JP5326765B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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本発明は、電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来、ボール螺子装置を用いてモータの回転をラック軸の往復動に変換することにより、操舵系にアシスト力を付与する所謂ラックアシスト型の電動パワーステアリング装置(EPS)がある。具体的には、このようなEPSにおいて、ボール螺子装置は、ラック軸の外周に螺子溝を螺刻することに形成された螺子軸に対し、転動体となる複数のボールを介してボール螺子ナットを螺着することにより形成される。そして、そのラック軸及びボール螺子ナットとの間に形成される転動路内を各ボールが転動し、無限循環することにより、ボール螺子ナットの回転をラック軸の軸方向移動に変換することが可能となっている。
ところで、このようなラックアシスト型のEPSにおいて、転舵輪に対する逆入力応力の印加(例えば、縁石衝突時等)により生ずるラック軸の軸振れは、そのボール螺子装置における打音(ラトル音)の発生、及び同ボール螺子装置を構成する転動体(ボール)及びその転動路に歪みを引き起こす最大の要因となる。そのため、従来、ラック軸の軸方向端部(ラックエンド)近傍のハウジングには、同ラック軸の径方向荷重を受けるラックブッシュが設けられている。そして、このラックブッシュにラック軸を当接させることにより、その軸振れを抑える構成が一般的となっている。
しかしながら、車両への搭載性の観点から、装置の外形が大型化するボール螺子装置(及びモータ)については、極力、ラック軸の軸方向端部(ラックエンド)側に偏らせて配置することが望まれる。即ち、そのラックエンド側への偏配置を進めることで、ボール螺子装置は、上記ラックブッシュと干渉することになる。そこで、例えば、特許文献1では、そのラックブッシュをボール螺子ナットの内周に設ける構成が提案されている。
特開2005−343308号公報
ところが、通常、ボール螺子装置における各ボールとラック軸及びボール螺子ナットとの間のクリアランスは、上記のラックブッシュとラック軸との間のクリアランスよりも小さい。即ち、ボール螺子装置とラックブッシュとの軸方向間隔が狭まるほど、より直接的に、そのラック軸の径方向荷重がボール螺子装置の各ボール(及びその転動路)に作用することになる。そして、これにより、打音及び作動音の発生、並びに耐久性の低下等がより顕著なものとなるという問題があり、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ボール螺子装置に作用する径方向荷重の増大を招くことなく、同ボール螺子装置をラックエンド側に偏らせて配置することのできる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ハウジング内において軸方向に往復動可能に設けられたラック軸と、前記ラック軸に形成された螺子軸に複数のボールを介してボール螺子ナットを螺合してなるボール螺子装置と、前記ラック軸との当接により該ラック軸の径方向荷重を受けるラックブッシュとを備えた電動パワーステアリング装置において、前記ハウジングに支承されてモータ駆動により回転する中空軸を備え、前記ボール螺子ナットは、前記中空軸に連結されて該中空軸とともに一体回転するものであって、前記中空軸の内周に、前記ラック軸の外周面に対向する前記ラックブッシュを設けるとともに、前記ボール螺子ナットと前記中空軸との連結部に弾性体を介在させて前記ボール螺子ナットを弾力的に支持させることにより、前記中空軸及び前記ラックブッシュに対して前記ボール螺子ナットを径方向に移動可能としたこと、を要旨とする。
上記構成によれば、ラックブッシュとの干渉を回避しつつ、ボール螺子装置をラックエンド側に偏らせて配置することが可能になる。また、ラック軸に軸振れが生じた場合には、ラック軸とともに同ボール螺子ナットが径方向移動することで、ボール螺子装置とラックブッシュとの軸方向間隔が小さくとも、その径方向荷重をラックブッシュにおいて受けることができる。そして、これにより、ボール螺子装置(その各ボール及び転動路)に作用する径方向荷重を軽減することができ、その結果、打音及び作動音の軽減、並びに長寿命化を図ることができるようになる。
請求項2に記載の発明は、前記中空軸と前記ボール螺子ナットとの連結部は、径方向に突出する爪部と該爪部に対応する凹部とを係合させてなり、前記弾性体は、前記爪部と前記凹部との間に介在されること、を要旨とする。
上記構成によれば、弾力的にボール螺子ナットを支持しつつ、その回転を確実に伝達することができる。また、簡素な構成にて、その径方向及び周方向における弾力支持に加え、軸方向における弾力支持が可能になる。即ち、従来、その軸方向における弾力支持は、ボール螺子ナットを軸方向両側から弾性体を介して挟み込む構造となることから、装置の軸方向長さが長くなるという問題があった。しかしながら、上記構成によれば、このように軸方向両側から挟み込むことなく、一箇所において、その軸方向の弾力支持が可能になる。その結果、その小型化を更に進めることができるようになる。
請求項3に記載の発明は、前記弾性体は、前記爪部に取着されて該爪部とともに前記凹部に係合される弾力支持部材として形成されること、を要旨とする。
上記構成によれば、容易且つ確実に爪部と溝部との間に弾性体を介在させることができる。
請求項4に記載の発明は、前記ボール螺子ナットは、前記中空軸内に配置されるものであって、前記ボール螺子ナットの外周と前記中空軸の内周との間に隙間を設けるとともに、該隙間を前記ラックブッシュと前記ラック軸との間に形成される隙間よりも大きく設定したこと、を要旨とする。
即ち、ボール螺子ナットと中空軸との間に隙間を設けることで、ラック軸に軸振れが生じた場合であっても、ボール螺子ナットは、同ラック軸に追従して中空軸内を動くことができる。その結果、ボール螺子ナットに対してラック軸が傾動する所謂「こじり」の発生を抑えることができる。また、ボール螺子ナットと中空軸との間の隙間(X1)を、ラックブッシュとラック軸との間に形成される隙間(X2)よりも大きく設定することで、ラック軸に軸振れが生じた場合には、中空軸の内周にボール螺子ナットが当接するよりも先に、ラックブッシュがラック軸に当接して、その径方向荷重を受ける。従って、上記構成によれば、より効果的に、ボール螺子装置に作用する応力を緩和して、打音及び作動音の軽減、並びに長寿命化を図ることができるようになる。
請求項5に記載の発明は、前記ラックブッシュは、前記中空軸の軸方向端部に設けられるものであって、前記中空軸と前記ボール螺子ナットとの連結部は、前記ラックブッシュとは反対側の軸方向端部に設けられること、を要旨とする。
上記構成によれば、ボール螺子装置とラックブッシュとの軸方向間隔をより大きくすることができる。これにより、効果的にラックブッシュを機能させることができ、その結果、ボール螺子装置に作用する径方向荷重を更に軽減することができるようになる。
請求項6に記載の発明は、前記ラックブッシュは、転がり軸受を介して前記中空軸の内周に固定されること、を要旨とする。
即ち、回転体である中空軸にラックブッシを設けることで、そのラック軸との当接により、同ラック軸に対する軸方向の相対変位により生ずる摩擦力のみならず、ラックブッシュの回転による周方向の摩擦力が発生することになる。そして、この周方向の摩擦力は、ボール螺子装置による減速前のモータトルクを直接的に減ずるものであることから、そのトルク伝達効率を大きく低下させる可能性がある。しかしながら、上記構成によれば、ラック軸との当接時には、中空軸に対するラックブッシュの相対回転が許容される。その結果、上記のような周方向における摩擦力の発生を抑制して、そのトルク伝達効率の低下を回避することができる。
本発明によれば、ボール螺子装置に作用する径方向荷重の増大を招くことなく、同ボール螺子装置をラックエンド側に偏らせて配置することが可能な電動パワーステアリング装置を提供することができる。
電動パワーステアリング装置(EPS)の概略構成図。 ボール螺子装置近傍の拡大断面図。 ナットケース及びボール螺子ナットのA−A断面図。 ナットケース及びボール螺子ナットの斜視図。 弾力支持部材の斜視図。 別例のボール螺子ナット支持構造を示す断面図。 別例のボール螺子ナット支持構造を示す断面図。 別例のナットケース及びボール螺子ナットの断面図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態のEPS1において、略円筒状をなすハウジング2に挿通されたラック軸3は、同ハウジング2内において、軸方向に沿って移動可能に収容されている。ラック軸3の両端には、ラックエンド4を介してタイロッド5が連結されている。尚、本実施形態のラックエンド4には、周知のボールジョイントが用いられている。そして、タイロッド5の先端は、転舵輪6を支承するナックル(図示略)に連結されている。
また、ハウジング2内には、ステアリングシャフト7の基端側を構成するピニオン軸8がラック軸3と交差する状態で回転自在に支承されている。尚、本実施形態のステアリングシャフト7は、同ピニオン軸8、及び一端にステアリング9が設けられたコラムシャフト10、並びにこれらを接続するインターミディエイトシャフト11により構成されている。そして、ラック軸3の周面に形成されたラック歯3aは、このピニオン軸8と噛合されている。
即ち、ラック軸3は、周知のラック&ピニオン機構12を介してステアリングシャフト7と連結されており、ステアリング操作に伴う同ステアリングシャフト7の回転は、このラック&ピニオン機構12によりラック軸3の往復動に変換される。そして、そのラック軸3の軸方向移動より転舵輪6の舵角が変更される構成となっている。
本実施形態のEPS1は、ボール螺子装置20を用いて駆動源であるモータ21の回転をラック軸3の往復動に変換することにより、操舵系にアシスト力を付与する所謂ラックアシスト型のEPS、詳しくは、その軸線がラック軸3と略平行となるようにモータ21が配置された所謂ラックパラレル型のEPSとして構成されている。
詳述すると、ラック軸3は、その外周に螺子溝が螺刻された螺子部3bを形成することにより、螺子軸として構成されている。そして、ボール螺子装置20は、この螺子部3bに複数のボール22を介してボール螺子ナット23を螺合することにより形成されている。
また、本実施形態では、上記ボール螺子ナット23は、第1プーリ25と一体回転可能に構成されるとともに、同第1プーリ25の径方向外側には、ベルト26を介して駆動連結された第2プーリ27が並列配置されている。尚、本実施形態のハウジング2は、これら第1プーリ25及び第2プーリ27(並びにボール螺子装置20)の収容部位が径方向に膨出して形成されている。そして、駆動源であるモータ21は、その出力軸21aが第2プーリ27に連結されることにより、ラック軸3と同軸に並置されている。
即ち、モータ21の回転は、ベルト駆動によりボール螺子ナット23に伝達されており、そのラック軸3に対する相対回転が同ラック軸3の往復動に変換される。そして、本実施形態のEPS1は、このモータトルクに基づく軸方向の押圧力を、ステアリング操作を補助するためのアシスト力として操舵系に付与する構成になっている。
(ボール螺子ナットの支持構造)
次に、本実施形態のEPSにおけるボール螺子ナットの支持構造について説明する。
図2に示すように、本実施形態のEPS1は、回転自在にハウジング2内に収容されたナットケース31を備えており、上記第1プーリ25は、このナットケース31の外周に固定されている。そして、ボール螺子ナット23は、この中空軸状をなすナットケース31に連結されることにより、同ナットケース31とともに一体回転する構成になっている。
詳述すると、本実施形態では、ナットケース31は、ハウジング2の内周に設けられたボール軸受32により回転自在に支承されている。そして、ボール螺子ナット23は、そのナットケース31との連結部33に弾性体34を介在させることにより、同ナットケース31の内側において弾力的に支持されている。尚、本実施形態では、上記弾性体34として、エラストマやゴム等が用いられる。
さらに詳述すると、図2〜図4に示すように、本実施形態のボール螺子ナット23は、その外周から径方向外側に延びる複数の爪部35を備えており、これら各爪部35は、ボール螺子ナット23の軸方向端部(図2中、右側の端部)において、その全周に亘り略等間隔で立設されている。また、ナットケース31の内周31aには、その軸方向に沿って延設されることにより当該ナットケース31の軸方向端部(同じく図2中、右側の端部)に開口する複数の溝部36が形成されている。そして、ボール螺子ナット23は、その各爪部35が、これらの各溝部36内に配置されるようにナットケース31内に挿入される。即ち、本実施形態では、ナットケース31の内周31aに形成された各溝部36が、ボール螺子ナット23側の各爪部35に対応する凹部を構成する。
ここで、本実施形態では、上記弾性体34は、各爪部35に取着可能な弾力支持部材37として形成されている。具体的には、図5に示すように、弾力支持部材37は、その外形が、各溝部36の形状に合わせて略直方体状に形成されている。また、弾力支持部材37には、各爪部35の外形に合わせた取着穴38が形成されており、同弾力支持部材37は、その取着穴38内に各爪部35の先端を挿入する態様で該各爪部35に取着可能となっている。そして、各爪部35は、この弾力支持部材37の取着によって、その径方向、周方向及び軸方向が、同弾力支持部材37を構成する弾性体34により包囲される構成となっている。
本実施形態では、各爪部35は、このように弾力支持部材37が取着された状態で、ナットケース31の軸方向から、その対応する各溝部36内に挿入される。尚、本実施形態のナットケース31では、これら各溝部36の形成された側の軸方向端部には、該各溝部36の内径よりも大径の螺子部39が形成されており、ボール螺子ナット23は、この螺子部39に螺着されたロックナット40(図2参照)により、その軸方向の移動が規制される。そして、本実施形態のボール螺子ナット23は、この弾性体34としての弾力支持部材37に包囲された各爪部35が、その対応する各溝部36とそれぞれ係合することにより、回転伝達可能、且つ弾力的にナットケース31と連結される構成となっている。
より具体的には、本実施形態では、このようにして弾力的に支持されたボール螺子ナット23の外周23aとナットケース31の内周31aとの間には、隙間X1が形成されている。そして、これにより、転舵輪6に対する逆入力応力の印加等によりラック軸3に軸振れ(ラック軸3の径方向移動及び撓み)が生じた場合であっても、ボール螺子ナット23は、同ラック軸3に追従してナットケース31内を動くことが可能となっている。
また、図2に示すように、本実施形態では、ナットケース31の内周31aには、同ナットケース31(及びボール螺子ナット23)に挿通されたラック軸3と対向するラックブッシュ41が設けられている。具体的には、ナットケース31の内周31aにおける上記ボール螺子ナット23との連結部33とは反対側の軸方向端部(図2中、左側の端部)には、転がり軸受としてのボール軸受42が設けられている。そして、ラックブッシュ41は、このボール軸受42を介してナットケース31の内周31aに固定されることによって、同ボール軸受42により回転自在に支承されている。
更に、本実施形態では、上記ボール螺子ナット23とナットケース31との間に形成された隙間X1は、このラックブッシュ41とラック軸3との間に形成される隙間X2よりも大きく設定されている(X1>X2)。そして、上記のようにラック軸3に軸振れが生じた場合には、ナットケース31の内周31aにボール螺子ナット23が当接するよりも先に、このラックブッシュ41が同ラック軸3に当接して、その径方向荷重を受ける構成となっている。
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)EPS1は、回転自在にハウジング2に支承されてモータ駆動により回転するナットケース31を備え、ボール螺子ナット23は、このナットケース31に連結されることにより、同ナットケース31とともに一体回転する。また、このナットケース31の内周31aには、ラック軸3との当接により該ラック軸3の径方向荷重を受けるラックブッシュ41が設けられる。そして、ボール螺子ナット23は、そのナットケース31との連結部33に弾性体34を介在させることにより、同ナットケース31の内側において弾力的に支持される。
上記構成によれば、ラックブッシュ41との干渉を回避しつつ、ボール螺子装置20をラックエンド側に偏らせて配置することが可能になる。また、ラック軸3に軸振れが生じた場合には、同ラック軸3とともにボール螺子ナット23が径方向移動することで、ボール螺子装置20とラックブッシュ41との軸方向間隔が小さくとも、その径方向荷重を同ラックブッシュ41において受けることができる。そして、これにより、ボール螺子装置20(その各ボール及び転動路)に作用する径方向荷重を軽減することができ、その結果、打音及び作動音の軽減、並びに長寿命化を図ることができるようになる。
(2)ボール螺子ナット23は、その外周から径方向外側に延びる複数の爪部35を備える。また、ナットケース31の内周31aには、その軸方向に沿って延設された複数の溝部36が形成される。そして、ボール螺子ナット23とナットケース31との連結部33は、これら各爪部35と各溝部36とを係合させてなり、弾性体34は、これら各爪部35と各溝部36と間に介在される。
上記構成によれば、弾力的にボール螺子ナット23を支持しつつ、その回転を確実に伝達することができる。また、簡素な構成にて、その径方向及び周方向における弾力支持に加え、軸方向における弾力支持が可能になる。即ち、従来、その軸方向における弾力支持は、ボール螺子ナット23を軸方向両側から弾性体を介して挟み込む構造となることから、装置の軸方向長さが長くなるという問題があった。尚、このような従来のフローティング支持構造については、例えば、特開2004−196036号公報に記載のEPSを参照されたい。しかしながら、上記構成によれば、このように軸方向両側から挟み込むことなく、一箇所において、その軸方向の弾力支持が可能になる。その結果、その小型化を更に進めることができるようになる。
(3)弾性体34は、各爪部35に取着されて該各爪部35とともに各溝部36に係合される弾力支持部材37として形成される。
上記構成によれば、容易且つ確実に各爪部35と各溝部36との間に弾性体34を介在させることができる。
(4)ボール螺子ナット23の外周23aとナットケース31の内周31aとの間には、隙間X1が形成される。
上記構成によれば、転舵輪6に対する逆入力応力の印加等によりラック軸3に軸振れ(ラック軸3の径方向移動及び撓み)が生じた場合であっても、ボール螺子ナット23は、同ラック軸3に追従してナットケース31内を動くことができる。その結果、ボール螺子ナット23に対してラック軸3が傾動する所謂「こじり」の発生を抑えて、ボール螺子装置20に作用する応力を有効に緩和することができる。
(5)ナットケース31の内周31aとボール螺子ナット23の外周23aとの間の隙間X1は、上記ラックブッシュ41とラック軸3との間に形成される隙間X2よりも大きく設定される(X1>X2)。
上記構成よれば、ラック軸3に軸振れが生じた場合には、ナットケース31の内周31aにボール螺子ナット23が当接するよりも先に、ラックブッシュ41が同ラック軸3に当接して、その径方向荷重を受ける。その結果、ボール螺子装置20に作用する応力を効果的に緩和して、打音及び作動音の軽減、並びに長寿命化を図ることができるようになる。
(6)ラックブッシュ41は、ナットケース31の軸方向端部に設けられるとともに、同ナットケース31とボール螺子ナット23との連結部33は、そのラックブッシュ41とは反対側の軸方向端部に設けられる。
上記構成によれば、ボール螺子装置20とラックブッシュ41との軸方向間隔をより大きくすることができる。これにより、効果的にラックブッシュ41を機能させることができ、その結果、ボール螺子装置20に作用する径方向荷重を更に軽減することができるようになる。
(7)ラックブッシュ41は、ボール軸受42を介してナットケース31の内周31aに固定される。
即ち、回転体であるナットケース31にラックブッシュ41を設けることで、同ラックブッシュ41とラック軸3との当接により、ナットケース31には、ラック軸3に対する軸方向の相対変位により生ずる摩擦力のみならず、ラックブッシュ41の回転による周方向の摩擦力が発生することになる。そして、この周方向の摩擦力は、ボール螺子装置20による減速前のモータトルクを直接的に減ずるものであることから、そのトルク伝達効率を大きく低下させる可能性がある。しかしながら、上記構成によれば、ラック軸3との当接時には、ナットケース31に対するラックブッシュ41の相対回転が許容される。その結果、上記のような周方向における摩擦力の発生を抑制して、そのトルク伝達効率の低下を回避することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、本発明を、所謂ラックパラレル型のEPS1のボール螺子装置20に具体化した。しかし、これに限らず、所謂ラック同軸等、その他の型式のEPSに適用してもよい。
・また、モータ21の回転は、ベルト駆動により中空軸としてのナットケース31(ボール螺子ナット23)に伝達されることとした。しかし、これに限らず、ギヤ駆動により中空軸が回転する構成であってもよく、更には、中空軸自体をモータ軸とした所謂モータ同軸型のEPSに具体化してもよい。
・上記実施形態では、ラックブッシュ41は、転がり軸受としてのボール軸受42を介してナットケース31の内周31aに固定されることとした。しかし、これに限らず、例えば、ころ軸受等、その他の転がり軸受を用いる構成であってもよい。また、転がり軸受を介することなく、直接的にラックブッシュ41をナットケース31の内周31aに固定する構成に具体化してもよい。
・上記実施形態では、各爪部35をボール螺子ナット23の軸方向端部に立設することにより、ナットケース31との連結部33を当該軸方向端部とした。しかし、これに限らず、図6に示すように、その連結部33をボール螺子ナット23の軸方向中央付近としてもよい。これにより、バランスよくボール螺子ナット23を支持することができる。尚、この場合、例えば、各爪部35をボール螺子ナット23の軸方向中央部に立設するとともに、ナットケース31側の各溝部36を軸方向に延長する。そして、各溝部36内に各爪部35を挿入した後、スペーサ43を介してロックナット40により締結する等とするとよい。
・また、上記実施形態では、ボール螺子ナット23の軸方向端部のみに、ナットケース31との連結部33を設けることとした。しかし、これに限らず、軸方向の複数箇所に連結部を設ける構成としてもよい。これにより、より安定的且つ確実にボール螺子ナット23を支持することができるとともに、より一層、弾力的に支持することも可能になる。
具体的には、例えば、図7に示すように、ボール螺子ナット23については、上記実施形態において各爪部35を立設した側と反対側の軸方向端部(同図中、左側の端部)から軸方向に外側に向って複数の爪部45を延設する。また、ナットケース31側には、そのラックブッシュ41及びボール軸受42よりも軸方向内側(同図中、右側)に、これら爪部45に対応する複数の凹部46を形成する。そして、これらの各凹部46内にそれぞれ弾力支持部材47を固定する。尚、各凹部46は、上記の各溝部36と同様の形状でよく、各弾力支持部材47の固定は、例えば、ロックナット44によって、ラックブッシュ41及びボール軸受42と共締めにする等とすればよい(尚、ラックブッシュ41が回転自在となるように留意すべきである)。そして、上記実施形態に記述したように、ナットケース31内にボール螺子ナット23を挿入する際、その挿入側の軸方向端部から延びる上記各爪部45を、当該各爪部45に対向するように各弾力支持部材47に形成された固定穴48内に挿入することで、新たな連結部49を形成する。そして、これにより、これらの各連結部49と反対側の軸方向端部に設けられた上記各連結部33とによって、その軸方向両端からボール螺子ナット23を弾力的に支持することができる。
・上記実施形態では、ボール螺子ナット23側に、その外周から径方向外側に延びる複数の爪部35を形成し、ナットケース31側に、これら各爪部35と係合する複数の溝部36を形成することとした。しかし、これに限らず、図8に示すように、ナットケース31側に、その外周から径方向内側に延びる複数の爪部50を形成するとともに、ボール螺子ナット23側に、これら各爪部50に対応する複数の凹部51を形成する。そして、両者の間に弾性体34を介在させた状態で、これら各爪部50及び各凹部51を係合させることにより、ボール螺子ナット23とナットケース31との連結部52を形成する構成としてもよい。このような構成としても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
・上記実施形態では、弾性体34は、各爪部35に取着されて該各爪部35とともに各溝部36に係合される弾力支持部材37として形成されることとした。しかし、これに限らず、例えば、各溝部36内に充填する等、その他の形態により、各爪部35と各溝部36との間に弾性体34を介在させる構成であってもよい。
・また、上記実施形態では、各爪部35及び各溝部36は同数に設定されていたが(本実施形態ではともに「6」)、溝部36の方が多数であってもよく、その数も特に限定されるものではない。
次に、以上の実施形態から把握することのできる技術的思想を効果とともに記載する。
(付記1)ハウジング内において軸方向に往復動可能に設けられたラック軸と、前記ラック軸に形成された螺子軸に複数のボールを介してボール螺子ナットを螺合してなるボール螺子装置と、を備えた電動パワーステアリング装置において、前記ハウジングに支承されてモータ駆動により回転する中空軸を備え、前記ボール螺子ナットは、前記中空軸に連結されて該中空軸とともに一体回転するものであって、前記中空軸と前記ボール螺子ナットとの連結部は、径方向に突出する爪部と該爪部に対応する凹部とを係合させてなるとともに、前記爪部と前記凹部との間には弾性体が介在されること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
上記構成によれば、弾力的にボール螺子ナットを支持しつつ、その回転を確実に伝達することができる。また、簡素な構成にて、その径方向及び周方向における弾力支持(フローティング)に加え、軸方向における弾力支持が可能になる。つまり、軸方向両側から挟み込むことなく、一箇所において、その軸方向の弾力支持が可能になる。その結果、軸方向における更なる小型化を図ることができるようになる。
1…電動パワーステアリング装置(EPS)、3…ラック軸、3b…螺子部、20…ボール螺子装置、21…モータ、22…ボール、23…ボール螺子ナット、31…ナットケース、31a…内周、33,49,52…連結部、34…弾性体、35,45,50…爪部、36…溝部、37,47…弾力支持部材、38…取着穴、41…ラックブッシュ、42…ボール軸受、46,51…凹部。

Claims (6)

  1. ハウジング内において軸方向に往復動可能に設けられたラック軸と、前記ラック軸に形成された螺子軸に複数のボールを介してボール螺子ナットを螺合してなるボール螺子装置と、前記ラック軸との当接により該ラック軸の径方向荷重を受けるラックブッシュとを備えた電動パワーステアリング装置において、
    前記ハウジングに支承されてモータ駆動により回転する中空軸を備え、前記ボール螺子ナットは、前記中空軸に連結されて該中空軸とともに一体回転するものであって、
    前記中空軸の内周に、前記ラック軸の外周面に対向する前記ラックブッシュを設けるとともに、前記ボール螺子ナットと前記中空軸との連結部に弾性体を介在させて前記ボール螺子ナットを弾力的に支持させることにより、前記中空軸及び前記ラックブッシュに対して前記ボール螺子ナットを径方向に移動可能としたこと、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記中空軸と前記ボール螺子ナットとの連結部は、径方向に突出する爪部と該爪部に対応する凹部とを係合させてなり、前記弾性体は、前記爪部と前記凹部との間に介在されること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項2に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記弾性体は、前記爪部に取着されて該爪部とともに前記凹部に係合される弾力支持部材として形成されること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記ボール螺子ナットは、前記中空軸内に配置されるものであって、
    前記ボール螺子ナットの外周と前記中空軸の内周との間に隙間を設けるとともに、該隙間を前記ラックブッシュと前記ラック軸との間に形成される隙間よりも大きく設定したこと、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記ラックブッシュは、前記中空軸の軸方向端部に設けられるものであって、
    前記中空軸と前記ボール螺子ナットとの連結部は、前記ラックブッシュとは反対側の軸方向端部に設けられること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  6. 請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記ラックブッシュは、転がり軸受を介して前記中空軸の内周に固定されること、
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
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