JP2019176123A - コンデンサーフィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなるコンデンサーフィルム - Google Patents

コンデンサーフィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなるコンデンサーフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】高温耐電圧性及び薄膜延伸性に優れ、金属蒸着膜の付着力低下による性能低下のおそれのないコンデンサーフィルムを製造することができるポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなるコンデンサーフィルムを提供すること。【解決手段】本発明のコンデンサーフィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物は、特定のプロピレン単独重合体(A)100質量部に対し、水素添加系石油樹脂(B)0.1〜2.0質量部を含有し、また、本発明のコンデンサーフィルムは前記ポリプロピレン系樹脂組成物を含有する樹脂層を含むことを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明はコンデンサーフィルム用プロピレン系樹脂組成物及びそれからなるコンデンサーフィルムに関する。より詳しくは、高温耐電圧性及び薄膜延伸性に優れたコンデンサーフィルムを製造することができるプロピレン系樹脂組成物及びそれからなるコンデンサーフィルムに関する。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、機械的特性、耐熱性、透明性、化学的安定性、電気特性等に優れるため、包装用途、テープ用途だけでなく、コンデンサー、電池用セパレータをはじめとする電気用途の様々な分野で幅広く利用されている。特に、コンデンサー用延伸ポリプロピレンフィルムは、高電圧コンデンサーだけでなく、スイッチング電源、コンバータ、インバータなどのノイズフィルタ用コンデンサー、平滑コンデンサーとしても用いられている。
これらの用途では、コンデンサーの小型化および高容量化が要求されている。また、ハイブリッドカーや電気自動車用途のように高出力下でコンデンサーを使用する場合、トランジスターおよびコンデンサー等の回路に大電流が流れて使用温度が高くなるため、コンデンサーの高温下での耐電圧性も求められている。
コンデンサーの小型化および高容量化のためにはフィルムを薄くすることが有効である。しかしながら、フィルムを薄くすると高温下での耐電圧が著しく低下し、コンデンサー使用時にコンデンサーフィルムが低い電圧下で絶縁破壊する。他方、フィルム加工面からは、薄膜フィルムの加工時にフィルム破断が起こりやすくなり、生産性が著しく低下する。
特許文献1には、ポリプロピレン100重量部と、実質的に二重結合及び極性基を含まない石油樹脂及びテルペン樹脂から選ばれた1種以上の樹脂5〜100重量部とから構成されるコンデンサーフィルムにおいて、二軸延伸性に優れ、フィルムが薄くなっても絶縁破壊電圧が低下しないコンデンサーフィルムが開示されている。
特許文献2には、ポリプロピレン100重量部と、実質的に二重結合及び極性基を含まない石油樹脂及びテルペン樹脂から選ばれた樹脂5〜50重量部とからなり、かつ、表面粗さが特定の範囲であるコンデンサーフィルムにおいて、絶縁破壊強度に優れ、経時による静電容量の変化が少ない保安性の高いコンデンサーフィルムが開示されている。
特許文献3には、長鎖分岐を含むポリプロピレンと、実質的に二重結合及び極性基を含まない石油樹脂及びテルペン樹脂から選ばれた延伸助剤0.1〜30重量%とからなる二軸延伸フィルムにおいて、ポリプロピレンの立体規則性、灰分量を特定範囲内に制御することで絶縁破壊強度に優れたコンデンサーフィルムが開示されている。
特開昭61−218125号公報 特開平11−162779号公報 特開2004−161799号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載された技術では、高温下(特に100℃以上)の絶縁破壊強度が低くなり、高温下でコンデンサーが使用できないといった技術的課題があった。また、高温下でコンデンサーフィルムを使用すると、フィルム表面に石油樹脂がブリードアウトするため、アルミニウムや亜鉛などの金属蒸着膜の付着力が低下し、フィルムコンデンサーの性能を損なうおそれがあった。このようなことから、高温耐電圧性に優れ、かつ薄膜延伸性に優れるコンデンサーフィルムの開発が望まれている。
本発明は、高温耐電圧性及び薄膜延伸性に優れるとともに、金属蒸着膜の付着力低下による性能低下のおそれのないコンデンサーフィルム、および該コンデンサーフィルムを製造することが可能なポリプロピレン系樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、特定のプロピレン単独重合体に特定量の水素添加系石油樹脂を配合したポリプロピレン系樹脂組成物、および該組成物を含有する樹脂層を含むフィルムにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明の態様の例を以下に示す。
[1] 下記特性(A−1)〜(A−4)を有するプロピレン単独重合体(A)100質量部に対し、下記特性(B−1)を有する水素添加系石油樹脂(B)0.1〜2.0質量部を含有するコンデンサーフィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物:
(A−1)メルトフローレート(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)が1.0〜10.0g/10分であること;
(A−2)メソペンタッド分率(mmmm)が0.940以上であること;
(A−3)GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)が3.0以上であること;
(A−4)塩素含有量が3質量ppm以下であること;
(B−1)軟化温度が100〜160℃であること。
[2] 水素添加系石油樹脂(B)が脂環式炭化水素樹脂であることを特徴とする項[1]に記載のコンデンサーフィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物。
[3] 項[1]または[2]に記載されたポリプロピレン系樹脂組成物を含有する樹脂層を含むことを特徴とするコンデンサーフィルム。
[4] 厚みが1〜50μmであることを特徴とする項[3]に記載のコンデンサーフィルム。
[5] 延伸面倍率(縦×横の面倍率)30〜80倍で延伸されていることを特徴とする項[3]または[4]に記載のコンデンサーフィルム。
本発明によれば、高温耐電圧性及び薄膜延伸性に優れるとともに、金属蒸着膜の付着力低下による性能低下のおそれのないコンデンサーフィルムおよび該コンデンサーフィルムを製造することが可能なポリプロピレン系樹脂組成物を提供することができる。
本発明のコンデンサーフィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物(以下、単に「本発明の組成物」ともいう。)は、下記特性(A−1)〜(A−4)を有するプロピレン単独重合体(A)100質量部に、下記特性(B−1)を有する水素添加系石油樹脂(B)0.1〜2.0質量部を含有することを特徴とする。
(A−1)メルトフローレート(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)が1.0〜10.0g/10分であること。
(A−2)メソペンタッド分率(mmmm)が0.940以上であること。
(A−3)GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)が3.0以上であること。
(A−4)塩素含有量が3質量ppm以下であること。
(B−1)軟化温度が100〜160℃であること。
上記要件を満たすポリプロピレン系樹脂組成物から得られる延伸フィルムは、高温耐電圧性及び薄膜延伸性に優れるとともに、金属蒸着膜の付着力低下による性能低下のおそれがなく、コンデンサーフィルムとして好適である。すなわち、本発明のコンデンサーフィルムは、本発明の組成物を含有する樹脂層を含むことを特徴とする。
[ポリプロピレン系樹脂組成物]
本発明の組成物は、プロピレン単独重合体(A)100質量部に対し、水素添加系石油樹脂(B)0.1〜2.0質量部を含有することを特徴とする。水素添加系石油樹脂(B)の配合量は、ポリプロピレン樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.2〜1.5質量部、より好ましくは0.3〜1.0質量部である。成分(B)の配合量が前記範囲内であるとコンデンサーフィルムの高温耐電圧性が著しく改良される。前記配合量が0.1質量部未満であると高温耐電圧性への効果が小さく、2.0質量部を超えても高温耐電圧の効果が低下するし、コンデンサーの使用環境によっては金属蒸着膜の付着力低下による性能低下のおそれがある。
特許文献1〜3には、上記の効果を示唆する記載はなく、当該文献からその理由は必ずしも明確ではないが、本発明者らは以下のように考察している。
絶縁破壊電圧に関する技術文献「山北隆征、有安富雄、電気学会論文誌A、110巻、11号、817〜823頁、平成2年」には、非晶よりも球晶の絶縁破壊電圧が大きいことが報告されており、結晶の絶縁破壊電圧は非晶よりも高いことが知られている。非晶の絶縁破壊電圧が低い理由としては、非晶は結晶よりも密度が低く、欠陥である空隙が多いために放電しやすいためと解釈されている。ここで、プロピレン単独重合体(A)100質量部に対して水素添加系石油樹脂(B)を0.1〜2.0質量部の範囲内で配合すると、水素添加系石油樹脂(B)はプロピレン単独重合体(A)の非晶に選択的に存在するために、プロピレン単独重合体(A)の結晶化度を低下させないまま非晶の空隙のみが減少するために、絶縁破壊電圧が高くなったと考えられる。水素添加系石油樹脂(B)の配合量が2.0質量部を超えると、水素添加系石油樹脂(B)がプロピレン単独重合体(A)の非晶だけでなく、結晶まで入り込み、結晶化度を低下させるため絶縁破壊電圧が低下したと考えられる。
[プロピレン単独重合体(A)]
本発明で用いられるプロピレン単独重合体(A)は、後述する特性(A−1)〜(A−4)を有する。ここで、プロピレン単独重合体は、プロピレン共重合体よりも結晶化度および融点が高いため、高温度下の耐絶縁破壊特性に優れる。また、前記プロピレン単独重合体(A)は、本発明の目的を阻害しない範囲で長鎖分岐を有してもよいが、長鎖分岐があると結晶化度が低下することから長鎖分岐のないプロピレン単独重合体が好ましい。
<特性(A−1)>
前記プロピレン単独重合体(A)のメルトフローレート(MFR、ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)は、1.0〜10.0g/10分、好ましくは1.2〜8.0g/10分、さらに好ましくは1.5〜6.0g/10分である。前記MFRが1.0g/10分未満の場合、押出機での原反成形が困難であり、また延伸時にチャック外れ等が生じ、所望の延伸フィルムが得られないことがある。また、前記MFRが10.0g/10分を超えると、延伸時にフィルム破断が多発するなど、フィルムの生産性が低下する傾向にある。なお、MFRは、プロピレン単独重合体(A)の重合時に水素添加量を調整し、あるいはMFRの異なるプロピレン単独重合体(A)を配合することにより調整して上記範囲内に設定することができる。
<特性(A−2)>
前記プロピレン単独重合体(A)の13C−NMR(核磁気共鳴)で測定したメソペンタッド分率(mmmm)は、0.940以上、好ましくは0.950以上、さらに好ましくは0.960以上である。前記メソペンタッド分率(mmmm)が0.940未満では、フィルムの高温耐電圧性が低下する場合がある。
<特性(A−3)>
前記プロピレン単独重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した分子量分布(Mw/Mn、重量平均分子量Mwを数平均分子量Mnで除した値)は、3.0以上、好ましくは4.0以上14.0以下、さらに好ましくは5.0以上12.0以下、特に好ましくは6.0以上11.0以下である。前記分子量分布(Mw/Mn)が4.0未満の場合、薄膜フィルムの延伸性が低下し、厚み精度の良好なフィルムが得られない場合があり、14.0を超えると、延伸後の残存応力が大きくなり、熱収縮が大きくなる場合がある。
<特性(A−4)>
前記プロピレン単独重合体(A)の塩素含有量は、3質量ppm以下、好ましくは2質量ppm以下、さらに好ましくは1.5質量ppm以下である。塩素含有量が3質量ppmを超えると、得られる延伸フィルムの耐電圧性が低下するだけでなく、長期的なコンデンサー特性も低下する。コンデンサー使用時においてフィルム内部の塩素イオン近傍の電界が局所的に増大し、そこから絶縁破壊が生じやすくなるために耐電圧が低下すると解される。塩素含有量は、プロピレン単独重合体を後処理することにより、または、メタロセン触媒で得られるプロピレン重合体を配合することにより、上記範囲内に制御することができる。
<プロピレン単独重合体(A)の製造方法>
前記プロピレン単独重合体(A)の製造方法は特に限定されない。例えば、チタン化合物と有機アルミニウム化合物を組み合わせたチーグラ・ナッタ触媒、又は、メタロセン触媒を用いて製造することができる。本発明では、分子量分布が比較的広いポリプロピレン樹脂が好ましいため、一般的にチーグラ・ナッタ触媒を用いて製造することがより好ましい。
チーグラ・ナッタ触媒としては、例えば、ハロゲン化マグネシウムなどの担体上に、三塩化チタンまたは四塩化チタンを担持させたもの、ならびに有機アルミニウム化合物が用いられる。特に、高活性で、かつ、チタン成分のもともと少ない触媒を用いることが好ましい。
前記プロピレン単独重合体(A)の製造は、バルク重合法、溶解重合や懸濁重合などの液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実施できる。これらの中でも、バルク重合、懸濁重合などの液相重合および気相重合法が好ましい。
前記プロピレン単独重合体(A)は、触媒の単位量当たりのポリマーの生成量が少ない場合には、後処理を行って触媒残渣を除去する必要がある。また、触媒の活性が高いためにポリマーの生成量が多い場合でも、後処理を行って触媒残渣を除去することが好ましい。後処理の方法としては、重合して得られたプロピレン単独重合体を液状のプロピレン、ブタン、ヘキサンまたはヘプタンなどで洗浄する方法が挙げられる。このとき、水、アルコール化合物、ケトン化合物、エーテル化合物、エステル化合物、アミン化合物、有機酸化合物または無機酸化合物などを添加してチタンやマグネシウムなどの触媒成分を可溶化し、抽出しやすくしてもよい。また、水またはアルコールなどの極性化合物で洗浄することも好ましい。
さらに上記の重合により得られたプロピレン単独重合体に、脱ハロゲン処理をすることが好ましく、エポキシ化合物を用いた脱ハロゲン処理が特に好ましい。ここで、エポキシ化合物としては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブテンオキサイドもしくはシクロヘキセンオキサイドなどのアルキレンオキサイド、グリシジルアルコール、グリシジル酸またはグリシジルエステルなどが好ましく用いられる。これらのエポキシ化合物を用いてプロピレン単独重合体の脱塩素処理を行う時には、エポキシ化合物と等モル以上のOH基を持った化合物を用いると非常に効果的である。ここでOH基を持った化合物としては、水もしくはアルコール化合物が挙げられる。
[水素添加系石油樹脂(B)]
本発明で用いられる水素添加系石油樹脂(B)は、後述する特性(B−1)を有する。また、水素添加系石油樹脂(B)は、通常、塩化アルミニウムを重合触媒として用い、石油ナフサを熱分解して必要な留分を採取した残りの留分のうち、主としてC5およびC9留分からなる不飽和炭化水素を重合して製造され、脂肪族炭化水素樹脂、脂環式炭化水素樹脂及び芳香族炭化水素樹脂の水素添加誘導体がある。高温下の絶縁破壊強度及び無色無臭の観点から、より好ましくは水添率95質量%以上の樹脂であり、さらに好ましくは、水素化ロジン、水素化テルペン樹脂、水素化系石油樹脂等の誘導体である。特に好ましくは脂環式炭化水素樹脂であり、この理由としてポリプロピレンとの相容性が高いことが挙げられる。
<特性(B−1)>
水素添加系石油樹脂(B)の軟化温度は、100〜160℃である。好ましくは110〜155℃であり、更に好ましくは130〜150℃である。軟化温度が100℃未満であると、高温下の絶縁破壊強度が低下する傾向にあり、160℃を超えると、フィルム延伸時にボイドが発生し、高温下だけでなく、室温下の絶縁破壊強度も低下する傾向がある。前記軟化温度は、JIS K 2207に準拠した方法によって測定することが可能である。
水素添加系石油樹脂(B)の市販品としては、例えば、出光興産株式会社製「アイマーブ」、荒川化学工業株式会社製「アルコン」、エクソンモービル株式会社製「オペラ(OPPERA)」、JXTGエネルギー株式会社製「T−REZ」等が挙げられる。
[ポリプロピレン系樹脂組成物の調製方法]
本発明の組成物の調製方法としては、パウダー状またはペレット状の前記プロピレン単独重合体(A)、水素添加系石油樹脂(B)、および必要に応じてその他の添加剤を、ドライブレンド、ヘンシェルミキサー等で混合する方法が挙げられる。また、予め単軸または二軸混練機、ニーダ等によってこれらの原料を溶融混練してもよい。
その他の添加剤としては、例えば酸化防止剤および中和剤が挙げられる。酸化防止剤の配合量は、プロピレン単独重合体(A)に対して、好ましくは500質量ppm以上8000質量ppm以下、より好ましくは750質量ppm以上7500質量ppm以下である。また、中和剤の配合量は、プロピレン単独重合体(A)に対して、好ましくは5質量ppm以上1000質量ppm以下、より好ましくは10質量ppm以上750質量ppm以下、さらに好ましくは15質量ppm以上500質量ppm以下である。
また、酸化防止剤および中和剤以外の添加剤についても、ポリプロピレン樹脂に配合可能な公知の添加剤であれば、本発明の目的を損なわない範囲で用いることができる。このような添加剤としては、例えば、核剤(リン酸エステル金属塩やソルビトール系化合物等のα晶核剤やアミド系化合物等のβ晶核剤)、紫外線吸収剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤など挙げられる。
本発明の組成物の調製においては、水素添加系石油樹脂(B)の含有量が少ないため、予め高濃度の水素添加系石油樹脂(B)とポリプロピレン樹脂からなるマスターバッチを作製し、このマスターバッチとプロピレン単独重合体(A)とを、配合比が所定の範囲になるように配合することが好ましい。マスターバッチの原料となるポリプロピレン樹脂は、プロピレン単独重合体(A)でも他のポリプロピレン樹脂でもかまわないが、プロピレン単独重合体(A)を用いることがより好ましい。
<コンデンサーフィルムの製造方法>
本発明のコンデンサーフィルムは、例えば、本発明の組成物を用いて原反シートを製造した後、これを延伸することによって製造することができる。
前記原反シートは、例えば以下のようにして製造することができる。まず、前記ポリプロピレン系樹脂組成物をホッパーから押出機に供給し、好ましくは170〜300℃、より好ましくは200〜260℃で加熱溶融してTダイから溶融押出する。次に、押出された溶融物を70〜120℃の金属製チルロールで冷却固化させることにより、未延伸の原反シートが得られる。原反シートの厚みは、特に限定されないが、好ましくは60〜800μm、より好ましくは80〜400μmである。原反シートの厚みが60μm未満である場合、延伸時に破断する場合がある。また、前記厚みが800μmを超えると、薄膜のフィルムを得ることができないため、コンデンサーフィルムとして適さない場合がある。
本発明のコンデンサーフィルムの製造方法では、上記のようにして得られた原反シートを延伸することが好ましい。延伸方法としては、一軸延伸法、二軸延伸法が挙げられるが、二軸延伸法が好ましい。二軸延伸法としては、フィルムに対して機械方向へ一軸延伸を行い、次いで機械方向に対して直角方向へ延伸する逐次二軸延伸法、機械方向とそれに対して直角方向へ同時に延伸する同時二軸延伸法などが挙げられる。具体的には、テンター法、チューブラーフィルム法などの逐次二軸延伸法、同時二軸延伸法を用いることができる。
前記テンター法は、例えば以下の方法により行うことができる。Tダイから溶融押出された溶融シートを冷却ロールで固化させ、該シートを必要により予熱した後、延伸ゾーンに導入する。次いで、前記シートを機械方向(縦方向)に120〜160℃の温度で3〜9倍延伸した後、機械方向の直角方向(横方向)に150〜190℃の温度で5〜11倍で延伸する。合計の延伸面倍率(縦×横の面倍率)は、好ましくは30〜80倍、より好ましくは35〜75倍、さらに好ましくは35〜70倍、特に好ましくは40〜50倍である。延伸面倍率が30倍未満であると、所望の強度や厚み精度を得ることが困難である場合がある。また、延伸面倍率が80倍を超えると、延伸時に破断が生じやすくなり、生産性に劣る場合がある。
本発明では、上記のようにして二軸延伸されたフィルムに対して、必要に応じて、160〜190℃で熱固定することもできる。これにより、熱寸法安定性および耐摩耗性などがより向上した延伸フィルムを得ることができる。
<コンデンサーフィルム>
上記のようにして得られた延伸フィルムは、プロピレン単独重合体(A)および特定量の水素添加系石油樹脂(B)を含有する樹脂層を含み、高温耐電圧性及び薄膜延伸性に優れ、金属蒸着膜の付着力低下による性能低下のおそれのないコンデンサーフィルムとして好適である。本発明のコンデンサーフィルムは、前記樹脂層が1層の単層フィルムでもよく、前記樹脂層が2層以上の積層フィルムでもよい。
本発明のコンデンサーフィルムの厚みは、好ましくは1〜50μm、より好ましくは1.5〜30μm、さらに好ましくは1.5〜20μmであり、特に好ましくは2〜15μmである。厚みが前記範囲であることにより、フィルム破断が起きにくく、フィルムの生産性が向上するとともに、軽量かつ柔軟性にも優れたフィルムとすることができる。
本発明のコンデンサーフィルムに、アルミニウムや亜鉛等の金属層を真空蒸着法等により形成することにより、コンデンサーとして好適に用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例および比較例で用いた物性測定法および使用樹脂は、以下の通りである。
1.物性の測定方法
(1)メルトフローレート(MFR)
メルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238に準拠して、230℃、2.16kg荷重の条件下で測定した。
(2)メソペンタッド分率(mmmm)
プロピレン単独重合体のメソペンタッド分率(mmmm)は、A.ZambelliらのMacromolecules,8,687(1975)に示された帰属により定められた値であり、13C−NMRにより、下記条件で測定した。なお、メソペンタッド分率は以下の式で表される値である。
メソペンタッド分率=(21.7ppmでのピーク面積)/(19〜23ppmでのピーク面積)
<測定条件>
装置:JNM−Lambada400(商品名、日本電子(株)製)
分解能:400MHz
測定温度:125℃
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン/重水素化ベンゼン=7/4(質量比)
パルス幅:7.8μsec
パルス間隔:5sec
積算回数:2000回
シフト基準:TMS=0ppm
モード:シングルパルスブロードバンドデカップリング
(3)分子量分布(Mw/Mn)
以下の条件で測定し、得られたクロマトグラムを解析することによってプロピレン単独重合体のMw/Mnを算出した。分子量の算出はユニバーサルキャリブレーション法により行い、ポリスチレン換算の値を算出した。GPCクロマトグラムのベースラインは、溶出曲線の立ち上がる保持時間を起点とし、分子量1000に相当する保持時間を終点とした。
<測定条件>
液体クロマトグラフ:ALC/GPC 150−C Plus型(商品名、示差屈折計検出器一体型、Waters製)
カラム:GMH6−HT(商品名、東ソー(株)製)×2本及びGMH6−HTL(商品名、東ソー(株)製)×2本を直列接続
移動相媒体:o−ジクロロベンゼン
流速:1.0mL/分
測定温度:140℃
サンプル濃度:0.10%(W/W)
サンプル溶液量:500μL
(4)塩素含有量
試料0.8gを、三菱化成社製燃焼装置を用いてアルゴン/酸素気流下で、400〜900℃で燃焼した。その後、燃焼ガスを超純水で捕捉し、濃縮後の試料液を、DIONEX−DX300型イオンクロマト装置(商品名、日本ダイオネック(株)製)および陰イオンカラムAS4A−SC(商品名、ダイオネック社製)を用いて測定して塩素含有量を求めた。
(5)耐電圧(BDV)
得られた延伸フィルムのBDVをJIS−C2330に準拠して測定した。二軸延伸フィルムの絶縁破壊電圧を120℃で測定した。耐電圧(BDV、V/μm)は、絶縁破壊電圧をフィルム厚みで除して算出した。
(6)薄膜延伸性
フィルムの二軸延伸直後に、平滑性に関連する干渉縞を目視で観察し、以下の基準で評価した。
×:干渉縞が観察されたことから、フィルムの平滑性が低い。
○:干渉縞が観察されず、フィルムの平滑性に問題はない。
◎:干渉縞が観察されず、フィルムの平滑性に問題はなく、かつ延伸温度幅が広い。
(7)金属蒸着膜の付着力
フィルム表面をコロナ処理後、真空度2×10-4Torr、蒸着時間20秒間でアルミニウムを蒸着したコンデンサーフィルムを作製した。この金属蒸着フィルムの蒸着膜側とPEフィルム「HM−52」(商品名、タマポリ株式会社製、グレード:アイオノマー、厚み:30μm)をシール温度120℃、シール圧力2.0kg/cm2 、シール時間1.0秒の条件で幅10mm×15mmのシールを行い、引張速度300m/分でT型剥離強度を測定し、蒸着フィルムの蒸着強度(N/15mm)を評価した。
2.使用材料
(1)プロピレン単独重合体(A)
・A1:プロピレン単独重合体(MFR:2.0g/10min、Mw/Mn:9.6、mmmm:0.974、塩素含有量:1ppm)
<プロピレン単独重合体(A1)の製造例>
[製造例1]
(i)固体触媒の製造
内容積2リットルの高速撹拌装置(特殊機化工業製「TKホモミクサーM型」)を充分窒素置換した後、この装置に精製デカン700ml、市販塩化マグネシウム10g、エタノール24.2gおよびソルビタンジステアレート(花王(株)製「レオドールSP−S20」)3gを入れ、この懸濁液を撹拌しながら反応系を昇温し、懸濁液を120℃にて800rpmで30分撹拌した。次いで、この懸濁液を、沈殿物が生じないように高速撹拌しながら、内径5mmのテフロン(登録商標)製チューブを用いて、予め−10℃に冷却された精製デカン1リットルを張り込んである2リットルのガラスフラスコ(攪拌機付)に移した。移液により生成した固体を濾過し、精製n−ヘプタンで充分洗浄することにより、塩化マグネシウム1モルに対してエタノールが2.8モル配位した固体状付加物を得た。
この固体状付加物をデカンで懸濁状にして、マグネシウム原子に換算して23mmolの上記固体状付加物を、−20℃に保持した四塩化チタン100ml中に、攪拌下、導入して混合液を得た。この混合液を5時間かけて80℃に昇温し、80℃に達したところで、3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル(シス体、トランス体混合物)を、固体状付加物のマグネシウム原子1モルに対して0.085モルの割合の量で添加し、40分間で110℃まで昇温した。110℃に到達したところで、更にシクロヘキサン1,2−ジカルボン酸ジイソブチル(シス体、トランス体混合物)を固体状付加物のマグネシウム原子1モルに対して0.0625モルの割合の量で添加し、温度110℃で90分間攪拌しながら保持することにより、これらを反応させた。
90分間の反応終了後、熱濾過にて固体部を採取し、この固体部を100mlの四塩化チタンにて再懸濁させた後、昇温して110℃に達したところで、45分間撹拌しながら保持することによりこれらを反応させた。45分間の反応終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、100℃のデカンおよびヘプタンで、洗液中に遊離のチタン化合物が検出されなくなるまで充分洗浄した。
以上の操作によって調製した固体状チタン触媒成分(α−1)はデカン懸濁液として保存したが、この内の一部を、触媒組成を調べる目的で乾燥した。
このようにして得られた固体状チタン触媒成分(α−1)の組成はチタン3.2質量%、マグネシウム17質量%、塩素57質量%、3,6−ジメチルシクロヘキサン1,2−ジカルボン酸ジイソブチル10.6質量%、シクロヘキサン1,2−ジカルボン酸ジイソブチル8.9質量%およびエチルアルコール残基0.6質量%であった。
(ii)前重合触媒の製造
前記の(i)で調製した固体触媒成分150g、トリエチルアルミニウム74.4mL、ヘプタン75Lを内容量200Lの攪拌機付きオートクレーブに挿入し、内温10〜18℃に保ちプロピレンを900g挿入し、60分間攪拌しながら反応させた。この前重合触媒は遷移金属触媒成分1g当りポリプロピレンを6g含んでいた。
(iii)本重合
内容量1000Lの攪拌器付きベッセル重合器に、プロピレンを132kg/時間、上記触媒スラリーを遷移金属触媒成分として1.4g/時間、トリエチルアルミニウム8.4mL/時間、ジシクロペンチルジメトキシシラン16.2mL/時間を連続的に供給し、水素を気相部の水素濃度が2.5mol%になるように供給した。重合温度74℃、圧力3.2MPa/Gで重合を行った。
得られたスラリーを内容量500Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、更に重合を行った。重合器へは、プロピレンを29kg/時間、水素を気相部の水素濃度が1.8mol%になるように供給した。重合温度71℃、圧力3.1MPa/Gで重合を行った。
得られたスラリーを、別の内容量500Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、更に重合を行った。重合器へは、プロピレンを23kg/時間、水素を気相部の水素濃度が1.5mol%になるように供給した。重合温度69℃、圧力3.1MPa/Gで重合を行った。
得られたスラリーは、失活後、液体プロピレンによる洗浄槽に送液し、ポリプロピレンパウダーを洗浄した。
得られたスラリーを気化後、気固分離を行い、プロピレン重合体を得た。得られたプロピレン重合体をコニカル乾燥機に導入して、80℃で真空乾燥を行った。次いで生成物100キログラムに対し、純水60グラムとプロピレンオキサイド0.54リットルを添加して、90℃で2時間脱塩素処理を行った後、80℃にて真空乾燥を行い、ポリプロピレンパウダーを得た。得られたプロピレン単独重合体(A1)の塩素含有量は1ppmであった。
次にプロピレン単独重合体(A1)100質量部に対して、酸化防止剤として3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエンを0.2質量部、酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.2質量部、中和剤としてステアリン酸カルシウムを0.01質量部配合してドライブレンドした。その後、東芝機械(株)製2軸押出機「TEM−35」を用いて、ホッパーを窒素シールしながらシリンダー温度210℃、スクリュー回転数150rpm、押出量15kg/hで造粒し、プロピレン単独重合体(A1)のペレットを得た。得られたペレットを用いて物性を測定した結果、MFR=2.0、mmmm=0.974、Mw/Mn=9.6であった。
(2)水素添加系石油樹脂(B)
・B1:エクソンモービル社製水素添加系脂環式炭化水素樹脂「OPPERA、PR100N」(軟化温度:140℃)
・B2:出光興産株式会社製水素添加系脂環式炭化水素樹脂「アイマーブP−140」(軟化温度:140℃)
・B3:荒川化学株式会社製水素添加系脂環式炭化水素樹脂「アルコンP−140」(軟化温度:140℃、芳香環の水素化率95%)
・B4:東燃化学合同会社製水素添加系脂環式炭化水素樹脂「T−REZ OP501」(軟化温度:140℃)
・B5:東燃化学合同会社製水素添加系脂環式炭化水素樹脂「T−REZ HA125」(軟化温度:125℃)
3.実施例および比較例
[実施例1〜14]
(1)ポリプロピレン系樹脂組成物の調製
予めプロピレン単独重合体(A1)100質量部と水素添加系石油樹脂(B1〜B5)20質量部を配合したマスターバッチ(C1〜C5)を各々作製した。次いで表1に示す組成となるように、プロピレン単独重合体(A1)と前記マスターバッチを配合した。その後、東芝機械(株)製2軸押出機「TEM−35」を用いて、ホッパーを窒素シールしながらシリンダー温度210℃、スクリュー回転数150rpm、押出量15kg/hで造粒し、ポリプロピレン系樹脂組成物を得た。
(2)原反シートの成形
得られたポリプロピレン系樹脂組成物のペレットを25mmφのTダイシート成形機((株)プラスチック工学研究所製)で230℃に溶融して押し出し、65℃に保持された1個の冷却ロールにより、引張り速度1.0m/分で冷却し、厚み350μmの原反シートを得た。
(3)延伸フィルムの作製
得られた原反シートを85mm×85mmにカットし、下記の条件で二軸延伸し、厚み6μmの二軸延伸フィルムを得た。厚みは予熱温度を変えて調整した。得られた延伸フィルムを用いて評価を行った。結果を表1に示す。
<延伸条件>
延伸装置:KAROIV(商品名、ブルックナー社製)
予熱温度:145〜160℃
予熱時間:60秒
延伸倍率:縦方向(機械方向)5倍×横方向9倍の逐次二軸延伸(延伸面倍率:45倍)
延伸速度:6m/分
[比較例1]
原料としてプロピレン単独重合体(A1)のペレットをそのまま用いたこと以外は、実施例1と同様にして延伸フィルムを作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例2〜5]
表2に示す組成となるように、プロピレン単独重合体(A1)とマスターバッチ(C1)を配合してポリプロピレン系樹脂組成物を調製したこと以外は、実施例1と同様にして延伸フィルムを作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例6〜8]
原料として実施例1で作製したマスターバッチ(C1〜C3)をそのまま用いたこと以外は、実施例1と同様にして延伸フィルムを作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2019176123
Figure 2019176123
上記の表1から明らかなように、実施例1〜14の本発明のフィルムは、高温下の絶縁破壊電圧が高く、かつ金属蒸着膜との付着力が高いことがわかる。これに対して、上記の表2から明らかなように、比較例1〜8のフィルムは、本発明の要件を満たしていないため、目的の性能が発現していないことがわかる。

Claims (5)

  1. 下記特性(A−1)〜(A−4)を有するプロピレン単独重合体(A)100質量部に対し、下記特性(B−1)を有する水素添加系石油樹脂(B)0.1〜2.0質量部を含有するコンデンサーフィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物:
    (A−1)メルトフローレート(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)が1.0〜10.0g/10分であること;
    (A−2)メソペンタッド分率(mmmm)が0.940以上であること;
    (A−3)GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)が3.0以上であること;
    (A−4)塩素含有量が3質量ppm以下であること;
    (B−1)軟化温度が100〜160℃であること。
  2. 水素添加系石油樹脂(B)が脂環式炭化水素樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサーフィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載のポリプロピレン系樹脂組成物を含有する樹脂層を含むことを特徴とするコンデンサーフィルム。
  4. 厚みが1〜50μmであることを特徴とする請求項3に記載のコンデンサーフィルム。
  5. 延伸面倍率(縦×横の面倍率)30〜80倍で延伸されていることを特徴とする請求項3または4に記載のコンデンサーフィルム。
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