JP2009107833A - ウインチ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃費を悪化することなくドラグトルクに対抗した十分なフリーフォール速度を得る。
【解決手段】吊り荷の負荷によるフリーフォール時にインナディスク12の回転を摩擦力を付加して制動するブレーキ装置10を設け、インナディスク12が収容されたブレーキケース内に冷却回路20を介して冷却油を供給する。この際、電磁切換弁22を切り換えることで、ブレーキケース内にはパイロットポンプ21からの冷却油またはパイロットリリーフ弁9を通過したより高温の冷却油のいずれかを供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、吊り荷のフリーフォールが可能なウインチ装置に関する。
従来、吊り荷のフリーフォール時に十分な制動力を得るものとして、湿式多板式ブレーキを有するウインチ装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この公報記載の装置では、冷却油ポンプからブレーキに冷却油を供給する管路に圧力制御弁を設け、冷却油温度が所定値以下のときに、圧力制御弁により冷却油を加圧する。これにより冷却油温を上昇させ、油の粘性による回転抵抗(いわゆるドラグトルク)を低減し、フリーフォール速度の不足を解消するようにしている。
特許第3644372号公報
しかしながら、上記特許文献1記載の装置では、冷却油ポンプの下流の圧力制御弁により冷却油を加圧するので、冷却油ポンプに作用する負荷が増大し、燃費の悪化を伴う。
本発明によるウインチ装置は、ウインチドラムと、ウインチドラムを巻上げおよび巻下げ駆動する巻上用油圧モータと、油圧ポンプから油圧モータへの圧油の流れを制御する方向制御弁と、吊り荷の負荷によるフリーフォール時にウインチドラムと一体に回転する回転体の回転を、摩擦力を付加して制動するブレーキ装置と、回転体が収容された空間内に冷却油を供給する冷却回路と、フリーフォール時に回転体の回転を許容し、吊り荷の巻上げおよび巻下げ時に回転体の回転を阻止するようにブレーキ装置を制御するブレーキ制御装置とを備え、冷却回路は、空間内に冷却油を供給する第1の回路と、空間内に第1の回路よりも高温の冷却油を供給する第2の回路と、第1の回路と第2の回路のいずれかに冷却回路を切り換える切換手段とを有することを特徴とする。
ウインチドラムの巻上げおよび巻下げを指令する操作レバーによって操作されるパイロット弁と、パイロット弁にパイロット圧を供給する操作用油圧ポンプとを含んで構成され、操作レバーが巻上げまたは巻下げ操作されると、パイロット弁を介して方向制御弁に操作用油圧ポンプからのパイロット圧を供給して方向制御弁を切り換え、操作レバーが中立位置に操作されると、方向制御弁へのパイロット圧の供給を遮断する操作回路を備え、第2の回路を、操作回路からの油をブレーキ装置に供給するものとしてもよい。
操作回路の圧力を制限するリリーフ弁を有し、第2の回路を、リリーフ弁を通過したリリーフ油をブレーキ装置に供給するものとしてもよい。
冷却油の温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段により検出された冷却油温が所定値未満のときは冷却回路を前記第2の回路に切り換え、所定値以上のときは第1の回路に切り換えるように切換手段を制御する切換制御手段とを備えることもできる。
吊り荷の荷重を検出する吊り荷重検出手段と、検出された荷重が所定値未満のときは冷却回路を第2の回路に切り換え、所定値以上のときは第1の回路に切り換えるように切換手段を制御する切換制御手段とを備えることもできる。
本発明によれば、回転体に冷却油を供給する第1の回路と第1の回路よりも高温の冷却油を供給する第2の回路とを切換可能としたので、第1の回路の負荷を増大して油温を上昇させる必要がなく、燃費の悪化を防ぐことができる。
以下、図1〜4を参照して本発明によるウインチ装置の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るウインチ装置の構成を示す油圧回路図であり、図3はこのウインチ装置を有するクレーンの外観側面図である。図3に示すように、クレーンは、走行体101と、走行体101上に搭載された旋回可能な旋回体102と、旋回体102に起伏可能に支持されたブーム103とを有する。旋回体102にはウインチドラム1が搭載され、ウインチドラム1の駆動によりワイヤロープ104が巻上げまたは巻下げられ、吊り荷(掘削用バケット等)106が昇降する。また、旋回体102には起伏ドラム107が搭載され、起伏ドラム107の駆動により起伏ロープ108が巻上げまたは巻下げられ、ブーム103が起伏される。
図1に示すようにウインチ装置は、ウインチドラム1と、ウインチドラム1を駆動する油圧モータ2と、エンジンMにより駆動され、油圧モータ2に駆動圧油を供給する可変容量型の油圧ポンプ3(メインポンプ)と、メインポンプ3から油圧モータ2への圧油の流れを制御する方向制御弁4と、ウインチドラム1の巻上げ、巻下げを指令する操作レバー5と、操作レバー5により操作されるパイロット弁6a,6bと、エンジンMにより駆動され、パイロット弁6a,6bを介して方向制御弁4にパイロット圧を供給する油圧ポンプ7(パイロットポンプ)と、メインポンプ3の吐出圧の最大値を所定値Paに制限するメインリリーフ弁8と、パイロットポンプ7の吐出圧の最大値を所定値Pbに制限するパイロットリリーフ弁9と、フリーフォール時にウインチドラム1に制動力を付与するブレーキ装置10と、ブレーキ装置10に冷却油を供給する冷却回路20とを有する。なお、リリーフ弁8の設定圧Paはリリーフ弁9の設定圧Pbよりも大きい。
図2は、ブレーキ装置10の構成を示す図である。油圧モータ2の出力軸2aは遊星減速機構30のサンギア31に連結され、サンギア31にはプラネタリギア32が噛合されている。プラネタリギア32にはウインチドラム1の内周側に設けられたリングギア33が噛合され、プラネタリギア32はキャリア軸34により支持されている。これにより油圧モータ2の駆動力は遊星減速機構30を介してウインチドラム1に伝達される。
ブレーキ装置10は湿式多板ブレーキである。ブレーキケース11内において、キャリア軸34には複数枚のインナディスク12がスプライン結合により軸方向に移動可能に係合され、インナディスク12はキャリア軸34と一体に回転可能となっている。ブレーキケース11の内周面には複数枚のアウタディスク13がスプライン結合により軸方向に移動可能に係合されている。アウタディスク13とインナディスク12は軸方向に交互に配置されている。
最外部のアウタディスク13の側方にはブレーキディスク14が配置されている。ブレーキディスク14にはばね16により、ディスク12,13同士を圧接するよう付勢力が作用する。この付勢力によってインナディスク12の表面には、アウタディスク13との接触による摩擦力が作用し、インナディスク12の回転が阻止される。ブレーキディスク14はブレーキシリンダ15のピストンを形成し、ブレーキシリンダ15の油室15aに圧油が供給されると、ブレーキディスク14にはばね16の付勢力に対抗した油圧力(ブレーキ解除圧)が作用する。これによりディスク12,13同士の圧接力が除去され、インナディスク12が回転可能となる。
ブレーキシリンダ15の油室15aは電磁切換弁18およびブレーキ弁19を介して油圧源25(例えばパイロットポンプ7)に接続されている。ブレーキ弁19はブレーキペダル19aにより操作され、ブレーキ圧を発生する。ブレーキ弁19で発生するブレーキ圧は、ブレーキペダル19aの非操作時に最大であり、ブレーキペダル19aの操作量の増加に伴い減少する。ブレーキペダル19aの最大踏込時には、ブレーキ圧は最小となる。
電磁切換弁18は、運転室内に設けられた図示しないフリーフォールスイッチの操作により切り換えられる。すなわちフリーフォールスイッチがオンされると位置aに切り換えられ、オフされると位置bに切り換えられる。電磁切換弁18が位置aに切り換わった状態では、油圧源25から油室15aに圧油が供給可能となり、位置bに切り換わった状態では、油室15aにタンク圧が作用する。
ブレーキケース11には給油ポート11aおよび排油ポート11bが設けられ、ブレーキケース11内には給油ポート11aを介して、後述の冷却回路20から冷却油が供給される。この冷却油はブレーキケース内を流れてディスク12,13を冷却した後、排油ポート11bを介して排出され、フィルタ17を経てタンクに戻る。このような湿式多板ブレーキは、ディスク12,13の面積が大きいため、吊り荷のフリーフォール作業等において十分なブレーキ力を発揮することができるが、その反面、ディスク12,13間の油の粘性による回転抵抗(いわゆるドラグトルク)が大きく、フリーフォール時の速度が不足しやすい。
ドラグトルクを減少させるためには、冷却油の温度を上昇させて油の粘度を小さくすることが有効である。しかし、可変リリーフ弁等により冷却用ポンプの吐出圧を調整することで冷却油を昇温させるのでは、冷却用ポンプに作用する負荷が増大し、燃費の悪化を伴う。これを防ぐために、本実施の形態では以下のように冷却回路20を構成する。
図1に示すように冷却回路20は、エンジンMにより駆動される冷却用油圧ポンプ21と、油圧ポンプ21と給油ポート11aとを接続する冷却油供給管路23に設けられた電磁切換弁22とを有する。電磁切換弁22には、パイロットリリーフ弁9からタンクへの戻り管路24が接続されている。なお、図示は省略するが、油圧ポンプ21と電磁切換弁22の間にはリリーフ弁が設けられ、油圧ポンプ21の吐出圧は所定値Pc以下に制限されている。Pcはパイロットリリーフ弁9の設定圧Pbよりも小さい。
電磁切換弁22は、運転室内に設けられた図示しない切換スイッチの操作により切り換えられる。すなわち切換スイッチがオフ状態では位置aに切り換えられ、オンされると位置bに切り換えられる。電磁切換弁22が位置aに切り換わった状態では、油圧ポンプ21からの冷却油がブレーキ装置10に供給され、位置bに切り換わった状態では、パイロットリリーフ弁9からリリーフされたリリーフ油がブレーキ装置10に供給される。
本実施の形態に係るウインチ装置の主要な動作を説明する。
(1)フリーフォールスイッチオフ
フリーフォールスイッチがオフのときは、図2に示す電磁切換弁18は位置bに切り換えられ、ブレーキシリンダ15の油室15aはタンクに連通する。この状態ではブレーキシリンダ15にブレーキ解除圧が作用しないため、ブレーキディスク14はばね16の付勢力によりディスク12,13側に押動される。これによりアウタディスク13とインナディスク12が互いに圧接され、摩擦力によってインナディスク12の回転が阻止されて、ブレーキ作動状態となる。この状態をネガブレーキ作動状態とも呼ぶ。
ネガブレーキ作動状態では、キャリア軸34の回転が阻止され、油圧モータ2の回転はサンギア31、プラネタリギア32、リングギア33を介してウインチドラム1に伝達可能となる。このとき、図1の操作レバー5が非操作であれば、方向制御弁4のパイロットポートにパイロット圧は作用せず、方向制御弁4は中立位置に切り換わる。また、ネガブレーキ装置27が作動し、油圧モータ2の回転が阻止される。
この状態から操作レバー5を巻上または巻下操作すると、方向切換弁4のパイロットポートにパイロットポンプ7からのパイロット圧が作用し、方向切換弁4が中立位置から巻上側または巻下側に切り換わる。また、パイロットポンプ7からのパイロット圧は、シャトル弁26を介してネガブレーキ装置27にも作用し、ブレーキ装置27が解除され、油圧モータ2の回転が許可される。これにより油圧モータ2が巻上または巻下方向に回転し、ウインチドラム1が巻上または巻下駆動され、吊り荷を昇降することができる。
(2)フリーフォールスイッチオン(切換スイッチオフ)
操作レバー5を中立位置に操作して方向切換弁4を中立位置に切り換えると、油圧モータ2への圧油の供給が遮断され、油圧モータ2の回転が停止する。この状態でフリーフォールスイッチをオンすると、図2の電磁切換弁18が位置aに切り換えられる。これにより油圧源25からのブレーキ解除圧がブレーキ弁19、電磁切換弁18を介してブレーキシリンダ15の油室15aに作用する。このブレーキ解除圧によりばね16が縮退し、ブレーキディスク14はディスク12,13から離間する。その結果、ディスク12,13に作用する圧接力が除去され、インナディスク12は回転してブレーキ解除状態となる。この状態をフリーフォール状態とも呼ぶ。
フリーフォール状態では、キャリア軸54の回転が許容され、ウインチドラム1は吊り荷の負荷によって自由回転状態となり、吊り荷をフリーフォールすることができる。フリーフォール時にブレーキペダル19aを踏み込み操作すると、操作力の増加に伴い油室15aに作用する油圧力が減少し、ブレーキディスク14がディスク12,13側に付勢される。これによりウインチドラム1に作用するブレーキ力が増加し、フリーフォールを停止することができる。
フリーフォール状態において、切換スイッチがオフされていると、図1の電磁切換弁22が位置aに切り換えられる。この切換により油圧ポンプ21からの圧油が冷却用管路23、給油ポート11aを介してブレーキケース内に供給され、ディスク12,13を冷却することができる。このとき操作レバー5は非操作であるため、パイロットポンプ7からの吐出油はパイロット弁6a,6bで遮断され、パイロットポンプ7の吐出圧は所定値Pbまで上昇し、パイロットリリーフ弁9、戻り管路24、電磁切換弁22を介してタンクに戻る。
(2)切換スイッチオン
フリーフォール状態において、切換スイッチをオンすると、電磁切換弁22が位置bに切り換えられる。この切換によりパイロットリリーフ弁9からリリーフした油が戻り管路24、電磁切換弁22、冷却用管路23を介してブレーキケース内に供給される。リリーフ弁9からリリーフした油は、圧力が所定値Pbまで上昇したことにより昇温し、油の粘度が低下している。これによりディスク12,13に作用するドラグトルクを低減することができ、フリーフォール速度を増速できる。このとき、油圧ポンプ21の吐出油は電磁切換弁22を介してタンクに戻る。このため油圧ポンプ21に作用する負荷圧は大きくならず、燃費の悪化を防ぐことができる。
切換スイッチは、作業員自身が冷却油温を上昇させる必要があるか否かを判断し、フリーフォール時に冷却油温を上昇させる必要があると判断したときに、必要に応じてオンすればよい。例えば寒冷地での作業、エンジン始動直後の作業等において、ドラグトルクを低減するために切換スイッチをオンすればよい。
本実施の形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)ブレーキ装置10に冷却油を供給する冷却回路20に電磁切換弁22を設け、電磁切換弁22の切換により油圧ポンプ21からの冷却油、またはパイロットポンプ用のパイロットリリーフ弁9からリリーフした冷却油のいずれかをブレーキ装置10に供給するようにした。これにより油圧ポンプ21に作用する負荷を増大させることなく、パイロットリリーフ弁9を介して冷却油を昇温することができ、燃費の悪化を防ぐことができる。
(2)パイロットリリーフ弁9からリリーフした油を冷却油として用いるので、油温を上昇させるためのリリーフ弁等を新たに追加する必要がなく、コストを抑えることができる。
(3)フリーフォール時に操作レバー5を中立位置に操作した際に、パイロットリリーフ弁9からリリーフしたパイロットポンプ7からの余剰の油を冷却油として用いるので、効率的である。
(4)操作レバー5が中立状態ではパイロットポンプ7の吐出油の全量がリリーフ弁9からリリーフするため、ブレーキ装置10に十分な量の冷却油を供給することができる。
以上では、電磁切換弁22を切換スイッチの操作により切り換えるようにしたが、電磁切換弁22を手動で切り換えるのではなく、自動で切り換えるようにしてもよい。その構成の例を図4に示す。
図4(a)は、油圧ポンプ21から吐出された冷却油の温度Tを温度センサ41により検出し、温度検出値Tに応じて電磁切換弁22を切り換える例である。コントローラ40は、温度検出値Tが所定値T0(例えば40℃)未満のときに電磁切換弁22にオン信号を出力して電磁切換弁22を位置bに切り換え、所定値T0以上のときにオフ信号を出力して位置aに切り換える。これにより冷却油温に応じて電磁切換弁22が最適に切り換えられ、切換スイッチを操作することなく、フリーフォール作業を良好に行うことができる。
図4(b)は、過負荷防止装置としてのモーメントリミッタ42からの信号により吊り荷重Wを検出し、吊り荷重Wに応じて電磁切換弁22を切り換える例である。コントローラ40は、吊り荷重Wが所定値W0未満のときに電磁切換弁22にオン信号を出力して電磁切換弁22を位置bに切り換え、所定値W0以上のときにオフ信号を出力して位置aに切り換える。これにより吊り荷の落下速度を速めることができ、作業効率を向上できる。すなわち吊り荷重が軽いとき(例えば空フックのとき)は、吊り荷重が重いときよりも吊り荷の落下速度が遅くなりやすいが、吊り荷重が軽いときに冷却油温を上昇させてドラグトルクを低減するので、十分なフリーフォール速度で作業を行うことができる。
なお、コントローラ40に切換スイッチと温度センサ41とモーメントリミッタ42を接続し、切換スイッチのオン、温度検出値Tが所定値T0未満、吊り荷重検出値Wが所定値W0未満のいずれか1つでも条件が成立したときに、電磁切換弁22を位置bに切り換えてドラグトルクを減少させるようにしてもよい。また、フリーフォールスイッチをコントローラ40に接続し、少なくともフリーフォールスイッチのオンを条件として電磁切換弁22を位置bに切り換えるようにしてもよい。
上記実施の形態では、油圧ポンプ21からブレーキケース11に至る回路(第1の回路)と、パイロットリリーフ弁9からブレーキケース11に至る回路(第2の回路)と、これら両回路を切り換える電磁切換弁22(切換手段)とにより冷却回路20を構成したが、冷却回路はこれに限らない。例えば電磁切換弁22を比例電磁弁として構成し、油圧ポンプ21からの冷却油とパイロットリリーフ弁9からの冷却油を所定の割合で合流してブレーキケース11に導くようにしてもよい。
パイロットリリーフ弁9を通過したリリーフ油を、戻り管路24、電磁切換弁22、冷却油供給管路23を介してブレーキケース11に供給するようにしたが、第2の回路の構成はこれに限らない。パイロットポンプ7とパイロット弁6a,6bとを含んで方向制御弁4を操作するための操作回路を構成したが、操作回路の構成は上述したものに限らない。図4(a)では、温度センサ41により冷却油温を検出したが、油温検出手段はいかなるものでもよい。図4(b)では、モーメントリミッタ42により吊り荷重を検出したが、吊り荷重検出手段はいかなるものでもよい。冷却油温Tが所定値T0未満のときあるいは吊り荷重Wが所定値W0未満のときに電磁切換弁22を位置bに切り換えるのであれば、切換制御手段としてのコントローラ40の構成もいかなるものでもよい。
上記実施の形態では、湿式多板式ブレーキを用いたが、他のブレーキ装置を用いてもよい。したがって、回転体もインナディスク12に限らない。回転体を回転可能に収容するブレーキケース11の構成も上述したものに限らない。電磁切換弁18の切換とブレーキ弁19の作動によりブレーキ装置10を制御するようにしたが、ブレーキ制御装置の構成はこれに限らない。すなわち、本発明の特徴、機能を実現できる限り、本発明は実施の形態のウインチ装置に限定されない。
本発明の実施の形態に係るウインチ装置の構成を示す油圧回路図。 図1のブレーキ装置の構成を示す図。 本発明の実施の形態に係るウインチ装置を有するクレーンの外観側面図。 本発明の実施の形態に係るウインチ装置の変形例を示す図。
符号の説明
1 ウインチドラム
2 油圧モータ
4 方向制御弁
6a,6b パイロット弁
7 パイロットポンプ
9 パイロットリリーフ弁
10 ブレーキ装置
20 冷却回路
22 電磁切換弁
23 冷却油供給回路
24 戻り油回路
40 コントローラ
41 温度センサ
42 モーメントリミッタ

Claims (5)

  1. ウインチドラムと、
    前記ウインチドラムを巻上げおよび巻下げ駆動する巻上用油圧モータと、
    油圧ポンプから前記油圧モータへの圧油の流れを制御する方向制御弁と、
    吊り荷の負荷によるフリーフォール時に前記ウインチドラムと一体に回転する回転体の回転を、摩擦力を付加して制動するブレーキ装置と、
    前記回転体が収容された空間内に冷却油を供給する冷却回路と、
    フリーフォール時に前記回転体の回転を許容し、吊り荷の巻上げおよび巻下げ時に前記回転体の回転を阻止するように前記ブレーキ装置を制御するブレーキ制御装置とを備え、
    前記冷却回路は、
    前記空間内に冷却油を供給する第1の回路と、
    前記空間内に前記第1の回路よりも高温の冷却油を供給する第2の回路と、
    前記第1の回路と前記第2の回路のいずれかに冷却回路を切り換える切換手段とを有することを特徴とするウインチ装置。
  2. 請求項1に記載のウインチ装置において、
    前記ウインチドラムの巻上げおよび巻下げを指令する操作レバーによって操作されるパイロット弁と、前記パイロット弁にパイロット圧を供給する操作用油圧ポンプとを含んで構成され、前記操作レバーが巻上げまたは巻下げ操作されると、前記パイロット弁を介して前記方向制御弁に前記操作用油圧ポンプからのパイロット圧を供給して前記方向制御弁を切り換え、前記操作レバーが中立位置に操作されると、前記方向制御弁へのパイロット圧の供給を遮断する操作回路を備え、
    前記第2の回路は、前記操作回路からの油を前記ブレーキ装置に供給することを特徴とするウインチ装置。
  3. 請求項2に記載のウインチ装置において、
    前記操作回路の圧力を制限するリリーフ弁を有し、
    前記第2の回路は、前記リリーフ弁を通過したリリーフ油を前記ブレーキ装置に供給することを特徴とするウインチ装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のウインチ装置において、
    さらに冷却油の温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段により検出された冷却油温が所定値未満のときは冷却回路を前記第2の回路に切り換え、前記所定値以上のときは前記第1の回路に切り換えるように前記切換手段を制御する切換制御手段とを備えることを特徴とするウインチ装置。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のウインチ装置において、
    さらに吊り荷の荷重を検出する吊り荷重検出手段と、
    前記検出された荷重が所定値未満のときは冷却回路を前記第2の回路に切り換え、前記所定値以上のときは前記第1の回路に切り換えるように前記切換手段を制御する切換制御手段とを備えることを特徴とするウインチ装置。
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