(第1実施例)
(換気システム2の構成)
図1〜図5を参照して、換気システム2について説明する。図1に示すように、換気システム2は、設備システム4と、管理サーバ200と、を備える。
(設備システム4の構成)
図1に示すように、設備システム4は、レンジフード10と、加熱調理器30と、無線LANルータ6と、を備える。レンジフード10及び加熱調理器30は、同じ家屋の同じ室内90(図2参照)に設置されている。レンジフード10及び加熱調理器30は、無線LANルータ6を介して、インターネット8にアクセス可能である。
(レンジフード10の構成)
図1、図2、図4を参照して、レンジフード10について説明する。レンジフード10は、室内90の空気を換気する換気運転を実行可能な装置である。図2に示すように、レンジフード10には、排気ダクト80が接続されている。排気ダクト80は、排気口82に繋がっている。排気口82は、防鳥網84によって閉塞されている。室内90の空気は、レンジフード10、フィルタ86、排気ダクト80、及び、排気口82を通って、屋外に排気される。
レンジフード10は、加熱調理器30の上方に配置されている。レンジフード10は、ファン12と、モータ14(図1参照)と、換気操作部16と、回転数センサ18(図1参照)と、ブザー19(図1参照)と、換気制御部20(図1参照)と、を備える。
ファン12は、モータ14の駆動によって回転し、室内90の空気を屋外に排気する。ファン12は、シロッコファンである。ファン12の回転数が変わるとレンジフード10の風量が変わる。ファン12の回転数(以下では、「ファン回転数」と呼ぶ)は、回転数センサ18によって検出される。
換気操作部16は、電源スイッチ、モード選択スイッチ、風量調整スイッチ等で構成される。電源スイッチは、レンジフード10による換気運転のONとOFFを切り換えるためのスイッチである。モード選択スイッチは、換気運転中の風量が換気制御部20によって自動的に決定される自動換気運転と、換気運転中の運転風量が風量調整スイッチへのユーザの操作に基づいて決定される手動換気運転と、を切り替えるためのスイッチである。風量調整スイッチは、手動換気運転中において、レンジフード10の運転風量(「弱」、「中」、「強」)を切り替えるためのスイッチである。
換気制御部20は、メモリ22を備える。換気制御部20は、メモリ22に格納されているプログラム(図示省略)に従って、レンジフード10の動作を制御する。具体的には、換気制御部20は、モータ14の動作を制御して、レンジフード10に換気運転を実行させる。また、メモリ22には、第1運転テーブル24が記憶されている。第1運転テーブル24は、後述する試運転処理(図6)及び自動換気運転処理(図7)で利用されるテーブルである。図4に示すように、第1運転テーブル24では、運転モードと、供給電圧と、初期回転数と、第1判定回転数と、が対応付けられている。運転モードは、加熱調理器30から受信する情報である。供給電圧は、モータ14に供給する電圧値であり、予め定められている。初期回転数、及び、第1判定回転数は、後述の試運転処理で設定される回転数である。
(加熱調理器30の構成)
図1〜図3、図5を参照して、加熱調理器30について説明する。図2に示すように、加熱調理器30は、レンジフード10の下方に設置される。図3に示すように、加熱調理器30は、システムキッチンに組み込んで使用されるガス燃焼式のビルトインコンロである。加熱調理器30は、本体32と、本体32の上部に配置されており、システムキッチンのカウンタトップに露出する天板34と、を備えている。天板34には、調理対象物である鍋やフライパン等の調理容器70(図2参照)を支持する3つの五徳36a、36b、36cと、それぞれの五徳36a、36b、36cに対応して設けられており、それぞれの五徳36a、36b、36cに支持された調理対象物を加熱する3つのコンロバーナ38a、38b、38cと、が設けられている。コンロバーナ38aには、ガス供給路(図示省略)が接続されている。ガス供給路には、コンロバーナ38aへの燃焼ガスの供給量を調整するための流量調整弁(図示省略)が設けられている。コンロバーナ38aは、コンロバーナ38aに燃焼ガスが供給されている状態でイグナイタ(図示省略)を動作させることで、点火する。コンロバーナ38aへの燃焼ガスの供給量を調整することで、コンロバーナ38aの加熱量を調整することができる。そして、コンロバーナ38aへの燃焼ガスの供給が停止されることで、コンロバーナ38aは消火される。コンロバーナ38b、38cは、コンロバーナ38aと同様の構造を有する。なお、図1では、コンロバーナ38a、38b、38cを総称して、「コンロバーナ38」と表わしている。
本体32は、本体32の内部に設けられて食材を収容するグリル庫40と、本体32の前面に配置されてグリル庫40を開閉するグリル扉42と、グリル扉42の右側に設けられた電源スイッチ46と、グリル扉42の右側に設けられた3つのコンロ操作部48a、48b、48cと、グリル扉42の左側に設けられたグリル操作部50と、を備えている。なお、グリル庫40の内部には、グリル庫40内に収容した食材を加熱するグリルバーナ40a(図1参照)が設けられている。なお、図1では、コンロ操作部48a、48b、48cを総称して、「コンロ操作部48」と表わしている。
コンロ操作部48a、48b、48cは、それぞれ、コンロバーナ38a、38b、38cに対応する。コンロ操作部48aは、コンロバーナ38aの点火及び消火を行うとともに、コンロバーナ38aの加熱量の調整を行うための操作部である。コンロ操作部48aは、オルタネイト型のスイッチである。ユーザによってコンロ操作部48aを消火位置から点火位置に移動させるための操作(以下では、「点火操作」と呼ぶ)が実行されると、コンロバーナ38aが点火され、ユーザによってコンロ操作部48aを点火位置から消火位置に移動させるための操作(以下では、「消火操作」と呼ぶ)が実行されると、コンロバーナ38aが消火される。点火位置とは、コンロ操作部48aの前面が本体32の前面よりも前方に突出している位置であり、消火位置とは、コンロ操作部48aが本体32内に収容されている位置である。また、ユーザは、コンロ操作部48aが点火位置に位置している状態において、コンロ操作部48aを時計方向又は反時計方向に操作することで、コンロバーナ38aの加熱量を調整することができる。コンロ操作部48b、48cは、コンロ操作部48aと同じ構造を有する。
グリル操作部50の構造は、コンロ操作部48aの構造と同様である。ユーザは、グリル操作部50を操作することによって、グリルバーナ40aの点火及び消火を行うとともに、グリルバーナ40aの加熱量の調整を行うことができる。
また、図1に示すように、加熱調理器30は、加熱制御部60を備える。加熱制御部60は、メモリ62を備える。加熱制御部60は、メモリ62に格納されているプログラム(図示省略)に従って、加熱調理器30の動作を制御する。メモリ62は、第1風量テーブル64を備える。第1風量テーブル64は、各バーナの駆動状態に応じて、自動換気運転中のレンジフード10の風量を特定するためのテーブルである。図5を参照して、第1風量テーブル64について説明する。第1風量テーブル64において、「〇」及び「×」は、各バーナの駆動状態を示す。「〇」は、バーナが駆動中であることを示し、「×」は、バーナの駆動が停止していることを示す。第1風量テーブル64では、各バーナの駆動状態に、運転風量(「強」、「中」、「弱」)が対応付けられている。本実施例において、コンロバーナ38a、38bの最大加熱量は、コンロバーナ38cの最大加熱量よりも大きい。このため、第1風量テーブル64では、2個のコンロバーナが駆動している状況において、コンロバーナ38aとコンロバーナ38bとが駆動している場合の運転風量(即ち「中」)は、コンロバーナ38a、38bのうちの一方のコンロバーナとコンロバーナ38cとが駆動している場合の運転風量(即ち「弱」)よりも高い運転風量が設定されている。また、グリルバーナ40aが駆動している場合、コンロバーナが駆動している場合と比較して、煙と臭気が発生しやすい。このため、第1風量テーブル64では、グリルバーナ40aが駆動している場合の運転風量は、「中」又は「強」が設定されている。
(管理サーバ200の構成)
続いて、管理サーバ200について説明する。管理サーバ200は、レンジフード10から受信する情報に基づいて、レンジフード10の異常を判定するためのサーバである。管理サーバ200は、サーバ制御部210を備える。サーバ制御部210は、メモリ212に格納されているプログラム(図示省略)に従って動作する。
(レンジフード10が実行する処理;図6、図7)
続いて、図6、図7を参照して、レンジフード10の換気制御部20によって実行される処理について説明する。
(試運転処理;図6)
図6を参照して、レンジフード10の換気制御部20によって実行される試運転処理について説明する。試運転処理は、レンジフード10が室内90に設置された直後等に実行される処理である。換気制御部20は、ユーザによって試運転処理を実行させるための操作が換気操作部16に実行されると、試運転処理を開始する。
S10において、換気制御部20は、運転風量「強」でレンジフード10を動作させる。換気制御部20は、モータ14への供給電圧として70[V]を供給する。これにより、モータ14及びファン12が駆動する。
S12において、換気制御部20は、回転数センサ18で検出されるファン回転数を利用して、運転風量「強」の初期回転数を特定する。具体的には、換気制御部20は、第1所定時間(例えば、10秒)中のファン回転数の回転数変動が所定回転数(例えば30[rpm])以下となる場合に、第1所定時間中のファン回転数の平均値を、運転風量「強」の初期回転数と特定する。換気制御部20は、初期回転数を特定すると、初期回転数をメモリ22の第1運転テーブル24に記憶させる。
S14において、換気制御部20は、運転風量「強」の第1判定回転数を特定する。換気制御部20は、S12で特定した初期回転数を利用して、運転風量「強」に対応する第1判定回転数を特定する。換気制御部20は、初期回転数に100[rpm]加算した回転数を第1判定回転数と算出する。例えば、初期回転数が1300[rpm]である場合、第1判定回転数は、1400[rpm]と算出される(図4参照)。そして、換気制御部20は、算出した第1判定回転数を、第1運転テーブル24に記憶させる。
S20において、換気制御部20は、運転風量「中」でレンジフード10を動作させる。換気制御部20は、モータ14への供給電圧として50[V]を供給する。これにより、モータ14及びファン12が駆動する。
S22において、換気制御部20は、回転数センサ18で検出されるファン回転数を利用して、運転風量「中」の初期回転数を特定する。S12と同様に、換気制御部20は、第1所定時間中のファン回転数の回転数変動が所定回転数以下になる場合に、第1所定時間中のファン回転数の平均値を、運転風量「中」の初期回転数と特定する。換気制御部20は、初期回転数を特定すると、初期回転数をメモリ22の第1運転テーブル24に記憶させる。
S24において、換気制御部20は、運転風量「中」の第1判定回転数を特定する。換気制御部20は、S22で特定した初期回転数を利用して、運転風量「中」に対応する第1判定回転数を特定する。換気制御部20は、初期回転数に100[rpm]加算した回転数を第1判定回転数と算出する。そして、換気制御部20は、算出した第1判定回転数を、第1運転テーブル24に記憶させる。
S30において、換気制御部20は、運転風量「弱」でレンジフード10を動作させる。換気制御部20は、モータ14への供給電圧として30[V]を供給する。これにより、モータ14及びファン12が駆動する。
S32において、換気制御部20は、回転数センサ18で検出されるファン回転数を利用して、運転風量「弱」の初期回転数を特定する。S12の場合と同様に、換気制御部20は、第1所定時間中のファン回転数の回転数変動が所定回転数以下になる場合に、第1所定時間中のファン回転数の平均値を、運転風量「弱」の初期回転数と特定する。換気制御部20は、初期回転数を特定すると、初期回転数をメモリ22の第1運転テーブル24に記憶させる。
S34において、換気制御部20は、運転風量「弱」の第1判定回転数を特定する。換気制御部20は、S32で特定した初期回転数を利用して、運転風量「弱」に対応する第1判定回転数を特定する。換気制御部20は、初期回転数に100[rpm]加算した回転数を第1判定回転数と算出する。そして、換気制御部20は、算出した第1判定回転数を、第1運転テーブル24に記憶させる。
S40において、換気制御部20は、各運転風量の初期回転数を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、各運転風量の初期回転数をレンジフード10から受信すると、各運転風量の初期回転数を管理サーバ200のメモリ212に記憶させる。S40が終了すると、図6の処理が終了する。
(自動換気運転処理;図7)
続いて、図7を参照して、レンジフード10の換気制御部20によって実行される自動換気運転処理について説明する。換気制御部20は、ユーザによって自動換気運転処理を開始させるための操作が換気操作部16に実行されると、自動換気運転処理を開始する。なお、第1運転テーブル24が図4に表わされる状態である状況を例として、以下の処理を説明する。
S60において、換気制御部20は、加熱調理器30から駆動信号を受信したのか否かを判断する。駆動信号は、加熱調理器30において1個以上のバーナが駆動している場合に送信される信号である。また、駆動信号には、後述する運転風量特定処理(図8)によって特定される換気運転中の運転風量(「弱」、「中」、又は、「強」)が含まれる。駆動信号を加熱調理器30から受信した場合、換気制御部20はS60でYESと判断し、処理はS62に進む。S62において、換気制御部20は、モータ14を駆動させる。換気制御部20は、S60で受信した駆動信号に含まれる運転風量及び第1運転テーブル24を利用して、モータ14に供給する供給電圧を特定し、特定した供給電圧をモータ14に供給する。これにより、モータ14及びファン12が駆動する。
一方、駆動信号を加熱調理器30から受信していない場合、換気制御部20はS60でNOと判断し、処理はS64に進む。S64において、換気制御部20は、加熱調理器30から非駆動信号を受信したのか否かを判断する。非駆動信号は、加熱調理器30において、1個以上のバーナが駆動され、その後に、全てのバーナの駆動が停止される場合に送信される信号である。非駆動信号を加熱調理器30から受信した場合、換気制御部20はS64でYESと判断し、処理はS66に進む。S66において、換気制御部20は、モータ14の駆動を停止させる。S66が終了すると、図7の処理が終了する。一方、非駆動信号を加熱調理器30から受信していない場合、換気制御部20はS64でNOと判断し、処理はS60に戻る。
S70において、換気制御部20は、ファン回転数が第1判定回転数を超えているか否かを判断する。第1判定回転数は、S60で受信した駆動信号に含まれる運転風量に対応する回転数が利用される。例えば、S60で運転風量「強」を受信した場合、第1判定回転数は1400[rpm]である。ファン回転数が第1判定回転を超えている場合、換気制御部20はS70でYESと判断し、処理はS72に進む。なお、ファン回転数が第1判定回転数を超えている場合とは、ファン12に比較的に多量の油が付着している場合、フィルタ86に比較的に多量の油や汚れが付着している場合、排気口82に比較的に多量の埃や油が付着している場合等である。このような状況では、ファン12によって室内90から屋外に排気される風量は、試運転処理でファン12によって室内90から屋外に排気される風量よりも少なくなっている。
S72において、換気制御部20は、S70でYESと判断されている時間を計時するためのタイマをカウントアップする。S72が終了すると、処理はS80に進む。
一方、ファン回転数が第1判定回転数以下である場合に、換気制御部20はS70でNOと判断し、処理はS74に進む。S74において、換気制御部20は、タイマをリセットする。S74が終了すると、処理はS82に進む。
S80において、換気制御部20は、タイマが第2所定時間(例えば、30秒)を超えているか否かを判断する。タイマが第2所定時間未満である場合、換気制御部20はS80でNOと判断し、処理はS82に進む。
S82において、換気制御部20は、加熱調理器30から駆動信号を受信したのか否かを判断する。駆動信号を加熱調理器30から受信した場合、換気制御部20はS82でYESと判断し、処理はS62に戻る。
一方、駆動信号を加熱調理器30から受信していない場合、換気制御部20はS82でNOと判断し、処理はS84に進む。S84において、換気制御部20は、加熱調理器30から非駆動信号を受信したのか否かを判断する。非駆動信号を加熱調理器30から受信した場合、換気制御部20はS84でYESと判断し、処理はS86に進む。S86において、換気制御部20は、モータ14の駆動を停止させる。S86が終了すると、図7の処理が終了する。一方、非駆動信号を加熱調理器30から受信していない場合、換気制御部20はS84でNOと判断し、処理はS70に戻る。
また、S80において、タイマが第2所定時間を超えている場合、換気制御部20はS80でYESと判断し、処理はS90に進む。S90において、換気制御部20は、モータ14への供給電圧を10[V]増加させる。例えば、換気制御部20は、現在の供給電圧が70[V]である場合、供給電圧を80[V]に変更する。また、換気制御部20は、第1運転テーブル24内の供給電圧を10[V]増加させる。具体的には、換気制御部20は、運転風量「強」、「中」、「弱」の供給電圧を、それぞれ、80[V]、60[V]、40[V]に変更する。
S92において、換気制御部20は、ブザー19を利用して、モータ14への供給電圧を10[V]増加させたことをユーザに報知する。なお、モータ14への供給電圧を10[V]増加させたことのユーザへの報知は、レンジフード10の表示部や音声(図示省略)等を利用して実行されてもよい。
S94において、換気制御部20は、S80でYESと判断された際のファン回転数と運転風量とを、管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、当該ファン回転数をメモリ212に記憶させる。
S96において、換気制御部20は、加熱調理器30から駆動信号を受信したのか否かを判断する。駆動信号を加熱調理器30から受信した場合、換気制御部20はS96でYESと判断し、処理はS98に進む。S98において、換気制御部20は、S96で受信した駆動信号に含まれる運転風量及び変更後の第1運転テーブル24を利用して、モータ14に供給する供給電圧を特定し、特定した供給電圧をモータ14に供給する。
一方、駆動信号を加熱調理器30から受信していない場合、換気制御部20はS96でNOと判断し、処理はS100に進む。S100において、換気制御部20は、加熱調理器30から非駆動信号を受信したのか否かを判断する。非駆動信号を加熱調理器30から受信した場合、換気制御部20はS100でYESと判断し、処理はS102に進む。S102において、換気制御部20は、モータ14の駆動を停止させる。S102が終了すると、図7の処理が終了する。なお、換気制御部20は、第1運転テーブル24内の供給電圧が10[V]増加されているので、自動換気運転処理を終了する際に、第1運転テーブル24内の供給電圧を初期状態に戻す。即ち、第1運転テーブル24内の供給電圧を10[V]減算させる。なお、変形例では、換気制御部20は、非駆動信号を受信してからの経過時間が第3所定時間(例えば3分)を超える場合に、自動換気運転処理を終了するように構成されていてもよい。
一方、非駆動信号を加熱調理器30から受信していない場合、換気制御部20はS100でNOと判断し、処理はS96に戻る。
(運転風量特定処理;図8)
続いて、図8を参照して、加熱調理器30の加熱制御部60によって実行される運転風量特定処理について特定する。加熱制御部60は、加熱調理器30の電源がONされている状態において、ユーザによって点火操作がコンロ操作部48又はグリル操作部50に実行されると、運転風量特定処理を開始する。
S110において、加熱制御部60は、第1風量テーブル64を利用して、運転風量を特定する。例えば、コンロバーナ38a、38bが駆動している場合、加熱制御部60は、運転風量を「中」と特定する。
S112において、加熱制御部60は、S110で特定した運転風量を含む駆動信号をレンジフード10に送信する。
S114において、加熱制御部60は、全てのバーナの駆動が停止しているか否かを判断する。全てのバーナの駆動が停止している場合、加熱制御部60はS114でYESと判断し、処理はS116に進む。S116において、加熱制御部60は、非駆動信号をレンジフード10に送信する。S116が終了すると、図8の処理が終了する。一方、1個以上のバーナが駆動している場合、加熱制御部60はS114でNOと判断し、処理はS110に戻る。
(レンジフード10の異常判定処理)
続いて、管理サーバ200のサーバ制御部210によって実行されるレンジフード10の異常判定処理について説明する。レンジフード10の異常判定処理は、図6のS40でレンジフード10から送信される初期回転数と図7のS94でレンジフード10から送信されるファン回転数とを利用して、レンジフード10に異常が発生しているか否かを判断するための処理である。
サーバ制御部210は、各運転風量の初期回転数をレンジフード10から受信すると(図6のS40)、各運転風量の初期回転数をメモリ212に記憶させる。そして、サーバ制御部210は、運転風量とファン回転数をレンジフード10から受信すると(図7のS94)、当該運転風量の初期回転数と今回受信したファン回転数とを比較して、レンジフード10に異常が発生しているか否かを判断する。本実施例では、サーバ制御部210は、メモリ212に記憶されている初期回転数から今回受信したファン回転数を減算した回転数差が、第2判定回転数(例えば、−150[rpm])未満である場合に、レンジフード10に異常が発生していると判断する。サーバ制御部210は、レンジフード10に異常が発生していると判断すると、レンジフード10のユーザに、メールなどを利用して、レンジフード10に異常が発生していることを連絡する。なお、変形例では、サーバ制御部210は、レンジフード10から、運転風量とファン回転数を受信する場合に、運転風量とファン回転数と受信日時とを対応付けてメモリ212に記憶させる。そして、サーバ制御部210は、回転数差が第2判定回転数未満である状態が、所定期間(例えば、1週間)以上継続する場合に、レンジフード10に異常が発生していると判断してもよい。
(具体的なケース;図9)
続いて、図9を参照して、図7、図8の処理によって実行される具体的なケースについて説明する。図9は、第1運転テーブル24が、図4の状態である状況を想定している。また、排気口82に、比較的に多くの埃や油が付着している状況を想定している。
T10において、ユーザによって自動換気運転処理を開始させるための操作が換気操作部16に実行されると、レンジフード10は、自動換気運転処理を開始する。レンジフード10は、加熱調理器30から、駆動信号及び非駆動信号を受信していないため(図7のS60及びS64でNO)、モータ14を駆動させない。
T20において、ユーザによって点火操作がコンロ操作部48a、48bに実行されると、加熱調理器30は、T22において、コンロバーナ38a、38bを点火させ、運転風量特定処理を開始する。そして、加熱調理器30は、コンロバーナ38a、38bが駆動していると判断し、運転風量を「中」と特定し(図8のS110)、T24において、運転風量「中」を含む駆動信号をレンジフード10に送信する(図8のS112)。
レンジフード10は、T24において、運転風量「中」を含む駆動信号を加熱調理器30から受信すると(図7のS60でYES)、T30において、運転風量「中」の供給電圧(50[V])をモータ14に供給し、モータ14を駆動させる(図7のS62)。本ケースでは、排気口82に比較的に多量の埃や油が付着している。このため、モータ14に作用する負荷は、排気口82に埃や油が付着していない場合にモータ14に作用する負荷よりも小さくなる。従って、ファン回転数は、初期回転数(1300[rpm])よりも大きくなる。本ケースでは、ファン回転数が1420[rpm]となる状況を想定している。このような状況では、ファン12によって室内90から屋外に排気される風量は、試運転処理時にファン12によって室内90から屋外に排気されていた風量よりも少なっている。レンジフード10は、ファン回転数が第1判定回転数(1400[rpm])を超えていると判断し(図7のS70でNO)、タイマをカウントアップする(図7のS72)。
レンジフード10は、タイマが第2所定時間よりも大きくなると(図7のS80でYES)、T40において、モータ14への供給電圧を50[V]から60[V]に変更する(図7のS90)。これにより、ファン回転数が増加し、ファン12によって室内90から屋外に排気される空気の風量が増加する。従って、ファン12によって室内90から屋外に排気される風量を、試運転処理時にファン12によって室内90から屋外に排気されていた風量と同じにすることができる。
レンジフード10は、T42において、第1運転テーブル24内の供給電圧を10[V]増加させ、T44において、ブザー19を動作させ、モータ14への供給電圧を10[V]増加させたことをユーザに報知する(図7のS92)。また、図示省略しているが、レンジフード10は、供給電圧を50[V]でモータ14を駆動させていた時のファン回転数(1420[rpm])を管理サーバ200に送信する(図7のS94)。
T50において、ユーザによって消火操作がコンロ操作部48bに実行されると、加熱調理器30は、T52において、コンロバーナ38bを消火する。そして、加熱調理器30は、運転風量を「弱」と特定し(図8のS110)、T54において、運転風量「弱」を含む駆動信号をレンジフード10に送信する(図8のS112)。
レンジフード10は、T54において、運転風量「弱」を含む駆動信号をレンジフード10から受信すると(図7のS96でYES)、T60において、モータ14への供給電圧を60[V]から40[V]に変更する(図7のS98)。
T70において、ユーザによって消火操作がコンロ操作部48aに実行されると、加熱調理器30は、T72において、コンロバーナ38aを消火する。そして、加熱調理器30は、全てのバーナの駆動が停止していると判断し(図8のS114でYES)、T74において、非駆動信号をレンジフード10に送信し(図8のS116)、運転風量特定処理を終了する。
レンジフード10は、T74において、非駆動信号をレンジフード10から受信すると(図7のS100でYES)、T80において、モータ14の駆動を停止させ(図7のS102)、自動換気運転処理を終了する。
上述のように、レンジフード10は、ファン回転数が第1判定回転数を超えている場合(図7のS70でYES)に、モータ14への供給電圧を10[V]増加させる(図7のS90)。これにより、ファン12によって室内90から屋外に排気される風量が増加する。従って、ファン12によって室内90から屋外に排気される空気の風量が、試運転処理でファン12によって室内90から屋外に排気される風量よりも少なくなっても、図7のS70でYESと判断されると、レンジフード10によって、室内90の空気を十分に換気することができる。
また、レンジフード10は、ファン回転数が第1判定回転数を超えている場合(図7のS70でYES)に、ブザー19を利用して、モータ14への供給電圧を10[V]増加させたことをユーザに報知する(図7のS92)。従って、ユーザは、ファン12によって室内90から屋外に排気される空気の実際の風量が、試運転処理においてファン12によって室内90から屋外に排気されていた風量未満となっていたことを知ることができる。これにより、ユーザは、レンジフード10の状態等を確認して、必要なメンテナンスを行うことができる。
また、管理サーバ200のメモリ212には、試運転処理で特定された初期回転数が記憶される。試運転処理時のレンジフード10は、正常である可能性が高い。従って、管理サーバ200は、メモリ212内の初期回転数と、レンジフード10が自動換気運転処理を実行中に受信されるファン回転数とを利用することで、レンジフード10に異常が発生しているか否かを適切に判断することができる。
(対応関係)
レンジフード10、管理サーバ200が、「換気装置」、「外部サーバ」の一例である。換気制御部20及び加熱制御部60が、「制御手段」の一例である。運転風量が、「換気風量」の一例である。図7のS90で変更される前の第1運転テーブル24内の供給電圧、図7のS90で変更された後の第1運転テーブル24内の供給電圧が、「第1の指令値」、「第2の指令値」の一例である。ブザー19が、「報知部」の一例である。メモリ212が、「外部サーバ」の「メモリ」の一例である。
(第2実施例)
第2実施例では、レンジフード10の換気制御部20は、図7の処理に代えて、図10の処理を実行する。また、加熱調理器30の加熱制御部60は、図8の処理に代えて、図11の処理を実行する。なお、実施例間で共通する処理については、同じステップ番号を付して説明を省略する。
(自動換気運転処理;図10)
図10を参照して、本実施例の自動換気運転処理について説明する。
換気制御部20は、タイマが第2所定時間を超えていると判断すると(S80でYES)、S290において、加熱量制限信号を加熱調理器30に送信する。加熱量制限信号は、加熱調理器30の加熱量を制限することを要求するための信号である。そして、S94において、換気制御部20は、S80でYESと判断された時のファン回転数を管理サーバ200に送信する。その後のS96〜S102は、第1運転テーブル24内の供給電圧が変更されていない点を除いて、第1実施例で実行される処理と同様である。
(運転風量特定処理;図11)
図11を参照して、本実施例の運転風量特定処理について説明する。
加熱制御部60は、S112が終了すると、S320において、全てのバーナの駆動が停止しているか否かを判断する。全てのバーナの駆動が停止している場合、加熱制御部60はS320でYESと判断し、処理はS334に進む。一方、1個以上のバーナが駆動している場合、加熱制御部60はS320でNOと判断し、処理はS322に進む。
S322において、加熱制御部60は、加熱量制限信号をレンジフード10から受信したか否かを判断する。加熱量制限信号をレンジフード10から受信していない場合、加熱制御部60はS322でNOと判断し、処理はS110に戻る。一方、加熱量制限信号をレンジフード10から受信した場合、加熱制御部60はS322でYESと判断し、処理はS324に進む。
S324において、加熱制御部60は、2個以上のコンロバーナが駆動しているか否かを判断する。2個以上のコンロバーナが駆動している場合、加熱制御部60はS324でYESと判断し、処理はS326に進む。S326において、加熱制御部60は、駆動中の2個以上のコンロバーナのうち1個のコンロバーナの駆動を停止させる。コンロバーナの駆動を低下させる優先順位は、コンロバーナ38c、コンロバーナ38b、コンロバーナ38aの順である。
一方、2個以上のコンロバーナが駆動していない場合、加熱制御部60はS324でNOと判断し、処理はS328に進む。なお、2個以上のコンロバーナが駆動していない場合とは、1個のコンロバーナが駆動している場合、1個のコンロバーナ及びグリルバーナ40aが駆動している場合、又は、グリルバーナ40aが駆動している場合である。S328において、加熱制御部60は、駆動中のバーナの加熱量を低下させる。1個のコンロバーナ及びグリルバーナ40aが駆動している場合、加熱制御部60は、一方のバーナの加熱量を低下させてもよいし、両方のバーナの加熱量を低下させてもよい。
S330において、加熱制御部60は、ブザー(図示省略)等を利用して、加熱調理器30の加熱量を制限したことをユーザに報知する。なお、加熱調理器30の加熱量を制限したことのユーザへの報知は、加熱調理器30の表示部や音声(図示省略)等を利用して実行されてもよい。なお、変形例では、換気制御部20が、ブザー19等を利用して、加熱調理器30の加熱量が制限されることをユーザに報知してもよい。この場合、換気制御部20は、図10のS290の後に、ブザー19を動作させる。
S332において、加熱制御部60は、全てのバーナの駆動が停止することを監視する。全てのバーナの駆動が停止すると、加熱制御部60はS332でYESと判断し、処理はS334に進む。
S334において、加熱制御部60は、非駆動信号をレンジフード10に送信する。S334が終了すると、図11の処理が終了する。
(具体的なケース;図12)
続いて、図12を参照して、図10、図11の処理によって実行される具体的なケースについて説明する。図11の初期状態は、図9の初期状態と同様である。図9と共通する処理については、同じ符号を付して説明を省略する。
レンジフード10は、タイマが第2所定時間よりも大きくなると(図10のS80でYES)、T240において、加熱量制限信号を加熱調理器30に送信する(図10のS290)。
加熱調理器30は、T240において、加熱量制限信号を加熱調理器30から受信すると(図11のS322でYES)、コンロバーナ38a、38が駆動していると判断し(図11のS324でYES)、T242において、コンロバーナ38bを消火する(図11のS326)。そして、加熱調理器30は、T244において、ブザーを動作させ、加熱調理器30の加熱量が制限されたことをユーザに報知する(図11のS330)。
上述のように、レンジフード10は、ファン回転数が第1判定回転数を超えている場合(図10のS70でYES)に、加熱量制限信号を加熱調理器30に送信する。加熱調理器30は、加熱量制限信号をレンジフード10から受信すると(図11のS322でYES)、動作中のバーナの加熱量を制限する(図11のS326、S328)。これにより、ファン12によって室内90から屋外に排気しなければならない風量が制限される。従って、ファン12によって室内90から屋外に排気される空気の風量が、試運転処理でファン12によって室内90から屋外に排気される風量よりも少なくなっても、図10のS70でYESと判断されると、レンジフード10によって、室内90の空気を十分に換気することができる。
また、加熱調理器30は、2個以上のコンロバーナ38が動作している状態において、加熱量制限信号をレンジフード10から受信すると(図11のS322でYES)、動作中のコンロバーナ38のうちの1個のコンロバーナ38の駆動を停止する。これにより、ファン12によって室内90から屋外に排気されなければならない風量が低下する。従って、ファン12によって室内90から屋外に排気される空気の風量が、試運転処理でファン12によって室内90から屋外に排気される風量よりも少なくなっても、図10のS70でYESと判断されると、レンジフード10によって、室内90の空気を十分に換気することができる。
(第3実施例)
図1に示すように、設備システム4は、警報器100をさらに備える。また、換気制御部20のメモリ22には、第1運転テーブル24に代えて、第2運転テーブル324が記憶されており、加熱制御部60のメモリ62には、第1風量テーブル64に代えて、第2風量テーブル364が記憶されている。また、換気制御部20は、図7の処理に代えて、図15の処理を実行し、加熱調理器30の加熱制御部60は、図8の処理に代えて、図16の処理を実行し、管理サーバ200のサーバ制御部210は、レンジフード10の異常判定処理に代えて、加熱調理器30の異常判定処理(図18)を実行する。なお、実施例間で共通する処理については、同じステップ番号を付して説明を省略する。
(警報器100の構成)
警報器100は、室内90の一酸化炭素(CO)濃度に異常がある場合に、その異常を周囲に知らせる装置である。警報器100は、ブザー102と、一酸化炭素濃度検知センサ104(以下では、「COセンサ104」と記載する)と、警報制御部110と、を備える。警報制御部110は、メモリ(図示省略)に格納されているプログラム(図示省略)に従って、警報器100の動作を制御する。
(第2運転テーブル324;図13)
図13を参照して、第2運転テーブル324について説明する。第2運転テーブル324では、運転モードと、供給電圧と、が対応付けている。
(第2風量テーブル364;図14)
図14を参照して、第2風量テーブル364について説明する。第2風量テーブル364では、各バーナの駆動状態と、運転風量と、加熱量と、が対応付けられている。
(自動換気運転処理;図15)
図15を参照して、本実施例の自動換気運転処理について説明する。
レンジフード10の換気制御部20は、モータ14を駆動させると(S62)、S470において、警報器100から運転風量増加信号を受信したか否かを判断する。運転風量増加信号は、レンジフード10の運転風量を増加させることを要求するための信号である。運転風量増加信号を警報器100から受信した場合、換気制御部20はS470でYESと判断し、処理はS90に進む。その後のS90〜S102は、S94の処理が実行されない点を除いて、第1実施例で実行される処理と同様である。
一方、運転風量増加信号を警報器100から受信していない場合、換気制御部20はS470でNOと判断し、処理はS60に戻る。
(運転風量特定処理;図16)
図16を参照して、本実施例の運転風量特定処理について説明する。
加熱調理器30の加熱制御部60は、駆動信号をレンジフード10に送信すると(S112)、S510において、第2風量テーブル364を利用して、加熱量を特定する。例えば、コンロバーナ38a、38bが駆動している場合、加熱制御部60は、加熱量を「中」と特定する。
S512において、加熱制御部60は、S510で特定した加熱量を含む加熱信号を警報器100に送信する。
また、加熱制御部60は、非駆動信号をレンジフード10に送信すると(S116)、S518において、非駆動信号を警報器100に送信する。S518が終了すると、図16の処理が終了する。
(CO検知処理;図17)
続いて、図17を参照して、警報器100の警報制御部110によって実行されるCO検知処理について説明する。警報制御部110は、警報器100の電源がONされている状態において、加熱調理器30から加熱信号を受信する場合に、CO検知処理を開始する。
S610において、警報制御部110は、COセンサ104で検知されるCO濃度が所定濃度を超えているか否かを判断する。CO濃度が所定濃度を超えている場合、警報制御部110はS610でYESと判断し、処理はS612に進む。
警報制御部110は、S612において、ブザー102を動作させ、CO濃度が所定濃度を超えたことをユーザに報知し、S614において、運転風量増加信号をレンジフード10に送信する。
S616において、警報制御部110は、S610でYESと判断したCO濃度と、S610でYESと判断した時の加熱調理器30の加熱量と、を含む濃度情報を管理サーバ200に送信する。S616が終了すると、図17の処理が終了する。
一方、CO濃度が所定濃度以下である場合、警報制御部110はS610でNOと判断し、処理はS620に進む。S620において、警報制御部110は、非駆動信号をレンジフード10から受信したか否かを判断する。非駆動信号を加熱調理器30から受信していない場合、警報制御部110はS620でNOと判断し、処理はS610に戻る。一方、非駆動信号を加熱調理器30から受信した場合、警報制御部110はS620でYESと判断し、処理はS616に進む。S620でYESと判断された後のS616では、警報制御部110は、加熱量と、CO濃度と、を含む濃度情報を管理サーバ200に送信する。この場合のCO濃度は、図17の処理が開始されてから非駆動信号を受信するまでの間に、COセンサ104で検知された最大のCO濃度である。また、加熱量は、最大のCO濃度が検知された時の加熱調理器30の加熱量である。なお、変形例では、加熱量は、複数の加熱量を含んでもよい。この場合、CO濃度は、複数の加熱量のそれぞれに対する最大のCO濃度を含む。
(加熱調理器30の異常判定処理;図18)
続いて、図18を参照して、管理サーバ200のサーバ制御部210によって実行される加熱調理器30の異常判定処理について説明する。サーバ制御部210は、濃度情報を警報器100から受信すると、異常判定処理を開始する。
S710において、サーバ制御部210は、濃度情報内に含まれる加熱量を特定する。また、サーバ制御部210は、濃度情報をメモリ212に記憶させる。
S712において、サーバ制御部210は、S710で特定した加熱量(以下では、「特定加熱量」と呼ぶ)に対応する判定濃度がメモリ212に記憶されているか否かを判断する。特定加熱量に対応する判定濃度がメモリ212に記憶されていない場合、サーバ制御部210はS712でNOと判断し、処理はS714に進む。なお、S712でNOと判断される場合とは、警報器100から、特定加熱量と同じ加熱量を含む濃度情報を一度も受信していない場合である。
S714において、サーバ制御部210は、特定加熱量に対応する判定濃度を特定する。具体的には、サーバ制御部210は、濃度情報内のCO濃度に所定の濃度幅を加算した濃度を判定濃度と算出する。そして、サーバ制御部210は、算出した判定濃度を、メモリ212に記憶させる。判定濃度は、図16の所定濃度よりも低い濃度である。
一方、特定加熱量に対応する判定濃度がメモリ212に記憶されている場合、サーバ制御部210はS712でYESと判断し、処理はS720に進む。S720において、サーバ制御部210は、濃度情報内のCO濃度が判定濃度を超えているか否かを判断する。CO濃度が判定濃度以下である場合、サーバ制御部210は、S720でNOと判断し、図18の処理を終了する。
一方、CO濃度が判定濃度を超えている場合、サーバ制御部210はS720でYESと判断し、処理はS722に進む。S722において、サーバ制御部210は、加熱調理器30に異常が発生していると判断し、加熱調理器30のユーザに、メールなどを利用して、加熱調理器30に異常が発生していることを報知する。S722が終了すると、図18の処理が終了する。
(具体的なケース;図19)
続いて、図19を参照して、図15〜図18の処理によって実行される具体的なケースについて説明する。図19は、コンロバーナ38a、38bの駆動中に、コンロバーナ38aに異常が発生する状況を想定している。図9、図12と共通する処理については、同じ符号を付して説明を省略する。
加熱調理器30は、T22において、コンロバーナ38a、38bを点火させると、コンロバーナ38a、38bが駆動していると判断し、加熱量を「中」と特定し(図16のS510)、T326において、加熱量「中」を含む加熱信号を警報器100に送信する(図16のS512)。
警報器100は、T326において、加熱調理器30から加熱信号を受信すると、CO検知処理(図17)を開始する。そして、警報器100は、CO濃度が所定濃度以下であると判断し(図17のS610でNO)、加熱調理器30から非駆動信号を受信していないと判断し(図17のS620でNO)、CO検知処理を続行する。
時刻t1において、コンロバーナ38aに異常が発生する。本ケースでは、コンロバーナ38aに供給される空気量が低下する状況を想定している。この場合、COセンサ104によって検知されるCO濃度が上昇する。
警報器100は、時刻t2において、CO濃度が所定濃度を超えていると判断し(図17のS610でYES)、T336において、ブザー102を動作させ、CO濃度が所定濃度を超えたことをユーザに報知する(図17のS612)。そして、警報器100は、T338において、運転風量増加信号をレンジフード10に送信する(図17のS614)。また、図示省略しているが、警報器100は、加熱量「中」と、時刻t2の時点におけるCO濃度と、を含む濃度情報を、管理サーバ200に送信する(図17のS616)。
T350において、ユーザによって消火操作がコンロ操作部48a、48bに実行されると、加熱調理器30は、T352において、コンロバーナ38a、38bを消火する。そして、加熱調理器30は、全てのバーナの駆動が停止していると判断し(図16のS114でYES)、T354において、非駆動信号をレンジフード10に送信し(図16のS116)、T356において、非駆動信号を警報器100に送信する。
レンジフード10は、T354において、非駆動信号をレンジフード10から受信すると(図15のS100でYES)、T360において、モータ14の駆動を停止させ(図15のS102)、自動換気運転処理を終了する。
上述のように、レンジフード10は、COセンサ104で検知されるCO濃度が所定濃度を超えている場合(図17のS610でYES)に、警報器100から運転風量増加信号を受信し(図15のS470でYES)、モータ14への供給電圧を10[V]増加させる(図15のS90)。これにより、ファン12によって室内90から屋外に排気される風量が増加する。従って、加熱調理器30に異常が発生し、ファン12によって室内90から屋外に排気されなければならない空気の風量が多くなっても、レンジフード10によって、室内90の空気を十分に換気することができる。
また、警報器100は、CO濃度が所定濃度を超えている場合(図17のS610でYES)に、ブザー102を利用して、CO濃度が所定濃度を超えたことをユーザに報知する(図17のS612)。従って、ユーザは、加熱調理器30に何らかの異常が発生したことを知ることができる。これにより、ユーザは、加熱調理器30の状態等を確認して、必要なメンテナンスを行うことができる。
また、管理サーバ200のメモリ212には、警報器100から管理サーバ200に最初に送信された濃度情報に基づいて特定される判定濃度が記憶される(図18のS714)。この状態において、加熱調理器30は正常である可能性が高い。従って、管理サーバ200は、メモリ212内の判定濃度と、加熱調理器30が運転風量特定処理を実行中に受信される濃度情報(詳細にはCO濃度)と、を利用すること(図18のS720)で、加熱調理器30に異常が発生しているか否かを適切に判断することができる。
(対応関係)
換気制御部20、加熱制御部60、及び、警報制御部110が、「制御手段」の一例である。図15のS90で変更される前の第1運転テーブル24内の供給電圧、図15のS90で変更された後の第1運転テーブル24内の供給電圧が、「第1の指令値」、「第2の指令値」の一例である。COセンサ104、ブザー102が、それぞれ、「ガス検知手段」、「報知部」の一例である。濃度情報、判定濃度が、それぞれ、「加熱情報」、「初期情報」の一例である。
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
(第1変形例)換気システム2は、排気ダクト80の上流側と下流側の圧力の差である圧力差を検出する差圧センサを備えてもよい。この場合、レンジフード10は、図6の試運転処理において、初期回転数に代えて、圧力差を初期圧力差としてメモリ22に記憶させる。また、レンジフード10は、初期圧力差に所定圧力を加算した圧力差を判定圧力として、メモリ22に記憶させる。レンジフード10は、図7の自動換気運転処理において、圧力センサによって検出される圧力差が判定圧力を超える場合に、モータ14への供給電圧を10[V]増加させる。本変形例では、排気ダクト80が、「排気経路」の一例である。
(第2変形例)上記の実施例では、加熱調理器30が、運転風量を特定している。この構成に代えて、レンジフード10が運転風量を特定してよい。本変形例では、メモリ22に第1風量テーブル64が記憶される。そして、加熱調理器30は、開始信号をレンジフード10から受信すると、各バーナの駆動状態を含む駆動情報をレンジフード10に送信する。レンジフード10は、駆動情報を加熱調理器30から受信すると、駆動情報と第1風量テーブル64を利用して、運転風量を特定する。
(第3変形例)第1運転テーブル24内の初期回転数、第1判定回転数、及び、第2判定回転数は、予め記憶されていてもよい。この場合、換気制御部20は、試運転処理を実行しなくてもよい。
(第4変形例)換気制御部20は、モータ14に供給される電圧、電流等を利用して、モータ14に作用する負荷を特定してもよい。そして、換気制御部20は、当該負荷を利用して、ファン12によって室内90から屋外に排気される風量が、試運転処理でファン12によって室内90から屋外に排気される風量よりも少なくなっているか否かを判断してもよい。
(第5変形例)図5の第1風量テーブル64では、各バーナの駆動状態(即ち、駆動又は停止)に応じて、運転風量が対応付けられている。これに代えて、各バーナの実際の加熱量に応じて、運転風量が対応付けられてもよい。
(第6変形例)加熱調理器30の加熱制御部60は、レンジフード10から開始信号を受信する場合に、図8、図11、又は、図16の運転風量特定処理を開始し、レンジフード10から終了信号を受信する場合に、運転風量特定処理を終了するように構成されていてもよい。本変形例では、レンジフード10の換気制御部20は、ユーザによって自動換気運転処理を開始させるための操作が換気操作部16に実行されると、開始信号を加熱調理器30に送信する。また、換気制御部20は、ユーザによって自動換気運転処理を終了させるための操作が換気操作部16に実行されると、終了信号を加熱調理器30に送信する。
(第7変形例)図10の自動換気運転処理のS290において、レンジフード10の換気制御部20は、加熱量制限信号に代えて、タイマが第2所定時間を超えたことを示す情報を含む超過信号を加熱調理器30に送信してもよい。本変形例では、加熱調理器30の加熱制御部60は、超過信号をレンジフード10から受信する場合に、図11のS324以降の処理を実行する。
(第8変形例)レンジフード10の換気制御部20によって、レンジフード10の異常判定処理が実行されてもよい。本変形例では、換気制御部20は、試運転処理においてメモリ22の第1運転テーブル24に記憶された初期回転数と、自動換気運転処理中のファン回転数と、を利用して、レンジフード10に異常が発生しているか否かを判断する。換気制御部20は、今回のファン回転数から第1運転テーブル24内の初期回転数を減算した回転数差が第2判定回転数未満である場合に、レンジフード10に異常が発生していると判断する。本変形例では、「外部サーバ」を省略可能である。
(第9変形例)第3実施例において、レンジフード10、又は、加熱調理器30が、COセンサ104を備えてもよい。
(第10変形例)加熱調理器30の加熱制御部60によって、加熱調理器30の異常判定処理が実行されてもよい。本変形例では、加熱制御部60は、非駆動信号を警報器100に送信することに応じて、警報器100から濃度情報を受信する。加熱制御部60は、濃度情報内のCO濃度を利用して、判定濃度を算出し、メモリ62に記憶させる。その後、加熱制御部60は、メモリ62内の判定濃度と、警報器100から送信される濃度情報内のCO濃度を利用して、加熱調理器30に異常が発生しているか否かを判断する。加熱制御部60は、濃度情報内のCO濃度が判定濃度を超えている場合に、加熱調理器30に異常が発生していると判断する。本変形例では、「外部サーバ」を省略可能である。
(第11変形例)加熱調理器30は、電磁誘導加熱調理器(IH調理器)であってもよい。
(第12変形例)図7の自動換気運転処理において、S94が終了した後に、処理がS60に戻ってもよい。本変形例では、換気制御部20は、S70及びS80でYESと判断する毎に、S90の処理を実行する。即ち、モータ14への供給電圧を10[V]増加させる処理(S90)が、2回以上実行され得る。
(第13変形例)図11の運転風量特定処理において、加熱制御部60は、例えば、S332の監視と同時的に、S330を実行してからの経過時間が第4の所定時間を超えているのか否かを監視してもよい。そして、S332でYESと判断されることなく、S330を実行してからの経過時間が第4の所定時間を超える場合に、処理はS324に戻ってもよい。本変形例では、加熱制御部60は、例えば、3個のコンロバーナ38a、38b、38cが駆動している状態で、加熱量制限信号をレンジフード10から受信する場合(S324でYES)に、コンロバーナ38cの駆動を停止させる。そして、加熱制御部60は、さらに、コンロバーナ38cの駆動を停止させ、報知を実行(S330)してからの経過時間が第4の所定時間を超えると、S324でYESと判断し、コンロバーナ38bの駆動を停止させる。即ち、本変形例では、S326、S328の処理が、2回以上実行され得る。
(第14変形例)図16のS512、S518、図17のS614、S616、S620の処理が省略されてもよい。本変形例では、CO検知処理は、警報器100の電源がONされる場合に開始される処理であり、警報器100の電源がOFFされるまでの間、継続して実行される処理である。また、警報器100は、所定周期毎(例えば1秒毎)に、COセンサ104で検知されるCO濃度を加熱調理器30に送信するように構成されている。そして、加熱調理器30の加熱制御部60は、S114でNOと判断する毎に、警報器100から受信するCO濃度が所定濃度を超えているのか否かを判断する。加熱制御部60は、CO濃度が所定濃度を超えていると判断する場合に、運転風量増加信号をレンジフード10に送信し、CO濃度が所定濃度を超えていると判断した時のCO濃度と加熱量とを含む情報を管理サーバ200に送信する。また、別の変形例では、図16のS512、S518、図17のS614、S616、S620の処理が省略され、図15のS470で実行される処理が異なっていてもよい。本変形例では、警報器100は、所定周期毎(例えば1秒毎)に、COセンサ104で検知されるCO濃度をレンジフード10に送信するように構成されている。この場合、レンジフード10の換気制御部20は、図15のS470において、警報器100から受信するCO濃度が所定濃度を超えているのか否かを判断する。そして、換気制御部20は、CO濃度が所定濃度を超えていると判断する場合に、S90の処理を実行し、CO濃度が所定濃度を超えていると判断した時のCO濃度と加熱量とを含む情報を管理サーバ200に送信する。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。