JP2019183916A - 軸受ユニット、ボールねじ装置及びステアリング装置 - Google Patents

軸受ユニット、ボールねじ装置及びステアリング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019183916A
JP2019183916A JP2018073453A JP2018073453A JP2019183916A JP 2019183916 A JP2019183916 A JP 2019183916A JP 2018073453 A JP2018073453 A JP 2018073453A JP 2018073453 A JP2018073453 A JP 2018073453A JP 2019183916 A JP2019183916 A JP 2019183916A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inner ring
peripheral surface
end side
bearing
shaft member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018073453A
Other languages
English (en)
Inventor
鈴木 邦彦
Kunihiko Suzuki
邦彦 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2018073453A priority Critical patent/JP2019183916A/ja
Publication of JP2019183916A publication Critical patent/JP2019183916A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Power Steering Mechanism (AREA)
  • Support Of The Bearing (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)
  • Mounting Of Bearings Or Others (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

【課題】内輪の組み付け時において小さな力で容易にカシメが行なえる軸受ユニット、軸受ユニットを備えたボールねじ装置及びボールねじ装置を備えたステアリング装置を提供する。【解決手段】軸受ユニット50は、本体部213、軸部材21、複列軸受70及びスペーサ61を備える。軸受支持部212は、外周面と、支持部の第一端側の一部に設けられスペーサ61が配置される環状溝217と、を備える。カシメ部は、カシメ後の状態でスペーサ61に第一内輪53側への押付力を付与し、カシメ前の状態で、第一内輪53を挿入可能な外径で、且つ、スペーサ61の内径より大径の外周面を有する鍔状のカシメ前形状を有する。そして、複列軸受70は、外輪51と、軸部材21の外周面の一部分である第二内輪52と、軸部材と別体で形成され軸受支持部の外周面に嵌合される第一内輪53と、転動体54とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、軸受ユニット、ボールねじ装置及びステアリング装置に関する。
従来、ラック軸(転舵軸)に対し、電動モータにより軸方向推力を発生させてラック軸(転舵軸)の作動を補助するラック軸アシスト式のステアリング装置がある。このようなステアリング装置では、ラック軸の外周面におねじが形成され、ラック軸の径方向外方に配置されるナットの内周面にめねじが形成される。そして、対向するおねじとめねじとの間に複数のボールが配置されボールねじ装置が構成される。
通常、ナットは筒状に形成され一端側が転がり軸受を介してハウジングに支持される。また、ナットの他端側にモータからの回転駆動力が伝達される。このとき、ナットの一端側を支持する転がり軸受は、モータによって回転駆動されるナットの回転軸線位置が精度よく維持されるよう高い剛性を有していることが望ましい。特に、ラック軸(転舵軸)に対し、平行に離間して配置された出力軸を備えるモータによりラック軸の軸方向推力を発生させてラック軸の作動を補助する、所謂、ラックパラレル型のステアリング装置において、この要望は顕著である。
このような要求に対応する転がり軸受としては、一例として内輪又は外輪にスラスト方向の与圧を付与し、内部における玉と外輪の軌道及び内輪の軌道との間の隙間をなくすことで高い支持剛性を得ることができる複列アンギュラ玉軸受(複列軸受)が挙げられる。しかし、複列アンギュラ玉軸受は高価である。
これに対し、特許文献1に開示される技術では、低コスト化のため、深溝が形成された複列アンギュラ玉軸受の内輪の一方をナットの一部に形成しナットと一体化するとともに、深溝が形成された内輪の他方を別体とし複数のボルトによってナットに固定している。しかしながら、特許文献1に開示される技術では、内輪の他方を複数のボルトによってナットに固定しており、ボルトの部品代及びボルトの取付け工数分だけ高価である。
そこで、さらにコスト低減を図る方法として、内輪をボルトによって固定するのではなく、内輪をナットに挿通したのち、ナットの先端に形成されるカシメ部をカシメることによって固定する方法が考えられる。この方法によれば,ボルトを使用しない分さらにコスト低減が図れる。
米国特許出願公開第2014/0096633号明細書
しかしながら、発明者が上記カシメについて検討した結果、以下の課題があることがわかった。つまり、カシメ前におけるカシメ部の外径は、内輪がカシメ部を通過し、その後、ナットに嵌合する必要があるため、ナットの外周面の外径と同等未満の大きさにする必要がある。そのため、例えば、カシメ部が、通常のカシメ前形状である円環形状(パイプ状)を呈している場合、カシメ部をカシメる際には、カシメ部を径方向外方へ大きく屈曲(例えば90度)させながら拡径させる必要がある。その結果、カシメのために大きな力が必要となる。さらに、カシメ部をカシメる際に、大きな力が加わるため、ナット(軸部材)において複列軸受を支持する部位にも力が伝達され変形する虞がある。
そこで、本発明では、複列軸受の内輪の組み付け時において、小さな力で容易にカシメが行なえる軸受ユニット、軸受ユニットを備えたボールねじ装置及びボールねじ装置を備えたステアリング装置を提供することを目的とする。
(1.軸受ユニットの第一の態様)
本発明に係る軸受ユニットの第一の態様では、本体部、軸受支持部及びカシメ部を備える軸部材と、前記軸部材の軸線方向における第一端側に前記軸部材とは別体で形成される第一内輪を備えるとともに前記軸受支持部の外周側に配置される複列軸受と、前記軸線方向において、前記複列軸受と、前記軸部材において前記軸受支持部より前記第一端側に配置される前記カシメ部と、の間に配置されるスペーサと、を備える。
前記軸受支持部は、前記第一内輪の内周面を支持する外周面と、前記軸受支持部の前記第一端側の一部に設けられ、前記軸受支持部の前記外周面の外径より小径の溝底面を備え、前記スペーサが配置される環状溝と、を備え、前記カシメ部は、前記軸部材の前記第一端側において、前記環状溝の側壁を形成し、カシメた後の状態において前記スペーサに前記第一内輪側への押付力を付与し、カシメる前の状態において、前記第一内輪を挿入可能な外径で、且つ、前記スペーサの内径より大径の外周面を有する鍔状のカシメ前形状を有する。
また、前記複列軸受は、内周面において前記第一端側に配置される第一外輪軌道、及び前記第一外輪軌道より前記本体部側である第二端側に配置される第二外輪軌道を備える外輪と、前記軸部材の外周面の一部分であって、前記外輪の前記第二外輪軌道と対向する位置の外周面に第二内輪軌道が形成されるとともに、前記第一端側に前記第一内輪の前記本体部側への移動を規制し前記軸線方向における位置を決定する突き当て面を備える第二内輪と、前記外輪の前記第一外輪軌道と対向する位置の外周面に第一内輪軌道を備え、前記内周面が前記軸受支持部の前記外周面に嵌合されるとともに、前記第二端側に形成される第一端面が前記突き当て面に当接し支持される前記第一内輪と、前記第一外輪軌道と前記第一内輪軌道との間、及び、前記第二外輪軌道と前記第二内輪軌道との間にそれぞれ配置されて二列で転動する複数の転動体と、を備える。
このように、カシメ前形状が鍔状に形成されているため、カシメ部をカシメる際、カシメ前のカシメ部を軸線方向に少量変形させるだけでよい。その結果、カシメに要する力を小さくすることができる。従って、カシメの際に、軸部材における複列軸受を支持する部位に伝達される力も小さくなり、複列軸受を支持する部位の変形が防止される。このため、低コストでありながら高品質な軸受ユニットが得られる。
(2.軸受ユニットの第二の態様)
本発明に係る軸受ユニットの第二の態様では、本体部、軸受支持部及びカシメ部を備える軸部材と、前記軸部材の軸線方向における第一端側に前記軸部材とは別体で形成される第一内輪を備えるとともに、前記軸線方向における前記第一内輪の前記本体部側である第二端側に前記軸部材とは別体で形成される第二内輪を備えて前記軸受支持部の外周側に配置される複列軸受と、前記軸線方向において、前記複列軸受と、前記軸部材において前記軸受支持部より前記第一端側に配置される前記カシメ部と、の間に配置されるスペーサと、を備える。
そして、前記本体部は、前記第一端側に前記第二内輪の前記第二端側への移動を規制し前記第二内輪の前記軸線方向における位置を決定する本体部突き当て面を備える。また、前記軸受支持部は、前記第一内輪及び前記第二内輪の内周面を支持する外周面と、前記軸受支持部の前記第一端側の一部に設けられ、前記軸受支持部の前記外周面の外径より小径の溝底面を備え、前記スペーサが配置される環状溝と、を備え、前記カシメ部は、前記軸部材の前記第一端側において、前記環状溝の側壁を形成し、カシメた後の状態において前記スペーサに前記第一内輪側への押付力を付与し、カシメる前の状態において、前記第一内輪及び前記第二内輪を挿入可能な外径で、且つ、前記スペーサの内径より大径の外周面を有する鍔状のカシメ前形状を有する。
前記複列軸受は、内周面において前記第一端側に配置される第一外輪軌道、及び前記第一外輪軌道より前記第二端側に配置される第二外輪軌道を備える外輪と、前記外輪の前記第二外輪軌道と対向する位置の外周面に第二内輪軌道を備え、前記内周面が前記軸受支持部の前記外周面に嵌合され、前記第二端側に形成される第二端面が前記本体部の前記本体部突き当て面に当接し支持されるとともに、前記第一端側に前記第一内輪の前記第二端側への移動を規制し前記軸線方向における位置を決定する内輪突き当て面を備える前記第二内輪と、前記外輪の前記第一外輪軌道と対向する位置の外周面に第一内輪軌道を備え、前記内周面が前記軸受支持部の前記外周面に嵌合されるとともに、前記第二端側に形成される第一端面が前記第二内輪の前記内輪突き当て面に当接し支持される前記第一内輪と、前記第一外輪軌道と前記第一内輪軌道との間、及び、前記第二外輪軌道と前記第二内輪軌道との間にそれぞれ配置されて二列で転動する複数の転動体と、を備える。このような構成により、上記の第一の態様の軸受ユニットと同様の効果が得られる。
(3.ボールねじ装置)
また、本発明のボールねじ装置は、ハウジングに、上述した軸受ユニットを介して支持されるボールねじ装置であって、前記ハウジングに軸線方向へ往復移動可能に支持され、外周面にボールねじ部が形成されるボールねじ軸と、前記軸部材の第二端側に前記軸部材と一体で形成され、内周面にボールナット部が形成されて前記ボールねじ部の外周側に配置されるボールナットと、前記ボールねじ部と前記ボールナット部との間に配列される複数の転動ボールと、を備える。これにより、軸部材における変形が防止された低コストで高品質な軸受ユニットを備えたボールねじ装置が得られる。
(4.ステアリング装置)
また、本発明のステアリング装置は、上述したボールねじ装置を備えたステアリング装置であって、前記ハウジングと、前記ボールねじ軸と一体で形成され、前記軸線方向へ往復移動し転舵輪を転舵させる転舵軸と、前記ハウジングに固定されたモータと、前記モータから前記ボールナット部材へ駆動力を伝達する駆動力伝達機構と、を備える。これにより、低コストで高品質なステアリング装置が得られる。
本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置を示す概略図である。 第一実施形態に係る軸受ユニットと操舵補助機構を示す部分の拡大断面図である。 図2の軸受ユニットの拡大図である。 図3の軸受ユニットにおける組み付け途中の図であり、第一内輪を組み付けた図である。 図4Aに対し、スペーサを組み付けた図である。 図4Bに対してカシメ部をカシメた状態の図である。 第一実施形態の変形例1における図4Bに対応する図である。 第一実施形態の変形例1における図4Cに対応する図である。 第二実施形態に係る図3に対応する軸受ユニットの説明図である。
<1.第一実施形態>
(1−1.ステアリング装置の構成)
以下、第一実施形態に係る本発明の軸受ユニット及びボールねじ装置が適用される電動パワーステアリング装置を図面に基づいて説明する。図1は、電動パワーステアリング装置(ステアリング装置に相当)の全体を示す図である。電動パワーステアリング装置は、操舵補助力によって操舵力を補助するステアリング装置である。
電動パワーステアリング装置10(以後、ステアリング装置10とのみ称する)は、車両の転舵輪28,28に連結される転舵軸20を、転舵軸20の軸線方向と一致するA方向(図1の左右方向)に往復移動させることにより、転舵輪28,28の向きを転舵させる装置である。なお、図1において、左側を第一端側、右側を第二端側とする。
図1に示すように、ステアリング装置10は、ハウジング11と、操舵輪12と、操舵軸13と、トルク検出装置14と、電動モータM(モータに相当。以後、モータMとのみ称す)と、前述した転舵軸20と、操舵補助機構30と、ボールねじ装置40と、軸受ユニット50とを備える。
ハウジング11は、車両に固定される固定部材である。ハウジング11は、筒状に形成され、転舵軸20をA方向に往復移動可能に挿通し支持する。ハウジング11は、第一ハウジング11aと、第一ハウジング11aのA方向第一端側(図1中、左側)に固定された第二ハウジング11bとを備える。
操舵輪12は、操舵軸13の端部に固定され、車室内において操舵軸13の軸線周りに回転可能に支持される。操舵軸13は、運転者の操作によって操舵輪12に加えられるトルクを転舵軸20に伝達する。
操舵軸13の転舵軸20側の端部には、ラックアンドピニオン機構を構成するピニオン13aが形成される。トルク検出装置14は、操舵軸13の捩れ量に基づいて、操舵軸13に加えられるトルクを検出する。
転舵軸20は、A方向に延伸している。転舵軸20の外周面には、ラック22が形成される。ラック22は、操舵軸13のピニオン13aに噛合し、ピニオン13aとともにラックアンドピニオン機構を構成する。ラックアンドピニオン機構は、ステアリング装置10の用途等に基づいて、操舵軸13と転舵軸20との間で伝達可能な最大軸力が設定される。
また、転舵軸20は、両端部にジョイント25,25を有する。ジョイント25,25の両端部には、タイロッド26,26が連結される。タイロッド26,26の先端は、ナックルアーム27,27を介して左右の転舵輪28,28に連結される。
これにより、操舵輪12が操舵されると、ラックアンドピニオン機構を介して、転舵軸20が直線往復移動される。このA方向に沿った移動がタイロッド26,26を介してナックルアーム27,27に伝達されることにより、転舵輪28,28が転舵され、車両の進行方向が変更される。
ハウジング11のA方向両端には、ブーツ29,29の一端部が固定される。ブーツ29,29は、例えば樹脂製で、主にジョイント25,25とタイロッド26,26とのジョイント部分を覆い、A方向に伸縮可能な筒状の蛇腹部を有する。ブーツ29,29の他端部はタイロッド26,26に固定される。ブーツ29,29は、埃や水などの異物が、ハウジング11の内部およびジョイント25,25の内部に侵入することを抑制する。
また、転舵軸20は、ラック22とは異なる位置の外周面にボールねじ部23が形成される。転舵軸20のうちボールねじ部23が形成される部位をボールねじ軸201と称す。つまり、転舵軸20とボールねじ軸201とは一体で形成されている。ボールねじ部23は、後述するナット21のボールナット部211とともにボールねじ装置40を構成し、操舵補助機構30により操舵補助力を伝達される。
操舵補助機構30は、ハウジング11に固定されるモータMを駆動源として転舵軸20に操舵補助力を付与する機構である。操舵補助機構30は、モータM、モータMを駆動する制御部ECU及び駆動力伝達機構32を備える。モータM、及びモータMを駆動するための制御部ECUは、ハウジング11の第一ハウジング11aに固定されるケース31に固定され収容される。制御部ECUは、トルク検出装置14の出力信号に基づいて、操舵補助トルクを決定し、モータMの出力を制御する。
図2に示すように、駆動力伝達機構32は、駆動プーリ36、従動プーリ34及び歯付きベルト35を備える。駆動プーリ36、及び従動プーリ34は、それぞれ、はす歯の外歯を備える歯付きのプーリである。歯付きベルト35は、はす歯で形成された内歯を内周側に複数有する円環状のゴムベルトである。
駆動プーリ36は、モータMの出力シャフト37の先端に出力シャフト37と一体回転可能に設けられる。出力シャフト37は、所定量だけ転舵軸20の軸線と平行にオフセットされて配置される。このとき、オフセットされる所定量は任意に設定すればよい。
従動プーリ34は、歯付きベルト35を介して駆動プーリ36と連結され、後に説明するナット21(軸部材に相当する)の第二範囲Ar2(図2,図3参照)の従動プーリ支持部213(軸部材の本体部に相当する)の外周側にナット21と一体回転可能に設けられる。従動プーリ34は、プーリ本体34aと、鍔部34b,34bと、を備える筒状の部材である。本実施形態において、鍔部34b,34bは、従動プーリ34と別体で環状に形成される。鍔部34b,34bは、従動プーリ34(プーリ本体34a)の外歯のA方向両側にそれぞれ圧入して固定される。
歯付きベルト35は、従動プーリ34の外周と駆動プーリ36の外周との間に、各外周に設けられた各はす歯と噛合した状態で掛け渡される。このとき、歯付きベルト35は、従動プーリ34及び駆動プーリ36との噛合が外れないように所定の張力を有した状態で従動プーリ34と駆動プーリ36との間に掛け渡される。
これにより、駆動力伝達機構32は、駆動プーリ36と従動プーリ34との間で回転駆動力(駆動力)を伝達する。即ち、駆動力伝達機構32は、モータMからナット21の従動プーリ支持部213(軸部材の本体部)へ回転駆動力を伝達する。また、A方向(軸線方向)においてナット21の第一端側(図2において左側)の第一範囲Ar1(図2,図3参照)に形成される筒状の軸受支持部212は、後に詳述する軸受ユニット50を介して第二ハウジング11bの内周面11b1に相対回転可能に支持される。
軸受支持部212は、ナット21の第二範囲Ar2において従動プーリ34を支持する従動プーリ支持部213と同軸、且つ一体で形成されている。これにより、軸受支持部212及び従動プーリ支持部213が、軸受ユニット50を介してハウジング11に相対回転可能に支持される。
(1−2.ボールねじ装置40)
図2に示すように、ボールねじ装置40は、外周面にボールねじ部23が形成されるボールねじ軸201(転舵軸20)と、内周面にボールナット部211が形成されるとともにボールねじ部23の外周側に配置される前述の従動プーリ支持部213と、ボールねじ部23とボールナット部211との間に配列される複数の転動ボール24と、一対のデフレクタ41,42(図2中、二点鎖線参照)を備える。
ボールねじ部23は、外周面に螺旋状に形成された外周転動溝20aを備える。外周転動溝20aは、複数巻き巻回されて形成される。ナット21は、筒状に形成され、ボールねじ部23の外周側にボールねじ部23と同軸となるよう配置される。また、前述したように、ナット21は、第二範囲Ar2に設けられる従動プーリ支持部213の内周面にボールナット部211を備える。
内周転動溝21aは、複数巻き巻回されて形成される。ボールねじ部23の外周転動溝20aとナット21の内周転動溝21aとが対向して配置され、それぞれ対応する外周転動溝20aと内周転動溝21aとの間で複数の転動ボール24が転動する転動路R1が形成される。複数の転動ボール24は、転動路R1内に転動可能に配列される。これにより、ボールねじ部23の外周転動溝20aと、ナット21の内周転動溝21aとが、複数の転動ボール24を介して螺合する。
転動路R1を転動する複数の転動ボール24は、従動プーリ支持部213内に配置されたデフレクタ41,42(図2中、二点鎖線参照)と、従動プーリ支持部213内に形成されデフレクタ41,42間を接続する通路(図2中の破線参照)と、を介して無限循環される。デフレクタ41,42による転動ボール24の無限循環については、公知の技術であるので、詳細な説明については省略する。
上記の構成により、操舵補助機構30は、操舵輪12の回転操作に応じてモータMを駆動し、モータMの出力シャフト37及び駆動プーリ36を回転させる。駆動プーリ36の回転は、歯付きベルト35を介して従動プーリ34に伝達され、従動プーリ34が回転することにより、従動プーリ34に一体的に設けられるナット21が回転する。そして、ナット21が回転することにより、転舵軸20の軸線方向への操舵補助力(動力)が、ボールねじ装置40が有する複数の転動ボール24を介して転舵軸20に伝達される。これにより、転舵軸20が軸方向に移動される。
(1−3.軸受ユニット50について)
次に、軸受ユニット50について図2、図3に基づき説明する。前述したように軸受ユニット50は、ナット21(軸部材)の第一端側の第一範囲Ar1(図2,図3参照)に設けられる。軸受ユニット50は、ナット21をハウジング11に対し相対回転可能に支持する装置である。軸受ユニット50は、ナット21(軸部材)と、複列アンギュラ玉軸受70(複列軸受に相当する)と、スペーサ61とを備える。
ナット21は、本体部と、軸受支持部212と、カシメ部218と、を備える。本体部は、前述した従動プーリ支持部213である。図2、図3に示すように、軸受支持部212は、A方向において、従動プーリ支持部213(本体部)よりナット21の第一端側に設けられる。また、軸受支持部212は、第一範囲Ar1において本体部側である第二端側(図2において右側)に、外径の大きな大径筒部212aを備える。
また、ナット21は、第一範囲Ar1における第一端側(図2において左側)に、大径筒部212aより外径が小さな小径筒部212bを備える。ナット21の軸線方向(A方向)において小径筒部212bは、大径筒部212aと隣接して設けられる。また、小径筒部212bの外周面には、後述する第一内輪53の内周面53bを支持する外周面216が形成される。
軸受支持部212は、第一内輪53の内周面53bを支持する外周面216を備える。また、軸受支持部212は、軸受支持部212の第一端側の一部に設けられ、軸受支持部212の外周面216の外径より小径の溝底面217aを備える環状溝217を備える。また、ナット21(軸部材)は、A方向において、環状溝217のさらに第一端側に、カシメ部を備える。カシメ部は、カシメ前状態の形状を有するカシメ部218(図4A、図4B参照)と、カシメ後状態の形状を有するカシメ部218Aと、を備える。カシメ部218及びカシメ部218Aについては、後に詳細に説明する。
図2,図3に示すように、複列アンギュラ玉軸受70(複列軸受)は、軸受支持部212の外周側に配置される。複列アンギュラ玉軸受70(複列軸受)は、外輪51と、ナット21(軸部材)と別体で形成される上述の第一内輪53と、第二内輪52と、複数の軸受ボール54(転動体に相当する)と、保持器56と、第一シール部材57と、第二シール部材58と、を備える。なお、保持器56及び第一,第二シール部材57,58は、通常のアンギュラ玉軸受で使用される保持器及びシール部材と同様のものでよく、詳細な説明については省略する。
外輪51は、筒状部材である。図2に示すように、外輪51は、第二ハウジング11bの内周面11b1と外輪51の外周面とが対向するよう、第二ハウジング11b(ハウジング11)の内周側に配置される。図3に示すように、外輪51は、内周面においてA方向第一端側に配置される第一外輪軌道51a、及び第一外輪軌道51aより第二端側に配置される第二外輪軌道51bを備える。なお、このとき、外輪51のA方向(軸線方向)における内周面のほぼ中央部には、径方向内方に突出した凸部51cが形成される。
第一外輪軌道51aは、外輪51の第一端側(左側)の内周面と凸部51cの側面(図3において左側面)とによって形成される。第二外輪軌道51bは、外輪51の第二端側(右側)の内周面と凸部51cの側面(図3において右側面)とによって形成される。本実施形態において、第一外輪軌道51aと第二外輪軌道51bとは、A方向(軸線方向)において互いに背向している。
図3に示すように、第一外輪軌道51a及び第二外輪軌道51bの各断面形状(半径R、図略)は、ともに軸受ボール54を、中心点を通って切断した断面における外周線の一部の形状(半径R)とほぼ一致するよう形成される。図3に示すように、第一外輪軌道51a及び第二外輪軌道51bは、共にアンギュラ溝である。
次に、第二内輪52について説明する。第二内輪52は、軸受支持部212(ナット21)が備える大径筒部212aに一体的に形成される。そして、第二内輪52は、大径筒部212a(軸部材)の外周面の一部分であって、外輪51の第二外輪軌道51bと対向する位置の外周面に第二内輪軌道52aが形成される。さらに、第二内輪52は、第一端側の端部に第一内輪53の本体部側への移動を規制し軸線方向における位置を決定する突き当て面52bを備える。第二内輪軌道52aは、第二外輪軌道51bと同様の半径R(図略)で形成される。本実施形態において、第二内輪軌道52aは、図3に示すようにアンギュラ溝であり、軸受ボール54のスラスト荷重を受ける斜面が、ボールナット部211側に形成される。
上述の第一内輪53は、第二内輪52(大径筒部212a、軸部材)とは別部材(別体)で形成される筒状部材である。図2,図3に示すように、第一内輪53は、A方向で切断した断面が略L字状に形成される。第一内輪53は、L字断面の一辺の内周面53bが第一範囲Ar1におけるナット21の小径筒部212bの外周面216に支持される。詳細には、第一内輪53の内周面53bが小径筒部212bの外周面216に、しまり嵌めによって嵌合される。ただし、内周面53bは、外周面216に対し中間嵌めで嵌合されてもよい。
また、このとき、第一内輪53の第二端側(本体部(従動プーリ支持部213)側)に形成される第一端面53cが、第二内輪52が備える突き当て面52bに当接して支持される。第一内輪53には、外輪51の第一外輪軌道51aに対向する外周面の位置に第一内輪軌道53aが形成される。図3に示すように、第一内輪軌道53aは、第一内輪53のL字(断面)の二辺に亘って形成される。また、第一内輪軌道53aは、A方向において第二内輪52の外周面に形成された第二内輪軌道52aと対向する。また、第一内輪軌道53aは、第一外輪軌道51aと同様の半径Rで形成される。また、第一内輪軌道53aは、図3に示すようにアンギュラ溝である。
複数の軸受ボール54(転動体)は、第二外輪軌道51bと第二内輪軌道52aとの間,及び第一外輪軌道51aと第一内輪軌道53aとの間にそれぞれ配置され、二列で転動する。複数の軸受ボール54は、通常、軸受のボールとして使用される一般的な軸受ボールでよい。
図3、図4A−図4Cに示すように、環状溝217は、ナット21(軸部材)において、軸受支持部212の第一端側の一部に設けられる。また、環状溝217は、軸受支持部212の外周面216の外径φD1より小径である外径φD2(φD1>φD2)で形成された溝底面217aを備える。環状溝217の第一端側には、後に詳述するカシメ部218、218Aが形成される。そして、環状溝217内には、図3、図4B、図4Cに示すようにスペーサ61が配置される。つまり、スペーサ61は、軸線方向において、複列アンギュラ玉軸受70(つまり、第一内輪53)と、軸受支持部212より第一端側に配置されるナット21(軸部材)が備えるカシメ部218,218Aとの間に配置される。
スペーサ61は、通常のスナップリングである。従って、スペーサ61を環状溝217内に配置するためには、所定の工具を使用して、スペーサ61の径を拡径させる。そして、図4Bに示すように、拡径されたスペーサ61(図4B中、破線参照)を、拡径前のカシメ部218を備えたナット21(軸部材)の径方向外方に挿入する(図4B中、矢印方向参照)。その後、拡径状態のスペーサ61を矢印方向に移動させた後、図4Bに示すように縮径させて環状溝217内に配置する。ただし、この態様には限らず、スペーサ61は、ばね座金や波形ばね座金等でもよい。
ここで、図4A,図4Bに示す、拡径されていないカシメ部218のカシメ前形状(初期状態)について説明する。図4A,図4Bに示すように、カシメ前において鍔状に形成されたカシメ部218の外周面の外径は、図4Cに示すカシメ後のカシメ部218Aである環状溝217の側壁の外径に対して径が小さい。図4Bに示すように、本実施形態においてカシメる前の状態におけるカシメ部218は、スペーサ61の第二端側の端面61bが第一内輪53の第一端側の端面53dと当接した状態において、スペーサ61の第一端側の端面61aと環状溝217の溝底面217aとが接する点Dから、第一端部側に若干傾斜しながら径方向外方に向かって立ち上がっている。
そして、カシメ前における鍔状のカシメ部218の外周面218aの外径φD3は、第一内輪53の内径φD4に挿入可能な外径であり、且つ、拡径されていない通常時におけるスペーサ61の内径φD5より大径で形成される(つまり、φD5<φD3>φD4)。なお、第一内輪53の内径φD4は、軸受支持部212の外周面216の外径φD1と同じとする。また、スペーサ61の内径φD5は、溝底面217aの外径φD2とほぼ同じとする。
これにより、第一内輪53は、ナット21(軸部材)への挿入が確実に可能であるとともに、第一内輪53をナット21の小径筒部212bに嵌合させた後、スペーサ61を環状溝217内に配置した場合には、スペーサ61が第一端側に脱落しないので、これだけでも第一内輪53の抜け止めを成立させることができる。
また、軸受ユニット50の組み付け完成状態である図4Cに示すように、カシメる前のカシメ部218は、カシメられることによりカシメた後のカシメ部218Aとなり、より強固に第一内輪53の抜け止めを行なうことができる。このとき、カシメ後のカシメ部218Aは、ナット21(軸部材)において、軸受支持部212より第一端側に位置する。
また、カシメ後においてカシメ部218Aは、半径αだけ拡径し、環状溝217の側壁が形成される。このとき、カシメ部218Aは、カシメの動作によって所定のカシメ力F1を矢印方向に付与されることにより、例えば、上述した点Dを支点として第二端側に向かって倒れ変形する。これにより、カシメ部218Aの第二端側の端面218A1がスペーサ61の第一端側の端面61aと当接する。
そして、カシメ部218Aからカシメの動作による力F1が除去された後においても、カシメ部218Aは、スペーサ61を介して第一内輪53を第二端側(第一内輪53側)に向かって、力F1より若干小さな力である押付力F2で付勢する(F2<F1)。なお、カシメ部218Aをカシメる際、矢印方向に付与される所定の力F1の大きさは、上述したように、カシメ部218Aからカシメ力を除去した後においても、カシメ部218Aが、第一内輪53を第二端側に向かって押付力F2で押付け可能とする大きさで設定される。
(1−4.作用)
次に、第一内輪53の小径筒部212b(ナット21)への組み付けについて、図4A−図4Cに基づいて説明する。図4Aに示すように、まず、第一内輪53を、C方向から挿入し、内周面53bをナット21の小径筒部212bの外周面216に圧入(しまり嵌め)する。なお、図4Aには図示していないが、このとき、外輪51と軸受支持部212(ナット21)に形成された第二内輪52との間には、複数の軸受ボール54と、保持器56と、第二シール部材58と、が組みつけられた状態である。また、図4Aに示すように、このとき、カシメ部218は、まだ、拡径されていない。
上記状態において、第一内輪53は、第二端側の第一端面53cが、第二内輪52が備える突き当て面52bに当接するまで圧入される。このように、突き当て面52bは、第一端面53cと当接することによって、第一内輪53の従動プーリ支持部213(本体部)側への移動を規制し、軸線方向における第一内輪53の位置を決定する。次に、第一シール部材57(図3参照)をC方向から外輪51と第一内輪53との間に圧入して嵌合させる。このとき、第一内輪53の第一端面53cと、大径筒部212aが備える突き当て面52bとが当接した状態で、軸受ボール54に所定の接触角で所定の与圧が付与されるよう各部の寸法を設定しておくことにより、圧入寸法の管理をすることなく、所望の与圧が得られる。
次に、図4Bに示すように、A方向において、第一内輪53が、所定位置まで圧入された後、上述したように、所定の工具を使用して、スペーサ61を拡径させた状態とし、そのままの状態で環状溝217内に配置する。そして、図4Cに示すように、カシメる前のカシメ部218(図4C、破線参照)の外縁部を図4Bに示すC方向に向って所定の力F1で付勢し、少しの距離だけ変位させてカシメる。これにより、カシメ部218は、点Dを中心に回転して径方向外方に拡径し、カシメた後のカシメ部218Aが形成される。なお、このとき、所定の力F1は、従来技術において軸部材の軸線方向に延在するカシメる前の状態のカシメ部を径方向外方へ大きく(約90度)屈曲させてカシメる場合と比べ、変位の角度が小さい分だけ必要な力は小さくて済む。
このように、カシメた後のカシメ部218Aを形成するのに必要な力は、カシメ部218を少し変位させる程度でよいため、カシメの影響による各部の変形が良好に抑制される。なお、このとき、カシメはどのような方法で行っても良いが、本実施形態では、公知のローリングカシメによって行なう。ただし、カシメはこの態様に限らず、単にC方向(図4B参照)に押圧しカシメ部218に圧力を付与するだけでもよい。
また、このとき、C方向から見たカシメ後のカシメ部218Aの形状は、円板状である。しかしながら、C方向から見たカシメ部218Aの形状は、円板状に限らずどのようなものでもよい。C方向から見たカシメ部218Aの形状は、小片が放射状に配置された花びら形状(図示省略)でも良い。また、カシメ部218Aは、少なくとも周方向において一部のみに拡径する部位を有しているだけでも良い(図示省略)。
上記より、カシメた後のカシメ部218Aは、第一内輪53における第二内輪52と反対側の端面53dを支持するとともに、A方向(軸線方向)において第一内輪53を第二内輪52側に向って所定の押付力F2で押圧する。この結果、第一内輪53がナット21の第一端側の端部から抜け脱落することの防止と、複列アンギュラ玉軸受70(複列軸受)への与圧の付与とが、容易に両立でき低コスト化に寄与する。
また、カシメ部218をカシメる際、屈曲の支点となる点Dは、環状溝217内の溝底面217a上にある。このため、カシメ部218をカシメる際、点Dの近傍に意図せぬ変形が生じたとしても、その変形は環状溝217内に留まり、第一内輪53を支持するナット21の小径筒部212bの外周面216には及ばない。このため、小径筒部212bに第一内輪53が支持される複列アンギュラ玉軸受70の品質は良好に維持される。
また、上記実施形態において、軸受ユニット50の第一内輪53は、内周面53bがナット21の小径筒部212bの外周面216にしまり嵌めによって嵌合された。しかし、この態様に限らず、内周面53bを、外周面216に中間嵌めによって嵌合させてもよい。これによっても同様の効果が期待できる。
(1−5.実施形態による効果)
上記第一実施形態によれば、軸受ユニット50では、軸受支持部212は、第一内輪53の内周面53bを支持する外周面216と、軸受支持部212の第一端側の一部に設けられ、軸受支持部212の外周面216の外径φD1より小径の溝底面217aを備えスペーサ61が配置される環状溝217と、を備える。そして、カシメ部は、ナット21(軸部材)の第一端側において、環状溝217の側壁を形成し、カシメた後の拡径された状態においてスペーサ61に第一内輪53側への押付力F2を付与し、カシメにより拡径されていないカシメ前の状態において、第一内輪53を外周側に挿入可能な外径φD3で、且つ、スペーサ61の内径φD5より大径の外径φD3の外周面を有する鍔状のカシメ前形状を有する。
また、軸受ユニット50の複列アンギュラ玉軸受70(複列軸受)は、内周面において第一端側に配置される第一外輪軌道51a及び第一外輪軌道51aより第二端側に配置される第二外輪軌道51bを備える外輪51と、ナット21(軸部材)の外周面の一部分であって、外輪51の第二外輪軌道51bと対向する位置の外周面に第二内輪軌道52aが形成されるとともに、第一端側に第一内輪53の従動プーリ支持部213(本体部)側への移動を規制し軸線方向(A方向)における位置を決定する突き当て面52bを備える第二内輪52と、外輪51の第一外輪軌道51aに対向する位置の外周面に第一内輪軌道53aを備え、内周面53bが軸受支持部212の外周面に嵌合されるとともに、第二端側に形成される第一端面53cが突き当て面52bに当接し支持される第一内輪53と、第一外輪軌道51aと第一内輪軌道53aとの間、及び、第二外輪軌道51bと第二内輪軌道52aとの間にそれぞれ配置され二列で転動する複数の軸受ボール54(転動体)と、を備える。
このように、カシメ部218Aは、カシメ前形状が鍔状に形成されているため、変形前のカシメ部218を図4Aに示すようカシメる際、鍔状のカシメ部218を少量変形させるだけでカシメ作業が完了する。その結果、カシメのために必要な力を小さくすることができる。従って、カシメの際に、各部位に伝達される力が小さくなり変形が防止される。このため、低コストでありながら高品質な軸受ユニットが得られる。
また、上記の構成により、軸受ユニット50は、複列軸受として、アンギュラ玉軸受を購入し組み付ける場合と較べて安価に製作できる。また、第二内輪52(ナット21(軸部材)の軸受支持部212)と別体で形成される第一内輪53は、例えばカシメ等によって形成できる簡易な構造によって抜け止めができるので、この点においても効果的にコスト低減できる。
また、第一実施形態によれば、複列軸受は、複列のアンギュラ玉軸受である。これにより、第一内輪53を組み付ける際に、所定の与圧を付与するよう構成すれば、軸受として高い剛性を確保できる。
また、第一実施形態によれば、第一内輪53は、ナット21(軸部材)の軸受支持部212にしまり嵌め(圧入)又は中間嵌めによって嵌合される。これにより、軸受ユニット50(複列アンギュラ玉軸受)を安価に製作できるとともに、第一内輪53とナット21の外周面との間の隙間は「0」又は微小とすることができ、軸受ユニット50(複列アンギュラ玉軸受)の剛性を良好に確保できる。
また、第一実施形態によれば、スペーサ61は、スナップリングである。このように、安価で、簡易に組み付けが出来るスナップリングをスペーサ61として利用することにより、低コスト化が図れる。
また、第一実施形態によれば、ボールねじ装置40は、ハウジング11に軸受ユニット50を介して支持されるボールねじ装置である。ボールねじ装置40は、ハウジング11に軸線方向へ往復移動可能に支持され、外周面にボールねじ部23が形成されるボールねじ軸201(転舵軸20)と、ナット21(軸部材)の第二端側にナット21(軸部材)と一体で形成され、内周面にボールナット部211が形成されるとともにボールねじ部23の外周側に配置されるナット21(軸部材)の従動プーリ支持部213(本体部)と、ボールねじ部23とボールナット部211との間に配列される複数の転動ボール24と、を備える。これにより、低コストで高品質な軸受ユニットを備えたボールねじ装置40が得られる。
また、第一実施形態によれば、ステアリング装置10は、上記のボールねじ装置40を備えたステアリング装置である。ステアリング装置10は、ハウジング11と、ボールねじ軸201と一体で形成され軸線方向へ往復移動し転舵輪28,28を転舵させる転舵軸20と、ハウジング11に固定されたモータMと、モータMからボールナット部211へ駆動力を伝達する駆動力伝達機構32と、を備える。これにより、低コストで高品質なボールねじ装置40を備えたステアリング装置10が得られる。
<2.第一実施形態の変形例>
次に、第一実施形態の変形例1について説明する。上記第一実施形態においては、カシメ前の鍔状のカシメ部218が、スペーサ61の第一端側の端面61aと環状溝217の溝底面217aとが接する点Dから、第一端部側に若干傾斜しながら径方向外方に向かって立ち上がって形成されている。しかしながらこの態様には限らず、変形例1として、図5Aに示すように、カシメ前のカシメ部218が径方向外方に向かって立ち上る点は、溝底面217a上の点D1としても良い。つまり、スペーサ61の第一端側の端面61aと点D1とが離間していても良い。
この場合、カシメ前のカシメ部218を、第一実施形態と同様の方法によってカシメると、カシメ部218は、主に、点D1を支点として屈曲しようとする。このため、上記第一実施形態における点Dの位置での変形は、上記第一実施形態の場合と比較して抑制される。また、カシメ後におけるスペーサ61の姿勢は、端面61bがA方向と直交した正規状態で安定しやすい。これにより、スペーサ61の端面61bが、第一内輪53の第一端側の端面53dと面で当接しやすいので、カシメ後のカシメ部218Aは、A方向に向かって良好に第一内輪53を付勢できる。
また、上記第一実施形態では、軸受ユニット50の複列軸受は、転動体として玉(ボール)を適用した複列のアンギュラ玉軸受であるとしたが、この態様には限らない。変形例2(図略)として、複数の転動体が、複数の円すいころであってもよい。つまり、複列軸受は、複列の円すいころ軸受であっても良い。これによっても、第一実施形態と同様の効果が期待できる。
<3.第二実施形態>
次に、第二実施形態について図6に基づき説明する。上記第一実施形態において、軸受ユニット50の複列アンギュラ玉軸受(複列軸受)では、使用する内輪のうち、第一端側に配置される内輪(第一内輪53)が、ナット21(軸部材)と別体で形成され、第二端側では、ナット21(軸部材)と一体的に形成された第二内輪52(軸受支持部212)を備えた。
しかし上記態様には限らない。第二実施形態として、図6に示すように、軸受ユニット150の複列軸受の第一内輪153及び第二内輪152が、ともにナット21(軸部材)とは別体で形成されていてもよい。つまり、複列軸受は、例えば、市販されている通常の複列アンギュラ玉軸受170であってもよい。なお、第二実施形態は第一実施形態に対して、軸受ユニット150のみ異なるため、異なる部分についてのみ説明し、その他の同様部分については説明を省略する。
第二実施形態においては、図6に示すように、ナット21(軸部材)の従動プーリ支持部213(本体部)が、第一端側に第二内輪152の第二端側への移動を規制し第二内輪152の軸線方向における位置を決定する本体部突き当て面213aを備える。
また、第二実施形態においては、軸受ユニット150が備える複列アンギュラ玉軸受170(複列軸受)は、外輪151と、第二内輪152と、第一内輪153と、複数の軸受ボール154(転動体)と、を備える。外輪151は、内周面において第一端側に配置される第一外輪軌道151a、及び第一外輪軌道151aより第二端側に配置される第二外輪軌道151bを備える。
第二内輪152は、外輪151の第二外輪軌道151bと対向する位置の外周面に第二内輪軌道152aを備える。また、第二内輪152は、内周面152cが軸受支持部312の外周面316に嵌合される。そして、第二内輪152は、第二端側に形成される第二端面152dが、従動プーリ支持部213(本体部)の本体部突き当て面213aに当接し支持される。また、第二内輪152は、第一端側に第一内輪153の第二端側への移動を規制し軸線方向における位置を決定する内輪突き当て面152bを備える。また、第二内輪152の内径は、第一内輪153の内径と同じである。
第一内輪153は、外輪151の第一外輪軌道151aと対向する位置の外周面に第一内輪軌道153aを備える。また、第一内輪153は、内周面153bが軸受支持部312の外周面316に嵌合されるとともに、第二端側に形成される第一端面153cが第二内輪152に形成された内輪突き当て面152bに当接し支持される。さらに、複数の軸受ボール154(転動体)は、第一外輪軌道151aと第一内輪軌道153aとの間、及び、第二外輪軌道151bと第二内輪軌道152aとの間にそれぞれ配置され、二列で転動する。
なお、第二内輪152は、第一内輪153より先に軸受支持部312の外周面316に嵌合され、その嵌合方法は、第一実施形態における第一内輪53の軸受支持部312への嵌合方法(例えば、しまり嵌め)と同じである。このような構成によっても、カシメ部218(218A)に対するカシメの効果は、上記第一実施形態と同様なものが期待できる。
<4.その他>
なお、本発明は、上記第一,第二実施形態のステアリング装置10に限らず、ステアバイワイヤ方式の車両用操舵装置に適用してもよい。
また、上記第一,第二実施形態では、軸受ユニット50,150をラックパラレル型のステアリング装置10に適用したが、この態様には限らない。一例として、モータの回転軸が転舵軸20の軸線と同一位置(同軸)に配置されるタイプのステアリング装置(例えば、特許第5120040号公報に記載のステアリング装置)に適用してもよい。さらに、軸受ユニット50,150は、軸受を使用するあらゆる装置に適用できる。
10;ステアリング装置(電動パワーステアリング装置)、 11;ハウジング、 12;操舵輪、 13;操舵軸、 21;軸部材(ナット)、 23;ボールねじ部、 30;操舵補助機構、 32;駆動力伝達機構、 34従動プーリ、 40;ボールねじ装置、 50,150;軸受ユニット、 51,151;外輪、 51a,151a;第一外輪軌道、 51b,151b;第二外輪軌道、 52,152;第二内輪、 52a,152a;第二内輪軌道、 53,153;第一内輪、 53a,153a;第一内輪軌道、 61;スペーサ、 70,170;複列軸受(複列アンギュラ玉軸受)、 211;ボールナット部、 212,312;軸受支持部、 213;本体部(従動プーリ支持部)、 52b;突き当て面、 152b;内輪突き当て面、 213a;本体部突き当て面、 217;環状溝、 217a;溝底面、 218,218A;カシメ部。

Claims (7)

  1. 本体部、軸受支持部及びカシメ部を備える軸部材と、
    前記軸部材の軸線方向における第一端側に前記軸部材とは別体で形成される第一内輪を備えるとともに前記軸受支持部の外周側に配置される複列軸受と、
    前記軸線方向において、前記複列軸受と、前記軸部材において前記軸受支持部より前記第一端側に配置される前記カシメ部と、の間に配置されるスペーサと、
    を備え、
    前記軸受支持部は、
    前記第一内輪の内周面を支持する外周面と、
    前記軸受支持部の前記第一端側の一部に設けられ、前記軸受支持部の前記外周面の外径より小径の溝底面を備え、前記スペーサが配置される環状溝と、を備え、
    前記カシメ部は、
    前記軸部材の前記第一端側において、前記環状溝の側壁を形成し、カシメた後の状態において前記スペーサに前記第一内輪側への押付力を付与し、カシメる前の状態において、前記第一内輪を挿入可能な外径で、且つ、前記スペーサの内径より大径の外周面を有する鍔状のカシメ前形状を有し、
    前記複列軸受は、
    内周面において前記第一端側に配置される第一外輪軌道、及び前記第一外輪軌道より前記本体部側である第二端側に配置される第二外輪軌道を備える外輪と、
    前記軸部材の外周面の一部分であって、前記外輪の前記第二外輪軌道と対向する位置の外周面に第二内輪軌道が形成されるとともに、前記第一端側に前記第一内輪の前記本体部側への移動を規制し前記軸線方向における位置を決定する突き当て面を備える第二内輪と、
    前記外輪の前記第一外輪軌道と対向する位置の外周面に第一内輪軌道を備え、前記内周面が前記軸受支持部の前記外周面に嵌合されるとともに、前記第二端側に形成される第一端面が前記突き当て面に当接し支持される前記第一内輪と、
    前記第一外輪軌道と前記第一内輪軌道との間、及び、前記第二外輪軌道と前記第二内輪軌道との間にそれぞれ配置されて二列で転動する複数の転動体と、
    を備える軸受ユニット。
  2. 本体部、軸受支持部及びカシメ部を備える軸部材と、
    前記軸部材の軸線方向における第一端側に前記軸部材とは別体で形成される第一内輪を備えるとともに、前記軸線方向における前記第一内輪の前記本体部側である第二端側に前記軸部材とは別体で形成される第二内輪を備えて前記軸受支持部の外周側に配置される複列軸受と、
    前記軸線方向において、前記複列軸受と、前記軸部材において前記軸受支持部より前記第一端側に配置される前記カシメ部と、の間に配置されるスペーサと、
    を備え、
    前記本体部は、前記第一端側に前記第二内輪の前記第二端側への移動を規制し前記第二内輪の前記軸線方向における位置を決定する本体部突き当て面を備え、
    前記軸受支持部は、
    前記第一内輪及び前記第二内輪の内周面を支持する外周面と、
    前記軸受支持部の前記第一端側の一部に設けられ、前記軸受支持部の前記外周面の外径より小径の溝底面を備え、前記スペーサが配置される環状溝と、を備え、
    前記カシメ部は、
    前記軸部材の前記第一端側において、前記環状溝の側壁を形成し、カシメた後の状態において前記スペーサに前記第一内輪側への押付力を付与し、カシメる前の状態において、前記第一内輪及び前記第二内輪を挿入可能な外径で、且つ、前記スペーサの内径より大径の外周面を有する鍔状のカシメ前形状を有し、
    前記複列軸受は、
    内周面において前記第一端側に配置される第一外輪軌道、及び前記第一外輪軌道より前記第二端側に配置される第二外輪軌道を備える外輪と、
    前記外輪の前記第二外輪軌道と対向する位置の外周面に第二内輪軌道を備え、前記内周面が前記軸受支持部の前記外周面に嵌合され、前記第二端側に形成される第二端面が前記本体部の前記本体部突き当て面に当接し支持されるとともに、前記第一端側に前記第一内輪の前記第二端側への移動を規制し前記軸線方向における位置を決定する内輪突き当て面を備える前記第二内輪と、
    前記外輪の前記第一外輪軌道と対向する位置の外周面に第一内輪軌道を備え、前記内周面が前記軸受支持部の前記外周面に嵌合されるとともに、前記第二端側に形成される第一端面が前記第二内輪の前記内輪突き当て面に当接し支持される前記第一内輪と、
    前記第一外輪軌道と前記第一内輪軌道との間、及び、前記第二外輪軌道と前記第二内輪軌道との間にそれぞれ配置されて二列で転動する複数の転動体と、
    を備える軸受ユニット。
  3. 前記複列軸受は、複列のアンギュラ玉軸受である、請求項1又は2に記載の軸受ユニット。
  4. 前記第一内輪は、前記軸部材の前記軸受支持部にしまり嵌め又は中間嵌めによって嵌合される、請求項1−3の何れか1項に記載の軸受ユニット。
  5. 前記スペーサは、スナップリングである、請求項1−4の何れか1項に記載の軸受ユニット。
  6. ハウジングに請求項1−5の何れか1項に記載の前記軸受ユニットを介して支持されるボールねじ装置であって、
    前記ハウジングに前記軸線方向へ往復移動可能に支持され、外周面にボールねじ部が形成されるボールねじ軸と、
    前記軸部材の前記第二端側に前記軸部材と一体で形成され、内周面にボールナット部が形成されるとともに前記ボールねじ部の外周側に配置される前記軸部材の前記本体部と、
    前記ボールねじ部と前記ボールナット部との間に配列される複数の転動ボールと、
    を備える、ボールねじ装置。
  7. 請求項6に記載の前記ボールねじ装置を備えたステアリング装置であって、
    前記ハウジングと、
    前記ボールねじ軸と一体で形成され、前記軸線方向へ往復移動し転舵輪を転舵させる転舵軸と、
    前記ハウジングに固定されたモータと、
    前記モータから前記ボールナット部へ駆動力を伝達する駆動力伝達機構と、
    を備える、ステアリング装置。
JP2018073453A 2018-04-05 2018-04-05 軸受ユニット、ボールねじ装置及びステアリング装置 Pending JP2019183916A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018073453A JP2019183916A (ja) 2018-04-05 2018-04-05 軸受ユニット、ボールねじ装置及びステアリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018073453A JP2019183916A (ja) 2018-04-05 2018-04-05 軸受ユニット、ボールねじ装置及びステアリング装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019183916A true JP2019183916A (ja) 2019-10-24

Family

ID=68340422

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018073453A Pending JP2019183916A (ja) 2018-04-05 2018-04-05 軸受ユニット、ボールねじ装置及びステアリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019183916A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021255948A1 (ja) * 2020-06-16 2021-12-23 日本精工株式会社 ボールねじ装置
CN114641632A (zh) * 2019-11-07 2022-06-17 日本精工株式会社 动力传递装置
CN114857180A (zh) * 2022-04-29 2022-08-05 深圳嘉利祥精工股份有限公司 一种具有定位套结构的滚珠轴承及其制造方法
JP7563290B2 (ja) 2021-04-30 2024-10-08 トヨタ自動車株式会社 軸受構造体

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114641632A (zh) * 2019-11-07 2022-06-17 日本精工株式会社 动力传递装置
WO2021255948A1 (ja) * 2020-06-16 2021-12-23 日本精工株式会社 ボールねじ装置
JPWO2021255948A1 (ja) * 2020-06-16 2021-12-23
JP7563290B2 (ja) 2021-04-30 2024-10-08 トヨタ自動車株式会社 軸受構造体
CN114857180A (zh) * 2022-04-29 2022-08-05 深圳嘉利祥精工股份有限公司 一种具有定位套结构的滚珠轴承及其制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2019183916A (ja) 軸受ユニット、ボールねじ装置及びステアリング装置
JP6790572B2 (ja) ステアリング装置
JP3735926B2 (ja) 車輪支持用ハブユニット
EP3632773B1 (en) Steering system and method for manufacturing steering system
JP2004340311A (ja) 車輪用軸受ユニット
JP5326765B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2019055758A (ja) ステアリング装置
JP5618146B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP4613875B2 (ja) 十字軸継手及びこれを備えた車両用操舵装置
JP2002225503A (ja) 車輪支持用ハブユニットの製造方法とその製造用押型
US8770852B2 (en) Wheel bearing device
JP2007205573A (ja) 転がり接触軸受装置及びステアリングコラム
JP2019147536A (ja) ステアリング装置
JP2019190556A (ja) ボールねじ装置及び複列軸受装置
JP7109289B2 (ja) ステアリング装置およびその製造方法
JP2007303575A (ja) 十字軸継手及びこれを有する車両用操舵装置
JP2009233705A (ja) 雄ねじ部材の転造方法
JP3736571B2 (ja) 駆動輪用転がり軸受ユニット及び車輪用駆動ユニットの製造方法
JP4026656B2 (ja) 駆動輪支持用ハブユニットの製造方法
JP2008039123A (ja) 十字軸自在継手の組立方法
JP2006177528A (ja) ボールジョイント及びそのソケット
JP2019093793A (ja) 車両用ステアリング装置
JP2004150485A (ja) 転がり軸受装置
JP2007321924A (ja) 十字軸継手及びこれを備えた車両用操舵装置
JP7196516B2 (ja) ステアリング装置及びステアリング装置の製造方法