JP2019189822A - 共融混合体、ポリマ、電気化学デバイス用電極及びその製造方法、電気化学デバイス、共融混合体電解質組成物、並びにポリマ電解質組成物 - Google Patents
共融混合体、ポリマ、電気化学デバイス用電極及びその製造方法、電気化学デバイス、共融混合体電解質組成物、並びにポリマ電解質組成物 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ポリマを形成可能な新規な共融混合体を提供すること。【解決手段】重合性官能基を有するアンモニウム塩及び水素結合供与体を含む、共融混合体。【選択図】なし
Description
本発明は、共融混合体、ポリマ、電気化学デバイス用電極及びその製造方法、電気化学デバイス、共融混合体電解質組成物、並びにポリマ電解質組成物に関する。
近年、新たな有機材料又は有機流体として、水素結合供与体と水素結合受容体との共融混合体が注目されている。共融混合体は、共融(共晶)によって水素結合供与体及び水素結合受容体の融点よりも低い融点を示す性質を有しており、室温(25℃)付近で液体であるものは深共晶溶媒(Deep Eutectic Solvent)とも呼ばれる。共融混合体は、その組み合わせによって物性を調整できることから、研究開発が活発に行われている(例えば、特許文献1、2)。
本発明は、ポリマを形成可能な新規な共融混合体を提供することを主な目的とする。
本発明の第1の態様は、重合性官能基を有するアンモニウム塩及び水素結合供与体を含む、共融混合体である。重合性官能基を有するアンモニウム塩は、水素結合受容体として作用し得る。このような共融混合体は重合性官能基を有していることから、重合によって共融混合体に由来する構造単位を含有するポリマを形成することが可能となる。
重合性官能基を有するアンモニウム塩は、下記一般式(A)で表されるアンモニウム塩又は下記一般式(B)で表されるアンモニウム塩であってよい。
対アニオンは、Cl−、Br−、I−、PF6 −、及びBF4 −からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
水素結合供与体は、窒素−水素結合を有する化合物及び酸素−水素結合を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。水素結合供与体は、尿素又はチオ尿素であってよい。
重合性官能基を有するアンモニウム塩に対する水素結合供与体のモル比は、1〜4であってよい。
本発明の第2の態様は、上述の共融混合体に由来する構造単位を含有する、ポリマである。
本発明の第3の態様は、集電体と、集電体の少なくとも一方の主面上に設けられた電極合剤層と、を備え、電極合剤層が、電極活物質と、上述の共融混合体と、リチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、及びカルシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の電解質塩と、を含有する、電気化学デバイス用電極である。
本発明の第4の態様は、上述の電気化学デバイス用電極を備える、電気化学デバイスである。電気化学デバイスは、二次電池であってよい。
本発明の第5の態様は、集電体と、集電体の少なくとも一方の主面上に設けられた電極合剤層と、を備える電気化学デバイス用電極の製造方法であって、集電体の少なくとも一方の主面上に電極活物質を含む電極活物質層が設けられた電極前駆体を用意する工程と、電極活物質層に、上述の共融混合体、並びに、リチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、及びカルシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の電解質塩を加える工程と、電極活物質層に加えられた共融混合体を重合して、電極合剤層を形成する工程と、を備える、電気化学デバイス用電極の製造方法である。
本発明の第6の態様は、上述の共融混合体と、リチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、及びカルシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の電解質塩と、を含有する、共融混合体電解質組成物である。
本発明の第7の態様は、上述のポリマと、リチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、及びカルシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の電解質塩と、を含有する、ポリマ電解質組成物である。
本発明によれば、ポリマを形成可能な新規な共融混合体及びこれを用いることによって得られるポリマが提供される。いくつかの形態に係る共融混合体及びポリマは、イオン伝導性の点においても優れる。また、本発明によれば、このようなポリマを用いた電気化学デバイス用電極及びその製造方法、並びに電気化学デバイスが提供される。さらに、本発明によれば、電気化学デバイス(二次電池)の電極合剤層における電極活物質と電解質塩との界面形成に用いられる共融混合体電解質組成物及びポリマ電解質組成物が提供される。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。各図における構成要素の大きさは概念的なものであり、構成要素間の大きさの相対的な関係は各図に示されたものに限定されない。
本明細書における数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書中、「電極」とは、正極又は負極を意味する。電極集電体、電極合剤層、電極活物質、電極活物質層、電極前駆体等の他の類似の表現においても同様である。
本明細書中、(メタ)アクリレートは、アクリレート又はそれに対応するメタクリレートを意味する。(メタ)アクリロイル基等の他の類似表現についても同様である。
本明細書中、略称として以下を用いる場合がある。
[EMI]+:1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン
[DEME]+:N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムカチオン
[Py12]+:N−エチル−N−メチルピロリジニウムカチオン
[Py13]+:N−メチル−N−プロピルピロリジニウムカチオン
[PP13]+:N−メチル−N−プロピルピペリジニウムカチオン
[DADMA]+:ジアリルジメチルアンモニウムカチオン
[MC]+:メタクロイルコリンカチオン
[DAEA]+:[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムカチオン
[FSI]−:ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン
[TFSI]:ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン
[f3C]−:トリス(フルオロスルホニル)カルボアニオン
[BOB]−:ビスオキサレートボラートアニオン
[DADMA][Cl]:ジアリルジメチルアンモニウムクロライド
[MC][Cl]:メタクロイルコリンクロライド
[DAEA][I]:[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムアイオダイド
[P(DADMA)][Cl]:ポリ(ジアリルジメチルアンモニウム)クロライド
[EMI]+:1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン
[DEME]+:N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムカチオン
[Py12]+:N−エチル−N−メチルピロリジニウムカチオン
[Py13]+:N−メチル−N−プロピルピロリジニウムカチオン
[PP13]+:N−メチル−N−プロピルピペリジニウムカチオン
[DADMA]+:ジアリルジメチルアンモニウムカチオン
[MC]+:メタクロイルコリンカチオン
[DAEA]+:[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムカチオン
[FSI]−:ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン
[TFSI]:ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン
[f3C]−:トリス(フルオロスルホニル)カルボアニオン
[BOB]−:ビスオキサレートボラートアニオン
[DADMA][Cl]:ジアリルジメチルアンモニウムクロライド
[MC][Cl]:メタクロイルコリンクロライド
[DAEA][I]:[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムアイオダイド
[P(DADMA)][Cl]:ポリ(ジアリルジメチルアンモニウム)クロライド
[共融混合体]
共融混合体は、重合性官能基を有するアンモニウム塩及び水素結合供与体を含む。このような共融混合体は、水素結合受容体として作用し得る重合性官能基を有するアンモニウム塩及び水素結合供与体の共融(共晶)によって、重合性官能基を有するアンモニウム塩及び水素結合供与体の融点よりも低い融点を示すものであり得る。このような共融混合体は重合性官能基を有していることから、重合によって共融混合体に由来する構造単位を含有するポリマを形成することが可能となる。共融混合体の構造は必ずしも定かではないが、重合性官能基を有するアンモニウム塩と水素結合供与体との間で水素結合(相互作用)を形成していることが推察される。なお、共融混合体は深共晶溶媒を包含する概念である。
共融混合体は、重合性官能基を有するアンモニウム塩及び水素結合供与体を含む。このような共融混合体は、水素結合受容体として作用し得る重合性官能基を有するアンモニウム塩及び水素結合供与体の共融(共晶)によって、重合性官能基を有するアンモニウム塩及び水素結合供与体の融点よりも低い融点を示すものであり得る。このような共融混合体は重合性官能基を有していることから、重合によって共融混合体に由来する構造単位を含有するポリマを形成することが可能となる。共融混合体の構造は必ずしも定かではないが、重合性官能基を有するアンモニウム塩と水素結合供与体との間で水素結合(相互作用)を形成していることが推察される。なお、共融混合体は深共晶溶媒を包含する概念である。
(重合性官能基を有するアンモニウム塩)
アンモニウム塩は、重合性官能基を有するものであれば特に制限されない。重合性官能基は、エチレン性不飽和基であってよい。エチレン性不飽和基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等が挙げられる。
アンモニウム塩は、重合性官能基を有するものであれば特に制限されない。重合性官能基は、エチレン性不飽和基であってよい。エチレン性不飽和基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等が挙げられる。
重合性官能基を有するアンモニウム塩は、具体的に、下記一般式(A)で表されるアンモニウム塩又は下記一般式(B)で表されるアンモニウム塩であってよい。
XA −及びXB −としての対アニオンは、Cl−、Br−、I−、PF6 −、及びBF4 −からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。これらの中でも、対アニオンは、好ましくはCl−、Br−、又はI−である。
一般式(A)で表される化合物は、例えば、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレートをメチルハライド(MeCl、MeBr、MeI)等で処理することによって得ることができる。また、一般式(A)で表される化合物は、市販品をそのまま用いてもよい。
一般式(B)で表される化合物は、市販品をそのまま用いることができる。
(水素結合供与体)
水素結合供与体は、分子中に水素結合を形成可能なヘテロ元素(例えば、酸素、窒素、硫黄、リン等)−水素結合を有する化合物である。重合性官能基を有するアンモニウム塩と水素結合供与体とを混合することによって、共融混合体を得ることができる。
水素結合供与体は、分子中に水素結合を形成可能なヘテロ元素(例えば、酸素、窒素、硫黄、リン等)−水素結合を有する化合物である。重合性官能基を有するアンモニウム塩と水素結合供与体とを混合することによって、共融混合体を得ることができる。
水素結合供与体は、窒素−水素結合を有する化合物及び酸素−水素結合を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
窒素−水素結合を有する化合物としては、例えば、尿素化合物、アミド化合物、複素環式化合物等が挙げられる。尿素化合物としては、例えば、尿素、1−メチル尿素、チオ尿素等が挙げられる。アミド化合物としては、例えば、アセトアミド、2,2,2−トリフルオロアセトアミド、ホルムアミド等が挙げられる。複素環式化合物としては、例えば、イミダゾール等が挙げられる。
酸素−水素結合を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシ基を有する化合物、カルボキシ基を有する化合物等が挙げられる。ヒドロキシ基を有する化合物としては、例えば、エチレングリコール、グリセロール、フェノール、メチルフェノール、クロロフェノール、フルクトース、グルコース、キシロース、アラビノース、バニリン等が挙げられる。カルボキシ基を有する化合物としては、例えば、アジピン酸、クエン酸、マロン酸、シュウ酸、フェニル酢酸、フェニルプロピオン酸、コハク酸、レブリン酸、グリコール酸、安息香酸等が挙げられる。
これらのうち、水素結合供与体は、共有混合体の形成し易さ及び汎用性の観点から、好ましくは尿素又はチオ尿素である。
重合性官能基を有するアンモニウム塩に対する水素結合供与体のモル比は、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2である。重合性官能基を有するアンモニウム塩に対する水素結合供与体のモル比がこのような範囲にあると、共融混合体を形成し易い傾向にある。
共融混合体を合成するときの反応条件は、重合性官能基を有するアンモニウム塩及び水素結合供与体の種類に応じて、適宜選択することができる。反応条件は溶媒存在下又は無溶媒下であってよい。反応条件が溶媒存在下である場合、溶媒はメタノール、エタノール、酢酸エチル、エチルメチルケトン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、水等であってよい。反応温度は、例えば、25〜200℃であってよい。反応時間は、例えば、0.5〜48時間であってよい。
共融混合体は、イオン伝導性に優れることから、例えば、電気化学デバイス(二次電池)の電極合剤層における電極活物質と電解質塩との界面形成に好適に用いることができる。
[ポリマ]
ポリマは、上述の共融混合体に由来する構造単位を含有する。以下では、ポリマの例として、一般式(A)で表されるアンモニウム塩及び水素結合供与体を含む共融混合体(以下、「共融混合体(A)」という場合がある。)に由来する構造単位(以下、「構造単位(A)」という場合がある。)を含有するポリマ及び一般式(B)で表されるアンモニウム塩及び水素結合供与体を含む共融混合体(以下、「共融混合体(B)」という場合がある。)に由来する構造単位(以下、「構造単位(B)」という場合がある。)を含有するポリマについて説明する。
ポリマは、上述の共融混合体に由来する構造単位を含有する。以下では、ポリマの例として、一般式(A)で表されるアンモニウム塩及び水素結合供与体を含む共融混合体(以下、「共融混合体(A)」という場合がある。)に由来する構造単位(以下、「構造単位(A)」という場合がある。)を含有するポリマ及び一般式(B)で表されるアンモニウム塩及び水素結合供与体を含む共融混合体(以下、「共融混合体(B)」という場合がある。)に由来する構造単位(以下、「構造単位(B)」という場合がある。)を含有するポリマについて説明する。
構造単位(A)は、例えば、下記一般式(A−1)で表される構造単位であってよい。
nAは、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2である。
構造単位(A)を含有するポリマは、その他のモノマに由来する構造単位を含有していてもよい。その他のモノマとしては、例えば、共融混合体(A)以外の重合性官能基を有する共融混合体等が挙げられる。
構造単位(A)を含有するポリマは、イオン伝導性をより向上させる観点から、1種類の構造単位(A)からなるホモポリマであることが好ましい。
構造単位(A)を含有するポリマは、共融混合体(A)及びその他のモノマをラジカル重合、光重合、放射線重合等の通常の方法で重合することによって、得ることができる。重合はラジカル重合であることが好ましい。
重合時に必要に応じて使用される溶媒は、特に制限されないが、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、トルエン等が挙げられる。
重合時に必要に応じて使用される重合開始剤は、特に制限されないが、アゾ化合物系開始剤、有機過酸化物系重合開始剤等であってよい。
アゾ化合物系重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。
有機過酸化物系重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、tert−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−(2−tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ヘキシルパーオキサイド、2,5,−ジメチル−2,5,−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3,−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド等が挙げられる。
全モノマ(共融混合体(A)及びその他のモノマ)に対する重合開始剤の質量比(重合開始剤の質量/全モノマの質量)は、例えば、0.001〜0.1であってよい。
共融混合体を重合するときの反応条件は、共融混合体、その他のモノマ、及び重合開始剤の種類に応じて、適宜選択することができる。反応条件は溶媒存在下又は無溶媒下であってよい。反応温度は、例えば、25〜200℃であってよい。反応時間は、例えば、0.5〜48時間であってよい。
構造単位(B)は、例えば、下記一般式(B−1)で表される構造単位、下記一般式(B−2)で表される構造単位、下記一般式(B−3)で表される構造単位、及び下記一般式(B−4)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
nBは、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2である。
構造単位(B)を含有するポリマは、その他のモノマに由来する構造単位を含有していてもよい。その他のモノマとしては、例えば、共融混合体(B)以外の重合性官能基を有する共融混合体等が挙げられる。
構造単位(B)を含有するポリマは、イオン伝導性をより向上させる観点から、1種類の構造単位(B)からなるホモポリマであることが好ましい。
構造単位(B)を含有するポリマは、構造単位(A)を含有するポリマで例示した方法と同様の方法で得ることができる。
ポリマは、イオン伝導性により優れることから、例えば、電解質層形成又は電気化学デバイス(二次電池)の電極合剤層における電極活物質と電解質塩との界面形成に好適に用いることができる。
[電気化学デバイス用電極及びその製造方法、電気化学デバイス]
<電気化学デバイス>
図1は、第1実施形態に係る電気化学デバイスを示す斜視図である。電気化学デバイスは、例えば、二次電池であってよい。以下、二次電池の態様について説明する。
<電気化学デバイス>
図1は、第1実施形態に係る電気化学デバイスを示す斜視図である。電気化学デバイスは、例えば、二次電池であってよい。以下、二次電池の態様について説明する。
図1に示すように、二次電池1は、電気化学デバイス用電極及び電解質層から構成される電極群2と、電極群2を収容する袋状の電池外装体3とを備えている。電気化学デバイス用電極は、正極であってもよく、負極であってもよい。電気化学デバイス用電極(正極及び負極)には、それぞれ正極集電タブ4及び負極集電タブ5が設けられている。正極集電タブ4及び負極集電タブ5は、それぞれ正極及び負極が二次電池1の外部と電気的に接続可能なように、電池外装体3の内部から外部へ突き出している。
電池外装体3は、例えば、ラミネートフィルムで形成されていてもよい。ラミネートフィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の樹脂フィルムと、アルミニウム、銅、ステンレス鋼等の金属箔と、ポリプロピレン等のシーラント層とがこの順で積層された積層フィルムであってもよい。
図2は、図1に示した二次電池1における電極群2の一実施形態を示す分解斜視図である。図2に示すように、電極群2Aは、正極6と、電解質層7と、負極8とをこの順に備えている。正極6は、正極集電体9と、正極集電体9の少なくとも一方の主面上に設けられた正極合剤層10とを備えている。正極集電体9には、正極集電タブ4が設けられている。負極8は、負極集電体11と、負極集電体11の少なくとも一方の主面上に設けられた負極合剤層12とを備えている。負極集電体11には、負極集電タブ5が設けられている。
<第1の電気化学デバイス用電極>
図3(a)は、図2のI−I線矢印断面図である。正極6は、第1の電気化学デバイス用電極を構成する。すなわち、図3(a)に示すように、第1の電気化学デバイス用電極13Aは、正極集電体9と、正極集電体9の少なくとも一方の主面上に設けられた正極合剤層10と、を備える。
図3(a)は、図2のI−I線矢印断面図である。正極6は、第1の電気化学デバイス用電極を構成する。すなわち、図3(a)に示すように、第1の電気化学デバイス用電極13Aは、正極集電体9と、正極集電体9の少なくとも一方の主面上に設けられた正極合剤層10と、を備える。
図3(b)は、他の実施形態に係る第1の電気化学デバイス用電極を示す模式断面図である。図3(b)に示すように、第1の電気化学デバイス用電極13Bは、正極集電体9と、正極合剤層10と、電解質層7と、をこの順に備えている。
第1の電気化学デバイス用電極13Aは、正極集電体9を備える。正極集電体9は、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン等で形成されていてもよい。正極集電体9は、具体的には、孔径0.1〜10mmの孔を有するアルミニウム製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板等であってもよい。正極集電体9は、上記以外にも、電池の使用中に溶解、酸化等の変化を生じないものであれば、任意の材料で形成されていてよく、また、その形状、製造方法等も制限されない。
正極集電体9の厚さは、1μm以上、5μm以上、又は10μm以上であってよい。正極集電体9の厚さは、100μm以下、50μm以下、又は20μm以下であってよい。
第1の電気化学デバイス用電極13Aは、正極合剤層10を備える。正極合剤層10は、一実施形態において、正極活物質と、ポリマと、電解質塩と、を含有する。
(正極活物質)
正極合剤層10は、正極活物質を含有する。正極活物質は、例えば、リチウム遷移金属酸化物、リチウム遷移金属リン酸塩等のリチウム遷移金属化合物であってよい。
正極合剤層10は、正極活物質を含有する。正極活物質は、例えば、リチウム遷移金属酸化物、リチウム遷移金属リン酸塩等のリチウム遷移金属化合物であってよい。
リチウム遷移金属酸化物は、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム等であってよい。リチウム遷移金属酸化物は、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム等に含有されるMn、Ni、Co等の遷移金属の一部を、1種若しくは2種以上の他の遷移金属、又はMg、Al等の金属元素(典型元素)で置換したリチウム遷移金属酸化物であってよい。すなわち、リチウム遷移金属酸化物は、LiM1O2又はLiM1O4(M1は少なくとも1種の遷移金属を含む)で表される化合物であってよい。リチウム遷移金属酸化物は、具体的には、Li(Co1/3Ni1/3Mn1/3)O2、LiNi1/2Mn1/2O2、LiNi1/2Mn3/2O4等であってよい。
リチウム遷移金属酸化物は、エネルギー密度をさらに向上させる観点から、好ましくは下記式(1)で表される化合物である。
LiaNibCocM2 dO2+e (1)
[式(1)中、M2は、Al、Mn、Mg、及びCaからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、a、b、c、d、及びeは、それぞれ0.2≦a≦1.2、0.5≦b≦0.9、0.1≦c≦0.4、0≦d≦0.2、−0.2≦e≦0.2、かつb+c+d=1を満たす数である。]
LiaNibCocM2 dO2+e (1)
[式(1)中、M2は、Al、Mn、Mg、及びCaからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、a、b、c、d、及びeは、それぞれ0.2≦a≦1.2、0.5≦b≦0.9、0.1≦c≦0.4、0≦d≦0.2、−0.2≦e≦0.2、かつb+c+d=1を満たす数である。]
リチウム遷移金属リン酸塩は、LiFePO4、LiMnPO4、LiMnxM3 1−xPO4(0.3≦x≦1、M3はFe、Ni、Co、Ti、Cu、Zn、Mg、及びZrからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素である)等であってよい。
正極活物質の含有量は、正極合剤層全量を基準として、70質量%以上、80質量%以上、又は90質量%以上であってよい。正極活物質の含有量は、正極合剤層全量を基準として、99質量%以下であってよい。
(ポリマ)
正極合剤層10は、上述のポリマを含有する。
正極合剤層10は、上述のポリマを含有する。
ポリマの含有量は、正極活物質の種類又は正極合剤層の空隙率により適切な値が異なるため特に制限されないが、正極合剤層全量を基準として、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上である。ポリマの含有量は、正極合剤層全量を基準として、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。ポリマの含有量が1質量%以上であると、正極合剤層内に良好なイオン伝導パスを形成できる傾向にある。ポリマの含有量が30質量%以下であると、相対的に正極活物質の比率が大きくなり、電池容量の低下が少ない傾向にある。
正極合剤層10にポリマを含有させる方法としては、例えば、まず、正極活物質を含む正極活物質層が設けられた正極前駆体を用意し、次いで、(i)正極活物質層に共融混合体を加え(浸透させ)、正極活物質層内で加えられた共融混合体を重合させる方法、(ii)予め上述のポリマを作製し、得られたポリマを含む溶液を調製して、正極活物質層に当該溶液を添加する方法、(iii)予め上述のポリマを作製し、得られたポリマを正極活物質層にプレスして押し込む方法等が挙げられる。ここで、重合反応の温度及び時間は、ポリマの重合方法と同様であってよい。これらのうち、良好な(均一な)電極活物質と電解質塩との界面の形成が可能であることから、正極合剤層10にポリマを含有させる方法は、(i)の方法であることが好ましい。
(電解質塩)
電解質塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、及びカルシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
電解質塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、及びカルシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
電解質塩は、通常のイオン電池用の電解液の電解質塩として使用されるものを使用することができる。電解質塩のアニオンは、ハロゲン化物イオン(I−、Cl−、Br−等)、SCN−、BF4 −、BF3(CF3)−、BF3(C2F5)−、BF3(C3F7)−、BF3(C4F9)−、PF6 −、ClO4 −、SbF6 −、[FSI]−、[TFSI]−、N(C2F5SO2)2 −、BPh4 −、B(C2H4O2)2 −、[f3C]−、C(CF3SO2)3 −、CF3COO−、CF3SO2O−、C6F5SO2O−、[BOB]−、RCOO−(Rは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)等であってよい。これらの中でも、電解質塩のアニオンは、好ましくはPF6 −、BF4 −、[FSI]−、[TFSI]−、[BOB]−、及びClO4 −からなる群より選ばれる少なくとも1種、より好ましくは[TFSI]−又は[FSI]−である。
リチウム塩は、LiPF6、LiBF4、Li[FSI]、Li[TFSI]、Li[f3C]、Li[BOB]、LiClO4、LiBF3(CF3)、LiBF3(C2F5)、LiBF3(C3F7)、LiBF3(C4F9)、LiC(SO2CF3)3、LiCF3SO2O、LiCF3COO、LiRCOO(Rは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)等であってよい。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用していてもよい。
ナトリウム塩は、NaPF6、NaBF4、Na[FSI]、Na[TFSI]、Na[f3C]、Na[BOB]、NaClO4、NaBF3(CF3)、NaBF3(C2F5)、NaBF3(C3F7)、NaBF3(C4F9)、NaC(SO2CF3)3、NaCF3SO2O、NaCF3COO、NaRCOO(Rは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)等であってよい。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用していてもよい。
マグネシウム塩は、Mg(PF6)2、Mg(BF4)2、Mg[FSI]2、Mg[TFSI]2、Mg[f3C]2、Mg[BOB]2、Mg(ClO4)2、Mg[BF3(CF3)3]2、Mg[BF3(C2F5)]2、Mg[BF3(C3F7)]2、Mg[BF3(C4F9)]2、Mg[C(SO2CF3)3]2、Mg(CF3SO2O)2、Mg(CF3COO)2、Mg(RCOO)2(Rは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)等であってよい。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用していてもよい。
カルシウム塩は、Ca(PF6)2、Ca(BF4)2、Ca[FSI]2、Ca[TFSI]2、Ca[f3C]2、Ca[BOB]2、Ca(ClO4)2、Ca[BF3(CF3)3]2、Ca[BF3(C2F5)]2、Ca[BF3(C3F7)]2、Ca[BF3(C4F9)]2、Ca[C(SO2CF3)3]2、Ca(CF3SO2O)2、Ca(CF3COO)2、Ca(RCOO)2(Rは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)等であってよい。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用していてもよい。
これらの中でも、解離性及び電気化学的安定性の観点から、電解質塩は、好ましくはリチウム塩、より好ましくはLiPF6、LiBF4、Li[FSI]、Li[TFSI]、Li[f3C]、Li[BOB]、及びLiClO4からなる群より選ばれる少なくとも1種、さらに好ましくはLi[TFSI]又はLi[FSI]である。
電解質塩の含有量は、例えば、正極合剤層全量を基準として、0.1〜5質量%であってよい。
正極合剤層10は、導電剤、バインダ、溶融塩、炭酸エステル等をさらに含有していてもよい。
(導電剤)
導電剤は、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック等であってよい。
導電剤は、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック等であってよい。
導電剤の含有量は、例えば、正極合剤層全量を基準として、1〜15質量%であってよい。
(バインダ)
バインダは、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、スチレン・ブタジエンゴム、カルボキシ・メチルセルロース、フッ素ゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリアクリル酸、ポリイミド、ポリアミド等の樹脂;これら樹脂を主骨格として有する共重合体の樹脂(例えば、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等)などであってよい。
バインダは、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、スチレン・ブタジエンゴム、カルボキシ・メチルセルロース、フッ素ゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリアクリル酸、ポリイミド、ポリアミド等の樹脂;これら樹脂を主骨格として有する共重合体の樹脂(例えば、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等)などであってよい。
バインダの含有量は、例えば、正極合剤層全量を基準として、1〜15質量%であってよい。
(溶融塩)
溶融塩は、カチオン成分とアニオン成分とから構成されるものである。溶融塩は、特に制限されずに、通常のイオン液体又は柔粘性結晶(プラスチッククリスタル)を使用することができる。なお、ここでいう「溶融塩」には、上述の共融混合体及び上述のポリマは包含されない。
溶融塩は、カチオン成分とアニオン成分とから構成されるものである。溶融塩は、特に制限されずに、通常のイオン液体又は柔粘性結晶(プラスチッククリスタル)を使用することができる。なお、ここでいう「溶融塩」には、上述の共融混合体及び上述のポリマは包含されない。
なお、本明細書において、「イオン液体」は、30℃で液体である溶融塩、すなわち、融点が30℃以下である溶融塩を意味し、「柔粘性結晶」は30℃で固体である溶融塩、すなわち、融点が30℃より高い溶融塩を意味する。
イオン液体は、30℃で液体である溶融塩であれば、特に制限されることなく使用することができる。具体的には、カチオン成分として、[EMI]+、[DEME]+、[Py12]+、[Py13]+、又は[PP13]+と、アニオン成分として、PF6 −、BF4 −、[FSI]−、[TFSI]−、又は[f3C]−とを組み合わせたもので、30℃で液体のものが挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用していてもよい。また、後述の柔粘性結晶と組み合わせて使用してもよい。イオン液体は、アニオン成分として、[FSI]−又は[TFSI]−を含むことが好ましい。
イオン液体として、上述のリチウム塩(例えば、Li[TFSI]等)と下記式(2)で表されるグライムとの錯体を使用することができる。なお、本明細書中、これらの錯体を「グライム錯体」という場合がある。
R1O−(CH2CH2O)m−R2 (2)
[式(2)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、炭素数4以下のアルキル基を示し、mは1〜6の整数を示す。]
R1O−(CH2CH2O)m−R2 (2)
[式(2)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、炭素数4以下のアルキル基を示し、mは1〜6の整数を示す。]
R1及びR2としてのアルキル基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等であってよい。これらの中でも、アルキル基は、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
グライムは、エチレングリコールジメチルエーテル(「モノグライム」ともいう。)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(「ジグライム」ともいう。)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(「トリグライム」ともいう。)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(「テトラグライム」ともいう。)、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル(「ペンタグライム」ともいう。)、ヘキサエチレングリコールジメチルエーテル(「ヘキサグライム」ともいう。)等であってよい。これらの中でも、グライムは、好ましくはトリグライム又はテトラグライム、より好ましくはテトラグライムである。
グライム錯体は、例えば、上述のリチウム塩と、上述のグライムとを混合することによって得ることができる。グライム錯体は、例えば、グライムの沸点以下の温度で、リチウム塩とグライムとを混合することによって得ることができる。混合する時間、温度は適宜設定することができる。
柔粘性結晶は、30℃で固体である溶融塩であれば、特に制限されることなく使用することができる。具体的には、カチオン成分として、[EMI]+、[DEME]+、[Py12]+、[Py13]+又は[PP13]+と、アニオン成分として、PF6 −、BF4 −、[FSI]−、[TFSI]−又は[f3C]−との組み合わせたもので、30℃で固体のものが挙げられる。より具体的には、[Py12][TFSI](融点:90℃)、[Py12][FSI](融点:205℃)、[DEME][f3C](融点:69℃)、[Py13][f3C](融点:177℃)、[PP13][f3C](融点:146℃)等が挙げられる。また、これら以外の柔粘性結晶としては、スクシノニトリル(融点:57℃)が挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用していてもよい。また、前述のイオン液体と組み合わせて使用してもよい。柔粘性結晶は、アニオン成分として、[FSI]−又は[TFSI]−を含むことが好ましい。柔粘性結晶は、イオン伝導性の観点から、[Py12][TFSI](融点:90℃)又は[Py12][FSI](融点:205℃)であることが好ましい。
溶融塩の含有量は、例えば、正極合剤層全量を基準として、1〜15質量%であってよい。
(炭酸エステル)
炭酸エステルとしては、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の環状炭酸エステル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等の鎖状炭酸エステルなどが挙げられる。
炭酸エステルとしては、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の環状炭酸エステル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等の鎖状炭酸エステルなどが挙げられる。
炭酸エステルの含有量は、例えば、正極合剤層全量を基準として、1〜15質量%であってよい。
正極合剤層10の厚さは、特に制限されないが、10μm以上、20μm以上、又は30μm以上であってよい。正極合剤層10の厚さは、100μm以下、80μm以下、又は60μm以下であってよい。
正極合剤層10の合剤密度は、例えば、1g/cm3以上であってよい。
電解質層7は、例えば、固体電解質、電解質塩、溶融塩等を含む材料を分散媒に分散させた電解質層形成用スラリから形成することができる。分散媒は、特に制限されないが、アセトン、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤であってもよい。
固体電解質としては、例えば、ポリマ電解質、無機固体電解質等が挙げられる。ポリマ電解質及び無機固体電解質は、特に制限されず、通常のイオン電池用のポリマ電解質及び無機固体電解質として使用されるものを用いることができる。ポリマ電解質は、例えば、下記一般式(3)で表される構造単位を有するポリマ電解質等であってよい。また、上述の共融混合体に由来する構造単位を含有するポリマも、ポリマ電解質として好適に用いることができる。
無機固体電解質は、例えば、Li7La3Zr2O12(LLZ)等であってよい。
電解質塩及び溶融塩は、上述した正極合剤層に含有され得る電解質塩及び溶融塩と同様のものであってよい。
電解質層形成用スラリは、必要に応じて、ホウ酸エステル、アルミン酸エステル等のリチウム塩解離能を有する添加剤などをさらに含有していてもよい。
電解質層7の厚さは、強度を高め安全性を向上させる観点から、例えば、5〜200μmであってよい。
<第2の電気化学デバイス用電極>
図4(a)は、図2のII−II線矢印断面図である。負極8は、第2の電気化学デバイス用電極を構成する。すなわち、図4(a)に示すように、第2の電気化学デバイス用電極14Aは、負極集電体11と、負極集電体11の少なくとも一方の主面上に設けられた負極合剤層12と、を備える。
図4(a)は、図2のII−II線矢印断面図である。負極8は、第2の電気化学デバイス用電極を構成する。すなわち、図4(a)に示すように、第2の電気化学デバイス用電極14Aは、負極集電体11と、負極集電体11の少なくとも一方の主面上に設けられた負極合剤層12と、を備える。
図4(b)は、他の実施形態に係る第2の電気化学デバイス用電極を示す模式断面図である。図4(b)に示すように、第2の電気化学デバイス用電極14Bは、負極集電体11と、負極合剤層12と、電解質層7と、をこの順に備えている。電解質層7は、上述した第1の電気化学デバイス用電極における電解質層7と同様であるので、以下では説明を省略する。
第2の電気化学デバイス用電極14Aは、負極集電体11を備える。負極集電体11は、銅、ステンレス鋼、チタン、ニッケル等で形成されていてよい。負極集電体11は、具体的には、圧延銅箔、孔径0.1〜10mmの孔を有する銅製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板等であってよい。負極集電体11は、上記以外の任意の材料で形成されていてもよく、また、その形状、製造方法等も制限されない。
負極集電体11の厚さは、1μm以上、5μm以上、又は10μm以上であってよい。負極集電体11の厚さは、100μm以下、50μm以下、又は20μm以下であってよい。
第2の電気化学デバイス用電極14Aは、負極合剤層12を備える。負極合剤層12は、一実施形態において、負極活物質と、ポリマと、電解質塩と、を含有する。
(負極活物質)
負極合剤層12は、負極活物質を含有する。負極活物質は、二次電池等の通常のエネルギーデバイスの分野の負極活物質として使用されるものを使用することができる。負極活物質としては、例えば、金属リチウム、リチウム合金、金属化合物、炭素材料、金属錯体、有機高分子化合物等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用していてもよい。これらの中でも、負極活物質は、炭素材料であることが好ましい。炭素材料としては、例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛等)、人工黒鉛等の黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、非晶質炭素、炭素繊維などが挙げられる。
負極合剤層12は、負極活物質を含有する。負極活物質は、二次電池等の通常のエネルギーデバイスの分野の負極活物質として使用されるものを使用することができる。負極活物質としては、例えば、金属リチウム、リチウム合金、金属化合物、炭素材料、金属錯体、有機高分子化合物等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用していてもよい。これらの中でも、負極活物質は、炭素材料であることが好ましい。炭素材料としては、例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛等)、人工黒鉛等の黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、非晶質炭素、炭素繊維などが挙げられる。
負極活物質の含有量は、負極合剤層全量を基準として、60質量%以上、65質量%以上、又は70質量%以上であってよい。負極活物質の含有量は、負極合剤層全量を基準として、99質量%以下、95質量%以下、又は90質量%以下であってよい。
(ポリマ)
負極合剤層12は、ポリマを含有する。ポリマは、上述した第1の電気化学デバイス用電極で用いられるポリマと同様であってよい。
負極合剤層12は、ポリマを含有する。ポリマは、上述した第1の電気化学デバイス用電極で用いられるポリマと同様であってよい。
ポリマの含有量は、負極活物質の種類及び負極合剤層の空隙率により適切な値が異なるため特に制限されないが、負極合剤層全量を基準として、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上である。ポリマの含有量は、負極合剤層全量を基準として、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。ポリマの含有量が1質量%以上であると、負極合剤層内に良好なイオン伝導パスを形成できる傾向にある。ポリマの含有量が30質量%以下であると、相対的に活物質の比率が大きくなり、電池容量の低下が少ない傾向にある。
(電解質塩)
負極合剤層12は、電解質塩を含有する。電解質塩及びその含有量は、上述した第1の電気化学デバイス用電極で用いられる電解質塩と同様であってよい。
(導電剤、バインダ、溶融塩)
負極合剤層12は、電解質塩を含有する。電解質塩及びその含有量は、上述した第1の電気化学デバイス用電極で用いられる電解質塩と同様であってよい。
(導電剤、バインダ、溶融塩)
負極合剤層12は、上述した正極合剤層10に含有され得る導電剤、バインダ、溶融塩等をさらに含有していてもよい。これらの含有量は、正極合剤層10と同様である。
負極合剤層12の厚さは、特に制限されないが、10μm以上、15μm以上、又は20μm以上であってもよい。負極合剤層12の厚さは、50μm以下、45μm以下、又は40μm以下であってよい。
負極合剤層12の合剤密度は、1g/cm3以上であってよい。
続いて、上述した二次電池1の製造方法について説明する。第1実施形態に係る二次電池1の製造方法は、正極6を得る第1の工程と、負極8を得る第2の工程と、正極6と負極8との間に電解質層7を設ける第3の工程と、を備える。
(第1の工程)
正極6の製造方法は、正極集電体の少なくとも一方の主面上に正極活物質を含む正極活物質層が設けられた正極前駆体を用意する工程と、正極活物質層に、上述の共融混合体及び電解質塩を加える工程と、正極活物質層に加えられた共融混合体を重合して、正極合剤層を形成する工程と、を備える。
正極6の製造方法は、正極集電体の少なくとも一方の主面上に正極活物質を含む正極活物質層が設けられた正極前駆体を用意する工程と、正極活物質層に、上述の共融混合体及び電解質塩を加える工程と、正極活物質層に加えられた共融混合体を重合して、正極合剤層を形成する工程と、を備える。
正極前駆体における正極活物質層は、例えば、正極活物質、導電剤、バインダ等を含む材料を分散媒に分散させた正極活物質層形成用スラリを作製し、正極活物質層形成用スラリを正極集電体9に塗布乾燥することによって得ることができる。分散媒は、特に制限されないが、水、アルコールと水との混合溶媒等の水系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤であってもよい。
次いで、共融混合体及び電解質塩に、必要に応じて、溶媒、重合開始剤等を加えて、正極合剤層形成用スラリ(混合液)を作製する。このとき、正極合剤層形成用スラリ(混合液)に、導電剤、バインダ、溶融塩、炭酸エステル等を加えてもよい。その後、正極合剤層形成用スラリ(混合液)を滴下、塗布、印刷等によって、共融混合体及び電解質塩を正極活物質層に加える。
共融混合体に対する電解質塩の質量比(電解質塩の含有量(質量)/共融混合体の含有量(質量))は、0.1〜1.5であってよい。
次いで、正極活物質層に加えられた共融混合体を重合して、正極合剤層を形成する。共融混合体の重合方法としては、特に制限されないが、ラジカル重合、光重合、放射線重合等の重合方法を用いることができる。これらのうち、正極活物質層の正極活物質粒子間の狭い空隙まで均一に重合させることができるため、ラジカル重合を用いることがより好ましい。
重合反応の温度及び時間は、共融混合体、重合開始剤等の種類に応じて、適宜選択することができる。重合温度は、例えば、25〜200℃であってもよい。重合時間は、例えば、0.5〜48時間であってもよい。
(第2の工程)
負極8の製造方法は、上述した正極6と同様の製造方法によって得ることができる。すなわち、負極8の製造方法は、負極集電体の少なくとも一方の主面上に負極活物質を含む負極活物質層が設けられた負極前駆体を用意する工程と、負極活物質層に、上述の共融混合体及び電解質塩を加える工程と、負極活物質層に加えられた共融混合体を重合して、負極合剤層を形成する工程と、を備える。
負極8の製造方法は、上述した正極6と同様の製造方法によって得ることができる。すなわち、負極8の製造方法は、負極集電体の少なくとも一方の主面上に負極活物質を含む負極活物質層が設けられた負極前駆体を用意する工程と、負極活物質層に、上述の共融混合体及び電解質塩を加える工程と、負極活物質層に加えられた共融混合体を重合して、負極合剤層を形成する工程と、を備える。
(第3の工程)
電解質層7は、電解質層7に用いる材料を混練した後、ポリテトラフルオロエチレン等のシート状に形成された樹脂で挟み、ロールによりプレスすることによってシート状の電解質層として得ることができる。この場合、第3の工程では、第1の電気化学デバイス用電極13A(正極6)、電解質層7及び第2の電気化学デバイス用電極14A(負極8)を、例えばラミネートにより積層することで二次電池1を得ることができる。このとき、電解質層7が、第1の電気化学デバイス用電極13A(正極6)の正極合剤層10側かつ第2の電気化学デバイス用電極14A(負極8)の負極合剤層12側に位置するように、すなわち、正極集電体9、正極合剤層10、電解質層7、負極合剤層12、及び負極集電体11がこの順で配置されるように積層する。
電解質層7は、電解質層7に用いる材料を混練した後、ポリテトラフルオロエチレン等のシート状に形成された樹脂で挟み、ロールによりプレスすることによってシート状の電解質層として得ることができる。この場合、第3の工程では、第1の電気化学デバイス用電極13A(正極6)、電解質層7及び第2の電気化学デバイス用電極14A(負極8)を、例えばラミネートにより積層することで二次電池1を得ることができる。このとき、電解質層7が、第1の電気化学デバイス用電極13A(正極6)の正極合剤層10側かつ第2の電気化学デバイス用電極14A(負極8)の負極合剤層12側に位置するように、すなわち、正極集電体9、正極合剤層10、電解質層7、負極合剤層12、及び負極集電体11がこの順で配置されるように積層する。
第3の工程では、他の実施形態において、電解質層7は、正極6の正極合剤層10側及び負極8の負極合剤層12側の少なくともいずれか一方に塗布により形成され、好ましくは正極6の正極合剤層10側及び負極8の負極合剤層12側の両方に塗布により形成される。この場合、例えば、電解質層7が設けられた正極6(第1の電気化学デバイス用電極13B)と、電解質層7が設けられた負極8(第2の電気化学デバイス用電極14B)とを、電解質層7同士が接するように積層することで、二次電池1を得ることができる。
正極合剤層10上に電解質層7を形成する方法は、例えば、電解質層7に用いる材料を分散媒に分散させて電解質層形成用スラリを得た後、この電解質層形成用スラリを正極合剤層10上にアプリケータを用いて塗布する方法である。分散媒は、好ましくはN−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤である。電解質層7に溶融塩が含まれる場合、電解質塩を溶融塩に溶解させてから、他の材料とともに分散媒に分散させることができる。
負極合剤層12に電解質層7を形成する方法は、正極合剤層10に電解質層7を形成する方法と同様の方法であってもよい。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る二次電池について説明する。図5は、第2実施形態に係る二次電池の電極群を示す分解斜視図である。図5に示すように、第2実施形態における二次電池が第1実施形態における二次電池と異なる点は、電極群2Bが、バイポーラ電極15をさらに備えている点である。すなわち、電極群2Bは、正極6と、第1の電解質層7と、バイポーラ電極15と、第2の電解質層7と、負極8と、をこの順に備えている。
次に、第2実施形態に係る二次電池について説明する。図5は、第2実施形態に係る二次電池の電極群を示す分解斜視図である。図5に示すように、第2実施形態における二次電池が第1実施形態における二次電池と異なる点は、電極群2Bが、バイポーラ電極15をさらに備えている点である。すなわち、電極群2Bは、正極6と、第1の電解質層7と、バイポーラ電極15と、第2の電解質層7と、負極8と、をこの順に備えている。
バイポーラ電極15は、バイポーラ電極集電体16と、バイポーラ電極集電体16の負極8側の面に設けられた正極合剤層10と、バイポーラ電極集電体16の正極6側の面に設けられた負極合剤層12と、を備えている。
図6(a)は、図5のIII−III線矢視断面図である。バイポーラ電極15は、第3の電気化学デバイス用電極を構成する。すなわち、図6(a)に示すように、第3の電気化学デバイス用電極17Aは、バイポーラ電極集電体16と、バイポーラ電極集電体16の一方の面上に設けられた正極合剤層10と、バイポーラ電極集電体16の他方の面上に設けられた負極合剤層12と、を備えるバイポーラ電極部材である。
図6(b)は、他の実施形態に係る第3の電気化学デバイス用電極(バイポーラ電極部材)を示す模式断面図である。図6(b)に示すように、第3の電気化学デバイス用電極17Bは、バイポーラ電極集電体16と、バイポーラ電極集電体16の一方の面上に設けられた正極合剤層10と、正極合剤層10のバイポーラ電極集電体16と反対側に設けられた第2の電解質層7と、バイポーラ電極集電体16の他方の面上に設けられた負極合剤層12と、負極合剤層12のバイポーラ電極集電体16と反対側に設けられた第1の電解質層7と、を備えている。
バイポーラ電極集電体16は、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン等であってよく、アルミニウムと銅又はステンレス鋼と銅とを圧延接合してなるクラッド材等であってよい。
第1の電解質層7と第2の電解質層7とは、互いに同種であっても異種であってもよい。
[共融混合体電解質組成物]
共融混合体電解質組成物は、上述の共融混合体と、上述の電解質塩と、を含有する。共融混合体電解質組成物は、必要に応じて、上述のポリマの合成における溶媒、重合開始剤等を含有していてもよい。さらに、上述の正極合剤層における導電剤、バインダ、溶融塩、炭酸エステル等を含有していてもよい。このような共融混合体電解質組成物は、電極合剤層における電極活物質と電解質塩との界面形成に好適に用いることができる。
共融混合体電解質組成物は、上述の共融混合体と、上述の電解質塩と、を含有する。共融混合体電解質組成物は、必要に応じて、上述のポリマの合成における溶媒、重合開始剤等を含有していてもよい。さらに、上述の正極合剤層における導電剤、バインダ、溶融塩、炭酸エステル等を含有していてもよい。このような共融混合体電解質組成物は、電極合剤層における電極活物質と電解質塩との界面形成に好適に用いることができる。
共融混合体の含有量は、溶媒を除いた共融混合体電解質組成物全量を基準として、20〜90質量%であってよい。
共融混合体に対する電解質塩の質量比(電解質塩の含有量(質量)/共融混合体の含有量(質量))は、0.1〜1.5であってよい。
[ポリマ電解質組成物]
ポリマ電解質組成物は、上述のポリマと、上述の電解質塩と、を含有する。ポリマ電解質組成物は、必要に応じて、上述のポリマの合成における溶媒、上述の正極合剤層における導電剤、バインダ、溶融塩、炭酸エステル等を含有していてもよい。このようなポリマ電解質組成物は、電解質層形成又は電極合剤層における電極活物質と電解質塩との界面形成に好適に用いることができる。
ポリマ電解質組成物は、上述のポリマと、上述の電解質塩と、を含有する。ポリマ電解質組成物は、必要に応じて、上述のポリマの合成における溶媒、上述の正極合剤層における導電剤、バインダ、溶融塩、炭酸エステル等を含有していてもよい。このようなポリマ電解質組成物は、電解質層形成又は電極合剤層における電極活物質と電解質塩との界面形成に好適に用いることができる。
ポリマの含有量は、溶媒を除いたポリマ電解質組成物全量を基準として、20〜90質量%であってよい。
ポリマに対する電解質塩の質量比(電解質塩の含有量(質量)/ポリマの含有量(質量))は、0.1〜1.5であってよい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[共融混合体の合成]
(実施例1−1)
<[DADMA][Cl]・(urea)2の合成>
[DADMA][Cl](ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)水溶液(東京化成工業株式会社製、約60%水溶液)を用意した。[DADMA][Cl]水溶液を減圧乾燥することによって、[DADMA][Cl]を白色粉末として得た。ナスフラスコに、[DADMA][Cl]27.0mg(0.10mmol)及び尿素(urea、関東化学株式会社製、純度99%)12.0mg(0.20mmol)を加え、80℃で1時間加熱撹拌し、[DADMA][Cl]と2当量のureaとを含む共融混合体[DADMA][Cl]・(urea)2を得た。[DADMA][Cl]・(urea)2は25℃で無色透明の液体であり、仕込み量から算出した収率は99%以上であった。[DADMA][Cl]・(urea)2の1H NMRスペクトルを測定したところ、[DADMA][Cl]・(urea)2中に[DADMA][Cl]及び尿素が存在し、[DADMA][Cl]のアリル基が残存していることを確認した。また、[DADMA][Cl]及び尿素は、塩化メチレン(ジクロロメタン)に可溶であったが、[DADMA][Cl]・(urea)2は塩化メチレンに難溶であった。さらに、[DADMA][Cl]及び尿素に確認された融点は、[DADMA][Cl]・(urea)2では消失していた。これらの結果から、[DADMA][Cl]・(urea)2では、[DADMA][Cl]と尿素との間に相互作用(水素結合)が存在していることが間接的に示唆された。
(実施例1−1)
<[DADMA][Cl]・(urea)2の合成>
[DADMA][Cl](ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)水溶液(東京化成工業株式会社製、約60%水溶液)を用意した。[DADMA][Cl]水溶液を減圧乾燥することによって、[DADMA][Cl]を白色粉末として得た。ナスフラスコに、[DADMA][Cl]27.0mg(0.10mmol)及び尿素(urea、関東化学株式会社製、純度99%)12.0mg(0.20mmol)を加え、80℃で1時間加熱撹拌し、[DADMA][Cl]と2当量のureaとを含む共融混合体[DADMA][Cl]・(urea)2を得た。[DADMA][Cl]・(urea)2は25℃で無色透明の液体であり、仕込み量から算出した収率は99%以上であった。[DADMA][Cl]・(urea)2の1H NMRスペクトルを測定したところ、[DADMA][Cl]・(urea)2中に[DADMA][Cl]及び尿素が存在し、[DADMA][Cl]のアリル基が残存していることを確認した。また、[DADMA][Cl]及び尿素は、塩化メチレン(ジクロロメタン)に可溶であったが、[DADMA][Cl]・(urea)2は塩化メチレンに難溶であった。さらに、[DADMA][Cl]及び尿素に確認された融点は、[DADMA][Cl]・(urea)2では消失していた。これらの結果から、[DADMA][Cl]・(urea)2では、[DADMA][Cl]と尿素との間に相互作用(水素結合)が存在していることが間接的に示唆された。
(実施例1−2)
<[MC][Cl]・(urea)2の合成>
[MC][Cl](メタクロイルコリンクロライド)水溶液(東京化成工業株式会社製、約80%水溶液、重合禁止剤として、4−メトキシフェノール(MEHQ)を含む)を用意した。[MC][Cl]水溶液をテトラヒドロフランに滴下し、[MC][Cl]を沈殿させた。沈殿物を減圧ろ過し、アセトンで洗浄することによって、MEHQが取り除かれた[MC][Cl]を白色粉末として得た。ナスフラスコに、[MC][Cl]51.9mg、0.25mmol)及び尿素(urea、関東化学株式会社製、純度99%)30.0mg(0.50mmol)を加え、80℃で1時間加熱撹拌し、[MC][Cl]と2当量のureaとを含む共融混合体[MC][Cl]・(urea)2を得た。[MC][Cl]・(urea)2は25℃で無色透明の粘性体であり、仕込み量から算出した収率は99%以上であった。[MC][Cl]・(urea)2の1H NMRスペクトルを測定したところ、[MC][Cl]・(urea)2中に[MC][Cl]及び尿素が存在し、[MC][Cl]のメタクリロイル基が残存していることを確認した。また、[MC][Cl]及び尿素は、塩化メチレン(ジクロロメタン)に可溶であったが、[MC][Cl]・(urea)2は塩化メチレンに難溶であった。さらに、[MC][Cl]及び尿素に確認された融点は、[MC][Cl]・(urea)2では消失していた。これらの結果から、[MC][Cl]・(urea)2では、[MC][Cl]と尿素との間に相互作用(水素結合)が存在していることが間接的に示唆された。
<[MC][Cl]・(urea)2の合成>
[MC][Cl](メタクロイルコリンクロライド)水溶液(東京化成工業株式会社製、約80%水溶液、重合禁止剤として、4−メトキシフェノール(MEHQ)を含む)を用意した。[MC][Cl]水溶液をテトラヒドロフランに滴下し、[MC][Cl]を沈殿させた。沈殿物を減圧ろ過し、アセトンで洗浄することによって、MEHQが取り除かれた[MC][Cl]を白色粉末として得た。ナスフラスコに、[MC][Cl]51.9mg、0.25mmol)及び尿素(urea、関東化学株式会社製、純度99%)30.0mg(0.50mmol)を加え、80℃で1時間加熱撹拌し、[MC][Cl]と2当量のureaとを含む共融混合体[MC][Cl]・(urea)2を得た。[MC][Cl]・(urea)2は25℃で無色透明の粘性体であり、仕込み量から算出した収率は99%以上であった。[MC][Cl]・(urea)2の1H NMRスペクトルを測定したところ、[MC][Cl]・(urea)2中に[MC][Cl]及び尿素が存在し、[MC][Cl]のメタクリロイル基が残存していることを確認した。また、[MC][Cl]及び尿素は、塩化メチレン(ジクロロメタン)に可溶であったが、[MC][Cl]・(urea)2は塩化メチレンに難溶であった。さらに、[MC][Cl]及び尿素に確認された融点は、[MC][Cl]・(urea)2では消失していた。これらの結果から、[MC][Cl]・(urea)2では、[MC][Cl]と尿素との間に相互作用(水素結合)が存在していることが間接的に示唆された。
(実施例1−3)
<[MC][Cl]・(urea)4の合成>
尿素を30.0mg(0.50mmol)から60.0mg(1.00mmol)に変更した以外は、実施例2と同様にして、[MC][Cl]と4当量のureaとを含む共融混合体[MC][Cl]・(urea)4を得た。[MC][Cl]・(urea)4は25℃で白色固体であり、仕込み量から算出した収率は99%以上であった。[MC][Cl]・(urea)4の1H NMRスペクトルを測定したところ、[MC][Cl]・(urea)4中に[MC][Cl]及び尿素が存在し、[MC][Cl]のメタクリロイル基が残存していることを確認した。
<[MC][Cl]・(urea)4の合成>
尿素を30.0mg(0.50mmol)から60.0mg(1.00mmol)に変更した以外は、実施例2と同様にして、[MC][Cl]と4当量のureaとを含む共融混合体[MC][Cl]・(urea)4を得た。[MC][Cl]・(urea)4は25℃で白色固体であり、仕込み量から算出した収率は99%以上であった。[MC][Cl]・(urea)4の1H NMRスペクトルを測定したところ、[MC][Cl]・(urea)4中に[MC][Cl]及び尿素が存在し、[MC][Cl]のメタクリロイル基が残存していることを確認した。
(実施例1−4)
<[DAEA][I]・(urea)2の合成>
還流管を設けた二口ナスフラスコを窒素置換した後、DAEA(2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート)(和光純薬工業株式会社製、純度98%以上、1432mg、10.0mmol)を加え、40℃で加熱撹拌した。これにメチルアイオダイド(関東化学株式会社製、純度99%以上、2839mg、20.0mmol)を加え、40℃で1時間攪拌した後、酢酸エチルを用いて再沈殿精製を行った。得られた沈殿物を3時間真空オーブンで乾燥し、[DAEA][I]([2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムアイオダイド)を得た。[DAEA][I]は白色粉末であり、仕込み量から算出した収率は91%であった。1H NMRスペクトルから[DAEA][I]の生成を確認した。次いで、ナスフラスコに[DAEA][I](142.7mg、0.25mmol)及び尿素(urea、30.0mg、0.50mmol)を加え、80℃で1時間加熱撹拌し、[DAEA][I]と2当量のureaとを含む共融混合体[DAEA][I]・(urea)2を得た。[DAEA][I]・(urea)2は25℃で白色固体(80℃で白色液体)であり、仕込み量から算出した収率は99%以上であった。[DAEA][I]・(urea)2の1H NMRスペクトルを測定したところ、[DAEA][I]及び尿素が存在し、[DAEA][I]のアクリロイル基が残存していることを確認した。また、[DAEA][I]及び尿素は、塩化メチレン(ジクロロメタン)に可溶であったが、[DAEA][I]・(urea)2は塩化メチレンに難溶であった。さらに、[DAEA][I]及び尿素に確認された融点は、[DAEA][I]・(urea)2では消失していた。これらの結果から、[DAEA][I]・(urea)2では、[DAEA][I]と尿素との間に相互作用(水素結合)が存在していることが間接的に示唆された。
<[DAEA][I]・(urea)2の合成>
還流管を設けた二口ナスフラスコを窒素置換した後、DAEA(2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート)(和光純薬工業株式会社製、純度98%以上、1432mg、10.0mmol)を加え、40℃で加熱撹拌した。これにメチルアイオダイド(関東化学株式会社製、純度99%以上、2839mg、20.0mmol)を加え、40℃で1時間攪拌した後、酢酸エチルを用いて再沈殿精製を行った。得られた沈殿物を3時間真空オーブンで乾燥し、[DAEA][I]([2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムアイオダイド)を得た。[DAEA][I]は白色粉末であり、仕込み量から算出した収率は91%であった。1H NMRスペクトルから[DAEA][I]の生成を確認した。次いで、ナスフラスコに[DAEA][I](142.7mg、0.25mmol)及び尿素(urea、30.0mg、0.50mmol)を加え、80℃で1時間加熱撹拌し、[DAEA][I]と2当量のureaとを含む共融混合体[DAEA][I]・(urea)2を得た。[DAEA][I]・(urea)2は25℃で白色固体(80℃で白色液体)であり、仕込み量から算出した収率は99%以上であった。[DAEA][I]・(urea)2の1H NMRスペクトルを測定したところ、[DAEA][I]及び尿素が存在し、[DAEA][I]のアクリロイル基が残存していることを確認した。また、[DAEA][I]及び尿素は、塩化メチレン(ジクロロメタン)に可溶であったが、[DAEA][I]・(urea)2は塩化メチレンに難溶であった。さらに、[DAEA][I]及び尿素に確認された融点は、[DAEA][I]・(urea)2では消失していた。これらの結果から、[DAEA][I]・(urea)2では、[DAEA][I]と尿素との間に相互作用(水素結合)が存在していることが間接的に示唆された。
[共融混合体のイオン伝導度の測定]
シリコンゴムシート(アズワン株式会社製、厚さ1mm)をφ16mmで打ち抜き、φ16mmで打ち抜いたシリコンゴムをさらにφ10mmで打ち抜くことによってドーナツ状の試料固定用シリコンゴムを得た。試料固定用シリコンゴムをSUS板上に貼り付け、試料固定用シリコンゴム内に25℃で液体であった実施例1−1及び実施例1−2で合成した共融混合体を配置した。次いで、共融混合体を60℃で24時間減圧乾燥し、さらに露点−90℃以下のアルゴン雰囲気下で24時間静置することによって水分を除去した。その後、試料固定用シリコンゴムにφ16mmのSUS板を被せ、2極セル(東洋システム株式会社製)内に封入することによって、イオン伝導度測定用セルを作製した。なお、イオン伝導度測定用セルの組み立ては露点−90℃以下のアルゴン雰囲気下のグローブボックス中で実施した。イオン伝導度の測定は、ポテンショガルバノスタット1287型が接続された周波数応答アナライザ1260型(それぞれSolartron社製)を用い、50℃で2MHz〜1Hzの範囲で掃引することによって行った。ナイキストプロットにおける実軸との交点の値を電解質のバルク抵抗とし、下記数式(X)に基づき、共融混合体のイオン伝導度を算出した。結果を表1に示す。
シリコンゴムシート(アズワン株式会社製、厚さ1mm)をφ16mmで打ち抜き、φ16mmで打ち抜いたシリコンゴムをさらにφ10mmで打ち抜くことによってドーナツ状の試料固定用シリコンゴムを得た。試料固定用シリコンゴムをSUS板上に貼り付け、試料固定用シリコンゴム内に25℃で液体であった実施例1−1及び実施例1−2で合成した共融混合体を配置した。次いで、共融混合体を60℃で24時間減圧乾燥し、さらに露点−90℃以下のアルゴン雰囲気下で24時間静置することによって水分を除去した。その後、試料固定用シリコンゴムにφ16mmのSUS板を被せ、2極セル(東洋システム株式会社製)内に封入することによって、イオン伝導度測定用セルを作製した。なお、イオン伝導度測定用セルの組み立ては露点−90℃以下のアルゴン雰囲気下のグローブボックス中で実施した。イオン伝導度の測定は、ポテンショガルバノスタット1287型が接続された周波数応答アナライザ1260型(それぞれSolartron社製)を用い、50℃で2MHz〜1Hzの範囲で掃引することによって行った。ナイキストプロットにおける実軸との交点の値を電解質のバルク抵抗とし、下記数式(X)に基づき、共融混合体のイオン伝導度を算出した。結果を表1に示す。
[ポリマの合成]
(実施例2−1)
<[P(DADMA)][Cl]・(urea)2の合成>
重合管に、共融混合体として実施例1−1の[DADMA][Cl]・(urea)2(70.4mg、0.25mmol)、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN、1.64mg、0.01mmol)、及び溶媒としてメタノール(0.25mL)を加えて混合液を得た。混合液を3回脱気した後、封管し、混合液を減圧下60℃で24時間撹拌し、共融混合体を重合させた。反応後、封管した重合管を液体窒素で冷却して反応を停止させ、25℃になるまで放置した後、減圧乾燥で溶媒を取り除くことによって、ポリマ[P(DADMA)][Cl]・(urea)2を得た。[P(DADMA)][Cl]・(urea)2は25℃で固体であった。
(実施例2−1)
<[P(DADMA)][Cl]・(urea)2の合成>
重合管に、共融混合体として実施例1−1の[DADMA][Cl]・(urea)2(70.4mg、0.25mmol)、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN、1.64mg、0.01mmol)、及び溶媒としてメタノール(0.25mL)を加えて混合液を得た。混合液を3回脱気した後、封管し、混合液を減圧下60℃で24時間撹拌し、共融混合体を重合させた。反応後、封管した重合管を液体窒素で冷却して反応を停止させ、25℃になるまで放置した後、減圧乾燥で溶媒を取り除くことによって、ポリマ[P(DADMA)][Cl]・(urea)2を得た。[P(DADMA)][Cl]・(urea)2は25℃で固体であった。
[ポリマのイオン伝導度の測定]
[DADMA][Cl]・(urea)2、AIBN、及びメタノールを実施例3と同じ組成比で混合した溶液を準備し、この溶液を試料固定用シリコンゴム内に配置して、60℃で24時間減圧乾燥し、[P(DADMA)][Cl]・(urea)2を形成した以外は、上述の共融混合体のイオン伝導度の測定と同様にして、イオン伝導度を測定した。結果を表1に示す。
[DADMA][Cl]・(urea)2、AIBN、及びメタノールを実施例3と同じ組成比で混合した溶液を準備し、この溶液を試料固定用シリコンゴム内に配置して、60℃で24時間減圧乾燥し、[P(DADMA)][Cl]・(urea)2を形成した以外は、上述の共融混合体のイオン伝導度の測定と同様にして、イオン伝導度を測定した。結果を表1に示す。
1…二次電池、2,2A,2B…電極群、3…電池外装体、4…正極集電タブ、5…負極集電タブ、6…正極、7…電解質層、8…負極、9…正極集電体、10…正極合剤層、11…負極集電体、12…負極合剤層、13A,13B…第1の電気化学デバイス用電極、14A,14B…第2の電気化学デバイス用電極、15…バイポーラ電極、16…バイポーラ電極集電体、17A,17B…第3の電気化学デバイス用電極。
Claims (13)
- 重合性官能基を有するアンモニウム塩及び水素結合供与体を含む、共融混合体。
- 前記対アニオンが、Cl−、Br−、I−、PF6 −、及びBF4 −からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項2に記載の共融混合体。
- 前記水素結合供与体が、窒素−水素結合を有する化合物及び酸素−水素結合を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の共融混合体。
- 前記水素結合供与体が、尿素又はチオ尿素である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の共融混合体。
- 前記重合性官能基を有するアンモニウム塩に対する前記水素結合供与体のモル比が1〜4である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の共融混合体。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の共融混合体に由来する構造単位を含有する、ポリマ。
- 集電体と、前記集電体の少なくとも一方の主面上に設けられた電極合剤層と、を備え、
前記電極合剤層が、
電極活物質と、
請求項7に記載のポリマと、
リチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、及びカルシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の電解質塩と、
を含有する、電気化学デバイス用電極。 - 請求項8に記載の電気化学デバイス用電極を備える、電気化学デバイス。
- 二次電池である、請求項9に記載の電気化学デバイス。
- 集電体と、前記集電体の少なくとも一方の主面上に設けられた電極合剤層と、を備える電気化学デバイス用電極の製造方法であって、
前記集電体の少なくとも一方の主面上に電極活物質を含む電極活物質層が設けられた電極前駆体を用意する工程と、
前記電極活物質層に、請求項1〜6のいずれか一項に記載の共融混合体、並びに、リチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、及びカルシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の電解質塩を加える工程と、
前記電極活物質層に加えられた前記共融混合体を重合して、前記電極合剤層を形成する工程と、
を備える、電気化学デバイス用電極の製造方法。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の共融混合体と、
リチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、及びカルシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の電解質塩と、
を含有する、共融混合体電解質組成物。 - 請求項7に記載のポリマと、
リチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、及びカルシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の電解質塩と、
を含有する、ポリマ電解質組成物。
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