JP2019181227A - ハーネス型安全帯 - Google Patents

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Abstract

【課題】 身体に対する適切な装着を行わせるために、装着時に窮屈感を与えないハーネス型安全帯の構造を提供することを課題とする。【解決手段】本発明に係るハーネス型安全帯は、使用者の背中上部から上方に交差して延びて使用者の両肩を通り、使用者の前面側を両肩から下方に延びる一対の肩かけベルトと、一対の肩かけベルトの一端に取り付けられる一対の腿ベルトと、留め具から使用者の背中中央に対応して下方に延びる背ベルトと、背ベルトの下端から二股に分かれて延びて一対の腿ベルトに連結される一対の連結ベルトと、を備えるハーネス型安全帯であって、一対の肩かけベルト、一対の腿ベルト、背ベルト、又は連結ベルトのうち少なくともいずれかに伸縮自在な伸縮部材を配設したことを特徴とする。【選択図】図1A

Description

本発明は、ハーネス型安全帯の構造に関する。
一般に、工事現場等の高所で作業を行う場合、使用者には転落防止のための安全帯の着用が義務づけられている。この種の安全帯は、人体の胴部に装着される胴ベルトと、胴ベルトに連結された所定長さのロープとを含んで構成され、ロープの先端に取付けられた繋止用フックを作業現場の親綱等に掛けるようにしたものが一般的である。しかしながら、この胴ベルト式の安全帯は人体の胴部に装着されるため、ロープからの張力が胴部に集中するとともに、吊り下げられた姿勢も不安定になり易い。そこで、人体の胴部のみならず、両肩、背部及び大腿部に亘って延びるベルトを備え、背部のベルトにロープを連結することにより、人体に加わるロープからの張力をベルトによって分散させ、人体を安定して支持するようにした、いわゆるハーネス型の安全帯が知られている。
ハーネス型の安全帯には、腰と太腿の部分を保持するレッグループ式ハーネス(シットハーネス)と、胴から上の胸部を保持するチェストハーネスがあり、さらにフルボディハーネスと呼ばれるものがある。フルボディハーネスは、「フルハーネス型」とも呼ばれ、胴部の他に腿や肩にもベルトを通し、全身を保持する型の安全帯である。説明の便宜上、「フルボディハーネス型安全帯」を「ハーネス型安全帯」又は単に「ハーネス」と呼ぶ。ハーネスは胴ベルト型と比較した際、抜け落ちる心配が無い点、墜落時の荷重が胴部に集中しない点や、吊られた際も自然な姿勢が保てるという点で優れている。このため、近年は国内においても工事現場を中心にその普及を見せている。
このような従来のハーネスとして、例えばY型と呼ばれるタイプが挙げられ、使用者の両肩それぞれにかかる肩かけベルトと、使用者の腿に巻かれるように装着される腿ベルトと、使用者の背中の上下に配置され、肩かけベルトを使用者の両肩へ分岐させる又は両肩から収束する上部ベルト分岐部材と、腿ベルト又は連結ベルトと接続される下部ベルト分岐部材と、ランヤードを固定するD環とを備える構成となっている。言い換えると、ハーネスは、主に、身体全体に巻きつける帯状のベルトから構成される構造体ということができる。各ベルトは可撓性を有する繊維によって形成された幅広の織物が採用されている。繊維として例えばポリエステル繊維やナイロン繊維が用いられる。また、ベルトは、長さ調整具を備え、ベルトを折り返して押し引きすることにより、長さ調整ができるようにしている。
特許文献1において、使用者の装着状態で腰の左右から背側に延びて交差し両肩に掛けられ胸側の左右でほぼ平行となって腰の左右に還る一対の肩ベルトと、前記肩ベルトに腰の左右で連結され、腰の左右から両太腿に延びて太腿の付け根に沿い腰の左右に還る一対のループ状の腿ベルトと、胸側の左右の肩ベルトを連結する胸ベルトと、各腿ベルト上の2箇所にループ内を横切って連結する連結ベルトと、からなるハーネスが提案されている。特許文献1では、上記構造によりベルトの絡まりを防ぐことを目的としている。
特開2009−112368号公報
高所作業を業務とする者にとって、ハーネスは転落防止のためのものであって、転落の事故が起こった場合に、転落の衝撃から身体を保護するものである。したがって、使用者は、ハーネスから身体が抜け出ないようにベルトをしっかり装着させる必要がある。
しかし、ハーネスの各ベルトは装着時の快適さを考慮した構成となっていないため、従来伸縮性について考慮されてこなかった。すなわち、使用者にとって、ハーネスを締め付けすぎると作業するには窮屈なため、各ベルトの長さを長く調節する等、装着状態を緩くして着用される傾向がある。このような状態では、例えば腿ベルトと腿との間に許容できない隙間が生じてしまう。つまりこの隙間により、転落衝撃時に身体の移動量が想定よりも長くなり、危険度が増すという問題が生じる。
本願発明は、上記の点に鑑み発明されたものであって、身体に対する適切な装着を行わせるために、装着時に窮屈感を与えないハーネス型安全帯の構造を提供することを課題とする。
本発明に係るハーネス型安全帯は、使用者の肩を通り、使用者の前面側を両肩から下方に延びる肩かけベルトと、肩かけベルトの一端側において直接的または間接的に接続される腿ベルトと、肩かけベルトと一体的に形成されるか、あるいは接続され、かつ使用者の背面側を下方に延びる背ベルトと、を備えるハーネス型安全帯であって、肩かけベルト、腿ベルト、又は背ベルトに伸縮自在な伸縮部材を設けたことを特徴とする。また、背ベルトの下端から下部ベルト留め具を介して腿ベルトに連結される連結ベルトとを備える構成であってもよい。また背ベルト及び腿ベルトの両方、又は連結ベルト及び腿ベルトの両方に、伸縮部材が設けられてもよい。さらに、背ベルトと一対の連結ベルトと一対の腿ベルトとのそれぞれに伸縮部材が配設されてもよい。
なお、伸縮部材は、弾性ベルトであってもよい。また、伸縮部材は、長さ方向に皺が形成された中空管体を備えていてもよい。さらにこの中空管体は、その管内に弾性ベルトが通され、弾性ベルトの伸縮に合わせて該皺幅が変化する蛇腹形状を形成するものであってもよい。また、弾性ベルトは、長さ方向において伸縮する蛇腹構造を有する蛇腹部と、該蛇腹部の両端に結着される結着部とを備え、蛇腹部は、非伸縮糸で製織された第一層と第二層とを含む帯状体に複数の弾性糸が長さ方向編み込まれるように構成され、帯状体の第一層側には、前記弾性糸の第一層縫着箇所が帯状体の長さ方向に複数個所設けられ、帯状体の第二層側には前記弾性糸の第二層縫着箇所が帯状体の長さ方向に複数個所設けられ、帯状体の長さ方向において、第一層縫着箇所と前記第二層縫着箇所とは交互に並ぶよう設けられ、第一層方着箇所及び前記第二層縫着箇所は、編み込まれた弾性糸を帯状体の幅方向に縫着されたものであることを特徴とする。なお、蛇腹部は、伸縮部材の最大伸長長さを規制するようにしてもよい。
本発明に係るハーネス型安全帯は、肩かけベルト、腿ベルト、又は背ベルトに伸縮自在な伸縮部材を設けた。このような構成によれば、身体に対する適切な装着を行わせるために、装着時に与える窮屈感を低減することにより作業時の負担が軽減される。そのため、装着時の身体への密着度の向上を促すことができ、ひいては墜落事故の減少にもつながる効果がある。
第1実施形態に係るハーネスの一例を示す概略図。 腿ベルトと連結ベルトの接続構造の変形例を示す概略図。 腿ベルトと連結ベルトの接続構造の変形例を示す概略図。 腿ベルトと連結ベルトの接続構造の変形例を示す概略図。 第1実施形態に係るハーネスを使用者が着用した状態を示す背面図。 実施形態に係る伸縮部材の一例を示す側面図。 実施形態に係る伸縮部材の他の例を示す側面図。 第2実施形態に係るハーネスの一例を示す概略図。 第2実施形態に係るハーネスを使用者が着用した状態を示す背面図。 腿ベルトの伸縮部材の一例を示す側面図。 腿ベルトの伸縮部材の他の例を示す側面図。 第3実施形態に係るハーネスの一例を示す概略図。 第3実施形態に係るハーネスを使用者が着用した状態を示す背面図。 連結ベルトの伸縮部材の一例を示す側面図。 連結ベルトの伸縮部材の他の例を示す側面図。 連結ベルトの伸縮の一例を示した模式図。 連結ベルトの引張試験の結果を示した図。 ハーネス生地の引張試験の結果を示した図。 第3実施形態に係るハーネスの変形例を示す概略図。 第3実施形態に係るハーネスの変形例を使用者が着用した状態を示す背面図。 第4実施形態に係るハーネスの一例を示す概略図。 第4実施形態に係るハーネスを使用者が着用した状態を示す背面図。 腿ベルトの伸縮部材の一例を示す側面図。 背ベルトの伸縮部材の一例を示す側面図。 連結ベルトの伸縮部材の一例を示す側面図。 従来のハーネスを着用した使用者の身体運動によって背ベルトや腿ベルトが上方にずり上がる様子を示す図。 従来のハーネスを着用した使用者の身体運動によって背ベルトや腿ベルトが上方にずり上がる様子を示す図。 ヒトの起立状態を示す概略図。 ヒトの屈んだ状態を示す概略図。 ヒトのしゃがんだ状態を示す概略図。 Y型変形例に係るハーネスを使用者が着用した状態を示す背面図。 X型変形例に係るハーネスを示す概略正面図。 X型変形例に係るハーネスを示す概略正面図。 H型変形例に係るハーネスを示す概略背面図。 他の変形例に係るハーネスを示す概略背面図。
実施形態を示す前に、本発明に至った経緯を簡単に説明する。背景技術において記載したとおり、着用者がハーネス型安全帯を緩く着用する傾向があるのは、ハーネス型安全帯による身体自由度の低下が大きな要因である。すなわち、着衣を例にとれば容易に分かるとおり、上着をズボンに入れて背伸びと屈曲を数回繰り返せば、入れていた上着の裾はズボンからはみ出してしまう。これは背筋がその体位ごとで伸縮を繰り返す度に、ズボンから裾を引き出しているためである。着衣の乱れで上着の裾がズボンによる固定から解放されるため身体の屈曲に対する拘束の度合いが低下する。すなわち身体動作の自由度が高まる。
上記を踏まえてハーネス型安全帯の場合について説明する。ハーネス型安全帯を、同じように身体に密着して装着させた場合、腿ベルトと腿の間や、胴部分のベルトと胴の間にスペースがないため、屈曲が困難になるとともに、背筋を伸ばすと長さ調整具により調整されたベルト長さが強引に変更されてしまうおそれもある。
本発明の実施形態に係るハーネス型安全帯の伸縮素材における必要最低限の伸縮がどの範囲であればよいのかを検討する必要がある。そこで、本願の出願人は、10人の被験者を対象に身長と屈曲時の背筋の長さの関係を測定した。具体的には、身長152cm〜182cmの被験者10名を対象にし、直立状態と、しゃがみ込んで前屈みになった状態(屈曲状態という)とにおいて、被験者それぞれの首の付け根と尾てい骨までの長さを測定した。表1は、被験者10名の測定結果で、単位はcmである。表1に示すとおり、結果として、直立状態と屈曲状態の差異は、最小4.5cm、最大12cmであった。
Figure 2019181227
使用者が上記身体運動を行った場合、表1の結果からすると少なくとも4.5cmないし12cmの差異が生じる。この差異が生じるならば、従来のハーネス型安全帯は伸縮をしないため、人体に圧迫をかけ突っ張り感を与えるか、長さ調整具により調整されたベルト長さが強引に変更されてしまうと考えられる。
次に、伸縮部材を備えたハーネスにつき同様の検証をするにあたって、背以外の部分で装着に違和感を生じさせている部分は無いかを探った。すると被験者の多くの意見として出てきたのは大腿部であった。従来のハーネス型安全帯は、臀部から大腿部へ向かう長さが短く、使用者が身体を左右によじった場合や、昇降動作(段差や梯子等、高低差のある上下方向への移動)をした場合において、腿ベルトや連結ベルトが伸縮しないがために突っ張る現象を起こしていることがわかった。
また、大腿部はしゃがんだ場合に体重等により変形肥大化し、元の大腿部周りの長さ(閉曲線の長さ)よりも長くなった。実際に、前述した被験者のうち170cmの被験者の大腿部周りを計測してみると、52cmが56cmに、181cmの被験者の大腿部の腿周りは、58cmが64cmに拡張していた。つまり、立位時にハーネス型安全帯を体に密着するように使用者の身体に装着させると、しゃがんだ時に大腿部に腿ベルトが食い込み、使用者に不快感を与えることがわかった。また、身体を左右によじった場合も大腿部に腿ベルトが食い込むおそれがある。
以上の検証から例えば背面部のベルトに1か所、両腿部のベルトに各1か所伸縮部材を用いることで着衣時の突っ張り感を低減させることが判明した。
以下、本発明の実施形態につき図面を参照して説明する。各図において、同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。また、図面は、本発明を理解するために誇張して表現している場合もあり、必ずしも縮尺どおり精緻に表したものではないことに留意されたい。なお、本発明は下記に示される実施例に限られるものではない。
[第1実施形態]
[全体構成]
第1実施形態につき図1A〜図3Bを参照して説明する。図1Aは、ハーネス型安全帯100の全体構成を概略的に示す図である。図1Aは、いわゆるY型ハーネスと呼ばれるフルハーネスの各形態のうちの一形態を示すものである。しかしながら、本発明の実施形態はこれに限られるものではなく、他のY型ハーネスやX型、H型ハーネス等、様々なフルハーネスに適用することが可能である。
図1Aに示すとおり、ハーネス型安全帯100は、肩かけベルト101A、101Bと、腿ベルト102A、102Bと、背ベルト103と、連結ベルト104A、104Bと、D環107と、上部ベルト留め具108と、下部ベルト留め具109と、胸ベルト112A、112Bを備える。
肩かけベルト101Aは、所定の長さを有する帯状のベルトであり、一端は腿ベルト102A(後述)に接続されており、他端は背ベルト103と一体的に形成される。肩かけベルト101Aと一体的に形成された背ベルト103は、肩かけベルト101Aとの境界部分から下方に延び、連結ベルト104Bと一体的に形成される。なお、ハーネス型安全帯100の説明において肩かけベルト101A、背ベルト103および連結ベルト104Bにつき符号を分けて区別しているのは説明の便宜上行っているものである。すなわちそれぞれを個別に製造して一体的に接続するという趣旨で示したものではない。ただし、それぞれを個別に製造してそれぞれ任意の接続手段を用いて接続する構成をとることも可能である。また肩かけベルト101A、背ベルト103および連結ベルト104Bの合計の長さは、使用者の肩の上面から大腿部中央までの長さと、肩の厚さと、首の下端から臀部の中央までの長さと、臀部中央から大腿部中央までの長さ等を考慮して、使用者の体格ごとに設定される。
腿ベルト102Aは所定の長さ(例えば使用者の大腿部周りの長さより若干長くなるような長さ)を有する帯状のベルトである。図1Aに示すように腿ベルト102Aにおける所定位置には、連結ベルト104Aの一部(例えば端部)が固定されている。この固定は例えば縫合や接着等による。なお、この固定部分につき、図1Aにおいて接続部123Aとして例示する。腿ベルト102Aの両端には、それぞれ第1バックル124Aと第2バックル125Aとが設けられ、これらが相互に連結されることにより、使用者の大腿部に巻かれる腿ベルト102Aと使用者の大腿部との保持状態が形成される。第1バックル124Aと第2バックル125Aはこの図1Aの態様に限られず他の形態をとることも可能である。また腿ベルト102Aにおいて第2バックル125Aより接続部123A側の位置には、肩かけベルト101Aの端部が接続・固定される。この固定についても例えば縫合や接着が挙げられる。なお、図1B〜図1Dに示すように連結ベルト104A(連結ベルト104B)の端部を輪状に形成し、その輪に腿ベルト102Aを通してもよい。このとき腿ベルト102Aにおいて連結ベルト104Aと交わる部分に隣接する両側に可動式の留め具を設け、両者の相対位置が保持されていてもよい。
肩かけベルト101Bは、所定の長さを有する帯状のベルトであり、一端は腿ベルト102B(後述)に接続されており、他端は図示しない他の背ベルトと一体的に形成される。なお、この図示しない他の背ベルトは、図1Aにおいて上記背ベルト103の裏側(図1Aの紙面上における奥側)に位置し、肩かけベルト101Bとの境界部分から下方に延び、連結ベルト104Aと一体的に形成される。なお、ハーネス型安全帯100の説明において、肩かけベルト101Bや連結ベルト104Aにつき符号を分けて区別しているのは上記と同様に説明の便宜上行っているものである。また肩かけベルト101B、図示しない他の背ベルトおよび連結ベルト104Aの合計の長さは、上記と同様である。
腿ベルト102Bについては、腿ベルト102Aと同様、所定の長さを有する帯状のベルトであってその長手方向の中央近傍には、連結ベルト104Bの一部(例えば端部)が固定されている(接続部123B)。また腿ベルト102Aと同様に両端において、それぞれ第1バックル124Aと第2バックル125Aとが設けられる。
また、肩かけベルト101A、101Bは上部ベルト留め具108を介して連結または接続されている。また、肩かけベルト101Aおよびそれと一体の背ベルト103と、肩かけベルト101Bおよびそれと一体の上記他の背ベルト(不図示)とは、下部ベルト留め具109介して連結または接続されている。上部ベルト留め具108および下部ベルト留め具109は、それぞれベルト通し用の2つの長孔が上下に間隔をおいて形成されている。上部ベルト留め具108の2つの長孔には肩かけベルト101A、101B(下記「第1ベルト」、「第2ベルト」)がそれぞれ通される。同様に下部ベルト留め具109の2つの長孔には、背ベルト103および他の背ベルト(不図示)が通される。なお、本実施形態において概念上区別される背ベルトと連結ベルトとの境界は、この下部ベルト留め具109の位置に対応して定まる(例えば下部ベルト留め具109の中央位置等)。
すなわち、肩かけベルト101A、背ベルト103および連結ベルト104Bを構成する一方のベルト(以下、「第1ベルト」と記載することがある。)と、肩かけベルト101B、図示しない他の背ベルトおよび連結ベルト104Aを構成する他方のベルト(以下、「第2ベルト」と記載することがある。)とを含んでハーネス型安全帯100が構成されているといえる。これら第1ベルトと第2ベルトとは、背ベルト103等、使用者の背中の上部と下部に相当する位置において上部ベルト留め具108と下部ベルト留め具109を介して保持されているため、第1ベルトと第2ベルトとの相対位置が固定される。なお、後述の通り、ハーネス型安全帯100の第1ベルトが使用者の右半身を保持し、第2ベルトが使用者の左半身を保持する。
なお、各ベルトは可撓性を有する繊維によって形成された幅広の織物を採用するとよい。繊維はポリエステル繊維やナイロン繊維を用いることができる。また、各ベルトは、長さ調整具を備え、ベルトを折り返して押し引きすることにより、長さ調整ができるようにしている。また、一対の肩かけベルト101A、101Bは、使用者の肩に当接する部分に肩パッドを備えてもよい。
ハーネス型安全帯100は、使用者の前面側を両肩から下方に延びる一対の肩かけベルト101A、101Bにおいて、使用者の胸部分で連結される胸ベルト112A、112Bを設けることができる。なお、胸ベルトバックルの雌113Aと雄113Bとにより連結される構成をとることができる。ランヤードに連結するD環107は、背ベルト103の上端(例えば上部ベルト留め具108と下部ベルト留め具109との間の位置)に取り付けるとよい。図1の例においてD環107は、上部ベルト留め具108の下方に隣接して設けられる。
なお、上記構成の一例として、上記ハーネス型安全帯100の全体構成は、下記のように言い換えることができる。
ハーネス型安全帯100の着用状態を示す図2を参照する。図2に示すように、ハーネス型安全帯100は、使用者の背中に配置される上部ベルト留め具108から上方に二股に分かれて延びて使用者の両肩を通り、該使用者の前面側を両肩から下方に延びる一対の肩かけベルト101A、101Bと、一対の肩かけベルト101A、101Bの下端に取り付けられる一対の腿ベルト102A、102Bと、上部ベルト留め具108から使用者の背中中央を下方に延びる背ベルト103と、背ベルト103の下端から下部ベルト留め具109を介して二股に分かれて延びて一対の腿ベルト102A、102Bに連結される一対の連結ベルト104A、104Bと、を備える。なお、本発明における「背中上部」とは左右の肩甲骨から実質的に等距離の位置であり、上部ベルト留め具108またはD環107の位置である。
また、肩かけベルト101A、101Bの一端は、それぞれ一対の腿ベルト102A、102Bに固定されている。固定は縫合や接着等でされるとよい。他方、一対の連結ベルト104A、104Bは、下部ベルト留め具109を介して二股に交差又は連結し延びて一対の腿ベルト102A、102Bに連結される。
[伸縮部材]
第1実施形態において、ハーネス型安全帯100の背ベルト103の一部には、伸縮自在な伸縮部材130が設けられている。図示しない他の背ベルトについても同様に伸縮部材が設けられていてもよい。なお、伸縮部材130は、一対の肩かけベルト101A、101B、一対の腿ベルト102A、102B又は連結ベルト104A、104Bのいずれか又はこれらの複数のベルトに設けられてもよい。次に伸縮部材130の具体的な構成について説明する。
図2は、本発明の実施例1に係るハーネス型安全帯100を使用者が着用した状態を示す背面図である。伸縮部材130は、蛇腹部131と、結着部132とを備えている。蛇腹部131は、長さ方向(背ベルト103等の長手方向)において伸縮する蛇腹構造を有する。結着部132は、蛇腹部131の上記長さ方向の両端(すなわち、蛇腹部131を挟むように)に結着され、かつ背ベルト103に連結する結着部132とを備えている。図示しない背ベルトの伸縮部材についても同様である。
図3は、実施形態に係る伸縮部材130の一例を示す概略側面図である。図3Aは、実施形態に係る伸縮部材130の側面を示している。前述したとおり、伸縮部材130は、結着部132に挟まれるようにして設けられた蛇腹部131が蛇腹構造を有しており、長さ方向において伸縮する。
また、蛇腹部131は非伸縮糸で製織された第一層と第二層とを有する帯状体として構成される。この帯状体には、第一層および第二層の双方ともに複数の弾性糸が上記長さ方向に挿入されて編み込まれる。また帯状体の第一層において等間隔で幅方向に縫着糸で閉塞された第一層縫着箇所が設けられている。同様に第二層において等間隔で幅方向に縫着糸で閉塞された第二層縫着箇所が設けられている。これにより、弾性糸の収縮時には帯状体が蛇腹の山谷を構成する。なお、非伸縮糸はナイロンのほか、強い引張り力を有する糸を選択すればよい。また、弾性糸は、ストレッチナイロンのほか、弾性のある合成樹脂や天然ゴムを用いてもよい。各縫着箇所においては、蛇腹部131の上記長さ方向の両端及び幅方向の両端を縫合するとよい。なお、帯状体の第一層と第二層とは筒状に縫製してもよい。
一方、図3Bは、伸縮部材130の変形例である伸縮部材130’の側面を示している。変形例にかかる伸縮部材130’としては、扁平な弾性ベルト、例えばゴムベルトを使用することができる。
なお、第1実施形態において、ハーネス型安全帯1は、背ベルト103に伸縮部材130を配設しているが、背ベルト103ではなく、一対の連結ベルト104A、104Bのみに伸縮部材を設けるようにしてもよい。これについては第3実施形態を参照する。
[第2実施形態]
第2実施形態を図4〜図6Bを参照して説明する。図4は、ハーネス型安全帯200の全体構成を概略的に示す図である。図4は、Y型ハーネスの一形態を示すものである。第2実施形態におけるハーネス型安全帯200の基本構成は、第1実施形態におけるハーネス型安全帯100の基本構成と同様である。よって、ハーネス型安全帯200の基本構成については、説明を割愛することがある。図4に示すとおり、ハーネス型安全帯200は、肩かけベルト201A、201Bと、腿ベルト202A、202Bと、背ベルト203と、連結ベルト204A、204Bと、D環207と、上部ベルト留め具208と、下部ベルト留め具209と、胸ベルト212A、212Bを備える。これらは、ハーネス型安全帯100における肩かけベルト101A、101Bと、腿ベルト102A、102Bと、背ベルト103と、連結ベルト104A、104Bと、D環107と、上部ベルト留め具108と、下部ベルト留め具109と、胸ベルト112A、112Bと各部の役割、各配置はそれぞれ同様である。
ハーネス型安全帯200の着用状態について図5を参照して説明する。図5は、第2実施形態に係るハーネス200を使用者が着用した状態を示す背面図である。図5に示すように、使用者の背面側の肩かけベルト201A、201Bは、上部ベルト留め具208から上方に二股に分かれて使用者の両肩にかけて延び、背ベルト203は、上部ベルト留め具208から使用者の背面中央を下方に延びている。連結ベルト204A、204Bは、背ベルト203の下端から下部ベルト留め具209を介して二股に分かれて延びて各腿ベルト202A、202Bに固定されている。
第2実施形態において、ハーネス型安全帯200の腿ベルト202A、202Bには、それぞれ伸縮自在な伸縮部材220A、220Bが設けられている。また第1実施形態と同様に、ハーネス型安全帯200は、背ベルト203に伸縮自在な伸縮部材230が設けられている。図示しない他の背ベルトについても同様に伸縮部材が設けられていてもよい。なお、伸縮部材は、その他、一対の肩かけベルト201A、201B又は連結ベルト204A、204Bのいずれか又はこれらの複数のベルトに設けられてもよい。
図6に示すように伸縮部材220Aは、蛇腹部221Aと、結着部222Aとを備えている。これら蛇腹部221Aと、結着部222Aは、第1実施形態の蛇腹部131、結着部132と基本的に構成は同様となる。ただし、蛇腹部221Aも長さ方向において伸縮するが、その長さ方向とは、すなわち腿ベルト202Aの長手方向に相当する。伸縮部材220Bについては伸縮部材220Aと同様である。このように、腿ベルト202A、202Bに伸縮自在な伸縮部材220A、220Bが設けられることで、使用者が身体を左右によじった場合や、しゃがんだ場合において、腿ベルトが大腿部に食い込み不快感を与える状況を抑制することができる。なお、伸縮部材230や図示しない背ベルトに設けられた伸縮部材については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
図6は、本発明に係る伸縮部材220A、220Bの一例を示す側面図である。図6Aは、第2実施形態に係る伸縮部材220A、220Bの側面を示しているが、ここでは伸縮部材220として説明する。図6Aに示す通り、伸縮部材220は、第1実施形態の伸縮部材130と同様の構成を備えている。よってその構成の詳細説明は割愛する。
一方、図6Bは、伸縮部材220の変形例である伸縮部材220’の側面を示している。伸縮部材220’は、扁平な弾性ベルト、例えばゴムベルトを使用することができる。なお、ハーネス型安全帯200においては、腿ベルト202A、202Bにそれぞれ伸縮部材220A、220Bが設けられている。このような構成では、腿ベルト202A、202Bに連結用のバックル(224A、225A、224B、225B)を設けない構成をとることも可能である。すなわち、腿ベルト202A、202Bをそれぞれ無端状(円環状)に形成することも可能である。このような構成の場合、使用者は伸縮部材220A、220Bの弾性伸縮を利用して外径を拡張して左右の大腿部に腿ベルト202A、202Bをそれぞれ容易に着用することができる。
[第3実施形態]
第3実施形態を図7〜図13Bを参照して詳細に説明する。なお、第3実施形態は、後述の図18Cに示した、ヒトが屈んだ状態からしゃがむ状態に移行した場合、臀部から腿に至る部分について、ハーネスのベルトの収縮が必要となることに対応した実施例である。
図7は、ハーネス型安全帯300の全体構成を概略的に示す図である。図7は、Y型ハーネスの一形態を示すものである。第3実施形態におけるハーネス型安全帯300の基本構成は、第1実施形態におけるハーネス型安全帯100の基本構成と同様である。よって、ハーネス型安全帯300の基本構成については、説明を割愛することがある。図7に示すとおり、ハーネス型安全帯300は、肩かけベルト301A、301Bと、腿ベルト302A、302Bと、背ベルト303と、連結ベルト304A、304Bと、D環307と、上部ベルト留め具308と、下部ベルト留め具309と、胸ベルト312A、312Bを備える。これらは、ハーネス型安全帯100における肩かけベルト101A、101Bと、腿ベルト102A、102Bと、背ベルト103と、連結ベルト104A、104Bと、D環107と、上部ベルト留め具108と、下部ベルト留め具109と、胸ベルト112A、112Bと各部の役割、各配置はそれぞれ同様である。
ハーネス型安全帯300の着用状態について図8を参照して説明する。図8は、第3実施形態に係るハーネス型安全帯300を使用者が着用した状態を示す背面図である。図8に示すとおり、使用者の背面側の肩かけベルト301A、301Bは、上部ベルト留め具308から上方に二股に分かれて使用者の両肩にかけて延び、背ベルト303は、上部ベルト留め具308から使用者の背面中央を下方に延びている。連結ベルト304A、304Bは、背ベルト303の下端から下部ベルト留め具309を介して二股に分かれて延びて各腿ベルト302A、302Bに固定されている。
第3実施形態において、ハーネス型安全帯300の、連結ベルト304A、304Bには、それぞれ伸縮自在な伸縮部材340A、340Bが設けられている。
また、ハーネス型安全帯300において、腿ベルト302A、302Bに、伸縮自在な伸縮部材320A、320Bが設けられていてもよい。また、第3実施形態において、第2実施形態と同様に、ハーネス型安全帯300は、背ベルト303および図示しない背ベルトに伸縮自在な伸縮部材を設けることもできる。なお、伸縮部材は、その他、一対の肩かけベルト301A、301Bに設けてもよい。
伸縮部材320Aは、蛇腹部321Aと、結着部322Aとを備えている。これら蛇腹部321Aと、結着部322Aは、第2実施形態の蛇腹部221A、結着部222Aと基本的に構成は同様となる。また伸縮部材320Bについては伸縮部材320Aと同様である。このように、腿ベルト302A、302Bにそれぞれ伸縮自在な伸縮部材320A、320Bを設けたことで、使用者が身体を左右によじった場合や、しゃがんだ場合において、腿ベルトが大腿部に食い込み不快感を与える状況を抑制することができる。
また、図9Aに示すようにハーネス型安全帯300においては、連結ベルト304A、304Bに、伸縮自在な伸縮部材340A、340Bが設けられている。伸縮部材340Aは、蛇腹部341Aと、結着部342Aとを備えている。これら蛇腹部341Aと、結着部342Aとは、第1実施形態の蛇腹部131、結着部132と基本的に構成は同様となる。ただし、蛇腹部341Aも長さ方向において伸縮するが、その長さ方向とは、すなわち連結ベルト304Aの長手方向に相当する。伸縮部材340Bについては伸縮部材340Aと同様である。このように、一対の連結ベルト304A、304Bに伸縮自在な伸縮部材340A、340Bが設けられることで、しゃがんだ場合に大腿部から臀部にかけてのベルトが突っ張る現象や大腿部への腿ベルトの食い込みを是正することができる。
一方、図9Bは、伸縮部材340の変形例である伸縮部材340’の側面を示している。伸縮部材340’は、扁平な弾性ベルト、例えばゴムベルトを使用することができる。なお、ハーネス型安全帯300においては、腿ベルト302A、302Bにそれぞれ伸縮部材320A、320Bが設けられている。このような構成では、腿ベルト302A、302Bに連結用のバックル(324A、325A、324B、325B)を設けない構成をとることも可能である。すなわち、腿ベルト302A、302Bをそれぞれ無端状(円環状)に形成することも可能である。このような構成の場合、使用者は伸縮部材320A、320Bの弾性伸縮を利用して外径を拡張して左右の大腿部に腿ベルト302A、302Bをそれぞれ容易に着用することができる。
連結ベルト304A、304Bに配置する伸縮部材340について検討する。連結ベルト304A、304Bの全体を伸縮部材340にするよりも、連結ベルト304A、304Bの伸縮しやすい箇所に伸縮部材340を設けることにより、伸縮が不要な領域においてハーネス型安全帯の安全性が向上し、伸縮が必要な箇所において装着時の窮屈感を軽減できると考えられる。しかし、どの部分が伸縮しやすいかは、明らかでないため、身長173cmで、首の付け根から尾てい骨に至る長さが75cmの被験者に対して、実証実験を行った。この実証実験の結果を図10に示した。なお、この被験者にとって首の付け根は、ハーネス型安全帯の背ベルト303の上端部分(上部ベルト留め具308)の位置付近であり、尾てい骨は、連結ベルト304A、304Bの下端部分(一対の連結ベルト304A、304Bと一対の腿ベルト302A、302Bとの連結部分)の位置付近であった。なお、背ベルト303と連結ベルト304Aとが1本のベルトである場合に、上記連結部分としては例えば下部ベルト留め具309の中間位置、又は下部ベルト留め具309より上方(上部ベルト留め具308側)の近傍位置が該当する。
図10に示したように、この被験者の首の付け根から尾てい骨に至る長さは、被験者がかがむと85cmとなり、10cm伸長していた。そして、首の付け根から35cmまでの領域(第一領域)では、伸長していなかった。つまり、背ベルト303における上部ベルト留め具308の位置を上端とし、一対の連結ベルト304A、304Bと一対の腿ベルト302A、302Bとの連結部分の位置を下端としたときに、下端から40/75≒53%以内の領域が10cm伸長していた。
図10に示した結果から、背ベルト303における、上部ベルト留め具308の中間位置を「上端」とし、上記連結部分(例えば下部ベルト留め具309の中間位置)を「下端」としたときに、伸縮部材は、下端から上端までの距離に対するその下端からの距離の割合が53%以内の領域に設けられることが好ましいと考えられた。伸縮部材の下端からの距離とは、当該下端から伸縮部材の長手方向の中間位置までの距離あるいは、当該下端から、伸縮部材における当該下端側の位置までの距離をいう。
また、図10に示したように、10cmの伸縮に関し、尾てい骨から20cmの領域(第三領域)では4cmの伸縮が確認されたのに対し、尾てい骨から20cm〜40cmの領域(第二領域)では6cmの伸縮が確認された。つまり、一対の連結ベルト304A、304Bの下端から20/75≒27%以上の領域により大きな伸縮が確認された。
この結果から、背ベルトにおける上部ベルト留め具308の位置を上端とし、一対の連結ベルト304A、304Bと一対の腿ベルト302A、302Bとの連結部分(例えば下部ベルト留め具309の中間位置または下部ベルト留め具309より上方の近傍位置)を下端としたときに、伸縮部材340は、下端から上端までの距離に対するその下端からの距離の割合が27%〜53%の領域に設けられることが好ましいと考えられた。
また、表1で既に示したように、一対の連結ベルト304A、304Bは、最小で4.5/46≒10%程度の伸長が必要であることが確認された。なお、この数値「4.5」は、表1における身長152cmの被験者の測定結果の「差異」を示す数値であり、また「46」は直立状態での首の付け根と尾てい骨までの長さの測定値を示す。また、連結ベルト304A、304Bは最大で12/67≒18%(身長181cmの被験者の測定結果を参照)程度の伸長が必要であることが確認された。つまり、一対の連結ベルト304A、304Bに設けられた伸縮部材は、該連結ベルトの延びる方向に、各連結ベルト304A、304Bを10%〜18%伸長可能に構成されることが好ましいと考えられた。
伸縮部材340は、使用者が立った状態では収縮していて、屈んだ状態では伸長しているといったように弾性変形する素材(弾性部材)を含んでいることが好ましいと考えられる。しかし、弾性部材が伸びやすい(緩い)とハーネスの安全性に支障をきたすおそれがある。反対に弾性部材が伸びにくいと、装着時の窮屈感を抑制することができない場合がある。そこで、伸縮部材340に最適な弾性部材を調査するため、実証実験を行った。先ず、連結ベルトに様々な弾性部材を適用し、10人の被験者にアンケートを行い、緩くなく、且つ窮屈感も感じにくい弾性部材を選定した。続いて、選定された弾性部材およびハーネス生地の伸びと力の関係を以下の条件で引張試験を行い測定した。結果を図11、図12に示した。
<試験条件>
試験機:オートグラフ(島津製作所製、型式 AG−IS 50−KN)
気温10度 湿度20%
測定対象:1.弾性部材(長さ60mm)
2.ハーネス生地(長さ60mm)
図11に示したように、上記弾性部材は、45mm(表1:差異の最小値)伸長させるのに必要な静止荷重が5N〜25Nであり、120mm(表1:差異の最大値)伸長させるのに必要な静止荷重が30N〜50Nであった。詳細には、上記弾性部材は、45mm〜120mmの範囲で長さΔL(mm)伸長させるのに必要な静止荷重F(N)が以下の式(1)の関係を満たした。
[数1]
ΔL/3−10≦F≦ΔL/3+10 ・・・式(1)
一方で、図12に示したように、上記ハーネス生地において、80mm伸長させるのに必要な静止荷重は55kN程度であり、上記弾性部材と比較するとほとんど伸びないことが明らかとなった。つまり、伸縮部材を評価するうえでは、ハーネス生地の伸縮を考慮する必要がないことが分かった。
アンケートの結果選定された、緩くなく、且つ窮屈感も感じにくい弾性部材に関する引張試験の結果(図11参照)、ハーネス生地に関する引張試験の結果(図12参照)から、次のような連結ベルトの伸縮部材340であれば、緩くなく、且つ窮屈感も感じにくいと考えられた。すなわちその伸縮部材340は、45mm伸長させるのに必要な静止荷重が5N〜25Nであり、且つ、120mm伸長させるのに必要な静止荷重が30N〜50Nである。このような伸縮部材340が用いられていると、ハーネス型安全帯を密着させて装着させたときであっても、窮屈感を軽減できるため、ハーネス型安全帯が緩く装着される状況を抑制できる。その結果、ハーネス型安全帯の安全性が向上する。言い換えると、その伸縮部材340は、45mm〜120mmの範囲で長さΔL(mm)伸長させるのに必要な静止荷重F(N)が上記の式(1)の関係を満たす。更に、ハーネス生地は弾性部材と比較してほとんど伸びないことから、例えばハーネス生地に弾性部材を編みこむことで、伸縮部材の最大伸長長さを規制することができると考えられた。
続いて、腿ベルト302A、302Bに配置する伸縮部材320A、320Bについて検討する。既に述べたように、170cmの被験者の大腿部周りを計測してみると、52cmが56cmに、181cmの被験者の大腿部の腿周りは、58cmが64cmに拡張していた。また、いずれの被験者においても使用者の正面側よりも、背面(臀部)側の方に大きな伸長が確認された。このことから、腿ベルト302A、302Bにおける伸縮部材320A、320Bは、使用者の臀部側に設けられることが好ましいと考えられた。
ハーネス型安全帯300の伸縮部材として弾性変形可能な弾性部材が用いられる場合に、弾性部材に求められる特性について検討する。このような弾性部材は、既に説明した上記式(1)に基づくとすれば、弾性部材の長さを60mmとし、17Nの荷重を与えた場合に80mm程度伸びるとよいと考えられる。一方で、ハーネス型安全帯の弾性部材としては、繰り返し伸縮しても、形状変化の少ない復元力が求められる。復元力は、弾性部材のヤング率等の物性だけでなく、形状等にも影響されると考えられる。そこで、様々な種類、形状の弾性部材を用いて実証実験を行った。
先ず、ゴムの種類をA〜Eの5種選び出し、それぞれを以下の形状に加工した。そして、それぞれのゴムに対し、17Nの荷重を与え、ゴムの伸びた長さを測定した。測定は10回行い、その平均値を求めた。結果を表2に示した。
<ゴムの形状>
平型:厚み0.5mm×幅12mm、長さ60mm
紐状:外径2.5mm、長さ60mm
線状:外径0.5mm、長さ60mm
Figure 2019181227
既に説明した上記式(1)に基づくとすれば、弾性部材の長さを60mmとし、17Nの荷重を与えた場合に80mm程度伸びる弾性部材がよいと考えられるので、材質に依らず、形状としては紐状又は線状7本が好ましいと考えられた。
続いて、紐状および線状7本の復元力を調査した。ゴムの種類はCとし、紐状又は線状7本の部材を400mmに切り分け、最終10000回引き延ばしては戻す行為を繰り返し、2000回ごとに非荷重時の弾性部材の長さを測定した。結果を表3に示した。
Figure 2019181227
表3に示した結果から、弾性部材が複数の線状の部材で構成されること、特に外径が0.5mmの線状の部材7本で構成されることが好ましいことが分かった。つまり、弾性部材は、外径が0.5mmの線状の部材7本で構成されることが好ましく、これにより、復元力が高い伸縮部材を得ることができると考えられた。
以上説明したように構成されたハーネス型安全帯300の伸縮部材340は、背ベルト303における上部ベルト留め具308の位置を上端とし、一対の連結ベルト304A、304Bと一対の腿ベルト302A、302Bとの連結部分の位置を下端としたときに、下端から上端までの距離に対するその下端からの距離の割合が53%以内の領域に設けられる。この領域に伸縮部材340を設けることで、伸縮が不要な領域においてハーネス型安全帯300の安全性が向上し、一対の連結ベルト304A、304Bの伸縮が必要な箇所において装着時の窮屈感を軽減できる。
また、背ベルト303における上部ベルト留め具308の位置を上端とし、一対の連結ベルト304A、304Bと一対の腿ベルト302A、302Bとの連結部分の位置を下端としたときに、伸縮部材340は、下端から上端までの距離に対するその下端からの距離の割合が27%〜53%の領域に設けられる。この領域に伸縮部材340を設けることで、連結ベルト304A、304Bの伸縮が必要な箇所において装着時の窮屈感をより軽減でき、かつ伸縮が不要な領域において身体への密着度が確保され、ハーネス型安全帯300の安全性がより向上する。
また、一対の連結ベルト304A、304Bに設けられた伸縮部材340は、連結ベルト304A、304Bの延びる方向にそれぞれ連結ベルト304A、304Bを10%〜18%伸長可能に構成される。伸縮部材340がこの範囲で伸長することにより、ハーネス型安全帯300の安全性が向上し、装着時の窮屈感を軽減できる。
また、連結ベルト304A、304Bに設けられた伸縮部材340は、45mm伸長させるのに必要な静止荷重が5N〜25Nであり、120mm伸長させるのに必要な静止荷重が30N〜50Nである。伸縮部材を45mm又は120mm伸長させるのに必要な力が上記の範囲であることにより、ハーネス型安全帯を密着させて装着させたときであっても、窮屈感を軽減できるため、ハーネス型安全帯が緩く装着される状況を抑制できる。その結果、従来では両立できなかった、ハーネス型安全帯500の安全性の向上と、装着時の窮屈感の軽減の双方を達成できる。
また、連結ベルト304A、304Bに設けられた伸縮部材340は、45mm〜120mmの範囲で長さΔL(mm)伸長させるのに必要な静止荷重F(N)が上記式(1)の関係を満たす。伸縮部材340を45mm〜120mm伸長させるのに必要な力が上記式(1)の範囲であることにより、ハーネス型安全帯を密着させて装着させたときであっても、窮屈感を軽減できるため、ハーネス型安全帯が緩く装着される状況を抑制できる。その結果、従来では両立できなかった、ハーネス型安全帯500の安全性の向上と、装着時の窮屈感の軽減の双方を達成できる。
また、腿ベルト302A、302Bに設けられた伸縮部材320A、320Bは、使用者の臀部側に配置される。使用者の臀部側に伸縮部材320A、320Bを設けることで、腿ベルト302A、302Bの伸縮が必要な箇所において装着時の窮屈感をより軽減でき、かつ伸縮が不要な領域において身体への密着度が確保され、ハーネス型安全帯300の安全性がより向上する。
また、伸縮部材340は、弾性変形可能な弾性部材を備え、弾性部材は、複数の線状の部材で構成される。弾性部材は、外径が0.5mmの線状の部材7本で構成される。これにより、ハーネス型安全帯300にとって適切な伸縮性と復元力とを備えた伸縮部材340を得ることができる。
図13Aおよび図13Bを参照して、第3実施形態に係るハーネス型安全帯の変形例について説明する。第3実施形態の変形例に係るハーネス型安全帯500は、一対の連結ベルトではなく、背ベルトに伸縮部材が配置される点が第3実施形態に係るハーネス型安全帯300と異なる。ハーネス型安全帯500のその他の構成は、ハーネス型安全帯300と同様である。
ハーネス型安全帯500は、肩かけベルト501A、501Bと、腿ベルト502A、502Bと、背ベルト503と、連結ベルト504A、504Bと、D環507と、上部ベルト留め具508と、下部ベルト留め具509と、胸ベルト512A、512Bを備える。これらは、ハーネス型安全帯100における肩かけベルト101A、101Bと、腿ベルト102A、102Bと、背ベルト103と、連結ベルト104A、104Bと、D環107と、上部ベルト留め具108と、下部ベルト留め具109と、胸ベルト112A、112Bと各部の役割、各配置はそれぞれ同様である。よって説明を割愛する。そして、一対の腿ベルト502A、502B及び背ベルト503に、それぞれ伸縮自在な伸縮部材520A、520B、530が設けられる。なお、伸縮部材は一対の肩かけベルト501A、501Bに設けられてもよい。
伸縮部材520A、520B、530は、例えば、弾性ベルトである。伸縮部材520A、520B、530については、これまで説明した構成、および各ベルトにおける位置と同様である。よって具体的な構成の説明を割愛する。
ハーネス型安全帯500の伸縮部材530は、背ベルト503における上部ベルト留め具508の位置を上端とし、一対の連結ベルト504A、504Bと一対の腿ベルト502A、502Bとの連結部分の位置を下端としたときに、下端から上端までの距離に対するその下端からの距離の割合が53%以内の領域に設けられる。この領域に伸縮部材530を設けることで、伸縮が不要な領域においてハーネス型安全帯500の安全性が向上し、背ベルト503の伸縮が必要な箇所において装着時の窮屈感を軽減できる。
また、背ベルト503に設けられた伸縮部材530は、背ベルト503の延びる方向に背ベルト503を10%〜18%伸長可能に構成される。伸縮部材530がこの範囲で伸長することにより、ハーネス型安全帯500の安全性が向上し、装着時の窮屈感を軽減できる。
[第4実施形態]
第4実施形態を図14〜図16Cを参照して説明する。図14は、ハーネス型安全帯400の全体構成を概略的に示す図である。図14に示すとおり、第4実施形態に係るハーネス型安全帯400は、肩かけベルト401A、401Bと、腿ベルト402A、402Bと、背ベルト403と、連結ベルト404A、404Bと、D環407と、上部ベルト留め具408と、下部ベルト留め具409と、胸ベルト412A、412Bを備える。これらは、ハーネス型安全帯100における肩かけベルト101A、101Bと、腿ベルト102A、102Bと、背ベルト103と、連結ベルト104A、104Bと、D環107と、上部ベルト留め具108と、下部ベルト留め具109と、胸ベルト112A、112Bと各部の役割、各配置はそれぞれ同様である。よって説明を割愛する。
図15を参照する。図15は、第4実施形態に係るハーネス400を使用者が着用した状態を示す背面図である。図15に示すように、使用者の背面側の肩かけベルト401A、401Bは、上部ベルト留め具408から上方に二股に分かれて使用者の両肩にかけて延び、背ベルト403は、上部ベルト留め具408から使用者の背面中央を下方に延びている。連結ベルト404A、404Bは、背ベルト403の下端から下部ベルト留め具409を介して二股に分かれて延びて各腿ベルト402A、402Bに固定されている。
第4実施形態において、ハーネス型安全帯400は、一対の腿ベルト402A、402Bに、伸縮自在な伸縮部材420A、420Bを、背ベルト403に伸縮自在な伸縮部材430を、図示しない背ベルトに図示しない伸縮部材を、連結ベルト404A、404Bに、伸縮自在な伸縮部材440A、440Bを設けている。
図16を参照する。図16Aは、本発明に係る伸縮部材420A、420B、(b)は伸縮部材430、(c)は伸縮部材440A、440Bの一例を示す側面図である。図16Aに示すように伸縮部材420Aは、蛇腹部421Aと、結着部422Aとを備えている。これら蛇腹部421Aと、結着部422Aは、第2実施形態の蛇腹部221A、結着部222Aと基本的に構成は同様となる。また伸縮部材420Bについては伸縮部材420Aと同様である。このように、腿ベルト402A、402Bにそれぞれ伸縮自在な伸縮部材420A、420Bを設けることで、使用者が身体を左右によじった場合や、しゃがんだ場合において、腿ベルトが大腿部に食い込み不快感を与える状況を抑制することができる。
図16Bを参照すると、伸縮部材430は、中央に長さ方向において伸縮する蛇腹構造を有する蛇腹部431と、蛇腹部431の両端に結着されかつ背ベルト403に連結する結着部432とを備えている。
図16Cを参照すると、伸縮部材440A、440Bは、中央に長さ方向において伸縮する蛇腹構造を有する蛇腹部441A、441Bと、蛇腹部441A、441Bの両端に結着されかつ背ベルト403に連結する結着部442A、442Bとを備えている。このように、連結ベルト404A、404Bに伸縮自在な伸縮部材440A、440Bを設けることで、しゃがんだ場合にハーネスのベルトが突っ張る現象や大腿部へのベルトの食い込みを是正することができる。
上述したとおり、伸縮部材420A、420B、430、440A、440Bは、これまでに説明した伸縮部材220A、220B、130、340A、340Bと同様の構成、配置となる。よって具体的な説明を割愛する。
ハーネス型安全帯400の伸縮部材430は、背ベルト403における上部ベルト留め具408の位置を上端とし、一対の連結ベルト404A、404Bと一対の腿ベルト402A、402Bとの連結部分の位置を下端としたときに、下端から上端までの距離に対するその下端からの距離の割合が53%以内の領域に設けられる。この領域に伸縮部材430を設けることで、伸縮が不要な領域においてハーネス型安全帯400の安全性が向上し、背ベルト403の伸縮が必要な箇所において装着時の窮屈感を軽減できる。
また、背ベルト403に設けられた伸縮部材430は、背ベルト503の延びる方向に背ベルト403を10%〜18%伸長可能に構成される。伸縮部材430がこの範囲で伸長することにより、ハーネス型安全帯400の安全性が向上し、装着時の窮屈感を軽減できる。
[効果]
本実施形態の効果を説明するにあたり、従来のハーネス型安全帯の傾向について前提として図17A、17B、図18A〜18Cを参照して説明する。図17A、17Bは、従来のハーネスを着用した使用者の身体運動によって背ベルトや腿ベルトが上方にずり上がる様子を示す図である。図17Aは、使用者Oが従来のハーネスを着用して背筋を伸ばし立った状態を示している。使用者Oは、肩肩かけベルト1、背ベルト3、腿ベルト2をきつく締めて着用している。図17Bは、使用者Oが、前屈みになって作業している状態である。使用者が各ベルトの長さを長く調節して緩くすると、使用者が前屈姿勢になった場合、背ベルトが引き上げられて、背ベルトに連結する腿ベルトが腿の上方にずり上がって快適な作業活動に支障をきたすという問題がある。
この場合、各ベルトを身体にきつく締め付けているため、前屈みになると、背ベルト3が矢印の方向に、すなわち上方向にずり上がる。そうすると、背ベルト3に連結した腿ベルト2も矢印の方向に引き上がる。すなわち、腿ベルト2が使用者Oの腿に食い込むか、肩かけベルト1が使用者Oの肩に食い込むかのいずれかになる。
図18Aは起立状態、図18Bは屈んだ状態、図18Cはしゃがんだ状態を示している。図18Bに示すとおり、ヒトが前屈みになると、背中が丸くなる。すなわち、太線部分Bが伸びる。また、図18Cに示すとおり、ヒトがしゃがみこんだ場合、腿から臀部が丸くなるので、太線部分Hが伸びる。すなわち、屈曲の度合いにおいて、屈んだ状態からしゃがむ状態に移行した場合、臀部から腿に至る部分について、ハーネスのベルトの収縮が必要となることが確認できる。
以上に示したとおり、背ベルトや腿ベルトのずり上がりが発生するのは、規則的もしくは不規則的な身体運動により生じるわけであり、ベルトの長さを調節してきつめにすれば、身体運動により生じた背ベルトが上方へずり上がる力は、腿に取り付けた腿ベルトにより、押さえることはできるが、逆に、身体運動の自由な動きに制約を加えることになってしまい着用感を著しく低下させるということになるのである。
これに対し、上記実施形態では、肩かけベルト、腿ベルト、連結ベルト、背ベルトのいずれか、あるいは任意の組み合わせに対して、それぞれに伸縮自在な伸縮部材を設けた。このような構成によれば、身体に対する適切な装着を行わせるために、装着時に与える窮屈感を低減することにより作業時の負担が軽減される。そのため、装着時の身体への密着度の向上を促すことができ、ひいては墜落事故の減少にもつながる効果がある。
従来のハーネス型安全帯においては、装着時の窮屈さを嫌ってハーネス型安全帯の装着が敬遠されてしまうおそれもあった。実際にフルハーネスでない安全帯や安全帯自体の未装着という状況も生じていた。これに対し、本実施形態のハーネス型安全帯では、装着時に与える窮屈感を低減しているため、フルハーネスの装着の促進をすることもでき、フルハーネスの装着率の向上を図ることも可能である。
また、ハーネス型安全帯は下半身に着用する作業着のサスペンダーの役割を果たすことも可能であり、腿ベルト、連結ベルトのいずれか又は双方に伸縮部材を設ける構成においては、そのサスペンダーの機能を損なうことなく、上記効果を達成することが可能である。
また、実証実験により得た伸縮部材の適正な長さが、ハーネスの機能性を最大にするとともに安全性の担保を可能にした。したがって、上記実施形態に係るハーネス型安全帯は、動きやすく、他の構造物等に引っかかる危険を大幅に軽減する効果がある。
[変形例]
なお、第1実施形態の冒頭で説明した通り、上記実施形態1〜4および各説明に記載した変形例や追加実施形態は、いわゆるY型ハーネスと呼ばれるフルハーネスの各形態のうちの一形態を示すものである。しかしながら、これら実施形態1〜4および各説明に記載した変形例や追加実施形態はこれに限られるものではなく、他のY型ハーネスやX型、H型ハーネス等、様々なフルハーネスに適用することが可能である。以下、他のY型ハーネスやX型、H型ハーネス等、様々なフルハーネスの基本構成につき概要を説明する。
[Y型変形例]
図19は、Y型変形例に係るハーネスを使用者が着用した状態を示す背面図である。図19に示すように、ハーネス型安全帯300Yは、肩かけベルト301AY、301BYと、腿ベルト302AY、302BYと、背ベルト303Yと、連結ベルト304AY、304BYと、D環307Yと、上部ベルト留め具308Yと、下部ベルト留め具309Yと、胸ベルト312AY、312BYを備える。ハーネス型安全帯300Yにおいて、上記実施形態と大きく異なる点として、肩かけベルトが、背ベルト303Yと一体ではなく分離されており、上部ベルト留め具308Yを介して接続されていることが挙げられる。また、背ベルト303Yは、連結ベルト304AY、304BYと、一体ではなく分離されており、下部ベルト留め具309Yを介して接続されていることが挙げられる。
上部ベルト留め具308Yと、下部ベルト留め具309Yは、ベルト通し用の二つの長孔が上下に問隔をおいて形成されている。上部ベルト留め具308Yの上側の長孔には肩かけベルト301AY、301BYが通されて交差されている。なお、図19の例においては、肩かけベルト301AY、301BYが、上部ベルト留め具308Yの上側の長孔を介して、使用者の右肩側、左肩側へと二股に分岐するように示されている。またこの図の例においては肩かけベルト301AY、301BYは1本のベルトである。また、肩かけベルト301AY、301BYが、上部ベルト留め具308Yの上側の長孔での折り返し部分は縫合されており、全体に対して、また背ベルト303Yに対してその位置が固定されている。背ベルト303Yの一端は、上部ベルト留め具308Yの下側の長孔を通して折り返され、やや下部ベルト留め具309Y側の位置で縫合されている。
さらに、下部ベルト留め具309Yの上側の長孔には背ベルト303Yが通されている。背ベルト303Yの他端は、下部ベルト留め具309Yの上側の長孔を通して折り返され、上部ベルト留め具308Y側の位置に設けられたベルト調整具に通されている。下部ベルト留め具309Yの下側の長孔には連結ベルト304AY、304BYの上端が通されている。
本Y型変形例において、ハーネス型安全帯300Yの、連結ベルト304AY、304BYには、それぞれ伸縮自在な伸縮部材340AY、340BYが設けられている。また、ハーネス型安全帯300Yにおいて、腿ベルト302AY、302BYに、伸縮自在な伸縮部材320AY、320BYが設けられている。これら伸縮部材の構成、配置位置等は上記第3実施形態の構成と同様である。よって、第3実施形態の各追加実施形態や変形例を、このY型変形例を適用することが可能である。
[X型変形例]
図20AはX型変形例に係るハーネスを示す概略正面図である。図20Aに示すように、ハーネス型安全帯300Xは、肩かけベルト301AX、301BXと、腿ベルト302AX、302BXと、背ベルト3031X、背ベルト3032Xと、連結ベルト304AX、304BXと、D環(不図示)と、上部ベルト留め具308Xと、下部ベルト留め具3091X、3092Xと、胸ベルト312AX、312BXを備える。ハーネス型安全帯300Xにおいて、上記実施形態1〜4との共通点は、肩かけベルト301AXが、背ベルト3031X、連結ベルト304BXと一体に形成された1本のベルトであり、同様に肩かけベルト301BXが、背ベルト3021X、連結ベルト304AXと一体に形成された他の1本のベルトであることにある。
異なる点としては、上記実施形態1〜4では背ベルト同士が使用者の前後方向において重なっていたが、X型変形例においては、上部ベルト留め具308Xを介して左右(使用者の左右方向を基準とする)に分岐していることが挙げられる。また、双方の背ベルトの間を架け渡されるように結ぶ接続ベルトが設けられる。これは、上部ベルト留め具308Xのやや下方(使用者の頭足方向を基準とする)であって、使用者の胸の略後側に相当する位置に設けられる。
また、肩かけベルト301AXと背ベルト3031Xとは、下部ベルト留め具3091Xによって、相対的位置が保持される。この下部ベルト留め具3091Xは、上記実施形態1〜4と異なり、使用者の腰部右側またはその上もしくは下に隣接する位置に相当する位置に設けられる。同様に肩かけベルト301BXと背ベルト3032Xとは、下部ベルト留め具3092Xによって、相対的位置が保持される。この下部ベルト留め具3092Xは、使用者の腰部左側またはその上もしくは下に隣接する位置に相当する位置に設けられる。
本X型変形例において、ハーネス型安全帯300Xの、連結ベルト304AX、304BXには、それぞれ伸縮自在な伸縮部材340AX、340BXが設けられている。また、ハーネス型安全帯300Xにおいて、腿ベルト302AX、302BXに、伸縮自在な伸縮部材320AX、320BXが設けられている。これら伸縮部材の構成、配置位置等は上記第3実施形態の構成と同様である。よって、第3実施形態の各追加実施形態や変形例を、このX型変形例適用することが可能である。なお、X型変形例としては図20Bに示すような腿ベルトがその側方側(使用者の腸骨側に相当する位置)に向かって上方に傾斜しているような形状のものを含む。
[H型変形例]
図21は、H型変形例に係るハーネスを示す概略背面図である。図21に示すように、ハーネス型安全帯300Hは、肩かけベルト301AH、301BHと、腿ベルト302AH、302BHと、背ベルト3031H、背ベルト3032Hと、D環307Hと、上部ベルト留め具308Hと、胸ベルト312AH、312BHを備える。ハーネス型安全帯300Hにおいて、上記X型のハーネス型安全帯300Xとの共通点が多い。例えば、肩かけベルト301AHは、背ベルト3031H、連結ベルト304BHと一体に形成された1本のベルトであり、同様に肩かけベルト301BHが、背ベルト3021H、連結ベルト304AHと一体に形成された他の1本のベルトである。
またX型のハーネス型安全帯300Xと同様に、H型変形例においても、上部ベルト留め具308Hを介して左右(使用者の左右方向を基準とする)に分岐している。また、双方の背ベルトの間をかけ渡されるように結ぶ接続ベルトが設けられる点についても共通である。ただし、背ベルトの分岐する角度が小さいため、X型のハーネス型安全帯300Xと異なり、背ベルトと肩かけベルトが交差せず、X型のハーネス型安全帯300Xのような下部ベルト留め具が設けられない。また、上記実施形態1〜4においても連結ベルトと背ベルトの区別は概念的なものであったが、H型のハーネス型安全帯300Hにおいては、背ベルトが直接腿ベルトに接続されるため、連結ベルトは定義されない。
本H型変形例において、ハーネス型安全帯300Hの、背ベルトにおける使用者の臀部から大腿部にかけての位置(上記他の例の連結ベルトに相当する位置には、それぞれ伸縮自在な伸縮部材340AH、340BHが設けられている。また、ハーネス型安全帯300Hにおいて、腿ベルト302AH、302BHに、伸縮自在な伸縮部材320AH、320BHが設けられている。これら伸縮部材の構成、配置位置等は上記第3実施形態の構成と同様である。よって、第3実施形態の各追加実施形態や変形例を、このH型変形例に適用することが可能である。
また、Y型ハーネスにおいて、背ベルトと肩かけベルトが前後方向で逆になっている構成を採用することも可能である。
[その他の変形例]
図22は、その他の変形例に係るハーネスの概要を示す背面図である。図22に示すように、ハーネス型安全帯300Αは、肩かけベルト301Aα、301Bαと、腿ベルト302Aα、302Bαと、背ベルト303αと、連結ベルト304Aα、304Bαと、D環307αと、上部ベルト留め具308αと、胸ベルト312Aα、312Bαを備える。ハーネス型安全帯300αにおいて、上記実施形態と大きく異なる点は、肩かけベルトそれぞれの下方側の一部と、対応する各連結ベルトの一部とが接続されていることにある。各連結ベルトが一体的に形成されつつ、これらは背ベルト303αとは一体ではなく分離されており、背ベルトの下端側で接続されている点も差異点として挙げられる。その他の各部の機能や配置等は同様である。
上記実施形態からハーネス型安全帯として次のような特徴を挙げることが可能である。
[付記1]
使用者の肩を通り、前記使用者の前面側を両肩から下方に延びる肩かけベルトと、
前記肩かけベルトの一端側において直接的または間接的に接続される腿ベルトと、
前記肩かけベルトと一体的に形成されるか、あるいは接続され、かつ前記使用者の背面側を下方に延びる背ベルトと、を備えるハーネス型安全帯であって、
前記一対の肩かけベルト、前記一対の腿ベルト、又は前記背ベルトに伸縮自在な伸縮部材を配設したことを特徴とするハーネス型安全帯。
[付記2]
前記背ベルト及び前記腿ベルトのそれぞれに伸縮自在な伸縮部材を配設したことを特徴とする付記1に記載のハーネス型安全帯。
[付記3]
前記背ベルトの下端から下部ベルト留め具を介して前記腿ベルトに連結される連結ベルトとを備え、
前記連結ベルト及び前記腿ベルトのそれぞれに伸縮自在な伸縮部材を配設したことを特徴とする付記1に記載のハーネス型安全帯。
[付記4]
さらに前記背ベルトに伸縮自在な伸縮部材を配設したことを特徴とする付記3に記載のハーネス型安全帯。
[付記5]
前記伸縮部材は、弾性ベルトを含むことを特徴とする付記1から4のいずれかに記載のハーネス型安全帯。
[付記6]
前記伸縮部材は、中空管体の管内に弾性ベルトを通し、中空管体は長さ方向に皺を形成し、前記弾性ベルトの伸縮に合わせて該皺幅が変化して蛇腹形状を形成することを特徴とする付記1から4のいずれかに記載のハーネス型安全帯。
[付記7]
前記伸縮部材は、中央に長さ方向において伸縮する蛇腹構造を有する蛇腹部と、該蛇腹部の両端に結着される結着部とを備え、
前記蛇腹部は、非伸縮糸で製織された第一層と第二層とを含む帯状体に対し、複数の弾性糸が該帯状体の長さ方向に編み込まれ、
前記帯状体の前記第一層側には、前記弾性糸の第一層縫着箇所が前記帯状体の長さ方向に複数個所設けられ、
前記帯状体の前記第二層側には、前記の第二層縫着箇所が前記帯状体の長さ方向に複数個所設けられ、
前記帯状体の長さ方向において、前記第一層縫着箇所と前記第二層縫着箇所とは交互に並ぶよう設けられ、
前記第一層方着箇所及び前記第二層縫着箇所は、編み込まれた前記弾性糸を前記帯状体の幅方向に縫着されたものであることを特徴とする付記1ないし4のいずれかに記載のハーネス型安全帯。
[付記8]
前記蛇腹部は、前記伸縮部材の最大伸長長さを規制することを特徴とする付記6又は7に記載のハーネス型安全帯。
[付記9]
前記背ベルトにおける前記上部ベルト留め具の位置を上端とし、前記連結ベルトと前記腿ベルトとの境界部分を下端としたときに、前記伸縮部材は、前記下端から上端までの距離に対するその下端からの距離の割合が53%以内の領域に設けられる付記1から8のいずれかに記載のハーネス型安全帯。
[付記10]
前記背ベルトにおける前記上部ベルト留め具の位置を上端とし、前記連結ベルトと前記腿ベルトとの境界部分を下端としたときに、前記伸縮部材は、前記下端から上端までの距離に対するその下端からの距離の割合が27%〜53%の領域に設けられる付記1から8のいずれかに記載のハーネス型安全帯。
[付記11]
前記連結ベルト又は前記背ベルトに配設された伸縮部材は、該ベルトの延びる方向に該ベルトを10%〜18%伸長可能に構成される付記1から10のいずれかに記載のハーネス型安全帯。
[付記12]
前記連結ベルト又は前記背ベルトに配設された伸縮部材は、45mm伸長させるのに必要な静止荷重が5N〜25Nであり、120mm伸長させるのに必要な静止荷重が30N〜50Nである付記1から11のいずれかに記載のハーネス型安全帯。
[付記13]
前記連結ベルト又は前記背ベルトに配設された伸縮部材は、45mm〜120mmの範囲で長さΔL(mm)伸長させるのに必要な静止荷重F(N)が以下の式(1)の関係を満たす付記1から12のいずれかに記載のハーネス型安全帯。
[数1]
ΔL/3−10≦F≦ΔL/3+10 ・・・式(1)
[付記14]
前記一対の腿ベルトに配設された伸縮部材は、前記使用者の臀部側に配置される付記1から13のいずれかに記載のハーネス型安全帯。
[付記15]
前記伸縮部材は、弾性変形可能な弾性部材を備え、
前記弾性部材は、複数の線状の部材で構成される付記1から14のいずれかに記載のハーネス型安全帯。
[付記16]
前記伸縮部材は、弾性変形可能な弾性部材を備え、
前記弾性部材は、外径が0.5mmの線状の部材7本で構成される付記1から15のいずれかに記載のハーネス型安全帯。
以上、本発明に係るハーネス型安全帯における好ましい実施形態を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。
本発明に係るハーネス型安全帯は、身体に対する適切な装着を行わせるために、装着時に窮屈感を与えず作業時の負担が軽減されるため、装着率の向上を促すことにより墜落事故の減少にもつながり、事故における死傷率の大幅な削減に貢献する用具として広く利用することができる。さらに、建築現場用のハーネス型安全帯としてのみならず、山岳装具として墜落防止用のハーネス型安全帯としても転用することができる。
100 200 300 400 500 ハーネス型安全帯
130 230 430 伸縮部材
220 320 420 520A 520B 伸縮部材
340 440 伸縮部材
101A 101B 201A 201B 301A 301B 401A 401B 501A 501B 肩かけベルト
102A 102B 202A 202B 302A 302B 402A 402B 502A 502B 腿ベルト
103 203 303 403 背ベルト
104A 104B 204A 204B 304A 304B 404A 404B 連結ベルト
107 207 307 407 507 D環
108 208 308 408 508上部ベルト留め具
109 209 309 409 509下部ベルト留め具

Claims (5)

  1. 使用者の肩を通り、前記使用者の前面側を両肩から下方に延びる肩かけベルトと、
    前記肩かけベルトの一端側において直接的または間接的に接続される腿ベルトと、
    前記肩かけベルトと一体的に形成されるか、あるいは接続され、かつ前記使用者の背面側を下方に延びる背ベルトと、を備えるハーネス型安全帯であって、
    前記腿ベルトの一部分、および前記背ベルトにおける前記使用者の臀部または大腿部の少なくともいずれか一方に面する部分の一部のみに、伸縮自在な伸縮部材を設け、
    前記伸縮部材は、伸縮しないベルト部に挟まれ、両端がそれぞれ該ベルト部と結着部により接続されており、該ベルト部および結着部の長さの合計が伸縮部材より長いことを特徴とするハーネス型安全帯。
  2. 使用者の肩を通り、前記使用者の前面側を両肩から下方に延びる肩かけベルトと、
    前記肩かけベルトの一端側において直接的または間接的に接続される腿ベルトと、
    前記肩かけベルトと一体的に形成されるか、あるいは接続され、かつ前記使用者の背面側を下方に延びる背ベルトと、
    前記背ベルトの下端側において一体的に形成されるか、あるいは接続され、かつ前記腿ベルトと接続され、前記使用者の臀部および大腿部の少なくともいずれか一方に面して下方に延びる連結ベルトと、を備えるハーネス型安全帯であって、
    前記腿ベルトの一部および前記連結ベルトの一部のうち少なくともいずれか一方のみに伸縮自在な伸縮部材を設け、
    前記伸縮部材は、伸縮しないベルト部に挟まれ、両端がそれぞれ該ベルト部と結着部により接続されており、該ベルト部および結着部の長さの合計が伸縮部材より長いことを特徴とするハーネス型安全帯。
  3. 前記連結ベルトは、前記背ベルトの下端から下部ベルト留め具を介して前記腿ベルトに連結され、
    前記連結ベルト及び前記腿ベルトのそれぞれに前記伸縮部材が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のハーネス型安全帯。
  4. 前記伸縮部材は、長さ方向において伸縮する蛇腹構造を有する蛇腹部と、該蛇腹部の両端に結着される結着部とを備え、
    前記蛇腹部は、非伸縮糸で製織された第一層と第二層とを含む帯状体を有し、
    前記帯状体は、その長さ方向に編み込まれた複数の弾性糸を含み、
    前記帯状体の前記第一層側には、前記弾性糸の第一層縫着箇所が前記帯状体の長さ方向に複数個所設けられ、
    前記帯状体の前記第二層側には、前記弾性糸の第二層縫着箇所が前記帯状体の長さ方向に複数個所設けられ、
    前記帯状体の長さ方向において、前記第一層縫着箇所と前記第二層縫着箇所とは交互に並ぶように設けられ、
    前記非伸縮糸の第一層および前記第二層と前記弾性糸とは、前記帯状体の前記長さ方向に対する幅方向に縫着糸で編み込まれたものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のハーネス型安全帯。
  5. 使用者の背中上部から上方に交差して延びて使用者の両肩を通り、前記使用者の前面側を両肩から下方に延びる一対の肩かけベルトと、
    前記一対の肩かけベルトの一端に取り付けられる一対の腿ベルトと、
    前記肩かけベルトが交差して取り付けられる上部ベルト留め具を介して前記使用者の背中中央に対応して下方に延びる背ベルトと、
    前記背ベルトの下端から下部ベルト留め具を介して二股に分かれて延びて前記一対の腿ベルトに連結される一対の連結ベルトと、を備えるハーネス型安全帯であって、
    前記一対の腿ベルトの一部および前記連結ベルトの一部のうち少なくともいずれか一方のみに伸縮自在な伸縮部材を配設し、
    前記伸縮部材は、伸縮しないベルト部に挟まれ、両端がそれぞれ該ベルト部と結着部により接続されており、該ベルト部および結着部の長さの合計が伸縮部材より長いことを特徴とするハーネス型安全帯。
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