JP2007321924A - 十字軸継手及びこれを備えた車両用操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】転動体を内側に有するカップ軸受を十字軸の軸部に取り付ける際、軸部や転動体が損傷することを防止することができる十字軸継手及びこれを備えた車両用操舵装置を提供する。
【解決手段】胴体部16の側周面から四方に突出した4つの軸部17を有する十字軸15と、前記軸部17の外周面17aを転走する複数の転動体18と、前記複数の転動体18に外嵌した有底円筒状の軸受カップ19と、を備え、前記転動体18が前記軸部17に対して締り嵌めの状態で維持されている。前記軸部17の少なくとも先端部に、前記転動体18を内周に有する前記軸受カップ19を前記軸部17に外嵌する際に当該軸部17が弾性的に縮径するのを許容する溝22が前記軸部17の先端面17bから前記胴体部16に向かって形成されている。
【選択図】図6
【解決手段】胴体部16の側周面から四方に突出した4つの軸部17を有する十字軸15と、前記軸部17の外周面17aを転走する複数の転動体18と、前記複数の転動体18に外嵌した有底円筒状の軸受カップ19と、を備え、前記転動体18が前記軸部17に対して締り嵌めの状態で維持されている。前記軸部17の少なくとも先端部に、前記転動体18を内周に有する前記軸受カップ19を前記軸部17に外嵌する際に当該軸部17が弾性的に縮径するのを許容する溝22が前記軸部17の先端面17bから前記胴体部16に向かって形成されている。
【選択図】図6
Description
この発明は、十字軸継手及びこの十字軸継手を備えた車両用操舵装置に関する。
例えば自動車の操舵装置において、ステアリングシャフトとピニオンシャフトとを繋ぐために、胴体部の側周面から四方へ突出した4つの軸部を有する十字軸と、前記軸部の外周面を転走する複数の転動体と、これら複数の転動体に外嵌した有底円筒状の軸受カップとを有した十字軸継手が用いられている。前記各シャフトの端部には一対のアームを有するヨークが設けられており、各アームに形成した軸受孔に、内周に複数の転動体を配列した軸受カップを介して、十字軸の軸部がその軸線回りに回動自在に支持されている。
このような十字軸継手を備えた継手構造において伝達トルクが大きくなると、転動体において滑りが生じトルク伝達不良によるガタツキが発生したり、脈動が発生したりする。
そこでこれを解決するために、例えば特許文献1に示しているように、従来では転動体と十字軸の軸部との間を締り嵌め状態とした構造が提案されている。
このような十字軸継手を備えた継手構造において伝達トルクが大きくなると、転動体において滑りが生じトルク伝達不良によるガタツキが発生したり、脈動が発生したりする。
そこでこれを解決するために、例えば特許文献1に示しているように、従来では転動体と十字軸の軸部との間を締り嵌め状態とした構造が提案されている。
特許文献1の十字軸継手を備えた継手構造の組み立ては、図7に示しているように、ヨーク41の軸受孔42に十字軸43の軸部44を挿入した状態で、この軸部44の軸線方向の外側から、内周に複数の転動体45を配列した軸受カップ46を軸部44に接近させ、軸受カップ46を軸受孔42に圧入しながら当該軸受カップ46内の転動体45を軸部44の先端部から外嵌させることで行う。これにより軸受カップ46が縮径することで転動体45と軸部44とが圧接した状態、つまり、前記締り嵌め状態としている。
しかし、軸受カップ46内の転動体45を軸部44に外嵌させる際に、軸受カップ46は軸受孔42への圧入によって縮径するため、その軸受カップ46の内周にある転動体45と、軸部44の先端の角部47とが強く接触し、軌道面となる軸部44の外周面や転動体45に傷(圧痕)が付いたり変形したりするおそれがある。特に、転動体45が軸部44の先端に接触する嵌合初期において、転動体45と軸部44との接触面圧が大きいので当該軸部44の先端に傷が付きやすい。このように、軸部44の転動面や、転動体45に傷が生じると、継手構造の性能、耐久性を低下させてしまうおそれがある。
しかし、軸受カップ46内の転動体45を軸部44に外嵌させる際に、軸受カップ46は軸受孔42への圧入によって縮径するため、その軸受カップ46の内周にある転動体45と、軸部44の先端の角部47とが強く接触し、軌道面となる軸部44の外周面や転動体45に傷(圧痕)が付いたり変形したりするおそれがある。特に、転動体45が軸部44の先端に接触する嵌合初期において、転動体45と軸部44との接触面圧が大きいので当該軸部44の先端に傷が付きやすい。このように、軸部44の転動面や、転動体45に傷が生じると、継手構造の性能、耐久性を低下させてしまうおそれがある。
そこで本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、転動体を内周に有する軸受カップを十字軸の軸部に取り付ける際、軸部や転動体が損傷することを防止することができる十字軸継手及びこれを備えた車両用操舵装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するための本発明の十字軸継手は、胴体部の側周面から四方に突出した4つの軸部を有する十字軸と、前記軸部の外周面を転走する複数の転動体と、前記複数の転動体に外嵌した有底円筒状の軸受カップと、を備え、前記転動体が前記軸部に対して締り嵌めの状態で維持されている十字軸継手において、前記軸部の少なくとも先端部に、前記転動体を内周に有する前記軸受カップを前記軸部に外嵌する際に当該軸部が弾性的に縮径するのを許容する溝が前記軸部の先端面から前記胴体部に向かって形成されているものである。
この構成によれば、転動体を内周に有する軸受カップを、十字軸の軸部にその先端部から外嵌する際に、転動体が軸部の外周面に接触しながら圧入されるが、軸部に形成された溝により両者の接触時に当該軸部が弾性的に縮径して接触面圧の上昇を抑えることができるため、軸部の先端部及び転動体の損傷を防ぐことができる。
この十字軸継手において、前記溝に、樹脂製の支持部材が挿入されていることが好ましい。
これによれば、樹脂製の支持部材が溝に挿入されていることによって、転動体の圧入時における軸部の過度の縮径が抑制され、圧入後に支持部材が外周側に適度の剛性を与えることにより、接触面圧の上昇を抑えつつ転動体と軸部との間を負隙間又はゼロ隙間に保持することができる。
これによれば、樹脂製の支持部材が溝に挿入されていることによって、転動体の圧入時における軸部の過度の縮径が抑制され、圧入後に支持部材が外周側に適度の剛性を与えることにより、接触面圧の上昇を抑えつつ転動体と軸部との間を負隙間又はゼロ隙間に保持することができる。
また、この十字軸継手において、前記軸部の先端面に、前記軸受カップの内底面に当接する当接部が設けられていることが好ましい。
軸部の当接部と軸受カップとを当接させることで、スラスト方向の負荷を軸受カップの内底面で受け止めることができる。
軸部の当接部と軸受カップとを当接させることで、スラスト方向の負荷を軸受カップの内底面で受け止めることができる。
本発明の車両用操舵装置は、ステアリングシャフトと、ピニオンシャフトと、前記ステアリングシャフトと前記ピニオンシャフトとを繋ぐための継手と、を備え、前記継手が上記十字軸継手である。
この構成によれば、十字軸の軸部及びこの軸部の外周面を転走する転動体の損傷を防ぐことができ、車両用操舵装置の品質、耐久性を向上させることができる。
この構成によれば、十字軸の軸部及びこの軸部の外周面を転走する転動体の損傷を防ぐことができ、車両用操舵装置の品質、耐久性を向上させることができる。
本発明によれば、転動体を内周に有する軸受カップを軸部に取り付ける際、軸部に形成された溝により、転動体と軸部の外周面との接触時に当該軸部が弾性的に縮径して接触面圧の上昇を抑えながら圧入することができるため、軸部の先端及び転動体の損傷を防ぐことができる。これにより、十字軸継手の品質を高め、耐久性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の十字軸継手を備えた車両用操舵装置の模式図である。車両用操舵装置1は、一端部が操舵輪(ステアリングホイール)2に連結されたステアリングシャフト3と、一端部が当該ステアリングシャフト3の他端部に本発明の十字軸継手4を介して連結された中間シャフト5と、この中間シャフト5の他端部に本発明の十字軸継手4を介して連結されたピニオンシャフト6と、このピニオンシャフト6の端部近傍に設けられたピニオン歯6aに噛合うラック歯7aを有して自動車の左右方向に延びる転舵軸としてのラックバー7とを有している。
図1は本発明の十字軸継手を備えた車両用操舵装置の模式図である。車両用操舵装置1は、一端部が操舵輪(ステアリングホイール)2に連結されたステアリングシャフト3と、一端部が当該ステアリングシャフト3の他端部に本発明の十字軸継手4を介して連結された中間シャフト5と、この中間シャフト5の他端部に本発明の十字軸継手4を介して連結されたピニオンシャフト6と、このピニオンシャフト6の端部近傍に設けられたピニオン歯6aに噛合うラック歯7aを有して自動車の左右方向に延びる転舵軸としてのラックバー7とを有している。
前記ピニオンシャフト6及びラックバー7により舵取り機構としてのラックアンドピニオン機構が構成されている。ラックバー7は車体に固定されるハウジング8内に図示しない複数の軸受を介して直線往復動自在に支持されている。ラックバー7の両端部はハウジング8の両側へ突出し、各端部にはそれぞれタイロッド9が結合されている。各タイロッド9は対応するナックルアーム(図示せず)を介して対応する操向輪10に連結されている。
操舵部材2が操作されてステアリングシャフト3が回転すると、この回転がピニオン歯6a及びラック歯7aによって自動車の左右方向に沿ったラックバー7の直線運動に変換される。これにより、操向輪10の転舵が達成される。
操舵部材2が操作されてステアリングシャフト3が回転すると、この回転がピニオン歯6a及びラック歯7aによって自動車の左右方向に沿ったラックバー7の直線運動に変換される。これにより、操向輪10の転舵が達成される。
図2は、本発明の車両用操舵装置1の要部の側面図であり、図3は、図2のIII−III断面における断面図である。図2においては、ステアリングシャフト3と、ピニオンシャフト6と、これらの両シャフト3,6の間に中間シャフト5が介在しており、この中間シャフト5の両端部をステアリングシャフト3とピニオンシャフト6の各端部にそれぞれ十字軸継手4で連動連結している。
前記ステアリングシャフト3の端部には、U字状の第1ヨーク11が設けられており、この第1ヨーク11は、一対の対向するアーム13を有している。一方、前記中間シャフト5の一端部にはU字状の第2ヨーク12が設けられており、第2ヨーク12は一対の対向するアーム14を有している。そして、前記第1ヨーク11のアーム13のそれぞれに軸線を同一とする軸受孔13aが形成され、前記第2ヨーク12のアーム14のそれぞれに軸線を同一とする軸受孔14aが形成されている。
そして、これらの軸受孔13a,14aに前記十字軸継手4が嵌合されている。
そして、これらの軸受孔13a,14aに前記十字軸継手4が嵌合されている。
前記十字軸継手4は、図3に示すように、胴体部16の側周面から四方に突出した4つの軸部17を有する十字軸15と、前記軸部17の外周面17aを転走する複数の転動体18と、前記複数の転動体18に外嵌した有底円筒状の軸受カップ19とを備えている。
そして、前記軸受孔13a,14aのそれぞれにおいて、内周に複数の転動体18を配列した前記軸受カップ19を介して、十字軸15の各軸部17がその軸線回りに回動自在に支持されている。なお、中間シャフト5の他端部に設けられた第3ヨーク20とピニオンシャフト6の端部に設けられた第4ヨーク21との間における構造も同様であり、説明を省略する。
そして、前記軸受孔13a,14aのそれぞれにおいて、内周に複数の転動体18を配列した前記軸受カップ19を介して、十字軸15の各軸部17がその軸線回りに回動自在に支持されている。なお、中間シャフト5の他端部に設けられた第3ヨーク20とピニオンシャフト6の端部に設けられた第4ヨーク21との間における構造も同様であり、説明を省略する。
図4は十字軸継手4の断面図であり、前記アーム13における十字軸継手4を示している。十字軸15は、胴体部16と、この胴体部16の側周面から四方に突出する4つの軸部17を有している。十字軸15は鋼製であり、胴体部16と4つの軸部17とは鍛造により一体成形されている。軸受カップ19は有底円筒状をしており、円筒部19aと、この円筒部19aの端部と連続している円板部19bとを有している。転動体18はニードルローラよりなり、軸受カップ19の内周面に沿って複数配列されている。そして、軸受カップ19の円筒部19aの内周面が転動体18の軌道面となる。転動体(ニードルローラ)18及び軸受カップ19は鋼製である。
軸受カップ19は、円筒部19aにおいて前記アーム13の軸受孔13aに嵌入されており、十字軸継手4の組み立て完了状態で、円筒部19aと軸受孔13aとの間は締り嵌めの状態に維持されている。また、軸受カップ19内においては、複数の転動体18と十字軸15の軸部17との間、及び転動体18と軸受カップ19との間が締り嵌めの状態に維持されている。つまり、組み立て後の転動体18におけるラジアル隙間を負隙間としている。または、転動体18におけるラジアル隙間をゼロの状態にしてもよい。
十字軸15の軸部17の少なくとも先端部に、転動体18を内周に有する軸受カップ19を軸部17に外嵌する際に当該軸部17が弾性的に縮径するのを許容する溝22が軸部17の先端面17bから前記胴体部16に向かって形成されている。ここでは、溝22は軸部17と転動体18との転動面幅に略等しい深さに形成されており、この溝22によって、軸部17には、外周側の薄肉部17cと、内周側の中央部17dとが形成される。
溝22の外周側の薄肉部17cは、転動面幅に略等しい長さで薄肉となるように形成されており、転動体18を内周に有する軸受カップ19を軸部17に外嵌する際に内周側に撓んで縮径する程度の弾性を有している。そして、内周側の中央部17dの先端面17bには、軸受カップ19の内底面19cに外方から内側に向けて設けられた突起部23に当接する当接部としての凹部24が設けられている。
溝22の外周側の薄肉部17cは、転動面幅に略等しい長さで薄肉となるように形成されており、転動体18を内周に有する軸受カップ19を軸部17に外嵌する際に内周側に撓んで縮径する程度の弾性を有している。そして、内周側の中央部17dの先端面17bには、軸受カップ19の内底面19cに外方から内側に向けて設けられた突起部23に当接する当接部としての凹部24が設けられている。
溝22は、内周側がテーパ状の円錐溝とされており、その中に樹脂製の支持部材25が挿入されている。ここで、支持部材25は、前記溝22に圧入されているわけでも、また軸部17の薄肉部17c又は中央部17dに接着されているわけでもなく、支持部材25と薄肉部17c及び中央部17dとの間に微少な正隙間を有する状態で挿入されている。
図5は、十字軸継手4の組み立て方法を説明する説明図であり、(a)は軸受カップ19を挿入する前の状態を示しており、(b)は軸受カップ19を挿入している途中の状態を示している。
十字軸継手4の組み立ては、まず、第1ヨーク11の対向するアーム13の軸受孔13aの内部に十字軸15を構成する同じ軸心方向の軸部17をセットする。そして、一方の軸部17の軸線方向の外側から、内周に沿って複数の転動体18を配列した軸受カップ19を軸部17に接近させる(図5(a)参照)。そして、軸受カップ19を軸受孔13aに圧入しながら当該軸受カップ19内の転動体18を軸部17の先端部側から外嵌させ(図5(b)参照)、軸受カップ19が縮径することで転動体18と軸部17とが圧接した状態となる。その後、軸受孔13aの開口端側の内周部をかしめ加工して軸受カップ19の抜けを防止する。また、他方のアーム13の軸受孔13aにおいても同様に、内周に複数の転動体18を配列した軸受カップ19(図示せず)を軸部17に取り付ける。
なお、この組み立て前において、十字軸15の軸部17の基端側には環状のシール部材26が予め取り付けられている。また、軸受カップ19の開口側の端部には、円筒部19aの端部から径方向内方に折り曲げられた円環状の鍔部19dが形成されている。そして、このシール部材26と鍔部19dとが接触することにより、転動体18側へ異物が侵入することを防いでいる。
十字軸継手4の組み立ては、まず、第1ヨーク11の対向するアーム13の軸受孔13aの内部に十字軸15を構成する同じ軸心方向の軸部17をセットする。そして、一方の軸部17の軸線方向の外側から、内周に沿って複数の転動体18を配列した軸受カップ19を軸部17に接近させる(図5(a)参照)。そして、軸受カップ19を軸受孔13aに圧入しながら当該軸受カップ19内の転動体18を軸部17の先端部側から外嵌させ(図5(b)参照)、軸受カップ19が縮径することで転動体18と軸部17とが圧接した状態となる。その後、軸受孔13aの開口端側の内周部をかしめ加工して軸受カップ19の抜けを防止する。また、他方のアーム13の軸受孔13aにおいても同様に、内周に複数の転動体18を配列した軸受カップ19(図示せず)を軸部17に取り付ける。
なお、この組み立て前において、十字軸15の軸部17の基端側には環状のシール部材26が予め取り付けられている。また、軸受カップ19の開口側の端部には、円筒部19aの端部から径方向内方に折り曲げられた円環状の鍔部19dが形成されている。そして、このシール部材26と鍔部19dとが接触することにより、転動体18側へ異物が侵入することを防いでいる。
組み立て完了状態で軸受カップ19の内周に配設した転動体18と十字軸15の軸部17とを締り嵌め状態にするために、前記のとおり軸受カップ19を軸部17に取り付ける際、軸受カップ19を軸受孔13aに圧入して当該軸受カップ19を縮径させている。このため、その内周にある転動体18が軸部17の外周面17aに接触するが、軸部17に形成された溝22により軸部17の外周側に薄肉部17cが形成されているので、転動体18と軸部17の外周面17aとの接触時に当該軸部17の薄肉部17cが弾性的に縮径する。これにより接触面圧の上昇を抑えながら軸受カップ19を圧入することができるため、軸部17や転動体18が損傷することを防ぐことができる。
また、軸部17に形成された溝22に、樹脂製の支持部材25が挿入されていることによって、転動体18の圧入時における薄肉部17cの内周側への撓みが抑制され、圧入後に支持部材25が外周側に適度の剛性を与えることにより、接触面圧の上昇を抑えつつ転動体18と軸部17との間を負隙間又はゼロ隙間に保持することができる。
さらに、軸部17の中央部17dの先端面17bに、軸受カップ19の内底面19cに設けられた突起部23に当接する当接部(凹部)24が設けられているので、軸部17の当接部(凹部)24と軸受カップ19とを当接させることで、スラスト方向の負荷を軸受カップ19の内底面19cで受け止めることができる。
さらに、軸部17の中央部17dの先端面17bに、軸受カップ19の内底面19cに設けられた突起部23に当接する当接部(凹部)24が設けられているので、軸部17の当接部(凹部)24と軸受カップ19とを当接させることで、スラスト方向の負荷を軸受カップ19の内底面19cで受け止めることができる。
なお、本発明の十字軸継手は、図示する形態に限らずこの発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。前記実施の形態では、溝22の形状を内周側がテーパ状の円錐溝にしているが、この形状に限定されるわけではなく、例えば、図6に示すような円筒溝であってもよい。また、前記実施の形態では、軸部17と転動体18との転動面幅に略等しい深さの溝22が形成されているが、これに限られるものではなく、軸部17の少なくとも先端側に形成されていればよい。溝22には、支持部材25が挿入されていなくても勿論かまわない。
また、前記実施の形態では、軸受カップ19に突起部23を設け、軸部17の先端面17bに当接部としての凹部24を形成しているが、当接状態は凹凸係合に限られず、軸受カップ19の突起部23に軸部17の中央部17dの先端面17bが当接することも可能である。また、軸受カップ19の内底面19cを平らにして、軸部17の中央部17dに突起部を設けて当接させることもできる。さらに、応力が問題とならない場合には、軸受カップ19及び軸部17の両方に突起部を設けて当接させてもかまわない。
また、前記実施の形態では、軸受カップ19に突起部23を設け、軸部17の先端面17bに当接部としての凹部24を形成しているが、当接状態は凹凸係合に限られず、軸受カップ19の突起部23に軸部17の中央部17dの先端面17bが当接することも可能である。また、軸受カップ19の内底面19cを平らにして、軸部17の中央部17dに突起部を設けて当接させることもできる。さらに、応力が問題とならない場合には、軸受カップ19及び軸部17の両方に突起部を設けて当接させてもかまわない。
1 車両用操舵装置
3 ステアリングシャフト
4 十字軸継手
5 中間シャフト
6 ピニオンシャフト
11 第1ヨーク
13 アーム
13a 軸受孔
15 十字軸
17 軸部
18 転動体
19 軸受カップ
22 溝
3 ステアリングシャフト
4 十字軸継手
5 中間シャフト
6 ピニオンシャフト
11 第1ヨーク
13 アーム
13a 軸受孔
15 十字軸
17 軸部
18 転動体
19 軸受カップ
22 溝
Claims (4)
- 胴体部の側周面から四方に突出した4つの軸部を有する十字軸と、
前記軸部の外周面を転走する複数の転動体と、
前記複数の転動体に外嵌した有底円筒状の軸受カップと、を備え、
前記転動体が前記軸部に対して締り嵌めの状態で維持されている十字軸継手において、
前記軸部の少なくとも先端部に、前記転動体を内周に有する前記軸受カップを前記軸部に外嵌する際に当該軸部が弾性的に縮径するのを許容する溝が前記軸部の先端面から前記胴体部に向かって形成されていることを特徴とする十字軸継手。 - 前記溝に、樹脂製の支持部材が挿入されている請求項1に記載の十字軸継手。
- 前記軸部の先端面に、前記軸受カップの内底面に当接する当接部が設けられている請求項1又は2に記載の十字軸継手。
- ステアリングシャフトと、ピニオンシャフトと、前記ステアリングシャフトと前記ピニオンシャフトとを繋ぐための継手と、を備え、前記継手が請求項1〜3のいずれか1項に記載の十字軸継手であることを特徴とする車両用操舵装置。
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JP2006154899A JP2007321924A (ja) | 2006-06-02 | 2006-06-02 | 十字軸継手及びこれを備えた車両用操舵装置 |
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US20140174242A1 (en) * | 2011-08-29 | 2014-06-26 | Jtekt Corporation | Steering system and cross joint |
US11167786B2 (en) * | 2019-03-26 | 2021-11-09 | Yamada Manufacturing Co., Ltd. | Steering shaft and method of manufacturing steering shaft |
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2006
- 2006-06-02 JP JP2006154899A patent/JP2007321924A/ja active Pending
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