JP4952176B2 - 伝達比可変装置 - Google Patents

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Description

本発明は、波動歯車機構を差動機構として用いた伝達比可変装置に関するものである。
従来、波動歯車機構を差動機構として用いることにより、ステアリング操作に基づく入力軸の回転にモータ駆動に基づく回転を上乗せして出力軸に伝達する伝達比可変装置がある。そして、その中には、モータ軸を中空状に形成するとともに、同モータ軸内に入力軸又は出力軸を挿通して波動歯車機構に連結することにより、そのハウジングを車両の非回転部位に対して固定可能としたものがある(例えば、特許文献1参照)。即ち、ハウジング及び同ハウジング内に固定されたモータを非回転とすることにより、スパイラルケーブル装置(例えば、特許文献2参照)等の特殊な構成を廃することが可能となり、これに伴う低コスト化に加え、信頼性の向上を図ることができる。このため、近年、車両においては、こうした所謂ハウジング固定型の伝達比可変装置の採用が進められている。
特開2005−162124号公報 特開2005−253140号公報
ところで、波動歯車機構は、サーキュラスプラインの内側に、非円形に撓まされたフレクスプラインを配置し、これをサーキュラスプラインと部分的に噛合させるとともに、当該噛合部分を波動発生器により回転させることで、両サーキュラスプライン間(又はフレクスプラインとの間)の歯数差に基づく回転差を減速比として取り出すものである。それゆえ、こうした波動歯車機構を差動機構として用いる伝達比可変装置においては、当該波動歯車機構を構成する各スプラインギヤ間の噛み合わせを好適な状態に維持することが、その円滑なる作動を確保するための最も重要な課題の一つとなっている。
しかしながら、上記のようなハウジング固定型の伝達比可変装置には、車両側の振動が、ハウジング及びモータからそのモータ軸を介して波動発生器へと伝達されるという問題があり、これにより上記各スプラインギヤの偏磨耗や損傷が生ずるおそれがある。特に、上記特許文献1のような、そのハウジングがラック軸を収容するラックハウジング(ギヤボックス)に固定される所謂ラックハウジング一体型のものにおいては、こうした車両側から伝達される振動に起因する問題もまた、その振動の大きさに比例して顕著なものとなる。加えて、このようなラックハウジング一体型の伝達比可変装置では、多くの場合、一の軸上(ピニオンシャフト上)に当該伝達比可変装置とトルクセンサとが並設される構成となることから、全体としての部品点数も多くなる。このため、波動歯車機構を介して連結された入力軸及び出力軸、並びにモータ軸の間には、その組付け段階から、各部品の公差に起因した軸ずれが生じやすく、これによっても、その各スプラインギヤの好適な噛み合わせが阻害されるおそれがある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ハウジングを介して伝達される振動や軸ずれの影響を排除して、その波動歯車機構を構成する各スプラインギヤの良好な噛み合わせを実現することのできる伝達比可変装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ステアリング操作に基づく入力軸の回転にモータ駆動に基づく回転を上乗せして出力軸に伝達する差動機構と、前記差動機構及び駆動源であるモータを収容するとともに非回転部位に固定されるハウジングと、前記出力軸に設けられたトーションバーの捻れ角を測定することにより操舵トルクを検出するトルクセンサとを備え、前記差動機構には、サーキュラスプラインと、前記サーキュラスプラインの内側において該サーキュラスプラインと部分的に噛み合うように同軸配置される筒状のフレクスプラインと、前記モータ駆動により前記フレクスプラインの噛合部を回転させる波動発生器とからなる波動歯車機構が用いられ、前記モータは、中空状のモータ軸を有するとともに前記ハウジングに固定されることにより前記波動歯車機構と同軸に並置され、前記モータ軸は、スプライン嵌合により前記波動発生器と連結される伝達比可変装置であって、前記波動歯車機構は、前記ハウジングの軸方向端部近傍に設けられ、前記入力軸は、該軸方向端部に設けられた軸受けにより回転自在に支承されて前記サーキュラスプラインと連結されるものであり、前記モータは、前記波動歯車機構と前記トルクセンサとの間に配置され、前記出力軸は、中空状に形成された前記モータ軸内に挿通されることにより前記サーキュラスプラインと連結されるものであり、前記モータ軸と前記波動発生器との間のスプライン嵌合部分には、所定の隙間が形成されること、を要旨とする。
上記構成よれば、モータ軸と波動発生器との間には、そのスプライン嵌合部分に設定された隙間に相当する量の相対的な径方向変位が許容される。そして、その相対的な径方向変位によりハウジングからモータ軸に伝達された振動を吸収することができる。これにより、その振動が波動発生器へと伝達され同波動発生器が各スプラインギヤ(サーキュラスプライン及びフレクスプライン)を押圧することを防止することができ、その結果、各スプラインギヤにおける噛合状態の悪化、ひいてはその偏磨耗や損傷の発生を効果的に抑制することができる。また、組付け段階において各部品の公差に起因する軸ずれが生じた場合についても、その軸ずれの発生により各スプラインギヤ間に作用する径方向の応力を、上記波動発生器とモータ軸と間の相対的な径方向変位により吸収することができ、これにより、各スプラインギヤ間の良好な噛み合わせを実現することができる。
また上記のように波動歯車機構がハウジング軸方向端部近傍に設けられる構成では、その軸方向長さの短縮化を考慮すれば、入力軸は、必然的に一の軸受により支承されることになる。このため、当該入力軸は、振動の影響を受けやすく、これに伴う軸ぶれの発生により、各スプラインギヤ間の好適な噛み合わせが阻害されるおそれがある
また、モータが波動歯車機構とトルクセンサとの間に配置されるとともに、出力軸が中空状に形成されたモータ軸内に挿通されることによりサーキュラスプラインと連結される構成では、部品点数の増加に伴いその公差の累積による軸ぶれが生じやすい。加えて、入出力軸間の軸方向変位の許容量も少ないことから、ハウジングから伝達される振動の影響を受けやすい。従って、こうした構成を有するものに上記請求項1の構成を適用することで、より顕著な噛み合わせ改善効果を得ることができる。
請求項2に記載の発明は、前記入力軸を支承する前記軸受けには、複列のボール軸受けが用いられること、を要旨とする。
即ち、上記構成によれば、軸方向長さの大幅な延伸を招くことなく、入力軸の振動及びそれに伴う軸ぶれの発生を抑制することができる。その結果、簡素な構成にて、より効果的に各スプラインギヤ間の良好な噛み合わせを実現することができる。
請求項に記載の発明は、前記ハウジングが固定される非回転部位は、ラック軸が収容されたラックハウジングであること、を要旨とする。
即ち、ラックハウジングは、車両が走行することにより発生する振動が直接的に伝達される部位である。従って、このような振動の大きな場所に、そのハウジングが固定される所謂ラックハウジング一体型の伝達比可変装置に上記請求項1,2の構成を適用することで、より顕著な噛み合わせ改善効果を得ることができる。
本発明によれば、ハウジングを介して伝達される振動や軸ずれの影響を排除して、波動歯車機構を構成する各スプラインギヤの良好な噛み合わせを実現することが可能な伝達比可変装置を提供することができる。
以下、本発明を所謂ラックハウジング一体型の伝達比可変装置を備えた車両用操舵装置に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態の伝達比可変装置の断面図、図2は、その拡大断面図、そして、図3は、この伝達比可変装置を備えた車両用操舵装置の概略構成図である。
図3に示すように、本実施形態の車両用操舵装置1において、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5と連結されており、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。具体的には、本実施形態のステアリングシャフト3は、自在継手7a,7bを介して、コラムシャフト8、インターミディエイトシャフト9、及びピニオンシャフト10を連結してなり、上記ラックアンドピニオン機構4は、そのピニオンシャフト10の一端に形成されたピニオン歯10aとラック軸5側のラック歯5aとを噛合させることにより構成される。そして、このステアリングシャフト3の回転に伴うラック軸5の往復直線運動が、同ラック軸5の両端に連結されたタイロッド11を介して図示しないナックルに伝達されることにより、転舵輪12の舵角、即ち車両の進行方向が変更されるように構成されている。
また、本実施形態では、ラック軸5を収容するラックハウジング13には、モータ14を駆動源としてラック軸5を軸方向移動させることにより操舵系にアシスト力を付与するEPSアクチュエータ15が設けられており、上記ピニオンシャフト10には、そのパワーアシスト制御に用いる操舵トルクを検出するためのトルクセンサ16が設けられている。そして、本実施形態の車両用操舵装置1では、このピニオンシャフト10には、上記トルクセンサ16とともに、ステアリング2と転舵輪12との間の伝達比(ギヤ比)を可変可能な伝達比可変装置18が設けられている。
図1及び図2に示すように、本実施形態では、ラックハウジング13の上面には、略円筒状に形成されたピニオンハウジング20が固定されており、ピニオンシャフト10は、このピニオンハウジング20内に挿通されることにより、その一端に形成されたピニオン歯10aがラック軸5のラック歯5aと噛合された状態で回転自在に支承されている。尚、本実施形態のピニオンハウジング20は、ラックハウジング13の上部に固定された第1ハウジング23と、該第1ハウジング23の上端に連結された第2ハウジング24とにより構成されている。そして、上記のトルクセンサ16及び伝達比可変装置18は、このピニオンハウジング20内に収容されている。
詳述すると、本実施形態のピニオンシャフト10は、自在継手7bを介してインターミディエイトシャフト9に連結される(図3参照)ことによりステアリング操作に伴う回転が入力される入力軸25と、一端に上記ピニオン歯10aが形成された出力軸26とにより構成されている。そして、本実施形態の伝達比可変装置18は、これら入力軸25及び出力軸26の間に介在された差動機構27と、該差動機構27を駆動するモータ28とにより構成されている。
本実施形態では、出力軸26は、第1ハウジング23に設けられた軸受29a,29bに軸支されることにより、その一端が第2ハウジング24内に突出した状態で回転自在に支承されている。また、本実施形態では、駆動源であるモータ28には、中空状のモータ軸30を有するブラシレスモータが採用されており、同モータ28は、そのステータ31が第2ハウジング24の内周に固定されることにより、非回転部位である同第2ハウジング24(ピニオンハウジング20)に対して相対回転不能に設けられている。そして、第2ハウジング24内に突出された出力軸26の一端は、このモータ軸30内に挿通されることにより、同第2ハウジング24の上端部24a(図2中上側の端部)、即ちステアリング側の端部近傍まで延設されている。
一方、入力軸25は、第2ハウジング24の上端部24aに設けられた軸受33により回転自在に支承されている。そして、本実施形態では、モータ28とともに伝達比可変装置18を構成する差動機構27は、同モータ28の軸方向、ステアリング側(図2中上側)に並置されることにより、上記軸受33が設けられた第2ハウジング24の上端部24a近傍に設けられている。
さらに詳述すると、本実施形態では、差動機構27には、同軸に並置された一対のサーキュラスプライン41,42と、これら各サーキュラスプラインと部分的に噛み合うように同軸配置された筒状のフレクスプライン43と、モータ駆動によりフレクスプライン43の噛合部を回転させる波動発生器44とからなる波動歯車機構45が用いられている。
各サーキュラスプライン41,42には、互いに異なる歯数が設定されており、フレクスプライン43は、略楕円状に撓められた状態で各サーキュラスプライン41,42の内側に配置され、これにより、その外歯が該各サーキュラスプライン41,42の内歯とそれぞれ部分的に噛合されるように構成されている。また、波動発生器44は、フレクスプライン43の内側に配置された状態で、その中心部分に形成された連結部44aがモータ軸30の一端とスプライン嵌合されることにより、モータ28に駆動されて上記撓められたフレクスプライン43の略楕円形状、即ち両サーキュラスプライン41,42との噛合部を回転させるように構成されている。そして、本実施形態では、モータ28側に配置されたサーキュラスプライン41には、入力軸25が連結され、第2ハウジング24の上端部24a側に配置されたサーキュラスプライン42には、モータ軸30に挿通されることにより両サーキュラスプライン41,42よりも軸方向ステアリング側に突出された出力軸26の一端が連結されている。
尚、本実施形態では、出力軸26は、同出力軸26の外周に嵌合される筒状部46aとその外周から径方向外側に延設されてサーキュラスプライン42の内周に嵌合されるフランジ部46bとを備えてなる連結部材46を介してサーキュラスプライン42に連結されている。また、入力軸25の一端には、その内径が各サーキュラスプライン41,42の外径よりも大径に形成された筒状部25aが形成されており、入力軸25は、この筒状部25a内に波動歯車機構45及び連結部材46を収容する態様で、その内周がサーキュラスプライン41の外周に嵌合されることにより、同サーキュラスプライン41と連結されている。
そして、本実施形態では、このように入力軸25及び出力軸26、並びにモータ軸30に対してそれぞれ連結された波動歯車機構45をモータ駆動することにより、ステアリング2と転舵輪12との間の伝達比(ギヤ比)を変更することが可能な構成となっている。
即ち、ステアリング操作に伴う入力軸25の回転は、該入力軸25に連結されたサーキュラスプライン41からフレクスプライン43を介してサーキュラスプライン42に伝達され、これにより出力軸26へと伝達される。また、波動発生器44がモータ28に駆動され、上記撓められたフレクスプライン43の楕円形状、即ち両サーキュラスプライン41,42との噛合部が回転することにより、両サーキュラスプライン41,42間の歯数差に基づく回転差が、モータ駆動に基づく回転として上記ステアリング操作に基づく回転に上乗せされて出力軸26へと伝達される。そして、これにより、入力軸25と出力軸26との間の回転伝達比、即ちステアリング2と転舵輪12との間の伝達比(ギヤ比)を変更することが可能となっている。
また、本実施形態では、出力軸26は、その一端が波動歯車機構45に連結される第1軸48と、一端にピニオン歯10aが形成された第2軸49とを、トーションバー50を介して連結することにより形成されている。そして、本実施形態のトルクセンサ16は、そのトーションバー50の捻れ角を測定することにより、操舵系に入力される操舵トルクを検出するように構成されている。
詳述すると、本実施形態では、第1軸48には、その第2軸側(図1中下側)の軸端48aから軸方向に延びる中空部51が形成されており、トーションバー50は、この中空部51内に収容されている。一方、第2軸49にもまた、その第1軸側(図1中上側)の軸端49aから軸方向に延びる中空部52が形成されており、第1軸48は、その軸端48a近傍が当該中空部52内に遊嵌されている。尚、本実施形態では、これら第1軸48及び第2軸49は、上記軸受29a,29bによってそれぞれ独立に支承されており、これにより互いに相対回転可能に構成されている。そして、トーションバー50は、その一端が中空部51の底部51aに固定されるとともに、その他端は同中空部51から軸方向に突出され第2軸側の中空部52の底部52aに固定されている。
また、第1ハウジング23内には、出力軸26と同軸となるように並置された一対のレゾルバ53a,53bが収容されている。具体的には、第1のレゾルバ53aは、第1軸48の外周を包囲する位置に配置され、第2のレゾルバ53bは、第2軸49の外周を包囲する位置に配置されている。そして、本実施形態のトルクセンサ16は、これら各レゾルバ53a,53bの出力信号により検出される第1軸48及び第2軸49間の回転角差に基づいて、トーションバー50の捻れ角を測定し、これにより操舵トルクを検出するように構成されている。
(各スプラインギヤの噛み合わせ改善対策)
次に、本実施形態の伝達比可変装置における波動歯車機構を構成する各スプラインギヤの噛み合わせを改善するための対策について、その構成を作用・効果とともに説明する。
上述のように、ハウジング固定型の伝達比可変装置には、車両側の振動が、ハウジング及び同ハウジングに固定されたモータからそのモータ軸を介して波動発生器へと伝達されるという問題がある。また、特に、本実施形態の伝達比可変装置18のようにピニオンシャフト上に当該伝達比可変装置とトルクセンサとが並設される構成のものにおいては、その部品点数の増加に伴い、各部品の公差に起因する軸ずれが発生しやすい。そして、これらハウジングを介して伝達される振動や入出力軸間の軸ずれにより、波動歯車機構を構成する各スプラインギヤの好適な噛み合わせが阻害され、ひいては該各スプラインギヤの偏磨耗や損傷を招くおそれがある。
この点を踏まえ、本実施形態の伝達比可変装置18には、以下に示すような各スプラインギヤの噛み合わせを改善するための対策が施されている。
(1)本実施形態の伝達比可変装置18では、図4に示すように、モータ軸30と波動発生器44(の連結部44a)との間のスプライン嵌合部分には、所定の隙間Dが形成されている。即ち、モータ軸30側及び波動発生器44側の各スプライン55,56は、それぞれ、その嵌合状態において、その各歯先55a,56aとそれに対向する各歯底56b,55bとの間に隙間ができるように構成される。
このような構成とすることで、モータ軸30と波動発生器44との間には、そのスプライン嵌合部分に設定された隙間Dに相当する量の相対的な径方向変位が許容される。そして、その相対的な径方向変位によりピニオンハウジング20からモータ軸30に伝達された振動を吸収することができる。これにより、その振動が波動発生器44へと伝達され同波動発生器44が各スプラインギヤ(サーキュラスプライン41,42及びフレクスプライン43)を押圧することを防止することができ、その結果、各スプラインギヤにおける噛合状態の悪化、ひいてはその偏磨耗や損傷の発生を効果的に抑制することができる。また、組付け段階において各部品の公差に起因する軸ずれが生じた場合についても、その軸ずれの発生により各スプラインギヤに作用する径方向の応力を、上記波動発生器44とモータ軸30と間の相対的な径方向変位により吸収することができ、これにより、各スプラインギヤ間の良好な噛み合わせを実現することができる。
(2)また、図2に示すように、本実施形態では、入力軸25を支承する軸受33には、複列のボール軸受が用いられている。即ち、本実施形態の伝達比可変装置18のように、波動歯車機構45がピニオンハウジング20の軸方向端部(第2ハウジング24の上端部24a)近傍に設けられる構成では、その軸方向長さの短縮化を考慮すれば、入力軸25は、必然的に一の軸受33により支承されることになる。このため、当該入力軸25は、振動の影響を受けやすく、これに伴う軸ぶれの発生により、各スプラインギヤ間の好適な噛み合わせが阻害されるおそれがある。この点、上記構成によれば、軸方向長さの大幅な延伸を招くことなく、入力軸25の振動及びそれに伴う軸ぶれの発生を抑制することができる。その結果、簡素な構成にて、より効果的に各スプラインギヤ間の良好な噛み合わせを実現することができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、本発明を所謂ラックハウジング一体型の伝達比可変装置を備えた車両用操舵装置に具体化した。しかし、これに限らず、ハウジング固定型のものであれば、例えば、所謂コラム型の伝達比可変装置等、その他、ラックハウジング以外の非回転部位に固定されるものに具体化してもよい。
・また、本実施形態の伝達比可変装置18では、駆動源であるモータ28は、波動歯車機構45とトルクセンサ16との間に配置され、そのモータ軸30には、出力軸26が挿通される構成とした。しかし、これに限らず、モータが波動歯車機構よりもステアリング側に配置され、モータ軸には、入力軸が挿通される構成のものに適用してもよい。また、トルクセンサが本実施形態の配置とは異なる位置に設けられたものに適用してもよい。
・本実施形態では、差動機構27には、同軸に並置された筒状をなす一対のサーキュラスプライン41,42を有する所謂リング型の波動歯車機構45を用いたが、一のサーキュラスプラインと有底筒状に形成されたフレクスプラインとの歯数差に基づく回転差を減速比として取り出す所謂カップ型の波動歯車機構を用いるものに適用してもよい。
本実施形態の伝達比可変装置の断面図。 本実施形態の伝達比可変装置の拡大断面図。 本実施形態の伝達比可変装置を備えた車両用操舵装置の概略構成図。 波動発生器とモータ軸とのスプライン嵌合部分の拡大断面図。
符号の説明
1…伝達比可変装置、2…ステアリング、5…ラック軸、10…ピニオンシャフト、12…転舵輪、13…ラックハウジング、16…トルクセンサ、18…伝達比可変装置、20…ピニオンハウジング、23…第1ハウジング、24…第2ハウジング、24a…上端部、25…入力軸、26…出力軸、27…差動機構、28…モータ、30…モータ軸、33…軸受、41,42…サーキュラスプライン、43…フレクスプライン、44…波動発生器、44a…連結部、45…波動歯車機構、48…第1軸、49…第2軸、50…トーションバー、55,56…スプライン、55a,56a…歯先、55b,56b…歯底、D…隙間。

Claims (3)

  1. ステアリング操作に基づく入力軸の回転にモータ駆動に基づく回転を上乗せして出力軸に伝達する差動機構と、前記差動機構及び駆動源であるモータを収容するとともに非回転部位に固定されるハウジングと、前記出力軸に設けられたトーションバーの捻れ角を測定することにより操舵トルクを検出するトルクセンサとを備え、前記差動機構には、サーキュラスプラインと、前記サーキュラスプラインの内側において該サーキュラスプラインと部分的に噛み合うように同軸配置される筒状のフレクスプラインと、前記モータ駆動により前記フレクスプラインの噛合部を回転させる波動発生器とからなる波動歯車機構が用いられ、前記モータは、中空状のモータ軸を有するとともに前記ハウジングに固定されることにより前記波動歯車機構と同軸に並置され、前記モータ軸は、スプライン嵌合により前記波動発生器と連結される伝達比可変装置であって、
    前記波動歯車機構は、前記ハウジングの軸方向端部近傍に設けられ、前記入力軸は、該軸方向端部に設けられた軸受けにより回転自在に支承されて前記サーキュラスプラインと連結されるものであり、
    前記モータは、前記波動歯車機構と前記トルクセンサとの間に配置され、前記出力軸は、中空状に形成された前記モータ軸内に挿通されることにより前記サーキュラスプラインと連結されるものであり、
    前記モータ軸と前記波動発生器との間のスプライン嵌合部分には、所定の隙間が形成されること、を特徴とする伝達比可変装置。
  2. 請求項1に記載の伝達比可変装置において、
    記入力軸支承する前記軸受けには、複列のボール軸受けが用いられること、
    を特徴とする伝達比可変装置。
  3. 請求項1又は請求項に記載の伝達比可変装置において、
    前記ハウジングが固定される非回転部位は、ラック軸が収容されたラックハウジングであること、を特徴とする伝達比可変装置。
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