JP2019189370A - ウインチ装置及びこれを備えたクレーン - Google Patents

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Abstract

【課題】湿式ブレーキを有するウインチ装置において油圧回路内に混入することがあるエアを当該油圧回路から効果的に排出することができるウインチ装置及びこれを備えたクレーンを提供する。【解決手段】ウインチ装置10は、ポジティブ油室3a及びネガティブ油室3bのうち、油圧源24と接続された油室から作動油を排出するための少なくとも一つの排出配管33,34と、排出配管33,34に接続され、前記作動油が前記油室から排出配管33,34に排出されるのを許容する排出許容位置と前記作動油が前記油室から排出配管33,34に排出されるのを阻止する排出阻止位置との間で切り換わることが可能となるように構成され、前記排出阻止位置から前記排出許容位置に切り換わることによりエア抜き処理を行うためのエア抜き切換弁23を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、ロープ巻き取り用のウインチ装置及びこれを備えたクレーンに関する。
一般に、クレーンは、自走可能な下部走行体と、下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、上部旋回体に起伏可能に取り付けられたブームと、ブームやジブの先端からロープを介して吊り下げられたフックと、ロープ巻取用のウインチドラムを有するウインチ装置とを備える。
例えば特許文献1は、湿式多板ブレーキを備えるウインチのブレーキ装置を開示している。特許文献1におけるウインチ(ウインチドラム)は、上部旋回体に設けられている。特許文献2は、ウインチドラムがブームに支持されるクレーンを開示している。
特開2016−222380号公報 特開2016−222358号公報
ところで、種々の目的からクレーンが複数の構成部品に分解され、その後、再び組立てられることがあり、それに伴い、油圧回路の配管の一部は、その接続部分から取り外され、その後再び当該接続部分に接続される。このように油圧回路の配管が接続部分に対して脱着されると、油圧回路内にエアが混入することがある。油圧回路内にエアが混入すると、例えば特許文献1におけるブレーキ装置のような湿式ブレーキを備えたウインチ装置では、ブレーキの応答性が低下することがある。具体例を挙げると、次の通りである。
例えばクレーンの輸送を目的として、ブームなどの部材が上部旋回体から取り外されることがある。ところが、例えば特許文献2におけるウインチドラムのようにウインチドラムがブームに支持される場合には、前記油圧回路の配管は上部旋回体とブームとにまたがるように配置されているので、ブームを上部旋回体から取り外すときには、油圧回路の配管の一部をその接続部分から取り外す必要がある。そして、クレーンの輸送後には、取り外されたブームなどの部材が上部旋回体に再び取り付けられるとともに、取り外された前記油圧回路の配管が前記接続部分に再び接続される。このように油圧回路の配管が接続部分に対して脱着されると、油圧回路内にエアが混入することがある。
したがって、ブレーキの応答性が低下するのを防ぐため、油圧回路内に混入したエアを除去する必要がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、湿式ブレーキを有するウインチ装置において油圧回路内に混入することがあるエアを当該油圧回路から効果的に排出することができるウインチ装置及びこれを備えたクレーンを提供することを目的とする。
(1)本発明のウインチ装置は、クレーンに搭載されるものである。前記ウインチ装置は、ロープを巻き取り又は繰り出すためのウインチドラムと、前記ウインチドラムを回転させるためのウインチモータと、前記ウインチモータの動力が前記ウインチドラムに伝達されるクラッチオン状態と前記ウインチドラムが前記ウインチモータから切り離されて前記ウインチドラムの自由回転を許容するクラッチオフ状態との間で切り換え動作可能なクラッチ部と、前記クラッチ部が前記クラッチオン状態になる方向の圧力を発生するポジティブ油室と前記クラッチ部が前記クラッチオフ状態になる方向の圧力を発生するネガティブ油室とを有するシリンダ部と、前記ポジティブ油室及び前記ネガティブ油室の少なくとも一方の油室に接続されて当該油室に作動油を供給するための油圧源と、前記油圧源と前記ポジティブ油室及び前記ネガティブ油室の何れか一方の油室との間に介在し、前記油圧源からの前記作動油が当該油室に供給されるのを許容する供給位置と当該油室内の前記作動油が当該油室から排出されるのを許容する排出位置とが切り換わることにより前記クラッチ部に前記切り換え動作を行わせるためのモード切換弁と、前記ポジティブ油室及び前記ネガティブ油室のうち、前記油圧源と接続された油室から前記作動油を排出するための少なくとも一つの排出配管と、前記排出配管に接続され、前記作動油が前記油室から前記排出配管に排出されるのを許容する排出許容位置と前記作動油が前記油室から前記排出配管に排出されるのを阻止する排出阻止位置との間で切り換わることが可能となるように構成され、前記排出阻止位置から前記排出許容位置に切り換わることにより前記油圧源からの前記作動油が前記油室に供給されて当該油室内のエアとともに前記排出配管に排出されることを可能にするエア抜き処理を行うためのエア抜き切換弁と、を備える。
本発明のウインチ装置によれば、種々の目的(例えばクレーンの輸送目的など)から油圧回路の配管の一部がその接続部分に対して脱着されて油圧回路内にエアが混入した場合であっても、湿式ブレーキに用いられる油圧源と共通の油圧源を利用して前記シリンダ部における前記油室内の前記エア抜き処理を効果的に行うことができる。これにより、湿式ブレーキの応答性が低下するのを防止できる。具体的には次の通りである。
本発明では、エア抜き切換弁が排出阻止位置にあるときには、前記油室内の作動油が前記排出配管に排出されるのを阻止できるので、ウインチ装置における油圧回路を、吊り荷作業などの通常作業のために用いることができる。その一方で、エア抜き切換弁が排出阻止位置から排出許容位置に切り換わることにより、油室に設けられた排出配管に前記油室内の作動油が排出されるのが許容され、これにより、油圧源からの作動油が油室に供給されて当該油室内のエアとともに排出配管に排出されるエア抜き処理を効果的に行うことができる。
(2)前記ウインチ装置において、前記シリンダ部は、前記油圧源から前記油室に前記作動油が供給されるのを許容する入口ポートと、前記入口ポートよりも上方に設けられた出口ポートとを有し、前記出口ポートには前記排出配管が接続されているのが好ましい。
前記入口ポートなどから前記油室内に混入したエアは、当該油室内の作動油中を上昇して油室内の上部に溜まりやすい。本態様では、前記エア抜き処理において、入口ポートよりも上方に設けられた出口ポートを通じて油圧室内の上部に溜まったエアを作動油とともに効率よく排出配管に排出することができる。
(3)前記ウインチ装置は、前記モード切換弁が接続された油室の圧力を検出するための圧力センサと、前記エア抜き処理の要否を判定する要否判定部と、をさらに備え、前記要否判定部は、前記モード切換弁が前記排出位置から前記供給位置に切り換わった時点から前記圧力センサにより検知される前記油室の圧力が予め設定された基準圧力に達するまでの時間に基づいて、前記エア抜き処理の要否を判定してもよい。
この態様では、モード切換弁が前記排出位置にあるときには前記油室内の作動油が排出されて当該油室の圧力が低下しているが、その後、モード切換弁が前記排出位置から前記供給位置に切り換わると、前記油室に油圧源から作動油が供給され、当該油室内の圧力が次第に上昇する。ここで、当該油室内に残存するエアの残存量が多いほど、油室内の圧力の上昇速度は小さくなり、予め設定された基準圧力に達するまでの時間(応答時間)が長くなる。したがって、本態様では、油室内のエアの残存量に基づいてエア抜き処理の要否を適切に判定することができる。
(4)本発明のクレーンは、自走可能な下部走行体と、下部走行体上に軸回りに旋回可能に搭載された上部旋回体と、上述のウインチ装置と、を備え、前記ウインチ装置の前記ウインチドラムは油圧回路の一部とともに、前記上部旋回体に対して着脱可能に構成されている。
本発明のクレーンによれば、種々の目的(例えばクレーンの輸送目的など)からウインチドラムが油圧回路の一部とともに上部旋回体に対して着脱され、その結果、油圧回路内にエアが混入した場合であっても、湿式ブレーキに用いられる油圧源と共通の油圧源を利用して前記シリンダ部における前記油室内の前記エア抜き処理を効果的に行うことができる。これにより、湿式ブレーキの応答性が低下するのを防止できる。
(5)前記クレーンにおいて、前記ウインチ装置は、前記エア抜き切換弁の動作を制御するエア抜き制御部をさらに備え、前記エア抜き制御部は、前記ウインチドラムが前記油圧回路の一部とともに前記上部旋回体から取り外され、再び前記上部旋回体に取り付けられるまでの分解組立モードが終了し、前記ウインチ装置を用いた作業モードに切り換えられたときに、前記エア抜き切換弁を前記排出阻止位置から前記排出許容位置に切り換えて前記エア抜き処理を実行するのが好ましい。
この態様では、分解組立モードが終了したとき、すなわち、油室内にエアが混入している可能性があるためにエア抜き処理が最も必要とされるときで、かつ、ウインチ装置を用いた作業モードに切り換えられたとき、すなわち、実際にウインチ装置を用いた作業が開始される前に、前記エア抜き処理が実行される。したがって、本態様では、ウインチ装置を用いた吊り荷作業などの作業中にエア抜き処理が実行される場合に比べて、エア抜き処理が当該作業の邪魔になるのを防ぐとともに、エア抜き処理が最も必要とされるときに油室内のエアを排出することができる。
(6)前記クレーンにおいて、前記ウインチ装置は、前記エア抜き切換弁の動作を制御するエア抜き制御部をさらに備え、前記エア抜き制御部は、前記クレーンのエンジンが始動されたときに、前記エア抜き切換弁を前記排出阻止位置から前記排出許容位置に切り換えて前記エア抜き処理を実行するのが好ましい。
この態様では、クレーンのエンジン始動時、すなわち、実際にウインチ装置を用いた作業が開始される前に、前記エア抜き処理が実行される。したがって、本態様では、ウインチ装置を用いた吊り荷作業などの作業中にエア抜き処理が実行される場合に比べて、エア抜き処理が当該作業の邪魔になるのを防ぐことができる。しかも、本態様では、クレーンのエンジンが始動される毎に前記エア抜き処理が実行されるので、油室に残存するエアをエア抜き処理のたびに減少させることができる。
本発明によれば、湿式ブレーキを有するウインチ装置において油圧回路内に混入することがあるエアを当該油圧回路から効果的に排出することができる。
本発明の実施形態に係るクレーンを示す側面図である。 本発明の第1実施形態に係るウインチ装置における油圧回路を示す図である。 第1実施形態に係るウインチ装置における湿式ブレーキユニット、油圧配管、各種ポートなどを示す斜視図である。 第1実施形態に係るウインチ装置を用いたエア抜き方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るウインチ装置における油圧回路を示す図である。 第2実施形態に係るウインチ装置を用いたエア抜き方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係るウインチ装置における油圧回路を示す図である。 第3実施形態に係るウインチ装置を用いたエア抜き方法の一例を示すフローチャートである。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細に説明する。
[クレーン]
図1は、本発明の実施形態に係るウインチ装置10を備えたクレーン100を示す側面図である。図1に示すように、クレーン100は、自走可能な下部走行体101と、下部走行体101上に軸回りに旋回可能に搭載された上部旋回体103と、上部旋回体103に起伏可能に取り付けられたブーム104と、ブーム104の先端からロープRを介して吊り下げられたフック105と、上部旋回体103に取り付けられたガントリ107と、ウインチドラム1を有するウインチ装置10とを備える。なお、ブーム104の先端にジブが取り付けられる場合には、フック105はジブの先端からロープRを介して吊り下げられる。
ウインチ装置10は、フック105に繋がるロープRを、ウインチドラム1に巻き取り又はウインチドラム1から繰り出すことにより、フック105に吊り荷作業のための昇降動作を行わせるためのものである。ロープRは、ウインチドラム1から繰り出されてブーム104の先端を経由し、そのブーム104の先端から垂下されてフック105を吊り下げている。フック105には吊り荷106が吊り下げられる。ウインチドラム1は、その回転軸回りの一方の回転方向(巻取回転方向)に回転することにより、ロープRを巻き取り、それによってフック105を上昇させる。また、ウインチドラム1は、巻取回転方向の反対方向に回転することにより、ロープRを繰り出し、それによってフック105を降下させる。
図1に示すように、本実施形態では、ウインチドラム1はブーム104に設けられている。ウインチドラム1は、その回転軸とクレーン100の車幅方向とが一致するように、ブーム104に支持されている。図1では図示を省略しているが、ウインチ装置10の油圧回路における配管の一部は、上部旋回体103とブーム104との間にまたがって配置されている。
本実施形態では、ウインチ装置10の湿式ブレーキユニット2(図2参照)などに接続されている油圧配管は、接続部分に対して着脱可能なカプラによって着脱可能であるので、クレーン100を輸送するためにブーム104を上部旋回体103から取り外すときに、ブーム104に支持されているウインチドラム1を、油圧配管の一部とともに上部旋回体103から容易に分離することができる。特に、ウインチ装置10に対して接続される油圧配管はすべて着脱可能なカプラにより接続されているのが好ましい。
以下、本発明の実施形態に係るウインチ装置10について詳細に説明する。
[第1実施形態]
図2は、本発明の第1実施形態に係るウインチ装置10における油圧回路を示す図である。図2に示すように、ウインチ装置10は、上述したウインチドラム1の他、湿式ブレーキユニット2と、ウインチモータ20と、減速機21と、モード切換弁22と、エア抜き切換弁23と、油圧源としての油圧ポンプ24と、ブレーキ操作装置25と、チェック弁26A,26Bと、回転方向切換弁27と、油圧ポンプ28と、ウインチ操作装置29と、モード切換スイッチ30と、エア抜きスイッチ35と、コントローラ40と、をさらに有する。
ウインチモータ20は、ウインチドラム1を回転駆動させるための駆動源である。本実施形態では、ウインチモータ20は、油圧ポンプ28から作動油の供給を受けて回転する出力軸201を有する油圧モータである。ウインチモータ20は、第1ポート20a及び第2ポート20bを有し、そのうちの一方のポートへの作動油の供給を受けることにより当該一方のポートに対応する方向に出力軸201が回転するとともに他方のポートから作動油を排出する。
回転方向切換弁27は、油圧ポンプ28とウインチモータ20との間に介在し、ウインチモータ20を駆動するための作動油を油圧ポンプ28からウインチモータ20の第1ポート20a及び第2ポート20bに択一的に導いて当該ウインチモータ20に供給される作動油の方向を制御するとともに、ウインチモータ20に供給される作動油の流量を制御するための制御弁である。回転方向切換弁27は、パイロットポート27a,27bを有する。
ウインチ操作装置29は、操作部材としての操作レバー29aと、パイロット弁29bとを有する。操作レバー29aは、当該操作レバー29aに対してオペレータから操作が与えられることによりその向きに回動する。パイロット弁29bは、図略のパイロットポンプに接続される図略の入口ポートと、図略の一対の出口ポートとを有する。当該一対の出口ポートは、パイロットラインを介して回転方向切換弁27のパイロットポート27a,27bにそれぞれ接続される。パイロット弁29bは、操作レバー29aの操作の向きに対応するパイロットポート27a,27bに対して当該操作の大きさに対応したパイロット圧が前記パイロットポンプから供給されることを許容するように開弁する。
回転方向切換弁27は、パイロットポート27a,27bにパイロット圧が入力されないときは中立位置(図2の中央位置)に保持される。この中立位置では、油圧ポンプ28とウインチモータ20との間が遮断されてセンターバイパスラインが開通することにより油圧ポンプ28からの作動油がセンターバイパスラインを通じてそのままタンクT1に戻る。
また、回転方向切換弁27は、パイロットポート27aに一定以上のパイロット圧が供給されるとそのパイロット圧の大きさに対応したストロークで前記中立位置から第1駆動位置(図2の上側位置)にシフトする。この第1駆動位置では、油圧ポンプ28からの作動油が前記ストロークに対応した流量でウインチモータ20の第1ポート20aに供給されるとともに、第2ポート20bから排出される作動油がタンクT1に戻る。
また、回転方向切換弁27は、パイロットポート27bに一定以上のパイロット圧が供給されるとそのパイロット圧の大きさに対応したストロークで前記中立位置から第2駆動位置(図2の下側位置)にシフトする。この第2駆動位置では、油圧ポンプ28からの作動油が前記ストロークに対応した流量でウインチモータ20の第2ポート20bに供給されるとともに、第1ポート20aから排出される作動油がタンクT1に戻る。
減速機21は、ウインチモータ20の出力軸201とウインチドラム1との間に介在してウインチモータ20の動力をウインチドラム1に伝達するためのものであり、例えば遊星歯車機構によって構成されている。減速機21のキャリア軸211には、後述するクラッチ部4のプレート(例えばインナープレート8)が接続されている。
湿式ブレーキユニット2は、シリンダ部3と、クラッチ部4とを有する。クラッチ部4は、ウインチモータ20の動力がウインチドラム1に伝達されるクラッチオン状態と、ウインチドラム1がウインチモータ20から切り離されてウインチドラム1の自由回転を許容するクラッチオフ状態との間で切り換え動作可能に構成されている。クラッチ部4は、クラッチケース7と、クラッチケース7内に配置されたインナープレート8と、アウタープレート9と、バネ11と、押圧部12とを有する。
シリンダ部3は、クラッチ部4が前記クラッチオン状態になる方向の圧力を発生するポジティブ油室3aと、クラッチ部4が前記クラッチオフ状態になる方向の圧力を発生するネガティブ油室3bとを有する。シリンダ部3は、シリンダケース5と、シリンダケース5内に配置されてシリンダケース5に対して軸方向に相対移動可能なピストン6とを有する。ピストン6は、シリンダケース5内の空間を、ポジティブ油室3aと、ネガティブ油室3bとに仕切るフランジ部6aを有する。
ピストン6が軸方向に移動することにより、クラッチ部4が前記クラッチオン状態(ブレーキがかかる状態)と前記クラッチオフ状態(ブレーキが解除される状態)とに切り換わる。具体的には、ピストン6が軸方向の一方に移動するのに伴って押圧部12がインナープレート8とアウタープレート9が接するようにこれらに押圧力を加えることにより、クラッチ部4がクラッチオン状態となる。一方、ピストン6が軸方向の他方に移動すると、インナープレート8とアウタープレート9が離間してクラッチ部4がクラッチオフ状態となる。バネ11は、クラッチ部4がクラッチオン状態になる方向に押圧部12、すなわちピストン6を付勢する。
モード切換弁22は、後述するブレーキ操作装置25と協働して、クラッチ部4をクラッチオン状態(ブレーキ状態)とクラッチオフ状態(ブレーキ解除状態)とに切り換えるための制御弁である。モード切換弁22は、油圧ポンプ24と、ポジティブ油室3aとの間に介在している。
モード切換弁22は、油圧ポンプ24からの作動油がポジティブ油室3aに供給されるのを許容する供給位置(図2の左側位置)と、ポジティブ油室3a内の作動油がポジティブ油室3aから排出されるのを許容する排出位置(図2の右側位置)とに切り換え可能に構成されている。本実施形態では、モード切換弁22は、電磁弁によって構成されている。
モード切換スイッチ30は、ブレーキモードとフリーフォールモードとを切り換えるためのスイッチであり、例えばクレーンのキャブ内に設けられることによりオペレータによって操作可能に構成されている。モード切換スイッチ30は、当該スイッチがオンにされるとフリーフォールモード信号をコントローラ40に入力するように構成されており、スイッチがオフにされるとブレーキモード信号をコントローラ40に入力するように構成されている。
モード切換スイッチ30がオフにされると、モード切換弁22は、ソレノイドが非励磁状態となり、排出位置から供給位置(図2の左側位置)に切り換わる。モード切換弁22が排出位置から供給位置に切り換わると、モード切換弁22は、油圧ポンプ24からの作動油がポジティブ油室3aに供給されるを許容する。一方、モード切換スイッチ30がオンにされると、モード切換弁22は、ソレノイドが励磁状態となり、供給位置から排出位置(図2の右側位置)に切り換わる。モード切換弁22が供給位置から排出位置に切り換わると、モード切換弁22は、油圧ポンプ24からの作動油がポジティブ油室3aに供給されるのを阻止する一方で、ポジティブ油室3a内の作動油がタンクT2に戻るのを許容する。
ブレーキ操作装置25は、操作部材としての操作ペダル(フットペダル)25aと、ブレーキ弁25bとを有する。ブレーキ弁25bは、操作ペダル25aによって操作される。
ポジティブ油室3aの入口ポート3Aに接続されたポジティブライン31(供給配管)は、モード切換弁22の一方の出口ポートに接続されている。モード切換弁22の一方の入口ポートは、油圧ポンプ24に接続されており、他方の入口ポートは、ブレーキ弁25bの出口ポートに接続されている。ブレーキ弁25bの一方の入口ポートは、タンクT2に接続されており、ブレーキ弁25bの他方の入口ポートは、油圧ポンプ24に接続されている。ネガティブ油室3bの入口ポート3Bに接続されたネガティブライン32(供給配管)は、油圧ポンプ24に直接接続されている。
ブレーキ弁25bは、モード切換スイッチ30がオンの状態(モード切換弁22が排出位置(図2の右側位置))にある場合に、操作ペダル25aが操作されていないときには、シリンダ部3におけるポジティブ油室3a内の作動油がモード切換弁22を介してタンクT2へ戻ることを許容する。一方、ブレーキ弁25bは、モード切換スイッチ30がオンの状態(モード切換弁22が排出位置)にある場合に、操作ペダル25aが操作されているときには、操作ペダル25aのストロークに応じて開弁して油圧ポンプ24からの作動油がモード切換弁22を介してシリンダ部3におけるポジティブ油室3aへ供給されることを許容する。
エア抜きスイッチ35は、エア抜き処理を開始するためのスイッチであり、オペレータによって操作可能に構成されている。エア抜きスイッチ35は、当該スイッチがオンにされるとエア抜き信号をコントローラ40に入力するように構成されている。
エア抜き切換弁23は、ポジティブ油室3a及びネガティブ油室3bに混入しているエアを除去するエア抜き処理を行うための制御弁である。エア抜き切換弁23は、油圧ポンプ24に接続されたポジティブ油室3a及びネガティブ油室3bから作動油を排出するためのポジティブライン33(排出配管)及びネガティブライン34(排出配管)に接続されている。
エア抜き切換弁23は、前記作動油がポジティブ油室3a及びネガティブ油室3bから排出配管としてのポジティブライン33及びネガティブライン34に排出されるのを許容する排出許容位置(図2の右側位置)と、前記作動油がポジティブ油室3a及びネガティブ油室3bからポジティブライン33及びネガティブライン34に排出されるのを阻止する排出阻止位置(図2の左側位置)とに切り換え可能に構成されている。本実施形態では、エア抜き切換弁23は、電磁弁によって構成されている。
ポジティブライン33は、ポジティブ油室3aの出口ポート3Cに接続され、ネガティブライン34は、ネガティブ油室3bの出口ポート3Dに接続されている。これらのポジティブライン33及びネガティブライン34は、エア抜き切換弁23における同じ入口ポートに接続されている。エア抜き切換弁23の一方の出口ポートは、タンクT3に接続されている。
図2及び図3に示すように、シリンダ部3の出口ポート3C,3Dは、入口ポート3A,3Bよりも高い位置に(上方に)設けられている。
ポジティブライン33には、ポジティブ油室3aからエア抜き切換弁23への作動油の流れを許容する一方で、逆向きの作動油の流れを阻止するチェック弁26Aが設けられている。ネガティブライン34には、ネガティブ油室3bからエア抜き切換弁23への作動油の流れを許容する一方で、逆向きの作動油の流れを阻止するチェック弁26Bが設けられている。これにより、ポジティブライン33を流れる作動油がネガティブライン34に流れ込むこと、及びネガティブライン34を流れる作動油がポジティブライン33に流れ込むことが防止される。
エア抜きスイッチ35がオフにされると、エア抜き切換弁23は、ソレノイドが非励磁状態となり、排出許容位置から排出阻止位置(図2の左側位置)に切り換わり、ポジティブ油室3a内の作動油及びネガティブ油室3b内の作動油がタンクT3に戻るのを阻止する。一方、エア抜きスイッチ35がオンにされると、エア抜き切換弁23は、ソレノイドが励磁状態となり、排出阻止位置から排出許容位置(図2の右側位置)に切り換わり、ポジティブ油室3a内の作動油及びネガティブ油室3b内の作動油がタンクT3に戻るのを許容する。
コントローラ40は、中央処理装置(Central Processing Unit)、種々の制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)などから構成される。
第1実施形態では、コントローラ40は、エア抜き制御部41と、モード切換制御部42と、を機能として備える。エア抜き制御部41は、エア抜き切換弁23の動作を制御する。モード切換制御部42は、モード切換弁22の動作を制御する。
上記のような第1実施形態に係るウインチ装置10は、次のような動作を行う。
図2に示すように、モード切換スイッチ30がオフにされ、ウインチ装置10がブレーキモードの状態に切り換えられると、モード切換弁22のソレノイドが非励磁状態となり、モード切換弁22は排出位置から供給位置(図2の左側位置)に切り換わる。この場合、ポジティブ油室3aとネガティブ油室3bには同じ圧力がかかっている。このため、バネ11の付勢力によって押圧部12は、インナープレート8とアウタープレート9が接するようにこれらに押圧力を加え、これにより、減速機21を介してウインチドラム1とウインチモータ20とが連結した状態(クラッチオン状態、ブレーキ状態)となる。
一方、モード切換スイッチ30がオンにされ、ウインチ装置10がフリーフォールモードの状態に切り換えられると、モード切換弁22のソレノイドが励磁状態となり、モード切換弁22は供給位置から排出位置(図2の右側位置)に切り換わり、ポジティブ油室3aはブレーキ操作装置25のブレーキ弁25bに接続される。
この場合、操作ペダル25aが操作されたときには(操作ペダル25aが踏まれたときには)、ポジティブ油室3aとネガティブ油室3bには同じ圧力がかかるため、減速機21を介してウインチドラム1とウインチモータ20とが連結した状態(ブレーキ状態)となる。
一方、操作ペダル25aが操作されていないときには(操作ペダル25aが踏まれていないときには)、ポジティブ油室3aの圧力がネガティブ油室3bに比べて低くなるため、ネガティブ油室3bの圧力がバネ11による付勢力よりも大きくなり、インナープレート8とアウタープレート9が離間した状態(クラッチオフ状態、ブレーキ解除状態)となる。これにより、ウインチドラム1は、ウインチモータ20から切り離されてフリーの状態になる。ウインチドラム1がフリーの状態になると、吊り荷106は自重によって自由落下することになるが、この自由落下の速度は操作ペダル25aの操作量(踏み込み量)に応じて増減可能である。
また、インナープレート8とアウタープレート9との間に生じる摩擦に起因するクラッチ部4の焼き付きを防止するために、図2に示すように、ウインチ装置10は、冷却用油を供給するポンプ36と、冷却用油を回収するタンク37とをさらに備えている。ポンプ36からの冷却用油は、例えばピストン6に設けられた流路を通じてクラッチ部4のクラッチケース7内に供給され、インナープレート8とアウタープレート9を冷却した後、タンク37に回収される。
図4は、本発明の一実施形態にかかるエア抜き方法の一例を示すフローチャートである。図4に示すように、クレーン100のエンジンが始動されると(図4のステップS1)、コントローラ40のモード切換制御部42は、モード切換弁22のソレノイドが非励磁状態(オフの状態)となるようにモード切換弁22を制御する。これにより、モード切換弁22は排出位置から供給位置(図2の左側位置)に切り換わる(図4のステップS2)。
一方、コントローラ40のエア抜き制御部41は、エア抜き切換弁23のソレノイドが励磁状態(オンの状態)となるようにエア抜き切換弁23を制御する。これにより、エア抜き切換弁23は、排出阻止位置から排出許容位置(図2の右側位置)に切り換わる(図4のステップS3)。その結果、油圧ポンプ24からポジティブライン31を通じてポジティブ油室3aに供給される作動油は、作動油に混入しているエアとともにポジティブ油室3aの出口ポート3Cからポジティブライン33に流出し、エア抜き切換弁23を介してタンクT3に戻る。同様に、油圧ポンプ24からネガティブライン32を通じてネガティブ油室3bに供給される作動油は、作動油に混入しているエアとともにネガティブ油室3bの出口ポート3Dからネガティブライン34に流出し、エア抜き切換弁23を介してタンクT3に戻る。
一方、エア抜き制御部41は、予め設定されたエア抜き時間が経過したか否かを判定する(図4のステップS4)。エア抜き制御部41は、前記エア抜き時間が経過していないと判定すると(図4のステップS4においてNO)、エア抜き切換弁23のソレノイドが励磁状態(オンの状態)に維持されるようにエア抜き切換弁23を制御する。一方、エア抜き制御部41は、前記エア抜き時間が経過したと判定すると(図4のステップS4においてYES)、エア抜き切換弁23のソレノイドが非励磁状態(オフの状態)となるようにエア抜き切換弁23を制御する(図4のステップS5)。これにより、エア抜き切換弁23は排出許容位置から排出阻止位置(図2の左側位置)に切り換わり、エア抜き処理が終了する。
[第2実施形態]
図5は、本発明の第2実施形態に係るウインチ装置10における油圧回路を示す図である。図5に示す第2実施形態に係るウインチ装置10は、モード切換弁22とポジティブ油室3aとを接続するポジティブライン31に圧力センサ38と、前記エア抜き処理の要否を判定する要否判定部43と、をさらに有している点が図2に示す第1実施形態に係るウインチ装置10と異なっており、その他の構成は第1実施形態と同様である。
当該圧力センサ38は、ポジティブライン31の圧力、すなわち、ポジティブ油室3aの圧力を検出することにより、ブレーキの応答性を判定するために設けられている。圧力センサ38による検出信号は、コントローラ40に入力される。
要否判定部43は、モード切換弁22が前記排出位置から前記供給位置に切り換わった時点から圧力センサ38により検知される前記油室の圧力が予め設定された基準圧力に達するまでの時間に基づいて、前記エア抜き処理の要否を判定する。
図6は、第2実施形態に係るウインチ装置10を用いたエア抜き方法の一例を示すフローチャートである。図6に示すエア抜き方法において、ステップS11〜ステップS15は、図4に示すエア抜き方法におけるステップS1〜ステップS5と同様の処理である。
図6に示すエア抜き方法において、ステップS11〜ステップS15の処理、すなわち、1回目のエア抜き処理が終了すると、コントローラ40のモード切換制御部42は、モード切換弁22のソレノイドが励磁状態(オンの状態)となるようにモード切換弁22を制御する。これにより、モード切換弁22は供給位置から排出位置(図5の右側位置)に切り換わる(図6のステップS16)。その結果、ポジティブ油室3a内の作動油がポジティブライン31を通じてタンクT2に戻ることが許容され、ポジティブライン31における作動油の圧力、すなわち、ポジティブ油室3aの圧力が低下する。
一方、モード切換制御部42は、モード切換弁22のソレノイドが非励磁状態(オフの状態)となるようにモード切換弁22を制御する。これにより、モード切換弁22は、排出位置から供給位置(図5の左側位置)に切り換わる(図6のステップS17)。その結果、油圧ポンプ24からの作動油がポジティブライン31を通じてシリンダ部3のポジティブ油室3aに供給され、ポジティブライン31の圧力、すなわち、ポジティブ油室3aの圧力が次第に上昇する。
このとき、ポジティブ油室3aに残存するエアの量に応じて圧力の上昇速度が変わる。具体的に、エアの残存量が多くなるほど圧力の上昇速度が遅くなる。したがって、要否判定部43は、ステップS17においてモード切換弁22のソレノイドが非励磁状態(オフの状態)となってからポジティブライン31の圧力が予め定められた基準圧力に達するまでの時間(応答時間)を計測する。当該圧力は前記圧力センサ38によって検出され、その検出信号はコントローラ40に入力される。そして、要否判定部43は、当該応答時間が予め定められた基準時間未満であるか否かを判定する(図6のステップS18)。
当該応答時間が前記基準時間以上である場合(図6のステップS18においてNO)、1回目のエア抜き処理によるエア除去量が十分でないため、再度エア抜き処理を行う必要がある。そこで、要否判定部43が、当該応答時間が前記基準時間以上であると判定した場合、エア抜き制御部41は、エア抜き切換弁23が励磁状態(オンの状態)となるようにエア抜き切換弁23を制御する(図6のステップS13)。これにより、油圧ポンプ24からポジティブライン31を通じてシリンダ部3のポジティブ油室3aに供給される作動油は、作動油に混入しているエアとともにポジティブ油室3aの出口ポート3Cからポジティブライン33に流出し、エア抜き切換弁23を介してタンクT3に戻る。同様に、油圧ポンプ24からネガティブライン32を通じてシリンダ部3のネガティブ油室3bに供給される作動油は、作動油に混入しているエアとともにネガティブ油室3bの出口ポート3Dからネガティブライン34に流出し、エア抜き切換弁23を介してタンクT3に戻る。なお、要否判定部43による上記判定結果は、オペレータが認識可能なように図略の表示部に表示されてもよい。
一方、エア抜き制御部41は、予め設定されたエア抜き時間が経過したか否かを判定する(図6のステップS14)。エア抜き制御部41は、前記エア抜き時間が経過していないと判定すると(図6のステップS14においてNO)、エア抜き切換弁23のソレノイドが励磁状態(オンの状態)に維持されるようにエア抜き切換弁23を制御する。一方、エア抜き制御部41は、前記エア抜き時間が経過したと判定すると(図6のステップS14においてYES)、エア抜き切換弁23のソレノイドが非励磁状態(オフの状態)となるようにエア抜き切換弁23を制御する(図6のステップS15)。これにより、2回目のエア抜き処理が終了する。
2回目のエア抜き処理が終了すると、コントローラ40は、上述したステップS16〜ステップS18の処理を実行する。そして、前記応答時間が前記基準時間以上である場合(図6のステップS18においてNO)、2回目のエア抜き処理が実行されても、まだエア除去量が十分でないため、再度エア抜き処理を行う必要がある。そこで、コントローラ40は、上述したステップS13〜ステップS17の処理を実行する。一方、前記応答時間が前記基準時間未満である場合(図6のステップS18においてYES)、エア除去量が十分であり、十分なブレーキ応答性が得られているため、コントローラ40は、上述した処理を実行しない。これにより、エア抜き処理が終了する。
[第3実施形態]
図7は、本発明の第3実施形態に係るウインチ装置10における油圧回路を示す図である。図7に示す第3実施形態に係るウインチ装置10の油圧回路は、以下に挙げる点が図2に示す第1実施形態に係るウインチ装置10の油圧回路と異なっており、その他の構成は第1実施形態における油圧回路と同様であるので、以下では第1実施形態における油圧回路と異なる点のみ説明する。
第3実施形態における油圧回路では、シリンダ部3のポジティブ油室3aの入口ポート3Aには、ポジティブライン31が接続されている。このポジティブライン31は、第1実施形態のようにモード切換弁22及び油圧ポンプ24には接続されておらず、タンクT4に接続されている。また、シリンダ部3のポジティブ油室3aの出口ポート3Cには、第1実施形態におけるポジティブライン33は接続されていない。したがって、ネガティブライン34には、第1実施形態においてチェック弁26Bは不要であるので設けられていない。
シリンダ部3のネガティブ油室3bの入口ポート3Bには、ネガティブライン32が接続されている。このネガティブライン32は、第1実施形態のように油圧ポンプ24に直接接続されているのではなく、モード切換弁22の一方の出口ポートに接続されている。そして、モード切換弁22の一方の入口ポートは、タンクT2に接続されている。モード切換弁22の他方の入口ポートは、ブレーキ弁25bの出口ポートに接続されている。ブレーキ弁25bの一方の入口ポートは、油圧ポンプ24に接続されている。ブレーキ弁25bの他方の入口ポートは、タンクT2に接続されている。
上記のような第3実施形態に係るウインチ装置10は、次のような動作を行う。
図7に示すように、モード切換スイッチ30がオフにされ、ウインチ装置10がブレーキモードの状態に切り換えられると、モード切換弁22のソレノイドが非励磁状態となり、モード切換弁22は供給位置から排出位置(図7の左側位置)に切り換わる。この場合、ポジティブ油室3aとネガティブ油室3bには同じ圧力がかかっている。このため、バネ11の付勢力によって押圧部12は、インナープレート8とアウタープレート9が接するようにこれらに押圧力を加え、これにより、減速機21を介してウインチドラム1とウインチモータ20とが連結した状態(クラッチオン状態、ブレーキ状態)となる。
一方、モード切換スイッチ30がオンにされ、ウインチ装置10がフリーフォールモードの状態に切り換えられると、モード切換弁22のソレノイドが励磁状態となり、モード切換弁22は排出位置から供給位置(図7の右側位置)に切り換わり、ネガティブ油室3bはブレーキ操作装置25のブレーキ弁25bに接続される。
この場合、操作ペダル25aが操作されたときには(操作ペダル25aが踏まれたときには)、ネガティブ油室3bはタンクT2につながり、ポジティブ油室3aとネガティブ油室3bには同じ圧力がかかるため、減速機21を介してウインチドラム1とウインチモータ20とが連結した状態(ブレーキ状態)となる。
一方、操作ペダル25aが操作されていないときには(操作ペダル25aが踏まれていないときには)、ネガティブ油室3bの圧力がポジティブ油室3aの圧力に比べて高くなるため、ネガティブ油室3bの圧力がバネ11による付勢力よりも大きくなり、インナープレート8とアウタープレート9が離間した状態(クラッチオフ状態、ブレーキ解除状態)となる。これにより、ウインチドラム1は、ウインチモータ20から切り離されてフリーの状態になる。ウインチドラム1がフリーの状態になると、吊り荷106は自重によって自由落下することになるが、この自由落下の速度は操作ペダル25aの操作量(踏み込み量)に応じて増減可能である。
図8は、第3実施形態に係るウインチ装置10を用いたエア抜き方法の一例を示すフローチャートである。図8に示すように、クレーン100のエンジンが始動されると(図8のステップS21)、コントローラ40のエア抜き制御部41は、エア抜き切換弁23のソレノイドが励磁状態(オンの状態)となるようにエア抜き切換弁23を制御する。これにより、エア抜き切換弁23は、排出阻止位置から排出許容位置(図7の右側位置)に切り換わる(図8のステップS22)。
一方、コントローラ40のモード切換制御部42は、モード切換弁22のソレノイドが励磁状態(オンの状態)となるようにモード切換弁22を制御する。これにより、モード切換弁22は排出位置から供給位置(図7の右側位置)に切り換わる(図8のステップS23)。その結果、油圧ポンプ24からネガティブライン32を通じてシリンダ部3のネガティブ油室3bに供給される作動油は、作動油に混入しているエアとともにネガティブ油室3bの出口ポート3Dからネガティブライン34に流出し、エア抜き切換弁23を介してタンクT3に戻る。
なお、ポジティブ油室3aはタンクT4に接続されているだけであるので、クレーン100の輸送時などにおいてもポジティブ油室3aとタンクT4とをつなぐ配管の脱着は不要である。したがって、第3実施形態では、ポジティブ油室3aにはエアは混入しないので、エア抜き処理は不要である。
ただし、クレーン100の輸送時などにおいてポジティブ油室3aとタンクT4とをつなぐ配管(ポジティブライン31)が脱着される場合には、例えば、油圧ポンプ24と当該ポジティブライン31とを接続する配管を設けて、ポジティブ油室3aのエア抜き処理を行ってもよい。
一方、エア抜き制御部41は、予め設定されたエア抜き時間が経過したか否かを判定する(図8のステップS24)。エア抜き制御部41は、前記エア抜き時間が経過していないと判定すると(図8のステップS24においてNO)、エア抜き切換弁23のソレノイドがオンの状態に維持されるようにエア抜き切換弁23を制御する。
一方、エア抜き制御部41が、前記エア抜き時間が経過したと判定すると(図8のステップS24においてYES)、モード切換制御部42は、モード切換弁22のソレノイドが非励磁状態(オフの状態)となるようにモード切換弁22を制御する。これにより、モード切換弁22は供給位置から排出位置(図7の左側位置)に切り換わる(図8のステップS25)。そして、エア抜き制御部41は、エア抜き切換弁23のソレノイドが非励磁状態(オフの状態)となるようにエア抜き切換弁23を制御する。これにより、エア抜き切換弁23は排出許容位置から排出阻止位置(図7の左側位置)に切り換わり(図8のステップS26)、エア抜き処理が終了する。
[変形例]
本発明は、以上説明した実施形態に限定されない。本発明は、例えば次のような形態を含む。
前記実施形態では、ウインチドラム1がブーム104に支持されている場合を例示したが、これに限られない。ウインチドラム1が上部旋回体103上に設けられていても、例えばガントリ107(図1参照)や図略のマストなどの部材の近傍にウインチドラム1が配置されている場合には、ガントリ107やマストを上部旋回体103から取り外すときに、場所の制約などの理由から、ウインチドラム1も上部旋回体から取り外す必要があることがある。このような場合にも前記実施形態に係るウインチ装置10及びクレーン100を用いることができる。
前記実施形態において、エア抜き制御部41は、ウインチドラム1が油圧回路の一部とともに上部旋回体103から取り外され、再び上部旋回体103に取り付けられるまでの分解組立モードが終了し、ウインチ装置10を用いた作業モードに切り換えられた度毎に、前記エア抜き処理を実行するように構成されていてもよい。
また、前記実施形態において、エア抜き制御部41は、クレーン100のエンジンが始動された度毎に、前記エア抜き処理を実行するように構成されていてもよい。
R ロープ
1 ウインチドラム
2 湿式ブレーキユニット
3 シリンダ部
3a ポジティブ油室
3b ネガティブ油室
4 クラッチ部
10 ウインチ装置
20 ウインチモータ
21 減速機
22 モード切換弁
23 エア抜き切換弁
24 油圧ポンプ
25 ブレーキ操作装置
40 コントローラ
41 エア抜き制御部
42 モード切換制御部
43 要否判定部
100 クレーン
101 下部走行体
103 上部旋回体
104 ブーム

Claims (6)

  1. クレーンに搭載されるウインチ装置であって、
    ロープを巻き取り又は繰り出すためのウインチドラムと、
    前記ウインチドラムを回転させるためのウインチモータと、
    前記ウインチモータの動力が前記ウインチドラムに伝達されるクラッチオン状態と前記ウインチドラムが前記ウインチモータから切り離されて前記ウインチドラムの自由回転を許容するクラッチオフ状態との間で切り換え動作可能なクラッチ部と、
    前記クラッチ部が前記クラッチオン状態になる方向の圧力を発生するポジティブ油室と前記クラッチ部が前記クラッチオフ状態になる方向の圧力を発生するネガティブ油室とを有するシリンダ部と、
    前記ポジティブ油室及び前記ネガティブ油室の少なくとも一方の油室に接続されて当該油室に作動油を供給するための油圧源と、
    前記油圧源と前記ポジティブ油室及び前記ネガティブ油室の何れか一方の油室との間に介在し、前記油圧源からの前記作動油が当該油室に供給されるのを許容する供給位置と当該油室内の前記作動油が当該油室から排出されるのを許容する排出位置とが切り換わることにより前記クラッチ部に前記切り換え動作を行わせるためのモード切換弁と、
    前記ポジティブ油室及び前記ネガティブ油室のうち、前記油圧源と接続された油室から前記作動油を排出するための少なくとも一つの排出配管と、
    前記排出配管に接続され、前記作動油が前記油室から前記排出配管に排出されるのを許容する排出許容位置と前記作動油が前記油室から前記排出配管に排出されるのを阻止する排出阻止位置との間で切り換わることが可能となるように構成され、前記排出阻止位置から前記排出許容位置に切り換わることにより前記油圧源からの前記作動油が前記油室に供給されて当該油室内のエアとともに前記排出配管に排出されることを可能にするエア抜き処理を行うためのエア抜き切換弁と、を備えるウインチ装置。
  2. 前記シリンダ部は、前記油圧源から前記油室に前記作動油が供給されるのを許容する入口ポートと、前記入口ポートよりも上方に設けられた出口ポートとを有し、前記出口ポートには前記排出配管が接続されている、請求項1に記載のウインチ装置。
  3. 前記モード切換弁が接続された油室の圧力を検出するための圧力センサと、
    前記エア抜き処理の要否を判定する要否判定部と、をさらに備え、
    前記要否判定部は、前記モード切換弁が前記排出位置から前記供給位置に切り換わった時点から前記圧力センサにより検知される前記油室の圧力が予め設定された基準圧力に達するまでの時間に基づいて、前記エア抜き処理の要否を判定する、請求項1又は2に記載のウインチ装置。
  4. 自走可能な下部走行体と、
    下部走行体上に軸回りに旋回可能に搭載された上部旋回体と、
    請求項1〜3の何れか1項に記載のウインチ装置と、を備え、
    前記ウインチ装置の前記ウインチドラムは油圧回路の一部とともに、前記上部旋回体に対して着脱可能に構成されている、クレーン。
  5. 前記ウインチ装置は、前記エア抜き切換弁の動作を制御するエア抜き制御部をさらに備え、
    前記エア抜き制御部は、前記ウインチドラムが前記油圧回路の一部とともに前記上部旋回体から取り外され、再び前記上部旋回体に取り付けられるまでの分解組立モードが終了し、前記ウインチ装置を用いた作業モードに切り換えられたときに、前記エア抜き切換弁を前記排出阻止位置から前記排出許容位置に切り換えて前記エア抜き処理を実行する、請求項4に記載のクレーン。
  6. 前記ウインチ装置は、前記エア抜き切換弁の動作を制御するエア抜き制御部をさらに備え、
    前記エア抜き制御部は、前記クレーンのエンジンが始動されたときに、前記エア抜き切換弁を前記排出阻止位置から前記排出許容位置に切り換えて前記エア抜き処理を実行する、請求項4に記載のクレーン。
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