JP2016145866A - 感光性ソルダーレジスト組成物 - Google Patents

感光性ソルダーレジスト組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】保存安定性がよく、高い耐湿熱性を有する感光性ソルダーレジスト組成物を提供すること
【解決手段】(A)下記一般式(I)で表されるイソシアネート化合物とブロック化剤を反応させて得られるブロックイソシアネートシラン、(B)硬化性樹脂、(C)希釈剤、(D)重合開始剤及び(E)充填剤を含有する感光性ソルダーレジスト組成物。
Figure 2016145866

(式中、R1は、炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、nは1〜10の数であり、aは1〜3の数であり、bは0〜2の数であり、a+b=3である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性ソルダーレジスト組成物、並びに感光性ソルダーレジスト組成物から得られるドライフィルム及びプリント配線板に関する。
近年、プリント配線基板において高密度化が求められ、それに伴いソルダーレジストの需要が増加している。ソルダーレジストのうち、感光性であるものは、生産性が重視される分野においてよく用いられている。
特許文献1には、プリント配線板製造工程等において好適に用いられるフォトソルダーレジストにシランカップリング剤を含有させる旨が開示されている。また、特許文献2〜4には、特定の構造を有するブロックイソシアネートシランからなるシランカップリング剤が開示されている。しかし、これらの特許文献には、これらのシランカップリング剤をソルダーレジストに用いることは記載も示唆もされていない。
特開平7−146553号公報 特開平08−291186号公報 特開平10−067787号公報 特開2009−144255号公報
本発明の目的は、保存安定性がよく、高い耐湿熱性を有する感光性ソルダーレジスト組成物を提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、シランカップリング剤としてブロックイソシアネートシランを含有する感光性ソルダーレジスト組成物が、上記目的を達成しうることを知見し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、(A)下記一般式(I)で表されるイソシアネート化合物とブロック化剤とを反応させて得られるブロックイソシアネートシラン、(B)硬化性樹脂、(C)希釈剤、(D)重合開始剤及び(E)充填剤を含有する感光性ソルダーレジスト組成物を提供するものである。
Figure 2016145866
(式中、R1は、炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、nは1〜10の数であり、aは1〜3の数であり、bは0〜2の数であり、a+b=3である。)
また、本発明は、上記感光性ソルダーレジスト組成物をフィルム上に塗布し、乾燥させて得られるドライフィルムを提供するものである。
また、本発明は、上記感光性ソルダーレジスト組成物を基材上に塗布し、エネルギー線を照射して得られる硬化物を具備すること特徴とするプリント配線板を提供するものである。
更に、本発明は、上記ドライフィルムを基材上にラミネートし、エネルギー線を照射して得られる硬化物を具備することを特徴とするプリント配線板を提供するものである。
本発明の感光性ソルダーレジスト組成物に用いられるブロックイソシアネートシランは、加熱によりイソシアネート基が生成するため、感光性ソルダーレジスト組成物に用いた場合、接着強度や絶縁性といった耐湿熱性が高くなる。したがって、本発明の感光性ソルダーレジスト組成物は、ソルダーレジストとして有用である。
以下、本発明の感光性ソルダーレジスト組成物について、好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
本発明の感光性ソルダーレジスト組成物は、(A)上記一般式(I)で表されるイソシアネート化合物とブロック化剤とを反応させて得られるブロックイソシアネートシラン、(B)硬化性樹脂、(C)希釈剤、(D)重合開始剤及び(E)充填剤を含有する。以下、各成分について順に説明する。
<(A)上記一般式(I)で表されるイソシアネート化合物とブロック化剤とを反応させて得られるブロックイソシアネートシラン>
上記一般式(I)におけるR1で表される炭素原子数1〜8のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、iso−ブチル、アミル、iso−アミル、tert−アミル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、シクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、iso−ヘプチル、tert−ヘプチル、1−オクチル、iso−オクチル、tert−オクチル等が挙げられる。
上記一般式(I)において、R1がメチル、エチル又はプロピルであるのが、原料入手の容易さの点から好ましい。
また、nが2〜4であるのが、沸点の点から好ましい。沸点は、プリベーク温度やポストベーク温度より高いことが好ましい。
また、aが3であり、bが0であるのが、密着性の点から好ましい。
本発明で用いられるブロックイソシアネートシランを得るために用いられるブロック化剤としては、従来用いられているものを用いることができる。例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル等のカルボン酸エステル類、:マロン酸、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル(アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等)等の活性メチレン化合物;ホルムアミドオキシム、アセトアミドオキシム、アセトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、メチルエチルケトオキシム(MEKオキシム)、メチルイソブチルケトオキシム(MIBKオキシム)、ジメチルケトオキシム、ジエチルケトオキシム等のオキシム化合物;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、ヘプタノール、ヘキサノール、オクタノール、イソノニルアルコール、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール等の一価アルコール又はこれらの異性体;メチルグリコール、エチルグリコール、エチルジグリコール、エチルトリグリコール、ブチルグリコール、ブチルジグリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、等のグリコール誘導体;フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ニトロフェノール、クロロフェノール等のフェノール類又はこれらの異性体:乳酸メチル、乳酸アミル等の水酸基含有エステル;ジブチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−tert−ブチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール等のアミン化合物;エチレンイミン、ポリエチレンイミン等のイミン化合物;モノメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリエチルエタノールアミン等のアルコールアミン;α−ピロリドン、β−ブチロラクタム、β−プロピオラクタム、γ−ブチロラクタム、δ−バレロラクタム、ε−カプロラクタム等のラクタム類;ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類;イミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミダゾール類;アセトアニリド、アクリルアミド、酢酸アミド、ダイマー酸アミド等の酸アミド類;コハク酸イミド、マレイン酸イミド、フタル酸イミド等の酸イミド類;尿素、チオ尿素、エチレン尿素等の尿素化合物;ベンゾトリアゾール類;3,5−ジメチルピラゾール等のピラゾール類等が挙げられ、これらは1種を単独で用いることができ、又は2種以上を併用することができる。
上記ブロック化剤のうち、解離温度が100〜200℃であるものが、プリベーク時には安定して存在し、ポストベーク時に反応する点から好ましく、中でもオキシム化合物が好ましく、特にホルムアミドオキシム、アセトアミドオキシム、アセトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、メチルエチルケトオキシム(MEKオキシム)、メチルイソブチルケトオキシム(MIBKオキシム)、ジメチルケトオキシム、ジエチルケトオキシムが好ましく、メチルエチルケトオキシムが最も好ましい。
上記ブロックイソシアネートシランを得るためのブロック化反応は、公知の反応方法により行われる。ブロック化剤の添加量は、遊離のイソシアネート基1当量に対し、通常1〜2当量、好ましくは1.05〜1.5当量である。ブロック化反応の反応温度は、通常50〜150℃であり、好ましくは60〜120℃である。反応時間は1〜7時間程度で行うのが好ましい。また、触媒や溶媒(芳香族炭化水素系、エステル系、エーテル系、ケトン系及びこれらの2種以上の混合溶媒等)を加えてもよい。
本発明の感光性ソルダーレジスト組成物において、(A)上記一般式(I)で表されるイソシアネート化合物とブロック化剤とを反応させて得られるブロックイソシアネートシランの含有量は、本発明の感光性ソルダーレジスト組成物中、固形分換算で0.1〜30質量%、特に0.5〜10質量%が好ましい。上記(A)上記一般式(I)で表されるイソシアネート化合物とブロック化剤とを反応させて得られるブロックイソシアネートシランの含有量が0.1質量%より小さいと、密着性が不十分になる場合があり、30質量%より大きいと、感光性ソルダーレジスト組成物に(A)上記一般式(I)で表されるイソシアネート化合物とブロック化剤を反応させて得られるブロックイソシアネートシランが析出する場合がある。
<(B)硬化性樹脂>
(B)硬化性樹脂としては、光硬化性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂を用いることができる。
光硬化性樹脂としては、アクリル酸エステルの共重合体;エポキシ樹脂に不飽和一塩基酸を反応させて得られるもの;エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との反応物に、さらに多塩基酸無水物を反応させて得られるもの;テトラカルボン酸二無水物とジアミンからなるイミド分子鎖とカルボキシル基側鎖をもつ構成単位を少なくとも1 個有するポリイミド樹脂;エポキシビニルエステル樹脂の水酸基に多塩基酸無水物を反応させた構造を有する酸ペンダント型エポキシビニルエステル樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ベンゾグアナミン誘導体、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、マレイミド化合物、ベンゾオキサジン化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物、シクロカーボネート化合物、多官能オキセタン化合物、エピスルフィド樹脂等が挙げられる。
上記アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチル、 (メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ポリ(エトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、4−(2−オキシラニルメトキシ)ブチル−2−プロペン酸エステル、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル−2−プロペン酸エステル、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル−2−プロペン酸エステル、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イルメチル−2−プロペン酸エステル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリ[(メタ)アクリロイルエチル]イソシアヌレート、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂としては、フェノール及び/又はクレゾールノボラックエポキシ樹脂、多官能エポキシ基を有するポリフェニルメタン型エポキシ樹脂、下記一般式(II)で表されるエポキシ化合物が挙げられる。
Figure 2016145866
(式中、X1は直接結合、メチレン基、炭素原子数1〜4のアルキリデン基、炭素原子数3〜20の脂環式炭化水素基、O、S、SO2、SS、SO、CO、OCO又は下記(a)〜(c)で表される基を表し、上記アルキリデン基はハロゲン原子で置換されていてもよく、R51、R52、R53及びR54は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又はハロゲン原子を表し、上記アルキル基、アルコキシ基及びアルケニル基はハロゲン原子で置換されていてもよく、mは0〜10の整数であり、mが0で無いときに存在する光学異性体は、どの異性体でもよい。)
Figure 2016145866
(式中、Z3は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基若しくは炭素原子数1〜10のアルコキシ基により置換されていてもよいフェニル基、又は炭素原子数1〜10のアルキル基若しくは炭素原子数1〜10のアルコキシ基により置換されていてもよい炭素原子数3〜10のシクロアルキル基を示し、Y1は炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基又はハロゲン原子を示し、上記アルキル基、アルコキシ基及びアルケニル基はハロゲン原子で置換されていてもよく、dは0〜5の整数である。)
Figure 2016145866
Figure 2016145866
(式中、Y2及びZ4は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数6〜20のアリールチオ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数6〜20のアリールアルケニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数2〜20の複素環基、又はハロゲン原子を表し、上記アルキル基及びアリールアルキル基中のアルキレン部分は、不飽和結合、−O−又は−S−で中断されていてもよく、Z4は、隣接するZ4同士で環を形成していてもよく、pは0〜4の整数を表し、qは0〜8の整数を表し、rは0〜4の整数を表し、sは0〜4の整数を表し、rとsの数の合計は2〜4の整数である。)
上記不飽和一塩基酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、ヒドロキシエチルメタクリレート・マレート、ヒドロキシエチルアクリレート・マレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート・マレート、ヒドロキシプロピルアクリレート・マレート、ジシクロペンタジエン・マレート等が挙げられる。
上記多塩基酸無水物としては、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、ビフタル酸無水物、無水マレイン酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、2,2’−3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセロールトリスアンヒドロトリメリテート、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸−無水マレイン酸付加物、ドデセニル無水コハク酸、無水メチルハイミック酸等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂、上記不飽和一塩基酸及び上記多塩基酸無水物の反応モル比は、以下の通りとすることが好ましい。
即ち、上記エポキシ樹脂のエポキシ基1個に対し、上記不飽和一塩基酸のカルボキシル基が0.1〜1.0個で付加させた構造を有するエポキシ付加物において、該エポキシ付加物の水酸基1個に対し、上記多塩基酸無水物の酸無水物構造が0.1〜1.0個となる比率となるようにするのが好ましい。
上記エポキシ樹脂、上記不飽和一塩基酸及び上記多塩基酸無水物の反応は、常法に従って行なうことができる。
上記光硬化性樹脂とともに、単官能エポキシ化合物或いは多官能エポキシ化合物を用いることができる。
上記単官能エポキシ化合物としては、グリシジルメタクリレート、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、イソブチルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、ペンチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、ヘプチルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、テトラデシルグリシジルエーテル、ペンタデシルグリシジルエーテル、ヘキサデシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、プロパルギルグリシジルエーテル、p−メトキシエチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、p−メトキシグリシジルエーテル、p−ブチルフェノールグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、2−メチルクレジルグリシジルエーテル、4−ノニルフェニルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、p−クミルフェニルグリシジルエーテル、トリチルグリシジルエーテル、2,3−エポキシプロピルメタクリレート、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、グリシジルブチレート、ビニルシクロヘキサンモノオキシド、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、スチレンオキシド、ピネンオキシド、メチルスチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、プロピレンオキシド、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル−2−プロペン酸エステル等が挙げられる。
上記多官能エポキシ化合物としては、ビスフェノール型エポキシ化合物及びグリシジルエーテル類からなる群から選択される一種以上の化合物を用いると、特性の一層良好な感光性ソルダーレジスト組成物を得ることができるので好ましい。
上記ビスフェノール型エポキシ化合物としては、上記一般式(III)で表されるエポキシ樹脂を用いることができる他、例えば、水添ビスフェノール型エポキシ化合物等のビスフェノール型エポキシ化合物も用いることができる。
また上記グリシジルエーテル類としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,8−オクタンジオールジグリシジルエーテル、1,10−デカンジオールジグリシジルエーテル、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、1,1,1−トリ(グリシジルオキシメチル)プロパン、1,1,1−トリ(グリシジルオキシメチル)エタン、1,1,1−トリ(グリシジルオキシメチル)メタン、1,1,1,1−テトラ(グリシジルオキシメチル)メタン等を用いることができる。
その他、フェノールノボラック型エポキシ化合物、ビフェニルノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ化合物等のノボラック型エポキシ化合物;3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン等の脂環式エポキシ化合物;フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等のグリシジルエステル類;テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルP−アミノフェノール、N,N−ジグリシジルアニリン等のグリシジルアミン類;1,3−ジグリシジル−5,5−ジメチルヒダントイン、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環式エポキシ化合物;ジシクロペンタジエンジオキシド等のジオキシド化合物;ナフタレン型エポキシ化合物;トリフェニルメタン型エポキシ化合物;ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物等を用いることもできる。
(B)硬化性樹脂として、光硬化性樹脂では、(メタ)アクリル酸エステル共重合体や、エポキシアクリレート樹脂が好ましく、また熱硬化性樹脂では、フェノールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
本発明の感光性ソルダーレジスト組成物において、上記(B)硬化性樹脂の含有量は、本発明の感光性ソルダーレジスト組成物中、5〜90質量%、特に10〜70質量%が好ましい。
<(C)希釈剤>
(C)希釈剤としては、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸ステアリル 、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸亜鉛、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ターシャリーブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ビスフェノールZジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の不飽和を有するモノマーを用いることができる。
(C)希釈剤の中では、多官能(メタ)アクリレートの官能基数が2〜10であるものが好ましく、官能基数が2〜6であるものが特に好ましい。
本発明の感光性ソルダーレジスト組成物において、上記(C)希釈剤の含有量は(B)硬化性樹脂100質量部に対して、5〜100質量部、特に10〜40質量部が好ましい。
<(D)重合開始剤>
本発明の感光性ソルダーレジスト組成物に用いられる重合開始剤(D)には、ラジカル開始剤とカチオン重合開始剤がある。ラジカル重合開始剤としては、光照射によりラジカルを発生する光ラジカル重合開始剤、あるいは加熱によりラジカルを発生する熱ラジカル重合開始剤を用いることができ、特に制限されず従来既知の化合物を用いることが可能である。光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンジル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物などのケトン系化合物、オキシムエステル系化合物などを好ましいものとして例示することができる。
アセトフェノン系化合物としては例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4'−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ターシャリブチルジクロロアセトフェノン、p−ターシャリブチルトリクロロアセトフェノン、p−アジドベンザルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等が挙げられる。
ベンジル系化合物としては、ベンジル等が挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラーケトン、4,4'−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルスルフィドなどが挙げられる。
チオキサントン系化合物としては、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。
オキシムエステル系化合物としては、特に、下記一般式(III)で表される化合物が、感度及び耐熱性の点から好ましい。
Figure 2016145866
(式中、R61及びR62は、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環基を表し、
63及びR64は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、R65、OR66、SR67、NR6869、COR70、SOR71、SO272又はCONR7374を表し、R63及びR64は、互いに結合して環を形成していてもよく、
65、R66、R67、R68、R69、R70、R71、R72、R73及びR74は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環基を表し、
2は、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、CR7576、CO、NR77又はPR78を表し、
3は、単結合又はCOを表し、
75、R76、R77及びR78は炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基又は炭素原子数7〜30のアリールアルキル基を表し、該アルキル基又はアリールアルキル基中のメチレン基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基又は複素環基で置換されていてもよく、−O−で中断されていてもよく、
63及びR64は、それぞれ独立に、隣接するどちらかのベンゼン環と一緒になって環を形成していてもよく、
aは、0〜4の整数を表し、
bは、0〜5の整数を表す。)
その他の光ラジカル重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド系化合物、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)]チタニウム等のチタノセン系化合物等が挙げられる。
これらの重合開始剤は1種あるいは2種以上のものを所望の性能に応じて配合して使用することができる。
上記熱ラジカル重合開始剤としては、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(メチルイソブチレ−ト)、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)等のアゾ系開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等の過酸化物系開始剤、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩等が挙げられる。
カチオン重合開始剤としては、光照射又は加熱によりカチオン重合を開始させる物質を放出させることが可能な化合物であればどのようなものでも差し支えないが、好ましくは、オニウム塩が用いられる。
上記オニウム塩としては、例えば、[M]r+[G]r-で表される陽イオンと陰イオンの塩が挙げられる。
ここで陽イオン[M]r+はオニウムであることが好ましく、その構造は、例えば、下記一般式、[(R29fQ]r+で表すことができる。
上記R29は、炭素原子数が1〜60であり、炭素原子以外の原子をいくつ含んでいてもよい有機の基である。fは1〜5なる整数である。f個のR29は各々独立で、同一でも異なっていてもよい。また、少なくとも1つは、芳香環を有する上記の如き有機の基であることが好ましい。QはS,N,Se,Te,P,As,Sb,Bi,O,I,Br,Cl,F,N=Nからなる群から選ばれる原子あるいは原子団である。また、陽イオン[M]r+中のQの原子価をqとしたとき、r=f−qなる関係が成り立つことが必要である(但し、N=Nは原子価0として扱う)。
また、陰イオン[G]r-の具体例としては、一価のものとして、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、フッ化物イオン等のハロゲン化物イオン;過塩素酸イオン、塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン等の無機系陰イオン;テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラ(3,5−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)ボレート、テトラフルオロボレート、テトラアリールボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等のボレート系陰イオン;メタンスルホン酸イオン、ドデシルスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、ジフェニルアミン−4−スルホン酸イオン、2−アミノ−4−メチル−5−クロロベンゼンスルホン酸イオン、2−アミノ−5−ニトロベンゼンスルホン酸イオン、フタロシアニンスルホン酸イオン、フルオロスルホン酸イオン、トリニトロベンゼンスルホン酸陰イオン、カンファースルホン酸イオン、ノナフロロブタンスルホン酸イオン、ヘキサデカフロロオクタンスルホン酸イオン、重合性置換基を有するスルホン酸イオン、特開平10−235999、特開平10−337959、特開平11−102088、特開2000−108510、特開2000−168223、特開2001−209969、特開2001−322354、特開2006−248180、特開2006−297907、特開平8−253705号公報、特表2004−503379号公報、特開2005−336150号公報、国際公開2006/28006号公報等に記載されたスルホン酸イオン等の有機スルホン酸系陰イオン;オクチルリン酸イオン、ドデシルリン酸イオン、オクタデシルリン酸イオン、フェニルリン酸イオン、ノニルフェニルリン酸イオン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスホン酸イオン等の有機リン酸系陰イオン、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドイオン、ビスパーフルオロブタンスルホニルイミドイオン、パーフルオロ−4−エチルシクロヘキサンスルホン酸イオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸イオン、トリス(フルオロアルキルスルホニル)カルボアニオン等が挙げられ、二価のものとしては、例えば、ベンゼンジスルホン酸イオン、ナフタレンジスルホン酸イオン等が挙げられる。
本発明では、このようなオニウム塩の中でも、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等の芳香族オニウム塩を使用することが特に有効である。これらの中から、その1種を単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
また、その他好ましいものとしては、(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)〔(1,2,3,4,5,6−η)−(1−メチルエチル)ベンゼン〕−アイアン−ヘキサフルオロホスフェート等の鉄−アレーン錯体や、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリス(エチルアセトナトアセタト)アルミニウム、トリス(サリチルアルデヒダト)アルミニウム等のアルミニウム錯体とトリフェニルシラノール等のシラノール類との混合物等も挙げることができる。
これらの中でも、実用面と光感度の観点から、芳香族スルホニウム塩を用いることが好ましい。
該芳香族スルホニウム塩としては、市販のものを用いることもでき、例えば、WPAG−336、WPAG−367、WPAG−370、WPAG−469、WPAG−638(和光純薬工業社製)、CPI−100P、CPI−101A、CPI−200K、CPI−210S(サンアプロ社製)、アデカオプトマーSP−056、アデカオプトマーSP−066、アデカオプトマーSP−130、アデカオプトマーSP−140、アデカオプトマーSP−082、アデカオプトマーSP−103、アデカオプトマーSP−601、アデカオプトマーSP−606、アデカオプトマーSP−701(ADEKA社製)等が挙げられる。
本発明の感光性ソルダーレジスト組成物において、上記重合開始剤(D)の含有量は、本発明の感光性ソルダーレジスト組成物の固形分中、0.1〜30質量%、特に0.5〜10質量%が好ましい。上記重合開始剤の含有量が0.1質量%より小さいと、露光による硬化が不十分になる場合があり、30質量%より大きいと、樹脂組成物中に開始剤が析出する場合がある。
また、本発明の感光性ソルダーレジスト組成物に重合開始剤(D)として光ラジカル重合開始剤又は光カチオン重合開始剤を用いた場合、該感光性ソルダーレジスト組成物を硬化させる際に用いられる活性光の光源としては、波長300〜450nmの光を発光するものを用いることができ、例えば、超高圧水銀、水銀蒸気アーク、カーボンアーク、キセノンアーク等を用いることができる。
<(E)充填剤>
本発明では、(E)充填剤として、無機充填剤又は有機充填剤を用いることができる。無機充填剤は、通常シリコーン樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物等の封止材料に配合されるものを使用することができる。例えば、溶融シリカ、溶融球状シリカ、結晶性シリカ、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、シリカゲル等のシリカ類;アルミナ、酸化鉄、三酸化アンチモン等の金属酸化物;窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素等のセラミックス;マイカやモンモリロナイト等の鉱物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物或いはこれらを有機変性処理等により改質したもの;炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩或いはこれらを有機変性処理等により改質したもの;金属ホウ酸塩、カーボンブラック等の顔料;炭素繊維、グラファイト、ウィスカ、カオリン、タルク、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスマイクロスフィア、シリカガラス、層状粘土鉱物、クレー、炭化ケイ素、石英、アルミニウム、亜鉛等が挙げられる。有機充填剤としては、アクリルビーズ、ポリマー微粒子、透明樹脂ビーズ、木粉、パルプ、木綿チップ等が挙げられる。
(E)充填剤の中では、シリカ類、金属酸化物、金属酸塩が好ましく、結晶シリカ、タルク、硫酸バリウム、酸化チタンが特に好ましい。
本発明の感光性ソルダーレジスト組成物において、上記(E)充填剤の含有量は、(B)硬化性樹脂100質量部に対して、5〜500質量部、特に5〜200質量部が好ましい。
本発明の感光性ソルダーレジスト組成物には、さらに、(F)色材を加えることができる。
上記(F)色材としては、顔料、染料、天然色素等が挙げられる。
上記顔料としては、例えば、ニトロソ化合物;ニトロ化合物;アゾ化合物;ジアゾ化合物;キサンテン化合物;キノリン化合物;アントラキノン化合物;クマリン化合物;フタロシアニン化合物;イソインドリノン化合物;イソインドリン化合物;キナクリドン化合物;アンタンスロン化合物;ペリノン化合物;ペリレン化合物;ジケトピロロピロール化合物;チオインジゴ化合物;ジオキサジン化合物;トリフェニルメタン化合物;キノフタロン化合物;ナフタレンテトラカルボン酸;アゾ染料、シアニン染料の金属錯体化合物;レーキ顔料;ファーネス法、チャンネル法又はサーマル法によって得られるカーボンブラック、或いはアセチレンブラック、ケッチェンブラック又はランプブラック等のカーボンブラック;上記カーボンブラックをエポキシ樹脂で調整又は被覆したもの、上記カーボンブラックを予め溶媒中で樹脂で分散処理し、20〜200mg/gの樹脂を吸着させたもの、上記カーボンブラックを酸性又はアルカリ性表面処理したもの、平均粒径が8nm以上でDBP吸油量が90ml/100g以下のもの、950℃における揮発分中のCO及びCO2から算出した全酸素量が、カーボンブラックの表面積100m2当たり9mg以上であるもの;黒鉛、黒鉛化カーボンブラック、活性炭、炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンマイクロコイル、カーボンナノホーン、カーボンエアロゲル、フラーレン;アニリンブラック、ピグメントブラック7、チタンブラック;酸化クロム緑、ミロリブルー、コバルト緑、コバルト青、マンガン系、フェロシアン化物、リン酸塩群青、紺青、ウルトラマリン、セルリアンブルー、ピリジアン、エメラルドグリーン、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、合成鉄黒、アンバー、体質顔料等の有機又は無機顔料を用いることができる。これらの顔料は単独で、或いは複数を混合して用いることができる。
上記顔料としては、市販の顔料を用いることもでき、例えば、ピグメントレッド1、2、3、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48、49、88、90、97、112、119、122、123、144、149、166、168、169、170、171、177、179、180、184、185、192、200、202、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254;ピグメントオレンジ13、31、34、36、38、43、46、48、49、51、52、55、59、60、61、62、64、65、71;ピグメントイエロー1、3、12、13、14、16、17、20、24、55、60、73、81、83、86、93、95、97、98、100、109、110、113、114、117、120、125、126、127、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、166、168、175、180、185;ピグメントグリ−ン7、10、36;ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、22、24、56、60、61、62、64;ピグメントバイオレット1、19、23、27、29、30、32、37、40、50等が挙げられる。
上記染料としては、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、アリザリン染料、アクリジン染料スチルベン染料、チアゾール染料、ナフトール染料、キノリン染料、ニトロ染料、インダミン染料、オキサジン染料、フタロシアニン染料、シアニン染料等の染料等が挙げられ、これらは複数を混合して用いてもよい。
本発明の感光性ソルダーレジスト組成物において、上記(F)色材の含有量は、(B)硬化性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部である。
本発明の感光性ソルダーレジスト組成物には、さらに溶媒を加えることができる。該溶媒としては、通常、必要に応じて上記の各成分(((B)硬化性樹脂、及び(D)重合開始剤等)を溶解又は分散しえる溶媒、例えば、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、アセトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸シクロヘキシル、乳酸エチル、コハク酸ジメチル、テキサノール等のエステル系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、イソ−又はn−プロパノール、イソ−又はn−ブタノール、アミルアルコール等のアルコール系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルエーテルアセテート、エトキシエチルエーテルプロピオネート等のエーテルエステル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等のBTX系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;テレピン油、D−リモネン、ピネン等のテルペン系炭化水素油;ミネラルスピリット、スワゾール#310(コスモ松山石油社)、ソルベッソ#100(エクソン化学社)等のパラフィン系溶媒;四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエチレン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒;カルビトール系溶媒;アニリン;トリエチルアミン;ピリジン;酢酸;アセトニトリル;二硫化炭素;N,N−ジメチルホルムアミド;N,N−ジメチルアセトアミド;N−メチルピロリドン;ジメチルスルホキシド;水等が挙げられ、これらの溶媒は1種又は2種以上の混合溶媒として使用することができる。
これらの中でも、ケトン類、エーテルエステル系溶媒等、特にプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、シクロヘキサノン等が、感光性組成物において、レジストと重合開始剤の相溶性がよいので好ましい。
本発明の感光性ソルダーレジスト組成物には、色材を分散させる分散剤を加えることができる。該分散剤としては、色材又は無機化合物を分散、安定化できるものであれば制限されず、市販の分散剤、例えば、ビックケミー社製のBYKシリーズ等を用いることができる。特に、塩基性官能基を有するポリエステル、ポリエーテル、又はポリウレタンからなる高分子分散剤、塩基性官能基として窒素原子を有し、窒素原子を有する官能基がアミン、及び/又はその四級塩であり、アミン価が1〜100mgKOH/gのものが好適に用いられる。
また、本発明の感光性ソルダーレジスト組成物には、必要に応じて、光/熱酸発生剤;熱硬化触媒;p−アニソール、ハイドロキノン、ピロカテコール、t−ブチルカテコール、フェノチアジン等の熱重合抑制剤;可塑剤;接着促進剤;消泡剤;レベリング剤;表面調整剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;分散助剤;凝集防止剤;触媒;潜在性硬化剤;硬化促進剤;密着促進剤;架橋剤;増粘剤等の慣用の添加物を加えることができる。
本発明の感光性ソルダーレジスト組成物において、上記(A)上記一般式(I)で表されるイソシアネート化合物とブロック化剤とを反応させて得られるブロックイソシアネートシラン、(B)硬化性樹脂、(C)希釈剤、(D)重合開始剤及び(E)充填剤以外の任意成分(但し、上記の(F)色材及び溶媒は除く)の使用量は、その使用目的に応じて適宜選択され特に制限されないが、好ましくは、上記硬化性樹脂100質量部に対して合計で50質量部以下とする。
また、本発明の感光性ソルダーレジスト組成物は、他の有機重合体を用いることによって、硬化物の特性を改善することもできる。該有機重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−エチルアクリレート共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ウレタン樹脂、ポリカーボネートポリビニルブチラール、セルロースエステル、ポリアクリルアミド、飽和ポリエステル、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられ、これらの中でも、ポリスチレン、(メタ)アクリル酸−メチルメタクリレート共重合体、エポキシ樹脂が好ましい。
他の有機重合体を使用する場合、その使用量は、上記(B)硬化性樹脂100質量部に対して、好ましくは10〜100質量部である。
本発明の感光性ソルダーレジスト組成物には、更に、連鎖移動剤、増感剤、界面活性剤、他のシランカップリング剤等を併用することができる。
上記連鎖移動剤又は増感剤としては、一般的に硫黄原子含有化合物が用いられる。例えばチオグリコール酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト酪酸、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン、2−メルカプトニコチン酸、3−[N−(2−メルカプトエチル)カルバモイル]プロピオン酸、3−[N−(2−メルカプトエチル)アミノ]プロピオン酸、N−(3−メルカプトプロピオニル)アラニン、2−メルカプトエタンスルホン酸、3−メルカプトプロパンスルホン酸、4−メルカプトブタンスルホン酸、ドデシル(4−メチルチオ)フェニルエーテル、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、1−メルカプト−2−プロパノール、3−メルカプト−2−ブタノール、メルカプトフェノール、2−メルカプトエチルアミン、2−メルカプトイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−3−ピリジノール、2−メルカプトベンゾチアゾール、メルカプト酢酸、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)等のメルカプト化合物、該メルカプト化合物を酸化して得られるジスルフィド化合物、ヨード酢酸、ヨードプロピオン酸、2−ヨードエタノール、2−ヨードエタンスルホン酸、3−ヨードプロパンスルホン酸等のヨード化アルキル化合物、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトイソブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトイソブチレート)、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、ブタンジオールビスチオプロピオネート、ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ブタンジオールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、トリスヒドロキシエチルトリスチオプロピオネート、ジエチルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、下記化合物No.C1、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の脂肪族多官能チオール化合物、昭和電工社製カレンズMT BD1、PE1、NR1等が挙げられる。
Figure 2016145866
上記界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等のフッ素界面活性剤;高級脂肪酸アルカリ塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩等のアニオン系界面活性剤;高級アミンハロゲン酸塩、第四級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤;ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド等の非イオン界面活性剤;両性界面活性剤;シリコーン系界面活性剤等の界面活性剤を用いることができ、これらは組み合わせて用いてもよい。
上記他のシランカップリング剤としては、例えば信越化学社製シランカップリング剤を用いることができ、その中でも、KBE−9007、KBM−502、KBE−403等の、イソシアネート基、メタクリロイル基又はエポキシ基を有するシランカップリング剤が好適に用いられる。
本発明の感光性ソルダーレジスト組成物は、スピンコーター、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター、カーテンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の手段で、ソーダガラス、石英ガラス、半導体基板、金属、紙、プラスチック等の基材上に塗布することができる。また、一旦フィルム等の基材上に施した後、他の基材上に転写することもでき、その塗布方法に制限はない。
また、感光性ソルダーレジスト組成物の塗膜を基板上に形成し、該塗膜に所定のパターン形状を有するマスクを介して活性光を照射した後、露光後の被膜を現像液(特にアルカリ現像液)にて現像し、現像後の該被膜を加熱する工程によりパターニングすることもできる。
本発明の感光性ソルダーレジスト組成物において、(B)硬化性樹脂として熱硬化性樹脂を含有している場合、例えば約140〜180℃の温度に加熱して熱硬化させることにより、前記光硬化性樹脂のカルボキシル基とエポキシ樹脂等の熱硬化性成樹脂が反応し、諸特性に優れた硬化塗膜を形成することができる。尚、熱硬化性樹脂を含有していない場合でも、熱処理することにより、露光時に未反応の状態で残った光硬化性成分のエチレン性不飽和結合が熱ラジカル重合し、塗膜特性が向上するため、目的・用途により、熱処理(熱硬化)してもよい。
また、本発明の感光性ソルダーレジスト組成物を硬化させる際に用いられるエネルギー線の光源としては、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、水銀蒸気アーク灯、キセノンアーク灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光灯、タングステンランプ、エキシマーランプ、殺菌灯、発光ダイオード、CRT光源等から得られる2000オングストロームから7000オングストロームの波長を有する電磁波エネルギーや電子線、X線、放射線等の高エネルギー線を利用することができるが、好ましくは、波長300〜450nmの光を発光する超高圧水銀ランプ、水銀蒸気アーク灯、カーボンアーク灯、キセノンアーク灯等が挙げられる。
更に、露光光源にレーザー光を用いることにより、マスクを用いずに、コンピューター等のデジタル情報から直接画像を形成するレーザー直接描画法が、生産性のみならず、解像性や位置精度等の向上も図れることから有用であり、そのレーザー光としては、340〜430nmの波長の光が好適に使用されるが、エキシマーレーザー、窒素レーザー、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、ヘリウムネオンレーザー、クリプトンイオンレーザー、各種半導体レーザー及びYAGレーザー等の可視から赤外領域の光を発するものも用いられる。これらのレーザーを使用する場合には、可視から赤外の当該領域を吸収する増感色素が加えられる。
本発明の感光性ソルダーレジスト組成物は、フィルム上に塗布乾燥することによりドライフィルムを形成するための感光性組成物として有用である。
ドライフィルムは、キャリアフィルムと、ソルダーレジスト層と、必要に応じて用いられる剥離可能なカバーフィルムとが、この順序に積層された構造を有するものである。ソルダーレジスト層は、アルカリ現像性の感光性ソルダーレジスト組成物をキャリアフィルム又はカバーフィルムに塗布・乾燥して得られる層である。キャリアフィルムにソルダーレジスト層を形成した後に、カバーフィルムをその上に積層するか、カバーフィルムにソルダーレジスト層を形成し、この積層体をキャリアフィルムに積層すればドライフィルムが得られる。
キャリアフィルムとしては、2〜150μmの厚みのポリエステルフィルム等の熱可塑性フィルムが用いられる。
ソルダーレジスト層は、感光性ソルダーレジスト組成物をブレードコーター、リップコーター、コンマコーター、フィルムコーター等でキャリアフィルム又はカバーフィルムに5〜100μmの厚さで均一に塗布し乾燥して形成される。
カバーフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等を使用することができるが、ソルダーレジスト層との接着力が、キャリアフィルムよりも小さいものが良い。
ドライフィルムを用いてプリント配線板上にソルダーレジスト膜を作製するには、カバーフィルムを剥がし、ソルダーレジスト層と回路形成された基材を重ね、ラミネーター等を用いて張り合わせ、回路形成された基材上にソルダーレジスト層を形成する。形成されたソルダーレジスト層に対し、前記と同様に露光、現像、加熱硬化すれば、硬化塗膜を形成することができる。キャリアフィルムは、露光前又は露光後のいずれかに剥離すればよい。
以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。
[製造例1]ブロックイソシアネートシランNo.1の合成
四ツ口フラスコ中に、窒素雰囲気下でメチルエチルケトンオキシム500質量部及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート(PGMEA)100質量部を仕込み、PGMEAにメチルエチルケトンオキシムを溶解させた。次いで、内温を40℃以下に保ち、撹拌しながら3−イソシアナートトリエトキシプロピルシラン200質量部を1時間かけて加え、その後、内温40℃で1時間撹拌した。IRでイソシアネート基のピークが消失したことを確認し、ブロックイソシアネートシランNo.1を得た。
[製造例2]ブロックイソシアネートシランNo.2の合成
四ツ口フラスコ中に、窒素雰囲気下で3,5−ジメチルピラゾール500質量部及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート(PGMEA)100質量部を仕込み、PGMEAに3,5−ジメチルピラゾールを溶解させた。次いで、内温を40℃以下に保ち、撹拌しながら3−イソシアナートトリエトキシプロピルシラン200質量部を1時間かけて加え、その後、内温40℃で1時間撹拌した。IRでイソシアネート基のピークが消失したことを確認し、PGMEA溶液としてブロックイソシアネートシランNo.2を得た。
〔実施例1〜16及び比較例1〜4〕感光性ソルダーレジスト組成物No.1〜No.16及び比較感光性ソルダーレジスト組成物No.1〜No.4の製造及び評価
[表1]〜[表3]の配合に従って下記の各成分を混合し、本発明の感光性ソルダーレジスト組成物である感光性ソルダーレジスト組成物No.1〜No.16及び比較感光性ソルダーレジスト組成物No.1〜No.4をそれぞれ得た。得られた感光性ソルダーレジスト組成物について下記の評価を行った。結果を〔表1〕〜〔表3〕に示す。なお、〔表1〕〜〔表3〕中の各数値は質量部を示す。
(A)
A−1:製造例1で得られたブロック化イソシアネートシラン
A−2:製造例2で得られたブロック化イソシアネートシラン
A’−1:3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン
A’−2:3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
(B)硬化性樹脂
B−1:V259Me:新日鉄住金化学社製/光硬化性
B−2:CCR1235:日本化薬社製/光硬化性
B−3:SPC−1000:昭和電工社製/光硬化性
B−4:PR300PG:昭和電工社製/光硬化性
B−5:WR−301:ADEKA社製/光硬化性
B−6:EPPN−201:日本化薬社製/熱硬化性
B−7:エピクロンN−695:DIC社製/熱硬化性
(C)希釈剤
C−1:ペンタエリスリトールトリアクリレート
C−2:トリシクロデカンジメチロールジアクリレート
C−3:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
C−4:アロニックスM−400:東亞合成社製
(D)光重合開始剤
D−1:Irg907(BASF社製)
D−2:LUCIRIN TPO(BASF社製)
(E)充填剤
E−1:結晶シリカ
E−2:硫酸バリウム
E−3:R−680:石原産業社製
その他
溶剤:PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
色材1:Pigment Blue 15
色材2:Pigment Yellow 14
メラミン:2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン
消泡剤:K−66:信越シリコーン社製
<ソルダーレジスト層の形成>
ガラス基板上に、得られた感光性ソルダーレジスト組成物No.1〜No.9及びNo.12〜No.16並びに比較感光性ソルダーレジスト組成物No.1及びNo.2をそれぞれバーコーターで塗布した後、オーブンを用いて80℃、20分の予備乾燥を行い、ソルダーレジスト層をそれぞれ得た。得られたソルダーレジスト層に光源として高圧水銀ランプを用いてマスクを介して露光した。現像液として2.5質量%炭酸ナトリウム水溶液を用い、スピン現像機で現像後、よく水洗し、オーブンを用いて、150℃、60分のポストキュアを行い、パターンを定着させた。
また、密着性評価用に、同様にソルダーレジスト層を形成後、マスクを介せずに露光した後、オーブンを用いて150℃、60分のポストキュアを行った。
<ドライフィルムの製造及びパターン形成>
キャリアフィルムである38μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム上に、得られた感光性ソルダーレジスト組成物No.10〜No.11並びに比較感光性ソルダーレジスト組成物No.3及びNo.4をそれぞれバーコーターで塗布した後、オーブンを用いて80℃,20分の予備乾燥を行い、ドライフィルムをそれぞれ得た。
得られたドライフィルムを、あらかじめ前処理を行った銅厚15μmの回路が形成してある片面プリント配線基材に、ソルダーレジスト層が基材に接するように、真空ラミネーターを用いて張り合わせた。得られたソルダーレジスト層を有する基材に光源として高圧水源用いてマスクを介して露光した。現像液として2.5質量%炭酸ナトリウム水溶液を用い、スピン現像機で現像後、よく水洗し、オーブンを用いて、150℃,60分のポストキュアを行い、パターンを定着させた。
<感度>
得られたパターンの高さを、触針式表面形状測定器(アルバック社製)を用いて測定し、下記式から残膜率(%)を求めて放射線感度とした。尚、残膜率が80%以上になる露光量が200mJ/cm2で十分だったものをa、200mJ/cm2では不十分で、400mJ/cm2で露光したものをb、400mJ/cm2では不十分で、1000mJ/cm2で露光したものをc、とした
残膜率(%)=(ポストベーク後のパターンの高さ/初期膜厚)×100
<解像度>
パターン形成過程において、露光現像時に、線幅10μm以下でも良好にパターン形成できたものをA、線幅10〜30μmであれば良好にパターン形成できたものをB、線幅30μm以上のものでないと良好なパターン形成ができなかったものをCと評価した。
<現像性>
ソルダーレジスト層の現像性について、ソルダーレジスト層にマスクを介して露光・現像後に得られたパターンの15μmラインアンドスペースの線間に残存する現像残渣の有無で判断した。残渣が認められなかったものを○ 、残渣が認められたものを× とした。
<耐湿熱密着性>
得られたソルダーレジスト層について、JIS D 0202の試験方法に従い、塗膜に基盤目状にクロスカットを入れた。試験基板を120℃、2気圧、相対湿度100%RHで6時間放置後、外観に異常がないか確認した後、次いでセロハンテープによってピーリングテストを行い、基盤目の剥離の状態を目視により評価した。全く剥離が認められなかったものを○、欠けや剥離が認められたものを×とした。
<保存安定性>
基板に塗布した乾燥後の塗膜を30日間、室温暗所に放置した。放置前の塗膜と放置後の塗膜との現像性を比較し、現像性に差が無いものを○、現像はできるものの残渣が発生したり、全く現像できないものを?とした。

Figure 2016145866
Figure 2016145866
Figure 2016145866
表1〜4から明らかなように、実施例1〜16の感光性ソルダーレジスト組成物No.1〜No.16を用いて得られた塗膜は、現像時に残渣が発生せず、基板との耐湿熱密着性及び保存安定性に優れるものであった。
それに対して、比較例1及び3の感光性ソルダーレジスト組成物を用いて得られた塗膜は、保存安定性が低く、比較例2及び4の感光性ソルダーレジスト組成物を用いて得られた塗膜は、現像時に残渣が発生し、基板との耐湿熱密着性が悪く、保存安定性も悪かった。
よって、本発明の感光性ソルダーレジスト組成物は、ドライフィルム及びプリント配線基板に好適に用いられることは明らかである。

Claims (6)

  1. (A)下記一般式(I)で表されるイソシアネート化合物とブロック化剤とを反応させて得られるブロックイソシアネートシラン、(B)硬化性樹脂、(C)希釈剤、(D)重合開始剤及び(E)充填剤を含有する感光性ソルダーレジスト組成物。
    Figure 2016145866
    (式中、R1は、炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、nは1〜10の数であり、aは1〜3の数であり、bは0〜2の数であり、a+b=3である。)
  2. ブロック化剤がオキシム化合物であることを特徴とする請求項1に記載の着色感光性ソルダーレジスト組成物。
  3. さらに(F)色材を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の感光性ソルダーレジスト組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性ソルダーレジスト組成物をフィルム上に塗布し、乾燥させて得られるドライフィルム。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性ソルダーレジスト組成物を基材上に塗布し、エネルギー線を照射して得られる硬化物を具備すること特徴とするプリント配線板。
  6. 請求項4に記載のドライフィルムを基材上にラミネートし、エネルギー線を照射して得られる硬化物を具備することを特徴とするプリント配線板。
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