JP2010125983A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010125983A
JP2010125983A JP2008302589A JP2008302589A JP2010125983A JP 2010125983 A JP2010125983 A JP 2010125983A JP 2008302589 A JP2008302589 A JP 2008302589A JP 2008302589 A JP2008302589 A JP 2008302589A JP 2010125983 A JP2010125983 A JP 2010125983A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ball screw
electric power
power steering
screw nut
rack shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008302589A
Other languages
English (en)
Inventor
Mikio Nozaki
幹央 野崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2008302589A priority Critical patent/JP2010125983A/ja
Publication of JP2010125983A publication Critical patent/JP2010125983A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

【課題】構成簡素且つより静粛性の高い電動パワーステアリング装置を提供すること。
【解決手段】モータ4の回転を伝達する伝達部材としての大歯車13は、ボール螺子ナット10の軸方端部に設けられる。また、この大歯車13中心部には、当該大歯車13を軸方向に貫通する螺子孔22が形成される。そして、この螺子孔22は、ラック軸3の外周に形成された螺子溝8と螺合することにより、滑り軸受、つまり所謂滑り螺子として機能するように構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ボール螺子機構を用いてモータの回転をラック軸の往復動に変換する電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来、ボール螺子機構を用いてモータの回転をラック軸の往復動に変換することにより操舵系にアシスト力を付与するパワーステアリング装置(EPS)が知られている。
さて、このようなラックアシスト型のEPSには、ラック軸と同軸に中空シャフトを配置するとともに、当該中空シャフトの内周にボール螺子機構を構成するボール螺子ナットを固定することにより、同中空シャフトを介してモータの回転をボール螺子機構に伝達するようにしたものがある(例えば、特許文献1(第3図)参照)。これは、多分に、中空シャフト自体をモータ軸とする所謂ラック同軸型のEPS(例えば、特許文献2参照)を開発の基礎としたところによるものと推察可能であるが、基本的な駆動力伝達機能の観点からみた場合、モータをラック軸と非同軸に配置する構成のEPSにおいて、このような中空シャフトが必ずしも必要であるとは言い難い。
そのため、モータの軸線とラック軸とが斜交するように配置された所謂ラッククロス型、或いはモータの軸線とラック軸とが並行するように配置された所謂パラレル型等のEPSでは、例えば、特許文献3や特許文献4に記載のように、現実に、このような中空シャフトを廃して軸受により直接的にボール螺子ナットを支承するようにしたものがある。そして、これにより、軸方向長さの短縮化とともに、部品点数の削減による製造工程の簡略化及びコスト削減を図る構成となっている。
特開2007−8425号公報 特開2007−137251号公報 特開2004−351989号公報 特開2005−280555号公報
しかしながら、近年、より高い静粛性がEPSに求められることにより、上記のような直接的にボール螺子ナットを支承するデメリットが表面化しやくなっている。
即ち、ボール螺子機構は、ラック軸の外周に形成された第1の螺子溝とボール螺子ナットの内周に形成された第2の螺子溝との間に複数のボール介在させることにより構成され、モータの回転は、そのボール螺子ナットに設けられた伝達部材(ギヤ等)を介して当該ボール螺子ナットに伝達される。そして、ラック軸に対するボール螺子ナットの相対回転に伴い第1及び第2の螺子溝により形成される転動路内を各ボールが循環することにより、当該ボール螺子ナットの回転、即ちモータの回転がラック軸の往復動に変換されるようになっている。このため、ボールの転動に伴う異音や振動の発生を抑制し、静粛性を高めるためには、その第1の螺子溝が形成されたラック軸の軸線と第2の螺子溝が形成されたボール螺子ナットの軸線とが限りなく同一線上にある、つまり高い同軸性を有することが望ましい。
ところが、ボール螺子ナットにおいて、当該ボール螺子ナットにモータの回転を伝達すべく伝達部材を設けることのできる部位は自ずと限られている。即ち、螺子溝が螺刻された螺子部については、極力、その歪みの発生を排除することが求められる。そのため、伝達部材の固定部位は、必然的にボール螺子ナットの軸方向端部とせざるを得ず、その結果、ボール螺子ナットとラック軸との同軸性が損なわれてしまう可能性がある。
つまり、伝達部材が回転駆動されることにより、その固定部位に径方向の応力が発生し、ボール螺子ナットの軸線が傾いてしまう。その結果、ボール螺子ナットとラック軸との同軸性、即ち両者の間に介在された各ボールの円滑な転動が阻害されることにより、異音や振動が発生するのである。そして、このような課題を解消すべく、その軸受による支承を強化しようとすれば、当該ボール螺子ナットの軸方向長さが長くなってしまう。即ち、中空シャフトを廃止する利点が損なわれてしまうという問題があり、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
尚、上記特許文献4には、その螺子溝が螺刻された螺子部を挟むように、ボール螺子ナットの内周面に軸受として機能する滑り螺子を形成することにより、当該ボール螺子ナットに作用する径方向の応力に対応可能とした構成が開示されている。しかしながら、この従来技術は、あくまで、ラック軸の軸線が全体的に径方向移動するような、両者の軸線間に傾きが生じない状態での軸ずれを念頭においたものである。そのため、上記のような伝達部材が回転駆動される際に生ずるボール螺子ナットの傾斜についても同様に有効であるとはいえない。従って、この従来技術は、上記の課題を何ら解消するものではない。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、構成簡素且つより静粛性の高い電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、軸方向に往復動可能に設けられたラック軸と、モータの回転を前記ラック軸の往復動に変換するボール螺子機構と、前記ラック軸及びボール螺子機構を収容するハウジングとを備え、前記ボール螺子機構は、前記ラック軸に形成された第1の螺子溝と、前記ラック軸と同軸配置されることにより前記第1の螺子溝に対向する第2の螺子溝が形成されたボール螺子ナットと、前記第1及び第2の螺子溝の間に介在される複数のボールとを備えてなる電動パワーステアリング装置において、前記ボール螺子ナットは、軸受を介して回転自在に前記ハウジングに支承されるとともに、その軸方向端部には、前記モータの回転が伝達される伝達部材が設けられるものであって、前記伝達部材には、前記第1の螺子溝と螺合する螺子孔が形成されること、を要旨とする。
上記構成によれば、伝達部材に形成された螺子孔を滑り軸受として機能させることが可能になる。そして、その滑り軸受としての螺子孔により、モータ駆動に伴い伝達部材に作用する径方向の応力を受け止めて、当該径方向応力により生ずるボール螺子ナットの傾斜、及びそれに起因する異音や振動の発生を抑制することができる。そして、これにより、軸方向長さの延伸を招くことなく、より高い静粛性を実現することができるようになる。加えて、転舵輪側からラック軸に衝撃的な応力が印加された際、同ラック軸が径方向に相対変位することにより生ずる応力についても、その滑り螺子として機能する螺子孔によって、これを受け止めることができる。その結果、このようなボール螺子機構に対する衝撃的な応力の印加に基づく異音の発生を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、前記伝達部材は、少なくとも前記螺子孔の形成部が樹脂にて形成されてなること、を要旨とする。
上記構成によれば、その滑り螺子として機能する螺子孔に径方向の応力が印加された際には、その歯部が弾性的に変形することで、その応力を吸収し、効果的にこれを緩和することができる。その結果、より高い静粛性を確保することができるようになる。
請求項3に記載の発明は、前記伝達部材は、前記ボール螺子ナットを挿入体としたインサート成形により形成されてなること、を要旨とする。
上記構成によれば、製造工程を大幅に簡略化することができるとともに、伝達部材とボール螺子ナットとの間の接合強度を向上させることができる。
請求項4に記載の発明は、前記伝達部材の固定部位となる前記ボール螺子ナットの軸方向端部には、軸方向内側に向って縮径するテーパ面が形成されること、を要旨とする。
上記構成によれば、このテーパ面を伝達部材との接合面とすることにより、当該ボール螺子ナットの軸方向端部に一体形成された伝達部材について、その軸方向外側への脱落を防止することができる。そして、伝達部材のインサート成形時には、当該テーパ面を基準とすることで、容易に、その挿入体であるボール螺子ナットの位置決めを行なうことができる。
請求項5に記載の発明は、前記伝達部材の固定部位となる前記ボール螺子ナットの軸方向端部には、前記伝達部材の相対回転を規制する嵌合部が形成されること、を要旨とする。
上記構成によれば、これら各突部が伝達部材との間の接合面に嵌合部を形成する。そして、これにより、当該伝達部材とボール螺子ナットとの間の周方向変位、即ち相対回転を規制することができる。
請求項6に記載の発明は、前記テーパ面には、微小な凹凸を形成するローレット加工が施されること、を要旨とする。
上記構成によれば、その接合面に生ずる摩擦力を増大して、当該テーパ面を固定部位とする伝達部材の周方向及び軸方向の変位を防止することができる。
本発明によれば、構成簡素且つより静粛性の高い電動パワーステアリング装置を提供することができる。
以下、本発明をラッククロス型の電動パワーステアリング装置(EPS)に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態のEPS1は、ハウジング2内に、ステアリング操作に応じて軸方向に往復動するラック軸3と、駆動源であるモータ4の回転をラック軸3の往復動に変換するボール螺子機構5とを収容することにより構成されている。
詳述すると、ラック軸3は、略円筒状に形成されたハウジング2内に挿通されることにより、その軸線方向に沿って往復動可能に収容支持されている。尚、本実施形態では、ラック軸3は、ステアリング操作により回転するピニオン軸(図示略)と噛合されている。そして、同ピニオン軸をラック軸3に押し付けるラックガイド及び滑り軸受(ともに図示略)により軸方向移動可能に支持されている。
また、ラック軸3の外周には、螺旋状の螺子溝8が形成されるとともに、同ラック軸3の径方向外側には、その内周に同様の螺子溝9が螺刻されたボール螺子ナット10が同軸配置されている。尚、本実施形態では、ラック軸3側の螺子溝8により第1の螺子溝が構成され、ボール螺子ナット10側の螺子溝9により第2の螺子溝が構成されている。そして、本実施形態のボール螺子機構5は、これらラック軸3側に形成された螺子溝8とボール螺子ナット10側に形成された螺子溝9との間に複数のボール11を介在させることにより形成されている。
具体的には、本実施形態では、ボール螺子ナット10は、軸受12を介して回転自在にハウジング2の内側に支承されている。尚、本実施形態では、軸受12は、その外輪がハウジング2の内周に締結されており、ボール螺子ナット10は、その外周が軸受12の内輪に締結されることにより、同軸受12に支承されている。そして、その軸方向端部(同図中右側の端部)には、駆動源であるモータ4の回転を当該ボール螺子ナット10に伝達する伝達部材としての大歯車13が設けられている。
即ち、ラック軸3にボール螺子ナット10を外嵌し、その螺子溝9をボール螺子ナット10側の螺子溝8に対向させることにより螺旋状の転動路14が形成される。そして、ラック軸3に対するボール螺子ナット10の回転に伴い、この転動路14内に介在された各ボール11が転動(無限循環)することにより、当該ボール螺子ナット10の回転がラック軸3の往復動に変換される。つまり、モータ4のトルクがステアリング操作を補助するためのアシスト力に変換されてラック軸3から転舵輪(図示略)へと伝達されるようになっている。
さらに詳述すると、本実施形態のEPS1は、その駆動源であるモータ4の軸線がラック軸3に対して斜交するように配置された所謂ラッククロス型のEPSとして構成されている。
具体的には、本実施形態のハウジング2では、その上記ボール螺子機構5が収容された駆動室15の径方向外側に、ラック軸3の軸線方向(同図中、左右方向)に対して斜交する方向に延伸された筒状のモータ取着部16が形成されている。駆動源であるモータ4は、このモータ取着部16の先端に固定されるとともに、そのモータ軸17は、当該モータ取着部16の筒内に挿入されることにより、軸受18,19を介して回転自在に支承されている。また、モータ軸17の先端には、傘歯車として形成された小歯車20が固定されている。そして、この小歯車20が、同様の傘歯車として上記ボール螺子ナット10の軸方端部に設けられた大歯車13に噛合されることにより、モータ4とボール螺子ナット10とが駆動連結されている。
ここで、本実施形態では、ボール螺子ナット10の軸方端部に設けられた大歯車13の中心部には、当該大歯車13を軸方向に貫通する螺子孔22が形成されている。そして、本実施形態では、この螺子孔22は、上記ラック軸3の外周に形成された螺子溝8と螺合することにより、滑り軸受として機能する所謂滑り螺子となるように構成されている。
即ち、上述のように、伝達部材としての大歯車13が回転駆動される際には、その固定部位、即ちボール螺子ナット10の軸方向端部に径方向の応力が発生する。そして、この応力によりボール螺子ナット10の軸線が傾くことで、ボール螺子ナット10とラック軸3との同軸性が損なわれ、各ボール11の円滑な転動が阻害されることにより、異音や振動が発生するおそれがある。
この点、上記構成によれば、その大歯車13に滑り螺子として形成された螺子孔22により、このようなモータ駆動に伴い大歯車13に作用する径方向の応力を受け止めて、上記のようなボール螺子ナット10の傾斜、及びそれに起因する異音や振動の発生を抑制することができる。そして、本実施形態では、これにより、その軸方向長さの延伸を招くことなく、より高い静粛性の実現を図る構成となっている。
詳述すると、本実施形態の大歯車13(及び小歯車20)は、樹脂により形成されている。具体的には、その樹脂素材として、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の熱可塑性のエンジニアプラスチックが採用されている。また、この大歯車13は、挿入体(インサート)として上記ボール螺子ナット10を金型に入れた状態での樹脂成型、即ちインサート成形により、同ボール螺子ナット10の軸方向端部に一体的に成形される。そして、これにより、製造工程の簡略化を図るとともに、転舵輪(図示略)側からラック軸3に衝撃的な応力が印加された際、同ラック軸3が径方向に相対変位すること(撓み等)により生ずる応力についても、その樹脂製の歯部が弾性的に変形することにより、効果的にこれを緩和することが可能な構成となっている。尚、本実施形態では、この歯部の弾性変形による衝撃吸収機能を最大化すべく、螺子孔22の螺子径は、ラック軸3に形成された螺子溝8の螺子径よりも僅かに小さく設定されている。
さらに詳述すると、図2に示すように、本実施形態では、大歯車13の固定部位となるボール螺子ナット10の軸方向端部には、その全周に亘って、軸方向内側(同図中左側、大歯車13とは反対側の端部方向)に向って縮径するテーパ面23が形成されている。換言すると、大歯車13の固定部位となるボール螺子ナット10の軸方向端部は、当該軸方向端部の先端(同図中、右側)に近いほど、その外径が大となるように形成されている。
即ち、大歯車13のインサート成形時には、このテーパ面23の周囲に樹脂が流入するように、当該テーパ面23の位置を基準として、挿入体(インサート)であるボール螺子ナット10の位置決めが行なわれる。そして、そのテーパ面23を大歯車13との接合面とすることにより、当該ボール螺子ナット10の軸方向端部に一体形成された大歯車13について、その軸方向外側(同図中右側)への脱落を防止する構成となっている。
また、図3及び図4に示すように、このテーパ面23には、同テーパ面23から径方向外側に突出する複数の突部24が設けられている。具体的には、本実施形態では、テーパ面23は、ボール螺子ナット10の軸方向端部を切削することにより形成され、各突部24は、その切削の際、略直方体形状の削り残し部分を設けることにより、軸方向端部の外周に略均等間隔(90°間隔)で形成されている。そして、これら各突部24が、上記のようにインサート成形された大歯車13との間の接合面に嵌合部を形成することにより、当該大歯車13とボール螺子ナット10との間の周方向変位、即ち相対回転を規制する構成となっている。
更に、本実施形態では、図4に示すように、上記テーパ面23には、その表面に複数の微小な凹凸を形成するローレット加工が施されている。尚、本実施形態では、このローレット加工は、テーパ面23に複数のV字溝25を格子状に刻設することにより行なわれる。そして、その接合面に生ずる摩擦力を増大させることにより、当該テーパ面23を固定部位とする大歯車13の周方向及び軸方向の変位を防止する構成となっている。
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)モータ4の回転を伝達する伝達部材としての大歯車13は、ボール螺子ナット10の軸方端部に設けられる。また、この大歯車13中心部には、当該大歯車13を軸方向に貫通する螺子孔22が形成される。そして、この螺子孔22は、ラック軸3の外周に形成された螺子溝8と螺合することにより、滑り軸受、つまり所謂滑り螺子として機能するように構成される。
上記構成によれば、その大歯車13に滑り螺子として形成された螺子孔22により、モータ駆動に伴い大歯車13に作用する径方向の応力を受け止めて、当該径方向応力により生ずるボール螺子ナット10の傾斜、及びそれに起因する異音や振動の発生を抑制することができる。そして、これにより、軸方向長さの延伸を招くことなく、より高い静粛性を実現することができるようになる。加えて、転舵輪側からラック軸3に衝撃的な応力が印加された際、同ラック軸3が径方向に相対変位することにより生ずる応力についても、その滑り螺子として機能する螺子孔22によって、これを受け止めることができる。その結果、このようなボール螺子機構5に対する衝撃的な応力の印加に基づく異音の発生を抑制することができる。
(2)大歯車13は、樹脂により形成される。このような構成とすれば、その滑り螺子として機能する螺子孔22に径方向の応力が印加された際には、その歯部が弾性的に変形することで、その応力を吸収し、効果的にこれを緩和することができる。その結果、より高い静粛性を確保することができるようになる。また、併せて、歯部の形成を容易にして製造工程の簡略化を図るとともに、小歯車20との噛み合いに発生する音や振動を低減することができる。
(3)大歯車13は、挿入体(インサート)としてボール螺子ナット10を金型に入れた状態での樹脂成型、即ちインサート成形により同ボール螺子ナット10の軸方向端部に一体的に成形される。これにより、製造工程を大幅に簡略化することができるとともに、大歯車13とボール螺子ナット10との間の接合強度を向上させることができる。
(4)大歯車13の固定部位となるボール螺子ナット10の軸方向端部には、その全周に亘って、軸方向内側に向って縮径するテーパ面23が形成される。
上記構成によれば、このテーパ面23を大歯車13との接合面とすることにより、当該ボール螺子ナット10の軸方向端部に一体形成された大歯車13について、その軸方向外側への脱落を防止することができる。そして、大歯車13のインサート成形時には、当該テーパ面23を基準とすることで、容易に、その挿入体であるボール螺子ナット10の位置決めを行なうことができる。
(5)テーパ面23には、同テーパ面23から径方向外側に突出する複数の突部24が設けられる。このような構成とすれば、これら各突部24が大歯車13との間の接合面に嵌合部を形成する。そして、これにより、当該大歯車13とボール螺子ナット10との間の周方向変位、即ち相対回転を規制することができる。
(6)テーパ面23には、その表面に複数の微小な凹凸を形成するローレット加工が施される。これにより、その接合面に生ずる摩擦力を増大して、当該テーパ面23を固定部位とする大歯車13の周方向及び軸方向の変位を防止することができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、本発明をモータ4の軸線がラック軸3に対して斜交するように配置された所謂ラッククロス型のEPS1に具体化した。しかし、これに限らず、モータの軸線とラック軸とが並行するように配置された所謂パラレル型等、ラック軸とモータの軸線とが非同軸に配置されるその他の形式を有するものに適用しても良い。従って、ボール螺子ナットに固定される伝達部材(大歯車)もまた、必ずしも傘歯車でなくともよく、更にそのEPSの形式に適合するものであれば、平歯車等のその他の歯車に限らず、プーリやスプロケット等であってもよい。
・本実施形態では、大歯車13は、樹脂により形成されることとしたが、必ずしも、これに限るものではない。即ち、上記衝撃緩和機能及び静粛性を考慮するならば、少なくとも滑り螺子として機能する螺子孔22の形成部(大歯車13の中心部)が樹脂性であることが望ましく、更に小歯車20との噛み合い音の低減を考慮するならば、その噛合部も樹脂製であることが好ましい。そして、更に、その成型容易性をも考慮するならば、本実施形態のように、大歯車13自体を樹脂成形する方式を採用することが、より好適であることはいうまでもない。
・本実施形態では、大歯車13の樹脂素材として、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の熱可塑性のエンジニアプラスチックが採用されることとした。しかし、これに限らず、ポリアミド系やその他熱硬化性のエンジニアプラスチックを採用してもよい。尚、射出成形に不向きな樹脂素材を採用する場合には、ボール螺子ナット10の軸方向端部に樹脂塊を圧縮成形等により一体形成し、これを切削加工等により大歯車13に成形するとよい。
・本実施形態では、大歯車13の固定部位となるボール螺子ナット10の軸方向端部には、上記のようなテーパ面23及び突部24を形成するとともに、さらにローレット加工を施すこととした。しかし、必ずしも、これらの全てを形成(施工)する構成でなくともよ、例えば、各突部24の形成又はローレット加工の施工の何れかを省略する構成であってもよい。また、その各突部24、及びローレットとして形成される微小な凹凸の形状、並びにその形成方法についても、本実施形態と同様である必要はない。尚、大歯車13の確実な接合を考慮するならば、これら3つの要素の全てを形成(施工)することが、より好適であることはいうまでもない。
電動パワーステアリング装置(EPS)の概略構成図。 大歯車が設けられたボール螺子ナットの断面図。 ボール螺子ナットのA−A断面図。 テーパ面に形成された突部及びローレットを示す模式図。
符号の説明
1…電動パワーステアリング装置(EPS)、2…ハウジング、3…ラック軸、4…モータ、5…ボール螺子機構、8…螺子溝、9…螺子溝、10…ボール螺子ナット、11…ボール、12…軸受、13…大歯車、14…転動路、15…駆動室、17…モータ軸、22…螺子孔、23…テーパ面、24…突部、25…V字溝。

Claims (6)

  1. 軸方向に往復動可能に設けられたラック軸と、モータの回転を前記ラック軸の往復動に変換するボール螺子機構と、前記ラック軸及びボール螺子機構を収容するハウジングとを備え、前記ボール螺子機構は、前記ラック軸に形成された第1の螺子溝と、前記ラック軸と同軸配置されることにより前記第1の螺子溝に対向する第2の螺子溝が形成されたボール螺子ナットと、前記第1及び第2の螺子溝の間に介在される複数のボールとを備えてなる電動パワーステアリング装置において、
    前記ボール螺子ナットは、軸受を介して回転自在に前記ハウジングに支承されるとともに、その軸方向端部には、前記モータの回転が伝達される伝達部材が設けられるものであって、
    前記伝達部材には、前記第1の螺子溝と螺合する螺子孔が形成されること、
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記伝達部材は、少なくとも前記螺子孔の形成部が樹脂にて形成されてなること、
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項2に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記伝達部材は、前記ボール螺子ナットを挿入体としたインサート成形により形成されてなること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  4. 請求項3に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記伝達部材の固定部位となる前記ボール螺子ナットの軸方向端部には、軸方向内側に向って縮径するテーパ面が形成されること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  5. 請求項4に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記伝達部材の固定部位となる前記ボール螺子ナットの軸方向端部には、前記伝達部材の相対回転を規制する嵌合部が形成されること、
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記テーパ面には、微小な凹凸を形成するローレット加工が施されること、
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
JP2008302589A 2008-11-27 2008-11-27 電動パワーステアリング装置 Pending JP2010125983A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008302589A JP2010125983A (ja) 2008-11-27 2008-11-27 電動パワーステアリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008302589A JP2010125983A (ja) 2008-11-27 2008-11-27 電動パワーステアリング装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010125983A true JP2010125983A (ja) 2010-06-10

Family

ID=42326661

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008302589A Pending JP2010125983A (ja) 2008-11-27 2008-11-27 電動パワーステアリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010125983A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103085857A (zh) * 2011-11-03 2013-05-08 万都株式会社 齿条驱动转向装置和采用该装置的齿条驱动助力转向装置
KR20200001829A (ko) * 2018-06-28 2020-01-07 주식회사 만도 스티어 바이 와이어 방식의 차량용 조향 장치

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11334612A (ja) * 1998-05-26 1999-12-07 Nippon Seiko Kk 電動パワーステアリング装置
JP2005280555A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Nsk Ltd 電動式パワーステアリング装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11334612A (ja) * 1998-05-26 1999-12-07 Nippon Seiko Kk 電動パワーステアリング装置
JP2005280555A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Nsk Ltd 電動式パワーステアリング装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103085857A (zh) * 2011-11-03 2013-05-08 万都株式会社 齿条驱动转向装置和采用该装置的齿条驱动助力转向装置
KR20200001829A (ko) * 2018-06-28 2020-01-07 주식회사 만도 스티어 바이 와이어 방식의 차량용 조향 장치
KR102431451B1 (ko) 2018-06-28 2022-08-11 주식회사 만도 스티어 바이 와이어 방식의 차량용 조향 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8689927B2 (en) Electric power steering device
KR101261093B1 (ko) 랙 구동식 전동 파워 스티어링 장치
CN107031700B (zh) 转向装置
US20150060187A1 (en) Steering apparatus
JP6176219B2 (ja) 駆動装置、及び、電動パワーステアリング装置
US9802641B2 (en) Steering system
JP5237989B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
US10232872B2 (en) Steering apparatus
KR101204306B1 (ko) 전동 파워스티어링 장치
JP5285029B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2014035016A (ja) 伝達比可変装置
JP5326765B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2011105075A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2015000594A (ja) ステアリング装置
CN110382331B (zh) 动力转向装置
JP5618146B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2010125983A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2007168613A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP6228488B2 (ja) ギヤードモータ
JP2018043658A (ja) ステアリング装置
JP7404688B2 (ja) ウォーム減速機および電動アシスト装置
JP4836215B2 (ja) 電動リニアアクチュエータ
JP2007112245A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2020044854A (ja) 操舵装置
JP2009162364A (ja) 回転軸継手

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110927

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120718

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130212

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130214

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130702