JP2017109897A - ペンタシル型ゼオライト及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、化学種とゼオライトが効率よく接触するため、高い触媒活性が期待されるペンタシル型ゼオライトを提供することを目的とする。
【解決手段】
一次粒子の平均厚さが20nm以上、50nm以下、一次粒子の平均厚さに対する一次粒子の平均最大径の比が10以上、100以下であり、なおかつ、300m2/g以上のBET比表面積を有するペンタシル型ゼオライト。このようなゼオライトは、ケイ素源、N,N,N,N´,N´,N´−ヘキサプロピル−1,5−ペンタンジアンモニウムカチオン、及びアルカリ金属源を含み、なおかつ、シリカに対するアルカリ金属のモル比が0.37未満である混合物を結晶化する結晶化工程を有する製造方法により得ることができる。
【選択図】なし
本発明は、化学種とゼオライトが効率よく接触するため、高い触媒活性が期待されるペンタシル型ゼオライトを提供することを目的とする。
【解決手段】
一次粒子の平均厚さが20nm以上、50nm以下、一次粒子の平均厚さに対する一次粒子の平均最大径の比が10以上、100以下であり、なおかつ、300m2/g以上のBET比表面積を有するペンタシル型ゼオライト。このようなゼオライトは、ケイ素源、N,N,N,N´,N´,N´−ヘキサプロピル−1,5−ペンタンジアンモニウムカチオン、及びアルカリ金属源を含み、なおかつ、シリカに対するアルカリ金属のモル比が0.37未満である混合物を結晶化する結晶化工程を有する製造方法により得ることができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、ペンタシル型ゼオライトに関する。より詳しくは、触媒活性の高いペンタシル型ゼオライトに関する。
ゼオライトは高い比表面積、吸着特性、固体酸性を有することから、炭化水素合成反応や流動接触分解のような石油精製プロセスにおいて触媒として使用されている。特にペンタシル型ゼオライトは、前述の触媒として高活性、高収率、及び高寿命であり、さらなる性能向上が検討されている。
触媒活性を高めることを目的に、触媒反応における反応物質(以下、単に「化学種」ともいう。)と、ゼオライト表面との接触効率を高める試みが行われている。例えば、ゼオライト粒子サイズを小さくすることによる高比表面積化、又はゼオライト粒子形状の薄片化、板状化、及び、ゼオライト粒子へのメソ孔の付与が試みられている。
特許文献1では、小さな一次粒子を有するペンタシル型ゼオライトが開示されている。具体的に、SiO2/Al2O3モル比が15、結晶サイズが0.05μmであり、なおかつ、BET比表面積が415m2/gのZSM−5が開示されている。
特許文献2では、グルテンを含有する混合物を結晶化することで合成された、BET比表面積が280m2/g、薄片状の粒子形態のZSM−5型ゼオライトが開示されている。
非特許文献1では、有機構造指向剤としてテトラプロピルアンモニウムカチオンの二量体を用いて合成されたペンタシル型ゼオライトが開示されている。当該ゼオライトは一次粒子が特異的に凝集した特殊な粒子形状、及び、490m2/gという高いBET比表面積を有するMFI構造のゼオライトを開示している。
Angrew,Vol,52,p.3355(2013)
特許文献1のペンタシル型ゼオライトは、一次粒子を小さくすることにより比表面積を高くしていた。しかしながら、当該ゼオライトは粒子間隙における化学種の拡散が制限されるため、触媒活性も制限されるものであった。
特許文献2は、BET比表面積が280m2/gより高いゼオライトを開示するものではなかった。
これらの課題に鑑み、本発明は、化学種とゼオライトが効率よく接触するため、高い触媒活性が期待されるペンタシル型ゼオライトを提供することを目的とする。
発明者らは、上記の課題に対し鋭意検討した。その結果、一次粒子の平均厚さが20nm以上50nm以下、一次粒子の平均厚さに対する一次粒子の平均最大径の比が10以上100以下であり、なおかつ、300m2/g以上のBET比表面積を有するペンタシル型ゼオライトを見出した。更には、有機構造指向剤として、N,N,N,N´,N´,N´−ヘキサプロピル−1,5−ペンタンジアンモニウムカチオンを含む原料組成物を結晶化させる結晶化工程を有する製造方法により当該ゼオライトを製造することができることを見出した。これにより本発明を完成させるに至った。
以下、本発明のペンタシル型ゼオライトについて説明する。
本発明はペンタシル型ゼオライトに係る。ペンタシル型ゼオライトとは、最小単位として酸素5員環を含むゼオライトである。ペンタシル型ゼオライトとして、国際ゼオライト学会(以下、「IZA」とする。)が規定する構造コードでMFI、MEL、及びこれらの連晶体からなる群の少なくとも1種を挙げることができる。MFIとして、ZSM−5、又はシリカライト−1、MELとしてZSM−11、又はシリカライト−2を挙げることができる。
ペンタシル型ゼオライトの結晶相は、Collection of simulated XRD powder patterns for zeolites,Fifth revised edition,p.483(2007)に記載の粉末X線回折(以下、「XRD」とする。)パターン、又はIZAの構造委員会のホームページ(http://www.iza−struture.org/databases/)のDisorder in Zeolite FrameworksのThe Pentasil Familyに記載のXRDパターンの少なくともいずれかと比較することで、これを同定することができる。
本発明のペンタシル型ゼオライトは、BET比表面積が300m2/g以上である。これにより、本発明のペンタシル型ゼオライトは高い触媒活性を有する。比表面積が大きい程単位重量当たり、単位体積当たりの触媒活性がより向上するため、BET比表面積は好ましくは450m2/g以上、更に好ましくは500m2/g以上である。通常、本発明のペンタシル型ゼオライトのBET比表面積は800m2/g以下、更には700m2/g以下、また更には600m2/g以下である。
本発明においてBET比表面積はJIS8830(ガス吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法)に準じた測定方法によって測定できる。当該測定は吸着ガスとして窒素を使用し、相対圧p/p0(以下、「p/p0」とする。)=0.30での1点法でBET比表面積を求められる。
本発明のペンタシル型ゼオライトの一次粒子は独立した薄片状である。これにより、化学種とペンタシル型ゼオライトの接触面が大きくなり、触媒反応性活性が高くなる。薄片状であることは、ペンタシル型ゼオライトの一次粒子の平均厚さに対する一次粒子の平均最大径の比(以下、「平均最大径/平均厚さ」ともいう。)で表すことができる。具体的に、本発明のペンタシル型ゼオライトの平均最大径/平均厚さは10以上100以下であり、好ましくは15以上60以下である。
本発明のペンタシル型ゼオライトの一次粒子の平均厚さは20nm以上50nm以下である。これにより、ハンドリングや成形の際に一次粒子が砕けることを抑制でき、制御された一次粒子形状を維持できる。一次粒子の平均厚さは、好ましくは30nm以上45nm以下である。
本発明において、一次粒子は薄片状、すなわち、薄く平たい形状であることから、その平たい面の二面間距離を計測することで、粒子の厚さを測定することができる。そのため、一次粒子の厚さとは、1個の一次粒子の一面からその反対面までの径をとり、その径の長さが最小となる値を表す。平均厚さは、一次粒子を無作為に20個抽出し、その平均として算出した値である。一次粒子の厚さは、走査型電子顕微鏡(以下、「SEM」という。)、又は透過型電子顕微鏡(以下、「TEM」という。)を用いた電子顕微鏡観察により測定することができる。
本発明のペンタシル型ゼオライトの一次粒子の平均最大径は0.3μm以上2.0μm以下である。これにより、ハンドリングや成形の際に一次粒子が砕けることを抑制でき、制御された一次粒子形状を維持できる。一次粒子の平均厚さは、好ましくは0.5μm以上1.8μm以下である。
本発明において一次粒子の最大径とは、1個の一次粒子に接する2本の平行線の間の径をとり、その径の長さが最大となる値を表す。平均最大径は、一次粒子を無作為に20個抽出し、その平均として算出した値である。一次粒子の最大径は、SEM、又はTEMを用いた電子顕微鏡観察により測定することができる。
本発明において一次粒子とは、単結晶が集合して形成された多結晶体の結晶粒子であり、電子顕微鏡を使用した観察において、独立した粒子として観察される最小単位である。
本発明のペンタシル型ゼオライトの平均粒径は、好ましくは0.5μm以上、更に好ましくは0.8μm以上、また更に好ましくは1.0μm以上、より更に好ましくは1.2μm以上である。これにより耐熱性がより高くなる。また、平均粒径は、好ましくは2.8μm以下である。これによりゼオライトをハニカム等へコーティングする際のハンドリングがより良好になる。
本発明において平均粒径とは、体積基準で表される粒径分布の累積曲線が中央値(メディアン径;累積曲線の50%に対応する粒径、以下、「D50」ともいう。)である粒と同じ体積の球の直径をいい、前述の一次粒子の平均厚さ、及び、平均最大径とは異なる。平均粒径はレーザー回折法による粒径分布測定装置によって測定することができる。
本発明のペンタシル型ゼオライトの粒径分布の累積曲線の10%に対応する粒径(以下、「D10」という。)は、好ましくは0.5μm以上、1.6μm以下である。これにより本発明のゼオライトを成形体にする際に、より少量のバインダーで成形でき、なおかつ、得られる成形体の強度がより向上する。
本発明のペンタシル型ゼオライトの粒径分布の累積曲線の90%に対応する粒径(以下、「D90」という。)は、好ましくは10.1μm以下である。これにより、本発明のゼオライトのハンドリングがより良好になる。
本発明において平均粒径とは、複数の一次粒子の凝集体として観察される粒子、いわゆる二次粒子の平均粒径である。従って、SEM観察において一次粒子の粒子径を平均して求まる平均粒子径と、本発明における平均粒径は異なるものである。
本発明のペンタシル型ゼオライトの、アルミナに対するシリカのモル比(以下、「SiO2/Al2O3」という。)は、好ましくは30以上である。これにより、本発明のゼオライトの耐熱性がより向上する。SiO2/Al2O3は、好ましくは40以上、更に好ましくは50以上、また更に好ましくは60以上である。これにより、耐熱性がより向上し、かつ、疎水性となる。SiO2/Al2O3は120以下であることが好ましく、更に好ましくは100以下、また更に好ましくは90以下である。これにより、ゼオライトの酸点がより多くなり、触媒活性がより向上する。
本発明のペンタシル型ゼオライトはアルカリ金属を含んでも良い。ここでアルカリ金属(以下、単に「M」ともいう。)とは、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、及びセシウム(Cs)からなる群の少なくとも1種である。本発明のペンタシル型ゼオライトの含むアルカリ金属は、好ましくはナトリウム又はカリウムの少なくともいずれか、更に好ましくはカリウムである。
本発明のペンタシル型ゼオライトのアルミニウムに対するアルカリ金属のモル比(以下、「M/Al」とする。)は、0.6以下であることが好ましく、更に好ましくは0.5以下、また更に好ましくは0.3以下、より好ましくは0.1以下である。
本発明のペンタシル型ゼオライトの細孔容積は、0.36cm3/g以上であることが好ましい。これにより、ゼオライト粉末を成形した成形体の強度が高くなる。細孔容積は、好ましくは0.38cm3/g以上、更に好ましくは0.40cm3/g以上である。通常、本発明のペンタシル型ゼオライトの細孔容積は、0.60cm3/g以下である。これにより、ゼオライトをカラム等に充填して使用する際に充填性がより高くなる。
本発明において細孔容積とは、前記ガス吸着法において、77Kの温度下で窒素の相対圧p/p0を0.96まで上昇させた際の試料への窒素の吸着量を測定し、当該吸着量に換算係数(0.00156)を乗算した値である。
本発明のペンタシル型ゼオライトは炭化水素合成反応の触媒として使用することができる。ここで炭化水素合成反応として、炭素数2から4のアルケンの合成反応、芳香族炭化水素の合成反応を挙げることができ、更に芳香族炭化水素の合成反応として、軽油又は分解ガソリンの接触分解による低級炭化水素化反応、又は、低級アルケンの縮合反応を挙げることができる。
本発明のペンタシル型ゼオライトは、特に単環芳香族炭化水素の合成触媒として使用することが好ましい。単環芳香族炭化水素とは、縮合ベンゼン環以外のベンゼン環を含む炭化水素である。好ましい単環芳香族炭化水素として、ベンゼン又はアルキルベンゼンの少なくともいずれかからなる芳香族炭化水素、更にはベンゼン又はアルキルベンゼンの少なくともいずれかからなる芳香族炭化水素であって、炭素数が6から9であるもの挙げることができる。なお、アルキルベンゼンとは、アルキル基又はシクロアルキル基の少なくともいずれかを有するベンゼン環からなる炭化水素である。より好ましい単環芳香族炭化水素として、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、及びインダンの群から選ばれる少なくとも1種以上を挙げることができる。
本発明のペンタシル型ゼオライトを触媒として使用する場合、これと原料化合物とを任意の方法によって接触させればよい。
本発明のペンタシル型ゼオライトを芳香族炭化水素の合成触媒として使用する場合、原料化合物としてアルカン、アルケン、アルコール、軽油及び分解ガソリンの群から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。アルカンとしてメタン、エタン、プロパン、ブタン、及びペンタンの群から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。アルケンとしてエチレン、プロピレン、ブテン、及びペンテンの群から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。アルコールとしてメタノール、又はエタノールの少なくともいずれかを挙げることができる。軽油として、分解軽油(Light cycle oil)、粗軽油、軽質軽油、及び水素化分解軽油からなる群の少なくとも1種を挙げることができる。分解経由、粗軽油、軽質軽油、及び水素化分解軽油はテトラリンを含んでいてもよい。
次に、本発明のペンタシル型ゼオライトの製造方法について説明する。
本発明のペンタシル型ゼオライトは、ケイ素源、N,N,N,N´,N´,N´−ヘキサプロピル−1,5−ペンタンジアンモニウムカチオン、及びアルカリ金属源を含み、なおかつ、シリカに対するアルカリ金属のモル比が0.37未満である混合物を結晶化する結晶化工程を有する製造方法により製造することができる。
混合物は、少なくともケイ素源、N,N,N,N´,N´,N´−ヘキサプロピル−1,5−ペンタンジアンモニウムカチオン、アルカリ金属源を含み、なおかつ、シリカに対するアルカリ金属のモル比が0.37未満である。
必要であれば、混合物はアルミニウム源を含むことが好ましい。これにより得られるゼオライトがアルミノシリケートとなる。
ケイ素源はケイ素(Si)を含む化合物であり、テトラエトキシシラン、シリカゾル、ヒュームドシリカ、沈降法シリカ、ケイ酸ソーダ、無定形ケイ酸、及び無定形アルミノケイ酸塩からなる群の少なくとも1種を挙げることができ、好ましくはテトラエトキシシランである。
アルミニウム源はアルミニウム(Al)を含む化合物であり、アルミニウムイソプロポキシド、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、擬ベーマイト、アルミナゾル、アルミン酸ソーダ、及び無定形アルミノケイ酸塩からなる群の少なくとも1種を挙げることができ、好ましくは水酸化アルミニウムである。
混合物はアルコールを含んでいてもよい。アルコールは、ケイ素源、又はアルミニウム源が金属アルコキシドである場合、当該アルコキドが加水分解して生じるアルコール、もしくはケイ素源、又はアルミニウム源とは別に加えたアルコールのいずれであってもよい。
N,N,N,N´,N´,N´−ヘキサプロピル−1,5−ペンタンジアンモニウムカチオン(以下、「DQC5+」という。)は構造指向剤(以下、単に「SDA」という。)として機能する。DQC5+を含有する混合物を結晶化することで、一次粒子の形状が制御され、なおかつ、大きいBET比表面積を有するペンタシル型ゼオライトを得ることができる。
DQC5+は、DQC5+を含む化合物として混合物に含まれる。DQC5+を含む化合物として、N,N,N,N´,N´,N´−ヘキサプロピル−1,5−ペンタンジアンモニウムジブロミド(以下、「DQC5Br」という。)、N,N,N,N´,N´,N´−ヘキサプロピル−1,5−ペンタンジアンモニウムジクロリド(以下、「DQC5Cl」という。)、及びN,N,N,N´,N´,N´−ヘキサプロピル−1,5−ペンタンジアンモニウムジアイオダイド(以下、「DQC5I」という。)からなる群の少なくとも1種を挙げることができ、好ましくはDQC5Brである。
混合物中のシリカに対するDQC5+のモル比(以下、「DQC5+/SiO2」とする。)は、好ましくは0.02以上0.4以下、更に好ましくは0.1以上、0.25以下である。
アルカリ金属源は、アルカリ金属を含む化合物であり、アルカリ金属を含む水酸化物、塩化物、臭化物、硫酸塩、珪酸塩、及びアルミン酸塩からなる群の少なくとも1種、更にはアルカリ金属を含む水酸化物を例示することができる。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、及びセシウムからなる群の少なくとも1種を挙げることができる。安価に入手できることため、アルカリ金属は、ナトリウム、またはカリウムの少なくともいずれかであることが好ましい。
混合物に中のシリカに対するアルカリ金属のモル比(以下、「M/SiO2」とする。)は0.37未満である。これにより、一次粒子が特異的に凝集することなく、独立した薄片状のペンタシル型ゼオライトを得ることができる。M/SiO2は好ましくは0.30以下、更に好ましくは0.25以下である。これにより後述のシリカ収率が高くなる。すなわち、より生産的なゼオライトの製造方法となる。通常、M/SiO2は0.05以上である。
混合物中のシリカに対する溶液中の水酸化物イオンのモル比(以下、「OH/SiO2」とする。)は、0.37未満であることが好ましく、更に好ましくは、0.25以下、また更に好ましくは0.20以下、特に好ましくは0.15以下である。これにより、混合物のSiO2/Al2O3と、得られるゼオライトのSiO2/Al2O3の差が小さくなる。すなわち、目的とするSiO2/Al2O3を有するペンタシル型ゼオライトが得られやすくなる。
ここで、混合物のSiO2/Al2O3と、得られるゼオライトのSiO2/Al2O3の差はシリカ収率として表すことができる。シリカ収率は以下の式(1)で表すことができる。
シリカ収率
= (生成物のSiO2/Al2O3)/(混合物のSiO2/Al2O3) (1)
シリカ収率
= (生成物のSiO2/Al2O3)/(混合物のSiO2/Al2O3) (1)
混合物中のシリカに対する水のモル比(以下、「H2O/SiO2」とする。)は、5以上150以下であることが好ましい。これにより、混合物の粘度が十分に低下し、結晶化の際に混合物を適度に攪拌することができる。また、H2O/SiO2は好ましくは100未満、更に好ましくは80以下、また更に好ましくは60以下である。これによりOH/SiO2が低くても結晶化が容易になる。
混合物は、少なくとも以下のモル組成を有することが好ましい。
M/SiO2 0.05以上0.37未満
なお、上記組成における各割合はモル(mol)割合である。更に好ましい組成として、
SiO2/Al2O3 40以上200以下
DQC5+/SiO2 0.02以上0.4以下
M/SiO2 0.05以上0.37未満
OH/SiO2 0.05以上0.37未満
H2O/SiO2 5以上150以下
を挙げることができる。
M/SiO2 0.05以上0.37未満
なお、上記組成における各割合はモル(mol)割合である。更に好ましい組成として、
SiO2/Al2O3 40以上200以下
DQC5+/SiO2 0.02以上0.4以下
M/SiO2 0.05以上0.37未満
OH/SiO2 0.05以上0.37未満
H2O/SiO2 5以上150以下
を挙げることができる。
結晶化工程における結晶化方法は、水熱合成処理、またはドライゲルコンバージョン処理が挙げられ、好ましくは水熱合成処理である。ここで、水熱合成処理とは、混合物をステンレス製の反応容器に充填し、これを密閉した状態で、100℃以上の条件で反応させることをいう。当該容器は静置状態でもよく、必要に応じて回転させてもよい。
結晶化工程は、結晶化を150℃以下で行うことが好ましい。これにより、一次粒子が粒成長しすぎることなく、適度な平均厚さの一次粒子を有するゼオライトを得ることができる。結晶化温度は130℃以下であることが好ましい。
結晶化時間は、結晶化に十分な時間であればよく、好ましくは200時間以上、更に好ましくは250時間以上である。結晶化時間は400時間以下、更には300時間以下であれば、一次粒子が薄片状のペンタシル型ゼオライトが得られる。
本発明の製造方法では、結晶化工程の後、洗浄工程、乾燥工程、又はSDA除去工程のいずれかを有していてもよい。
洗浄工程では、結晶化工程で得られたペンタシル型ゼオライトを固液分離し、これを固相として得る。洗浄方法は任意であり、結晶化物を純水で洗浄すればよい。
乾燥工程では、ペンタシル型ゼオライトを乾燥する。乾燥方法は、大気中、100〜200℃で処理することが挙げられる。
SDA除去工程では、SDAを除去する。結晶化工程では、ペンタシル型ゼオライトは、SDAを含有した状態で得られる。このようなSDAを含有したペンタシル型ゼオライトから、適宜、SDAを除去することができる。SDAの除去方法は、焼成、又は分解が例示できる。焼成によりSDAを除去する場合、含酸素ガス流通下で、400〜800℃、更には500〜700℃、0.5〜12時間処理することが挙げられる。
SDA除去工程後に、焼成又は分解によるSDA除去後のペンタシル型ゼオライトを再洗浄してもよい。これにより、残存したアルカリ金属の低減若しくは除去ができる。再洗浄の方法として、水、塩化アンモニウム水溶液、希塩酸、希硫酸、及び希硝酸からなる群の少なくとも1種と、SDA除去後のペンタシル型ゼオライトを混合して十分に接触させることが挙げられる。混合後のペンタシル型ゼオライトは、例えば、純水による洗浄等、任意の方法で洗浄すればよい
本発明により、触媒反応における反応物質との接触面の面積が大きい粒子形状を有し、なおかつ、高いBET比表面積を有するため、高い触媒活性が期待されるペンタシル型ゼオライトを提供できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。しかし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例、比較例における各測定方法は、以下の通りである。
(一次粒子の厚さ、及び最大径測定)
一次粒子の観察は、一般的な電解放出形走査型電子顕微鏡(商品名:S−4500、日立製作所製)を用いて行った。得られた観察像の一次粒子に関して、厚さ及び最大径の測定を行った。
一次粒子の観察は、一般的な電解放出形走査型電子顕微鏡(商品名:S−4500、日立製作所製)を用いて行った。得られた観察像の一次粒子に関して、厚さ及び最大径の測定を行った。
SEM観察像により確認された一次粒子の一面からその反対面までの径をとり、その径の長さが最小となる値、すなわち厚さを測定した。SEM観察像から無作為に選んだ20個の一次粒子の厚さを求め、その平均値を求めて平均厚さとした。同様に一次粒子に接する2本の平行線の間の径をとり、その径の長さが最大となる値、すなわち最大径を測定した。
(結晶相の同定)
一般的なXRD装置(商品名:MXP−3、マックサイエンス社製)を使用し、試料のXRD測定を行った。測定条件は以下のとおりとした。
線源 : CuKα線(λ=1.5405Å)
測定モード : ステップスキャン
スキャン条件 : 毎秒0.02°
発散スリット : 1.0deg
散乱スリット : 1.0deg
受光スリット : 0.3mm
計測時間 : 1秒
測定範囲 : 2θ=3°〜48°
一般的なXRD装置(商品名:MXP−3、マックサイエンス社製)を使用し、試料のXRD測定を行った。測定条件は以下のとおりとした。
線源 : CuKα線(λ=1.5405Å)
測定モード : ステップスキャン
スキャン条件 : 毎秒0.02°
発散スリット : 1.0deg
散乱スリット : 1.0deg
受光スリット : 0.3mm
計測時間 : 1秒
測定範囲 : 2θ=3°〜48°
得られたXRDパターンと、Collection of simulated XRD powder patterns for zeolites,Fifth revised edition,p.483(2007)に記載のXRDパターンとを比較することで、試料を同定した。
(組成分析)
組成分析は誘導結合プラズマ発光分析法(ICP法)により行った。試料をフッ酸と硝酸の混合溶液に溶解させ、測定溶液を調製した。一般的な誘導結合プラズマ発光分析装置(商品名:OPTIMA3000DV、PERKIN ELMER製)を用いて、得られた測定溶液を測定して試料の組成を分析した。
組成分析は誘導結合プラズマ発光分析法(ICP法)により行った。試料をフッ酸と硝酸の混合溶液に溶解させ、測定溶液を調製した。一般的な誘導結合プラズマ発光分析装置(商品名:OPTIMA3000DV、PERKIN ELMER製)を用いて、得られた測定溶液を測定して試料の組成を分析した。
(BET比表面積)
JIS 8830に準じた測定により、試料のBET比表面積を求めた。測定には、一般的な比表面積測定装置(商品名:フローソーブIII、島津製作所製)を用いた。前処理として試料を300℃で2時間保持した。前処理後の試料についてBET比表面積を測定した。測定条件は以下のとおりである。
処理ガス : 窒素を30体積%、ヘリウムを70体積%含む混合ガス
(p/p0=0.3に相当)
測定方法 : 1点法
JIS 8830に準じた測定により、試料のBET比表面積を求めた。測定には、一般的な比表面積測定装置(商品名:フローソーブIII、島津製作所製)を用いた。前処理として試料を300℃で2時間保持した。前処理後の試料についてBET比表面積を測定した。測定条件は以下のとおりである。
処理ガス : 窒素を30体積%、ヘリウムを70体積%含む混合ガス
(p/p0=0.3に相当)
測定方法 : 1点法
(細孔容積)
細孔容積の測定は窒素吸着等温線測定により行った。測定には一般的な吸着量測定装置(商品名:ベルソープ28SA,日本ベル製)を用いた。試料を前処理として試料を350℃で2時間保持した。前処理後の試料について、各相対圧における窒素吸着量を測定し、吸着等温線を得た。得られた吸着等温線における、p/p0=0.96における窒素吸着容量から試料の細孔容積を求めた。
細孔容積の測定は窒素吸着等温線測定により行った。測定には一般的な吸着量測定装置(商品名:ベルソープ28SA,日本ベル製)を用いた。試料を前処理として試料を350℃で2時間保持した。前処理後の試料について、各相対圧における窒素吸着量を測定し、吸着等温線を得た。得られた吸着等温線における、p/p0=0.96における窒素吸着容量から試料の細孔容積を求めた。
(粒子径分布測定)
光散乱式粒度分布測定により、粒子径分布の累積曲線を測定した。測定には、一般的な光散乱式粒子径分布測定装置(日機装株式会社 MICROTRAC HRA MODEL:9320−X1000)を用いた。前処理として、試料を蒸留水に懸濁させ、超音波ホモジナイザーを用いて2分間分散させた。得られた粒子径分布の累積曲線から、D10、D50、及びD90を得た。
光散乱式粒度分布測定により、粒子径分布の累積曲線を測定した。測定には、一般的な光散乱式粒子径分布測定装置(日機装株式会社 MICROTRAC HRA MODEL:9320−X1000)を用いた。前処理として、試料を蒸留水に懸濁させ、超音波ホモジナイザーを用いて2分間分散させた。得られた粒子径分布の累積曲線から、D10、D50、及びD90を得た。
実施例1
テトラエトキシシラン、水酸化アルミニウム、水酸化カリウム、DQC5Br、及び純水を混合し、以下のモル組成を有する混合物を得た。
SiO2/Al2O3 = 100
DQC5+/SiO2 = 0.194
OH/SiO2 = 0.3
K/SiO2 = 0.3
H2O/SiO2 = 50
Br/SiO2 = 0.388
C2H5OH/SiO2 = 4
ここで、C2H5OHはエタノールとする。
テトラエトキシシラン、水酸化アルミニウム、水酸化カリウム、DQC5Br、及び純水を混合し、以下のモル組成を有する混合物を得た。
SiO2/Al2O3 = 100
DQC5+/SiO2 = 0.194
OH/SiO2 = 0.3
K/SiO2 = 0.3
H2O/SiO2 = 50
Br/SiO2 = 0.388
C2H5OH/SiO2 = 4
ここで、C2H5OHはエタノールとする。
得られた混合物をステンレス製の反応容器に充填し、これを密閉した。その後、当該反応容器を55回転/分で公転させながら130℃まで加熱した。加熱後、反応容器を公転しながら130℃で264時間保持することで混合物を結晶化させ、結晶化スラリーを得た。
結晶化スラリーを冷却、ろ過、洗浄、及び110℃で乾燥して生成物を得た。
生成物のXRDパターンはMFI構造のXRDパターンに一致し、ペンタシル型ゼオライトであることを確認した。XRDパターンを図1に示す。
SEM観察により、生成物の一次粒子は独立した薄片状であることが確認され、平均厚さは34nm、平均最大径は0.6μm、平均最大径/平均厚さは17であった。
得られたペンタシル型ゼオライトを、空気中、550℃で焼成し、本実施例のペンタシル型ゼオライトとした。シリカ収率は0.76であった。評価結果を表1及び表2に示す。
実施例2
実施例1と同様な原料を用いて、以下のモル組成を有する混合物を得た。
SiO2/Al2O3 = 100
DQC5+/SiO2 = 0.194
OH/SiO2 = 0.2
K/SiO2 = 0.2
H2O/SiO2 = 50
Br/SiO2 = 0.388
C2H5OH/SiO2 = 4
実施例1と同様な原料を用いて、以下のモル組成を有する混合物を得た。
SiO2/Al2O3 = 100
DQC5+/SiO2 = 0.194
OH/SiO2 = 0.2
K/SiO2 = 0.2
H2O/SiO2 = 50
Br/SiO2 = 0.388
C2H5OH/SiO2 = 4
得られた混合物を、実施例1と同様な方法で結晶化、冷却、ろ過、洗浄、及び乾燥して生成物を得た。
生成物のXRDパターンはMFI構造のXRDパターンに一致し、ペンタシル型ゼオライトであることを確認した。
SEM観察により、生成物の一次粒子は独立した薄片状であることが確認され、平均厚さは43nm、平均最大径は1.0μm、平均最大径/平均厚さは24であった。
得られたペンタシル型ゼオライトを、実施例1と同様な方法で焼成し、本実施例のペンタシル型ゼオライトとした。本実施例のペンタシル型ゼオライトの細孔容積は0.41cm3/gであった。シリカ収率は0.92であった。評価結果を表1及び表2に示す。
実施例3
実施例1と同様な原料を用いて、以下のモル組成を有する混合物を得た。
SiO2/Al2O3 = 100
DQC5+/SiO2 = 0.194
OH/SiO2 = 0.15
K/SiO2 = 0.15
H2O/SiO2 = 50
Br/SiO2 = 0.388
C2H5OH/SiO2 = 4
実施例1と同様な原料を用いて、以下のモル組成を有する混合物を得た。
SiO2/Al2O3 = 100
DQC5+/SiO2 = 0.194
OH/SiO2 = 0.15
K/SiO2 = 0.15
H2O/SiO2 = 50
Br/SiO2 = 0.388
C2H5OH/SiO2 = 4
得られた混合物を、実施例1と同様な方法で結晶化、冷却、ろ過、洗浄、及び乾燥して生成物を得た。
生成物のXRDパターンはMFI構造のXRDパターンに一致し、ペンタシル型ゼオライトであることを確認した。
SEM観察図を図2に示す。生成物の一次粒子は独立した薄片状であることが確認され、平均厚さは34nm、平均最大径は1.3μm、平均最大径/平均厚さは38であった。
得られたペンタシル型ゼオライトを、実施例1と同様な方法で焼成し、本実施例のペンタシル型ゼオライトとした。シリカ収率は0.88であった。評価結果を表1及び表2に示す。
実施例4
実施例1と同様な原料を用いて、以下のモル組成を有する混合物を得た。
SiO2/Al2O3 = 100
DQC5+/SiO2 = 0.194
OH/SiO2 = 0.1
K/SiO2 = 0.1
H2O/SiO2 = 50
Br/SiO2 = 0.388
C2H5OH/SiO2 = 4
実施例1と同様な原料を用いて、以下のモル組成を有する混合物を得た。
SiO2/Al2O3 = 100
DQC5+/SiO2 = 0.194
OH/SiO2 = 0.1
K/SiO2 = 0.1
H2O/SiO2 = 50
Br/SiO2 = 0.388
C2H5OH/SiO2 = 4
得られた混合物を、実施例1と同様な方法で結晶化、冷却、ろ過、洗浄、及び乾燥して生成物を得た。
生成物のXRDパターンはMFI構造のXRDパターンに一致し、ペンタシル型ゼオライトであることを確認した。
SEM観察により、生成物の一次粒子は独立した薄片状であることが確認され、平均厚さは34nm、平均最大径は1.7μm、平均最大径/平均厚さは50であった。
得られたペンタシル型ゼオライトを、実施例1と同様な方法で焼成し、本実施例のペンタシル型ゼオライトとした。本実施例のペンタシル型ゼオライトの細孔容積は0.40cm3/gであった。シリカ収率は0.89であった。評価結果を表1及び表2に示す。
比較例1
非特許文献1に準じて、ペンタシル型ゼオライトを合成した。すなわち、テトラエトキシシラン、水酸化カリウム、DQC5Br、及び純水を混合し、以下のモル組成からなる混合物を得た。
DQC5+/SiO2 = 0.194
OH/SiO2 = 0.375
K/SiO2 = 0.375
H2O/SiO2 = 200
Br/SiO2 = 0.388
C2H5OH/SiO2 = 4
非特許文献1に準じて、ペンタシル型ゼオライトを合成した。すなわち、テトラエトキシシラン、水酸化カリウム、DQC5Br、及び純水を混合し、以下のモル組成からなる混合物を得た。
DQC5+/SiO2 = 0.194
OH/SiO2 = 0.375
K/SiO2 = 0.375
H2O/SiO2 = 200
Br/SiO2 = 0.388
C2H5OH/SiO2 = 4
得られた混合物を、得られた混合物を、実施例1と同様な方法で結晶化、冷却、ろ過、洗浄、及び乾燥して生成物を得た。
生成物のXRDパターンはMFI構造のXRDパターンに一致し、ペンタシル型ゼオライトであることを確認した。
SEM観察により、生成物は一次粒子が特異的に凝集した粒子形状であることが確認された。
得られたペンタシル型ゼオライトを、実施例1と同様な方法で焼成し、本比較例のペンタシル型ゼオライトとした。評価結果を表1及び表2に示す。
比較例2
実施例1と同様な原料を用いて、以下のモル組成を有する混合物を得た。
SiO2/Al2O3 = 100
DQC5+/SiO2 = 0.194
OH/SiO2 = 0.375
K/SiO2 = 0.375
H2O/SiO2 = 200
Br/SiO2 = 0.388
C2H5OH/SiO2 = 4
実施例1と同様な原料を用いて、以下のモル組成を有する混合物を得た。
SiO2/Al2O3 = 100
DQC5+/SiO2 = 0.194
OH/SiO2 = 0.375
K/SiO2 = 0.375
H2O/SiO2 = 200
Br/SiO2 = 0.388
C2H5OH/SiO2 = 4
得られた混合物を、実施例1と同様な方法で結晶化、冷却、ろ過、洗浄、及び乾燥して生成物を得た。
生成物のXRDパターンはMFI構造のXRDパターンに一致し、ペンタシル型ゼオライトであることを確認した。
SEM観察図を図3に示す。生成物は一次粒子が特異的に凝集した粒子形状であることが確認された。
得られたペンタシル型ゼオライトを、実施例1と同様な方法で焼成し、本実施例のペンタシル型ゼオライトとした。シリカ収率は0.31であった。評価結果を表1及び表2に示す。
比較例3
実施例1と同様な原料を用いて、以下のモル組成を有する混合物を得た。
SiO2/Al2O3 = 100
DQC5+/SiO2 = 0.194
OH/SiO2 = 0.375
K/SiO2 = 0.375
H2O/SiO2 = 50
Br/SiO2 = 0.388
C2H5OH/SiO2 = 4
実施例1と同様な原料を用いて、以下のモル組成を有する混合物を得た。
SiO2/Al2O3 = 100
DQC5+/SiO2 = 0.194
OH/SiO2 = 0.375
K/SiO2 = 0.375
H2O/SiO2 = 50
Br/SiO2 = 0.388
C2H5OH/SiO2 = 4
得られた混合物を、実施例1と同様な方法で結晶化、冷却、ろ過、洗浄、及び乾燥して生成物を得た。
生成物のXRDパターンはMFI構造のXRDパターンに一致し、ペンタシル型ゼオライトであることを確認した。
SEM観察により、生成物は一次粒子が特異的に凝集した粒子形状であることが確認された。
得られたペンタシル型ゼオライトを、実施例1と同様な方法で焼成し、本実施例のペンタシル型ゼオライトとした。本実施例のペンタシル型ゼオライトの細孔容積は0.35cm3/gであった。シリカ収率は0.57であった。評価結果を表1及び表2に示す。
本発明のペンタシル型ゼオライトは、炭化水素合成反応、特に芳香族炭化水素の合成反応の触媒として使用できる。特に芳香族炭化水素の合成反応において、軽油又は分解ガソリンの接触分解による低級炭化水素化反応、又は、低級アルケンの縮合反応の触媒として適している。
Claims (8)
- 一次粒子の平均厚さが20nm以上50nm以下、一次粒子の平均厚さに対する一次粒子の平均最大径の比が10以上100以下であり、なおかつ、300m2/g以上のBET比表面積を有するペンタシル型ゼオライト。
- 一次粒子の平均最大径が0.3μm以上2.0μm以下である請求項1に記載のペンタシル型ゼオライト。
- 平均粒径が0.5μm以上である請求項1又は2に記載のペンタシル型ゼオライト。
- SiO2/Al2O3が30以上である請求項1乃至3いずれか一項に記載のペンタシル型ゼオライト。
- 細孔容積が0.36cm3/g以上である請求項1乃至4いずれか一項に記載のペンタシル型ゼオライト。
- ケイ素源、N,N,N,N´,N´,N´−ヘキサプロピル−1,5−ペンタンジアンモニウムカチオン、及びアルカリ金属源を含み、なおかつ、シリカに対するアルカリ金属のモル比が0.37未満である混合物を結晶化する結晶化工程を有する請求項1乃至5いずれか一項に記載の製造方法。
- アルミニウム源を含む混合物を結晶化する請求項6に記載の製造方法。
- シリカに対する水のモル比が5以上、150以下である混合物を結晶化する請求項6又は7に記載の製造方法。
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JP2015244390A JP2017109897A (ja) | 2015-12-15 | 2015-12-15 | ペンタシル型ゼオライト及びその製造方法 |
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WO2018221269A1 (ja) | 2017-06-02 | 2018-12-06 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 電動車両の制御装置、電動車両の制御システム及び電動車両の制御方法 |
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2015
- 2015-12-15 JP JP2015244390A patent/JP2017109897A/ja active Pending
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WO2018221269A1 (ja) | 2017-06-02 | 2018-12-06 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 電動車両の制御装置、電動車両の制御システム及び電動車両の制御方法 |
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