JP6270800B2 - タイツ - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも腰部から膝下までを被覆する部分を有するタイツに関する。
近年において、衣類の特定の部位に緊締力が強い部分を形成し、ランニングや歩行をサポートすることが提案されている。例えば、特許文献1には、前身頃の履き口前部から膝頭点に向かう大腿部の大腿直筋の範囲内の領域に、少なくとも膝蓋骨上端に達する長さで、高弾性素材を配置することで、膝関節の屈曲動作をアシストするタイツが提案されている。特許文献2には、膝蓋骨を覆い、膝蓋骨から大腿部及下腿部にかけて脚部の長さ方向にそれぞれ延在する強締付け領域を備え、膝関節動作を支援することができるインナーウェアが提案されている。特許文献3には、ズボンの左右前身頃に弾性を有するゴムを編み込んだ布を縫着することで歩行を促進する衣類が記載されている。
国際公開公報2013/179440 特開2007−303040号公報 登録実用新案公報第3043589号
しかし、特許文献1において、左右の前身頃に配置されている高弾性素材は腹部において繋がっているため、着用感が悪くなる問題があった。特許文献2では、膝蓋骨に対して大腿部側及下腿部側で強締付け領域を係止する係止部を設ける必要があった。また、特許文献2では、着用者の椅座位から立位へ移る動作を支援することについて検討しているものの、ウォーキング時の脚の蹴りだしをアシストすることについては検討されていない。特許文献3では、弾性を有するゴムを編み込んだ布を後身頃まで延びる移動防止帯によって固定しているため、着用感が悪い問題があった。
本発明は、上記従来の問題を解決するため、着用感が良好であり、運動時、特に、ウォーキング時の脚の蹴りだしをアシストすることができるタイツを提供する。
本発明は、伸縮性を有する生地で形成されており、少なくとも腰部から膝下までを被覆する部分を有し、身体にほぼ密着した状態で着用されるタイツであり、前記タイツは、左右の前身頃において、緊締力の強い緊締部を有し、前記緊締部は、膝蓋骨全体及び脛骨粗面を覆うように膝関節をまたぐ領域に配置されている略楕円形の膝緊締部と、前記膝緊締部と連続的に繋がっており、腰部まで延在する帯状の大腿緊締部を含み、左右の前身頃において、前記大腿緊締部は互いに分離しており、前記大腿緊締部は前記膝緊締部と長軸伸長率が同じであるか、前記大腿緊締部は前記膝緊締部より長軸伸長率が小さいことを特徴とするタイツに関する。
前記膝緊締部は、身体の周方向における幅が9cm以上20cm以下であることが好ましい。また、身体の長さ方向において、膝蓋骨上端から膝緊締部上端までの距離が4cm以上であることが好ましい。また、身体の長さ方向において、膝蓋骨下端から膝緊締部下端までの距離が5cm以上10cm以下であることが好ましい。
前記大腿緊締部は、身体の周方向における幅が3cm以上10cm以下であることが好ましい。また、前記大腿緊締部は、身体の周方向において、クロッチからの距離が10cm以上20cm以下の領域を覆うことが好ましい。
前記大腿緊締部の緊締力が前記膝緊締部の緊締力より強いことが好ましい。前記タイツにおいて、本体生地の身体の周方向における伸長率が、本体生地の身体の長さ方向における伸長率より大きいことが好ましい。
本発明のタイツは、着用感がよく、運動時、特に、歩行時の脚の蹴りだしをアシストすることができる。
図1Aは本発明のタイツの一実施態様の正面図であり、図1Bは同外側面図である。 図2Aは本発明のタイツの他の一実施態様の正面図であり、図2Bは同外側面図である。 図3は膝伸展トルクの測定を説明する模式図である。 図4は膝伸展トルクの結果を示すグラフである。 図5は歩行速度の結果を示すグラフである。
本発明者は、着用感が良好であり、運動時、特に、ウォーキング時の脚の蹴りだしをアシストすることができるタイツについて鋭意検討した。その結果、ウエスト部から膝下にかけて、膝蓋骨及び脛骨粗面を覆う略楕円形の膝緊締部と、膝緊締部と連続的に繋がっており、腰部まで延在する帯状の大腿緊締部を配置するとともに、左右の前身頃において、大腿緊締部を互いに分離させることで、良好な着用感を維持しつつ、ウォーキング時の脚の蹴り出しをアシストすることで最適なウォーキングに近づけることが可能になることを見出し、本発明に至った。近年、中高齢者に適する強度の運動としてウォーキングが盛んに実施されているが、中高齢者の中でも筋力の衰えなどの理由で最適な時間内又は目的距離をウォーキングできない人が存在する。本発明のタイツは、このような中高齢者に好適である。
本発明において、「伸縮性を有する」とは、タイツを形成する生地の身体の周方向における伸長率及び/又は身体の長さ方向における伸長率が0%を超えることを意味する。本発明において、伸長率とは、JIS L 1096に準じて測定したものをいい、具体的には、荷重をかけていない状態の生地片の長さをAとし、15Nの荷重をかけた状態の生地片の長さをBとした場合、伸長率=(B―A)/A×100で算出したものである。
また、本発明において、「ほぼ密着」の状態を作るには、人体の裸のサイズに対して、周囲方向は50〜110%、より好ましくは70〜95%、丈は75〜100%、より好ましくは85〜100%としてタイツを形成する。もちろん人体のサイズは個人差があるので、前記の比率は目安である。より具体的には、JASPO規格に従ってサイズを決める。
本発明のタイツは、少なくとも腰部から膝下までを被覆する部分を有すればよく、特に限定されない。例えば腰部から膝下までを覆うように形成されていてもよく、腰部から足首までを覆うように形成されていてもよく、腰部から足甲までを覆うように形成されていてもよい。
本発明のタイツは、緊締力の強い緊締部を有する。通常、生地の伸長率が低いほど緊締力が強くなり、本発明において、緊締力が強いとは、伸長率が低いこと、身体の長さ方向における伸長率(以下において、単に長軸伸長率とも記す。)が低いことを意味する。
本発明において、緊締部は、前身頃に配置されている。膝蓋骨及び脛骨粗面を覆うように膝関節をまたぐ領域に膝緊締部を配置しつつ、膝緊締部の形状を略楕円形にすることで、膝関節の屈曲及び伸展時に、膝緊締部が脛骨粗面に引っかかり、膝緊締部がずれ上がることを防止する。そして、前記膝緊締部と連続的に繋がっており、腰部まで延在する帯状の大腿緊締部を含むことにより、腰部でのアンカーを膝部までにつなぐことで、ウォーキング時の脚の蹴りだしをアシストすることができる。緊締部が前身頃に配置されていることにより、着用感も良好になる。また、左右の前身頃において、前記大腿緊締部は互いに分離していることにより、腹部の圧迫が軽減され着用感も良好になる。
前記膝緊締部は、縦長の略楕円形である。タイツの着用時に、身体の前面部に存在し、前記膝緊締部の身体の周方向の幅は、9cm以上20cm以下であることが好ましく、12〜16cmであることがより好ましい。また、タイツの着用時に、身体の長さ方向において、膝蓋骨上端から前記膝緊締部上端までの距離が4cm以上であることが好ましく、4〜9cmであることがより好ましい。本発明において、「膝蓋骨上端から膝緊締部上端までの距離」とは、膝蓋骨上端の頂点を通る水平線と、膝緊締部上端の頂点を通る水平線間の距離をいう。また、本発明において、距離とは、最短直線距離をいう。膝の屈伸時に皮膚の伸縮が大きい範囲を覆うことにより、ウォーキング時の脚の蹴り出しが促進される。また、タイツの着用時に、身体の長さ方向において、膝蓋骨下端から前記膝緊締部下端までの距離が5cm以上10cm以下であることが好ましく、7〜9cmであることがさらに好ましい。本発明において、「膝蓋骨下端から膝緊締部下端までの距離」とは、膝蓋骨下端の底点を通る水平線と、膝緊締部下端の底点を通る水平線間の距離をいう。膝緊締部がずれ上がることを効果的に防止しつつ、着用感を良好にすることができる。
前記大腿緊締部は、縦長の帯状であり、タイツの着用時に、身体の前面部に存在し、前記大腿緊締部の身体の周方向の幅は、3cm以上10cm以下であることが好ましく、5〜9cmであることがより好ましい。アンカーとしての役割を果たしつつ、違和感がない。前記大腿緊締部において、身体の長さ方向に沿って配置されている外縁部は、曲線を描いていることが好ましい。アンカーとしての役割を果たしつつ、違和感がない。前記大腿緊締部は、タイツの着用時に、身体の周方向において、クロッチからの距離が10cm以上20cm以下の領域を覆うことが好ましい。股関節を屈曲したときに鼠径部に違和感がない。
前記緊締部を形成する生地の長軸伸長率と、緊締部を除くその他の部位(以下において、単に他の部位とも記す。)を形成する生地の長軸伸長率の比が1.3〜3.7であることが好ましく、1.5〜3.5であることがより好ましく、2〜3.5であることがさらに好ましく、2〜3であることが特に好ましい。伸長率の比が上記の範囲であることにより、動きやすさを保持しつつ、緊締部によるウォーキング時の脚の蹴りだし促進効果が良好になる。
前記緊締部を形成する生地の長軸伸長率は、10〜150%であることが好ましく、30〜100%であることがより好ましい。前記緊締部を形成する生地の短軸伸長率は、30〜150%であることが好ましく、50〜100%であることがより好ましい。ウォーキング時の脚の蹴りだしを促進するうえ、圧迫感がなく着用感にも優れるからである。また、他の部位を形成する生地の長軸伸張率は、80%以上であることが好ましく、100%以上であることがより好ましく、130〜200%であることがさらに好ましい。他の部位を形成する生地の短軸伸張率は、120%以上であることが好ましく、150%以上であることがより好ましく、170〜250%であることがさらに好ましい。着用感が良好になる。
前記緊締部を形成する生地の身体の周方向における伸長率(以下において、単に「短軸伸長率」とも記す。)は、長軸伸長率より高いことが好ましく、5〜100%高いことがより好ましく、10〜60%高いことがさらに好ましい。また、他の部位を形成する生地の短軸伸長率は、長軸伸長率より高いことが好ましく、5〜150%高いことがより好ましく、10〜100%高いことがさらに好ましい。着用しやすく、長時間の着用でも締付け感がほとんど生じない。
前記大腿緊締部の緊締力は、前記膝緊締部の緊締力より大きいことが好ましい。すなわち、前記大腿緊締部を形成する生地は、前記膝緊締部を形成する生地より長軸伸長率が低いことが好ましく、5〜100%低いことがより好ましく、30〜80%低いことがさらに好ましい。ウォーキング時の脚の蹴りだし促進効果がより良好になる。
前記膝緊締部と大腿緊締部が同じ生地で形成されている場合は、前記膝緊締部と大腿緊締部は形状的に明確に分けられておらず、帯状の大腿緊締部と略楕円形の膝緊締部が形状的に一体化され、腰部から膝下にかけて、縦長の帯状の緊締部が膝部分で膨らんで略半楕円形になる。
本発明において、生地としては、伸縮性を有するものであればよく、特に限定されず、例えば織物、編物などの通常の衣服用生地を用いることができる。織物としては、例えば平織、斜文織、朱子織、変化平織、変化斜文織、変化朱子織、変わり織、紋織、片重ね織、二重組織、多重組織、経パイル織、緯パイル織、絡み織などが挙げられる。編物としては、例えば丸編、緯編、経編(トリコット編、ラッセル編を含む)、パイル編、平編、天竺編、リブ編、スムース編(両面編)、ゴム編、パール編、デンビー組織、コード組織、アトラス組織、鎖組織、挿入組織などが挙げられる。前記生地は、特に限定されないが、例えば、目付けが120〜380g/m2の範囲が好ましく、より好ましくは160〜340g/m2の範囲、さらに好ましくは240〜280g/m2の範囲である。上記の範囲であれば、運動機能を損なわず、耐久性も良く、軽くて動きやすい利点がある。また、上記生地は、エラストマー樹脂又はゴムにより含浸或いはプレス処理されたものでもよい。エラストマー樹脂としては、ウレタン系エラストマー、軟質塩化ビニル系エラストマー、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー、塩素化ポリエチレン系エラストマー、Syn−1,2−ポリブタジエン系エラストマー、Trans−1,4−ポリイソプレン系エラストマー、フッ素系エラストマー等が挙げられる。ゴムとしては、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、合成ゴム、天然ゴム等が挙げられる。また、上記生地は一枚であってもよく、異なる伸長率の二枚の生地を重ねたものであってもよい。
前記生地を形成する繊維としては、特に限定されず、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維、ポリウレタン繊維、ポリアミド繊維、アセテート繊維、コットン繊維、レーヨン繊維、エチレンビニルアルコール繊維、ナイロン繊維などを用いることができる。
前記タイツは、長軸伸長率が異なる生地をそれぞれ用いて緊締部と他の部位を形成してもよく、所定の伸長率の一種類の生地(以下において、本体生地とも記す。)で衣服を作製した後、他の生地を二重打ちして緊締部を形成してもよい。前記タイツは、本体生地で衣服を作製した後、樹脂等を含浸又は付着させることで緊締部を形成してもよい。また、“セーレンビスコマジック”(セーレン株式会社製)などのナイロン繊維糸とポリエステル繊維糸を引き揃えた特殊な生地を用いて、ポリエステル繊維のみを所定の位置で特殊溶剤にて溶かすことにより緊締部を形成してもよい。また、島精機製作所の“ホールガーメント”専用機を用いて、緊締部と他の部位を異なる繊維組成で編むことにより作製してもよい。
以下、図面に基づいて、本発明のタイツを説明する。
図1Aは本発明のタイツの一実施態様(実施形態1)の正面図であり、図1Bは同外側面図である。図1A及び図1Bに示しているように、実施形態1のタイツ1は、左右の前身頃において、緊締力が強い緊締部2を有している。緊締部2は、膝蓋骨及び脛骨粗面を覆うように膝関節をまたぐ領域に配置されている略楕円形の膝緊締部10と、膝緊締部10と連続的に繋がっており、腰部まで延在する帯状の大腿緊締部20を含む。左右の前身頃において、大腿緊締部20は互いに分離している。実施形態1のタイツ1において、膝緊締部10及び大腿緊締部20は、異なる長軸伸長率の生地で形成されている。
膝緊締部10は、縦長の略楕円形である。タイツの着用時に、膝緊締部10の身体の周方向の幅は、9cm以上20cm以下であることが好ましく、12〜16cmであることがより好ましい。また、タイツの着用時に、身体の長さ方向において、膝蓋骨上端から膝緊締部10の上端までの距離が4cm以上であることが好ましく、4〜9cmであることがより好ましい。膝の屈伸時に皮膚の伸縮が大きい範囲を覆うことにより、ウォーキング時の脚の蹴り出しが促進される。また、タイツの着用時に、身体の長さ方向において、膝蓋骨下端から膝緊締部10の下端までの距離が5cm以上10cm以下であることが好ましく、7〜9cmであることがより好ましい。膝緊締部がずれ上がることを効果的に防止する。
大腿緊締部20は、縦長の帯状であり、タイツの着用時に、前記大腿緊締部の身体の周方向の幅は、3cm以上10cm以下であることが好ましく、5〜9cmであることがより好ましい。アンカーとしての役割を果たしつつ、違和感がない。大腿緊締部20において、身体の長さ方向に沿って配置されている外縁部は、曲線を描いている。アンカーとしての役割を果たしつつ、着用時に違和感がない。大腿緊締部20は、タイツの着用時に、身体の周方向において、クロッチからの距離が10cm以上20cm以下の領域を覆うことが好ましい。すなわち、クロッチから大腿緊締部の内側までの距離L1が10cm以上であり、クロッチから大腿緊締部の外側までの距離L2が20cm以下であることが好ましい。股関節を屈曲したときに鼠径部に違和感がない。
図2Aは本発明のタイツの他の一実施態様(実施形態2)の正面図であり、図2Bは同外側面図である。図2A及び図2Bに示しているように、実施形態2のタイツ11は、左右の前身頃において、緊締力が強い緊締部12を有している。緊締部12は、膝蓋骨及び脛骨粗面を覆うように膝関節をまたぐ領域に配置されている略楕円形の膝緊締部100と、膝緊締部100と連続的に繋がっており、腰部まで延在する帯状の大腿緊締部200を含む。左右の前身頃において、大腿緊締部200は互いに分離している。実施形態2のタイツ11は、膝緊締部100と膝緊締部200が同じ生地で形成されている以外は、実施形態1と同様の構成を有する。
実施形態2のタイツ11において、膝緊締部100と大腿緊締部200が同じ生地で形成されていることにより、膝緊締部100と大腿緊締部200は形状的に明確に分けられておらず、帯状の大腿緊締部200と略楕円形の膝緊締部100が形状的に一体化され、緊締部12は、腰部から膝下にかけて、縦長の帯状が膝部分で膨らんで略半楕円形となっている。
以下実施例を用いてさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
長軸伸長率が130%、短軸伸長率が172%、目付けが194g/m2であるトリコット経編地(ポリエステル繊維85質量%、ポリウレタン繊維15質量%、本体生地)を用い、図2に示したようなタイツ11(JASPO規格男性Mサイズ)を作製した。図2において、太い線は縫製線を示す。タイツ11の左右の前身頃において、腰部から膝下にかけて、長軸伸長率が37%、短軸伸長率が93%、目付けが180g/m2であるトリコット経編地(ナイロン繊維83質量%、ポリウレタン繊維17質量%)を二重打ちして、図2に示したように緊締部12を形成した。膝緊締部100と大腿緊締部200は同じ生地で構成された。大腿緊締部200は、腰部で本体生地に縫製により固定されていた。タイツ11をMサイズのマネキン(20代男性標準体型マネキン、七彩製「MD−20A」)に着用させた際、緊締部12において、膝蓋骨の中心をとおる身体の周方向の幅は14cmであり、膝蓋骨の中心から緊締部12の下端までの距離が10cmであり、膝蓋骨下端から緊締部12の下端までの距離が6.5cmであった。また、クロッチから大腿緊締部220の内側までの距離L1は10cmであり、クロッチから大腿緊締部200の外側までの距離L2は20cmであった。生地の伸長率は、JIS L 1096に準じて15Nの荷重下で測定した。
(実施例2)
タイツのサイズをJASPO規格女性Mサイズに合わせた以外は、実施例1と同様にして女性用タイツを作製した。タイツ11をMサイズのマネキン(20代女性標準体型マネキン、七彩製「MP20」)に着用させた際、緊締部12において、膝蓋骨の中心をとおる身体の周方向の幅は12cmであり、膝蓋骨の中心から緊締部12の下端までの距離が7cmであり、膝蓋骨下端から緊締部12の下端までの距離が6.0cmであった。また、クロッチから大腿緊締部200の内側までの距離L1は10.5cmであり、クロッチから大腿緊締部200の外側までの距離L2は18cmであった。
(比較例1)
緊締部を形成していない以外は、長軸伸長率が120%、短軸伸長率が159%、目付けが170g/m2であるトリコット経編地(ポリエステル繊維34質量%、レーヨン繊維34質量%、アクリル繊維27質量%、ポリウレタン繊維5質量%)を用い、実施例1と同様にしてタイツを作製した。
(比較例2)
緊締部を形成していない以外は、長軸伸長率が120%、短軸伸長率が159%、目付けが170g/m2であるトリコット経編地(ポリエステル繊維34質量%、レーヨン繊維34質量%、アクリル繊維27質量%、ポリウレタン繊維5質量%)を用い、実施例2と同様にしてタイツを作製した。
(比較例3)
実施例1と同様にして、緊締部を有するタイツを作製した。その後、膝緊締部において、膝蓋骨の中心に身体の長さ方向に沿って5cmのスリットを1本、その左右に2cm間隔で2本ずつ、計5本のスリットを入れた。
(着圧の確認)
実施例1及び比較例1のタイツをマネキン(20代男性標準体型マネキン、七彩製「MD−20A」)に着用させ、実施例2及び比較例2のタイツをマネキン(20代女性標準体型マネキン、七彩製「MP20」)に着用させて着圧を計測した。具体的には、着圧センサー(AMI13037−P5、プローブ直径30mm、AMIテクノ製)を上述した標準体型マネキンの臀部、大腿背面、膝上、ふくらはぎにセンサーを貼付し、着圧が0になっていることを確認した上で各々のタイツをマネキンに着用させ各部位の着圧を読み取った。測定回数は、各々のタイツに対して5回ずつ実施し平均値を算出した。その結果、実施例1及び比較例1を着用した際、臀部、大腿背面、膝上及びふくらはぎのすべての測定部位において、着圧は、同程度であることが確認された。同様に、実施例2及び比較例2を着用した際、臀部、大腿背面、膝上及びふくらはぎのすべての測定部位において、着圧は、同程度であることが確認された
(膝伸展トルクの確認)
実施例1及び比較例1のタイツを膝関節が屈曲伸展方向に可動であるマネキンを着用させ、膝伸展トルクを定量的に確認した。具体的には、図3に示すように、男性Mサイズマネキン(京都電子工業製「THM−117S」)300の大腿部、下腿部にそれぞれにマーカー400を2点ずつ貼付した後、各々のタイツをマネキンに着用させ、マネキンの矢状面から見て膝関節が90度に屈曲する位置で固定し、このときのばねばかり500の数値を読み取りトルクに換算した。90度の確認には東大式角度形を使用した(図示なし)。同時に、参考例1としてタイツの着用なしのマネキンにおける膝伸展トルクも定量的に確認した。測定回数は、実施例1、比較例1及び参考例1とも5回ずつ実施し平均値を算出した。その結果を下記表1及び図4に示した。
Figure 0006270800
表1及び図4の結果から明らかなように、実施例1のタイツは、参考例1及び比較例1に対して有意に(t検定、p<0.05)大きな膝伸展トルクを示した。つまり、実施例1のタイツには膝を伸展させる物理的なアシスト効果があることが確認された。
(歩行速度の確認)
歩行に問題がなく、Mサイズが着用できる体型の男性23名及び女性22名の計45名の被験者について、トレッドミルを用いて歩行速度の確認を行った。各々の被験者について、タイツの着用なし、比較例のタイツを着用した際、実施例のタイツの着用した際の三つの条件(すべての条件でシューズは着用せず、ソックスまたは裸足)で、快適歩行速度を確認した。男性は実施例1及び比較例1のタイツを、女性は実施例2及び比較例2のタイツをそれぞれ着用した。具体的には、トレッドミルを用いて十分な準備運動を兼ねたウォーキングを数分実施した上で、速度表示を隠したトレッドミル(傾斜0度)での歩行を実施した。トレッドミル速度は被験者自身で快適な歩行速度に調整した。被験者の快適歩行速度決定の意思表示から30秒間歩行を続けてもらい、快適歩行速度に変化がなければこの値を快適歩行速度とした。ただし、この30秒間に快適歩行速度の変更があれば、そこからさらに30秒間歩行を続けてもらい快適歩行速度の最終判断を下した。最終判断に至るまでこの作業を繰り返した。歩行の指示は「通常歩行ではなく運動としてのウォーキングで、1時間程度続けて歩ける速度」とした。測定終了後、各条件下において、被験者全体の快適方向速度の平均を算出して歩行速度とし、その結果を下記表2及び図5に示した。また、下記表2には、タイツの着用なしの参考例の歩行速度を100%とした場合、実施例(実施例1及び2)及び比較例(比較例1及び2)の参考例に対する歩行速度比も示した。
Figure 0006270800
表2及び図5の結果から分かるように、実施例のタイツを着用した場合、タイツを着用していない参考例及び着圧が同程度であるが緊締部を有しない比較例のタイツを着用した場合に比べて有意に(t検定、p<0.05)快適歩行速度が上がっていた。また、観察的手法により、被験者を股関節優位で歩行をする群と足関節優位で歩行をする群の2グループに分けた場合、股関節優位で歩行をする群に対するウォーキング時の脚の蹴りだしをアシストする効果がより優れていた。
(官能評価)
実施例1と比較例3のタイツをMサイズが着用できる体型の男性被験者10名に着用させ、ウォーキング時の脚の蹴りだしをアシストする効果を感じるかを、アシスト効果を全く感じないのを1とし、アシスト効果を非常に感じるのを7とし、7段階のSD法を用いて官能値を取得した。10名の被験者の官能値の平均値を算出して、下記表3に示した。
Figure 0006270800
表3の結果から分かるように、実施例1のタイツを着用した場合、平均値を超えるアシスト効果を感じるのに対し、比較例3の膝緊締部にスリットを有するタイツを着用した場合、アシスト効果を感じなかった。
1、11 タイツ
2、12 緊締部
10、100 膝緊締部
20、200 大腿緊締部
300 マネキン
400 着圧センサー
500 ばねばかり

Claims (8)

  1. 伸縮性を有する生地で形成されており、少なくとも腰部から膝下までを被覆する部分を有し、身体にほぼ密着した状態で着用されるタイツであり、
    前記タイツは、左右の前身頃において、緊締力の強い緊締部を有し、前記緊締部は、膝蓋骨全体及び脛骨粗面を覆うように膝関節をまたぐ領域に配置されている略楕円形の膝緊締部と、前記膝緊締部と連続的に繋がっており、腰部まで延在する帯状の大腿緊締部を含み、左右の前身頃において、前記大腿緊締部は互いに分離しており、
    前記大腿緊締部は前記膝緊締部と長軸伸長率が同じであるか、前記大腿緊締部は前記膝緊締部より長軸伸長率が小さいことを特徴とするタイツ。
  2. 前記膝緊締部は、身体の周方向における幅が9cm以上20cm以下である請求項1に記載のタイツ。
  3. 身体の長さ方向において、膝蓋骨上端から前記膝緊締部上端までの距離が4cm以上である請求項1又は2に記載のタイツ。
  4. 身体の長さ方向において、膝蓋骨下端から前記膝緊締部下端までの距離が5cm以上10cm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイツ。
  5. 前記大腿緊締部は、身体の周方向における幅が3cm以上10cm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイツ。
  6. 前記大腿緊締部は、身体の周方向において、クロッチからの距離が10cm以上20cm以下の領域を覆う請求項1〜5のいずれか1項に記載のタイツ。
  7. 前記大腿緊締部の緊締力が前記膝緊締部の緊締力より強い請求項1〜6のいずれか1項に記載のタイツ。
  8. 前記タイツにおいて、本体生地の身体の周方向における伸長率が、本体生地の身体の長さ方向における伸長率より大きい請求項1〜7のいずれか1項に記載のタイツ。
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