JP2023136762A - 樹脂組成物、フィルム、および二軸延伸フィルムの製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、フィルム、および二軸延伸フィルムの製造方法 Download PDF

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瑛弘 宇田川
Akihiro Udagawa
勝彦 岡本
Katsuhiko Okamoto
洋平 宝谷
Yohei Takaraya
真紀 三村
Masanori Mimura
誠 中野
Makoto Nakano
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Abstract

【課題】本発明は、4-メチル-1-ペンテン系重合体そのものが有する、電気特性などの優れた特性を損なうことなく、良好な延伸性を有する、4-メチル-1-ペンテン系重合体を含む樹脂組成物、その樹脂組成物から成形して得られるフィルム、その樹脂組成物から二軸延伸フィルムを製造する方法を提供することを目的とする。【解決手段】4-メチル-1-ペンテン系重合体系重合体(A)、および結晶核剤(B)を含み、4-メチル-1-ペンテン系重合体系重合体(A)に対する、結晶核剤(B)の含有量が1000~5000ppmの範囲である、樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、フィルム、および二軸延伸フィルムの製造方法に関し、より詳しくは、4-メチル-1-ペンテン系重合体を含む樹脂組成物、ならびに、その樹脂組成物を成形して得られるフィルム、およびその組成物から二軸延伸フィルムを製造する方法に関する。
4-メチル-1-ペンテン単独重合体、4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体などの4-メチル-1-ペンテン系重合体は、ポリエチレン、ポリプロピレンに比べ、耐熱性、透明性、電気特性などに優れており、種々の用途、例えば、キャパシタ用フィルムなど、への利用が検討されてきている。しかし、4-メチル-1-ペンテン系重合体は、一般的に、ポリエチレンやポリプロピレンと比較すると、延伸性に乏しい。
そのため、従来から、4-メチル-1-ペンテン系重合体そのものの特性を改良することにより、延伸性を高めた、樹脂組成物が検討されてきている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
国際公開2013/099876号パンフレット 国際公開2020/116368号パンフレット
しかし、4-メチル-1-ペンテン系重合体を含む樹脂組成物では、さらに延伸性を高めることが求められる場合があった。また、4-メチル-1-ペンテン系重合体そのものが持つ優れた特性(例えば電気特性)を活かしたいものの、フィルム、特に延伸フィルムの製造が困難な4-メチル-1-ペンテン系重合体もあり、このような4-メチル-1-ペンテン系重合体の持つ優れた特性を活かしつつ、フィルムなどの製造が可能な延伸性に優れた樹脂組成物が求められていた。
本発明は、4-メチル-1-ペンテン系重合体そのものが有する、電気特性などの優れた特性を損なうことなく、良好な延伸性を有する、4-メチル-1-ペンテン系重合体を含む樹脂組成物、その樹脂組成物から成形して得られるフィルム、その樹脂組成物から二軸延伸フィルムを製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、このような状況において検討を行った結果、4-メチル-1-ペンテン系重合体に対して特定の量の結晶核剤を添加した樹脂組成物によれば、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、例えば以下の[1]~[6]に関する。
[1] 4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)、および結晶核剤(B)を含み、
4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)に対する、結晶核剤(B)の含有量が1000~5000ppmの範囲である、樹脂組成物。
[2] 4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)が、4-メチル-1-ペンテン単独重合体、ならびに4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位を90モル%以上と、エチレンおよび炭素数3~20のα-オレフィン(但し、4-メチル-1-ペンテンを除く)からなる群より選ばれる少なくとも1種から選ばれる単量体から導かれる構成単位10モル%以下とを含む4-メチル-1-ペンテン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1つである、[1]に記載の樹脂組成物。
[3] デカリン中135℃で測定した4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の極限粘度[η]が1.0~7.0dL/gの範囲である、[1]または[2]に記載の樹脂組成物。
[4] [1]~[3]のいずれか1つに記載の樹脂組成物を含んでなるフィルム。
[5] キャパシタ用フィルムである、[4]に記載のフィルム。
[6] [1]~[3]のいずれか1つに記載の樹脂組成物を押出成形して原反フィルムを製造する工程、および
前記原反フィルムを、フィルム長手方向(MD方向)およびフィルム幅方向(TD方向)に各々1.1~10倍で延伸する二軸延伸工程を含む、
二軸延伸フィルムの製造方法。
本発明によれば、4-メチル-1-ペンテン系重合体そのものが有する、電気特性などの優れた特性を損なうことなく、良好な延伸性を有する、4-メチル-1-ペンテン系重合体を含む樹脂組成物、およびその樹脂組成物から成形して得られるフィルムが提供される。またその樹脂組成物を用いて、二軸延伸フィルムが製造できる。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
ここで、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。また、本明細書において、用語「キャパシタ」は、コンデンサと同じ意味で用いる。
<樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物は、4-メチル-1-ペンテン系重合体系重合体(A)、および結晶核剤(B)を含み、4-メチル-1-ペンテン系重合体系重合体(A)に対する、結晶核剤(B)の含有量が1000~5000ppmの範囲である。
(4-メチル-1-ペンテン系重合体(A))
本発明で用いる4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)は、4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位を主体として含む重合体であり、4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位を、典型的には50モル%以上、好ましくは60モル%以上、より好ましくは80モル%以上含む重合体である。4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)は、4-メチル-1-ペンテン単独重合体(A1)であっても、4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位と4-メチル-1-ペンテン以外の他の単量体から導かれる単位とを含む4-メチル-1-ペンテン共重合体(A2)であってもよい。また、4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)は、4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位を含む重合体を2種以上含む重合体の混合物からなり、その混合物が4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位を主体として含む重合体となっているものであってもよい。
なお、4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)中の各単量体から導かれる構成単位の含有量は、4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の全構成単位を100モル%とした際の含有量を意味する。
4-メチル-1-ペンテン共重合体の構成単位となり得る、他の単量体としては、エチレンおよび炭素数3~20のα-オレフィン(但し、4-メチル-1-ペンテンを除く)が好ましい(以下、「エチレンおよび炭素数3~20のα-オレフィン(但し、4-メチル-1-ペンテンを除く)」を共重合α-オレフィンとも称する。)。
共重合α-オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンが挙げられる。共重合α-オレフィンとしては、例えば、適度な弾性率と、優れた柔軟性、可とう性および延伸加工性とを付与できる点から、炭素数8~18のα-オレフィンが好ましく、1-オクテン、1-デセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセンおよび1-オクタデセンがより好ましい。共重合α-オレフィンの炭素数が、上記範囲にあると、かかる共重合体を含む樹脂組成物の延伸加工性がより良好になり、その結果、成形時にロールや金型からの離型の際にクラックや端部の割れによる外観不良が生じにくくなる傾向にある。
前記共重合α-オレフィンは単独で用いられていてもよく、2種以上混合して用いられていてもよい。
4-メチル-1-ペンテン共重合体の構成単位となり得る、共重合α-オレフィン以外の他の単量体としては、例えば、環状オレフィン、芳香族ビニル化合物、共役ジエン、非共役ポリエン、官能ビニル化合物、水酸基含有オレフィン、ハロゲン化オレフィンが挙げられる。環状オレフィン、芳香族ビニル化合物、共役ジエン、非共役ポリエン、官能ビニル化合物、水酸基含有オレフィンおよびハロゲン化オレフィンとしては、例えば、特開2013-169685号公報の段落[0035]~[0041]に記載の化合物を用いることができる。
前記他の単量体は単独で用いられていてもよく、2種以上組み合わせて用いられていてもよい。
4-メチル-1-ペンテン系重合体系重合体(A)の中でも、4-メチル-1-ペンテン単独重合体(A1)、ならびに4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位を90モル%以上と、エチレンおよび炭素数3~20のα-オレフィン(但し、4-メチル-1-ペンテンを除く)(共重合α-オレフィン)からなる群より選ばれる少なくとも1種から選ばれる単量体から導かれる構成単位10モル%以下とを含む4-メチル-1-ペンテン共重合体(A2)からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。このような4-メチル-1-ペンテン単独重合体(A1)または4-メチル-1-ペンテン共重合体(A2)を含む樹脂組成物は、例えば延伸成形性に優れる。
4-メチル-1-ペンテン共重合体(A2)における、4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位の含有量は、好ましくは90.0~99.9モル%、より好ましくは92.0~99.9モル%、さらに好ましくは94.0~99.9モル%である。また、4-メチル-1-ペンテン共重合体(A2)における共重合α-オレフィンから導かれる構成単位の含有量は、好ましくは0.1~10.0モル%、より好ましくは0.1~8.0モル%、さらに好ましくは0.1~6.0モル%である。
前記4-メチル-1-ペンテン共重合体(A2)は、本発明の効果を損なわない範囲で、共重合α-オレフィン以外の他の単量体から導かれる構成単位を含んでいてもよい。その他の単量体から導かれる構成単位の量は、通常10モル%以下、好ましくは5モル%以下、より好ましくは3モル%以下である。
前記4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が1.0~7.0dL/gであることが好ましい。このような範囲の極限粘度[η]の範囲の4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)を含む樹脂組成物は、より延伸性に優れる。延伸性と得られる成形体(例えばフィルム)の特性がより優れる点から、前記4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は、好ましくは1.0~7.0dL/g、より好ましくは1.0~6.5dL/g、さらに好ましくは1.0~6.0dL/gである。
4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の極限粘度[η]は、例えば、4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)を製造する際の水素濃度および圧力等を適宜選択することにより、所望の値とすることができる。また、4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)として複数の重合体を用いる場合には、使用する各重合体の含有量を調整することにより極限粘度[η]を所望の値とすることができる。
4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の示差走査熱量計(DSC)で測定した融点(Tm)は、好ましくは180~260℃、より好ましくは185~255℃、さらに好ましくは195~250℃、特に好ましくは200~245℃である。なお、4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)のTmは、具体的には下記実施例に記載の方法で測定した値である。
4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)のTmが、前記範囲にあると4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)を含む樹脂組成物の耐熱性が優れる傾向にある。4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)のTmは、例えば、4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の分子量、4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)が4-メチル-1-ペンテン共重合体である場合には、4-メチル-1-ペンテン以外の他の単量体の種類、4-メチル-1-ペンテン以外の他の単量体から導かれる構成単位の含有量等によって所望の値とすることができる。
(4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の製造方法)
4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の製造方法は、所望の樹脂組成物が得られる限り、特に制限はない。
4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)は、例えば、4-メチル-1-ペンテンを含む単量体を、重合触媒存在下、重合することにより製造できる。
4-メチル-1-ペンテンを含む単量体の重合は、単一の重合条件で行う単段重合により行ってもよいが、第1の重合条件で4-メチル-1-ペンテンを含む単量体の重合を行い、4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の1種を製造した後に、第1の重合条件とは異なる第2の重合条件で4-メチル-1-ペンテンを含む単量体の重合を行い、前記1種とは組成または分子量などの特性が異なる4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)を製造する多段重合により行ってもよい。また、4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)は、4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の1種と、その1種とは組成または分子量などの特性が異なる4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)とを異なる重合条件で別々に重合した後、これらを混合する方法によって製造されてもよい。
4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の重合は、通常重合溶媒中で行われる。重合溶媒としては、通常炭化水素系溶媒が用いられ、炭化水素系溶媒としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。これら重合溶媒は単独で用いられてもよく、2種以上混合して用いられてもよい。
また、4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の重合では、単量体自体を溶媒として、4-メチル-1-ペンテンを含む単量体の重合を行ってもよい。
4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の重合を、重合溶媒中で行う場合、その重合形態は、スラリー重合であっても、溶液重合でもあってもよいが、スラリー重合が好適な一形態である。ここでスラリー重合とは、重合により生じる重合体の少なくとも一部が、重合溶媒に実質的に溶解することなく、例えば微粒子として上記媒体に分散した形で存在する形態である。
4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の重合温度は、通常は0~100℃、好ましくは20~70℃である。4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の重合圧力は、通常は常圧~10MPaゲージ圧、好ましくは常圧~5MPaゲージ圧である。4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の重合は、回分式、半連続式、連続式のいずれの形式によって行ってもよい。また、複数の重合条件を採用する多段重合では、上記重合条件は同一でも異なってもよい。
4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の重合は、水素存在下で行うことが好ましい一形態である。水素は、4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の重合触媒の重合活性を向上させる効果、得られる重合体の分子量を増加または低下させる効果などがある。
重合系内に水素を添加する場合、その量は、単量体に含まれる、4-メチル-1-ペンテンおよび必要に応じて含まれる共重合α-オレフィン1モルあたり、0.00001~100NL程度が適当である。重合系内の水素濃度は、水素の供給量を調整する以外にも、水素を生成または消費する反応を重合系内で行う方法、膜を利用して重合系から水素を分離する方法、水素を含む一部のガスを重合系外に放出する方法などによっても調整できる。
4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の分子量は、例えば、重合系内に水素を存在させる、重合温度を変化させることによって調節できる。また、後述の担体(β)の違い、重合溶媒中の4-メチル-1-ペンテン濃度の調整により、4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の分子量は調節できる。
スラリー重合の形態により4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)を製造する場合には、得られるスラリーにおける重合体の溶媒可溶部(SP)量を、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下に調節する。SP量が上記範囲にあると固液分離性に優れる。重合触媒として後述するようなメタロセン触媒を用いる場合、適切なメタロセン触媒を用いることでSP量を上記範囲に調整できる。例えば後述する好ましいメタロセン化合物(一般式[α1]、さらに好ましくは一般式[α2])を含むメタロセン触媒を用いることで、溶媒可溶部(SP)の発生が抑制され、SP量を上述の好ましい範囲に調整しやすい。
4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の重合触媒としては、メタロセン触媒、メタロセン触媒以外の重合触媒などが挙げられる。
4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)のメタロセン触媒以外の重合触媒としては、例えば、国際公開第2006/054613号に開示されたオレフィン重合用触媒(国際公開第2006/054613号の比較例に開示された触媒を含む)が挙げられる。
4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の重合触媒としては、メタロセン触媒が好ましい。メタロセン触媒を用いた場合には、4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の結晶化度、分子量分布などの物性制御が容易となる。
メタロセン触媒は、後述のメタロセン化合物(α)を含むことが好ましい。
メタロセン触媒は、担体(β)をさらに含むことができる。
メタロセン触媒は、好ましくは、体積統計値でのD50が1~500μmの範囲にある粒子状触媒であり、D50はより好ましくは2~200μm、さらに好ましくは5~50μmの範囲にある。体積統計値でのD50は、例えば、Microtrac社製のMT3300EX IIを利用し、レーザー回折・散乱法により求めることができる。メタロセン触媒のD50は、通常、後述する担体(β)のD50と同等、すなわち、担体(β)のD50の通常は0.90~1.10倍の範囲、好ましくは0.95~1.05倍の範囲、より好ましくは1.0~1.03倍の範囲にある。
〈メタロセン化合物(α)〉
メタロセン化合物(α)としては、例えば、国際公開第2005/121192号、国際公開第2014/050817号、国際公開第2014/123212号、国際公開第2017/150265号等で開示の化合物が例示される。国際公開第2014/050817号、国際公開第2017/150265号等で開示の架橋メタロセン化合物が好ましい。
メタロセン化合物(α)は、一般式[α1]で表される化合物が好ましい。
Figure 2023136762000001
式[α1]中、R1は炭化水素基、ケイ素含有基、またはハロゲン含有炭化水素基であり、R2~R10は水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基、ハロゲン原子またはハロゲン含有炭化水素基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、これら基のうち2つの基は互いに結合して環を形成してもよい。Mは周期表第4族遷移金属であり、Qはハロゲン原子、炭化水素基、炭素数10以下の中性の共役もしくは非共役ジエン、アニオン配位子、または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、Qが2以上含まれる場合には、Qは同一でも異なっていてもよく、jは1~4の整数である。
上記メタロセン化合物(α)としては、重合活性の低下が少なく、高立体規則性重合が可能であり、また4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)が4-メチル-1-ペンテン共重合体(A2)の場合は共重合α-オレフィンとの共重合性能に優れ、かつ高分子量の共重合体が得られる錯体化合物が好ましい。高立体規則性重合が可能であるメタロセン化合物(α)を用いた場合は、その重合形態がスラリー重合であった場合も、生成重合体の溶媒可溶成分(溶媒可溶部)が抑制され、得られる重合体の融点を高い範囲に調整でき、重合体の耐熱性を高くできる。また、4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)が4-メチル-1-ペンテン共重合体(A2)の場合、共重合α-オレフィンとの共重合性能に優れるメタロセン化合物(α)を用いた場合は、4-メチル-1-ペンテン共重合体(A2 )を含む樹脂組成物の用途に応じ、4-メチル-1-ペンテン共重合体(A2)の柔軟性を適切に設定することができる。また、高分子量の4-メチル-1-ペンテン共重合体(A2)が得られるメタロセン化合物(α)を用いた場合は、その共重合体の分子量を高くすることができ、得られる4-メチル-1-ペンテン共重合体(A2)の強度や靭性を高いものにすることができる。
上述の点から好適なメタロセン化合物としては、一般式[α1]で表される化合物の中でも、国際公開第2014/050817号などに記載の、一般式[α2]で表される化合物が挙げられる。
Figure 2023136762000002
式[α2]中、R1bは炭化水素基、ケイ素含有基またはハロゲン含有炭化水素基であり、R2b~R12bは水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基、ハロゲン原子またはハロゲン含有炭化水素基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、これら基のうち2つの基は互いに結合して環を形成してもよい。Mは周期表第4族遷移金属であり、nは1~3の整数であり、Qはハロゲン原子、炭化水素基、炭素数10以下の中性の共役もしくは非共役ジエン、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、Qが2以上含まれる場合には、Qは同一でも異なっていてもよく、jは1~4の整数である。
(R1からR10、R1bからR12b
式[α1]および[α2]中、R1からR10、およびR1bからR12bとなり得る炭化水素基としては、例えば、直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、環状飽和炭化水素基、環状不飽和炭化水素基、飽和炭化水素基が有する1または2以上の水素原子を環状不飽和炭化水素基に置換してなる基が挙げられる。炭化水素基の炭素数は、通常1~20、好ましくは1~15、より好ましくは1~10である。
前記直鎖状炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デカニル基等の直鎖状アルキル基;アリル基等の直鎖状アルケニル基が挙げられる。
前記分岐状炭化水素基としては、例えば、イソプロピル基、tert-ブチル基、tert-アミル基、3-メチルペンチル基、1,1-ジエチルプロピル基、1,1-ジメチルブチル基、1-メチル-1-プロピルブチル基、1,1-プロピルブチル基、1,1-ジメチル-2-メチルプロピル基、1-メチル-1-イソプロピル-2-メチルプロピル基等の分岐状アルキル基が挙げられる。
前記環状飽和炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、メチルシクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ノルボルニル基、アダマンチル基、メチルアダマンチル基等の多環式基が挙げられる。
前記環状不飽和炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基等のアリール基;シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基;5-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エニル基等の多環の不飽和脂環式基が挙げられる。
前記飽和炭化水素基が有する1または2以上の水素原子を環状不飽和炭化水素基に置換してなる基としては、例えば、ベンジル基、クミル基、1,1-ジフェニルエチル基、トリフェニルメチル基等のアルキル基が有する1または2以上の水素原子をアリール基に置換してなる基が挙げられる。
式[α1]および[α2]中、R1からR10、およびR1bからR12bとなり得るケイ素含有基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基等の式-SiR3(式中、複数あるRはそれぞれ独立に炭素数1~15のアルキル基またはフェニル基である。)で表される基が挙げられる。
式[α1]および[α2]中、R1からR10、およびR1bからR12bとなり得るハロゲン含有炭化水素基としては、例えば、トリフルオロメチル基等の、上記炭化水素基が有する1または2以上の水素原子をハロゲン原子に置換してなる基が挙げられる。
式[α1]および[α2]中、R2からR10、およびR2bからR12bとなり得るハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
2からR10、およびR2bからR12bの基のうち、2つの基(例:R2bとR3b、R3bとR4b、R5bとR6b、R6bとR7b、R8bとR9b、R9bとR10b、R10bとR11b、R11bとR12b)が互いに結合して環を形成していてもよく、この環形成された部分は、化合物1分子中に2箇所以上存在してもよい。
上述した2つの基が互いに結合して形成された環(スピロ環、付加的な環)としては、例えば、脂環、芳香環が挙げられる。具体的には、シクロヘキサン環、ベンゼン環、水素化ベンゼン環、シクロペンテン環が挙げられ、好ましくはシクロヘキサン環、ベンゼン環および水素化ベンゼン環である。また、このような環構造は、環上にアルキル基等の環に含まれる水素を置換した置換基をさらに有していてもよい。
式[α2]中、R1bは、立体規則性の観点から、炭化水素基であることが好ましく、炭素数1~20の炭化水素基であることがより好ましく、アリール基ではないことがさらに好ましく、直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基または環状飽和炭化水素基であることがとりわけ好ましく、遊離原子価を有する炭素(シクロペンタジエニル環に結合する炭素)が3級炭素である置換基であることが特に好ましい。
前記R1bとしては、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、tert-ペンチル基、tert-アミル基、1-メチルシクロヘキシル基、1-アダマンチル基が例示でき、より好ましくはtert-ブチル基、tert-ペンチル基、1-メチルシクロヘキシル基、1-アダマンチル基等の遊離原子価を有する炭素が3級炭素である置換基であり、特に好ましくはtert-ブチル基、1-アダマンチル基である。
式[α2]において、フルオレン環部分は公知のフルオレン誘導体から得られる構造であれば特に制限されないが、R4bおよびR5bは、立体規則性、分子量の観点から、好ましくは水素原子である。
式[α2]において、R2b、R3b、R6bおよびR7bは、好ましくは水素原子または炭化水素基であり、より好ましくは炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数1~20の炭化水素基である。また、R2bとR3bが互いに結合して環を形成し、かつR6bとR7bが互いに結合して環を形成していてもよい。このような置換フルオレニル基としては、例えば、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、オクタヒドロジベンゾフルオレニル基、1,1,4,4,7,7,10,10-オクタメチル-2,3,4,7,8,9,10,12-オクタヒドロ-1H-ジベンゾ[b,h]フルオレニル基、1,1,3,3,6,6,8,8-オクタメチル-2,3,6,7,8,10-ヘキサヒドロ-1H-ジシクロペンタ[b,h]フルオレニル基、1',1',3',6',8',8'-ヘキサメチル-1'H,8'H-ジシクロペンタ[b,h]フルオレニル基が挙げられ、特に好ましくは1,1,4,4,7,7,10,10-オクタメチル-2,3,4,7,8,9,10,12-オクタヒドロ-1H-ジベンゾ[b,h]フルオレニル基である。
式[α2]において、R8bは水素原子であることが好ましい。R9bは炭化水素基であることがより好ましく、R9bは直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基等の炭素数2以上のアルキル基、シクロアルキル基またはシクロアルケニル基であることがさらに好ましく、R9bは炭素数2以上のアルキル基であることがとりわけ好ましい。また、合成上の観点からは、R10bおよびR11bは水素原子であることも好ましい。
式[α2]において、n=1である場合、R9bおよびR10bが互いに結合して環を形成していることがより好ましく、当該環がシクロヘキサン環等の6員環であることが特に好ましい。この場合、R11bは水素原子であることが好ましい。R12bは、炭化水素基であることが好ましく、アルキル基であることが特に好ましい。
(M、Q、nおよびjについて)
式[α1]および[α2]中、Mは周期表第4族遷移金属であり、例えばTi、ZrまたはHfであり、好ましくはZrまたはHfであり、特に好ましくはZrである。
式[α1]および[α2]中、Qはハロゲン原子、炭化水素基、炭素数10以下の中性の共役もしくは非共役ジエン、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子を示す。Qでのハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
式[α1]および[α2]中、Qにおける炭化水素基としては、炭素数1~10のアルキル基、炭素数3~10のシクロアルキル基が好ましい。炭素数1~10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、2-メチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、1,1-ジエチルプロピル基、1-エチル-1-メチルプロピル基、1,1,2,2-テトラメチルプロピル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、1,1-ジメチルブチル基、1,1,3-トリメチルブチル基、ネオペンチル基が例示され;炭素数3~10のシクロアルキル基としては、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシル基、1-メチル-1-シクロヘキシル基が例示される。炭化水素基の炭素数は、5以下であることがより好ましい。
炭素数10以下の中性の共役または非共役ジエンとしては、s-シス-またはs-トランス-η4-1,3-ブタジエン、s-シス-またはs-トランス-η4-1,4-ジフェニル-1,3-ブタジエン、s-シス-またはs-トランス-η4-3-メチル-1,3-ペンタジエン、s-シス-またはs-トランス-η4-1,4-ジベンジル-1,3-ブタジエン、s-シス-またはs-トランス-η4-2,4-ヘキサジエン、s-シス-またはs-トランス-η4-1,3-ペンタジエン、s-シス-またはs-トランス-η4-1,4-ジトリル-1,3-ブタジエン、s-シス-またはs-トランス-η4-1,4-ビス(トリメチルシリル)-1,3-ブタジエンが例示される。
アニオン配位子としては、メトキシ、tert-ブトキシ等のアルコキシ基;フェノキシ等のアリールオキシ基;アセテート、ベンゾエート等のカルボキシレート基;メシレート、トシレート等のスルホネート基が例示される。
孤立電子対で配位可能な中性配位子としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン等の有機リン化合物;テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン等のエーテル類が例示される。
Qの好ましい態様は、ハロゲン原子または炭素数1~5のアルキル基である。
式[α2]中、nは1~3の整数であり、好ましくは1または2であり、より好ましくは1である。nが上記値であることにより、生成する重合体を効率的に得る観点から好ましい。
式[α1]および[α2]中、jは1~4の整数であり、好ましくは2である。
以上、一般式[α1]または[α2]で表される化合物の構成、すなわちR1~R10、R1b~R12b、M、n、Qおよびjについて、好ましい態様を説明した。本発明では、それぞれの好適態様の任意の組合せも好ましい態様である。このような架橋メタロセン化合物は、上記物性を有する重合体を得るために好適に使用することができる。
一般式[α2]で表される化合物としては、(8-オクタメチルフルオレン-12'-イル-(2-(アダマンタン-1-イル)-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン))ジルコニウムジクロライドまたは(8-(2,3,6,7-テトラメチルフルオレン)-12'-イル-(2-(アダマンタン-1-イル)-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン))ジルコニウムジクロライドが特に好ましい。ここで、上記オクタメチルフルオレンとは1,1,4,4,7,7,10,10-オクタメチル-2,3,4,7,8,9,10,12-オクタヒドロ-1H-ジベンゾ[b,h]フルオレンのことである。
〈担体(β)〉
担体(β)は、好ましくは粒子状であり、その表面および内部にメタロセン化合物(α)を固定化させることで、前記メタロセン触媒が形成される。このような形態の触媒は一般にメタロセン担持触媒と呼ばれる。
担体(β)は、有機アルミニウム化合物(β-1)、有機ホウ素化合物(β-2)、もしくは無機化合物(β-3)、またはこれらから選ばれる2種以上の複合体を主成分とする。
有機アルミニウム化合物(β-1)としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド、トリシクロアルキルアルミニウムや、アルミノキサンに代表される有機アルミニウムオキシ化合物が挙げられる。また、有機アルミニウム化合物(β-1)としては、例えば、ホウ素原子を含む有機アルミニウムオキシ化合物や、国際公開第2005/066191号、国際公開第2007/131010号に例示されているようなハロゲンを含むアルミノキサン、国際公開第2003/082879号に例示されているようなイオン性アルミノキサンを挙げることもできる。
有機ホウ素化合物(β-2)としては、例えば、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(p-トリル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(o-トリル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(2,4-ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5-ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(4-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(o-トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラフェニルボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(p-トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(o-トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(2,4-ジメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(3,5-ジメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(4-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウム、N,N-ジメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
無機化合物(β-3)としては、例えば、多孔質酸化物、無機ハロゲン化物、粘土、粘土鉱物、またはイオン交換性層状化合物が挙げられる。
多孔質酸化物としては、例えば、SiO2、Al2O3、MgO、ZrO2、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaO、ThO2等の酸化物、またはこれらを含む複合物もしくは混合物が挙げられる。例えば、天然または合成ゼオライト、SiO2-MgO、SiO2-Al2O3、SiO2-TiO2、SiO2-V2O5、SiO2-Cr2O3、SiO2-TiO2-MgOなどを例示することができる。
無機ハロゲン化物としては、例えば、MgCl2、MgBr2、MnCl2、MnBr2が挙げられる。無機ハロゲン化物は、そのまま用いてもよいし、ボールミル、振動ミルにより粉砕した後に用いてもよい。また、アルコール等の溶媒に無機ハロゲン化物を溶解させた後、析出剤によって微粒子状に析出させたものを用いることもできる。
粘土は、通常は粘土鉱物を主成分として構成される。イオン交換性層状化合物は、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造を有する化合物であり、含有されるイオンが交換可能である。大部分の粘土鉱物はイオン交換性層状化合物である。また、これらの粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物としては、天然産のものに限らず、人工合成物を使用することもできる。また、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物としては、粘土、粘土鉱物、または六方最密パッキング型、アンチモン型、CdCl2型、CdI2型等の層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物を例示することができる。
粘土、粘土鉱物には、化学処理を施すことも好ましい。化学処理としては、表面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理等、何れも使用できる。化学処理としては、具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理等が挙げられる。
本発明に用いる担体(β)として、高活性かつ溶媒可溶部量をさらに抑制する観点から、アルミニウム原子を含有する担体が好ましい。担体(β)中のアルミニウム原子の含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは20~60質量%、さらに好ましくは30~50質量%、特に好ましくは35~47質量%である。
また、担体(β)の体積統計値でのD50は、好ましくは1~500μm、より好ましくは2~200μm、さらに好ましくは5~50μmである。体積統計値でのD50は、例えば、Microtrac社製のMT3300EXIIを利用し、レーザー回折・散乱法により求めることができる。
このような担体(β)としては、固体状アルミノキサンが好適に用いられ、例えば、国際公開第2010/055652号、国際公開第2013/146337号、あるいは、国際公開第2014/123212号で開示される固体状アルミノキサンが特に好適に用いられる。
「固体状」とは、固体状アルミノキサンが用いられる反応環境下において、当該アルミノキサンが実質的に固体状態を維持することを意味する。より具体的には、例えばオレフィン重合触媒を構成する各成分を接触させてオレフィン重合固体触媒成分を調製する際、反応に用いられるヘキサンやトルエン等の不活性炭化水素媒体中、特定の温度・圧力環境下において前記アルミノキサンが固体状態であることを表す。
固体状アルミノキサンは、好ましくは式(1)で表される構成単位および式(2)で表される構成単位から選ばれる少なくとも1種の構成単位を有するアルミノキサンを含有し、より好ましくは式(1)で表される構成単位を有するアルミノキサンを含有し、さらに好ましくは式(1)で表される構成単位のみからなるポリメチルアルミノキサンを含有する。
Figure 2023136762000003
式(1)中、Meはメチル基である。
式(2)中、R1は炭素数2~20の炭化水素基、好ましくは炭素数2~15の炭化水素基、より好ましくは炭素数2~10の炭化水素基である。炭化水素基としては、例えば、エチル、プロピル、n-ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2-メチルヘキシル、3-メチルヘキシル、2-エチルヘキシル等のアルキル基;シクロヘキシル、シクロオクチル等のシクロアルキル基;フェニル、トリル等のアリール基が挙げられる。
固体状アルミノキサンの構造は必ずしも明らかにされておらず、通常は、式(1)および/または式(2)で表される構成単位が2~50程度繰り返されている構成を有すると推定されるが、当該構成に限定されない。また、その構成単位の結合態様は、例えば、線状、環状またはクラスター状と種々であり、アルミノキサンは、通常、これらのうちの1種からなるか、または、これらの混合物であると推定される。また、アルミノキサンは、式(1)または式(2)で表される構成単位のみからなってもよい。
固体状アルミノキサンとしては、固体状ポリメチルアルミノキサンが好ましく、式(1)で表される構成単位のみからなる固体状ポリメチルアルミノキサンがより好ましい。固体状アルミノキサンは、通常は粒子状であり、体積統計値でのD50が好ましくは1~500μm、より好ましくは2~200μm、さらに好ましくは5~50μmである。体積統計値でのD50は、例えば、Microtrac社製のMT3300EX IIを利用し、レーザー回折・散乱法により求めることができる。
固体状アルミノキサンは、比表面積が好ましくは100~1000m2/g、より好ましくは300~800m2/gである。比表面積は、BET吸着等温式を用い、固体表面におけるガスの吸着および脱着現象を利用して求めることができる。
固体状アルミノキサンは、触媒担体として機能する。このため、固体状アルミノキサンの他に、触媒担体として、例えば、シリカ、アルミナ、シリカ・アルミナ、塩化マグネシウム等の固体状無機担体、またはポリスチレンビーズ等の固体状有機担体を用いなくともよい。
固体状アルミノキサンは、例えば、国際公開第2010/055652号および国際公開第2014/123212号に記載された方法により調製することができる。
〈有機化合物成分(γ)〉
メタロセン触媒は、さらに必要に応じて、有機化合物成分(γ)を含有することもできる。有機化合物成分(γ)は、必要に応じて、重合性能および生成ポリマーの物性を向上させる目的で使用される。有機化合物成分(γ)としては、前述の有機アルミニウム化合物(β-1)を用いうる。その他に例えば、アルコール類、フェノール性化合物、カルボン酸、リン化合物、アミド、ポリエーテルおよびスルホン酸塩が挙げられる。
〈各成分の使用法および添加順序〉
オレフィン重合の際には、各成分の使用法、添加順序は任意に選ばれるが、以下のような方法が例示される。以下では、メタロセン化合物(α)、担体(β)および有機化合物成分(γ)を、それぞれ「成分(α)~(γ)」ともいう。
(i)成分(α)と成分(β)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(ii)成分(α)を成分(β)に担持した触媒成分を重合器に添加する方法。
上記(i)~(ii)の各方法においては、任意の段階でさらに成分(γ)が添加されてもよい。また、各触媒成分の少なくとも2つは予め接触されていてもよい。
また、成分(β)に成分(α)が担持された固体触媒成分においては、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン等のオレフィンが予備重合されていてもよく、予備重合された固体触媒成分上に、さらに触媒成分が担持されていてもよい。
本発明では、メタロセン化合物(α)と担体(β)と任意に他の成分とからメタロセン触媒を調製し、この触媒の存在下で4-メチル-1-ペンテンを含むモノマーを重合することが好ましい。「メタロセン触媒の存在下で4-メチル-1-ペンテンを含むモノマーを重合する」は、上記各方法のように、任意の方法でメタロセン触媒を構成する各成分を重合器に添加してモノマーを重合する態様を包含する。
メタロセン触媒を用いて4-メチル-1-ペンテンを含むモノマーの重合を行うに際して、メタロセン触媒を構成しうる各成分の使用量は以下のとおりである。また、メタロセン触媒において、各成分の含有量を以下のとおりに調節することができる。
成分(α)は、反応容積1リットル当り、通常は10-10~10-2モル、好ましくは10-8~10-3モルとなるような量で用いられる。成分(β-1)は、成分(β-1)中のアルミニウム原子と成分(α)中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔Al/M〕が通常は10~10000、好ましくは30~2000、特に好ましくは150~500となるような量で用いることができる。成分(β-2)は、成分(β-2)と成分(α)中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔(β-2)/M〕が通常は10~10000、好ましくは30~2000、さらに好ましくは150~500となるような量で用いることができる。成分(β-3)は、成分(β-3)と成分(α)中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔(β-3)/M〕が通常は10~10000、好ましくは30~2000、さらに好ましくは150~500となるような量で用いることができる。
成分(γ)を用いる場合は、成分(β)が成分(β-1)の場合には、成分(β-1)中のアルミニウム原子と成分(γ)のモル比〔Al/(γ)〕が通常は0.002~500、好ましくは0.01~60となるような量で、成分(β)が成分(β-2)の場合には、成分(β-2)と成分(γ)のモル比〔(β-2)/(γ)〕が通常は0.002~500、好ましくは0.01~60となるような量で、成分(β)が成分(β-3)の場合は、成分(β-3)と成分(γ)のモル比〔(β-3)/(γ)〕が通常は0.002~500、好ましくは0.01~60となるような量で用いることができる。
(結晶核剤(B))
本発明で用いられる結晶核剤(B)は、ポリオレフィンの結晶化を促進する特性を有する物質であれば、特に制限なく用いることができる。
前記結晶核剤としては、例えば、有機リン酸化合物またはその金属塩、アミド系化合物、有機カルボン酸またはその金属塩、ジベンジリデンソルビトールまたはその誘導体、芳香族スルホン酸塩またはその金属塩、ロジン酸部分金属塩、イミド系化合物、キナクリドンキノン化合物などの有機系結晶核剤;タルク、マイカ、炭酸カルシウムなどの無機系結晶核剤等が挙げられる。
結晶核剤(B)として用いられる有機リン酸化合物またはその金属塩としては、例えば、ナトリウム-ビス-(4-t-ブチルフェニル)ホスフェート、カリウム-ビス-(4-t-ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリウム-2,2’-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリウム-2,2’-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)ホスフェート(商品名「アデカスタブNA-11」、ADEKA製)、リチウム-2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)ホスフェート、ジヒドロキシアルミニウム-2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)ホスフェート、ヒドロキシアルミニウム-ビス[2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)ホスフェート]、ビス(2,4,8,10-テトラ-t-ブチル-6-ヒドロキシ-12H-ジベンゾ〔d,g〕〔1,3,2〕ジオキサホスホシン-6-オキシド)ナトリウム塩、ビス(2,4,8,10-テトラ-t-ブチル-6-ヒドロキシ-12H-ジベンゾ〔d,g〕〔1,3,2〕ジオキサホスホシン-6-オキシド)水酸化アルミニウム塩を主成分とする複合物(商品名「アデカスタブNA-21」、ADEKA製)、リチウム-2,2’-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)ホスフェートと12-ヒドロキシステアリン酸とを含み、かつリチウムを必須性分として含む複合物(商品名「アデカスタブNA-71」、ADEKA製)などが挙げられる。
結晶核剤(B)として用いられるアミド系化合物としては、例えば、N,N’,N”-トリス[2-メチルシクロヘキシル]-1,2,3-プロパントリカルボキサミド、N,N’,N”-トリシクロヘキシル-1,3,5-ベンゼントリカルボキサミド、N,N’-ジシクロヘキシル-2,6-ナフタレンジカルボキサミド(商品名「エヌジェスター NU-100」、新日本理化株式会社製)、1,3,5-トリ(ジメチルイソプロポイルアミノ)ベンゼンなどが挙げられる。
結晶核剤(B)として用いられる有機カルボン酸またはその金属塩としては、例えば、安息香酸ナトリウム、4-t-ブチル安息香酸アルミニウム塩、アジピン酸ナトリウム、アジピン酸アルミニウム、2ナトリウムビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボキシレート、カルシウムシクロヘキサン-1,2-ジカルボキシレートなどが挙げられる。
結晶核剤(B)として用いられるジベンジリデンソルビトールまたはその誘導体としては、例えば、ジベンジリデンソルビトール、ビス(メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(3,4-ジメチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p-エチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,2,3-トリデオキシ-4,6:5,7-o-ビス(4-プロピルベンジリデン)ノニトールなどが挙げられる。
これら結晶核剤(B)の中でも、4-メチル-1-ペンテン系重合体の優れた特性を損なうことなく、より良好な延伸性を有する樹脂組成物を得る観点から、有機系結晶核剤が好ましく、有機リン酸化合物またはその金属塩、アミド系化合物がより好ましい。
結晶核剤(B)は単独で用いても、二種以上の混合物として用いてもよい。
本発明の樹脂組成物においては、4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)に対する、結晶核剤(B)の含有量が1000~5000ppm(質量基準)の範囲にある。4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)に対する、結晶核剤(B)の含有量が1000ppm未満であると、4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の結晶が大きくなりすぎてしまい、延伸破断起点の原因となってしまう。一方、4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)に対する、結晶核剤(B)の含有量が5000ppmを超えると、結晶核剤(B)自身が延伸破断起点となってしまう場合がある。4-メチル-1-ペンテン系重合体の優れた特性を損なうことなく、より良好な延伸性を有する樹脂組成物を得る観点からは、4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)に対する、結晶核剤(B)の含有量は、好ましくは1000~4000ppm、より好ましくは1000~3000ppmである。
本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)以外の重合体を含んでもよい。
また、本発明の樹脂組成物は、従来公知の添加剤を含有してもよい。
前記添加剤としては、例えば、二次抗酸化剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、充填剤、塩酸吸収剤などが挙げられる。本発明の樹脂組成物中の添加剤の含有量は特に制限されないが、4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)100質量部に対して、それぞれ、通常は50質量部以下、好ましくは10質量部以下である。
前記添加剤は単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
<樹脂組成物の製造方法>
本発明の樹脂組成物は、例えば、上記4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)および結晶核剤(B)と、必要に応じて、その他の重合体および/または添加剤とを混合することにより製造できる。
本発明の樹脂組成物は、例えば、プラストミル、ヘンシェルミキサー、V-ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラー、ブレンダー、ニーダールーダー等の装置を用いて各成分を混合した後、得られた混合物を単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等の装置でさらに溶融混練する方法により製造できる。得られた溶融混練物は、その後造粒または粉砕することにより、粒状物または粉状物の形態としてもよい。
本発明の樹脂組成物から、成形、典型的には熱成形することにより、種々の、本発明の樹脂組成物を含んでなる成形体を作製できる。熱成形方法としては、例えば、押出成形、射出成形、インフレーション成形、ブロー成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、プレス成形、スタンピング成形、真空成形、カレンダー成形、フィラメント成形、発泡成形、パウダースラッシュ成形などが挙げられる。
また、上記成形体は、押出成形、射出成形、溶液流延等の方法で得られた一次成形体を、ブロー成形、延伸等の方法でさらに加工して得られた成形体であることができる。
<フィルム>
上記成形体としては、フィルムであることが好ましい一形態である。なお、本発明において、「フィルム」とは平面上の成形物の総称であり、シート、膜(メンブレン)、テープなども含む概念である。本発明のフィルムは、耐熱性、機械物性、電気特性(絶縁破壊電圧等)、離型性といった従来からある4-メチル-1-ペンテン共重合体の特性に加え、延伸性に優れる。本発明のフィルムは、本発明の樹脂組成物を含んでなり、例えば、通常は180~300℃の範囲で溶融成形して得ることができる。本発明のフィルムの厚さは、通常は2~1000μm、好ましくは2~500μmである。
本発明のフィルムは、例えば、本発明の樹脂組成物から得られる単層フィルムのほか、本発明の樹脂組成物から得られる層を有する積層フィルムであることができる。積層フィルムを得る方法としては、例えば、あらかじめTダイ成形またはインフレーション成形にて得られた表面層フィルム上に、押出ラミネーション、押出コーティング等の公知の積層法により他の層を積層する方法;複数のフィルムを独立して成形した後、各々のフィルムをドライラミネーションにより積層する方法;複数の成分を多層の押出機に供して成形する共押出成形法が挙げられる。前記表面層フィルムは、例えば、本発明の樹脂組成物から得られる層である。
本発明のフィルムの用途としては、例えば、
延伸フィルム:例えば、キャパシタ用フィルム;
半導体工程フィルム:例えば、ダイシングテープ、バックグラインドテープ、ダイボンディングフィルム、偏光板用フィルム;
包装用フィルム:例えば、食品包装用フィルム、ストレッチフィルム、ラップフィルム、通気性フィルム、シュリンクフィルム、イージーピールフィルム;
セパレーター:例えば、バッテリーセパレーター、リチウムイオン電池用セパレーター、燃料電池用電解質膜、粘着・接着材セパレーター;
電子部材用フィルム:例えば、拡散フィルム、反射フィルム、耐放射線フィルム、耐γ線フィルム、多孔フィルム;
離型フィルム:例えば、フレキシブルプリント基板用、ACM基板用、リジットフレキシブル基板用、先端複合材料用、炭素繊維複合材硬化用、ガラス繊維複合材硬化用、アラミド繊維複合材硬化用、ナノ複合材硬化用、フィラー充填材硬化用、ウレタン硬化用、エポキシ硬化用、半導体封止用、偏光板用、拡散シート用、プリズムシート用、反射シート用、燃料電池用または各種ゴムシート用の離型フィルム;
表面保護フィルム:例えば、偏光板用、液晶パネル用、光学部品用、レンズ用、電気部品・電化製品用、携帯電話用、パソコン用またはタッチパネル用の保護フィルム、マスキングフィルム;
建材フィルム:例えば、建材用ウインドウフィルム、合わせガラス用フィルム、防弾材、防弾ガラス用フィルム、遮熱シート、遮熱フィルム;
が挙げられる。
本発明のフィルムは、延伸フィルムであることが好ましく、例えば、本発明の樹脂組成物をTダイ押出成形法などによりフィルム状に成形して得られた一次成形体である原反フィルムを、さらに一軸延伸または二軸延伸して得られた延伸フィルムであることが好ましい。延伸倍率は、フィルム長手方向(MD方向)およびフィルム幅方向(TD方向)でそれぞれ独立に、1.1~20倍とすることができる。
<二軸延伸フィルムの製造方法>
本発明の延伸フィルムの好適例である二軸延伸フィルムは、本発明の樹脂組成物を、通常180~300℃、好ましくは200~300℃の温度範囲で、Tダイが設けられた押出成形機を用いて、押出成形して原反フィルムを製造する工程、および得られた原反フィルムを、MD方向およびTD方向に各々、通常1.1~10倍、好ましくは1.5~10倍で延伸する二軸延伸工程を含む製造方法によって製造できる。
二軸延伸工程における延伸方法としては、逐次二軸延伸法および同時二軸延伸法のいずれの方法であってもよいが、製膜安定性および厚み均一性の点から、逐次二軸延伸法が好ましい。逐次二軸延伸法の場合、例えば、本発明の樹脂組成物を押出成形して冷却ロール上に押し出すことによって未延伸フィルム(原反フィルム)を得て、次いでこの未延伸フィルムを、所定の延伸温度に設定された予熱ロールを経てフィルム長手方向(MD方向)に延伸し(縦延伸)、その後、所定の延伸温度に設定された加熱オーブン内を通過させながらフィルム幅方向(TD方向)に延伸する(横延伸)。
縦延伸および横延伸ともに延伸温度は、本発明の樹脂組成物に含まれる4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)のガラス転移温度(Tg)と融点(Tm)との間であることが好ましく、延伸温度は、通常100~220℃であり、好ましくは100~210℃である。
また、本発明の二軸延伸フィルムの製造方法では、二軸延伸工程後、フィルム長手方向(MD方向)またはフィルム幅方向(TD方向)のどちらか一方向、あるいはMD方向とTD方向の両方向に再延伸してもよい。また、二軸延伸後、アニール処理を行ってもよい。アニール温度は、通常100~230℃、好ましくは130~220℃である。
<キャパシタ用フィルム>
本発明のフィルムの好適な一用途は、キャパシタ用フィルムである。特に、薄さ、強度が必要とされるキャパシタ用フィルムでは、延伸による薄膜化および配向による高強度化ができるので、本発明で得られる延伸フィルム、好ましくは二軸延伸フィルムが、キャパシタ用フィルムに好適に使用できる。また、本発明で得られる延伸フィルムは、延伸後においても透明性を保つことができる傾向にある。また、本発明のキャパシタ用フィルムは、高温環境下で使用されても絶縁破壊電圧の低下が小さく、品質を維持できる高い耐熱性を備え、高温における誘電損失特性が良好であり、よって、長期寿命に優位な電気特性を有する。
本発明のキャパシタ用フィルムは、好適には、上述した二軸延伸により製造できる。特に上記製造方法により得られた二軸延伸フィルムをキャパシタ用フィルムとして用いると、フィルムキャパシタとして必要な耐電圧特性が発現しやすくなる。
本発明のキャパシタ用フィルムは、そのキャパシタ用フィルムの少なくとも片面に金属膜を設け、金属化フィルムとすることができる。
キャパシタ用フィルムに金属膜を設けて金属化フィルムとする方法は特に限定されないが、例えば、キャパシタ用フィルムの少なくとも片面に、アルミニウム等の金属を蒸着してフィルムキャパシタの内部電極となるアルミニウム蒸着膜等の金属膜を設ける方法が好ましい。このとき、アルミニウムと同時または逐次に、例えば、ニッケル、銅、金、銀、クロムおよび亜鉛などの他の金属成分を蒸着することもできる。また、蒸着膜上にオイルなどで保護層を設けることもできる。
金属膜の厚さは、フィルムキャパシタの電気特性およびセルフヒーリング性の点から20~100nmであることが好ましい。また、同様の理由により、金属膜の表面電気抵抗値は1~20Ω/□であることが好ましい。表面電気抵抗値は、使用する金属種と厚さで制御可能である。
金属膜を形成した後、必要に応じて、金属化フィルムを特定の温度でエージング処理を行なったり、熱処理を行なったりすることができる。また、絶縁または他の目的で、金属化フィルムの少なくとも片面に、ポリフェニレンオキサイドなどのコーティングを施すこともできる。
上述のようにして得られた金属化フィルムは、フィルムキャパシタの一部として用いることができる。より具体的には、フィルムキャパシタは、前記金属化フィルムを種々の方法で積層または巻回することにより製造される。巻回型フィルムキャパシタの好ましい製造方法を例示すると、次のとおりである。
キャパシタ用フィルムの片面にアルミニウム等の金属を真空蒸着する。その際、フィルム長手方向に走るマージン部が形成されるようにストライプ状に蒸着する。次に、表面の各蒸着部の中央と各マージン部の中央に刃を入れてスリットし、表面が一方にマージンを有した、テープ状の巻取リールを作製する。左にマージンを有するテープ状の巻取リール、右にマージンを有するテープ状の巻取リールの1本ずつを、幅方向に蒸着部分がマージン部よりはみ出すように2枚重ね合わせて巻回し、巻回体を得る。この巻回体から芯材を抜いてプレスし、両端面にメタリコンを溶射して外部電極とし、メタリコンにリード線を溶接して巻回型フィルムキャパシタを得ることができる。
フィルムキャパシタの用途は、車両用、家電用(テレビや冷蔵庫など)、一般雑音防止用、自動車用(ハイブリットカー、パワーウインドウやワイパーなど)および電源用等、多岐に渡っており、本発明で得られるフィルムキャパシタもこれら用途に好適に用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<重合体の物性の測定>
下記製造例1で得られた4-メチル-1-ペンテン系重合体A-1の物性は以下の様にして測定した。
[組成]
4-メチル-1-ペンテン系重合体中の4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位の含有量、および、4-メチル-1-ペンテン以外の炭素数3~20のα-オレフィンから導かれる構成単の含有量は、以下の装置および条件により、13C-NMRスペクトルより算出した。
日本電子(株)製ECP500型核磁気共鳴装置を用い、溶媒としてo-ジクロロベンゼン/重ベンゼン(80/20容量%)混合溶媒、試料濃度55mg/0.6mL、測定温度120℃、観測核は13C(125MHz)、シーケンスはシングルパルスプロトンデカップリング、パルス幅は4.7μ秒(45°パルス)、繰り返し時間は5.5秒、積算回数は1万回以上、27.50ppmをケミカルシフトの基準値として測定した。得られた13C-NMRスペクトルにより、4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位の含有量、4-メチル-1-ペンテン以外の炭素数3~20のα-オレフィンから導かれる構成単の含有量を定量した。
[極限粘度[η]]
4-メチル-1-ペンテン系重合体の極限粘度[η]は、デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した。すなわち、試料である4-メチル-1-ペンテン系重合体を約20mg計り取り、デカリン15mLに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5mL追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿したときのηsp/Cの値を極限粘度として求めた(下式参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
[融点(Tm)]
(株)日立ハイテクサイエンス製のDSC測定装置(DSC7000X)を用い、発熱・吸熱曲線を求め、以下のように融点(Tm)を求めた。
試料約5mgを測定用アルミパンにつめ、10℃/分の加熱速度で20℃から300℃に昇温し、300℃で5分間保持した後、10℃/分の冷却速度で-50℃まで降温し、-50℃で5分間保持した後、再度10℃/分の加熱速度で-50℃から300℃に昇温した。この2回目の昇温時に発現した融解ピークを、融点(Tm)とした。融解ピークが複数検出された場合は、温度が最大のものを融点(Tm)とした。
[製造例1]重合体A-1の製造
(遷移金属錯体の合成)
国際公開第2014/050817号の合成例4に従い、(8-オクタメチルフルオレン-12'-イル-(2-(アダマンタン-1-イル)-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン))ジルコニウムジクロライド(遷移金属錯体(a-1))を合成した。
(オレフィン重合触媒の製造)
30℃下、充分に窒素置換した200mLの攪拌機を付けた三つ口フラスコ中に、窒素気流下で精製デカン30mLおよび粒子状でありD50が28μm、アルミニウム原子含有量が43質量%である固体状ポリメチルアルミノキサン(国際公開第2014/123212号に記載の方法を用いて合成)をアルミニウム原子換算で14.65mmol装入し、懸濁液とした。その懸濁液に、得られた遷移金属錯体(a-1)(8-オクタメチルフルオレン-12’-イル-(2-(アダマンタン-1-イル)-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン))ジルコニウムジクロライド50.0mg(0.0586mmol)を4.58mmol/Lのトルエン溶液として撹拌しながら加えた。1時間後、攪拌を止め、得られた混合物をデカンテーション法によりデカン100mLで洗浄した後、デカンを加え50mLのスラリー液(a-1)とした(ジルコニウム原子担持率98%)。
(予備重合触媒成分の調製)
上記で調製されたスラリー液(a-1)50mLに、25℃、窒素気流下でトリイソブチルアルミニウム(TIBAL)のデカン溶液(アルミニウム原子換算で0.5mmol/mL)を1.0mL装入した。15℃に冷却した後、4-メチル-1-ペンテン10mLを60分かけて反応器内に装入した。4-メチル-1-ペンテンの装入開始時点を予備重合開始とした。予備重合開始から2.0時間後に攪拌を止め、得られた混合物をデカンテーション法によりデカン100mLで3回洗浄した。予備重合触媒成分はデカンスラリー(a-1)(9.5g/L、ジルコニウム原子換算で0.56mmol/L)とした。
(重合体A-1の製造)
室温、窒素気流下で、内容積1Lの攪拌機を付けたSUS製重合器に、精製デカンを425mL挿入し40℃まで昇温した。40℃到達後、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)のデカン溶液(アルミニウム原子換算で0.5mmol/mL)を0.8mL(アルミニウム原子換算で0.4mmol)装入し、次いで前記で得られた予備重合触媒成分のデカンスラリー(a-1)をジルコニウム原子換算で0.0020mmol装入した。水素を16.25NmL装入し、次いで、4-メチル-1-ペンテン231mLとリニアレン168(出光興産製、1-ヘキサデセンと1-オクタデセンの混合物)20.6mLとの混合液を2時間かけて重合器内へ連続的に一定の速度で装入した。前記混合液の装入開始時点を重合開始とし、45℃で4.5時間保持した。重合開始から1時間後および2時間後にそれぞれ水素を16.25NmL装入した。重合開始から4.5時間経過後、室温まで降温し、脱圧した後、ただちに白色固体を含む重合液を濾過して固体状物質を得た。この固体状物質を減圧下、80℃で8時間乾燥し、重合体A-1を得た。収量は128gであった。
重合体A-1中の各構成単位の含有量を求めたところ、4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位の含有量は97.0モル%、4-メチル-1-ペンテン以外のα-オレフィン(1-ヘキサデセンと1-オクタデセン)から導かれる構成単位の含有量は3.0モル%であった。重合体A-1の融点(Tm)は203℃であり、極限粘度[η](135℃デカリン中)は5.3dl/gであった。重合体A-1の物性を下記表1に示す。
Figure 2023136762000004
以下の実施例で使用した結晶核剤(B)は以下のとおりである。
B-1:リン酸2,2-メチレンビス(4,6ジt-ブチルフェニル)ナトリウム(ナトリウム-2,2’-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)ホスフェート)(株式会社ADEKA製、アデカスタブ NA-11)
B-2:N,N’-ジシクロヘキシル-2,6-ナフタレンジカルボキサミド(新日本理化株式会社製、エヌジェスター NU-100)
[実施例1]
(樹脂組成物(1)の製造)
製造例1の重合体A-1の製造を複数回実施して、ペレット作製に十分な量の重合体A-1を準備した。準備された重合体A-1 100質量部に対して、二次抗酸化剤としてトリ(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスフェートを0.1質量部、耐熱安定剤としてn-オクタデシル-3-(4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオネートを0.1質量部、結晶核剤(B)として、結晶核剤B-1(リン酸2,2-メチレンビス(4,6ジt-ブチルフェニル)ナトリウム)を0.2質量部(重合体A-1に対して、2000ppm)配合し、混合物を得た。
得られた混合物を、(株)プラスチック工学研究所社製2軸押出機BT-30(スクリュー径系30mmφ、L/D46)を用い、設定温度280℃、樹脂押出量60g/minおよび回転数200rpmの条件で溶融押出して樹脂組成物(1)を得、次いで造粒を行い、樹脂組成物(1)のペレットを得た。
(プレスシート(1)の製造)
前記で得られた樹脂組成物(1)のペレットを、270℃に設定した神藤金属工業社製油圧式熱プレス機(NS-50)を用い、余熱を7~8分程度し、ゲージ圧10MPaで1~2分間加圧した。その後、20℃に設定した別の神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、ゲージ圧10MPaで圧縮し、5分程度冷却して厚さ200μmのプレスシート(1)を作製した。熱板として5mm厚の真鍮板を用いた。この方法により作製したプレスシート(1)を二軸延伸性評価に供した。
(フィルム(1)の製造)
前記で得られた樹脂組成物(1)のペレットを、単軸押出機((株)田中鉄工所製)に供給し、シリンダ270℃で溶融混練して、280℃のダイス温度でT型スリットダイよりフィルム状に溶融押出した。次いで、得られたフィルムを80℃に制御した金属冷却ロール上にエアー圧で密着させながら、引取速度0.9m/minの条件で引き取り、冷却固化された厚さ200μmの未延伸フィルム(1)を得た。この方法により作製した未延伸フィルム(1)を二軸延伸性評価に供した。
(二軸延伸性評価)
前記で得られた、200μmのプレスシート(1)および未延伸フィルム(1)を原反フィルムとし、その原反フィルムについて、ブルックナー・マシナンバウ社製バッチ式二軸延伸機を用いて、170~190℃の温度で、1分間予熱後、延伸速度104%/秒の条件で逐次二軸延伸し、二軸延伸フィルムを得た。延伸倍率は、フィルム長手方向(流れ方向(Machine Direction:MD)):3倍、フィルム幅方向(垂直方向(Transverse Direction:TD)):5倍で行い、破断した倍率を記録し、二軸延伸性を評価した。結果を表2に示す。
ただし、表2中の3.0×5.0(※)は、本評価で延伸した最大倍率のMD方向3.0倍×TD方向5.0倍の延伸では、フィルムの破断は見られなかったことを意味する。
[実施例2]
結晶核剤(B)として、結晶核剤B-1に替えて結晶核剤B-2(N,N’-ジシクロヘキシル-2,6-ナフタレンジカルボキサミド)を0.2質量部(重合体A-1に対して、2000ppm)配合した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物(2)を作製した。得られた樹脂組成物(2)から、実施例1と同様にして、プレスシート(2)、未延伸フィルム(2)を製造し、これらプレスシート(2)および未延伸フィルム(2)を用いて、二軸延伸性を評価した。結果を表2に示す。
[比較例1]
結晶核剤(B)を配合せずに、実施例1と同様にして樹脂組成物(1’)を作製した。得られた樹脂組成物(1’)から、実施例1と同様にして、プレスシート(1’)、未延伸フィルム(1’)を製造し、これらプレスシート(1’)および未延伸フィルム(1’)を用いて、二軸延伸性を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2023136762000005

Claims (6)

  1. 4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)、および結晶核剤(B)を含み、
    4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)に対する、結晶核剤(B)の含有量が1000~5000ppmの範囲である、樹脂組成物。
  2. 4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)が、4-メチル-1-ペンテン単独重合体、ならびに4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位を90モル%以上と、エチレンおよび炭素数3~20のα-オレフィン(但し、4-メチル-1-ペンテンを除く)からなる群より選ばれる少なくとも1種から選ばれる単量体から導かれる構成単位10モル%以下とを含む4-メチル-1-ペンテン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. デカリン中135℃で測定した4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の極限粘度[η]が1.0~7.0dL/gの範囲である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含んでなるフィルム。
  5. キャパシタ用フィルムである、請求項4に記載のフィルム。
  6. 請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂組成物を押出成形して原反フィルムを製造する工程、および
    前記原反フィルムを、フィルム長手方向(MD方向)およびフィルム幅方向(TD方向)に各々1.1~10倍で延伸する二軸延伸工程を含む、
    二軸延伸フィルムの製造方法。
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