JP2019093793A - 車両用ステアリング装置 - Google Patents

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賢作 中村
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Abstract

【課題】ナット部材を支持する転がり軸受の外輪をハウジングに対して弾性支持する弾性支持機構を備えたステアリング装置において、弾性支持機構を構成する一対の弾性構造体のばね定数を高くし、かつ弾性構造体の耐久性と周波数応答性を確保することが可能なステアリング装置を提供する。【解決手段】ステアリング装置1は、ラックシャフト2と、電動モータ42によって回転するナット部材5と、ラックシャフト2及びナット部材5にそれぞれ形成された螺旋状のねじ溝21,51を転動する複数のボール43と、ナット部材5を収容するハウジング3と、外輪61と内輪62との間に複数の転動体63が配置され、内輪62がナット部材5に固定された転がり軸受6と、外輪61の軸方向一側及び他側に配置された一対の弾性リング70,70からなる弾性支持機構7とを備える。弾性リング70は、軸方向に並んで配置された皿ばね71及びゴム部材72を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、車両の転舵輪を転舵させる車両用ステアリング装置に関する。
従来、車両の転舵輪を転舵させるラック軸と、ラック軸が挿通される挿通孔を有する筒状のナット部材と、ラック軸及びナット部材のそれぞれに設けられたねじ溝を転動する複数のボールと、ナット部材を収容するハウジングとを備え、ナット部材を電動モータで回転させることにより運転者のステアリング操作を補助する電動パワーステアリング装置が知られている。このような電動パワーステアリング装置には、ナット部材を支持する転がり軸受の外輪をハウジングに対して所定範囲で軸方向移動可能に弾性支持し、操舵感を向上させたものがある(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1に記載の電動パワーステアリング装置は、転がり軸受の外輪を弾性支持する弾性体として、円環状の金属製プレートに支持された一対の皿ばねを有している。また、特許文献2に記載の電動パワーステアリング装置は、転がり軸受の外輪を弾性支持する弾性体として、樹脂からなる環状の保持体に保持されたゴム製の環状弾性体を有している。このような弾性支持構造により、例えば中立位置からのステアリングの操舵開始時にラック軸が軸方向に移動しやすくなり、良好な操舵感を得ることができる。また、ナット部材の軸方向の振動を抑制することにより、騒音の低減を図ることができる。
特開2014−227049号公報 特開2013−119322号公報
しかし、転がり軸受の外輪を支持する弾性体として皿ばねを用いた場合には、ばね定数を高くすると耐久性が低下してしまい、高いばね定数と耐久性との両立が困難であった。また、弾性体としてゴム製のものを用いた場合には、周波数応答性に課題がある場合があった。このように、特許文献1,2のものは、なお改善の余地を残すものとなっていた。
そこで、本発明は、ナット部材に内輪が固定された転がり軸受の外輪をハウジングに対して軸方向移動可能に支持する弾性支持機構を備えたステアリング装置において、弾性支持機構を構成する一対の弾性構造体のばね定数を高くし、かつ弾性構造体の耐久性と周波数応答性を確保することが可能なステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、外周面に螺旋状のねじ溝が形成され、軸方向移動により転舵輪を転舵させる転舵軸と、前記転舵軸を挿通させる挿通孔の内周面に螺旋状のねじ溝が形成されたナット部材と、前記転舵軸及び前記ナット部材のそれぞれの前記ねじ溝を転動する複数のボールと、前記ナット部材を収容するハウジングと、前記ナット部材を前記ハウジングに対して回転させる電動モータと、内輪と外輪との間に複数の転動体が配置され、前記内輪が前記ナット部材に固定された転がり軸受と、前記転がり軸受と共に前記ハウジング内に収容され、前記外輪の軸方向一側及び他側に配置された一対の弾性構造体を有し、前記外輪を前記ハウジングに対して軸方向の所定範囲で移動可能に支持する弾性支持機構とを備え、前記弾性構造体は、軸方向に弾性変形可能な金属製ばね部材、及び前記金属製ばね部材と軸方向に並んで配置されたゴム部材を有する、車両用ステアリング装置を提供する。
本発明に係るステアリング装置によれば、ナット部材に内輪が固定された転がり軸受の外輪をハウジングに対して軸方向移動可能に支持する弾性支持機構のばね定数を高くし、かつ耐久性と周波数応答性を確保することが可能となる。
本発明の第1の実施の形態に係るステアリング装置を示す外観図である。 ステアリング装置のハウジング内の構造を模式的に示す模式図である。 操舵補助装置の要部の構成を示す断面図である。 図3の部分拡大図である。 図3の部分拡大図である。 弾性支持機構を示す斜視図である。 ステアリングホイールが中立位置から左方向に操舵された際の弾性支持機構の状態を示す説明図である。 ステアリングホイールが中立位置から右方向に操舵された際の弾性支持機構の状態を示す説明図である。 第2の実施の形態に係る弾性支持機構を構成する弾性構造体としての弾性リングを示す分解斜視図である。 第2の実施の形態に係る弾性支持機構を備えたステアリング装置の部分断面図である。 変形例に係る弾性リングを示す断面図である。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態について、図1乃至図8を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
(ステアリング装置の全体構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るステアリング装置を示す外観図である。図2は、ステアリング装置のハウジング内の構造を模式的に示す模式図である。図3は、操舵補助装置の要部の構成を示す断面図である。図4及び図5は、図3の部分拡大図である。図6は、弾性支持機構を示す斜視図である。
このステアリング装置1は、車両に搭載され、運転者の操舵操作に応じて転舵輪である左右の前輪19,19を転舵させる。図1では、ステアリング装置を車両の斜め前方から見た状態を示し、図面左側が車両の右側にあたり、図面右側が車両の左側にあたる。
ステアリング装置1は、運転者が操舵操作するステアリングホイール10が連結されたステアリングシャフト11と、ステアリングホイール10の操舵操作によって車幅方向に移動する転舵軸としてのラックシャフト2と、ラックシャフト2を収容するハウジング3と、ステアリングホイール10の操舵操作を補助する操舵補助力をラックシャフト2に付与する操舵補助装置4とを備えている。ハウジング3は、操舵補助装置4及びラックシャフト2の一部を収容している。
ステアリングシャフト11は、ステアリングホイール10が一端部に固定されたコラムシャフト12と、コラムシャフト12に自在継手151を介して連結されたインターミディエイトシャフト(中間シャフト)13と、インターミディエイトシャフト13に自在継手152を介して連結されたピニオンシャフト14とを有している。自在継手151,152は、例えばカルダンジョイントからなる。
ピニオンシャフト14には、その先端部にピニオン歯140(図2参照)が形成されている。ラックシャフト2には、軸方向の一部における外周面にピニオン歯140と噛み合うラック歯20が形成されると共に、軸方向の他の一部における外周面に螺旋状のねじ溝21(図3参照)が形成されている。ピニオンシャフト14は、その一部がステアリングホイール10に付与される操舵トルクによって捩じれる可撓性を備えたトーションバー141として構成されており、トーションバー141の捩じれ角がトルクセンサ41によって検出される。トルクセンサ41は、操舵トルクをトーションバー141の捩じれ角の大きさによって検出する。
ラックシャフト2は、左右のタイロッド17,17を含むリンク機構を介して左右の前輪19,19に連結されている。ラックシャフト2の両端部には、図2に示すように、ボールジョイント16,16を介して左右のタイロッド17,17の一端部がそれぞれ連結されている。ハウジング3とタイロッド17,17との間には、伸縮可能な蛇腹構造を有するベローズ18,18がそれぞれ設けられている。ラックシャフト2が軸方向に進退移動すると、左右のタイロッド17,17によって左右の前輪19,19がそれぞれ転向される。
操舵補助装置4は、トルクセンサ41と、電動モータ42と、ラックシャフト2の外周面に形成されたねじ溝21に複数のボール43を介して螺合する円筒状のナット部材5と、ナット部材5をハウジング3に対して回転可能に支持する転がり軸受6と、転がり軸受6を軸方向に弾性支持する弾性支持機構7と、電動モータ42の回転力をナット部材5に伝達する合成ゴムからなるベルト44とを有している。ナット部材5は、ラックシャフト2を挿通させる挿通孔50を有し、この挿通孔50の内周面に螺旋状のねじ溝51が形成されている。複数のボール43は、ナット部材5の回転に伴い、ラックシャフト2のねじ溝21及びナット部材5のねじ溝51によって形成される転動路40を転動する。
電動モータ42は、図2に示すように、固定子及び回転子を有する駆動部421と、駆動部421の固定子にモータ電流を供給する制御部422とを有している。制御部422は、トルクセンサ41によって検出された操舵トルクや車速に応じたモータ電流を駆動部421に供給する。駆動部421は、制御部422から供給されるモータ電流によってトルクを発生し、ベルト44を介してナット部材5をハウジング3に対して回転させる。
ハウジング3は、ラックシャフト2を収容する筒状のラックシャフト収容部31と、ピニオンシャフト14を収容するピニオンシャフト収容部32と、ナット部材5を転がり軸受6及び弾性支持機構7と共に収容するナット部材収容部33とを有している。ラックシャフト収容部31は、軸方向の両端部に取付部311,312を有し、取付部311,312が車体の取付対象であるステアリングメンバ(図示せず)にボルトによって固定される。
ハウジング3は、図3に示すように、第1部材301と第2部材302とが軸方向に組み合わされ、ナット部材収容部33が第1部材301と第2部材302の結合によって構成されている。ナット部材収容部33よりも車両右側(図面左側)のラックシャフト収容部31は第1部材301によって構成され、ナット部材収容部33よりも車両左側(図面右側)のラックシャフト収容部31は第2部材302によって構成されている。電動モータ42は、ボルト303によって第2部材302に固定されている。
ナット部材5には、転動路40の2箇所に開口する環流路52が形成されている。ナット部材5が回転すると、複数のボール43が転動路40及び環流路52を循環する。また、ナット部材5は、ベルト44が掛け回された従動プーリ部53を有している。ベルト44は、電動モータ42のシャフト420と一体に回転する駆動プーリ423と従動プーリ部53との間に掛け回され、電動モータ42の回転力をナット部材5に伝達する。従動プーリ部53は駆動プーリ423よりも大径であり、電動モータ42の回転力がベルト44によって減速されて従動プーリ部53に伝達される。
本実施の形態では、転がり軸受6が複列の転動体列を有する複列玉軸受である。転がり軸受6は、外輪61及び内輪62と、外輪61と内輪62との間に配置された複数の転動体63と、複数の転動体63を保持する第1及び第2の保持器64,65とを有している。ただし、転がり軸受6として、単列の玉軸受を用いてもよい。
外輪61は、ハウジング3におけるナット部材収容部33の内面に対向する外周面61aと、外周面61aに対して垂直な両側面61b,61cと、一方列の複数の転動体63が転動する第1の外輪軌道面61dと、他方列の複数の転動体63が転動する第2の外輪軌道面61eとを有している。側面61bは、外輪61における車両右側の軸方向端面であり、側面61cは、外輪61における車両左側の軸方向端面である。側面61b側における一方列の複数の転動体63は第1の保持器64に等間隔に保持され、側面61c側における他方列の複数の転動体63は第2の保持器65に等間隔に保持されている。
内輪62は、ナット部材5の外周面5aに対向する内周面62aと、内周面62aに対して垂直な両側面62b,62cと、一方列の複数の転動体63が転動する第1の内輪軌道面62dと、他方列の複数の転動体63が転動する第2の内輪軌道面62eとを有している。また、内輪62は、軸方向に並列する第1の内輪部材621及び第2の内輪部材622からなり、第1の内輪部材621に第1の内輪軌道面62dが形成され、第2の内輪部材622に第2の内輪軌道面62eが形成されている。
ナット部材5は、外径が異なる大径部501と小径部502とを一体に有し、大径部501の一端部に従動プーリ部53が形成されている。大径部501と小径部502との間には、段差面5bが形成されている。小径部502の一端部における外周面には、リングナット500が螺合する雄ねじ部54が形成されている。リングナット500は、止め輪55によって緩み止めされており、段差面5bとの間に内輪62を軸方向に締めつけて固定している。
ハウジング3のナット部材収容部33には、その内面に環状凹部330が形成されている。環状凹部330は、その底面330aが第1部材301の内周面によって形成され、軸方向の両側面330b,330cが第1部材301に形成された段差面及び第2部材302の軸方向端面によって形成されている。環状凹部330には、外輪61が収容されている。環状凹部330の底面330aは、ラックシャフト2の軸方向に対して平行な面であり、ハウジング3におけるナット部材収容部33の内面の一部である。外輪61の外径は、環状凹部330の底面330aの内径よりも僅かに小さい寸法である。この構成により、転がり軸受6は、外輪61の外周面61aが環状凹部330の底面330aを摺動することで、ハウジング3に対して軸方向に移動可能である。
弾性支持機構7は、一対の弾性リング70,70を有し、外輪61をハウジング3に対して軸方向の所定範囲で移動可能に支持している。弾性リング70は、本発明の弾性構造体の一態様である。一対の弾性リング70,70は、環状凹部330に収容され、外輪61の軸方向一側及び他側に軸方向に圧縮された状態で配置されている。より具体的には、一方の弾性リング70が外輪61の一方の側面61bと環状凹部330の一方の側面330bとの間に配置され、他方の弾性リング70が外輪61の他方の側面61cと環状凹部330の他方の側面330cとの間に配置されている。
弾性リング70は、図4乃至図6に示すように、軸方向に弾性変形可能な金属製ばね部材としての皿ばね71、皿ばね71と軸方向に並んで配置されたゴム部材72、及びゴム部材72が接合された環状のプレート73を有している。ゴム部材72は、皿ばね71における外輪61側とは反対側の面に接し、皿ばね71とプレート73との間に配置されている。
皿ばね71は、ばね鋼や炭素鋼等の金属からなり、外径側の端部が外輪61の側面61b,61cに当接している。本実施の形態では、皿ばね71が、部分円錐形状の本体部711と、本体部711の外径側の端部から軸方向に対して垂直に延びる円環板状の当接部712とを一体に有し、当接部712が外輪61の側面61b,61cに接している。また、皿ばね71は、その復元力により、本体部711の内径側の端部がプレート73に弾接している。プレート73は、ステンレス等の平板状の金属からなる。
ゴム部材72は、合成ゴムからなる環状の部材である。ゴム部材72の素材としては、NBR(ニトリルゴム)やHNBR(水素化ニトリルゴム)を特に好適に用いることができる。ゴム部材72は、皿ばね71及びプレート73に加硫接着により接合されており、弾性リング70が一部品として構成されている。
一対の弾性リング70,70のうち、一方の弾性リング70は、皿ばね71の一方の側面71aが外輪61の側面61bに対向し、他方の側面71bにゴム部材72に接合されると共に、プレート73の一方の側面73aが環状凹部330の側面330bに対向し、他方の側面73bにゴム部材72に接合されている。また、他方の弾性リング70は、皿ばね71の一方の側面71aが外輪61の側面61cに対向し、他方の側面71bにゴム部材72が接合されると共に、プレート73の一方の側面73aが環状凹部330の側面330cに対向し、他方の側面73bにゴム部材72が接合されている。
ゴム部材72は、皿ばね71の側面71b、プレート73の側面73b、及び環状凹部330の底面330aに囲まれ、かつ部分円錐形状の本体部711に対して径方向外側の領域Rに配置されている。この領域Rは、ステアリングホイール10が中立位置にあるとき、その一部が空間となっており、弾性リング70が軸方向に圧縮された際、ゴム部材72が弾性変形してこの空間に入り込む。
本実施の形態では、図4及び図5に示すように、ゴム部材72の外周面72aが凹面状に湾曲しており、この外周面72aと環状凹部330の底面330aとの間に第1空間Sが形成されている。また、ゴム部材72の内周面72bと、皿ばね71の側面71b及びプレート73の側面73bとの間に、三角形状の第2空間Sが形成されている。第1空間S及び第2空間Sは、弾性リング70の全周にわたって形成されている。
弾性リング70は、皿ばね71の本体部711及びゴム部材72の復元力により、皿ばね71の当接部712が外輪61を軸方向に押圧している。ステアリングホイール10が中立位置にあるとき、一対の弾性リング70の軸方向の厚さは同じであり、外輪61が双方の弾性リング70からの押圧力を受けて環状凹部330内における軸方向の中央に位置している。
図7は、ステアリングホイール10が中立位置から左方向に操舵された際の弾性支持機構7の状態を示す説明図である。図8は、ステアリングホイール10が中立位置から右方向に操舵された際の弾性支持機構7の状態を示す説明図である。以下、一対の弾性リング70のうち、外輪61の一方の側面61bと環状凹部330の一方の側面330bとの間に配置された車両右側の弾性リング70を第1弾性リング70Aとし、外輪の他方の側面62cと環状凹部330の他方の側面330cとの間に配置された車両左側の弾性リング70を第2弾性リング70Bとして説明する。
ステアリングホイール10が中立位置から左方向に操舵されたとき、ラックシャフト2は車幅方向に沿って車両右側に軸方向移動し、ナット部材5及び転がり軸受6がラックシャフト2から同方向への移動力を受ける。これにより、図7に示すように、第1弾性リング70Aが軸方向に圧縮され、第2弾性リング70Bが軸方向に伸長する。外輪61は、第1弾性リング70A及び第2弾性リング70Bが変形する軸方向の所定範囲でハウジング3に対して軸方向移動可能である。
この際、第1弾性リング70Aは、ゴム部材72の変形によって第1空間S及び第2空間Sの容積が小さくなり、ゴム部材72の外周面72aが環状凹部330の底面330aに接触し、ゴム部材72の径方向外方への膨出が環状凹部330の底面330aによって規制される。図7では、ゴム部材72の外周面72aの全体が環状凹部330の底面330aに接触した状態を示している。一方、第2弾性リング70Bは、皿ばね71の変形によってゴム部材72が軸方向に伸長し、第1空間S及び第2空間Sの容積が大きくなる。
なお、この状態でも、第2弾性リング70Bにおける皿ばね71の当接部712と外輪61の側面61cとの接触状態が維持され、外輪61が第1弾性リング70A及び第2弾性リング70Bに挟まれる。外輪61は、皿ばね71との接触部において受ける摩擦力により、ハウジング3に対する回転が規制される。
一方、ステアリングホイール10が中立位置から右方向に操舵されたときには、図8に示すように、第1弾性リング70Aが軸方向に伸長し、第2弾性リング70Bが軸方向に圧縮される。この際、第2弾性リング70Bは、ゴム部材72の変形によって第1空間S及び第2空間Sの容積が小さくなり、ゴム部材72の外周面72aが環状凹部330の底面330aに接触し、ゴム部材72の径方向外方への膨出が環状凹部330の底面330aによって規制される。第1弾性リング70Aは、皿ばね71の当接部712と外輪61の側面61bとの接触状態を維持しながらゴム部材72が軸方向に伸長し、第1空間S及び第2空間Sの容積が大きくなる。
このように、ステアリングホイール10が中立位置から左方向又は右方向に操舵される操舵初期段階において、ステアリングシャフト11のピニオンシャフト14の回転によってラックシャフト2に軸方向の移動力が付与されたとき、操舵補助装置4が操舵補助力を発生する前に、第1弾性リング70A及び第2弾性リング70Bの弾性変形によってラックシャフト2がナット部材5及び転がり軸受6と共に軸方向に移動する。これにより、操舵初期段階におけるラックシャフト2の軸方向移動がボールねじ部40によって妨げられることがなく、良好な操舵感を得ることができる。
なお、弾性リング70の軸方向の圧縮量と発生する弾発力との関係は、弾性リング70の自然状態(押圧力を受けない状態)における第1空間S及び第2空間Sの大きさによって調整することが可能である。すなわち、弾性リング70を軸方向に圧縮したとき、弾性リング70が発生する弾発力は、第1空間S及び第2空間Sが詰まると急激に大きくなる。このため、自然状態における第1空間S及び第2空間Sを小さくすれば弾発力の立ち上がりが速くなり、第1空間S及び第2空間Sを大きくすれば弾発力の立ち上がりが遅くなる。したがって、車両適合性を考慮して、容易に最適な特性に調整することが可能である。
(第1の実施の形態の作用及び効果)
以上説明した第1の実施の形態によれば、皿ばね71及びゴム部材72が軸方向に並んで弾性リング70を構成しているので、弾性支持機構7のばね定数を高くして良好な操舵感を得ることができると共に、周波数応答性を確保してナット部材の振動を抑制し、騒音の低減を図ることができる。つまり、ゴム部材72により弾性リング70のばね定数を高くすることができ、皿ばね71により周波数応答性を確保することが可能となる。また、例えば一般的な皿ばね単体で弾性リング70と同等のばね定数を得ようとした場合に必要な皿ばねの厚みよりも皿ばね71の厚みを薄くすることが可能となり、弾性リング70のストローク(軸方向の厚みの変化量)を大きくすることができると共に、皿ばね71の疲労劣化が進みにくくなるので耐久性が向上する。
また、弾性リング70が軸方向に圧縮されたとき、ゴム部材72の外周面72aが環状凹部330の底面330aに接触してゴム部材72の径方向外方への膨出が規制されるので、この構成によっても弾性リング70のばね定数を高くすることができると共に、ゴム部材72の過度な変形が抑制され、耐久性がさらに向上する。
また、弾性リング70がプレート73を有し、皿ばね71とプレート73との間にゴム部材72が配置されているので、ゴム部材72を周方向に均等に圧縮することができる。またさらに、ゴム部材72が皿ばね71及びプレート73に接合されているので、弾性リング70を一部品として構成することができ、組み付けが容易となる。
また、弾性リング70は、皿ばね71が当接部712を有していることにより、皿ばね71と外輪61との接触面積が十分に確保されて皿ばね71と外輪61との接触部における面圧が過大とならず、また皿ばね71の外径側の端部が外輪61の外周側の面取部Cに入り込まないので、皿ばね71が円滑に軸方向に変形可能である。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について、図9及び図10を参照して説明する。本実施の形態は、弾性支持機構8の構成が第1の実施の形態に係る弾性支持機構7と異なる他は、第1の実施の形態と同様に構成されている。以下、本実施の形態について、弾性支持機構8の構成を中心に説明する。また、図10において、第1の実施の形態において説明したものと共通する構成要素については、図3等に付したものと同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図9は、本実施の形態に係る弾性支持機構8を構成する弾性構造体としての弾性リング80を示す分解斜視図である。図10は、この弾性支持機構8を備えたステアリング装置1の部分断面図である。弾性支持機構8は、図10に示す一対の弾性リング80によって構成され、これら一対の弾性リング80が外輪61を軸方向に挟んでいる。
弾性リング80は、軸方向に弾性変形可能な金属製ばね部材としてのウェーブワッシャ81、ウェーブワッシャ81と軸方向に並んで配置されたゴム部材82、及びゴム部材82が接合された環状のプレート83を有している。ウェーブワッシャ81は、外輪61の側面61b,61cに当接する複数の山部811と、複数の山部811の間に設けられた複数の谷部812とを有し、複数の山部811と谷部812とが周方向に交互に連なっている。本実施の形態では、ウェーブワッシャ81が3つの山部811と3つの谷部812とを有し、山部811と谷部812とが等間隔(60°ごと)に設けられている。
また、本実施の形態では、弾性リング80がウェーブワッシャ81の山部811と同数(3つ)のゴム部材82を有している。これらのゴム部材82は、山部811における外輪61側の側面811aとは反対側の側面811bに接して配置されている。ウェーブワッシャ81の谷部812は、プレート83に当接している。プレート83は、ウェーブワッシャ81の谷部812が当接する円環板状の本体部831と、本体部831の内径側の端部から軸方向に沿って外輪61側に突出した環状の突部832とを一体に有する金属製の部材である。
一対の弾性リング80,80のうち、一方の弾性リング80は、ウェーブワッシャ81の山部811における一方の側面811aが外輪61の側面61bに接触し、山部811における他方の側面811bにゴム部材72が接合されていると共に、プレート83の本体部831における一方の側面831aが環状凹部330の側面330bに接触し、他方の側面831bに複数のゴム部材82が接合されている。また、他方の弾性リング80は、ウェーブワッシャ81の山部811における一方の側面811aが外輪61の側面61cに接触し、山部811における他方の側面811bにゴム部材72が接合されていると共に、プレート83の本体部831における一方の側面831aが環状凹部330の側面330cに接触し、他方の側面831bに複数のゴム部材82が接合されている。
それぞれのゴム部材82は、ウェーブワッシャ81及びプレート83の周方向に延在する円弧状である。また、ゴム部材82は、プレート83の本体部831における側面831bからの高さが周方向の中央部において最も高く、この最も高い部分である頂部が山部811に接している。
ゴム部材82は、外周面82a及び内周面82bが凹面状に湾曲しており、外周面82aと環状凹部330の底面330aとの間に第1空間Sが形成され、内周面82bとプレート83における突部832の外周面832aとの間に第2空間Sが形成されている。弾性リング80が軸方向に圧縮されたとき、第1空間S及び第2空間Sの容積が小さくなり、ゴム部材82の径方向外方への膨出が環状凹部330の底面330aによって規制される。また、ゴム部材82の径方向内方への膨出は、プレート83における突部832の外周面832aによって規制される。
本実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様の作用及び効果が得られる。また、第1の実施の形態に比較して、金属製ばね部材としてウェーブワッシャ81を用いることにより、弾性リング80のストロークを大きくすることが可能となる。
(付記)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、これらの実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、第1の実施の形態では、皿ばね71の外径側の端部が外輪61の側面61b,61cに当接するように一対の弾性リング70,70を環状凹部330内に配置した場合について説明したが、弾性リング70の左右を入れ替え、プレート73の側面73aが外輪61の側面61b,61cに当接するように一対の弾性リング70,70を配置してもよい。この場合、皿ばね71の外径側の端部は環状凹部330の側面330b,330cに当接する。
また、第1の実施の形態では、皿ばね71が、部分円錐形状の本体部711と円環板状の当接部712とを一体に有する場合について説明したが、皿ばね71の全体を部分円錐形状としてもよい。この変形例を図11に示す。図11に示すように、皿ばね71は、ステアリングホイール10が中立位置にあるとき、その外径側の端部が面取部Cよりも内径側で外輪61の側面61bに当接する。すなわち、皿ばね71は、少なくとも一部が部分円錐形状に形成されていればよい。なお、図11では、一対の弾性リング70,70のうち一方の弾性リング70を図示しているが、他方の弾性リング70も同様に構成することができる。
1…ステアリング装置 19,19…前輪(転舵輪)
2…ラックシャフト(転舵軸) 21…ねじ溝
3…ハウジング 330a…底面(ハウジングの内面)
43…ボール 42…電動モータ
5…ナット部材 50…挿通孔
51…ねじ溝 6…転がり軸受
61…外輪 61a…外周面
61b,61c…側面 62…内輪
63…転動体 7…弾性支持機構
70…弾性リング(弾性構造体) 71…皿ばね(金属製ばね部材)
72…ゴム部材 73…プレート
80…弾性リング(弾性構造体) 81…ウェーブワッシャ(金属製ばね部材)
811…山部 812…谷部
82…ゴム部材 83…プレート

Claims (6)

  1. 外周面に螺旋状のねじ溝が形成され、軸方向移動により転舵輪を転舵させる転舵軸と、
    前記転舵軸を挿通させる挿通孔の内周面に螺旋状のねじ溝が形成されたナット部材と、
    前記転舵軸及び前記ナット部材のそれぞれの前記ねじ溝を転動する複数のボールと、
    前記ナット部材を収容するハウジングと、
    前記ナット部材を前記ハウジングに対して回転させる電動モータと、
    内輪と外輪との間に複数の転動体が配置され、前記内輪が前記ナット部材に固定された転がり軸受と、
    前記転がり軸受と共に前記ハウジング内に収容され、前記外輪の軸方向一側及び他側に配置された一対の弾性構造体を有し、前記外輪を前記ハウジングに対して軸方向の所定範囲で移動可能に支持する弾性支持機構と、を備え、
    前記弾性構造体は、軸方向に弾性変形可能な金属製ばね部材、及び前記金属製ばね部材と軸方向に並んで配置されたゴム部材を有する、
    車両用ステアリング装置。
  2. 前記金属製ばね部材は、少なくとも一部が部分円錐状に形成された皿ばねであり、
    前記ゴム部材は、前記皿ばねの前記外輪とは反対側の面に接して配置されている、
    請求項1に記載の車両用ステアリング装置。
  3. 前記金属製のばね部材は、前記外輪の側面に当接する複数の山部と、前記複数の山部の間に設けられた複数の谷部とを有し、前記複数の山部と谷部とが周方向に交互に連なるウェーブワッシャであり、
    前記ゴム部材は、前記山部における前記外輪とは反対側の面に接して配置されている、
    請求項2に記載の車両用ステアリング装置。
  4. 前記金属製ばねが軸方向に圧縮されたとき、前記ゴム部材の径方向外方への膨出が前記ハウジングの内面によって規制される、
    請求項2又は3に記載の車両用ステアリング装置。
  5. 前記弾性構造体は、前記ゴム部材が接合された環状のプレートを有し、前記金属製ばね部材と前記プレートとの間に前記ゴム部材が配置されている、
    請求項1乃至4の何れか1項に記載の車両用ステアリング装置。
  6. 前記ゴム部材は、前記金属製ばね部材及び前記プレートに接合されている、
    請求項5に記載の車両用ステアリング装置。
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WO2024058016A1 (ja) * 2022-09-15 2024-03-21 日立Astemo株式会社 電動パワーステアリング装置

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