JP2019178049A - ペンタシル型ゼオライト及びその製造方法 - Google Patents

ペンタシル型ゼオライト及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来よりも成形体として用いる際の強度が優れており、また、高濃度スラリーを低粘度で調製可能であるなどを特徴とするペンタシル型ゼオライト、及び、当該ペンタシル型ゼオライトの製造方法を提供する。【解決手段】 一次粒子の長軸径が0.2μm以上、2.0μm以下で、一次粒子の長軸径の変動係数が0.25以上であり、なおかつ一次粒子のアスペクト比が1.0以上、1.6以下であることを特徴とするペンタシル型ゼオライト、及び、その製造方法。【選択図】 なし

Description

本発明は、ペンタシル型ゼオライトに関する。より詳しくは、成形体として用いる際の強度が優れていること、および、高濃度スラリーを低粘度で調製可能であることを特徴とするペンタシル型ゼオライトに関する。
ペンタシル型ゼオライトは、吸着剤や触媒として広く利用されている。吸着剤や触媒として使用される際には、一般的には、成形体に加工され、固定相または流動層の吸着塔や反応器で利用される。充填や吸脱着、触媒反応の際に成形体が粉化すると、設備トラブルや圧力損失の原因となるため、成形体には高い強度が要求されている。
また、ゼオライトの製造、及び、使用にあたっては、ゼオライトを水などの溶媒に分散させたスラリー状態で取り扱うことがある。ゼオライトスラリーは低粘度であるほうが、工場のポンプで移送する際や、担体に担持する際などに取り扱いが容易である。スラリー中のゼオライト濃度が高いほうが、スラリー単位体積当たり、及び、単位重量当たりで、取り扱えるゼオライト量が多いので好ましい。しかし、スラリー中のゼオライト濃度を高くすると、スラリーの粘度が高くなるという問題がある。
このような、成形体の強度やスラリー粘度には、原料ゼオライト粉末の一次粒子形態が影響する。
非特許文献1には、一次粒子径が100〜300nm程度の、一次粒子径が揃ったペンタシル型ゼオライトが報告されている。
しかしながら、非特許文献1のように一次粒子径が揃っていると、成形体にしたときの強度が低くなり、スラリー化した時の粘度が高くなる。
Microporous and Mesoporous Materials,Vol,174,p.90(2013)
本発明の目的は、成形体として用いる際の強度が優れていること、および、高濃度スラリーを低粘度で調製可能であることを特徴とするペンタシル型ゼオライト、および、その製造方法を提供することにある。
本発明者らは以上のような状況を鑑み、ペンタシル型ゼオライト及びその製造条件に関して鋭意検討を重ねた結果、本発明のペンタシル型ゼオライト及びその製造方法を見出すに至った。すなわち、本発明は、一次粒子の長軸径が0.2μm以上、2.0μm以下で、一次粒子の長軸径の変動係数が0.25以上であり、なおかつ一次粒子のアスペクト比が1.0以上、1.6以下であることを特徴とするペンタシル型ゼオライト、及びその製造方法である。
以下、本発明のペンタシル型ゼオライトについて説明する。
本発明はペンタシル型ゼオライトに係る。ペンタシル型ゼオライトとは、酸素5員環の組合せを含むゼオライトである。ペンタシル型ゼオライトとして、国際ゼオライト学会(以下、「IZA」とする。)が規定する構造コードでMFI、MEL及びこれらの連晶体からなる群の少なくとも1種を挙げることができる。MFIとして、例えば、ZSM−5、シリカライト−1等、MELとしてZSM−11、シリカライト−2等を挙げることができる。
ペンタシル型ゼオライトの結晶相は、Collection of simulated XRD powder patterns for zeolites,Fifth revised edition,p.483(2007)に記載の粉末X線回折(以下、「XRD」とする。)パターン、又はIZAの構造委員会のホームページ(http://www.iza−struture.org/databases/)のDisorder in Zeolite FrameworksのThe Pentasil Familyに記載のXRDパターンの少なくともいずれかと比較することで、これを同定することができる。
本発明のペンタシル型ゼオライトは、一次粒子の長軸径が0.2μm以上、2.0μm以下である。長軸径が0.2μmより小さいと濾過洗浄が困難なため不適であり、2.0μmを超えると表面積が小さくなるので不適である。一次粒子の長軸径は、好ましくは、0.4μm以上、1.5μm以下、より好ましくは、0.6μm以上、1.0μm以下である。
本発明のペンタシル型ゼオライトは、一次粒子の長軸径の変動係数が0.25以上であり、好ましくは、0.30以上、さらに好ましくは、0.40以上、特に好ましくは、0.50以上である。一次粒子の長軸径の変動係数が0.25未満であると粒子充填性が小さくなり不適である。
本発明のペンタシル型ゼオライトは、一次粒子のアスペクト比が1.0以上、1.6以下である。一次粒子のアスペクト比が1.0未満がないことは定義から自明であり、1.6より大きいと粒子充填性が小さくなり不適である。一次粒子のアスペクト比は、好ましくは、1.0以上、1.5以下、より好ましくは、1.0以上、1.4以下、さらに好ましくは、1.0以上、1.3以下である。
本発明における一次粒子とは、単結晶が集合して形成された多結晶体の結晶粒子である。本発明のペンタシル型ゼオライトにおいては、電子顕微鏡を使用した観察において、独立した粒子として観察される最小単位が一次粒子である。
本発明のペンタシル型ゼオライトの一次粒子の長軸径および短軸径の計測は、電子顕微鏡を用いて行う。電子顕微鏡は、計測に必要な粒子像が得られるものあればよく、一般的には、走差型電子顕微鏡(以下、「SEM」とする。)が挙げられる。
上記したような、一次粒子の長軸径、一軸系の長軸径の変動係数、および、一次粒子のアスペクト比を有することは、一次粒子の粒径分布が広く、かつ、一次粒子の粒子形状が球状である粒子形態をしていることを意味している。このような粒子形態を有していることで、成形体として用いる際の強度が優れていること、および、高濃度スラリーを低粘度での調製が可能となる。このような特性発現には粒子の充填性が大きく影響し、粒子の充填性が高いほど好ましい。粒子充填性におよぼす粒子径分布の影響、粒子形状の影響については、文献「粉体層の操作とシミュレーション、粉体工学会編」、13頁8行目から22頁5行目に開示されている。粒子充填性におよぼす粒子径分布の影響については、粒子径が揃っている場合よりも、大粒子と小粒子が混在している方が、粒子充填性が大きくなる。これは、大粒子間の空隙に小粒子が入り込むためである。しかし、微粒子の付着性が大きな場合には、付着性の大きな微粒子の混合分率が増加するので、かえって空間率が増加、つまり粒子充填性が小さくなる場合も知られている。即ち、粒子径分布が大きいほど、粒子充填性は大きくなるが、限界がある。
粒子充填性におよぼす粒子形状の影響については、破砕片粒子のような球形ではない粒子よりも、球形、または、球形からやや歪んだ粒子の方が、粒子充填性は高くなる。即ち、本発明で言えば、一次粒子のアスペクト比は小さいほうが好ましい。
本発明のペンタシル型ゼオライトは、SiO/Al(モル比、以下同じ)が200以上であることが好ましい。SiO/Alは高いほど疎水性が向上し、ゼオライトが水を吸着しにくくなるため、本発明のペンタシル型ゼオライトをVOC吸着剤などとして使用した際に、VOC吸着の選択性が向上する。SiO/Alは、より好ましくは、400以上、さらに好ましくは、800以上、特に好ましくは、1500以上である。
本発明のペンタシル型ゼオライトは、BET比表面積が300m/g以上であることが好ましい。BET比表面積は高いほど好ましく、吸着剤として使用した際の吸着量が増加し、触媒として使用した際は、活性や寿命が向上する。BET比表面積は、より好ましくは、350m/g以上、さらに好ましくは、400m/g以上である。
本発明のペンタシル型ゼオライトは、相対湿度30%での水分吸着量が6.0g/100g−ゼオライト以下であることが好ましい。相対湿度30%という低湿度での水分吸着量が少ないことにより、低湿度な環境でVOC吸着剤として使用する際に、ゼオライトが水を吸着しにくくなるため、本発明のペンタシル型ゼオライトをVOC吸着剤として使用した際に、VOC吸着の選択性が向上する。相対湿度30%での水分吸着量は、より好ましくは、4.5g/100g−ゼオライト以下、さらに好ましくは、3.5g/100g−ゼオライト以下、特に好ましくは、3.0g/100g−ゼオライト以下である。
本発明のペンタシル型ゼオライトは、吸着剤や触媒として使用することができる。ゼオライトは吸着剤や触媒として使用される際には、一般的には、成形体に加工され、固定相または流動層の吸着塔や反応器で利用される。充填や吸脱着、触媒反応の際に成形体が粉化すると、設備トラブルや圧力損失の原因となるため、成形体には高い強度が要求されている。本発明のペンタシル型ゼオライトは、成形体に加工された際の、耐摩耗強度や圧壊強度などの強度が優れている。また、本発明のペンタシル型ゼオライトは、低粘度で高濃度スラリーを調製できるため、工場のポンプで移送する際や、担体に担持する際効率的である。
次に、本発明のペンタシル型ゼオライトの製造方法について説明する。
本発明のペンタシル型ゼオライトは、粒径50〜150μmのケイ素源を含む混合物を用いて結晶化する工程を有する製造方法により製造することができる。
混合物は、少なくとも粒径50〜150μmのケイ素源、テトラプロピルアンモニウムカチオン(以下、「TPA」とする。)、および、アルカリ源を含む。
粒径が50〜150μmと大きいケイ素源は、結晶化開始時、または、結晶化初期での溶解が不均一であるため、ゼオライト結晶の核の発生が不均一となり、その結果、生成物の一次粒子の粒度分布が広くなる。50μm未満では、核の発生が均一となり、その結果、生成物の一次粒子の粒度分布が狭くなるため不適であり、150μmより大きいと結晶化時間が長くなるため不適である。粒径50〜150μmのケイ素源は本発明の製造に欠かせないものである。
TPAは、TPAを含む化合物として混合物に含まれる。TPAを含む化合物としては、例えば、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(以下、「TPAOH」とする。)、テトラプロピルアンモニウムクロリド(以下、「TPACl」とする。)、及びテトラプロピルアンモニウムブロミド(以下、「TPABr」とする。)からなる群の少なくとも1つを挙げることができ、さらに好ましくはTPABrを挙げることができる。
TPAは構造指向剤として機能する。構造指向剤としての効果を十分に得るために、混合物中のシリカに対するTPAのモル比(以下、「TPA/SiO」とする。)が0.04以上、0.4以下が好ましい。ペンタシル構造以外にアモルファスが共存するのを防止し、高価な原材料の使用量を減らせるため経済的である。0.04以上、0.2以下であることがさらに好ましい。
アルカリ源は、水酸化物アニオン(以下、「OH」)を含む化合物であり、アルカリ金属を含む水酸化物、または、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシドからなる群の少なくとも1種等を例示することができる。アルカリ源が、アルカリ金属を含む水酸化物である場合、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、及び、水酸化セシウムからなる群の少なくとも1種が例示できる。アルカリ源が、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシドである場合、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、及び、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドからなる群の少なくとも1種が例示できる。
水酸化物アニオンは鉱化剤として機能する。鉱化剤としての効果を十分に得るために、混合物中のシリカに対するOHのモル比(以下、「OH/SiO」とする。)が0.08以上、0.2以下が好ましく、0.1以上、0.18以下であることがより好ましい。結晶化開始時、又は、結晶化初期でのケイ素源の溶解が不均一でゼオライト結晶の核の発生が不均一となり、その結果、生成物の一次粒子の粒度分布が広くなり、さらに、シリカの溶解を進行させ、ペンタシルの生成が短時間になるためである。
混合物の組成は、少なくとも以下のモル組成を有することが好ましい。
TPA/SiO 0.04以上、0.4以下
OH/SiO 0.08以上、0.2以下
なお、上記組成における各割合はモル(mol)割合である。
さらに好ましい組成として、以下を挙げることができる。
TPA/SiO 0.04以上、0.2以下
OH/SiO 0.1以上、0.18以下
上記組成等の原料混合物を密閉式圧力容器中で、80〜200℃の任意の温度で、十分な時間をかけて結晶化させることで本発明のペンタシル型ゼオライトが得られる。
結晶化温度が低温であるほど得られるペンタシル型ゼオライトのBET比表面積が大きくなる。そのため、結晶化温度は160℃以下であることが好ましく、150℃以下であることがより好ましく、140℃以下であることがさらに好ましい。
本発明の製造方法では、結晶化工程の後、洗浄工程、乾燥工程、TPA除去工程、及び、焼成工程の一つ以上を有していてもよい。
洗浄工程において、結晶化工程において得られたペンタシル型ゼオライトを固液分離し、これを固相として得る。洗浄方法は任意であり、結晶化物を純水で洗浄すればよい。
乾燥工程では、ペンタシル型ゼオライトを乾燥する。乾燥方法は、大気中、100〜200℃で処理することが挙げられる。
TPA除去工程では、TPAを除去する。結晶化工程では、ペンタシル型ゼオライトは、TPAを含有した状態で得られる。このようなTPAを含有したペンタシル型ゼオライト(以下、「TPA含有ペンタシル型ゼオライト」とする。)から、適宜、TPAを除去することができる。TPAの除去方法は、焼成、又は分解が例示できる。焼成によりTPAを除去する場合、含酸素ガス流通下で、300〜800℃、更には400〜700℃、0.5〜12時間処理することが挙げられる。
TPA除去工程においては、焼成又は分解によるTPA除去後のペンタシル型ゼオライトを再洗浄してもよい。これにより、残存したアルカリ金属の低減若しくは除去ができる。再洗浄の方法として、水、塩化アンモニウム水溶液、希塩酸、希硫酸、及び希硝酸の群から選ばれる少なくとも1種と、TPA除去後のペンタシル型ゼオライトを混合することが挙げられる。混合後のペンタシル型ゼオライトは、例えば、純水による洗浄等、任意の方法で洗浄すればよい。
焼成工程においては、TPA除去後のペンタシル型ゼオライトを焼成し、ペンタシル型ゼオライト中に生成しているシラノールを脱水縮合する。焼成によりシラノールを脱水縮合する場合、含酸素ガス流通下、または、含水蒸気流通下で、600〜1000℃、任意時間処理することが挙げられる。
本発明のペンタシル型ゼオライトは、成形体として用いる際の強度が優れており、また、高濃度スラリーを低粘度で調製可能であるなどを特徴とするペンタシル型ゼオライト、及び、その製造方法を提供できる。
一次粒径の長軸径の計測方法を示した模式図である。 実施例1のペンタシル型ゼオライトのSEM観察像である。 MFI型ゼオライト(商品名:HSZ−840HOA、東ソー株式会社製)のSEM観察像である。 MFI型ゼオライト(商品名:HSZ−890HOA、東ソー株式会社製)のSEM観察像である。 比較例3のペンタシル型ゼオライトのSEM観察像である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。しかし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例、比較例における各測定方法は、以下の通りである。
<結晶構造の同定>
XRD装置(商品名:UltimaIV、リガク社製)を使用し、試料のXRD測定を行った。線源にはCuKα線(λ=1.5405Å)を用い、測定範囲は2θ=5°〜43°とした。
得られたXRDパターンと、Collection of simulated XRD powder patterns for zeolites,Fifth revised edition,p.483(2007)に記載のXRDパターンとを比較することで、試料を同定した。
<一次粒子の形態観察>
電子顕微鏡(装置名:JSM−6390LV、JEOL社製)を用いて一次粒子の形態観察を行った。
一次粒子の長軸径および短軸径は、文献「粒子径計測技術、粉体工学会編」、5項3行目から6項2行目の記載の定義に基づいて計測された値である。以下、長軸径の計測方法を示した模式図(図1)により説明する。平面上に静置された1個の一次粒子1を平面に垂直な方向から観察する。一次粒子1の投影像の輪郭2に対して、これに接する2本の平行線3ではさんだときの長さのうち、最大となる長さを一次粒子の長軸径4、最小となる長さを一次粒子の短軸径5とする。一次粒子の長軸径は、30個以上の一次粒子を無作為に抽出し、個々の一次粒子の長軸径の測定値の平均から求めた。一次粒子の長軸径の変動係数は、一次粒子の長軸径の母標準偏差を一次粒子の長軸径で除して求めた。一次粒子のアスペクト比は、一次粒子の長軸径を一次粒子の短軸径で除して求められ、30個以上の一次粒子を無作為に抽出し、個々の一次粒子のアスペクト比の平均から求めた。
<組成分析>
組成分析は蛍光X線装置(商品名:RIX2100、リガク社製)を使用して行った。前処理として、生成物を600℃で1時間焼成した。得られた分析結果から、生成物のSiO/Al比を求めた。
<BET比表面積>
JIS 8830に準じた測定により、試料のBET比表面積を求めた。測定には、一般的な比表面積測定装置(商品名:BELSORP−miniII、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いた。前処理として試料を350℃で2時間保持した。前処理後の試料についてBET比表面積を測定した。
<水分吸着量>
水分吸着量の測定は、一般的な蒸気吸着量測定装置(商品名:BELSORP−max、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いた。測定は25℃で行った。前処理として試料を350℃で2時間保持した。前処理後の試料について水分吸着量測定を行い、相対湿度30%での、ゼオライト100gあたりの水分吸着量(以下、「g/100g−ゼオライト」とする。)を測定した。
<粒径測定>
光散乱式粒度分布測定により、粒径分布の累積曲線を測定した。測定には、一般的な光散乱式粒子径分布測定装置(商品名:マイクロトラックMT3300EXII、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いた。得られた粒子径分布の累積曲線から、D50を得て、これをケイ素源の粒径とした。
実施例1
ケイ酸ソーダ水溶液と硫酸を撹拌しながら滴下混合し、粒径が80μmの粒状無定形ケイ酸を得た。得られた粒状無定形ケイ酸、TPABr水溶液、水酸化ナトリウム、及び純水を混合し、以下のモル組成からなる混合物を得た。
SiO/Al = 2900
TPA/SiO = 0.05
OH/SiO = 0.17
Na/SiO = 0.17
O/SiO = 10
得られた混合物をステンレス製の反応容器に充填し、これを密閉した。その後、当該反応容器を55回転/分で公転させながら135℃まで加熱した。加熱後、反応容器を公転しながら135℃で36時間保持することで混合物を結晶化させ、結晶化スラリーを得た。
結晶化スラリーを冷却、ろ過、洗浄、及び110℃で乾燥してペンタシル型ゼオライトを得た。
生成物のXRDパターンはMFI構造のXRDパターンに一致し、ペンタシル型ゼオライトであることを確認した。XRF測定により、当該ゼオライトのSiO/Al(モル比)は1900であることを確認した。
生成物のSEM観察像を図2に示す。生成物の一次粒子は球状であり、また、一次粒子の長軸径分布は0.2〜2μm程度と非常に大きいものであった。SEM観察像から計測した一次粒子の長軸径は0.79μm、一次粒子の長軸径の変動係数は0.63、一次粒子のアスペクト比は1.22であった。
実施例2
実施例1で得られたペンタシル型ゼオライトを、空気中、580℃で焼成し、1規定HCl水溶液に添加、混合、純粋で洗浄することで、ペンタシル型ゼオライト中のナトリウムをプロトンにイオン交換し、その後、110℃で乾燥することでペンタシル型ゼオライトを得た。
生成物のXRDパターンはMFI構造のXRDパターンに一致し、ペンタシル型ゼオライトであることを確認した。
実施例1と同じ方法で一次粒子の長軸径、一次粒子の長軸径の変動係数、一次粒子のアスペクト比を測定すると、一次粒子の長軸径は0.83μm、一次粒子の長軸径の変動係数は0.48、一次粒子のアスペクト比は1.25であった。
当該ゼオライトのSiO/Al(モル比)は1900、BET比表面積は448m/g、相対湿度30%での水分吸着量は3.1g/100g−ゼオライトであった。
実施例3
実施例2で得られたペンタシル型ゼオライトを、含水蒸気流通下、700℃で焼成し、ペンタシル型ゼオライトを得た。
生成物のXRDパターンはMFI構造のXRDパターンに一致し、ペンタシル型ゼオライトであることを確認した。
実施例1と同じ方法で一次粒子の長軸径、一次粒子の長軸径の変動係数、一次粒子のアスペクト比を測定すると、一次粒子の長軸径は0.79μm、一次粒子の長軸径の変動係数は0.54、一次粒子のアスペクト比は1.24であった。
当該ゼオライトのSiO/Alモル比は1900、BET比表面積は438m/g、相対湿度30%での水分吸着量は2.4g/100g−ゼオライトであった。
実施例4
実施例2で得られたペンタシル型ゼオライトを、含水蒸気流通下、850℃で焼成し、ペンタシル型ゼオライトを得た。
生成物のXRDパターンはMFI構造のXRDパターンに一致し、ペンタシル型ゼオライトであることを確認した。
実施例1と同じ方法で一次粒子の長軸径、一次粒子の長軸径の変動係数、一次粒子のアスペクト比を測定すると、一次粒子の長軸径は0.91μm、一次粒子の長軸径の変動係数は0.52、一次粒子のアスペクト比は1.26であった。
当該ゼオライトのSiO/Al(モル比)は1900、BET比表面積は381m/g、相対湿度30%での水分吸着量は0.5g/100g−ゼオライトであった。
比較例1
MFI型ゼオライト(商品名:HSZ−840HOA、東ソー株式会社製)のSEM観察像を図3に示す。当該ゼオライトの一次粒子は板状であった。また、一次粒子の長軸径は4.0μmであり、本発明のペンタシル型ゼオライトよりも大きいものであった。実施例1と同じ方法で一次粒子の長軸径、一次粒子の長軸径の変動係数、一次粒子のアスペクト比を測定すると、一次粒子の長軸径は4.0μm、一次粒子の長軸径の変動係数は0.26であった。また、一次粒子のアスペクト比は1.89と大きかった。
当該ゼオライトのSiO/Alモル比は38、BET比表面積は330m/g、相対湿度30%での水分吸着量は7.9g/100g−ゼオライトであった。
比較例2
MFI型ゼオライト(商品名:HSZ−890HOA、東ソー株式会社製)のSEM観察像を図4に示す。当該ゼオライトの一次粒子は棒状であった。また、一次粒子の長軸径は6.1μmであり、本発明のペンタシル型ゼオライトよりも大きいものであった。実施例1と同じ方法で一次粒子の長軸径、一次粒子の長軸径の変動係数、一次粒子のアスペクト比を測定すると、一次粒子の長軸径は6.1μm、一次粒子の長軸径の変動係数は0.28であった。また、一次粒子のアスペクト比は4.03と大きかった。
当該ゼオライトのSiO/Alモル比は1900、BET比表面積は300m/g、相対湿度30%での水分吸着量は2.4g/100g−ゼオライトであった。
比較例3
粒径が10〜20μmのコロイダルシリカ(商品名:スノーテックスST−N−30、日産化学工業株式会社製)、TPAOH水溶液、水酸化ナトリウム、及び純水を混合し、以下のモル組成からなる混合物を得た。
SiO/Al = 36900
TPA/SiO = 0.44
OH/SiO = 0.502
Na/SiO = 0.062
O/SiO = 24
得られた混合物をステンレス製の反応容器に充填し、これを密閉した。その後、当該反応容器を55回転/分で公転させながら80℃まで加熱した。加熱後、反応容器を公転しながら80℃で85時間保持することで混合物を結晶化させ、結晶化スラリーを得た。
結晶化スラリーを冷却、ろ過、洗浄、及び110℃で乾燥してペンタシル型ゼオライトを得た。
生成物のXRDパターンはMFI構造のXRDパターンに一致し、ペンタシル型ゼオライトであることを確認した。
当該ゼオライトのSEM観察像を図5に示す。当該ゼオライトの一次粒子は球状であった。また、一次粒子の長軸径は0.3〜0.6μm程度であり、一次粒子の長軸径分布は非常に狭いものであった。実施例1と同じ方法で一次粒子の長軸径、一次粒子の長軸径の変動係数、および、一次粒子のアスペクト比を測定すると、一次粒子の長軸径は0.48μm、一次粒子の長軸径の変動係数は0.15と小さかった。また、一次粒子のアスペクト比は1.10であった。
本発明のペンタシル型ゼオライトは吸着剤や触媒として使用できる。特に吸着剤としては、VOC吸着剤、触媒としては、石化・石油精製触媒に適している。
1 平面上に静置された1個の一次粒子
2 平面に垂直な方向から観察した際の1の投影像の輪郭
3 2に接する2本の平行線
4 3ではさんだときの平行線が最大となる長さ(一次粒子の長軸径)
5 3ではさんだときの平行線が最小となる長さ(一次粒子の短軸径)

Claims (7)

  1. 一次粒子の長軸径が0.2μm以上、2.0μm以下で、一次粒子の長軸径の変動係数が0.25以上であり、なおかつ一次粒子のアスペクト比が1.0以上、1.6以下であることを特徴とするペンタシル型ゼオライト。
  2. SiO/Al(モル比)が200以上であることを特徴とする請求項1に記載のペンタシル型ゼオライト。
  3. BET比表面積が300m/g以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のペンタシル型ゼオライト。
  4. 相対湿度30%での水分吸着量が6.0g/100g−ゼオライト以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載のペンタシル型ゼオライト。
  5. 粒径50〜150μmのケイ素源を用いて結晶化する工程を有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかの項に記載のペンタシル型ゼオライトの製造方法。
  6. テトラプロピルアンモニウムカチオン、及びアルカリを少なくとも以下のモル組成で結晶化する工程を有することを特徴とする請求項5に記載のペンタシル型ゼオライトの製造方法。
    TPA/SiO 0.04以上、0.4以下
    OH-/SiO 0.08以上、0.2以下
  7. 結晶化温度が160℃以下であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のペンタシル型ゼオライトの製造方法。
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