JP4775220B2 - 伝達比可変装置 - Google Patents

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本発明は、波動歯車機構を差動機構として用いた伝達比可変装置に関するものである。
従来、波動歯車機構を差動機構として用いることにより、ステアリング操作に基づく入力軸の回転にモータ駆動に基づく回転を上乗せして出力軸に伝達する伝達比可変装置がある。そして、その中には、モータ軸を中空状に形成するとともに、同モータ軸内に入力軸又は出力軸を挿通して波動歯車機構に連結することにより、そのハウジングを車両の非回転部位に対して固定可能としたものがある(例えば、特許文献1参照)。即ち、ハウジング及び同ハウジング内に固定されたモータを非回転とすることにより、スパイラルケーブル装置(例えば、特許文献2参照)等の特殊な構成を廃することが可能となり、これに伴う低コスト化に加え、信頼性の向上を図ることができる。そして、こうした所謂ハウジング固定型の伝達比可変装置では、その組付け作業の容易化及び効率化を図るべく、駆動源であるモータ、差動機構としての波動歯車機構、及び当該波動歯車機構に連結された第1の回転軸(並びにハウジング)を、一つの伝達比可変ユニットとして第2の回転軸に組み付ける構成が一般的となっている。
例えば、図7に示す伝達比可変装置70は、そのハウジング71がラック軸を収容するラックハウジング(図示略)に固定される所謂ラックハウジング一体型の伝達比可変装置であり、出力軸72は、ラックハウジング側のハウジング73に組み付けられるとともに、トルクセンサを構成するトーションバー74が設けられている。そして、この伝達比可変装置70は、当該出力軸72に対し、モータ75、波動歯車機構76及び入力軸77を、これらがハウジング71内に一体に組み付けられた伝達比可変ユニット78として組み付けられる構成となっている。
具体的には、この伝達比可変装置70において波動歯車機構76は、その波動発生器79がモータ軸80に連結されることによりモータ75と同軸に並置されている。また、波動歯車機構76を構成する両サーキュラスプライン81,82のうち、反モータ側のサーキュラスプライン82には、モータ軸80内に挿通された出力軸72が圧入嵌合される嵌合部83を備えた連結部材84が固定されている。一方、入力軸77の軸端には、その内径が伝達比可変装置70及び連結部材84の外径よりも大径とされた中空部85が形成されており、入力軸77は、この中空部85内に伝達比可変装置70及び連結部材84を収容する態様で、その内周がモータ側のサーキュラスプライン81に固定されている。そして、そのモータ75がハウジング71に固定され、入力軸77が同ハウジング71に軸支され回転自在に支承されることにより伝達比可変ユニット78が構成されている。
また、伝達比可変装置70の組付け工程は、図8に示すように、そのモータ軸80内に出力軸72が挿通されるよう、該出力軸72に対して伝達比可変ユニット78を組み付け、その入力軸77を軸方向、出力軸72側(同図中下側)に押圧することにより行われる。そして、当該入力軸77に入力された軸方向の押圧力に基づきその中空部85の底部85aが連結部材84を軸方向に押圧することにより、その嵌合部83内に出力軸72が圧入される構成となっている。
尚、入力軸77には、同入力軸77を軸方向に貫通する貫通孔86が形成されるとともに、これに対応する出力軸の軸端72aには、螺子穴87が形成されており、上記組付け作業は、貫通孔86に棒状の治具88を挿通し、その一端を出力軸72側の螺子穴87に螺合させた状態で、当該治具88に沿って押圧板89を押し下げることにより行われる。そして、これにより、入力軸77と出力軸72との同軸性を確保しつつ、入力軸77に入力した押圧力を連結部材84側の被押圧面90に対して均等に印加するように構成されている。
特開2005−162124号公報 特開2005−253140号公報
ところで、波動歯車機構は、サーキュラスプラインの内側に、非円形に撓まされたフレクスプラインを配置し、これをサーキュラスプラインと部分的に噛合させるとともに、当該噛合部分を波動発生器により回転させることで、両サーキュラスプライン間(又はフレクスプラインとの間)の歯数差に基づく回転差を減速比として取り出すものである。それゆえ、こうした波動歯車機構を差動機構として用いる伝達比可変装置においては、当該波動歯車機構を構成する各スプラインギヤ間の噛み合わせを好適な状態に維持することが、その円滑なる作動を確保するための最も重要な課題の一つとなっている。
しかしながら、上記の伝達比可変装置70のように、入力軸77に入力された軸方向の押圧力に基づきその中空部85の底部85aにより連結部材84を軸方向に押圧し、これにより当該連結部材84の嵌合部83内に出力軸72を圧入する構成では、その組付け方法に起因して各スプラインギヤ間の噛み合わせに不具合が生ずるおそれがある。
即ち、上記構成では、連結部材84の被押圧面90は、波動歯車機構76よりも上方に配置されるため、その圧入の際、連結部材84を押圧する底部85a側の押圧面91又は連結部材84側の被押圧面90に傷等の損傷が発生した場合には、その破片が各スプラインギヤ間に落下し噛合部に噛み込まれてしまう可能性がある。また、図9に示すように、圧入の際、入力軸77に入力される軸方向の押圧力は、同入力軸77の中空部85内に固定されたモータ側のサーキュラスプライン81にも伝達されることから、その押圧力によって同サーキュラスプライン81が軸方向下側に押し下げられ、場合によっては、フレクスプライン92との間の噛み合いの長さが不足する可能性がある。そして、これらにより各スプラインギヤ間の好適な噛み合わせが阻害され、ひいては伝達比可変装置の円滑なる作動が妨げられるおそれがある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、波動歯車機構を構成する各スプラインギヤの良好な噛み合わせを実現することのできる伝達比可変装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ステアリング操作に基づく入力軸の回転にモータ駆動に基づく回転を上乗せして出力軸に伝達する差動機構と、前記差動機構及び駆動源であるモータを収容するとともに非回転部位に固定されるハウジングとを備え、前記差動機構には、同軸に並置された一対のサーキュラスプラインと、前記各サーキュラスプラインの内側において該各サーキュラスプラインと部分的に噛み合うように同軸配置される筒状のフレクスプラインと、前記モータ駆動により前記フレクスプラインの噛合部を回転させる波動発生器とを備えてなる波動歯車機構が用いられ、該波動歯車機構は、中空状をなすモータ軸と前記波動発生器とが連結されることにより前記モータと同軸に配置されるものであって、反モータ側に配置されたサーキュラスプラインには、前記モータ軸内に挿通された出力軸が圧入嵌合される嵌合部を備えた連結部材が固定されるとともに、前記入力軸は、その軸端に形成された中空部内に前記波動歯車機構及び前記連結部材を収容する態様で該中空部の内周が前記モータ側に配置されたサーキュラスプラインの外周に固定されることにより該モータ側のサーキュラスプラインと連結され、前記出力軸は、前記入力軸に入力された軸方向の押圧力に基づき前記中空部の底部が前記連結部材を軸方向に押圧することにより前記嵌合部内に圧入嵌合されて前記反モータ側のサーキュラスプラインと連結される伝達比可変装置において、前記底部の押圧面と前記連結部材の被押圧面との間には、これら各面に作用する軸方向応力の集中を緩和することが可能な応力緩和部材が介在されること、を要旨とする。
即ち、押圧による押圧面及び被押圧面の損傷は、主に、その押圧力が被押圧面に対して均等に印加されていない等の理由によって、押圧面及び被押圧面に作用する軸方向応力が特定の箇所に集中することにより引き起こされる。従って、上記構成によれば、こうした押圧面及び被押圧面に作用する軸方向応力の集中を緩和して、これら各面における損傷の発生を防止することができ、その破片が各スプラインギヤ間に噛み込まれることにより生ずる噛み合わせの不具合を回避することができる。
請求項2に記載の発明は、前記応力緩和部材は、前記入力軸及び前記連結部材よりも軟質の金属により形成されてなること、を要旨とする。
上記構成によれば、要求される耐圧性を充足しつつ効果的に軸方向応力の集中を緩和することができる。そして、圧入の際、入力軸と連結部材とが相対回転した場合であっても、当該応力緩和部材との摺動により押圧面及び被押圧面が傷つくことはない。
請求項3に記載の発明は、前記応力緩和部材における前記押圧面及び被押圧面に当接する各面の少なくとも一方には、樹脂層が形成されること、を要旨とする。
上記構成によれば、より効果的に軸方向応力の集中を緩和することができるとともに、上記摺動による押圧面及び被押圧面の傷付きを防止することができる。
請求項4に記載の発明は、ステアリング操作に基づく入力軸の回転にモータ駆動に基づく回転を上乗せして出力軸に伝達する差動機構と、前記差動機構及び駆動源であるモータを収容するとともに非回転部位に固定されるハウジングとを備え、前記差動機構には、同軸に並置された一対のサーキュラスプラインと、前記各サーキュラスプラインの内側において該各サーキュラスプラインと部分的に噛み合うように同軸配置される筒状のフレクスプラインと、前記モータ駆動により前記フレクスプラインの噛合部を回転させる波動発生器とを備えてなる波動歯車機構が用いられ、該波動歯車機構は、中空状をなすモータ軸と前記波動発生器とが連結されることにより前記モータと同軸に配置されるものであって、反モータ側に配置されたサーキュラスプラインには、前記モータ軸内に挿通された出力軸が圧入嵌合される嵌合部を備えた連結部材が固定されるとともに、前記入力軸は、その軸端に形成された中空部内に前記波動歯車機構及び前記連結部材を収容する態様で該中空部の内周が前記モータ側に配置されたサーキュラスプラインの外周に固定されることにより該モータ側のサーキュラスプラインに連結され、前記出力軸は、前記入力軸に入力された軸方向の押圧力に基づき前記中空部の底部が前記連結部材を軸方向に押圧することにより前記嵌合部内に圧入嵌合されて前記反モータ側のサーキュラスプラインに連結される伝達比可変装置において、前記入力軸と前記連結部材との間には、該入力軸及び連結部材を軸方向に離間させる弾性力を発生可能な弾性部材が設けられること、を要旨とする。
即ち、入力軸及び連結部材を軸方向に離間させることにより、モータ側のサーキュラスプラインの軸方向位置は、フレクスプラインに対して相対的に引き上げることができる。従って、上記構成によれば、簡素な構成にて、これら両スプラインギヤ間において、要求される噛み合い長さを確保することができる。
請求項5に記載の発明は、前記連結部材は、筒状に形成された前記嵌合部から径方向外側に延設されて前記反モータ側のサーキュラスプラインに固定されるフランジ部を有し、前記弾性部材は、前記フランジ部と前記中空部の底部との間に設けられること、を要旨とする。
上記構成によれば、特別な構成の追加なしに、簡素な構成にて、入力軸及び連結部材を軸方向に離間させる弾性力を発生させることができる。
請求項6に記載の発明は、前記弾性部材には、ウェーブワッシャが用いられること、を要旨とする。
即ち、入力軸及び連結部材は、波動歯車機構がモータ駆動されることにより相対回転するものである。従って、弾性部材は、その介在により、こうした入力軸と連結部材と間の相対回転を妨げないものが望ましい。この点、全周に亘る起伏を有し、その起伏部分が中空部の底部及びフランジ部に当接するウェーブワッシャは、その当接部分が湾曲面であることから、中空部の底部及びフランジ部に対して滑らかに摺動する。従って、上記構成によれば、入力軸と連結部材と間の相対回転を妨げることなく、且つ簡素な構成にて、入力軸及び連結部材を軸方向に離間させる弾性力を発生させることができる。
請求項7に記載の発明は、前記中空部の底部と前記弾性部材との間及び前記フランジ部と前記弾性部材との間の少なくとも一方には、前記弾性部材の摺動を円滑ならしめる滑りシートが介在されること、を要旨とする。
上記構成によれば、波動歯車機構がモータ駆動されることにより入力軸と連結部材とが相対回転する際、弾性部材を滑らかに摺動させることができ、これにより伝達比可変装置の円滑なる作動を確保することができる。さらに、これに伴い弾性部材が摺動することによる傷付きの発生を抑制して、その破片が各スプラインギヤ間に噛み込むことによる噛み合わせの不具合を防止することができる。
請求項8に記載の発明は、前記滑りシートの摺動面には、微細な凹凸が形成されること、を要旨とする。
上記構成によれば、摺動面における摺動対象(弾性部材、フランジ部、底部)との接触面積を更に小さく抑えることができ、これにより、弾性部材をより滑らかに摺動させることができるようになる。
請求項9に記載の発明は、前記連結部材の前記嵌合部は、前記フランジ部から軸方向に突出して形成されるとともに、前記中空部の底部には、前記嵌合部の前記突出された部分が収容される凹部が形成され、該凹部の軸方向長さは、前記嵌合部の前記突出された部分の軸方向長さよりも短く設定されること、を要旨とする。
上記構成によれば、嵌合部内に出力軸が圧入される際には、当該凹部の底面が押圧面、嵌合部の軸端面が被押圧面となる。これにより、弾性部材に過大な押圧力が作用することを回避して、同弾性部材と当接する中空部の底部及びフランジ部に局所的な軸方向応力が作用することを防止することができる。その結果、これらの箇所における傷付きの発生、及びその破片が各スプラインギヤ間に噛み込むことによる噛み合わせの不具合を、より効果的に防止することができるようになる。
本発明によれば、波動歯車機構を構成する各スプラインギヤの良好な噛み合わせを実現することが可能な伝達比可変装置を提供することができる。
以下、本発明を所謂ラックハウジング一体型の伝達比可変装置を備えた車両用操舵装置に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態の伝達比可変装置の断面図、図2は、その拡大断面図、そして、図3は、この伝達比可変装置を備えた車両用操舵装置の概略構成図である。
図3に示すように、本実施形態の車両用操舵装置1において、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5と連結されており、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。具体的には、本実施形態のステアリングシャフト3は、自在継手7a,7bを介して、コラムシャフト8、インターミディエイトシャフト9、及びピニオンシャフト10を連結してなり、上記ラックアンドピニオン機構4は、そのピニオンシャフト10の一端に形成されたピニオン歯10aとラック軸5側のラック歯5aとを噛合させることにより構成される。そして、このステアリングシャフト3の回転に伴うラック軸5の往復直線運動が、同ラック軸5の両端に連結されたタイロッド11を介して図示しないナックルに伝達されることにより、転舵輪12の舵角、即ち車両の進行方向が変更されるように構成されている。
また、本実施形態では、ラック軸5を収容するラックハウジング13には、モータ14を駆動源としてラック軸5を軸方向移動させることにより操舵系にアシスト力を付与するEPSアクチュエータ15が設けられており、上記ピニオンシャフト10には、そのパワーアシスト制御に用いる操舵トルクを検出するためのトルクセンサ16が設けられている。そして、本実施形態の車両用操舵装置1では、このピニオンシャフト10には、上記トルクセンサ16とともに、ステアリング2と転舵輪12との間の伝達比(ギヤ比)を可変可能な伝達比可変装置18が設けられている。
図1及び図2に示すように、本実施形態では、ラックハウジング13の上面には、略円筒状に形成されたピニオンハウジング20が固定されており、ピニオンシャフト10は、このピニオンハウジング20内に挿通されることにより、その一端に形成されたピニオン歯10aがラック軸5のラック歯5aと噛合された状態で回転自在に支承されている。尚、本実施形態のピニオンハウジング20は、ラックハウジング13の上部に固定された第1ハウジング23と、該第1ハウジング23の上端に連結された第2ハウジング24とにより構成されている。そして、上記のトルクセンサ16及び伝達比可変装置18は、このピニオンハウジング20内に収容されている。
詳述すると、本実施形態のピニオンシャフト10は、自在継手7bを介してインターミディエイトシャフト9に連結されることによりステアリング操作に伴う回転が入力される入力軸25と(図3参照)、一端に上記ピニオン歯10aが形成された出力軸26とにより構成されている。そして、本実施形態の伝達比可変装置18は、これら入力軸25及び出力軸26の間に介在された差動機構27と、該差動機構27を駆動するモータ28とにより構成されている。
本実施形態では、出力軸26は、第1ハウジング23に設けられた軸受29a,29bに軸支されることにより、その一端が第2ハウジング24内に突出した状態で回転自在に支承されている。また、本実施形態では、駆動源であるモータ28には、中空状のモータ軸30を有するブラシレスモータが採用されており、同モータ28は、そのステータ31が第2ハウジング24の内周に固定されることにより、非回転部位である同第2ハウジング24(ピニオンハウジング20)に対して相対回転不能に設けられている。そして、第2ハウジング24内に突出された出力軸26の一端は、このモータ軸30内に挿通されることにより、同第2ハウジング24の上端部24a(図2中上側の端部)、即ちステアリング側の端部近傍まで延設されている。
一方、入力軸25は、第2ハウジング24の上端部24aに設けられた軸受33により回転自在に支承されている。そして、本実施形態では、モータ28とともに伝達比可変装置18を構成する差動機構27は、同モータ28の軸方向、ステアリング側(図2中上側)に並置されることにより、上記軸受33が設けられた第2ハウジング24の上端部24a近傍に設けられている。
さらに詳述すると、本実施形態では、差動機構27には、同軸に並置された一対のサーキュラスプライン41,42と、これら各サーキュラスプラインと部分的に噛み合うように同軸配置された筒状のフレクスプライン43と、モータ駆動によりフレクスプライン43の噛合部を回転させる波動発生器44とからなる波動歯車機構45が用いられている。
各サーキュラスプライン41,42には、互いに異なる歯数が設定されており、フレクスプライン43は、略楕円状に撓められた状態で各サーキュラスプライン41,42の内側に配置され、これにより、その外歯が該各サーキュラスプライン41,42の内歯とそれぞれ部分的に噛合されるように構成されている。また、波動発生器44は、フレクスプライン43の内側に配置された状態で、その中心部分に形成された連結部44aがモータ軸30の一端とスプライン嵌合されることにより、モータ28に駆動されて上記撓められたフレクスプライン43の略楕円形状、即ち両サーキュラスプライン41,42との噛合部を回転させるように構成されている。そして、本実施形態では、モータ28側に配置されたサーキュラスプライン41には、入力軸25が連結され、第2ハウジング24の上端部24a側に配置されたサーキュラスプライン42には、モータ軸30に挿通されることにより両サーキュラスプライン41,42よりも軸方向ステアリング側に突出された出力軸26の一端が、連結部材46を介して連結されている。
そして、本実施形態では、このように入力軸25及び出力軸26、並びにモータ軸30に対してそれぞれ連結された波動歯車機構45をモータ駆動することにより、ステアリング2と転舵輪12との間の伝達比(ギヤ比)を変更することが可能な構成となっている。
即ち、ステアリング操作に伴う入力軸25の回転は、該入力軸25に連結されたサーキュラスプライン41からフレクスプライン43を介してサーキュラスプライン42に伝達され、これにより出力軸26へと伝達される。また、波動発生器44がモータ28に駆動され、上記撓められたフレクスプライン43の楕円形状、即ち両サーキュラスプライン41,42との噛合部が回転することにより、両サーキュラスプライン41,42間の歯数差に基づく回転差が、モータ駆動に基づく回転として上記ステアリング操作に基づく回転に上乗せされて出力軸26へと伝達される。そして、これにより、入力軸25と出力軸26との間の回転伝達比、即ちステアリング2と転舵輪12との間の伝達比(ギヤ比)を変更することが可能となっている。
ここで、本実施形態では、上記連結部材46は、その筒内に出力軸26が圧入嵌合される筒状の嵌合部47とその外周から径方向外側に延設されたフランジ部48とからなり、同連結部材46は、そのフランジ部48がサーキュラスプライン42の内周に固定されることにより同サーキュラスプライン42と連結されている。一方、入力軸25の一端には、その内径が各サーキュラスプライン41,42の外径よりも大径に形成された中空部49が形成されている。そして、入力軸25は、この中空部49内に波動歯車機構45及び連結部材46を収容する態様で、その内周がサーキュラスプライン41の外周に固定されることにより、同サーキュラスプライン41と連結されている。
また、連結部材46の嵌合部47内への出力軸26の圧入嵌合は、図8に示す従来例と同様に、モータ28、波動歯車機構45、入力軸25及び第2ハウジング24を一つのユニットとして出力軸26に組み付け、そのモータ軸30内に出力軸26が挿通された状態で、入力軸25を軸方向、出力軸26側(図2中下側)に押圧することにより行われる。そして、この入力軸25に入力された軸方向の押圧力に基づきその中空部49の底部49aにより連結部材46を軸方向に押圧し、これにより当該連結部材46の嵌合部47内に出力軸26を圧入する構成となっている。
尚、本実施形態では、連結部材46の嵌合部47は、フランジ部48から軸方向、反モータ側(同図中上側)に突出して形成されるとともに、これに対応する中空部49の底部49aには、その軸方向に突出した部分を収容する凹部50が形成されている。そして、嵌合部47内への出力軸26の圧入時には、この凹部50の底面50aが、同凹部50内に収容された筒状をなす嵌合部47の軸端面47aを押圧する構成となっている。つまり、本実施形態では、中空部49の底部49aに形成された凹部50の底面50aが押圧面となり、当該凹部50内に収容された嵌合部47の軸端面47aが被押圧面となるように構成されている。
また、本実施形態では、出力軸26は、その一端が波動歯車機構45に連結される第1軸53と、一端にピニオン歯10aが形成された第2軸54とを、トーションバー55を介して連結することにより形成されている。そして、本実施形態のトルクセンサ16は、そのトーションバー55の捻れ角を測定することにより、操舵系に入力される操舵トルクを検出するように構成されている。
詳述すると、本実施形態では、第1軸53には、その第2軸側(図1中下側)の軸端53aから軸方向に延びる中空部56が形成されており、トーションバー55は、この中空部56内に収容されている。一方、第2軸54にもまた、その第1軸側(図1中上側)の軸端54aから軸方向に延びる中空部57が形成されており、第1軸53は、その軸端53a近傍が当該中空部57内に遊嵌されている。尚、本実施形態では、これら第1軸53及び第2軸54は、上記軸受29a,29bによってそれぞれ独立に支承されており、これにより相対回転可能に構成されている。そして、トーションバー55は、その一端が中空部56の底部56aに固定されるとともに、その他端は同中空部56から軸方向に突出され第2軸側の中空部57の底部57aに固定されている。
また、第1ハウジング23内には、出力軸26と同軸となるように並置された一対のレゾルバ58a,58bが収容されている。具体的には、第1のレゾルバ58aは、第1軸53の外周を包囲する位置に配置され、第2のレゾルバ58bは、第2軸54の外周を包囲する位置に配置されている。そして、本実施形態のトルクセンサ16は、これら各レゾルバ58a,58bの出力信号により検出される第1軸53及び第2軸54間の回転角差に基づいて、トーションバー55の捻れ角を測定し、これにより操舵トルクを検出するように構成されている。
(噛み合わせ障害防止構造)
次に、本実施形態における伝達比可変装置の組付け方法に起因してその波動歯車機構を構成する各スプラインギヤに発生する噛み合わせの不具合を防止するための構成ついて説明する。
上述のように、本実施形態の伝達比可変装置18のような、入力軸25に入力された軸方向の押圧力に基づきその中空部49の底部49aにより連結部材46を軸方向に押圧し、これにより当該連結部材46の嵌合部47内に出力軸26を圧入する構成には、その組付け方法に起因して、次のような問題が生ずるおそれがある。
○圧入の際、連結部材46を押圧する中空部49側の押圧面(凹部50の底面50a)又は連結部材46側の被押圧面(嵌合部47の軸端面47a)に傷等の損傷が発生した場合、その破片が各スプラインギヤ間に落下し噛合部に噛み込まれてしまう可能性がある。
○圧入の際、入力軸25がモータ側のサーキュラスプライン41を軸方向下側に押し下げることにより、当該サーキュラスプライン41とフレクスプライン43との間の噛み合いの長さが不足する可能性がある。
この点を踏まえ、本実施形態では、図4に示すように、入力軸25側の押圧面と連結部材46側の被押圧面との間、即ち底部49aに形成された凹部50の底面50aと該底面50aに対向する嵌合部47の軸端面47aとの間には、これら各面に作用する軸方向応力の集中を緩和することが可能な応力緩和部材61が介在されている。具体的には、本実施形態の応力緩和部材61は、入力軸25及び連結部材46よりも軟質の金属により板状に形成されている。また、応力緩和部材61の連結部材46(嵌合部47の軸端面47a)と当接する側の面(同図中下側の面)には、樹脂層61aが形成されている。そして、これにより、中空部49側の押圧面(凹部50の底面50a)及び連結部材46側の被押圧面(嵌合部47の軸端面47a)に作用する軸方向応力の集中を緩和して、連結部材46の嵌合部47内に出力軸26を圧入する際、これら各面に損傷が生ずることを防止する構成となっている。
また、本実施形態では、入力軸25と連結部材46との間、詳しくは、その中空部49の底部49aとフランジ部48との間には、これら入力軸25及び連結部材46を軸方向に離間させる弾性力を発生可能な弾性部材63が設けられている。そして、これにより、連結部材46の嵌合部47内への出力軸26の圧入の際、入力軸25により押し下げられたモータ側のサーキュラスプライン41の軸方向位置を、フレクスプライン43に対して相対的に引き上げて(相対的にフレクスプライン43を押し下げて)、これら両スプラインギヤの噛み合い長さを確保する構成となっている。
詳述すると、本実施形態では、上記弾性部材63には、図5(a)(b)に示されるような、円環状の板材を湾曲させることによりその全周に亘って起伏が形成された周知のウェーブワッシャ64が用いられている。そして、同ウェーブワッシャ64は、中空部49の底部49a及びフランジ部48にその起伏が当接する状態で、これら底部49a及びフランジ部48の間に介在されることにより、両者、即ち入力軸25及び連結部材46を軸方向に離間させる弾性力を発生する構成となっている。
また、本実施形態では、中空部49の底部49aとウェーブワッシャ64との間には、両者の周方向における摺動を円滑なものとすることが可能な滑りシート65が介在されている。図6に示すように、本実施形態の滑りシート65は、樹脂材により円環状に形成されるとともに、その摺動面65aには、微細な凹凸が形成されている。尚、本実施形態では、この摺動面65aにおける微細な凹凸は、多数の微小穴66を凹設することにより形成されている。そして、これにより、波動歯車機構45がモータ駆動されることで入力軸25と連結部材46とが相対回転する際、滑らかにウェーブワッシャ64を摺動させて、伝達比可変装置18の円滑な作動を担保する構成となっている。
更に、本実施形態では、中空部49の底部49aに形成された凹部50の深さ、即ち軸方向長さL1は、連結部材46の嵌合部47のうち、フランジ部48から軸方向、反モータ側に突出する部分の軸方向長さL2よりも短く設定されている。そして、連結部材46の嵌合部47内に出力軸26が圧入される際には、凹部50内に収容された嵌合部47の軸端面47aを被押圧面とすることにより、ウェーブワッシャ64に過大な押圧力が作用することを回避し、同ウェーブワッシャ64と当接する中空部49の底部49a及びフランジ部48に局所的な軸方向応力が作用することを防止する構成となっている。
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)入力軸25側の押圧面と連結部材46側の被押圧面との間、即ち底部49aに形成された凹部50の底面50aと該底面50aに対向する嵌合部47の軸端面47aとの間には、これら各面に作用する軸方向応力の集中を緩和することが可能な応力緩和部材61が介在される。
即ち、押圧による中空部49側の押圧面(凹部50の底面50a)及び連結部材46側の被押圧面(嵌合部47の軸端面47a)の損傷は、主に、その押圧力が被押圧面に対して均等に印加されていない等の理由によって、押圧面及び被押圧面に作用する軸方向応力が特定の箇所に集中することにより引き起こされる。従って、上記構成によれば、こうした押圧面及び被押圧面に作用する軸方向応力の集中を緩和して、これら各面における損傷の発生を防止することができ、その破片が各スプラインギヤ間に噛み込まれることにより生ずる噛み合わせの不具合を回避することができる。
(2)応力緩和部材61は、入力軸25及び連結部材46よりも軟質の金属により板状に形成される。このような構成とすることで、要求される耐圧性を充足しつつ効果的に軸方向応力の集中を緩和することができる。そして、圧入の際、入力軸25と連結部材46とが相対回転した場合であっても、当該応力緩和部材61との摺動によって押圧面である凹部50の底面50a及び被押圧面である嵌合部47の軸端面47aが傷つくことはない。また、この構成とすることにより、出力軸26側から外力が作用した場合、或いはこうした状況下において、ステアリング操作に伴う入力軸25の回転により同入力軸25と連結部材46とが相対回転した場合であっても、上記の傷付きが生じない。
(3)応力緩和部材61の連結部材46(嵌合部47の軸端面47a)と当接する側の面(同図中下側の面)には、樹脂層61aが形成される。このような構成とすれば、より効果的に軸方向応力の集中を緩和することができるとともに、上記摺動による押圧面及び被押圧面の傷付きを防止することができる。
(4)入力軸25と連結部材46との間、詳しくは、その中空部49の底部49aとフランジ部48との間には、これら入力軸25及び連結部材46を軸方向に離間させる弾性力を発生可能な弾性部材63が設けられる。
即ち、入力軸25及び連結部材46を軸方向に離間させることにより、モータ側のサーキュラスプライン41の軸方向位置は、フレクスプライン43に対して相対的に引き上げられる。従って、上記構成によれば、簡素な構成にて、これら両スプラインギヤ間において、要求される噛み合い長さを確保することができる。
(5)弾性部材63には、ウェーブワッシャ64が用いられる。即ち、入力軸25及び連結部材46は、波動歯車機構45がモータ駆動されることにより相対回転するものである。従って、弾性部材63は、その介在により、こうした入力軸25と連結部材46と間の相対回転を妨げないものが望ましい。この点、全周に亘る起伏を有し、その起伏部分が中空部49の底部49a及びフランジ部48に当接するウェーブワッシャ64は、その当接部分が湾曲面であることから、中空部49の底部49a及びフランジ部48に対して滑らかに摺動する。従って、上記構成によれば、入力軸25と連結部材46と間の相対回転を妨げることなく、且つ簡素な構成にて、入力軸25及び連結部材46を軸方向に離間させる弾性力を発生させることができる。
(6)中空部49の底部49aとウェーブワッシャ64との間には、両者の周方向における摺動を円滑なものとすることが可能な滑りシート65が介在される。
上記構成によれば、波動歯車機構45がモータ駆動されることにより入力軸25と連結部材46とが相対回転する際、中空部49の底部49aとウェーブワッシャ64との間を滑らかに摺動させることができ、これにより伝達比可変装置18の円滑な作動を担保することができる。さらに、中空部49の底部49aとウェーブワッシャ64とが摺動することによる傷付きの発生を抑制して、その破片が各スプラインギヤ間に噛み込むことによる噛み合わせの不具合を防止することができる。
(7)滑りシート65の摺動面65aには、微細な凹凸が形成される。このような構成とすれば、ウェーブワッシャ64の接触面積を小さく抑えることができ、これにより、ウェーブワッシャ64をより滑らかに摺動させることができるようになる。
(8)凹部50の軸方向長さL1は、嵌合部47のフランジ部48から突出する部分の軸方向長さL2よりも短く設定される。
上記構成によれば、嵌合部47内に出力軸26が圧入される際には、当該凹部50が底面50aを押圧面、嵌合部47の軸端面47aが被押圧面となる。これにより、ウェーブワッシャ64に過大な押圧力が作用することを回避して、同ウェーブワッシャ64と当接する中空部49の底部49a及びフランジ部48に局所的な軸方向応力が作用することを防止することができる。その結果、これらの箇所における発生、及びその破片が各スプラインギヤ間に噛み込むことによる噛み合わせの不具合を、より効果的に防止することができるようになる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、応力緩和部材61は、入力軸25及び連結部材46よりも軟質の金属により形成されることとした。しかし、これに限らず、有効に軸方向応力の集中を緩和することが可能なものであれば、その材質は変更してもよい。
・本実施形態では、応力緩和部材61を別体として押圧面及び被押圧面の間に介在させたが、応力緩和部材61が予めこれらの何れかに固定された構成に具体化してもよい。
・本実施形態では、応力緩和部材61の連結部材46(嵌合部47の軸端面47a)と当接する側の面には、樹脂層61aが形成されることとした。しかし、これに限らず、中空部49(凹部50の底面50a)と当接する側の面に樹脂層を形成してもよく、更に、その両方の面に形成する構成としてもよい。尚、このような樹脂層を形成しない構成に具体化してもよいが、樹脂層のある方がより顕著な効果を得ることができるのはいうまでもない。
・本実施形態では、本発明を、中空部49の底部49aに形成された凹部50の底面50aが押圧面となり、当該凹部50内に収容された嵌合部47の軸端面47aが被押圧面となる構成に適用した。しかし、これに限らず、その他の箇所が押圧面及び被押圧面となるものに適用してもよい。
・本実施形態では、弾性部材63は、中空部49の底部49aとフランジ部48との間に設けられることとした。しかし、これに限らず、その弾性力により入力軸25及び連結部材46を軸方向に離間させることが可能であれば、弾性部材63の配置は、これに限るものではない。
・本実施形態では、弾性部材63には、ウェーブワッシャ64が用いられることとした。しかし、これに限らず、皿バネやコイルバネ等、その他のバネ部材を用いてもよく、更に金属以外の材質により形成されるものであってもよい。
・本実施形態では、滑りシート65は、中空部49の底部49aとウェーブワッシャ64との間に設けられる構成としたが、フランジ部48とウェーブワッシャ64との間に設けてもよく、更には、その双方に設ける構成としてもよい。
・本実施形態では、滑りシート65の摺動面65aの微細な凹凸は、多数の微小穴66を凹設することにより形成されることとしたが、多数の微小突部を突設する、或いは、これらを並設することにより形成してもよい。
本実施形態の伝達比可変装置の断面図。 本実施形態の伝達比可変装置の拡大断面図。 本実施形態の伝達比可変装置を備えた車両用操舵装置の概略構成図。 入力軸、波動歯車機構、及び出力軸の連結部分の拡大断面図。 (a)(a)ウェーブワッシャの平面図及び断面図。 滑りシートの平面図。 従来の伝達比可変装置の断面図。 伝達比可変装置の組付け方法を示す説明図。 組付け時に噛み合い不良が発生するメカニズムを示す説明図。
符号の説明
1…伝達比可変装置、2…ステアリング、5…ラック軸、10…ピニオンシャフト、12…転舵輪、13…ラックハウジング、16…トルクセンサ、18…伝達比可変装置、20…ピニオンハウジング、23…第1ハウジング、24…第2ハウジング、25…入力軸、26…出力軸、27…差動機構、28…モータ、30…モータ軸、41,42…サーキュラスプライン、43…フレクスプライン、44…波動発生器、45…波動歯車機構、47…嵌合部、47a…軸端面、48…フランジ部、49…中空部、49a…底部、50…凹部、50a…底面、61…応力緩和部材、61a…樹脂層、63…弾性部材、64…ウェーブワッシャ、65…滑りシート、65a…摺動面、66…微小穴、L1,L2…軸方向長さ。

Claims (9)

  1. ステアリング操作に基づく入力軸の回転にモータ駆動に基づく回転を上乗せして出力軸に伝達する差動機構と、前記差動機構及び駆動源であるモータを収容するとともに非回転部位に固定されるハウジングとを備え、前記差動機構には、同軸に並置された一対のサーキュラスプラインと、前記各サーキュラスプラインの内側において該各サーキュラスプラインと部分的に噛み合うように同軸配置される筒状のフレクスプラインと、前記モータ駆動により前記フレクスプラインの噛合部を回転させる波動発生器とを備えてなる波動歯車機構が用いられ、該波動歯車機構は、中空状をなすモータ軸と前記波動発生器とが連結されることにより前記モータと同軸に配置されるものであって、反モータ側に配置されたサーキュラスプラインには、前記モータ軸内に挿通された出力軸が圧入嵌合される嵌合部を備えた連結部材が固定されるとともに、前記入力軸は、その軸端に形成された中空部内に前記波動歯車機構及び前記連結部材を収容する態様で該中空部の内周が前記モータ側に配置されたサーキュラスプラインの外周に固定されることにより該モータ側のサーキュラスプラインと連結され、前記出力軸は、前記入力軸に入力された軸方向の押圧力に基づき前記中空部の底部が前記連結部材を軸方向に押圧することにより前記嵌合部内に圧入嵌合されて前記反モータ側のサーキュラスプラインと連結される伝達比可変装置において、
    前記底部の押圧面と前記連結部材の被押圧面との間には、これら各面に作用する軸方向応力の集中を緩和することが可能な応力緩和部材が介在されること、
    を特徴とする伝達比可変装置。
  2. 請求項1に記載の伝達比可変装置において、
    前記応力緩和部材は、前記入力軸及び前記連結部材よりも軟質の金属により形成されてなること、を特徴とする伝達比可変装置。
  3. 請求項2に記載の伝達比可変装置において、
    前記応力緩和部材における前記押圧面及び被押圧面に当接する各面の少なくとも一方には、樹脂層が形成されること、を特徴とする伝達比可変装置。
  4. ステアリング操作に基づく入力軸の回転にモータ駆動に基づく回転を上乗せして出力軸に伝達する差動機構と、前記差動機構及び駆動源であるモータを収容するとともに非回転部位に固定されるハウジングとを備え、前記差動機構には、同軸に並置された一対のサーキュラスプラインと、前記各サーキュラスプラインの内側において該各サーキュラスプラインと部分的に噛み合うように同軸配置される筒状のフレクスプラインと、前記モータ駆動により前記フレクスプラインの噛合部を回転させる波動発生器とを備えてなる波動歯車機構が用いられ、該波動歯車機構は、中空状をなすモータ軸と前記波動発生器とが連結されることにより前記モータと同軸に配置されるものであって、反モータ側に配置されたサーキュラスプラインには、前記モータ軸内に挿通された出力軸が圧入嵌合される嵌合部を備えた連結部材が固定されるとともに、前記入力軸は、その軸端に形成された中空部内に前記波動歯車機構及び前記連結部材を収容する態様で該中空部の内周が前記モータ側に配置されたサーキュラスプラインの外周に固定されることにより該モータ側のサーキュラスプラインに連結され、前記出力軸は、前記入力軸に入力された軸方向の押圧力に基づき前記中空部の底部が前記連結部材を軸方向に押圧することにより前記嵌合部内に圧入嵌合されて前記反モータ側のサーキュラスプラインに連結される伝達比可変装置において、
    前記入力軸と前記連結部材との間には、該入力軸及び連結部材を軸方向に離間させる弾性力を発生可能な弾性部材が設けられること、を特徴とする伝達比可変装置。
  5. 請求項4に記載の伝達比可変装置において、
    前記連結部材は、筒状に形成された前記嵌合部から径方向外側に延設されて前記反モータ側のサーキュラスプラインに固定されるフランジ部を有し、
    前記弾性部材は、前記フランジ部と前記中空部の底部との間に設けられること、
    を特徴とする伝達比可変装置。
  6. 請求項5に記載の伝達比可変装置において、
    前記弾性部材には、ウェーブワッシャが用いられること、
    を特徴とする伝達比可変装置。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の伝達比可変装置において、
    前記中空部の底部と前記弾性部材との間及び前記フランジ部と前記弾性部材との間の少なくとも一方には、前記弾性部材の摺動を円滑ならしめる滑りシートが介在されること、を特徴とする伝達比可変装置。
  8. 請求項7に記載の伝達比可変装置において、
    前記滑りシートの摺動面には、微細な凹凸が形成されること、
    を特徴とする伝達比可変装置。
  9. 請求項5〜請求項8の何れか一項に記載の伝達比可変装置において、
    前記連結部材の前記嵌合部は、前記フランジ部から軸方向に突出して形成されるとともに、前記中空部の底部には、前記嵌合部の前記突出された部分が収容される凹部が形成され、該凹部の軸方向長さは、前記嵌合部の前記突出された部分の軸方向長さよりも短く設定されること、を特徴とする伝達比可変装置。
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