JP2019147536A - ステアリング装置 - Google Patents

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大基 山花
Daiki Yamahana
大基 山花
鈴木 邦彦
Kunihiko Suzuki
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Abstract

【課題】ボール螺子ナットの転動路を構成する螺子溝が変形することを抑制できるステアリング装置を提供する。【解決手段】転がり軸受71は、内輪72、外輪73、内輪72と外輪73との間に軸方向に並んでそれぞれ配置された複数の第1及び第2転動体74,75を備える。内輪72は、第1転動体74が転動する第1内周軌道面87を有する第1分割レース81と、第2転動体75が転動する第2内周軌道面85を有するとともにボール螺子ナット61の外周に一体形成された第2分割レース部82とを有する。第2分割レース部82は、ボール螺子ナット61の外周において、螺子溝62との間に第1分割レース81を軸方向に挟むように設けられる。転がり軸受71は、従動プーリ52が第1分割レース81に軸方向の荷重を付与するようにボール螺子ナット61の外周に固定されることにより、予圧が付与された状態でボール螺子ナット61の外周に固定される。【選択図】図4

Description

本発明は、ステアリング装置に関する。
従来、車両用のステアリング装置には、モータの回転をボール螺子機構により転舵軸の軸方向移動に変換することで操舵機構にアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置(EPS)がある。この種のEPSとして、モータを転舵軸と平行となるように配置し、該モータの回転を一対のプーリ及びベルトを介してボール螺子機構に伝達するものが知られている(例えば特許文献1)。ボール螺子機構は、ラック軸の外周に形成された螺子溝と、ボール螺子ナットの内周に形成された螺子溝とを対向させてなる螺旋状の転動路内に複数のボールを配設することにより構成されており、ボール螺子ナットは複列アンギュラ玉軸受等の転がり軸受によりラックハウジング内に回転可能に支持されている。
特許文献1のEPSでは、転がり軸受は、内輪、外輪、内輪と外輪との間に軸方向に並んでそれぞれ配置された複数の第1及び第2転動体を有し、内輪が軸方向中央位置で二分割されている。そして、ロックナットにより軸方向の荷重が内輪の一方の分割レースに付与され、該分割レースから第1転動体、外輪、第2転動体、他方の分割レースの間に荷重を作用させることで予圧を付与し、内部隙間を調整している。また、近年では、こうしたボール螺子ナットの支持構造として、ボール螺子ナットの外周における転動路を構成する螺子溝側に配置された分割レースをボール螺子ナットと一体化したものが提案されている(例えば、特許文献2)。
特開2014−234103号公報 米国特許出願公開第2014/0096633号明細書
ところで、上記特許文献2の構成では、ボール螺子ナットにおける螺子溝と反対側に配置された分割レースに軸方向の荷重を付与しており、当該分割レースから第1転動体、外輪、第2転動体及びボール螺子ナットに一体化された螺子溝側の分割レースの間に荷重を作用させることで予圧を付与している。その結果、転がり軸受に予圧を付与するための荷重が、ボール螺子ナットに一体化された分割レースから該ボール螺子ナットの螺子溝に伝達され易く、該螺子溝が変形するおそれがあった。
本発明の目的は、ボール螺子ナットの転動路を構成する螺子溝が変形することを抑制できるステアリング装置を提供することにある。
上記課題を解決するステアリング装置は、ハウジング内に往復動可能に収容された転舵軸と、モータに連結された駆動プーリと、前記ハウジング内に収容された従動プーリと、前記駆動プーリ及び前記従動プーリの間に巻き掛けられたベルトとを有する伝達機構と、前記転舵軸の外周に形成された螺子溝とボール螺子ナットの内周に形成された螺子溝とを対向させてなる螺旋状の転動路内に配設された複数のボールとを有するボール螺子機構と、前記ハウジング内において前記ボール螺子ナットを回転可能に支持する転がり軸受とを備えたものにおいて、前記転がり軸受は、内輪、外輪、前記内輪と前記外輪との間に軸方向に並んでそれぞれ配置された複数の第1及び第2転動体を備え、前記内輪は、前記第1転動体が転動する第1内周軌道面を有する第1分割レースと、前記第2転動体が転動する第2内周軌道面を有するとともに前記ボール螺子ナットの外周に一体形成された第2分割レース部とを有し、前記第2分割レース部は、前記ボール螺子ナットの外周において、前記螺子溝との間に前記第1分割レースを軸方向に挟むように設けられ、前記転がり軸受は、前記従動プーリが前記第1分割レースに軸方向の荷重を付与するように前記ボール螺子ナットの外周に固定されることにより、前記第1分割レースから前記第1転動体、前記外輪、前記第2転動体及び前記第2分割レース部の間に荷重が作用した状態で前記ボール螺子ナットの外周に固定された。
上記構成によれば、転がり軸受に予圧を付与するための荷重が第1分割レースから第1転動体、外輪、第2転動体及び第2分割レース部の間に作用し、最終的にボール螺子ナットにおける螺子溝と軸方向の反対側に配置されている第2分割レース部に作用するため、該荷重が螺子溝に伝達され難くなる。これにより、螺子溝が変形することを抑制できる。
上記ステアリング装置において、前記ボール螺子ナットには、外周にネジ山を有する雄ネジ部が形成され、前記従動プーリには、前記雄ネジ部のネジ山に螺合するネジ溝が内周に設けられた雌ネジ部が形成され、前記従動プーリは、前記ボール螺子ナットの外周に螺着されることにより固定されることが好ましい。
螺着により従動プーリをボール螺子ナットの外周に固定する場合、ボール螺子ナットにおける雄ネジ部が形成された部位から第2分割レース部が形成された部位までの間に、螺着により発生する軸力によって僅かながら変形が生じる。この点、上記構成によれば、雌ネジ部が従動プーリに形成されるため、ボール螺子ナットにおける雄ネジ部が形成された部位から第2分割レース部が形成された部位までの距離を短くすることが可能になる。これにより、ボール螺子ナットにおける変形の生じる範囲を小さくでき、当該変形による影響を受ける螺子溝の範囲を小さくできる。したがって、従動プーリを第1分割レースに軸方向の荷重を付与した状態で螺着することによりボール螺子ナットに生じる変形が螺子溝に影響を及ぼすことを低減できる。
上記ステアリング装置において、前記雄ネジ部は、前記ボール螺子ナットにおける前記第1分割レースが嵌合する部位に隣接して形成され、前記雌ネジ部は、前記従動プーリにおける前記第1分割レース側の端部に形成されることが好ましい。
上記構成によれば、雄ネジ部と第2分割レース部との間の距離を好適に短くできるため、従動プーリを第1分割レースに軸方向の荷重を付与した状態で螺着することによりボール螺子ナットに生じる変形が螺子溝に影響を及ぼすことを好適に低減できる。
上記ステアリング装置において、前記ボール螺子ナットの外周には、雄ネジ部が形成され、前記従動プーリは、ロックナットが前記第1分割レースとの間に該従動プーリを挟み込むように前記雄ネジ部に螺着されることにより固定されることが好ましい。
上記構成によれば、従動プーリは、ロックナットにより第1分割レースとともに第2分割レース部との間に挟み込まれることでボール螺子ナットの外周に固定されるため、従動プーリの形状が複雑化することを抑制できる。
上記ステアリング装置において、前記ボール螺子ナットには、前記螺子溝の二点間を短絡して前記転動路を転動する前記ボールの無限循環を可能とする循環路を構成するデフレクタが装着されるものであって、前記ボール螺子ナットは、前記デフレクタが装着される軸方向範囲と、前記第1分割レースが嵌合する軸方向範囲とが重ならないように形成されることが好ましい。
上記構成によれば、デフレクタが装着される軸方向範囲と第1分割レースが嵌合する軸方向範囲とが重ならないため、第1分割レースとデフレクタとを別々に独立してボール螺子ナットに組み付けることができる。これにより、ボール螺子機構の組み付け性の向上を図ることができる。
本発明によれば、ボール螺子ナットの螺子溝が変形することを抑制できる。
電動パワーステアリング装置の概略構成図。 第1実施形態におけるアクチュエータ近傍のラック軸の軸方向に沿った断面図。 第1実施形態のボール螺子ナットの平面図。 第1実施形態のボール螺子ナットにおける転がり軸受近傍の軸方向に沿った拡大断面図。 第1実施形態の転がり軸受に作用する荷重を示す模式図。 第2実施形態のボール螺子ナットにおける転がり軸受近傍の軸方向に沿った拡大断面図。
(第1実施形態)
以下、ステアリング装置を電動パワーステアリング装置(EPS)に具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、EPS1は、運転者によるステアリングホイール2の操作に基づいて転舵輪3を転舵させる操舵機構4と、操舵機構4にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与するアクチュエータ5とを備えている。
操舵機構4は、ステアリングホイール2が固定されるステアリングシャフト11と、ステアリングシャフト11の回転に応じて軸方向に往復動する転舵軸としてのラック軸12と、ラック軸12が往復動可能に挿通されるハウジングとしてのラックハウジング13とを備えている。なお、ステアリングシャフト11は、ステアリングホイール2側から順にコラム軸11a、中間軸11b、及びピニオン軸11cを連結することにより構成されている。
ラックハウジング13は、それぞれ円筒状に形成された第1ハウジング14と第2ハウジング15とを連結してなる。ラック軸12とピニオン軸11cとは、第1ハウジング14内に所定の交差角をもって配置されており、ラック軸12に形成されたラック歯16とピニオン軸11cに形成されたピニオン歯17とが噛合されることでラックアンドピニオン機構18が構成されている。また、ラック軸12の両端には、タイロッド19が連結されており、タイロッド19の先端は、転舵輪3が組み付けられた図示しないナックルに連結されている。したがって、EPS1では、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト11の回転がラックアンドピニオン機構18によりラック軸12の軸方向移動に変換され、この軸方向移動がタイロッド19を介してナックルに伝達されることにより、転舵輪3の転舵角、すなわち車両の進行方向が変更される。
アクチュエータ5は、駆動源であるモータ21と、モータ21の回転を伝達する伝達機構22と、伝達機構22を介して伝達された回転をラック軸12の往復動に変換するボール螺子機構23とを備えており、第1ハウジング14と第2ハウジング15との連結部分に設けられている。そして、アクチュエータ5は、モータ21の回転を伝達機構22を介してボール螺子機構23に伝達し、ボール螺子機構23にてラック軸12の往復動に変換することで操舵機構4にアシスト力を付与する。
次に、アクチュエータ5の構成について詳細に説明する。なお、以下では、説明の便宜上、ラック軸12におけるラックアンドピニオン機構18が設けられた側(図2中、右側)を軸方向一端側とし、その反対側(図2中、左側)を軸方向他端側とする。
図2に示すように、第1ハウジング14は、軸方向一端側に設けられた円筒状の第1筒状部31と、第1筒状部31の軸方向他端側に形成された第1収容部32とを有している。第1収容部32は、第1筒状部31よりも大径の筒状に形成されるとともに、第1収容部32には、その周壁の一部をモータ21が配置された側(図2中、下側)に膨出した形状の膨出部33が形成されている。膨出部33の底部には、ラック軸12の軸方向に貫通した挿入孔34が形成されている。
第2ハウジング15は、円筒状の第2筒状部36と、第2筒状部36の軸方向一端側に形成された第2収容部37とを有している。第2収容部37は、第2筒状部36よりも大径の円筒状に形成されるとともに、第2収容部37には、第1ハウジング14の膨出部33を覆うカバー部38が形成されている。
モータ21の回転軸41は、挿入孔34を介して膨出部33内に挿入されている。そして、モータ21は、回転軸41がラック軸12と平行になる姿勢で、ボルト42を介して第1ハウジング14(ラックハウジング13)に取り付けられている。
伝達機構22は、駆動プーリ51及び従動プーリ52と、駆動プーリ51及び従動プーリ52間に巻き掛けられたベルト53とを備えている。駆動プーリ51は、円筒状に形成されており、モータ21の回転軸41に対して同軸上で一体回転可能に連結されている。従動プーリ52は、円筒状に形成されており、駆動プーリ51と同じ軸方向位置でラック軸12の外周に回転可能に配置されている。ベルト53は、ゴム等の弾性材料からなり、駆動プーリ51と従動プーリ52との間で所定の張力(テンション)が発生するように巻き掛けられている。
ボール螺子機構23は、ラック軸12の外周に同軸配置された円筒状のボール螺子ナット61を備えている。ボール螺子ナット61は、従動プーリ52の内周に嵌合されて該従動プーリ52と一体回転可能に連結されるとともに、後述するように従動プーリ52により予圧が付与された状態の転がり軸受71を介して第2収容部37内で回転可能に支持されている。
ボール螺子ナット61の内周には、螺子溝62が形成されている。一方、ラック軸12の外周には、螺子溝62に対応する螺子溝63が形成されている。そして、螺子溝62,63が互いに対向することによって螺旋状の転動路R1が形成されている。転動路R1内には、各ボール64がボール螺子ナット61の螺子溝62とラック軸12の螺子溝63とに挟まれた状態で配設されている。つまり、ボール螺子ナット61は、ラック軸12の外周に各ボール64を介して螺合されている。
図3及び図4に示すように、ボール螺子ナット61には、その螺子溝62内の二箇所に設定された接続点P1,P2間を短絡する循環路R2が形成されている。詳しくは、ボール螺子ナット61には、接続点P1,P2と対応する部位が内外に貫通した取付孔65が形成されている。そして、循環路R2は、取付孔65に対して上記転動路R1からボール64を掬い上げる機能及び転動路R1にボール64を排出する機能を備えたデフレクタ(循環部材)67を装着することにより形成されている。
これにより、各ボール64は、ラック軸12とボール螺子ナット61(従動プーリ52)との間の相対回転に伴い、その負荷(摩擦力)を受けつつ、転動路R1内を転動する。そして、各ボール64の転動によってラック軸12とボール螺子ナット61との軸方向の相対位置が変位することにより、モータ21のトルクがアシスト力として操舵機構4に付与される。なお、転動路R1内を転動するボール64は、循環路R2を通過することで無限循環する。
次に、ボール螺子ナット61の支持構造について説明する。
ボール螺子ナット61は、その外周に固定された従動プーリ52に軸方向に押圧されて予圧が付与された状態の転がり軸受71により、ラックハウジング13内に回転可能に支持されている。転がり軸受71には、複列アンギュラ玉軸受が採用されており、内輪72と、外輪73と、内輪72と外輪73との間に軸方向に並んでそれぞれ配置された複数の第1及び第2転動体74,75とを備えている。内輪72は、第1分割レース81と、ボール螺子ナット61に一体形成された第2分割レース部82とを備えている。そして、転がり軸受71は、従動プーリ52が第1分割レース81に軸方向の荷重を付与するようにボール螺子ナット61の外周に固定されることにより、その内部隙間(クリアランス)が予め設定された所定の隙間となるように予圧が付与されている。
詳しくは、ボール螺子ナット61は、その軸方向他端部に形成された第2分割レース部82と、第2分割レース部82に連続して軸方向一端側に延びるとともに第1分割レース81が嵌合する嵌合部83と、嵌合部83に連続して軸方向一端側に延びる螺子溝形成部84とを有している。つまり、第2分割レース部82は、ボール螺子ナット61の外周において、螺子溝62との間に第1分割レース81を軸方向に挟むように設けられている。
第2分割レース部82の外周には、第2転動体75が転動する第2内周軌道面85がボール螺子ナット61の全周に亘って形成されている。第2内周軌道面85は、軸方向一端側に向かうにつれてその外径が円弧状に小さくなる溝形状に形成されている。なお、第2分割レース部82における第2内周軌道面85の軸方向一端側は、第2内周軌道面85における最も小さな外径と略等しい外径を有する円筒状に形成されている。
嵌合部83は、一定の外径を有する円筒状に形成されており、その外径は第2内周軌道面85における最も小さな外径よりも小さく設定されている。嵌合部83の軸方向に沿った軸方向長さは、第1分割レース81の軸方向長さと略等しく形成されている。
螺子溝形成部84は、円筒状に形成されており、その内周面には上記螺子溝62が形成されるとともに、内外を貫通する上記取付孔65が形成されている。また、螺子溝62は、螺子溝形成部84における軸方向他端側よりも軸方向一端側寄りの位置から同一端側に向かって形成されており、取付孔65は嵌合部83よりも軸方向一端側に形成されている。つまり、ボール螺子ナット61は、デフレクタ67が装着される軸方向範囲L1と、第1分割レース81が嵌合する軸方向範囲L2とが重ならないように形成されている。また、螺子溝形成部84の外周には、ネジ山を有する雄ネジ部86が形成されている。本実施形態の雄ネジ部86は、螺子溝形成部84における嵌合部83と隣接する位置に形成されている。なお、雄ネジ部86におけるネジ山間の底部分は、デフレクタ67における径方向外側の背面よりも径方向外側に位置するように形成されている。
第1分割レース81は、第1転動体74が転動する第1内周軌道面87を有する略円筒状に形成されている。第1分割レース81の内径は嵌合部83の外径と略等しく設定されており、第1分割レース81は嵌合部83の外周に嵌合している。第1内周軌道面87は、第2内周軌道面85に対して軸方向と直交する直線に関して対称に形成されており、軸方向一端側に向かうにつれてその内径が円弧状に大きくなる溝形状に形成されている。なお、第1分割レース81における第1内周軌道面87の軸方向他端側は、第1内周軌道面87における最も小さな外径と略等しい外径を有する円筒状に形成されている。
外輪73は、円筒状に形成されており、軸方向一端側に第1転動体74が転動する第1外周軌道面91が形成され、軸方向他端側に第2転動体75が転動する第2外周軌道面92が形成されている。第1外周軌道面91と第2外周軌道面92とは、外輪73の軸方向中央部を挟んで互いに対称な形状に形成されている。具体的には、第1外周軌道面91は、その外径が外輪73の軸方向中央部から軸方向一端側に向かうにつれて円弧状に大きくなる溝形状に形成されている。第2外周軌道面92は、第2軌道面の外径が外輪73の軸方向中央部から軸方向他端側に向かうにつれて円弧状に大きくなる溝形状に形成されている。なお、外輪73の軸方向両端部は、その外径が一定に保たれる円筒状に形成されている。
外輪73の両側には、断面L字状の保持器93が隣接して配置されるとともに、保持器93には、皿ばねやゴム等の弾性体94がそれぞれ圧縮された状態で配置されている。これにより、本実施形態の外輪73は、軸方向に変位可能な状態で弾性的に支持されているが、保持器93及び弾性体94を設けず、外輪73を剛的に支持してもよい。
従動プーリ52は、ベルト53が巻掛けられる巻掛部101と、巻掛部101に連続して軸方向他端側に延出された雌ネジ部102とを有している。雌ネジ部102の内周には、雄ネジ部86のネジ山に螺合するネジ溝が形成されている。雌ネジ部102は、従動プーリ52の軸方向他端部に設けられており、雌ネジ部102の軸方向他端面は第1分割レース81に当接している。つまり、雌ネジ部102は、従動プーリ52における第1分割レース81側の端部に形成されている。そして、従動プーリ52は、雌ネジ部102が雄ネジ部86に螺着されることにより、第1分割レース81に軸方向の荷重を付与した状態でボール螺子ナット61の外周に固定されている。
これにより、図5において矢印で示すように、転がり軸受71には、第1分割レース81から第1転動体74、外輪73、第2転動体75及び第2分割レース部82の間に荷重が作用することで、内部隙間が所定の隙間となるように予圧が付与されている。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)転がり軸受71に予圧を付与するための荷重が第1分割レース81から第1転動体74、外輪73、第2転動体75及び第2分割レース部82の間に作用し、最終的にボール螺子ナット61における螺子溝62と軸方向の反対側の端部に配置されている第2分割レース部82に作用するため、該荷重が螺子溝62に伝達され難くなる。これにより、螺子溝62が変形することを抑制できる。
(2)ボール螺子ナット61の外周における嵌合部83と隣接する位置にネジ山を有する雄ネジ部86を形成するとともに、従動プーリ52の第1分割レース81側の端部に雄ネジ部86のネジ山に螺合するネジ溝が設けられた雌ネジ部102を形成し、従動プーリ52をボール螺子ナット61の外周に螺着することにより固定した。
ここで、螺着により従動プーリ52をボール螺子ナット61の外周に固定する場合、ボール螺子ナット61における雄ネジ部86が形成された部位から第2分割レース部82が形成された部位までの間に、螺着により発生する軸力によって僅かながら変形が生じる。この点、本実施形態では、雄ネジ部86と第2分割レース部82との間の距離を好適に短くできるため、ボール螺子ナット61における変形の生じる範囲を小さくでき、当該変形による影響を受ける螺子溝62の範囲を小さくできる。したがって、従動プーリ52を第1分割レース81に軸方向の荷重を付与した状態で螺着することによりボール螺子ナット61に生じる変形が螺子溝62に影響を及ぼすことを好適に低減できる。
(3)ボール螺子ナット61を、デフレクタ67が装着される軸方向範囲L1と、第1分割レース81が嵌合する軸方向範囲L2とが重ならないように形成したため、第1分割レース81とデフレクタ67とを別々に独立してボール螺子ナット61に組み付けることができる。これにより、ボール螺子機構23の組み付け性の向上を図ることができる。
(第2実施形態)
次に、ステアリング装置をEPSに具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。なお、説明の便宜上、同一の構成については上記第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態の従動プーリ52は、ロックナット111によりボール螺子ナット61の外周に固定されている。
詳しくは、ボール螺子ナット61は、第2分割レース部82と、嵌合部83と、嵌合部83に連続して軸方向他端側に延びるインロー凸部112と、インロー凸部112に連続して軸方向他端側に延びる螺子溝形成部84とを有している。インロー凸部112は、嵌合部83の外径と略等しい外径を有する円筒状に形成されており、その一部が取付孔65と軸方向において重なって切り欠かれている。螺子溝形成部84の内周には、上記第1実施形態と同様に螺子溝62が形成されている。本実施形態の雄ネジ部86は、螺子溝形成部84の外周における軸方向一端部寄りに形成されている。
従動プーリ52は、巻掛部101と、巻掛部101に連続して軸方向他端側に延びるインロー凹部113とを有している。インロー凹部113は、インロー凸部112の外径と略等しい外径を有する円筒状に形成されており、インロー凸部112にインロー嵌合している。そして、従動プーリ52は、雄ネジ部86にロックナット111が螺着されることにより、第1分割レース81とともに第2分割レース部82との間に挟み込まれることで、第1分割レース81を押圧するようにボール螺子ナット61の外周に固定されている。なお、ボール螺子ナット61の外周面におけるロックナット111の軸方向一端側には、該ロックナット111の脱落を防止するためのスナップリング114が装着されている。
これにより、上記第1実施形態と同様に、転がり軸受71には、第1分割レース81から第1転動体74、外輪73、第2転動体75及び第2分割レース部82の間に荷重が作用することで、内部隙間が所定の隙間となるように予圧が付与されている(図5参照)。
次に、本実施形態の作用効果について記載する。なお、本実施形態では、上記第1実施形態の(1),(3)の作用効果に加えて以下の作用効果を有する。
(4)ロックナット111を、該ロックナット111が従動プーリ52を第1分割レース81との間に挟み込むように、ボール螺子ナット61に螺着することにより、従動プーリ52をボール螺子ナット61に固定したため、従動プーリ52の形状が複雑化することを抑制できる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記第1実施形態において、従動プーリ52の軸方向一端側にスナップリングを設けてもよい。また、上記第2実施形態において、スナップリング114を設けなくともよい。
・上記第1実施形態では、従動プーリ52をボール螺子ナット61の外周に螺着することにより固定したが、これに限らず、例えば従動プーリ52をボール螺子ナット61に対して加締めることで固定してもよい。また、上記第2実施形態において、ロックナット111に代えてボール螺子ナット61に加締め具を設け、該加締め具を加締めて固定することにより従動プーリ52を固定してもよい。
・上記第1実施形態において、雄ネジ部86を螺子溝形成部84における嵌合部83と隣接する位置よりも軸方向一端側に形成し、雌ネジ部102を従動プーリ52の軸方向他端部よりも軸方向一端側に形成してもよい。このように構成しても、ボール螺子ナット61における雄ネジ部86が形成された部位から第2分割レース部82が形成された部位までの距離を短くすることが可能になる。これにより、従動プーリ52を第1分割レース81に軸方向の荷重を付与した状態で螺着することによりボール螺子ナット61に生じる変形が螺子溝62に影響を及ぼすことを低減できる。
・上記各実施形態において、デフレクタ67が装着される軸方向範囲L1と、第1分割レース81が嵌合する軸方向範囲L2とが重なるように形成してもよい。
・上記各実施形態では、第1及び第2転動体74,75としてボールを採用したが、これに限らず、例えば円錐コロ等を採用してもよく、その形状は適宜変更可能である。
・上記各実施形態の支持構造を適用するステアリング装置を、例えばステアバイワイヤ方式のステアリング装置等、EPS以外のステアリング装置に適用してもよい。
1…EPS(電動パワーステアリング装置)、2…ステアリングホイール、3…転舵輪、4…操舵機構、5…アクチュエータ、11…ステアリングシャフト、12…ラック軸(転舵軸)、13…ラックハウジング(ハウジング)、21…モータ、22…伝達機構、23…ボール螺子機構、51…駆動プーリ、52…従動プーリ、53…ベルト、61…ボール螺子ナット、62,63…螺子溝、64…ボール、65…取付孔、67…デフレクタ、71…転がり軸受、72…内輪、73…外輪、74…第1転動体、75…第2転動体、81…第1分割レース、82…第2分割レース部、83…嵌合部、84…螺子溝形成部、85…第2内周軌道面、86…雄ネジ部、87…第1内周軌道面、91…第1外周軌道面、92…第2外周軌道面、101…巻掛部、102…雌ネジ部、111…ロックナット、L1,L2…軸方向範囲、P1,P2…接続点、R1…転動路、R2…循環路。

Claims (5)

  1. ハウジング内に往復動可能に収容された転舵軸と、
    モータに連結された駆動プーリと、前記ハウジング内に収容された従動プーリと、前記駆動プーリ及び前記従動プーリの間に巻き掛けられたベルトとを有する伝達機構と、
    前記転舵軸の外周に形成された螺子溝とボール螺子ナットの内周に形成された螺子溝とを対向させてなる螺旋状の転動路内に配設された複数のボールとを有するボール螺子機構と、
    前記ハウジング内において前記ボール螺子ナットを回転可能に支持する転がり軸受とを備えたステアリング装置において、
    前記転がり軸受は、内輪、外輪、前記内輪と前記外輪との間に軸方向に並んでそれぞれ配置された複数の第1及び第2転動体を備え、
    前記内輪は、前記第1転動体が転動する第1内周軌道面を有する第1分割レースと、前記第2転動体が転動する第2内周軌道面を有するとともに前記ボール螺子ナットの外周に一体形成された第2分割レース部とを有し、
    前記第2分割レース部は、前記ボール螺子ナットの外周において、前記螺子溝との間に前記第1分割レースを軸方向に挟むように設けられ、
    前記転がり軸受は、前記従動プーリが前記第1分割レースに軸方向の荷重を付与するように前記ボール螺子ナットの外周に固定されることにより、前記第1分割レースから前記第1転動体、前記外輪、前記第2転動体及び前記第2分割レース部の間に荷重が作用した状態で前記ボール螺子ナットの外周に固定されたステアリング装置。
  2. 請求項1に記載のステアリング装置において、
    前記ボール螺子ナットには、外周にネジ山を有する雄ネジ部が形成され、
    前記従動プーリには、前記雄ネジ部のネジ山に螺合するネジ溝が内周に設けられた雌ネジ部が形成され、
    前記従動プーリは、前記ボール螺子ナットの外周に螺着されることにより固定されたステアリング装置。
  3. 請求項2に記載のステアリング装置において、
    前記雄ネジ部は、前記ボール螺子ナットにおける前記第1分割レースが嵌合する部位に隣接して形成され、
    前記雌ネジ部は、前記従動プーリにおける前記第1分割レース側の端部に形成されたステアリング装置。
  4. 請求項1に記載のステアリング装置において、
    前記ボール螺子ナットの外周には、雄ネジ部が形成され、
    前記従動プーリは、ロックナットが前記第1分割レースとの間に該従動プーリを挟み込むように前記雄ネジ部に螺着されることにより固定されたステアリング装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のステアリング装置において、
    前記ボール螺子ナットには、前記螺子溝の二点間を短絡して前記転動路を転動する前記ボールの無限循環を可能とする循環路を構成するデフレクタが装着されるものであって、
    前記ボール螺子ナットは、前記デフレクタが装着される軸方向範囲と、前記第1分割レースが嵌合する軸方向範囲とが重ならないように形成されたステアリング装置。
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