることを「平面視」ともいう。
センサチップ2は、上記のように第1基板21および第2基板22が積層されて構成されている。本実施形態では、第1基板21は、シリコン基板を用いて構成され、第2基板22は、シリコン基板と第1基板21側に配置された図示しない絶縁膜を有して構成されている。そして、第1基板21と第2基板22とは、絶縁膜を介した直接接合等によって接合されることで積層されている。
つまり、第1基板21は、その一対の主面のうちの一方の主面である内側主面211にて第2基板22と接合されている。なお、一対の主面とは、平面視にて略矩形状に形成された平板状の第1基板21が有する三対の外表面のうち、面積が最大となる一対の面である。すなわち、内側主面211は、第1基板21の厚さ方向(すなわち、基板厚方向)を法線方向とする平面である。そして、第1基板21は、第2基板22よりも検出方向側に配置されている。
第1基板21における上記の一対の主面のうちの他方の主面である外側主面212は、検出方向に向かって露出する面であって、内側主面211と平行に設けられている。そして、第1基板21における外側主面212には、凹部としての受圧凹部213が形成されている。受圧凹部213は、検出方向に向かって開口するように形成されている。そして、受圧凹部213内の空間によって検出空間Sが構成されている。検出空間Sは、圧力センサ1が上記の作動油循環経路に装着された場合、作動油が導入され得る領域である。
また、受圧凹部213は、底面214と側面215とを有するように形成されている。底面214は、面内方向と平行な平面とされ、本実施形態では正八角形状に形成されている。側面215は、底面214の外縁部から検出方向に向かって突設されている。具体的には、本実施形態では、側面215は、正八角形状の底面214と直交する八角柱面状に形成されている。そして、第1基板21には、受圧凹部213が形成されることによって内側主面211側に薄肉部216が形成されている。つまり、薄肉部216は、受圧凹部213の底面214と同じ大きさとされている。
そして、薄肉部216の一部は、圧力に応じ、基板厚方向に沿って変形可能なダイヤフラム217を構成する部分とされている。具体的には、ダイヤフラム217は、薄肉部216のうちの外縁部よりも内側の部分にて構成される。後述するように、ダイヤフラム217は、薄肉部216のうちの第2基板22に形成された背面凹部223における開口端の内側の部分となる。
ダイヤフラム217には、複数のゲージ抵抗218が設けられている。ゲージ抵抗218は、第1基板21に対して内側主面211側からイオン注入することによって形成された拡散抵抗部であって、ダイヤフラム217の変形に応じて抵抗値が変化するように構成されている。本実施形態では、ゲージ抵抗218は、4個備えられ、ダイヤフラム217の外縁の近傍に配置されている。そして、各ゲージ抵抗218は、ホイートストンブリッジを構成するように、ダイヤフラム217に形成された接続配線と接続されている。これにより、センサチップ2は、検出空間S内に作動油圧が導入されてダイヤフラム217が変形すると、作動油圧に応じた電気的な信号を出力する。
第2基板22は、第1基板21より受圧方向側に配置されており、その一対の主面のうちの一方の主面である内側主面221にて、第1基板21と接合されている。第2基板22における上記の一対の主面のうちの他方の主面である外側主面222は、内側主面221と平行に設けられている。
そして、第2基板22には、内側主面221側に背面凹部223が形成されている。背面凹部223は、検出方向に向かって開口するように第2基板22に形成された凹部であって、内側主面221から外側主面222に向かって形成された非貫通孔であり、底面224と側面215とを有している。本実施形態では、背面凹部223の底面224は、平面視にて、第1基板21における受圧凹部213の底面214よりも小さく、かつ中心が一致する正八角形状に形成されている。すなわち、背面凹部223の底面224は、平面視にて、第1基板21における受圧凹部213の底面214と同心状に設けられている。
背面凹部223の側面225は、底面224の外縁部から検出方向に向かって突設されている。具体的には、本実施形態では、側面225は、正八角形状の底面224と直交する八角柱面状に形成されている。背面凹部223の側面225は、平面視にて、受圧凹部213の側面215よりも面内方向における内側に設けられている。
そして、第1基板21と第2基板22とが接合されることにより、背面凹部223は、第1基板21に設けられた薄肉部216によって閉塞された状態となる。これにより、背面凹部223によって形成された空間によって空洞部230が形成される。なお、空洞部230は、本実施形態では、真空圧とされている。
また、第1基板21と第2基板22とが接合されることにより、薄肉部216は、第2基板22と接合されていない部分が圧力に応じて変形可能なダイヤフラム217となる。つまり、薄肉部216は、背面凹部223の開口端の内側に位置する部分がダイヤフラム217として機能する部分となる。
そして、上記のように第1基板21と第2基板22とが接合されることでダイヤフラム217が構成されるため、空洞部230は、ダイヤフラム217を挟んで検出空間Sと対向するように設けられた状態となる。このため、本実施形態では、検出空間S内に作動する圧力と、空洞部230との圧力の差圧に応じた電気的な信号を出力する。つまり、本実施形態の検出部2cは、複数のゲージ抵抗218を有するダイヤフラム217と、基板厚方向についてダイヤフラム217の両側に設けられた受圧凹部213及び空洞部230と、を有する構成となる。
なお、センサチップ2は、上記のように他端部2b側が回路チップ3と接続される。本実施形態では、特に図示しないが、第1基板21の内側主面221側には、各ゲージ抵抗218と接続された拡散配線等で構成される引出配線層が他端部2b側まで引き出されるように形成されている。第2基板22には、内側主面221と外側主面222との間を貫通して引出配線層を露出させる貫通孔が形成されており、貫通孔には引出配線層と接続される金属配線層が配置されている。そして、センサチップ2は、この金属配線層が回路チップ3と接続される。これにより、各ゲージ抵抗218と回路チップ3とが接続された状態となる。
以上がセンサチップ2の構成である。そして、センサチップ2における受圧凹部213には、受圧凹部213の底面214に対する異物の付着を抑制するため、コーティング膜としての保護膜240が配置されている。なお、ここでの異物とは、固形異物のみならず、油脂汚れ等の液状異物をも含むものである。本実施形態では、保護膜240は、撥油性であるフッ素系合成樹脂によって構成されている。
具体的には、保護膜240は、受圧凹部213における底面214および側面215のうちの底面214側の部分を被覆するように形成されている。そして、保護膜240のうちの受圧凹部213側と反対側の面、つまり検出空間Sに露出する表面240aは、外縁部Eよりも中心部Cが底面214側に凹んだ形状とされ、かつ全面が曲率を有する滑らかな曲面形状とされている。つまり、保護膜240は、表面240aに角部が形成されていない曲面形状とされている。
なお、保護膜240の外縁部Eとは、言い換えると、保護膜240のうちの受圧凹部213の側面215と接触する部分のことである。保護膜240の中心部Cとは、言い換えると、薄肉部216の中心部を通り、検出方向に沿って延びる仮想線と交差する部分のことである。
また、上記のように、保護膜240は、外縁部Eよりも中心部Cが凹んだ形状とされている。つまり、保護膜240の外縁部Eにおける厚さを第1厚さd1とし、保護膜240のうちの中心部Cにおける厚さを第2厚さd2とすると、第1厚さd1が第2厚さd2より厚くされている。さらに、ダイヤフラム217の厚さを第3厚さd3とすると、第2厚さd2は第3厚さd3よりも薄くされている。例えば、本実施形態では、第1厚さd1は、1μm≦d1≦50μmとされる。第2厚さd2は、2nm≦d2<1000nmとされる。第3厚さd3は、約100μmとされる。
なお、厚さとは、検出方向に沿った長さのことであって、検出方向と平行な方向の長さのことである。本実施形態では、側面215が底面214に対して直交する方向に突設されているため、保護膜240の外縁部Eにおける第1厚さd1は、側面215のうちの保護膜240と接触する部分の検出方向に沿った長さであるともいえる。
さらに、保護膜240は、表面240aにおける外縁部Eの曲率を第1曲率とし、表面240aにおける中心部Cの曲率を第2曲率とすると、第1曲率が第2曲率より大きくされている。例えば、本実施形態では、第1曲率は、1.6×10−4とされ、第2曲率は、3.12×10−7とされている。
以上が本実施形態における圧力センサ1の構成である。次に、本実施形態における圧力センサ1の製造方法について、図4を参照しつつ説明する。なお、保護膜240の製造方法以外の部分については、従来の圧力センサと同様であるため、以下では、保護膜240の製造方法について説明する。また、図4は、図2に相当する断面図である。
まず、図4(a)に示されるように、上記受圧凹部213が形成されたセンサチップ2を用意する。また、保護膜240を構成する保護膜成分241を溶媒242に溶解させた保護膜溶液243を用意する。そして、受圧凹部213に保護膜溶液243を塗布する。本実施形態では、受圧凹部213における開口端まで保護膜溶液243を塗布する。つまり、受圧凹部213における側面215のうちの検出方向における先端部まで保護膜溶液243と接触するように、保護膜溶液243を塗布する。
この際、保護膜溶液243と受圧凹部213の壁面との相互作用により、保護膜溶液243における検出空間S側に露出する部分の表面243aがメニスカス形状となるようにする。具体的には、表面243aにおいて、中心部が外縁部よりも底面214側に位置し、かつ表面243aの全面が曲面形状となるメニスカス形状が構成されるようにする。
ここで、本発明者らの検討によれば、溶媒242、第1基板21の材質、および受圧凹部213の側面215における保護膜溶液243の表面243aと接触する部分の最大幅によっては、上記メニスカス形状が形成されない場合があることが確認された。なお、受圧凹部213の側面215における保護膜溶液243の表面243aと接触する部分の最大幅とは、言い換えると、側面215における保護膜溶液243の表面243aと接触する部分において、対向する部分の最大長さのことである。本実施形態では、上記のように受圧凹部213の開口端まで保護膜溶液243を塗布するため、最大幅は、開口端の最大幅となる。つまり、本実施形態では、上記のように、側面215が底面214に対して直交する方向に突設されているため、図2中では、Lで示す部分が最大幅となる。
このため、センサチップ2を用意する工程、保護膜溶液243を用意する工程では、上記メニスカス形状が形成されるように、受圧凹部213を構成する部分の材質、受圧凹部213の開口端の最大幅、溶媒242の材質が選択される。例えば、本実施形態では、第1基板21は、シリコン基板で構成され、受圧凹部213の最大幅Lが1000μm以下とされ、溶媒242は、アルコールが用いられる。
次に、図4(b)に示されるように、保護膜溶液243における溶媒242を揮発させる。これにより、保護膜溶液243の表面243aは、メニスカス形状を維持したまま底面214側へと変位する。
そして、図4(c)に示されるように、保護膜溶液243における溶媒242を完全に揮発させ、保護膜成分241を析出させることで保護膜240を形成する。これにより、保護膜240は、保護膜溶液243におけるメニスカス形状を維持した状態で形成されるため、表面240aの全面が曲面形状となる。
以上説明したように、本実施形態では、保護膜240は、表面240aの中心部Cが外縁部Eより底面214側に凹み、かつ全面が曲面形状とされている。このため、保護膜240に応力が集中する箇所が存在し難くなり、保護膜240が破壊されたり剥離したりすることを抑制できる。
また、保護膜240は、第1曲率が第2曲率より大きくされている。このため、第2曲率が第1曲率以上とされている場合と比較して、保護膜240の中心部Cの厚さが急峻に厚くなり難くなる。したがって、保護膜240によってダイヤフラム217の変形が阻害され易くなることを抑制でき、検出感度が低下することを抑制できる。
さらに、保護膜240は、第2厚さd2が第3厚さd3より薄くされている。このため、保護膜240は、第2厚さd2が第3厚さd3以上とされている場合と比較して、保護膜240によってダイヤフラム217の変形が阻害され易くなることを抑制でき、検出感度が低下することを抑制できる。
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、受圧凹部213の形状を変更したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、図5に示されるように、受圧凹213部は、検出方向に向かって対向する側面215の間隔が広くなるテーパ状とされている。このような圧力センサ1によれば、第1厚さd1を上記第1実施形態と同じ長さとした場合、上記第1実施形態より保護膜240と受圧凹部213の側面215との接触面積を増加させることができる。したがって、さらに保護膜240が剥離することを抑制できる。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
例えば、上記各実施形態では、圧力センサ1をエンジン油圧センサに適用する例に説明した。しかしながら、上記各実施形態の圧力センサ1を他の圧力を検出するのに適用してもよい。例えば、圧力センサ1は、ブレーキ油圧センサ、変速機油圧センサ、サスペンション油圧センサ、燃料圧センサ等に適用されてもよい。また、圧力センサ1は、吸気圧センサ、排気圧センサ等の車載ガス圧センサに適用されてもよい。さらに、圧力センサ1は、車載センサに限定されるものでもなく、例えば、プラント設備における油圧経路、水圧経路、またはガス圧経路に装着される流体圧センサに適用されてもよい。
さらに、上記各実施形態では、凹部213が形成されることで構成されるダイヤフラム217を有する圧力センサ1を例に挙げて説明した。しかしながら、上記各実施形態は、例えば、凹部213が形成されることで構成されるダイヤフラム217を有し、当該凹部213に保護膜240が配置される加速度センサや流量センサに適用することもできる。
また、上記各実施形態において、第1基板21は、シリコン基板ではなく、炭化珪素(SiC)基板等で構成されていてもよい。また、溶媒242は、アルコールではなく、アセトン等で構成されていてもよい。さらに、保護膜240は、例えば、圧力センサ1が水に晒される環境下で使用される場合には、親水性が高く、例えば、水との接触角が90度以下であり、かつ、第1基板21を構成する材料に比べて水との接触角が小さい材料で構成されていてもよい。このような保護膜240としては、シリカ系コーティング膜、有機系親水化剤、ダイヤモンドライクカーボン等が挙げられる。これによれば、水が保護膜240において留まり易くなり、圧力検出の障害となる物は、保護膜240に留まった水の表面に付着することとなる。このため、その後にその水が圧力検出の障害となる物と共に洗い流されることによって、圧力検出の障害となる物は除去され易くなる。但し、これらの材料を用いる場合には、保護膜溶液243を受圧凹部213に塗布した際、表面243aが上記メニスカス形状となるように、材料の組み合わせや受圧凹部213の大きさ等が適宜設定されることが好ましい。
さらに、上記各実施形態において、受圧凹部213は、底面214が八角形状ではなく、三角形状とされていてもよいし、四角形状とされていてもよい。
また、上記各実施形態において、第1基板21と第2基板22とは、異なる材料によって形成されていてもよい。例えば、第2基板22は、ガラス等によって形成されていてもよい。
さらに、上記各実施形態において、空洞部230は、真空とされていてもよいし、気体、または液体が充填されていてもよい。
また、上記第1実施形態において、例えば、図6に示されるように、第2基板22には、外側主面222から背面凹部223に達する貫通孔226が形成されていてもよい。
そして、上記第2実施形態において、図7に示されるように、受圧凹部213は、検出方向に向かって対向する側面の間隔が狭くなるテーパ状とされていてもよい。なお、このような構成とする場合においても、第1厚さd1、第2厚さd2、第3厚さd3、第1曲率、第2曲率は、上記関係を満たすようにすることが好ましい。
20 基板
213 受圧凹部
214 底面
215 側面
240 保護膜
240a 表面
D1、D2 厚さ方向

Claims (7)

  1. ダイヤフラム(217)を有する物理量センサであって、
    基板(20)の厚さ方向(D1、D2)に沿って凹部(213)が形成されることによって前記ダイヤフラムが構成されたセンサチップ(2)と、
    前記凹部の壁面に沿って配置された保護膜(240)と、を備え、
    前記凹部は、底面(214)と、前記底面の外縁部から前記厚さ方向に沿って突設した側面(215)と、を有し、
    前記保護膜は、前記底面および前記側面を被覆する状態で配置されており、外縁部(E)における前記厚さ方向に沿った第1厚さ(d1)が中心部における前記厚さ方向に沿った第2厚さ(d2)よりも厚くされ、かつ前記凹部の壁面側と反対側の表面(240a)の全面が曲率を有する曲面形状とされている物理量センサ。
  2. 前記保護膜の表面は、前記外縁部の第1曲率が前記中心部の第2曲率より大きくされている請求項1に記載の物理量センサ。
  3. 前記保護膜は、前記第2厚さが前記ダイヤフラムにおける前記厚さ方向に沿った第3厚さ(d3)よりも薄くされている請求項1または2に記載の物理量センサ。
  4. 前記凹部は、対向する前記側面の間隔が開口端側に向かって広くなるテーパ状とされている請求項1ないし3のいずれか1つに記載の物理量センサ。
  5. 前記センサチップは、前記凹部内の空間で構成される検出空間(S)に圧力が導入されることで当該圧力に応じた電気的な信号を出力する請求項1ないし4のいずれか1つに記載の物理量センサ。
  6. 基板(20)の厚さ方向(D1、D2)に沿って凹部(213)が形成されることによってダイヤフラム(217)が構成されたセンサチップ(2)と、
    前記凹部の壁面に沿って配置された保護膜(240)と、を備え、
    前記凹部は、底面(214)と、前記底面の外縁部から前記厚さ方向に沿って突設した側面(215)と、を有し、
    前記保護膜は、前記底面および前記側面を被覆する状態で配置されており、外縁部(E)における前記厚さ方向に沿った第1厚さ(d1)が中心部における前記厚さ方向に沿った第2厚さ(d2)よりも厚くされ、かつ前記凹部の壁面側と反対側の表面(240a)の全面が曲率を有する曲面形状とされている物理量センサの製造方法であって、
    前記凹部が形成された前記センサチップを用意することと、
    前記保護膜を構成する保護膜成分(241)を溶媒(242)に溶解させた保護膜溶液(243)を用意することと、
    前記保護膜溶液を前記凹部内に塗布することと、
    前記保護膜溶液の溶媒を揮発させて前記保護膜成分を析出させることで前記保護膜を形成することと、を行い、
    前記保護膜溶液を塗布することでは、前記保護膜溶液における前記凹部の壁面側と反対側の表面(243a)において、中心部が外縁部よりも底面側に位置し、かつ全面が曲面形状であるメニスカス形状となるようにし、
    前記保護膜を形成することでは、前記メニスカス形状を維持しながら前記溶媒を揮発させることによって前記保護膜を形成する物理量センサの製造方法。
  7. 前記センサチップを用意すること、および前記保護膜溶液を用意することでは、前記保護膜溶液を塗布することの際、前記保護膜溶液の表面が前記メニスカス形状となるように、前記基板および前記溶媒の材料を選択すると共に、前記凹部のうちの前記保護膜溶液の表面と接触する部分の大きさを設定する請求項6に記載の物理量センサの製造方法。
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