JP2023077783A - インナーウェア - Google Patents
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Abstract
【課題】筋力や関節機能が低下した中高年者が日常生活で着用することで、歩行時のバランスを保ち、股関節と膝関節の屈曲または伸展動作をアシストして、疲労を軽減できるインナーウェアを提供する。【解決手段】伸縮性を示す身生地と、身生地よりも伸長回復率が大きい複数の緊締部とを備えて構成され、着用者の少なくとも腰部から足首までを被覆するインナーウェアであって、緊締部は、左右の前身頃に配され、着用状態で大転子より上方位置から膝蓋骨の上方に延在する帯状の大腿緊締部と、着用状態で膝蓋骨の下方から足首に延在する帯状の前下腿緊締部と、着用状態で、内側腓腹筋の少なくとも一部を覆い足首まで延在する帯状の内側腓腹緊締部と、外側腓腹筋の少なくとも一部を覆い足首まで延在する帯状の外側腓腹緊締部と、を備えた後下腿緊締部と、を含み、緊締部により、歩行のバランスを保ち、股関節と膝関節の屈曲または伸展動作をアシストする。【選択図】図3
Description
新規性喪失の例外適用申請有り
本発明は、筋力や関節機能が低下した中高年者が日常生活で着用することにより、歩行をサポートして疲れを軽減するインナーウェアに関し、詳しくは、伸縮性を示す身生地と、前記身生地よりも伸長回復率が大きい複数の緊締部とを備えて構成され、着用者の少なくとも腰部から足首までを被覆するインナーウェアに関する。
特許文献1には、走動作や歩行動作の際に、股関節を屈曲させる方向にアシスト力が作用し、股関節の屈曲可動域を増大させる機能を有する、ランニング等のトレーニングに適したタイツが提案されている。
当該タイツは、伸長回復力を有する素材で形成され、体表に密着する腹部、臀部、股関節部、少なくとも膝蓋骨上端までの脚部を覆う領域を備えるタイツにおいて、前身頃の履き口前部から膝頭点に向かう大腿部の大腿直筋の範囲内の領域に、少なくとも膝蓋骨上端に達する長さで、後身頃の素材よりも伸長回復力が大きい素材を配置し、この伸長回復力が大きい素材が、股関節の伸展動作の際に伸長し、股関節の屈曲動作の際に、伸長した伸長回復力が大きい素材が縮んで股関節の屈曲動作をアシストすることを特徴とする。
上述した従来のスポーツ用のタイツは、後身頃の素材よりも伸長回復力が大きい素材を、前身頃の履き口前部から膝蓋骨上端まで配置することで、股関節の屈曲の促進によりストライドを増大させて、フォームの修正や、パフォーマンス向上をアシストするものであった。
しかし、このようなスポーツ用のタイツを筋力や関節機能が低下した中高年者が着用すると、上述したアシスト力が逆に負担になって疲れ易くなるという問題があった。
また、特許文献1に開示されたような、後身頃の素材よりも伸長回復力が大きい素材を、前身頃の履き口から膝頭を越えて足首まで連続的に配置したタイツの場合には、膝関節の後方側への屈曲をし易くするために、下腿部を大腿長軸よりも後方に傾斜させた屈曲構造が採用されている。そのため、膝を曲げない伸展状態でも下腿部が後方に傾斜する方向に力が作用するため、筋力や関節機能が低下した中高年者にとっては、着用しているだけでも脚への負担が大きくなる。
本発明の目的は、上述した問題に鑑み、筋力や関節機能が低下した中高年者が日常生活で着用することで、歩行時のバランスを保ち、股関節と膝関節の屈曲または伸展動作をアシストして、疲労を軽減できるインナーウェアを提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明によるインナーウェアの第一の特徴構成は、伸縮性を示す身生地と、前記身生地よりも伸長回復率が大きい複数の緊締部とを備えて構成され、着用者の少なくとも腰部から足首までを被覆するインナーウェアであって、前記緊締部は、左右の前身頃に配され、着用状態で大転子より上方位置から膝蓋骨の上方に延在する帯状の大腿緊締部と、着用状態で膝蓋骨の下方から足首に延在する帯状の前下腿緊締部と、着用状態で、内側腓腹筋の少なくとも一部を覆い足首まで延在する帯状の内側腓腹緊締部と、外側腓腹筋の少なくとも一部を覆い足首まで延在する帯状の外側腓腹緊締部と、を備えた後下腿緊締部と、を含み、前記緊締部により、歩行のバランスを保ち、股関節と膝関節の屈曲または伸展動作をアシストする点にある。
身生地よりも伸長回復率が大きい複数の緊締部の働きで、着用者の股関節や膝関節周りの動作がアシストされる。殊に、大腿緊締部が大転子より上方位置から膝蓋骨の上方に延在するように配されることで、筋力や関節機能が低下した中高年者であっても、着用時に過度の負担がかかることがないように股関節の屈曲動作などのアシスト力が適切に調整され、日常の着脱も容易に行なえるようになる。また、前下腿緊締部と後下腿緊締部を備えることで、膝関節周りで屈曲伸展動作がアシストされて歩行時のバランスが良好に保たれるようになる。
同第二の特徴構成は、上述した第一の特徴構成に加えて、着用者の大腿部を被覆する少なくとも前記大腿緊締部を含む身生地の伸び率は、前記身生地の伸び率よりも大きい点にある。
着用者の大腿部を被覆する少なくとも大腿緊締部を含む身生地の伸び率が、身生地の伸び率よりも大きいので、股関節の屈曲時に緊締力を発揮しながらも、股関節の伸展時に身生地よりも容易く伸長することになり、股関節の動作を妨げることなく、適切なアシスト力に調整されるようになる。
同第三の特徴構成は、上述した第一または第二の特徴構成に加えて、着用状態で、膝頭に対応する領域において、前記緊締部より伸長回復率が小さい円形状の膝頭部を備え、前記膝頭部よりも伸長回復率が大きい円形状の膝蓋骨緊締部を前記膝頭部の周囲に備える点にある。
円形状の膝頭部の周囲に配される膝蓋骨緊締部により膝蓋骨の周囲が緊締されることで、膝部でのインナーウェアの滑りが抑制されるとともに、歩行時の膝関節が良好にサポートされる結果、歩行時の安定感が高められる。
同第四の特徴構成は、上述した第三の特徴構成に加えて、前記膝蓋骨緊締部の外縁から膝窩に延在し、前記膝頭部より伸長回復率が大きく、前記膝蓋骨緊締部より伸長回復率が小さい膝緊締部を備える点にある。
膝緊締部により膝関節の周りの筋肉がサポートされ、歩行時の下肢のバランスが安定するようになる。
同第五の特徴構成は、上述した第四の特徴構成に加えて、前記前下腿緊締部は、前記膝緊締部または前記膝蓋骨緊締部に繋がる点にある。
前下腿緊締部を膝緊締部または膝蓋骨緊締部に繋げることで、前下腿緊締部の緊締効果が大きくなり、歩行をより安定させることができる。
同第六の特徴構成は、上述した第一から第五の何れかの特徴構成に加えて、着用状態で前記前下腿緊締部は足根骨まで延在し、中足骨の一部を含むように足周りを帯状に周回させた中足骨固定部を備え、前記前下腿緊締部は前記中足骨固定部に繋がる点にある。
前下腿緊締部を足根骨まで延在させて中足骨固定部と繋げることで、足首及び足関節周りが適切にサポートされ、歩行が安定するようになる。
同第七の特徴構成は、上述した第一から第六の何れかの特徴構成に加えて、前記身生地、前記大腿緊締部、前記前下腿緊締部、前記後下腿緊締部は、ヨコ編地からなる点にある。
伸縮性を備えたヨコ編地で身生地と、大腿緊締部、前下腿緊締部、後下腿緊締部を含む緊締部が構成されると、着脱が容易で優れた着用感が得られ、日常の歩行動作などに掛る負担が少なく、良好に歩行バランスを整えることができる。
同第八の特徴構成は、上述した第一から第七の何れかの特徴構成に加えて、左右一対の脚部における股下において、身生地とは別のマチ生地を接合している点にある。
マチ生地の存在により、股関節への負荷が少なくなり、歩行動作への負荷を軽減することができる。
以上説明した通り、本発明によれば、筋力や関節機能が低下した中高年者が日常生活で着用することで、歩行時のバランスを保ち、股関節と膝関節の屈曲または伸展動作をアシストして、疲労を軽減できるインナーウェアを提供することができるようになった。
以下、本発明によるインナーウェアの一例を図面に基づいて説明する。
図1(a)から(c)に示すように、インナーウェア1は、着用者の少なくとも腰部から足首までを被覆するように、伸縮性を示す身生地2の一例であるヨコ編地を用いて構成され、上端に履き口10が形成された胴部1Aと、胴部1Aの下方に延出した左右の脚部1B,1Cを備えている。本実施形態ではヨコ編地を構成する地糸にナイロン糸が用いられている。なお、地糸の種類はナイロン糸に限るものではなく、ポリエステル糸や、ポリエステル糸と綿糸の混紡糸などを用いることも可能である。
図1(a)から(c)に示すように、インナーウェア1は、着用者の少なくとも腰部から足首までを被覆するように、伸縮性を示す身生地2の一例であるヨコ編地を用いて構成され、上端に履き口10が形成された胴部1Aと、胴部1Aの下方に延出した左右の脚部1B,1Cを備えている。本実施形態ではヨコ編地を構成する地糸にナイロン糸が用いられている。なお、地糸の種類はナイロン糸に限るものではなく、ポリエステル糸や、ポリエステル糸と綿糸の混紡糸などを用いることも可能である。
胴部1Aは、筒状に編成された丸編地(ヨコ編地)により前身頃と後身頃が一体に形成され、胴部1Aよりも下方で、丸編地が縦方向に裁断され、其々の裁断縁同士が縫着されることにより左右の脚部1B,1Cが形成されている。
左右一対の脚部1B,1Cにおける股下において、身生地2とは別のマチ生地5が接合されている。マチ生地5の存在により、股関節への負荷が少なくなり、歩行動作への負荷が軽減される。
履き口10は、身生地2を構成するヨコ編地の地糸となるナイロン糸に、ウェール方向に所定数ポリウレタン糸が添え編みされ、袋状に折り返し処理することにより、帯状の胴部ずれ止部10Aが形成されている。
左右の脚部1B,1Cの先端側には、背面に着用者の踵を露出する開口11が形成され、先端側12が足の周囲を覆うように筒状に構成されている。
上述したインナーウェア1は、伸縮性を示す身生地2に加えて、身生地2よりも伸長回復率が大きい複数の緊締部3を備えている。
緊締部3は、大腿緊締部3Aと、前下腿緊締部3Bと、後下腿緊締部3Cを備え、後下腿緊締部3Cは、内側腓腹緊締部3Dと外側腓腹緊締部3Eを含む。
緊締部3は、大腿緊締部3Aと、前下腿緊締部3Bと、後下腿緊締部3Cを備え、後下腿緊締部3Cは、内側腓腹緊締部3Dと外側腓腹緊締部3Eを含む。
大腿緊締部3Aは、左右の前身頃に配され、着用状態で胴部ずれ止部10Aより下方で大転子21(図3(a)参照。)より上方位置から膝蓋骨22(図3(a)参照。)の上方位置まで帯状に延在する。
前下腿緊締部3Bは、着用状態で膝蓋骨22(図3(a)参照。)の下方から足首まで帯状に延在する。内側腓腹緊締部3Dは、着用状態で内側腓腹筋の少なくとも一部を覆い、足首まで帯状に延在する。外側腓腹緊締部3Eは、着用状態で外側腓腹筋の少なくとも一部を覆い、足首まで帯状に延在する。図1(b)では、外側腓腹緊締部3Eと内側腓腹緊締部3Dは、踵の開口11を越えて、中足骨緊締部まで繋がっているが、外側腓腹緊締部3Eと内側腓腹緊締部3Dは開口11近傍まで延在する構成であってもよい。
つまり、身生地2よりも伸長回復率が大きい複数の緊締部3の働きで、着用者の股関節や膝関節周りの動作がアシストされる。殊に、大腿緊締部3Aが大転子21(図3(a)参照。)より上方位置から膝蓋骨22(図3(a)参照。)の上方に延在するように配されることで、筋力や関節機能が低下した中高年者であっても、着用時に過度の負担がかかることがないように股関節の屈曲動作などのアシスト力が適切に調整され、日常の着脱も容易に行なえるようになる。また、前下腿緊締部3Bと後下腿緊締部3Cを備えることで、膝関節周りで屈曲伸展動作がアシストされて、歩行時のバランスが良好に保たれるようになる。
着用者の大腿部を被覆する少なくとも大腿緊締部3Aを含む身生地の伸び率は、身生地2の伸び率よりも大きな値に設定されており、これにより股関節へのアシスト力が適切に調整されるようになる。なお、他の緊締部3の伸び率も、身生地2の伸び率よりも大きな値に設定されることが好ましい。
本明細書では、図2に示すように、伸長回復率および伸び率は、JIS L 1096:2010 L 8.16 E法(定荷重法)に準拠した以下の測定方法に基づく値として規定している。なお、伸長回復率は伸長弾性率ともいう。
伸長回復率を測定するための試験片は、高緊締部は大腿緊締部3A、中緊締部は膝緊締部3G、身生地2はハムストリングを被覆する部位から採取し、胴部ズレ止部及び中足骨固定部は、同じ編み組織からなるサンプルを作成し、そのサンプルから採取した。採取試験片の大きさを幅20mm×長さ200mm、試験幅を20mm、つかみ間隔を100mm、一定荷重を4.9N、引張速度を200mm/minとする試験条件の下で、引張試験機(オートグラフ)を使って5回引張を繰り返し、5回後の生地の伸長回復率を以下の数式に基づいて算出する。
伸び率を測定するための試験片は、高緊締部は大腿緊締部3Aを含む身生地、中緊締部は膝緊締部3G、身生地2はハムストリングを被覆する部位から採取し、胴部ズレ止部及び中足骨固定部は、同じ編み組織からなるサンプルを作成し、そのサンプルから採取した。伸び率の採取試験片の大きさを幅100mm×長さ200mm、試験幅を100mm、つかみ間隔を100mmとし、その他条件は、伸長回復率の測定と同条件にて測定し、5回後の生地の伸び率を以下の数式に基づいて算出する。
伸長回復率および伸び率の測定において、引張試験機(オートグラフ)に試験片を固定する時は、試験片全体に張力を加えない状態(試験片を載置した状態に相当)の試験片を、つかみ間隔が100mmの位置で固定する。大腿緊締部3Aを含む身生地の試験片の採取については、大腿緊締部3Aの幅方向中心の中心線が試験片の幅方向の中心線に合致するように試験片を採取している。
伸長回復率(%)={(L1-L2)/(L1-L0)}×100
伸び率={(L1-L0)/L0}×100
また、本明細書では、伸長回復率(弾性率)を緊締力の指標としており、伸長回復率(弾性率)が大きい値であるほど緊締力が強いことを意味する。
伸長回復率(%)={(L1-L2)/(L1-L0)}×100
伸び率={(L1-L0)/L0}×100
また、本明細書では、伸長回復率(弾性率)を緊締力の指標としており、伸長回復率(弾性率)が大きい値であるほど緊締力が強いことを意味する。
図3(a)に示すように、大腿緊締部3Aは、履き口10の下方であって、大転子21よりL10=2cm程度の上方位置が始点となり、膝蓋骨22の上端からL20=3cm程度の上方位置が終点となるように延在している。想定される着用者の体形に合わせて、膝蓋骨22の上端からの離隔長さL20は適宜設定することができる。離隔長さL20を大きくすると、着用者の脚部への負担は小さくなるが、サポート力も小さくなり、離隔長さL20を小さくすれば、サポート力は上がるが、着用者への負担が大きくなる。離隔長さL20は上述した数値に限定するものではなく、2~10cmの範囲に設置することが好ましく、3~6cmの範囲に設定することがより好ましい。L10については、0.5~8cmの範囲に設定することが好ましい。
本実施形態では身生地2は天竺編みが採用されているが、編み組織は特に限定するものではなく、フライス編みやスムース編み等の生地を使用することができ、ヨコ編地以外にタテ編み地を用いることも可能である。
緊締部3は、身生地2を構成する編地と一体に編成することができ、編み糸の種類や編み密度、編み組織、編み糸の本数を適宜変更する等して、所望の緊締力を得るように構成することができる。上述した緊締部3に加えて後述する他の緊締部3も同様である。
例えば、ニット、ミス編み、タック編み、またはそれらの組み合わせを含む編み組織からなる生地で緊締部3を構成することができる。本実施形態の緊締部3は、ニットとミス編みで編成しているが、各部位に必要とされる機能に応じて、緊締力、伸び率などを考慮し、各編み組織を組み合せればよい。ニットとミス編み、タック編みの配列や、配列の繰り返し回数等により緊締力の強弱を調整することができる。
また、別の方法として、身生地2の上に、ネオプレン等のラバー素材や、PUパネル等を接することにより、緊締部3を形成してもよい。身生地2の上面に樹脂等の塗布加工を施すことにより、緊締部3を形成してもよい。
身生地2および緊締部3を含む生地の素材は特に限定されるものではなく、任意であり、上述したように、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエステル綿混などの素材を使用することができる。
上述したインナーウェア1は、さらに、着用状態で膝頭に対応する領域において、緊締部3より伸長回復率が小さい円形状の膝頭部4を備え、膝頭部4よりも伸長回復率が大きい円形状(円環形状)の膝蓋骨緊締部3Fを膝頭部4の周囲に備えている。
膝頭部4は、非着用時には長径が60mm、短径が30mmの縦長の楕円形状に形成され、身生地2と同じ編み組織で、伸長回復率も同程度に設定されている。従って、膝関節を屈曲する際に膝頭部4が突っ張るようなことがなく、着用者の膝に掛る負担が軽減される。
膝蓋骨緊締部3Fは、膝頭部4の周囲に30~40mmの幅の楕円の円環形状となるように配置されており、膝蓋骨22(図3(a)参照。)の周囲を緊締することで、膝部での滑りが抑制され、歩行時の膝関節が良好にサポートされて安定感が高められる。膝蓋骨緊締部3Fは、大腿緊締部3Aと同じ編み組織が採用され、大腿緊締部3Aの伸長回復率と同程度に設定されている。
さらに、インナーウェア1は、膝蓋骨緊締部3Fの外縁から膝窩に延在し、膝頭部4より伸長回復率が大きく、膝蓋骨緊締部3Fより伸長回復率が小さい膝緊締部3Gを備えている。
膝緊締部3Gは、非着用状態で膝窩に対応する領域で上下方向に10~15cm程度の長さの範囲で配置されることが好ましい。膝緊締部3Gにより膝周辺の筋肉がサポートされ、歩行時の下肢のバランスが安定するようになる。
前下腿緊締部3Bは、膝緊締部3Gに繋がるように配置され、これにより前下腿緊締部3Bおよび後下腿緊締部3Cの効果を大きくして、歩行をより安定させることができる。
さらにまた、インナーウェア1は、着用状態で前下腿緊締部3Bは足根骨25(図3(b)参照。)まで延在し、中足骨26(図3(b)参照。)の一部を含むように足周りを帯状に周回させた中足骨固定部6を備え、前下腿緊締部3Bは中足骨固定部6に繋がるように配置されている。前下腿緊締部3Bを足根骨25まで延在させて中足骨固定部6と繋げることで、足首及び足関節周りが適切にサポートされ、歩行が安定するようになる。なお、図3(b)の符号27は趾骨である。
履き口10と同様に、先端側12に、身生地2の地糸となるナイロン糸にウェール方向に所定数ポリウレタン糸が添え編みされ、袋状に折り返し処理することにより、帯状の足先ずれ止め部12Aを形成してもよく、その場合には、中足骨固定部6が足先ずれ止め部12Aにより実現される。
上述したように、大腿緊締部3A、前下腿緊締部3B、後下腿緊締部3C、膝蓋骨緊締部3F、膝緊締部3Gは、身生地2と同じくヨコ編地で構成されている。伸縮性を備えたヨコ編地で身生地2と、大腿緊締部3A、前下腿緊締部3B、後下腿緊締部3Cを含む緊締部3が構成されると、全体として薄手に構成できるので、着脱が容易で優れた着用感が得られるインナーウェア1を実現でき、日常の歩行動作などに掛る負担を低減して、良好に歩行バランスを整えることができる。
さらに、インナーウェア1は、胴部ずれ止部10Aの下方の前身頃に腹部緊締部3I、後身頃に臀部緊締部3Jを備えている。
図1(d)には、身生地2および緊締部3の伸長回復率の違いをハッチングの密度で示している。伸長回復率が最小となる身生地2が左端のハッチング無しの矩形で示され、伸長回復率が最大となる高緊締部に対応する大腿緊締部3A、前下腿緊締部3B、後下腿緊締部3C、膝蓋骨緊締部3F、臀部緊締部3Jが右端の密度の高いハッチングの矩形で示され、伸長回復率が中間の値となる中緊締部に対応する膝緊締部3G、腹部緊締部3Iが中央の密度の低いハッチングの矩形で示されている。
本実施形態では、高緊締部の伸長回復率は93.6%、中緊締部の伸長回復率は83.8%、身生地2の伸長回復率は80.8%に設定され、身生地2の伸長回復率に対する各緊締部の伸長回復率の比は、高緊締部で110~120%の範囲(本実施形態では117.0%)、中緊締部で102~110%の範囲(本実施形態では104.7%)に設定されることは好ましい。
また、大腿部における高緊締部を含む身生地の伸び率は66.3%、中緊締部の伸び率は56.8%、身生地2の伸び率は61.6%、胴部ずれ止部10Aおよび足先ずれ止め部12Aの伸び率は26.6%に設定されている。大腿部における高緊締部を含む身生地の伸び率は身生地2の伸び率よりも大きく、胴部ずれ止部10Aおよび足先ずれ止め部12Aの伸び率は身生地2の伸び率の1/2以下の設定されることが好ましい。
上述した実施形態では、大腿緊締部3Aが、着用状態で大転子より上方位置から膝蓋骨の上方に延在する例、具体的に、履き口10の下方であって、大転子21よりL10=2cm程度の上方位置が始点となり、膝蓋骨22の上端からL20=3cm程度の上方位置が終点となるように延在する態様を説明したが、大腿部における大腿緊締部3Aを含む身生地の伸び率に合わせて、延在する位置を適宜設定することができる。本実施形態おいては、特に限定されないが、例えば、身生地2の伸び率より小さい場合により効果的である。
しかし、図4に示すように、大腿部における大腿緊締部3Aを含む身生地の伸長回復率が身生地2の伸長回復率より大きくなるように設定した場合であっても、大腿緊締部3Aの伸び率が身生地2の伸び率と同等または身生地2の伸び率より大きい場合には、胴部ずれ止部10Aまたは胴部ずれ止部10Aより下の位置から膝蓋骨上端に達するまでの全区間に渡って連続した帯状の緊締部を延在させてもよい。
大腿部における大腿緊締部3Aを含む身生地の伸び率が十分に大きい場合には、股関節に及ぼす負担が軽減できるので、適度な歩行サポート力を発揮する共に、着用感にも優れたインナーウェアを実現できる。
以上、本発明のインナーウェアの実施形態を例示したが、該記載により本発明が限定されるものではなく、各部の具体的な構成、形状、材料などは本発明の作用効果が奏される範囲で適宜変更することは可能である。
本発明によるインナーウェアは、歩行時のバランスを保ちながら股関節と膝関節の屈曲または伸展動作をアシストして、疲労を軽減できるインナーウェアとして、筋力や関節機能が低下した中高年者が日常生活で利用される。
1:インナーウェア
1A:胴部
1B:脚部
1C:脚部
2:身生地
3:緊締部
3A:大腿緊締部
3B:前下腿緊締部
3C:後下腿緊締部
3D:内側腓腹緊締部
3E:外側腓腹緊締部
3F:膝蓋骨緊締部
3G:膝緊締部
4:膝頭部
5:マチ生地
6:中足骨固定部(足先ずれ止め部)
10:履き口
10A:胴部ずれ止部
12A:足先ずれ止め部
1A:胴部
1B:脚部
1C:脚部
2:身生地
3:緊締部
3A:大腿緊締部
3B:前下腿緊締部
3C:後下腿緊締部
3D:内側腓腹緊締部
3E:外側腓腹緊締部
3F:膝蓋骨緊締部
3G:膝緊締部
4:膝頭部
5:マチ生地
6:中足骨固定部(足先ずれ止め部)
10:履き口
10A:胴部ずれ止部
12A:足先ずれ止め部
Claims (8)
- 伸縮性を示す身生地と、前記身生地よりも伸長回復率が大きい複数の緊締部とを備えて構成され、着用者の少なくとも腰部から足首までを被覆するインナーウェアであって、
前記緊締部は、
左右の前身頃に配され、着用状態で大転子より上方位置から膝蓋骨の上方に延在する帯状の大腿緊締部と、
着用状態で膝蓋骨の下方から足首に延在する帯状の前下腿緊締部と、
着用状態で、内側腓腹筋の少なくとも一部を覆い足首まで延在する帯状の内側腓腹緊締部と、外側腓腹筋の少なくとも一部を覆い足首まで延在する帯状の外側腓腹緊締部と、を備えた後下腿緊締部と、
を含み、
前記緊締部により、歩行のバランスを保ち、股関節と膝関節の屈曲または伸展動作をアシストするインナーウェア。 - 着用者の大腿部を被覆する少なくとも前記大腿緊締部を含む身生地の伸び率は、前記身生地の伸び率よりも大きいことを特徴とする請求項1記載のインナーウェア。
- 着用状態で、膝頭に対応する領域において、前記緊締部より伸長回復率が小さい円形状の膝頭部を備え、前記膝頭部よりも伸長回復率が大きい円形状の膝蓋骨緊締部を前記膝頭部の周囲に備えることを特徴とする請求項1または2記載のインナーウェア。
- 前記膝蓋骨緊締部の外縁から膝窩に延在し、前記膝頭部より伸長回復率が大きく、前記膝蓋骨緊締部より伸長回復率が小さい膝緊締部を備えることを特徴とする請求項3記載のインナーウェア。
- 前記前下腿緊締部は、前記膝緊締部または前記膝蓋骨緊締部に繋がることを特徴とする請求項4記載のインナーウェア。
- 着用状態で前記前下腿緊締部は足根骨まで延在し、中足骨の一部を含み、且つ帯状に周回させた中足骨固定部を備え、前記前下腿緊締部は前記中足骨固定部に繋がることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のインナーウェア。
- 前記身生地、前記大腿緊締部、前記前下腿緊締部、前記後下腿緊締部は、ヨコ編地からなることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のインナーウェア。
- 左右一対の脚部における股下において、身生地とは別のマチ生地を接合していることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載のインナーウェア。
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