JP2019183020A - 重合性組成物、ブラックマトリクス用感光性組成物及びカラーフィルタ - Google Patents

重合性組成物、ブラックマトリクス用感光性組成物及びカラーフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】保存安定性に優れ、且つBMに求められる水準の遮光性及び高接着性を有する得られる硬化物が得られる重合性組成物を提供すること。【解決手段】下記一般式(I)で表されるイソシアネート化合物とブロック化剤とを反応させて得られる構造を有するブロックイソシアネートシラン化合物(A)、重合性化合物(B)及び重合開始剤(C)を含有する重合性組成物。前記重合性組成物は更に着色剤(D)を含有することが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、重合性組成物、ブラックマトリクス(BM)用感光性組成物、該組成物の硬化物、該硬化物を用いたカラーフィルタ及び該硬化物の製造方法に関する。
従来、カラーフィルタは液晶表示装置等のカラー化の目的で広く用いられており、一般に赤、緑、青の画素がモザイク様に配置されている。このカラーフィルタを作成する方法としては、染色法、印刷法、インクジェット法、電着法、着色剤分散法等が知られている。特に、感光性ポリマー及び/又は感光性単量体とともに着色剤を分散させたカラーフィルタ用着色重合性組成物を用いてフォトリソグラフィーによって微細画素を形成させる着色剤分散法は、画素の平坦性に優れていることからカラーフィルタ製造法の主流となっている。
カラーフィルタの製造に用いられるBM用感光性組成物は、顔料、溶剤、分散剤、光重合性不飽和化合物、重合開始剤等を含有するものである。BM用感光性組成物は、紫外線又は電子線を照射することによって重合硬化させることができるので、カラーフィルタを構成するブラックマトリクス(BM)の製造に有用である。BMは、ガラス基板等に感光性材料を塗布して得られる塗工物から余剰の溶剤を乾燥除去した後、該塗工物に画素形成のためのフォトマスクを介して露光により活性エネルギー線を照射し、硬化(ネガ型)又はアルカリ溶解度を高め(ポジ型)、次いでアルカリ溶液等で溶解する部分を除去した後に、ポストベイクという230度以上の加熱を施すことにより形成される。
上記BM用感光性組成物において顔料を用いる場合、感光性組成物を調製する際に、顔料を予め樹脂や分散媒に分散させた顔料分散液を作成することが一般的である。
特許文献1には、(メタ)アクリロイルオキシ基及びイソシアヌレート環構造を有する加水分解性シランと粒子とを反応させて得られる反応性粒子が開示され、特許文献2には、ブロックイソシアネートシランからなるシランカップリング剤を含有する基材との密着性に優れる感光性組成物が開示されている。
国際公開2011/086958号パンフレット 国際公開2013/187209号パンフレット
近年、カラー撮像素子、カラー液晶テレビの高品質化を反映し、表示パネルの高精細が強く求められている。そのため、遮光性が高く、低線幅なBMにおいても十分な接着性が確保できる高接着性BM用感光性組成物が検討されている。しかしながら、高感度で保存安定性に優れ、且つ、BMに求められる水準の遮光性及び高接着性を有する硬化物が得られるBM用感光性組成物がないという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、高感度で保存安定性に優れ、且つ、BMに求められる水準の遮光性及び高接着性を有する硬化物が得られるBM用感光性組成物がこれまでなかったということである。
本発明の目的は、高感度で保存安定性に優れ、且つ、BMに求められる水準の遮光性及び高接着性を有する硬化物が得られる重合性組成物及びBM用感光性組成物、該重合性組成物及びBM用感光性組成物により得られる硬化物、該硬化物を含有するカラーフィルタ、並びに該硬化物を製造する方法を提供することにある。
本発明は、鋭意検討の末、下記〔1〕〜〔10〕を提供することにより、上記目的を達成したものである。
[1] 下記一般式(I)で表されるイソシアネート化合物とブロック化剤とを反応させて得られる構造を有するブロックイソシアネートシラン化合物(A)、重合性化合物(B)及び重合開始剤(C)を含有する重合性組成物。
(式中、Rは、水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、
は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、又は複素環を含有する炭素原子数2〜20の基を表し、
は、炭素原子数1〜20の炭化水素基、又は複素環を含有する炭素原子数2〜20の基を表し、Zで表される基中のメチレン基の1つ又は2つ以上は、酸素が隣り合わない条件で、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NR−、−NRCO−、−S−、−CS−、−SO−、−SCO−、−COS−、−OCS−又はCSO−に置換される場合があり、
は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、
aは1〜3の数を表し、a≧2の場合、複数存在するRは同一である場合があり、異なる場合があり、
bは0〜2の数を表し、b=2の場合、複数存在するRは、同一である場合があり、異なる場合があり、
a+b=3である。)
[2] ブロックイソシアネートシラン化合物(A)が下記一般式(II)で表される化合物である請求項1に記載の重合性組成物。
(式中、R、R、a、b及びZは上記一般式(I)と同様であり、
は、水素原子又はメチル基を表し、
及びXは、それぞれ独立に、直接結合又は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、
は、炭素原子数1〜20の炭化水素基、又は複素環を含有する炭素原子数2〜20の基を表し、
、X及びXで表される基中のメチレン基の1つ又は2つ以上は、酸素が隣り合わない条件で、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NR−、−NRCO−、−S−、−CS−、−SO−、−SCO−、−COS−、−OCS−又はCSO−に置換される場合があり、
Yは、酸素原子、硫黄原子、又は−NR−を表し、
は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、
cは、2〜10の数を表し、
c≧2の場合、複数存在するRは、同一の場合があり異なる場合があり、
dは、1〜3の数を表し、
d≧2の場合、R、R、X及びZは、それぞれ、同一の場合があり異なる場合がある。)
[3] ブロックイソシアネートシラン化合物(A)が下記一般式(III)で表される基を有するブロックイソシアネートシラン化合物である[1]又は[2]に記載の重合性組成物。
(式中の*は、一般式(III)で表される基が、*部分で、隣接する基と結合することを意味する。)
[4] 上記重合性化合物(B)が、
下記一般式(IV)で表されるエポキシ化合物、
下記一般式(IV)で表されるエポキシ化合物と不飽和一塩基酸とをエステル化させた構造を有する不飽和化合物、又は
下記一般式(IV)で表されるエポキシ化合物と不飽和一塩基酸とをエステル化させた構造を有する不飽和化合物に、更に多塩基酸無水物をエステル化させた構造を有する不飽和化合物
である[1]〜[3]の何れか一に記載の重合性組成物。
(式中、Mは直接結合、炭素原子数1〜20の炭化水素基、−O−、−S−、−SO−、−SS−、−SO−、−CO−、−OCO−、又は下記式(a)、(b)、(c)及び(d)からなる群から選ばれる置換基を表し、
Mで表される炭素原子数1〜20の炭化水素基中の1つ又は2つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換される場合があり、
11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基又はハロゲン原子を表し、
11〜R18で表される基中のメチレン基は、酸素が隣り合わない条件で、−O−に置換されている場合があり、
nは0〜10の数を表し、
nが0でない場合、複数存在するR11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18及びMは、それぞれ、同一である場合があり、異なる場合がある。)
(式中、R21は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、
22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、R40、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、R48、R49及びR50は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、複素環を含有する炭素原子数2〜20の基、又はハロゲン原子を表し、
22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、R40、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、R48、R49及びR50で表される基中のメチレン基の1つ又は2つ以上は、酸素が隣り合わない条件で、−O−又は−S−に置換される場合があり、
22とR23、R23とR24、R24とR25、R25とR26、R27とR28、R28とR29、R29とR30、R35とR36、R36とR37、R37とR38、R43とR44、R44とR45、R45とR46、R47とR48、R48とR49及びR49とR50は結合して環を形成する場合があり、
式中の*は、(a)、(b)、(c)及び(d)で表される基が、*部分で隣接する基と結合することを意味する。)
[5] 重合開始剤(C)が、下記一般式(V)で表される基を有する化合物である[1]〜[4]の何れか一に記載の重合性組成物。
(式中、R61及びR62は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数1〜20の炭化水素基又は複素環を含有する炭素原子数2〜20の基を表し、
61及びR62で表される基中の水素原子の1つ又は2つ以上はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、メタクリロイル基、アクリロイル基、エポキシ基、ビニル基、ビニルエーテル基、メルカプト基、イソシアネート基又は複素環を含有する炭素原子数2〜20の基で置換されている場合があり、
61及びR62で表される基中のメチレン基の1つ又は2つ以上は、酸素が隣り合わない条件で、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NR63−、−NR63CO−、−S−、−CS−、−SO−、−SCO−、−COS−、−OCS−又はCSO−に置換される場合があり、
63は、水素原子又は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、
mは0又は1を表し、
式中の*は、一般式(V)で表される基が、*部分で、隣接する基と結合することを意味する。)
[6] 更に着色剤(D)を含有する[1]〜[5]の何れか一に記載の重合性組成物。
[7] [1]〜[6]の何れか一に記載の重合性組成物を含有するブラックマトリクス用感光性組成物。
[8] [1]〜[6]の何れか一に記載の重合性組成物又は[7]に記載のブラックマトリクス用感光性組成物を光又は熱によって硬化させる硬化物の製造方法。
[9] [1]〜[6]の何れか一に記載の重合性組成物又は[7]に記載のブラックマトリクス用感光性組成物の硬化物。
[10] [9]に記載の硬化物を含有するカラーフィルタ。
本発明によれば、保存安定性に優れ、且つBMに求められる水準の遮光性及び高接着性を有する得られる硬化物が得られる重合性組成物及びBM用感光性組成物が得られる。
以下、本発明の重合性組成物について、好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
本発明の重合性組成物は、上記一般式(I)で表されるイソシアネート化合物とブロック化剤とを反応させて得られるブロックイソシアネートシラン化合物(A)(以下、ブロックイソシアネートシラン化合物(A)とも記載)、重合性化合物(B)及び重合開始剤(C)を含有する。以下、各成分について順に説明する。
<ブロックイソシアネートシラン化合物(A)>
ブロックイソシアネートシラン化合物(A)は、上記一般式(I)で表されるイソシアネート化合物とブロック化剤とを反応させて得られた構造を有する化合物である。
本発明のラジカル重合性組成物は、上記一般式(I)で表されるイソシアネート化合物とブロック化剤とを反応させて得られた構造を有するブロックイソシアネートシラン化合物(A)を必須成分とする。本発明においては、重合性組成物に必須成分として含まれるブロックイソシアネートシラン化合物(A)の原料として、多様な構造を有する化合物を用いることができる。そのため、「上記一般式(I)で表されるイソシアネート化合物とブロック化剤とを反応させて得られた構造を有するブロックイソシアネートシラン化合物(A)」の構造は、一般式(I)で表されるイソシアネート化合物及びブロック化剤の構造によって大きく異なるものとなる。このため「上記一般式(I)で表されるイソシアネート化合物とブロック化剤とを反応させて得られた構造を有するブロックイソシアネートシラン化合物(A)」の構造を一律にある種の一般式で表すことは到底できないのが現状であり、このことは当業者の技術常識である。そして、構造が特定されなければそれに応じて決まるその物質の特性も容易にはわからないことから、特性で表現することも到底できない。したがって、本発明では、重合性組成物に必須成分として含まれるブロックイソシアネートシラン化合物(A)を、「上記一般式(I)で表されるイソシアネート化合物とブロック化剤とを反応させて得られた構造を有するブロックイソシアネートシラン化合物(A)」、という表現で定義せざるを得ない。つまり、本発明で必須成分として使用されるブロックイソシアネートシラン化合物(A)に関し、「出願時において化合物をその構造又は特性により直接特定すること」が不可能又はおよそ非実際的である事情が存在する。
上記一般式(I)で表されるイソシアネート化合物としては、例えば、3−イソシアナートトリメトキシプロピルシラン、3−イソシアナートトリエトキシプロピルシラン等が挙げられる。上記一般式(I)で表されるイソシアネート化合物の市販品としては、KBE−9007(信越シリコーン社製)、A−Link35(モーメンティブ社製)等が挙げられる。
本発明においてブロック化剤とは、イソシアネート基と反応又はイソシアネート基と配位する等してイソシアネート基を不活性化し、熱又は光などの外部刺激により乖離しイソシアネート基を再度活性化することができる化合物を意味する。上記ブロック化剤としては、従来用いられているものを用いることができ、例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル等のカルボン酸エステル類;マロン酸、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル(アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等)等の活性メチレン化合物;ホルムアミドオキシム、アセトアミドオキシム、アセトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、メチルエチルケトオキシム(MEKオキシム)、メチルイソブチルケトオキシム(MIBKオキシム)、ジメチルケトオキシム、ジエチルケトオキシム等のオキシム化合物;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、ヘプタノール、ヘキサノール、オクタノール、イソノニルアルコール、ステアリルアルコール等の脂肪族アルコール;ベンジルアルコール等の芳香族アルコール;イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジグリシジルエーテル等のイソシアヌレート酸変性アルコール;メチルグリコール、エチルグリコール、エチルジグリコール、エチルトリグリコール、ブチルグリコール、ブチルジグリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール誘導体;フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ニトロフェノール、クロロフェノール等のフェノール類又はこれらの異性体;フルオレン変性ビスアルコール;乳酸メチル、乳酸アミル等の水酸基含有エステル;ジブチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−tert−ブチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール等のアミン化合物;エチレンイミン、ポリエチレンイミン等のイミン化合物;モノメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリエチルエタノールアミン等のアルコールアミン;α−ピロリドン、β−ブチロラクタム、β−プロピオラクタム、γ−ブチロラクタム、δ−バレロラクタム、ε−カプロラクタム等のラクタム類;1,1,3,3−テトラメチルグアニジン等のグアニジン類;ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類;イミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミダゾール類;アセトアニリド、アクリルアミド、酢酸アミド、ダイマー酸アミド等の酸アミド類;コハク酸イミド、マレイン酸イミド、フタル酸イミド等の酸イミド類;尿素、チオ尿素、エチレン尿素等の尿素化合物;ベンゾトリアゾール類;3,5−ジメチルピラゾール等のピラゾール類等が挙げられる。これらのブロック化剤の1種を上記一般式(I)で表されるイソシアネート化合物と反応させることができ、或いは2種以上を上記一般式(I)で表されるイソシアネート化合物と反応させることができる。
上記ブロック化剤のうち、解離温度が100〜200℃であるものが、プリベーク時には安定して存在し、ポストベイク時に反応する点から好ましく、中でもオキシム化合物が好ましく、特にホルムアミドオキシム、アセトアミドオキシム、アセトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、メチルエチルケトオキシム(MEKオキシム)、メチルイソブチルケトオキシム(MIBKオキシム)、ジメチルケトオキシム、ジエチルケトオキシムが好ましく、メチルエチルケトオキシムが最も好ましい。
上記ブロック化剤のうち、フルオレン変性ビスアルコール、イソシアヌレート酸変性アルコールは、基材との密着性が向上することから好ましい。
上記ブロックイソシアネートシラン(A)を得るためのブロック化反応は、公知の反応方法により行うことができる。上記一般式(I)で表されるイソシアネート化合物に対するブロック化剤の添加量は、遊離のイソシアネート基1当量に対し、通常1〜2当量、好ましくは1.05〜1.5当量である。ブロック化反応の反応温度は、通常50〜150℃であり、好ましくは60〜120℃である。反応時間は1〜7時間程度で行うのが好ましい。また、反応系に触媒や溶媒(芳香族炭化水素系、エステル系、エーテル系、ケトン系及びこれらの2種以上の混合溶媒等)を加えることができる。
上記一般式(I)におけるRで表される炭素原子数1〜8のアルキル基としては、メ
チル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、iso−ブチル、アミル、iso−アミル、tert−アミル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、シクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、iso−ヘプチル、tert−ヘプチル、1−オクチル、iso−オクチル、tert−オクチル等が挙げられる。
上記一般式(I)において、Rがメチル、エチル及びプロピル等の炭素原子数1〜3のアルキル基であるイソシアネート化合物が、原料の入手の容易さの点から好ましい。
また、上記一般式(I)において、aが3であり、且つbが0であるイソシアネート化合物が、密着性の点から好ましい。
上記一般式(I)中のR及びRで表される炭素原子数1〜20の炭化水素基は、特に限定されるものではないが、好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基、炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、炭素原子数4〜20のシクロアルキルアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基及び炭素原子数7〜20のアリールアルキル基等を表す。得られるブロックイソシアネートシラン化合物(A)の感度及び基材への密着性が良好なことから、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基、炭素原子数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基及び炭素原子数7〜10のアリールアルキル基等が好ましい。
上記炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、アミル、イソアミル、t−アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、t−オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル及びイコシル等が挙げられる。上記炭素原子数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、アミル、イソアミル、t−アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、t−オクチル、ノニル、イソノニル、デシル及びイソデシル等が挙げられる。
上記炭素原子数2〜20のアルケニル基としては、例えば、ビニル、2−プロペニル、3−ブテニル、2−ブテニル、4−ペンテニル、3−ペンテニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、5−ヘキセニル、2−ヘプテニル、3−ヘプテニル、4−ヘプテニル、3−オクテニル、3−ノネニル、4−デセニル、3−ウンデセニル、4−ドデセニル、3−シクロヘキセニル、2,5−シクロヘキサジエニル−1−メチル、及び4,8,12−テトラデカトリエニルアリル等が挙げられる。上記炭素原子数2〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル、2−プロペニル、3−ブテニル、2−ブテニル、4−ペンテニル、3−ペンテニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、5−ヘキセニル、2−ヘプテニル、3−ヘプテニル、4−ヘプテニル、3−オクテニル、3−ノネニル及び4−デセニル等が挙げられる。
上記炭素原子数3〜20のシクロアルキル基とは、3〜20の炭素原子を有する、飽和単環式又は飽和多環式アルキル基を意味する。上記炭素原子数3〜20のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、アダマンチル、デカハイドロナフチル、オクタヒドロペンタレン、ビシクロ[1.1.1]ペンタニル及びテトラデカヒドロアントラセニル等が挙げられる。上記炭素原子数3〜10のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、アダマンチル、デカハイドロナフチル、オクタヒドロペンタレン及びビシクロ[1.1.1]ペンタニル等が挙げられる。
上記炭素原子数4〜20のシクロアルキルアルキル基とは、アルキル基の水素原子が、シクロアルキル基で置換された4〜20の炭素原子を有する基を意味する。上記炭素原子数4〜20のシクロアルキルアルキル基としては、例えば、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘプチルメチル、シクロオクチルメチル、シクロノニルメチル、シクロデシルメチル、2−シクロブチルエチル、2−シクロペンチルエチル、2−シクロヘキシルエチル、2−シクロヘプチルエチル、2−シクロオクチルエチル、2−シクロノニルエチル、2−シクロデシルエチル、3−シクロブチルプロピル、3−シクロペンチルプロピル、3−シクロヘキシルプロピル、3−シクロヘプチルプロピル、3−シクロオクチルプロピル、3−シクロノニルプロピル、3−シクロデシルプロピル、4−シクロブチルブチル、4−シクロペンチルブチル、4−シクロヘキシルブチル、4−シクロヘプチルブチル、4−シクロオクチルブチル、4−シクロノニルブチル、4−シクロデシルブチル、3−3−アダマンチルプロピル及びデカハイドロナフチルプロピル等が挙げられる。上記炭素原子数4〜10のシクロアルキルアルキル基としては、例えば、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘプチルメチル、シクロオクチルメチル、シクロノニルメチル、2−シクロブチルエチル、2−シクロペンチルエチル、2−シクロヘキシルエチル、2−シクロヘプチルエチル、2−シクロオクチルエチル、3−シクロブチルプロピル、3−シクロペンチルプロピル、3−シクロヘキシルプロピル、3−シクロヘプチルプロピル、4−シクロブチルブチル、4−シクロペンチルブチル及び4−シクロヘキシルブチル等が挙げられる。
上記炭素原子数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル、トリル、キシリル、エチルフェニル、ナフチル、アンスリル及びフェナントレニル等、並びに、上記アルキル基、上記アルケニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子等で1つ以上置換されたフェニル、ビフェニリル、ナフチル及びアンスリル等、具体的には、4−クロロフェニル、4−カルボキシルフェニル、4−ビニルフェニル、4−メチルフェニル及び2,4,6−トリメチルフェニル等が挙げられる。上記炭素原子数6〜10のアリール基としては、例えば、フェニル、トリル、キシリル、エチルフェニル及びナフチル等、並びに上記アルキル基、上記アルケニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子等で1箇所以上置換されたフェニル、ビフェニリル、ナフチル及びアンスリル等、具体的には、4−クロロフェニル、4−カルボキシルフェニル、4−ビニルフェニル、4−メチルフェニル及び2,4,6−トリメチルフェニル等が挙げられる。
上記炭素原子数7〜20のアリールアルキル基とは、アルキル基の水素原子がアリール基で置き換えられた、7〜20個の炭素原子を有する基を意味する。例えば、ベンジル、α−メチルベンジル、α、α−ジメチルベンジル、フェニルエチル及びナフチルプロピル等が挙げられる。上記炭素原子数7〜10のアリールアルキル基としては、アルキル基の水素原子がアリール基で置き換えられた、7〜10個の炭素原子を有する基を意味し、例えば、ベンジル、α−メチルベンジル、α、α−ジメチルベンジル及びフェニルエチル等が挙げられる。
本明細書においてハロゲン原子とは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味するものとする。
上記一般式(I)中のRで表される複素環を含有する炭素原子数2〜20の基としては、特に限定されるものではないが、例えば、ピロリル、ピリジル、ピリジルエチル、ピリミジル、ピリダジル、ピペラジル、ピペリジル、ピラニル、ピラニルエチル、ピラゾリル、トリアジル、トリアジルメチル、ピロリジル、キノリル、イソキノリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、トリアゾリル、フリル、フラニル、ベンゾフラニル、チエニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、チアジアゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、イソシアヌレート、インドリル、モルフォリニル、チオモルフォリニル、2−ピロリジノン−1−イル、2−ピペリドン−1−イル、2,4−ジオキシイミダゾリジン−3−イル及び2,4−ジオキシオキサゾリジン−3−イル等が挙げられ、置換基等を含めて具体的に記載すると下記の構造を有する基等が挙げられる。
(上記式中、Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表し、Zは直接結合又は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表し、*は結合手を意味する。)
上記式中のRで表される炭素原子数1〜6のアルキル基としては、上述した炭素原子数1〜20のアルキル基として例示したものの中の炭素原子数1〜6のものを挙げることができる。
上記式中のZで表される炭素原子数1〜6のアルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン等が挙げられる。
一般式(I)中のZで表される炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、上記Rで表される炭素原子数1〜20の炭化水素基から水素原子が1つ脱離した2価の基が挙げられる。
一般式(I)中のZで表される複素環を含有する炭素原子数2〜20基としては、上記Rで表される複素環を含有する炭素原子数2〜20基から水素原子が1つ脱離した2価の基が挙げられる。
上記一般式(II)で表されるブロックイソシアネート化合物(A)は、重合性組成物の感度が高くなることから好ましい。また、上記一般式(III)で表される基を有するブロックイソシアネート化合物(A)、特に、上記一般式(II)中のXが上記一般式(III)で表される基であるブロックイソシアネート化合物(A)は、得られる重合性組成物が基材との密着性が良好なものとなることから好ましい。
一般式(II)中のX及びXで表される炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、上記Zで表される炭素原子数1〜20の炭化水素基と同じものが挙げられる。
一般式(II)中のRで表される炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、上記Rで表される炭素原子数1〜20の炭化水素基と同じものが挙げられる。
一般式(II)中のXで表される炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、上記Rで表される炭素原子数1〜20の炭化水素基から水素原子が3〜13個脱離した3〜13価の基が挙げられる。
一般式(II)中のXで表される複素環を含有する炭素原子数2〜20基としては、上記Rで表される複素環を含有する炭素原子数2〜20基から水素原子が3〜13個脱離した3〜13価の基が挙げられる。
一般式(II)中のaが2以上のブロックイソシアネート化合物(A)は、基材への密着性が良いことから好ましく、aが3のものが特に好ましい。
一般式(II)中のcが2以上のブロックイソシアネート化合物(A)は、重合性組成物に添加した場合、重合性組成物の感度が高くなることから好ましい。
本発明の重合性組成物において、上記ブロックイソシアネート化合物(A)の含有量は、本発明の重合性組成物中、0.1〜5.0質量%、特に0.1〜1.0質量%が好ましい。
<重合性化合物(B)>
本発明の重合性組成物は重合性化合物(B)を含有する。
重合性化合物(B)としては、光硬化性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂を用いることができる(但し、上記ブロックイソシアネートシラン化合物(A)を除く)。
光硬化性樹脂としては、アクリル酸エステルの重合体;エポキシ樹脂に不飽和一塩基酸を反応させて得られるもの;エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との反応物に、更に多塩基酸無水物を反応させて得られるもの;テトラカルボン酸二無水物とジアミンからなるイミド分子鎖とカルボキシル基側鎖を持つ構成単位を少なくとも1個有するポリイミド樹脂;エポキシビニルエステル樹脂の水酸基に多塩基酸無水物を反応させた構造を有する酸ペンダント型エポキシビニルエステル樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ベンゾグアナミン誘導体、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、マレイミド化合物、ベンゾオキサジン化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物、シクロカーボネート化合物、多官能オキセタン化合物、エピスルフィド樹脂等が挙げられる。
上記アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)
アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ポリ(エトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、4−(2−オキシラニルメトキシ)ブチル−2−プロペン酸エステル、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル−2−プロペン酸エステル、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル−2−プロペン酸エステル、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イルメチル−2−プロペン酸エステル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリ[(メタ)アクリロイルエチル]イソシアヌレート、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー等が挙げられる。
重合性化合物(B)としては、市販品を用いることもでき、例えば、カヤラッドDPHA、DPEA−12、PEG400DA、THE−330、RP−1040、NPGDA、PET30、R−684(以上、日本化薬社製);アロニックスM−215、M−350(以上、東亞合成製);NKエステルA−DPH、A−TMPT、A−DCP、A−HD−N、TMPT、DCP、NPG及びHD−N(以上、新中村化学工業製);SPC−1000、SPC−3000(以上、昭和電工製);WR−301(ADEKA社製)、V259ME(新日鉄住金化学)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂としては、フェノール及び/又はクレゾールノボラックエポキシ樹脂、多官能エポキシ基を有するポリフェニルメタン型エポキシ樹脂、上記一般式(IV)で表されるエポキシ化合物が挙げられる。
本発明においては、上記一般式(IV)で表されるエポキシ化合物;上記一般式(IV)で表されるエポキシ化合物と不飽和一塩基酸とをエステル化させた構造を有する不飽和化合物;及び/又は上記一般式(IV)で表されるエポキシ化合物と不飽和一塩基酸とをエステル化させた構造を有する不飽和化合物に、更に多塩基酸無水物をエステル化させた構造を有する不飽和化合物を重合性化合物(B)として用いた場合、耐熱性が高い硬化物が得られることから好ましい。
一般式(IV)中のMで表される炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、上記Zで表される炭素原子数1〜20の炭化水素基と同様である。
一般式(IV)中のR11〜R18及びR21〜R50で表される炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、上記Rで表される炭素原子数1〜20の炭化水素基と同じ基が挙げられる。
一般式(IV)中のR22〜R50で表される複素環を含有する炭素原子数2〜20基としては、上記Rで表される複素環を含有する炭素原子数2〜20基と同じ基が挙げられる。
上記一般式(IV)中のR22とR23、R23とR24、R24とR25、R25とR26、R27とR28、R28とR29、R29とR30、R35とR36、R36とR37、R37とR38、R43とR44、R44とR45、R45とR46、R47とR48、R48とR49及びR49とR50が、結合して形成する環としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロペンテン、ベンゼン、ピロリジン、ピロール、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、テトラヒドロピリジン、ラクトン環及びラクタム環等の5〜7員環並びにナフタレン及びアントラセン等の縮合環等が挙げられる。
上記不飽和一塩基酸とは、構造中に不飽和結合を有し、電離して水素イオンになることのできる水素原子を1分子あたり1個持つ酸を意味する。不飽和一塩基酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、ヒドロキシエチルメタクリレート・マレート、ヒドロキシエチルアクリレート・マレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート・マレート、ヒドロキシプロピルアクリレート・マレート、ジシクロペンタジエン・マレート等が挙げられる。
上記多塩基酸無水物とは、電離して水素イオンになることのできる水素原子を1分子あたり複数持つ多塩基酸の酸無水物を意味する。多塩基酸無水物としては、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、ビフタル酸無水物、無水マレイン酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、2,2’−3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセロールトリスアンヒドロトリメリテート、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸−無水マレイン酸付加物、ドデセニル無水コハク酸、無水メチルハイミック酸等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂、上記不飽和一塩基酸及び上記多塩基酸無水物の反応モル比は、以下の通りとすることが好ましい。
即ち、上記エポキシ樹脂のエポキシ基1個に対し、上記不飽和一塩基酸のカルボキシル基が0.1〜1.0個で付加させた構造を有するエポキシ付加物において、該エポキシ付加物の水酸基1個に対し、上記多塩基酸無水物の酸無水物構造が0.1〜1.0個となる比率となるようにするのが好ましい。
上記エポキシ樹脂、上記不飽和一塩基酸及び上記多塩基酸無水物の反応は、常法に従って行うことができる。
本発明においては、上記光硬化性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂とともに、単官能エポキシ化合物又は多官能エポキシ化合物を用いることができる。
上記単官能エポキシ化合物としては、グリシジルメタクリレート、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、イソブチルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、ペンチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、ヘプチルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、テトラデシルグリシジルエーテル、ペンタデシルグリシジルエーテル、ヘキサデシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、プロパルギルグリシジルエーテル、p−メトキシエチ
ルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、p−メトキシグリシジルエーテル、p−ブチルフェノールグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、2−メチルクレジルグリシジルエーテル、4−ノニルフェニルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、p−クミルフェニルグリシジルエーテル、トリチルグリシジルエーテル、2,3−エポキシプロピルメタクリレート、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、グリシジルブチレート、ビニルシクロヘキサンモノオキシド、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、スチレンオキシド、ピネンオキシド、メチルスチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、プロピレンオキシド、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル−2−プロペン酸エステル等が挙げられる。
上記多官能エポキシ化合物としては、ビスフェノール型エポキシ化合物及びグリシジルエーテル類からなる群から選択される1種以上の化合物を用いると、特性の一層良好な重合性組成物を得ることができるので好ましい。
上記ビスフェノール型エポキシ化合物としては、水添ビスフェノール型エポキシ化合物等のビスフェノール型エポキシ化合物も用いることができる。
また上記グリシジルエーテル類としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,8−オクタンジオールジグリシジルエーテル、1,10−デカンジオールジグリシジルエーテル、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、1,1,1−トリ(グリシジルオキシメチル)プロパン、1,1,1−トリ(グリシジルオキシメチル)エタン、1,1,1−トリ(グリシジルオキシメチル)メタン、1,1,1,1−テトラ(グリシジルオキシメチル)メタン等を用いることができる。
その他、フェノールノボラック型エポキシ化合物、ビフェニルノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ化合物等のノボラック型エポキシ化合物;3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン等の脂環式エポキシ化合物;フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等のグリシジルエステル類;テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルP−アミノフェノール、N,N−ジグリシジルアニリン等のグリシジルアミン類;1,3−ジグリシジル−5,5−ジメチルヒダントイン、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環式エポキシ化合物;ジシクロペンタジエンジオキシド等のジオキシド化合物;ナフタレン型エポキシ化合物;トリフェニルメタン型エポキシ化合物;ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物等を用いることもできる。
重合性化合物(B)として光硬化性樹脂を用いる場合、(メタ)アクリル酸エステル重合体やエポキシアクリレート樹脂を用いることが好ましい。また、重合性化合物(B)として熱硬化性樹脂を用いる場合、フェノールノボラック型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
本発明の重合性組成物において、上記重合性化合物(B)の含有量は、本発明の重合性組成物中、5〜90質量%、特に10〜70質量%が好ましい。
<重合開始剤(C)>
本発明の重合性組成物は重合開始剤(C)を含有する。
本発明の重合性組成物に用いられる重合開始剤(C)としては、ラジカル重合開始剤及びカチオン重合開始剤が挙げられる。ラジカル重合開始剤としては、光照射によりラジカルを発生する光ラジカル重合開始剤、或いは加熱によりラジカルを発生する熱ラジカル重合開始剤を用いることができ、特に制限されず従来既知の化合物を用いることが可能である。光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンジル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物などのケトン系化合物、オキシムエステル系化合物などを好ましいものとして例示することができる。
アセトフェノン系化合物としては例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ
−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ターシャリブチルジクロロアセトフェノン、p−ターシャリブチルトリクロロアセトフェノン、p−アジドベンザルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等が挙げられる。
ベンジル系化合物としては、ベンジル等が挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラーケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィドなどが挙げられる。
チオキサントン系化合物としては、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。
オキシムエステル系化合物としては、上記一般式(V)で表される基を有する化合物が挙げられる。重合開始剤(C)として上記一般式(V)で表される基を有する化合物を用いた場合、重合性組成物の感度が高くなることから好ましい。
一般式(V)中のR61〜R63で表される炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、上記Rで表される炭素原子数1〜20の炭化水素基と同じ基が挙げられる。
一般式(V)中のR61〜R62で表される複素環を含有する炭素原子数2〜20基としては、上記Rで表される複素環を含有する炭素原子数2〜20基と同じ基が挙げられる。
オキシムエステル系化合物としては、特に、下記一般式(VI)で表される化合物が、
感度及び耐熱性の点から好ましい。
(式中、R71及びR72は、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、炭素原子数1〜20の炭化水素基又は複素環を含有する炭素原子数2〜20基を表し、
73及びR74は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、R75、OR76、SR77、NR7879、COR80、SOR81、SO82又はCONR8384を表し、
75〜R84は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20の炭化水素基又は複素環を含有する炭素原子数2〜20基を表し、
83及びR84は互いに結合して環を形成している場合があり、
21は、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、CR8586、CO、NR87又はPR88を表し、
22は、単結合又はCOを表し、
85〜R88は、炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、
上記炭素原子数1〜20の炭化水素基及び複素環を含有する炭素原子数2〜20基中の水素原子の一つ又は2つ以上が、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基又は複素環基で置換されている場合があり、上記炭素原子数1〜20の炭化水素基及び複素環を含有する炭素原子数2〜20基中のメチレン基の一つ以上が−O−に置換されている場合があり、
73及びR74は、それぞれ独立に、隣接するベンゼン環と一緒になって環を形成している場合があり、
jは、0〜4の整数を表し、
kは、0〜5の整数を表す。)
一般式(VI)中のR71〜R72及びR75〜R88で表される炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、上記Rで表される炭素原子数1〜20の炭化水素基と同じ基が挙げられる。
一般式(VI)中のR71〜R72及びR75〜R84で表される複素環を含有する炭素原子数2〜20基としては、上記Rで表される複素環を含有する炭素原子数2〜20基と同じ気が挙げられる。
73及びR74が隣接するベンゼン環と一緒になって形成する環としては、例えば、カルバゾール、フルオレン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、フェノチラジン、チオキサントン、キサンテン、チオキサンテン及びジヒドロアクリジン等が挙げられる。
好ましい重合開始剤としては、例えば下記に示す化合物No.C1〜No.C17が挙げられ、上記、一般式(VI)で表される化合物としては、例えば下記に示す化合物No.C1及びNo.C3〜No.C16が挙げられる。但し、本発明は以下の化合物により何ら制限を受けるものではない。
その他のラジカル重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド系化合物及びビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)]チタニウム等のチタノセン系化合物等が挙げられる。
市販のラジカル重合開始剤としては、アデカオプトマーN−1414、N−1717、N−1919、アデカアークルズNCI−831、NCI−930(以上、ADEKA製);IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE651、IRGACURE907、IRGACURE OXE 01、IRGACURE OXE 02、IRGACURE784(以上、BASF製);TR−PBG−304、TR−PBG−305、TR−PBG−309及びTR−PBG−314(以上、Tronly製);等が挙げられる。
上記ラジカル重合開始剤は、所望の性能に応じて、1種を単独で用いることができ、2種以上を組合わせて用いることができる。
上記熱ラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(メチルイソブチレ−ト)、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)等のアゾ系開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等の過酸化物系開始剤、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩等が挙げられる。
カチオン重合開始剤としては、光照射又は加熱によりカチオン重合を開始させる物質を放出させることが可能な化合物であればどのようなものでも差し支えないが、好ましくは、オニウム塩が用いられる。
上記オニウム塩としては、例えば、[M]r+[G]r−で表される陽イオンと陰イオンの塩が挙げられる。
ここで陽イオン[M]r+はオニウムであることが好ましく、その構造は、例えば、下記一般式、[(R29Q]r+で表すことができる。
上記R29は、炭素原子数が1〜60であり、炭素原子以外の原子をいくつ含んでいてもよい有機の基である。fは1〜5なる整数である。f個のR29は各々独立で、同一でも異なっていてもよい。また、少なくとも1つは、芳香環を有する上記の如き有機の基であることが好ましい。QはS,N,Se,Te,P,As,Sb,Bi,O,I,Br,Cl,F,N=Nからなる群から選ばれる原子或いは原子団である。また、陽イオン[M]r+中のQの原子価をqとしたとき、r=f−qなる関係が成り立つことが必要である(但し、N=Nは原子価0として扱う)。
また、陰イオン[G]r−の具体例としては、一価のものとして、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、フッ化物イオン等のハロゲン化物イオン;過塩素酸イオン、塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン等の無機系陰イオン;テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラ(3,5−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)ボレート、テトラフルオロボレート、テトラアリールボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等のボレート系陰イオン;メタンスルホン酸イオン、ドデシルスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、ジフェニルアミン−4−スルホン酸イオン、2−アミノ−4−メチル−5−クロロベンゼンスルホン酸イオン、2−アミノ−5−ニトロベンゼンスルホン酸イオン、フタロシアニンスルホン酸イオン、フルオロスルホン酸イオン、トリニトロベンゼンスルホン酸陰イオン、カンファースルホン酸イオン、ノナフロロブタンスルホン酸イオン、ヘキサデカフロロオクタンスルホン酸イオン、重合性置換基を有するスルホン酸イオン、特開平10−235999、特開平10−337959、特開平11−102088、特開2000−108510、特開2000−168223、特開2001−209969、特開2001−322354、特開2006−248180、特開2006−297907、特開平8−253705号公報、特表2004−503379号公報、特開2005−336150号公報、国際公開2006/28006号公報等に記載されたスルホン酸イオン等の有機スルホン酸系陰イオン;オクチルリン酸イオン、ドデシルリン酸イオン、オクタデシルリン酸イオン、フェニルリン酸イオン、ノニルフェニルリン酸イオン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスホン酸イオン等の有機リン酸系陰イオン、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドイオン、ビスパーフルオロブタンスルホニルイミドイオン、パーフルオロ−4−エチルシクロヘキサンスルホン酸イオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸イオン、トリス(フルオロアルキルスルホニル)カルボアニオン等が挙げられ、二価のものとしては、例えば、ベンゼンジスルホン酸イオン、ナフタレンジスルホン酸イオン等が挙げられる。
本発明では、このようなオニウム塩の中でも、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等の芳香族オニウム塩を使用することが特に有効である。これらの中から、その1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
また、その他好ましいものとしては、(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル
)〔(1,2,3,4,5,6−η)−(1−メチルエチル)ベンゼン〕−アイアン−ヘキサフルオロホスフェート等の鉄−アレーン錯体や、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリス(エチルアセトナトアセタト)アルミニウム、トリス(サリチルアルデヒダト)アルミニウム等のアルミニウム錯体とトリフェニルシラノール等のシラノール類との混合物等も挙げることができる。
これらの中でも、実用面と光感度の観点から、芳香族スルホニウム塩を用いることが好ましい。
上記芳香族スルホニウム塩としては、市販のものを用いることもでき、例えば、WPAG−336、WPAG−367、WPAG−370、WPAG−469、WPAG−638(和光純薬工業社製)、CPI−100P、CPI−101A、CPI−200K、CPI−210S(サンアプロ社製)、アデカオプトマーSP−056、アデカオプトマーSP−066、アデカオプトマーSP−130、アデカオプトマーSP−140、アデカオプトマーSP−082、アデカオプトマーSP−103、アデカオプトマーSP−601、アデカオプトマーSP−606、アデカオプトマーSP−701(ADEKA社製)等が挙げられる。
本発明の重合性組成物において、上記重合開始剤(C)の含有量は、本発明の重合性組成物の固形分中、0.1〜30質量%、特に0.5〜10質量%が好ましい。上記重合開始剤の含有量が0.1質量%より小さいと、露光による硬化が不十分になる場合があり、30質量%より大きいと、樹脂組成物中に開始剤が析出する場合がある。
また、本発明の重合性組成物が重合開始剤(C)として光ラジカル重合開始剤又は光カチオン重合開始剤を含有する場合、該重合性組成物を硬化させる際に用いられる活性光の光源としては、波長300〜450nmの光を発光するものを用いることができる。具体的には、光源として、例えば、超高圧水銀、水銀蒸気アーク、カーボンアーク、キセノンアーク等を用いることができる。
本発明の重合性組成物は、更に、着色剤(D)を含有する場合がある。
上記着色剤(D)としては、例えば、顔料、染料、天然色素等が挙げられる。
上記顔料としては、例えば、ニトロソ化合物;ニトロ化合物;アゾ化合物;ジアゾ化合物;キサンテン化合物;キノリン化合物;アントラキノン化合物;クマリン化合物;フタロシアニン化合物;イソインドリノン化合物;イソインドリン化合物;キナクリドン化合物;アンタンスロン化合物;ペリノン化合物;ペリレン化合物;ジケトピロロピロール化合物;チオインジゴ化合物;ジオキサジン化合物;トリフェニルメタン化合物;キノフタロン化合物;ナフタレンテトラカルボン酸;アゾ染料、シアニン染料の金属錯体化合物;レーキ顔料;ファーネス法、チャンネル法又はサーマル法によって得られるカーボンブラック、或いはアセチレンブラック、ケッチェンブラック又はランプブラック等のカーボンブラック;上記カーボンブラックをエポキシ樹脂で調整又は被覆したもの、上記カーボンブラックを予め溶媒中で樹脂で分散処理し、20〜200mg/gの樹脂を吸着させたもの、上記カーボンブラックを酸性又はアルカリ性表面処理したもの、平均粒径が8nm以上でDBP吸油量が90ml/100g以下のもの、950℃における揮発分中のCO及びCOから算出した全酸素量が、カーボンブラックの表面積100m当たり9mg以上であるもの;黒鉛、黒鉛化カーボンブラック、ペリレンブラック、ラクタムブラック、活性炭、炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンマイクロコイル、カーボンナノホーン、カーボンエアロゲル、フラーレン;アニリンブラック、ピグメントブラック7及びチタンブラック等の黒色顔料;酸化クロム緑、ミロリブルー、コバルト緑、コバルト青、マンガン系、フェロシアン化物、リン酸塩群青、紺青、ウルトラマリン、セルリアンブルー、ピリジアン、エメラルドグリーン、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、合成鉄黒、アンバー、体質顔料等の有機又は無機顔料を用いることができる。これらの顔料は単独で、或いは複数を混合して用いることができる。
上記顔料としては、市販の顔料を用いることもでき、例えば、ピグメントレッド1、2、3、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48、49、88、90、97、112、119、122、123、144、149、166、168、169、170、171、177、179、180、184、185、192、200、202、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254;ピグメントオレンジ13、31、34、36、38、43、46、48、49、51、52、55、59、60、61、62、64、65、71;ピグメントイエロー1、3、12、13、14、16、17、20、24、55、60、73、81、83、86、93、95、97、98、100、109、110、113、114、117、120、125、126、127、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、166、168、175、180、185;ピグメントグリ−ン7、10、36;ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、22、24、56、60、61、62、64;ピグメントバイオレット1、19、23、27、29、30、32、37、40、50等が挙げられる。
上記染料としては、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、アリザリン染料、アクリジン染料スチルベン染料、チアゾール染料、ナフトール染料、キノリン染料、ニトロ染料、インダミン染料、オキサジン染料、フタロシアニン染料、シアニン染料等の染料等が挙げられ、これらは複数を混合して用いてもよい。
本発明の重合性組成物において、上記着色剤(D)の含有量は、重合性化合物(B)100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部である。
<充填剤>
本発明の重合性組成物は充填剤を含有する場合がある。充填剤として、無機充填剤又は有機充填剤を用いることができる。無機充填剤は、通常シリコーン樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物等の封止材料に配合されるものを使用することができる。例えば、溶融シリカ、溶融球状シリカ、結晶性シリカ、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、シリカゲル等のシリカ類;アルミナ、酸化鉄、三酸化アンチモン等の金属酸化物;窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素等のセラミックス;マイカやモンモリロナイト等の鉱物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物或いはこれらを有機変性処理等により改質したもの;炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩或いはこれらを有機変性処理等により改質したもの;金属ホウ酸塩、カーボンブラック等の顔料;炭素繊維、グラファイト、ウィスカ、カオリン、タルク、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスマイクロスフィア、シリカガラス、層状粘土鉱物、クレー、炭化ケイ素、石英、アルミニウム、亜鉛等が挙げられる。有機充填剤としては、アクリルビーズ、ポリマー微粒子、透明樹脂ビーズ、木粉、パルプ、木綿チップ等が挙げられる。
充填剤の中では、シリカ類、金属酸化物、金属酸塩が好ましく、結晶シリカ、タルク、硫酸バリウム、酸化チタンが特に好ましい。
本発明の重合性組成物において、上記充填剤の含有量は、重合性化合物(B)100質量部に対して、5〜500質量部、特に5〜200質量部が好ましい。
本発明の重合性組成物には、更に溶剤を加えることができる。該溶剤としては、通常、必要に応じて上記の各成分((重合性化合物(B)、及び重合開始剤(C)等)を溶解又は分散しえる溶剤、例えば、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、アセトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸シクロヘキシル、乳酸エチル、コハク酸ジメチル、テキサノール等のエステル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のセロソルブ系溶剤;メタノール、エタノール、イソ−又はn−プロパノール、イソ−又はn−ブタノール、アミルアルコール等のアルコール系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルエーテルアセテート、エトキシエチルエーテルプロピオネート等のエーテルエステル系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等のBTX系溶剤;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤;テレピン油、D−リモネン、ピネン等のテルペン系炭化水素油;ミネラルスピリット、スワゾール#310(コスモ松山石油社)、ソルベッソ#100(エクソン化学社)等のパラフィン系溶剤;四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエチレン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系溶剤;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素系溶剤;カルビトール系溶剤;アニリン;トリエチルアミン;ピリジン;酢酸;アセトニトリル;二硫化炭素;N,N−ジメチルホルムアミド;N,N−ジメチルアセトアミド;N−メチルピロリドン;ジメチルスルホキシド;水等が挙げられ、これらの溶剤は1種又は2種以上の混合溶剤として使用することができる。
これらの中でも、ケトン類、エーテルエステル系溶剤等、特にプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、シクロヘキサノン等が、感光性組成物において、レジストと重合開始剤の相溶性がよいので好ましい。
また、本発明の重合性組成物には、必要に応じて、光/熱酸発生剤;熱硬化触媒;p−アニソール、ハイドロキノン、ピロカテコール、t−ブチルカテコール、フェノチアジン等の熱重合抑制剤;可塑剤;接着促進剤;消泡剤;レベリング剤;表面調整剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;分散剤;分散助剤;凝集防止剤;触媒;潜在性硬化剤;硬化促進剤;密着促進剤;架橋剤;増粘剤等の慣用の添加物を加えることができる。
本発明の重合性組成物において、上記ブロックイソシアネートシラン化合物(A)、重合性化合物(B)、重合開始剤(C)、着色剤(D)、充填剤及び溶剤以外の任意成分の使用量は、その使用目的に応じて適宜選択され、特に制限されないが、好ましくは、ブロックイソシアネートシラン化合物(A)、重合性化合物(B)、重合開始剤(C)、着色剤及び充填剤の総量100質量部に対して合計で50質量部以下とする。
本発明の重合性組成物には、着色剤を分散させる分散剤を加えることができる。該分散剤としては、着色剤又は無機化合物を分散、安定化できるものであれば制限されず、市販の分散剤、例えば、ビックケミー社製のBYKシリーズ等を用いることができる。特に、塩基性官能基を有するポリエステル、ポリエーテル、又はポリウレタンからなる高分子分散剤、塩基性官能基として窒素原子を有し、窒素原子を有する官能基がアミン、及び/又はその四級塩であり、アミン価が1〜100mgKOH/gのものが好適に用いられる。
また、本発明の重合性組成物は、他の有機重合体を用いることによって、硬化物の特性を改善することもできる。該有機重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−エチルアクリレート重合体、ポリ(メタ)アクリル酸、スチレン−(メタ)アクリル酸重合体、(メタ)アクリル酸−メチルメタクリレート重合体、エチレン−塩化ビニル重合体、エチレン−ビニル重合体、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ウレタン樹脂、ポリカーボネートポリビニルブチラール、セルロースエステル、ポリアクリルアミド、飽和ポリエステル、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられ、これらの中でも、ポリスチレン、(メタ)アクリル酸−メチルメタクリレート重合体、エポキシ樹脂が好ましい。他の有機重合体を使用する場合、その使用量は、上記重合性化合物(B)100質量部に対して、好ましくは10〜100質量部である。
本発明の重合性組成物は、更に、連鎖移動剤、増感剤、界面活性剤、他のシランカップリング剤等を含有する場合がある。
上記連鎖移動剤又は増感剤としては、一般的に硫黄原子含有化合物が用いられる。例えばチオグリコール酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト酪酸、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン、2−メルカプトニコチン酸、3−[N−(2−メルカプトエチル)カルバモイル]プロピオン酸、3−[N−(2−メルカプトエチル)アミノ]プロピオン酸、N−(3−メルカプトプロピオニル)アラニン、2−メルカプトエタンスルホン酸、3−メルカプトプロパンスルホン酸、4−メルカプトブタンスルホン酸、ドデシル(4−メチルチオ)フェニルエーテル、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、1−メルカプト−2−プロパノール、3−メルカプト−2−ブタノール、メルカプトフェノール、2−メルカプトエチルアミン、2−メルカプトイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−3−ピリジノール、2−メルカプトベンゾチアゾール、メルカプト酢酸、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)等のメルカプト化合物、該メルカプト化合物を酸化して得られるジスルフィド化合物、ヨード酢酸、ヨードプロピオン酸、2−ヨードエタノール、2−ヨードエタンスルホン酸、3−ヨードプロパンスルホン酸等のヨード化アルキル化合物、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトイソブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトイソブチレート)、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、ブタンジオールビスチオプロピオネート、ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ブタンジオールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、トリスヒドロキシエチルトリスチオプロピオネート、ジエチルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、下記化合物No.C1、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の脂肪族多官能チオール化合物、昭和電工社製カレンズMT BD1、PE1、NR1等が挙げられる。
上記界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等のフッ素界面活性剤;高級脂肪酸アルカリ塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩等のアニオン系界面活性剤;高級アミンハロゲン酸塩、第四級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤;ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド等の非イオン界面活性剤;両性界面活性剤;シリコーン系界面活性剤等の界面活性剤を用いることができ、これらは組合わせて用いてもよい。
上記他のシランカップリング剤としては、例えば信越化学社製シランカップリング剤を用いることができ、その中でも、KBE−9007、KBM−502、KBE−403等の、イソシアネート基、メタクリロイル基又はエポキシ基を有するシランカップリング剤が好適に用いられる。
本発明の重合性組成物及び硬化物は、硬化性塗料、ワニス、硬化性接着剤、プリント基板、ディスプレイ表示装置(カラーテレビ、PCモニタ、携帯情報端末及びデジタルカメラ等のカラー表示の液晶表示パネルにおけるカラーフィルタ、種々の表示用途用のカラーフィルタ、CCDイメージセンサのカラーフィルタ、タッチパネル、電気発光表示装置、プラズマ表示パネル、有機ELの黒色隔壁)、粉末コーティング、印刷インク、印刷版、接着剤、ゲルコート、電子工学用のフォトレジスト、電気メッキレジスト、エッチングレジスト、はんだレジスト、絶縁膜、ブラックマトリクス、及びLCDの製造工程において構造を形成するためのレジスト、電気及び電子部品を封入するための組成物、ソルダーレジスト、磁気記録材料、微小機械部品、導波路、光スイッチ、めっき用マスク、エッチングマスク、カラー試験系、ガラス繊維ケーブルコーティング、スクリーン印刷用ステンシル、ステレオリトグラフィによって三次元物体を製造するための材料、ホログラフィ記録用材料、画像記録材料、微細電子回路、脱着色剤料、画像記録材料のための脱着色剤料、マイクロカプセルを使用する画像記録材料用の脱着色剤料、印刷配線板用フォトレジスト材料、UV及び可視レーザー直接画像系用のフォトレジスト材料、プリント回路基板の逐次積層における誘電体層形成に使用するフォトレジスト材料及び保護膜等の各種の用途に使用することができ、その用途に特に制限はないが、上記用途の中でもディスプレイ表示装置には、特に好適に用いることができる。
有機ELの黒色隔壁として本発明の重合性組成物を用いる場合、パターン形状の垂直化、現像密着性の向上、耐熱性が向上することから重量平均分子量5000以上のアルカリ現像性化合物を用いることが好ましく、更に好ましくは重量平均分子量7000〜15000のアルカリ現像性化合物を用いることが好ましい。更に、アルカリ現像性化合物が、上記一般式(I)で表されるエポキシ化合物に不飽和一塩基酸を付加させた構造を有するエポキシ付加化合物と、多塩基酸無水物とのエステル化反応により得られる構造を有する不飽和化合物である場合が特に好ましい。
本発明の重合性組成物を用いて硬化物を製造する方法について、以下に詳細に説明する。
本発明の重合性組成物は、スピンコーター、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター、カーテンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の手段で、ソーダガラス、石英ガラス、半導体基板、金属、紙、プラスチック等の基材上に塗布することができる。また、一旦フィルム等の基材上に施した後、他の基材上に転写することもでき、その塗布方法に制限はない。
また、重合性組成物の塗膜を基板上に形成し、該塗膜に所定のパターン形状を有するマスクを介して活性光を照射した後、露光後の被膜を現像液(特にアルカリ現像液)にて現像し、現像後の該被膜を加熱する工程によりパターニングすることもできる。
本発明の重合性組成物において、重合性化合物(B)として熱硬化性樹脂を含有している場合、例えば約140〜180℃の温度に加熱して熱硬化させることにより、上記光硬化性樹脂のカルボキシル基とエポキシ樹脂等の熱硬化性成樹脂が反応し、諸特性に優れた硬化塗膜を形成することができる。尚、熱硬化性樹脂を含有していない場合でも、熱処理することにより、露光時に未反応の状態で残った光硬化性成分のエチレン性不飽和結合が熱ラジカル重合し、塗膜特性が向上するため、目的・用途により、熱処理(熱硬化)してもよい。
また、本発明の重合性組成物を硬化させる際に用いられるエネルギー線の光源としては、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、水銀蒸気アーク灯、キセノンアーク灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光灯、タングステンランプ、エキシマーランプ、殺菌灯、発光ダイオード、CRT光源等から得られる2000オングストロームから7000オングストロームの波長を有する電磁波エネルギーや電子線、X線、放射線等の高エネルギー線を利用することができるが、好ましくは、波長300〜450nmの光を発光する超高圧水銀ランプ、水銀蒸気アーク灯、カーボンアーク灯、キセノンアーク灯等が挙げられる。
更に、露光光源にレーザー光を用いることにより、マスクを用いずに、コンピューター等のデジタル情報から直接画像を形成するレーザー直接描画法が、生産性のみならず、解像性や位置精度等の向上も図れることから有用であり、そのレーザー光としては、340〜430nmの波長の光が好適に使用されるが、エキシマーレーザー、窒素レーザー、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、ヘリウムネオンレーザー、クリプトンイオンレーザー、各種半導体レーザー及びYAGレーザー等の可視から赤外領域の光を発するものも用いられる。これらのレーザーを使用する場合には、可視から赤外の当該領域を吸収する増感色素が加えられる。
本発明の重合性組成物は、フィルム上に塗布乾燥することによりドライフィルムを形成するための感光性組成物として有用である。
ドライフィルムは、キャリアフィルムと、ソルダーレジスト層と、必要に応じて用いられる剥離可能なカバーフィルムとが、この順序に積層された構造を有するものである。ソルダーレジスト層は、アルカリ現像性の重合性組成物をキャリアフィルム又はカバーフィルムに塗布・乾燥して得られる層である。キャリアフィルムにソルダーレジスト層を形成した後に、カバーフィルムをその上に積層するか、カバーフィルムにソルダーレジスト層を形成し、この積層体をキャリアフィルムに積層すればドライフィルムが得られる。
キャリアフィルムとしては、2〜150μmの厚みのポリエステルフィルム等の熱可塑性フィルムが用いられる。
ソルダーレジスト層は、重合性組成物をブレードコーター、リップコーター、コンマコーター、フィルムコーター等でキャリアフィルム又はカバーフィルムに5〜100μmの厚さで均一に塗布し乾燥して形成される。
カバーフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等を使用することができるが、ソルダーレジスト層との接着力が、キャリアフィルムよりも小さいものが良い。
ドライフィルムを用いてプリント配線板上にソルダーレジスト膜を作製するには、カバーフィルムを剥がし、ソルダーレジスト層と回路形成された基材を重ね、ラミネーター等を用いて張り合わせ、回路形成された基材上にソルダーレジスト層を形成する。形成されたソルダーレジスト層に対し、上記と同様に露光、現像、加熱硬化すれば、硬化塗膜を形成することができる。キャリアフィルムは、露光前又は露光後の何れかに剥離すればよい。
以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。
[製造例1]ブロックイソシアネートシラン化合物No.1の合成
四ツ口フラスコ中に、窒素雰囲気化において下記ブロック化剤No.1を0.1mol仕込み、温度を35℃に調整した後、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン0.1molを温度が40℃以上に上がらないようコントロールしながら滴下した。その後、内温40℃で1時間撹拌した。IRでイソシアネート基のピークが消失したことを確認し、下記ブロックイソシアネートシランNo.1を得た。
[製造例2]ブロックイソシアネートシランNo.2の合成
ブロック化剤No.1の代わりにペンタエリスリトールトリアクリレートを用いた以外は、[製造例1]と同様の操作を行い、ブロックイソシアネートシランNo.2を得た。
[製造例3]重合性化合物B−1PGMEA溶液の調製
1,1−ビス〔4−(2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニル〕インダンの184g、アクリル酸58g、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.26g、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド0.11g及びPGMEA105gを仕込み、120℃で16時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、PGMEA160g、ビフタル酸無水物59g及びテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド0.24gを加えて、120℃で4時間撹拌した。更に、テトラヒドロ無水フタル酸20gを加え、120℃で4時間、100℃で3時間、80℃で4時間、60℃で6時間、40℃で11時間撹拌した後、PGMEA128gを加えて、PGMEA溶液として重合性化合物B−1を得た(Mw=5000、Mn=2100、酸価(固形分換算)92.7mgKOH/g)。
[製造例4]重合性化合物B−2PGMEA溶液の製造
9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン75.0g、アクリル酸23.8g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.273g、テトラブチルアンモニウムクロリド0.585g、及びPGMEA65.9gを仕込み、90℃で1時間、100℃で1時間、110℃で1時間及び120℃で14時間撹拌した。室温まで冷却し、無水コハク酸25.9g、テトラブチルアンモニウムクロリド0.427g、及びPGMEA1.37gを加えて、100℃で5時間撹拌した。更に、9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン30.0g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.269g、及びPGMEA1.50gを加えて、90℃で90分、120℃で4時間撹拌後、PGMEA122.2gを加えて、PGMEA溶液として目的物である重合性化合物B−2を得た(Mw=4190、Mn=2170,酸価(固形分換算)52mg・KOH/g)
[製造例5]カーボンブラックNo.1の製造
MA100(三菱化学社製カーボンブラック)150g及びペルオキソ2硫酸ナトリウム脱イオン水溶液(濃度2.0N)3000mlを混合し、60℃で10時間撹拌した。ろ過し、得られたスラリーを水酸化ナトリウムで中和し、ダイアフィルトレーションにより処理し、得られた固体を75℃で一晩乾燥し、黒色粉末としてカーボンブラックNo.1を得た。
[製造例6]カーボンブラック分散液No.1の製造
カーボンブラックNo.1を16g、重合性化合物B−1PGMEA溶液を3.6g、DISPERBYK−161(ビックケミー製、分散剤)を2.4g及びPGMEAを78g、それぞれ秤量して合わせ、ビーズミルにより処理して、カーボンブラック分散液No.1を得た。
[実施例1〜6及び比較例1〜4]重合性組成物の調製
[表1]及び[表2]の配合に従って各成分を混合し、重合性組成物(実施例1〜6及び比較例1〜4)を得た。尚、表中の配合の数値は質量部を表す。また、表中の符号は、下記の成分を表す。
A−1:ブロックイソシアネートシラン化合物No.1
A−2:ブロックイソシアネートシラン化合物No.2
A−3:KBE−9007(信越シリコーン社製)
A−4:KBM−5103(信越シリコーン社製)
A−5:KBM−503 (信越シリコーン社製)
A−6:KBM−403 (信越シリコーン社製)
B−1:重合性化合物B−1PGMEA溶液(固形分45%)
B−2:重合性化合物B−2PGMEA溶液(固形分45%)
B−3:カヤラッドDPHA(日本化薬社製)
C−1:化合物No.C9
C−2:化合物No.C15
D−1:カーボンブラック分散液No.1(固形分20%PGMEA分散液)
E−1:PGMEA
実施例1〜6及び比較例1〜4で調製した重合性化合物について下記の評価を行った。評価結果を[表1]及び[表2]に併記する。
<シール強度>
ガラス基板上に上記重合性組成物をスピンコート(500rpm、10秒間)し乾燥させた後、100℃で100秒間プリベークを行った。光源として超高圧水銀ランプを用いて露光後した後、230℃で30分間ベークすることで樹脂製ブラックマトリクス層のあるガラス基板を得た。ガラス基板に6mmx3.5mmの面積で熱硬化接着剤(シール剤:三井化学社製XN−21S)を塗布し、樹脂製ブラックマトリクス層のあるガラス基板と、ブラックマトリクス層が接着面となるように貼りあわせ、接着剤を硬化させた。貼りあわされた基板を120℃、2atm、相対湿度100%の条件の高温高湿装置内に5時間静置した。このサンプルについて島津製EZ−Graphにて3点支持曲げ試験を実施し、密着強度を測定した。
<碁盤目試験>
ガラス基板上に上記重合性組成物をスピンコート(500rpm、10秒間)し乾燥させた後、100℃で100秒間プリベークを行った。光源として超高圧水銀ランプを用いて露光後した後、230℃で30分間ベークすることで樹脂製ブラックマトリクス層のあるガラス基板を得た。得られた樹脂製ブラックマトリクス層のある基板を120℃、2atm、相対湿度100%の条件にて高温高湿装置内に5時間静置した。JIS K5600−5−6に従って、カッターにて黒色層に1mmのマスを100個作成した。その上にポリイミドテープを貼り付け、黒色層がハガレ割合を観察した。全くハガレなかったものを○、部分的にハガレたものを△、全てハガレたものを×とした。
<保存安定性>
上記重合性組成物をスクリュー管瓶に充填し、40℃において3日間静置した。静置後のレジスト液の粘度を測定し、粘度変化が5%以内であれば○、5%以上あるものを×とした。
<OD値>
基板上に上記重合性組成物をスピンコート(500rpm、10秒間)し乾燥させた後、100℃で100秒間プリベークを行った。光源として超高圧水銀ランプを用いて露光後した後、230℃で30分間ベークして硬化物を作成した。得られた膜のOD値を、マクベス透過濃度計を用いて測定し、該OD値をポストベイク後の厚さで割って、1μmあたりのOD値を算出した。
1μmあたりのOD値が3.5以上の硬化物はブラックマトリクスとして使用することができ、厚さあたりのOD値が4.0以上の硬化物はブラックマトリクスとして好ましく使用することができる。
<感度>
(感度)
マスク開口6μmのフォトマスクを用いて、露光量を10mJ/cm〜100mJ/cmの間において10mJ/cm間隔で現像を行い、現像後のパターンが6μm以上となった部分を感度とし、露光量が40cJ/cm以下のものをブラックマトリクスとして好ましく使用することができる。
[表1]及び[表2]から明らかなように、実施例1〜6の重合性組成物は、保存安定性に優れ、感度が高く、且つ、重合性組成物を用いて得られる硬化物は、基材への接着力、密着力に優れることは明らかである。
それに対して、比較例1〜3の重合性組成物又は硬化物は、保存安定性、感度、基材への接着力、密着力の全てにおいて優れるものはなかった。
よって、本発明の重合性組成物は、ディスプレイ表示装置などの部材として好適に用いられることは明らかである。

Claims (10)

  1. 下記一般式(I)で表されるイソシアネート化合物とブロック化剤とを反応させて得られる構造を有するブロックイソシアネートシラン化合物(A)、重合性化合物(B)及び重合開始剤(C)を含有する重合性組成物。
    (式中、Rは、水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、
    は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、又は複素環を含有する炭素原子数2〜20の基を表し、
    は、炭素原子数1〜20の炭化水素基、又は複素環を含有する炭素原子数2〜20の基を表し、Zで表される基中のメチレン基の1つ又は2つ以上は、酸素が隣り合わない条件で、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NR−、−NRCO−、−S−、−CS−、−SO−、−SCO−、−COS−、−OCS−又はCSO−に置換される場合があり、
    は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、
    aは1〜3の数であり、a≧2の場合、複数存在するRは同一である場合があり、異なる場合があり、
    bは0〜2の数を表し、b=2の場合、複数存在するRは、同一である場合があり、異なる場合があり、
    a+b=3である。)
  2. ブロックイソシアネートシラン化合物(A)が下記一般式(II)で表される化合物である請求項1に記載の重合性組成物。
    (式中、R、R、a、b及びZは上記一般式(I)と同様であり、
    は、水素原子又はメチル基を表し、
    及びXは、それぞれ独立に、直接結合又は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、
    は、炭素原子数1〜20の炭化水素基、又は複素環を含有する炭素原子数2〜20の基を表し、
    、X及びXで表される基中のメチレン基の1つ又は2つ以上は、酸素が隣り合わない条件で、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NR−、−NRCO−、−S−、−CS−、−SO−、−SCO−、−COS−、−OCS−又はCSO−に置換される場合があり、
    Yは、酸素原子、硫黄原子、又は−NR−を表し、
    は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、
    cは、2〜10の数を表し、
    c≧2の場合、複数存在するRは、同一の場合があり異なる場合があり、
    dは、1〜3の数を表し、
    d≧2の場合、R、R、X及びZは、それぞれ、同一の場合があり、異なる場合がある。)
  3. ブロックイソシアネートシラン化合物(A)が下記一般式(III)で表される基を有するブロックイソシアネートシラン化合物である請求項1又は2に記載の重合性組成物。
    (式中の*は、一般式(III)で表される基が、*部分で、隣接する基と結合することを意味する。)
  4. 上記重合性化合物(B)が、
    下記一般式(IV)で表されるエポキシ化合物、
    下記一般式(IV)で表されるエポキシ化合物と不飽和一塩基酸とをエステル化させた構造を有する不飽和化合物、又は
    下記一般式(IV)で表されるエポキシ化合物と不飽和一塩基酸とをエステル化させた構造を有する不飽和化合物に、更に多塩基酸無水物をエステル化させた構造を有する不飽和化合物
    である請求項1〜3の何れか一項に記載の重合性組成物。
    (式中、Mは直接結合、炭素原子数1〜20の炭化水素基、−O−、−S−、−SO−、−SS−、−SO−、−CO−、−OCO−、又は下記式(a)、(b)、(c)及び(d)からなる群から選ばれる置換基を表し、
    Mで表される炭素原子数1〜20の炭化水素基中の1つ又は2つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換される場合があり、
    11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基又はハロゲン原子を表し、
    11〜R18で表される基中のメチレン基は、酸素が隣り合わない条件で、−O−に置換されている場合があり、
    nは0〜10の数を表し、
    nが0でない場合、複数存在するR11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18及びMは、それぞれ、同一である場合があり、異なる場合がある。)
    (式中、R21は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、
    22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、R40、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、R48、R49及びR50は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、複素環を含有する炭素原子数2〜20の基、又はハロゲン原子を表し、
    22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、R40、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、R48、R49及びR50で表される基中のメチレン基の1つ又は2つ以上は、酸素が隣り合わない条件で、−O−又は−S−に置換される場合があり、
    22とR23、R23とR24、R24とR25、R25とR26、R27とR28、R28とR29、R29とR30、R35とR36、R36とR37、R37とR38、R43とR44、R44とR45、R45とR46、R47とR48、R48とR49及びR49とR50は結合して環を形成する場合があり、
    式中の*は、(a)、(b)、(c)及び(d)で表される基が、*部分で隣接する基と結合することを意味する。)
  5. 重合開始剤(C)が、下記一般式(V)で表される基を有する化合物である請求項1〜4の何れか一項に記載の重合性組成物。
    (式中、R61及びR62は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数1〜20の炭化水素基又は複素環を含有する炭素原子数2〜20の基を表し、
    61及びR62で表される基中の水素原子の1つ又は2つ以上はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、メタクリロイル基、アクリロイル基、エポキシ基、ビニル基、ビニルエーテル基、メルカプト基、イソシアネート基又は複素環を含有する炭素原子数2〜20の基で置換されている場合があり、
    61及びR62で表される基中のメチレン基の1つ又は2つ以上は、酸素が隣り合わない条件で、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NR63−、−NR63CO−、−S−、−CS−、−SO−、−SCO−、−COS−、−OCS−又はCSO−に置換される場合があり、
    63は、水素原子又は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、
    mは0又は1を表し、
    式中の*は、一般式(V)で表される基が、*部分で、隣接する基と結合することを意味する。)
  6. 更に着色剤(D)を含有する請求項1〜5の何れか一項に記載の重合性組成物。
  7. 請求項1〜6に記載の何れか一項に重合性組成物を含有するブラックマトリクス用感光性組成物。
  8. 請求項1〜6の何れか一項に記載の重合性組成物又は請求項7に記載のブラックマトリクス用感光性組成物を光又は熱によって硬化させる、硬化物の製造方法。
  9. 請求項1〜6の何れか一項に記載の重合性組成物又は請求項7に記載のブラックマトリクス用感光性組成物の硬化物。
  10. 請求項9に記載の硬化物を含有するカラーフィルタ。

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