JP2005255222A - 局所刺激剤含有製剤封入用包装体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、l−メントール、サリチル酸メチル、カンフル等の局所刺激剤の吸着が少なく、内容物の視認性が高く、強度が高く、かつ皮脂による亀裂が発生しない局所刺激剤含有製剤封入用包装体を提供すること。
【解決手段】水素添加率95%以上のノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)と高密度ポリエチレン(B)とを含有し、且つ前記ノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)と高密度ポリエチレン(B)との比率(重量比)が、A/Bで96/4〜60/40である樹脂組成物(C)を成形してなる層を少なくとも一層有するフィルムからなる、局所刺激剤含有製剤封入用包装体。
【選択図】 なし
【解決手段】水素添加率95%以上のノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)と高密度ポリエチレン(B)とを含有し、且つ前記ノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)と高密度ポリエチレン(B)との比率(重量比)が、A/Bで96/4〜60/40である樹脂組成物(C)を成形してなる層を少なくとも一層有するフィルムからなる、局所刺激剤含有製剤封入用包装体。
【選択図】 なし
Description
本発明は、局所刺激剤含有製剤封入用包装体に関し、さらに詳しくは、ノルボルネン系開環重合体水素添加物を含有してなる樹脂組成物を成形してなる局所刺激剤含有製剤封入用包装体に関する。
湿布は、主成分としてサリチル酸メチル、サリチル酸グリコール等の消炎鎮痛剤を、補助的な成分として局所刺激剤を含有している。
又、湿布は、温湿布・冷湿布に分類され、冷湿布においては局所刺激剤としてl−メントール、ハッカ油、カンフル等の冷感刺激剤が用いられ、温湿布においては局所刺激成分としてトウガラシエキス、ノニル酸ワニリルアミド(合成トウガラシ)、ニコチン酸エステル、カプサイシン等の温感刺激剤が用いられている。
なお、サリチル酸メチルは、消炎鎮痛効果のみならず、冷感刺激性を有しており、局所刺激剤にも含まれる。
一方、湿布の包装体に用いられるシート(フィルム)としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)/アルミニウム/ポリアクリロニトリル系樹脂(PAN)の多層フィルムが一般的に使用されている。
しかしながら、前記包装体は、PANに湿布成分であるl−メントールが吸着する問題があり、種々の検討が行われている。
特許文献1には、l−メントール含有製剤の包装体として、非収着性シール層(最内層)/バリヤー層/印刷基材により構成される積層体が開示されており、非収着性シール層の材料としては、アクリロニトリル樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等のl−メントールの収着を抑制するプラスチック材料が例示されている。
特許文献2には、積層包装材構成に用いられるインキ、接着剤、フィルム等から内容物側に溶出される低分子量物質を抑制する低溶出包装材として、外側基材にPET等の印刷基材、内側基材に環状オレフィンの開環重合体の水素添加物及び高密度ポリエチレンのブレンドポリマーを積層した包装体が開示されている。
又、湿布は、温湿布・冷湿布に分類され、冷湿布においては局所刺激剤としてl−メントール、ハッカ油、カンフル等の冷感刺激剤が用いられ、温湿布においては局所刺激成分としてトウガラシエキス、ノニル酸ワニリルアミド(合成トウガラシ)、ニコチン酸エステル、カプサイシン等の温感刺激剤が用いられている。
なお、サリチル酸メチルは、消炎鎮痛効果のみならず、冷感刺激性を有しており、局所刺激剤にも含まれる。
一方、湿布の包装体に用いられるシート(フィルム)としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)/アルミニウム/ポリアクリロニトリル系樹脂(PAN)の多層フィルムが一般的に使用されている。
しかしながら、前記包装体は、PANに湿布成分であるl−メントールが吸着する問題があり、種々の検討が行われている。
特許文献1には、l−メントール含有製剤の包装体として、非収着性シール層(最内層)/バリヤー層/印刷基材により構成される積層体が開示されており、非収着性シール層の材料としては、アクリロニトリル樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等のl−メントールの収着を抑制するプラスチック材料が例示されている。
特許文献2には、積層包装材構成に用いられるインキ、接着剤、フィルム等から内容物側に溶出される低分子量物質を抑制する低溶出包装材として、外側基材にPET等の印刷基材、内側基材に環状オレフィンの開環重合体の水素添加物及び高密度ポリエチレンのブレンドポリマーを積層した包装体が開示されている。
しかし、特許文献1記載の包装体は、バリアー層として全面に不透明な金属膜を用いなければならないために内容物が認識できず、更に、強度を保つ為に積層体を厚くする必要があった。
又、特許文献2記載の包装体は、l−メントール、サリチル酸メチル、カンフル等の局所刺激剤の低吸着量性、透明性、強度が不十分であり、また、皮脂が付着した状態で曲げると亀裂が発生することがあり、更なる改良が求められていた。
従って、本発明の目的は、l−メントール、サリチル酸メチル、カンフル等の局所刺激剤の吸着が少なく、内容物の視認性が高く、強度が高く、かつ皮脂による亀裂が発生しない局所刺激剤含有製剤封入用包装体を提供することにある。
又、特許文献2記載の包装体は、l−メントール、サリチル酸メチル、カンフル等の局所刺激剤の低吸着量性、透明性、強度が不十分であり、また、皮脂が付着した状態で曲げると亀裂が発生することがあり、更なる改良が求められていた。
従って、本発明の目的は、l−メントール、サリチル酸メチル、カンフル等の局所刺激剤の吸着が少なく、内容物の視認性が高く、強度が高く、かつ皮脂による亀裂が発生しない局所刺激剤含有製剤封入用包装体を提供することにある。
本発明者らは、ノルボルネン系開環重合体と添加ポリマー種、及びそれらの組成比について鋭意研究した結果、特定の水素添加率を有するノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)と高密度ポリエチレン(B)とを特定の割合で配合した樹脂組成物(C)を成形してなる層を少なくとも一層有するフィルムからなる包装体は、局所刺激剤の非吸着性、透明性、強度及び耐皮脂性に優れていることを見出し、本発明を完成させるに到った。
かくして本発明によれば、
水素添加率95%以上のノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)と高密度ポリエチレン(B)とを含有し、且つ前記ノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)と高密度ポリエチレン(B)との比率(重量比)が、A/Bで96/4〜60/40である樹脂組成物(C)を成形してなる層を少なくとも一層有するフィルムからなる、局所刺激剤含有製剤封入用包装体が提供される。
ノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)のガラス転移温度が50〜200℃の範囲にあり、かつ密度が0.97〜1.02g/cm3の範囲にあると好ましく、ノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)が、脂環式構造を含有してなる繰り返し単位(a)を有し、かつ脂環式構造を含有してなる繰り返し単位(a)全体に対するノルボルナン構造を含有してなる繰り返し単位(b)の割合が10〜100重量%の範囲であるとより好ましく、高密度ポリエチレン(B)のメルトフローレートが0.1〜10g/10分の範囲にあると特に好ましい。
本発明の局所刺激剤含有製剤封入用包装体は、局所刺激剤がサリチル酸メチルであるときに好適であり、局所刺激剤含有製剤が湿布であるときにより好適であり、該湿布が、l−メントール、カンフルを含有してなる冷湿布であるときに特に好適である。
水素添加率95%以上のノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)と高密度ポリエチレン(B)とを含有し、且つ前記ノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)と高密度ポリエチレン(B)との比率(重量比)が、A/Bで96/4〜60/40である樹脂組成物(C)を成形してなる層を少なくとも一層有するフィルムからなる、局所刺激剤含有製剤封入用包装体が提供される。
ノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)のガラス転移温度が50〜200℃の範囲にあり、かつ密度が0.97〜1.02g/cm3の範囲にあると好ましく、ノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)が、脂環式構造を含有してなる繰り返し単位(a)を有し、かつ脂環式構造を含有してなる繰り返し単位(a)全体に対するノルボルナン構造を含有してなる繰り返し単位(b)の割合が10〜100重量%の範囲であるとより好ましく、高密度ポリエチレン(B)のメルトフローレートが0.1〜10g/10分の範囲にあると特に好ましい。
本発明の局所刺激剤含有製剤封入用包装体は、局所刺激剤がサリチル酸メチルであるときに好適であり、局所刺激剤含有製剤が湿布であるときにより好適であり、該湿布が、l−メントール、カンフルを含有してなる冷湿布であるときに特に好適である。
本発明の局所刺激剤含有製剤封入用包装体は、局所刺激剤の吸着性が低く、透明性が高く、強度が高く、かつ皮脂による亀裂が発生しないので、湿布の包装体として好適である。
本発明の局所刺激剤含有製剤封入用包装体は、ノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)と高密度ポリエチレン(B)の樹脂組成物(C)を成形してなる層を少なくとも一層有するフィルムからなる。
(ノルボルネン系開環重合体水素添加物)
本発明に用いられるノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)とは、ノルボルネン系モノマーを開環重合し、かつそのノルボルネン系開環重合体を水素添加して得られるものである。
ノルボルネン系モノマーとしては、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)及びその誘導体(環に置換基を有するもの)、トリシクロ〔4.3.01,6.12,5〕デカ−3,7−ジエン(慣用名ジシクロペンタジエン)及びその誘導体、7,8−ベンゾトリシクロ〔4.3.0.12,5〕デカ−3−エン(慣用名メタノテトラヒドロフルオレン)及びその誘導体、テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)及びその誘導体、等が挙げられる。
本発明に用いられるノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)とは、ノルボルネン系モノマーを開環重合し、かつそのノルボルネン系開環重合体を水素添加して得られるものである。
ノルボルネン系モノマーとしては、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)及びその誘導体(環に置換基を有するもの)、トリシクロ〔4.3.01,6.12,5〕デカ−3,7−ジエン(慣用名ジシクロペンタジエン)及びその誘導体、7,8−ベンゾトリシクロ〔4.3.0.12,5〕デカ−3−エン(慣用名メタノテトラヒドロフルオレン)及びその誘導体、テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)及びその誘導体、等が挙げられる。
置換基としては、アルキル基、アルキレン基、ビニル基、アルコキシカルボニル基等が例示でき、前記ノルボルネン系モノマーは、置換基を2種以上有していてもよい。具体的には、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エン等が挙げられる。
これらのノルボルネン系モノマーは、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
中でも、ジシクロペンタジエンとノルボルネンの組み合わせ、ジシクロペンタジエンとテトラシクロドデセン誘導体の組み合わせ、ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン及びメタノテトラヒドロフルオレンの組み合わせ、テトラシクロドデセンとメタノテトラヒドロフルオレンの組み合わせが好ましく、ジシクロペンタジエンとテトラシクロドデセン誘導体の組み合わせがより好ましい。
これらのノルボルネン系モノマーは、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
中でも、ジシクロペンタジエンとノルボルネンの組み合わせ、ジシクロペンタジエンとテトラシクロドデセン誘導体の組み合わせ、ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン及びメタノテトラヒドロフルオレンの組み合わせ、テトラシクロドデセンとメタノテトラヒドロフルオレンの組み合わせが好ましく、ジシクロペンタジエンとテトラシクロドデセン誘導体の組み合わせがより好ましい。
ノルボルネン系開環重合体は、モノマーを公知の開環重合触媒の存在下で重合して得ることができる。開環重合触媒としては、例えば、ルテニウム、オスミウム等の金属のハロゲン化物と、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物、及び還元剤とからなる触媒、あるいは、チタン、ジルコニウム、タングステン、モリブデン等の金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いることができる。
ノルボルネン系開環重合体は、ノルボルネン系モノマーと、ノルボルネン系モノマーと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体であってもよい。
ノルボルネン系モノマーと開環共重合可能なその他のモノマーとしては、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等の単環の環状オレフィン系単量体等を挙げることができる。
ノルボルネン系モノマーと開環共重合可能なその他のモノマーとしては、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等の単環の環状オレフィン系単量体等を挙げることができる。
本発明に用いられるノルボルネン系開環重合体は、脂環式構造を含有してなる繰り返し単位(a)を有する。
ノルボルネン系開環重合体中の脂環式構造は、ノルボルナン構造と、ノルボルナン構造以外の脂環式構造に大別される。
脂環式構造を含有してなる繰り返し単位(a)全体に対する、ノルボルナン構造を含有してなる繰り返し単位(b)の割合は特に限定されないが、その割合が、10〜100重量%の範囲であると好ましく、10〜25重量%の範囲であるとより好ましく、10〜20重量%の範囲であると特に好ましい。割合がこの範囲にあると防湿性、機械強度の点で好ましい。
繰り返し単位(b)の割合の調整について以下に説明する。
ノルボルナンは、式(1)
で表される二環系の橋かけ環式飽和炭化水素である。このような環構造をノルボルナン構造という。
ノルボルネンは、式(2)
で表される二環系の橋かけ環式不飽和炭化水素(環状オレフィン)である。ノルボルネンが開環重合すると、式(3)
で表される繰り返し単位が形成され、橋かけ環式構造がなくなり、主鎖に炭素−炭素二重結合が形成される。この二重結合を水素添加すると、飽和重合体が得られる。
テトラシクロドデセンは、式(4)
で表される環状オレフィンである。テトラシクロドデセンが開環重合すると、式(5)
で表される繰り返し単位が形成され、該繰り返し単位は、1個のノルボルナン構造を有することになる。
このように、ノルボルネン系モノマーの種類と量により、脂環式構造を含有してなる繰り返し単位(a)全体に対するノルボルナン構造を含有してなる繰り返し単位(b)の割合が決定される。
例えば、橋かけ環式構造として1個のノルボルネン環を有するノルボルネン系モノマーの開環重合体及びその水素添加物は、繰り返し単位中にノルボルナン構造を持たない。従って、橋かけ環式構造として1個のノルボルネン環を有するノルボルネン系モノマーの共重合割合を調整することにより、繰り返し単位(a)全体に対する繰り返し単位(b)の割合を調節することができる。
ノルボルネン系開環重合体中の脂環式構造は、ノルボルナン構造と、ノルボルナン構造以外の脂環式構造に大別される。
脂環式構造を含有してなる繰り返し単位(a)全体に対する、ノルボルナン構造を含有してなる繰り返し単位(b)の割合は特に限定されないが、その割合が、10〜100重量%の範囲であると好ましく、10〜25重量%の範囲であるとより好ましく、10〜20重量%の範囲であると特に好ましい。割合がこの範囲にあると防湿性、機械強度の点で好ましい。
繰り返し単位(b)の割合の調整について以下に説明する。
ノルボルナンは、式(1)
ノルボルネンは、式(2)
テトラシクロドデセンは、式(4)
このように、ノルボルネン系モノマーの種類と量により、脂環式構造を含有してなる繰り返し単位(a)全体に対するノルボルナン構造を含有してなる繰り返し単位(b)の割合が決定される。
例えば、橋かけ環式構造として1個のノルボルネン環を有するノルボルネン系モノマーの開環重合体及びその水素添加物は、繰り返し単位中にノルボルナン構造を持たない。従って、橋かけ環式構造として1個のノルボルネン環を有するノルボルネン系モノマーの共重合割合を調整することにより、繰り返し単位(a)全体に対する繰り返し単位(b)の割合を調節することができる。
ノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)は、通常、ノルボルネン系開環重合体の重合溶液に、ニッケル、パラジウム等の遷移金属を含む公知の水素化触媒を添加し、炭素−炭素不飽和結合を水素化することにより得ることができる。
本発明に用いられるノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)の水素添加率は95%以上である。中でも99%以上であると好ましい。
本発明に用いられるノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)の水素添加率は95%以上である。中でも99%以上であると好ましい。
ノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、50℃〜200℃の範囲であると好ましく、60℃〜150℃の範囲であるとより好ましい。Tgがこの範囲であると、耐熱性・耐久性の点で好ましい。本発明においてTgは、JIS−K7121に基づいて示差走査熱量分析法(DSC)で測定した値である。
ノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)の密度は、特に限定されないが、0.97〜1.02g/cm3の範囲にあると好ましい。密度がこの範囲にあると高密度ポリエチレンを配合した際に透明性が得られやすく好ましい。本発明においてノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)の密度は、JIS K 7112に準拠して水中置換にて測定した値である。
ノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)のメルトフローレート(MFR)は、特に限定されないが、10〜70g/10分の範囲であると好ましく、15〜65g/10分の範囲であるとより好ましく、20〜60g/10分の範囲であると特に好ましい。MFRがこの範囲であると、成形性、成形品の強度が良好である。本発明においてノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)のMFRは、JIS K 7210に準拠して280℃で測定した値である。
ノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)の重量平均分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、5,000〜500,000、好ましくは8,000〜250,000、より好ましくは30,000〜100,000の範囲である。分子量がこの範囲であると、樹脂の機械的強度及び成形加工性、ヒートシール性が高度にバランスされ好ましい。本発明において重量平均分子量は、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定したポリイソプレンまたはポリスチレン換算の値である。
(高密度ポリエチレン)
本発明で用いられる高密度ポリエチレン(B)は、エチレン単独重合体またはエチレンと炭素原子数3〜20のα-オレフィンとの共重合体である。
エチレンとの共重合に用いられる炭素原子数3〜20のα-オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1- ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコデセン等が挙げられる。これらの中では、炭素原子数3〜10のα-オレフィン、特に炭素原子数4〜8のα-オレフィンが好ましい。
本発明においては、前記のようなα-オレフィンを単独で、または2種以上組合わせて用いることができる。
本発明で用いられる高密度ポリエチレン(B)は、エチレン単独重合体またはエチレンと炭素原子数3〜20のα-オレフィンとの共重合体である。
エチレンとの共重合に用いられる炭素原子数3〜20のα-オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1- ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコデセン等が挙げられる。これらの中では、炭素原子数3〜10のα-オレフィン、特に炭素原子数4〜8のα-オレフィンが好ましい。
本発明においては、前記のようなα-オレフィンを単独で、または2種以上組合わせて用いることができる。
高密度ポリエチレン(B)の、モノマー単位全体に対するエチレンから導かれるモノマー単位の割合は、特に限定されないが、50〜100重量%の範囲であると好ましく、80〜98重量%の範囲であるとより好ましい。
高密度ポリエチレン(B)の密度は、0.945〜0.975g/cm3の範囲にある。中でも0.947〜0.970g/cm3の範囲にあると好ましく、0.950〜0.965g/cm3の範囲にあるとより好ましい。密度がこの範囲にあると、透明性と剛性の点で好ましい。
本発明において高密度ポリエチレン(B)の密度は、JIS K 7112に準拠して水中置換にて測定した値である。
本発明において高密度ポリエチレン(B)の密度は、JIS K 7112に準拠して水中置換にて測定した値である。
高密度ポリエチレン(B)のメルトフローレート(MFR)は特に限定されないが、MFRが0.5〜10g/10分の範囲にあると好ましく、0.6〜8g/10分の範囲にあるとより好ましく、0.8〜5g/10分の範囲にあると特に好ましい。MFRがこの範囲にあると、樹脂組成物(C)の流動性と、包装体の強度の点で好ましい。
本発明において、高密度ポリエチレン(B)のMFRは、190℃、荷重2.16kgの条件で、ASTM D 1238に従い測定した値である。
本発明において、高密度ポリエチレン(B)のMFRは、190℃、荷重2.16kgの条件で、ASTM D 1238に従い測定した値である。
高密度ポリエチレン(B)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによって測定した分子量分布(Mw/Mn:Mw=重量平均分子量、Mn=数平均分子量)は、特に限定されないが、2.5〜5の範囲にあると好ましく、2.8〜4の範囲にあるとより好ましい。
高密度ポリエチレン(B)は、従来公知の方法、いわゆる中・低圧法により製造することができる。
高密度ポリエチレン(B)は、従来公知の方法、いわゆる中・低圧法により製造することができる。
本発明に用いられる樹脂組成物(C)のノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)と高密度ポリエチレン(B)の割合は、(A)/(B)(重量比)で96/4〜60/40の範囲である。中でも、90/10〜70/30の範囲であると好ましく、85/15〜75/25の範囲であるとより好ましい。ノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)と高密度ポリエチレン(B)の割合が60/40より小さいと局所刺激剤の吸着量が増加し、かつ限界応力が低下し、96/4より大きいと限界応力が低下する。
樹脂組成物(C)の限界応力は、65〜100%の範囲であると好ましく、75〜100%の範囲であるとより好ましい。
限界応力がこの範囲にあると、包装体の強度の点で好ましい。
限界応力は、ノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)のモノマー組成、分子量、高密度ポリエチレン(B)との混合比率等により調整することができる。
本発明において、限界応力は、以下の方法で測定した値である。
(限界応力の測定方法)
樹脂組成物(C)を用いて10×100(mm)(厚さ0.1cm)の射出成形試験片を作製し、試験片上にサラダ油(日清オイリオ社製)を塗布する。1時間後に、図1(断面図)で示されるx2/1002+y2/402=1で表される曲線を有する楕円治具の点Aを始点として曲面に沿って試験片を曲げる。次いで、クラックが発生した位置と点Aとの曲線上の距離をL(cm)、試験片厚さをtとし、式1により算出した歪みE及び、JIS K7171に基づいで測定した曲げ弾性率Ebの積を算出し限界応力とした。
式1: E=0.02×(1−0.0084×L2)−3/2×t
限界応力がこの範囲にあると、包装体の強度の点で好ましい。
限界応力は、ノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)のモノマー組成、分子量、高密度ポリエチレン(B)との混合比率等により調整することができる。
本発明において、限界応力は、以下の方法で測定した値である。
(限界応力の測定方法)
樹脂組成物(C)を用いて10×100(mm)(厚さ0.1cm)の射出成形試験片を作製し、試験片上にサラダ油(日清オイリオ社製)を塗布する。1時間後に、図1(断面図)で示されるx2/1002+y2/402=1で表される曲線を有する楕円治具の点Aを始点として曲面に沿って試験片を曲げる。次いで、クラックが発生した位置と点Aとの曲線上の距離をL(cm)、試験片厚さをtとし、式1により算出した歪みE及び、JIS K7171に基づいで測定した曲げ弾性率Ebの積を算出し限界応力とした。
式1: E=0.02×(1−0.0084×L2)−3/2×t
本発明に用いられる樹脂組成物(C)は、必要に応じて、その他の公知の添加剤を発明の効果が損なわれない範囲で含有されていてもよい。その他の公知の添加剤としては、ブロッキング防止剤、滑剤や分散助剤、潤滑剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、塩素捕捉剤、難燃剤、結晶化核剤、防曇剤、顔料、有機物充填材、中和剤、分解剤、金属不活性化剤、汚染防止材、抗菌剤やその他の樹脂、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
ブロッキング防止剤としては、シリカ、シリカアルミナ、天然ゼオライト、合成ゼオライト、カオリン、タルク、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、溶融シリカ、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ハイドロタルサイト系等の微粒子等が挙げられる。
滑剤としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の脂肪酸; 脂肪酸とリチウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛等の金属とからなる脂肪酸金属塩; オレイン酸アマイド、ステアリン酸アマイド、エルカ酸アマイド、ベヘニン酸アマイド、ステアリルエルカマイド、オレイルパルミトアマイド等の脂肪酸アマイド等が挙げられる。中でも、脂肪酸金属塩が好ましく、特にステアリン酸カルシウムが好ましい。
分散助剤としては、シラン系又はチタン系カップリング剤等が挙げられる。
分散助剤としては、シラン系又はチタン系カップリング剤等が挙げられる。
潤滑剤としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリブチレン等のポリオレフィンワックス類;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、ホホバ等の植物系天然ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラクタム等の石油系ワックス及びその変性ワックス;フィッシャートロプシュワックス等の合成ワックス;ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ジペンタエリスリトールヘキサミリステート及びジペンタエリスリトールヘキサパルミテート等の多官能エステル化合物;等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、有機ホスファイト系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等が挙げられる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系安定剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等が挙げられる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系安定剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等が挙げられる。
帯電防止剤としては、ノニオン系帯電防止剤、カチオン系帯電防止剤、アニオン系帯電防止剤等が挙げられる。
分散剤としてはビスアミド系分散剤、ワックス系分散剤、有機金属塩系分散剤等が挙げられる。
難燃剤としては、リン酸系難燃剤、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、マグネシウムの炭酸塩、赤リン等が挙げられる。
分散剤としてはビスアミド系分散剤、ワックス系分散剤、有機金属塩系分散剤等が挙げられる。
難燃剤としては、リン酸系難燃剤、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、マグネシウムの炭酸塩、赤リン等が挙げられる。
その他の樹脂としては、非晶性樹脂や結晶性樹脂等が挙げられる。中でも包装体の機械的強度、防湿性の観点からは特に結晶性樹脂を用いることが好ましい。
非晶性樹脂としては、ジシクロペンタジエン系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、テルペン系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、及びこれらの水素添加物、非晶性ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート−スチレン共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル−スチレン共重合体、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンエーテル等が挙げられるが、包装体の防湿性、機械強度等の観点から、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ポリフェニレンエーテルが好ましい。
非晶性樹脂としては、ジシクロペンタジエン系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、テルペン系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、及びこれらの水素添加物、非晶性ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート−スチレン共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル−スチレン共重合体、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンエーテル等が挙げられるが、包装体の防湿性、機械強度等の観点から、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ポリフェニレンエーテルが好ましい。
結晶性樹脂とは、上記非晶性樹脂の項において例示された一部の樹脂を含むものであるが、その区別は熱測定において結晶融点が観測され得るものとして示され区別される。その具体例としては、直鎖状、または分岐鎖状の高密度ポリプロピレン、低密度ポリプロピレン等のポリプロピレン系結晶性樹脂、および、ポリメチルペンテン、ポリブテン、ポリメチルブテン、ポリメチルヘキセン、ポリビニルナフタレン、ポリキシレン等からなる群で示されるポリオレフィン系結晶性樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート、芳香族ポリエステル等からなる群で示されるポリエステル系結晶性樹脂、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−12、ポリアミドイミド等からなる群で示されるポリアミド系結晶性樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等からなる群で示されるフッ素系結晶性樹脂や、その他として、ロジン系樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、シンジオタクチックポリスチレン、ポリオキシメチレン、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、セルロース、アセタール樹脂、塩素化ポリエーテル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、液晶ポリマー(芳香族多環縮合系ポリマー)等の結晶性樹脂が挙げられる。これらの中でも、防湿性、機械強度の観点からポリオレフィン系結晶性樹脂、ポリエステル系結晶性樹脂、ポリアミド系結晶性樹脂が好ましく、ポリオレフィン系結晶性樹脂がより好ましく、ポリプロピレン系結晶性樹脂が特に好ましい。本発明において、結晶性樹脂としては樹脂全体が結晶化しているもののみではなく、部分的に結晶化しているものも含む。
熱可塑性エラストマーとしては、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、SEBS、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、SEPS等が挙げられる。
樹脂組成物(C)はその調製法によって特に限定されない。
脂環式構造含有重合体樹脂(A)、高密度ポリエチレン(B)、及び必要に応じて用いる添加剤の混合方法は特に限定されないが、例えば脂環式構造含有重合体樹脂(A)、高密度ポリエチレン(B)、及び必要に応じて用いる添加剤とをヘンシェルミキサー、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー、コニカルブレンダー等の混合器を用いて混合することによって、又は更にこの混合後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー等により溶融混練することによって樹脂組成物(C)が得られる。
樹脂組成物(C)の形状は、特に限定されないが、フィルムを成形しやすいように、造粒あるいは粉砕、又はペレット化すると好ましい。
脂環式構造含有重合体樹脂(A)、高密度ポリエチレン(B)、及び必要に応じて用いる添加剤の混合方法は特に限定されないが、例えば脂環式構造含有重合体樹脂(A)、高密度ポリエチレン(B)、及び必要に応じて用いる添加剤とをヘンシェルミキサー、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー、コニカルブレンダー等の混合器を用いて混合することによって、又は更にこの混合後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー等により溶融混練することによって樹脂組成物(C)が得られる。
樹脂組成物(C)の形状は、特に限定されないが、フィルムを成形しやすいように、造粒あるいは粉砕、又はペレット化すると好ましい。
本発明の包装体は、その製造方法により限定されないが、樹脂組成物(C)をフィルムに成形し、該フィルムをヒートシールして貼り合わせることによって得ることができる。
本発明に用いられる、樹脂組成物(C)からなるフィルムの成形方法は特に限定されないが、例えばTダイ法、インフレーション法、プレス成形法等公知の方法によって得られる。フィルムの厚さは特に限定されないが、5〜500μmの範囲であると好ましく、40〜300μmの範囲であるとより好ましい。
本発明に用いられる、樹脂組成物(C)からなるフィルムの成形方法は特に限定されないが、例えばTダイ法、インフレーション法、プレス成形法等公知の方法によって得られる。フィルムの厚さは特に限定されないが、5〜500μmの範囲であると好ましく、40〜300μmの範囲であるとより好ましい。
本発明においてフィルムは、樹脂組成物(C)の層(I)だけからなる単層フィルムであっても良いし、他の樹脂からなる層(II)を積層した積層フィルムでもよい。積層フィルムの積層態様は包装体とした場合に最内層が樹脂組成物(C)の層となれば特に限定されないが、例えば層(I)/層(II)、層(I)/層(II)/層(I)のように積層することもできる。更に、前記積層フィルムは層(I)と層(II)の間に接着層を含んでも良い。
前記層(II)に用いる他の樹脂としては、低密度又は高密度ポリエチレン系結晶性樹脂、ポリプロピレン系結晶性樹脂、ポリエステル系結晶性樹脂、ポリアミド系結晶性樹脂、フッ素系結晶性樹脂及び、その他の結晶性樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレン系結晶性樹脂およびポリプロピレン系結晶性樹脂が、フィルムの防湿性、機械強度等のバランスの点で良好である。
接着層を構成する接着剤としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂接着剤、ポリビニルエーテル、アクリル樹脂、酢酸ビニル−エチレン共重合体等の熱可塑性樹脂接着剤、ポリアミド樹脂系ホットメルト接着剤、ニトリルゴム等のゴム系接着剤等が挙げられる。
前記積層構造のフィルムは、製法によって特に限定されない。
例えば、(ア)樹脂組成物(C)の単層フィルムに、他の樹脂からなるフィルムを貼合することによって、(イ)樹脂組成物(C)の単層フィルムに他の樹脂からなる溶液を塗布して、乾燥することによって、又は、(ウ)樹脂組成物(C)と他の樹脂とを共押出Tダイ法、共押出インフレーション法、共押出ラミネーション法等の方法で共押出することによって得ることができる。
例えば、(ア)樹脂組成物(C)の単層フィルムに、他の樹脂からなるフィルムを貼合することによって、(イ)樹脂組成物(C)の単層フィルムに他の樹脂からなる溶液を塗布して、乾燥することによって、又は、(ウ)樹脂組成物(C)と他の樹脂とを共押出Tダイ法、共押出インフレーション法、共押出ラミネーション法等の方法で共押出することによって得ることができる。
前記樹脂組成物の層(I)と他の樹脂からなる層(II)の厚さの比は特に限定されないが、例えば、層(I)/層(II)で1/16〜8/1であると好ましい。
本発明に用いられる積層フィルムの厚さは、5〜500μmの範囲であると好ましく、40〜300μmの範囲であるとより好ましい。厚さがこの範囲にあると、耐裂性、透明性が良好である。
本発明に用いられる積層フィルムの厚さは、5〜500μmの範囲であると好ましく、40〜300μmの範囲であるとより好ましい。厚さがこの範囲にあると、耐裂性、透明性が良好である。
本発明に用いられる積層フィルムの全光線透過率は、70%以上であると好ましく、80%以上であるとより好ましく、90%以上であると特に好ましい。
全光線透過率がこの範囲にあると、包装体の内容物が外部から認識することができるので好ましい。
本発明において全光線透過率は、JIS−K7105に従い、濁度計(日本電色工業(株)製 NDH 2000)にて測定した値である。
全光線透過率がこの範囲にあると、包装体の内容物が外部から認識することができるので好ましい。
本発明において全光線透過率は、JIS−K7105に従い、濁度計(日本電色工業(株)製 NDH 2000)にて測定した値である。
前記フィルムには、印刷加工を施すことができる。印刷加工の方法は特に限定されず公知の方法を使用すればよく、例えば、凸版印刷、凹版印刷、平板印刷が挙げられる。
印刷に適用される印刷インキは、前記印刷の方法に応じて最適なものを選択して使用すればよい。例えば、凸版インキ、フレキソインキ、ドライオフセットインキ、グラビアインキ、グラビアオフセットインキ、オフセットインキ、スクリーンインキ等が挙げられる。
印刷に適用される印刷インキは、前記印刷の方法に応じて最適なものを選択して使用すればよい。例えば、凸版インキ、フレキソインキ、ドライオフセットインキ、グラビアインキ、グラビアオフセットインキ、オフセットインキ、スクリーンインキ等が挙げられる。
印刷インキは、色料、ビヒクル、及び補助剤からなるものが好ましく、印刷される本発明のフィルムを構成する脂環式構造含有重合体水素添加物樹脂の種類、フィルムの使用目的に応じて、印刷インキの種類及び組成は適宜選択される。
色料としては、顔料、染料等が挙げられる。
ビヒクルは、油脂、樹脂、及び溶剤との混合物で、油脂としては乾性油、半乾性油、不乾性油、加工油等;樹脂としては一般的な天然樹脂、合成樹脂;溶剤としては炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、水系溶剤等が挙げられる。
補助剤としては、コンパウンド類、ドライヤー類、その他分散剤、反応剤、消泡剤等の添加剤等が挙げられる。
色料としては、顔料、染料等が挙げられる。
ビヒクルは、油脂、樹脂、及び溶剤との混合物で、油脂としては乾性油、半乾性油、不乾性油、加工油等;樹脂としては一般的な天然樹脂、合成樹脂;溶剤としては炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、水系溶剤等が挙げられる。
補助剤としては、コンパウンド類、ドライヤー類、その他分散剤、反応剤、消泡剤等の添加剤等が挙げられる。
また、印刷する前に、インクの密着性を高めるために本発明のフィルムを表面処理することが好ましい。
表面処理の方法としては、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、火炎処理、エンボス加工処理、サンドマット加工処理、梨地加工処理等が挙げられる。
表面処理の方法としては、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、火炎処理、エンボス加工処理、サンドマット加工処理、梨地加工処理等が挙げられる。
フィルムのヒートシール条件は、特に限定されないが、例えば、ヒートシールテスター(テスター産業社製、TP−701−B)及び万能引張り圧縮試験機(新興通信工業社製 TCM−200)を使用して最大強度が得られる温度、シール時間、シール圧力を測定し、その条件でヒートシールすることが好ましい。
本発明の局所刺激剤含有製剤封入用包装体は、局所刺激剤の吸着性が低く、透明性が高く、強度が高くかつ皮脂による亀裂が発生しないので、湿布の包装体として好適である。
湿布は、パップ剤・プラスター剤の分類があるが、パップ剤は不織布上水溶性高分子基材成分上に薬効成分を塗ったものであり水分含有率が高く、プラスター剤はプラスチックフィルム上に薬効成分を混ぜた粘着剤を塗布したものである。
本発明の局所刺激剤含有製剤封入用包装体は、透湿性・吸湿性が低いので、湿布が水分含有率が高いパップ剤である場合により好適である。
湿布は、パップ剤・プラスター剤の分類があるが、パップ剤は不織布上水溶性高分子基材成分上に薬効成分を塗ったものであり水分含有率が高く、プラスター剤はプラスチックフィルム上に薬効成分を混ぜた粘着剤を塗布したものである。
本発明の局所刺激剤含有製剤封入用包装体は、透湿性・吸湿性が低いので、湿布が水分含有率が高いパップ剤である場合により好適である。
本発明を、参考例、実施例及び比較例を示しながら、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお部及び%は特に断りのない限り重量基準である。
各種の物性の測定は、下記の方法に従って行った。
(1)ガラス転移点
JIS−K7121に基づいて、示差操作熱量計(DSC法)により測定した。
(2)水素添加率
1H−NMRを用いて算出した。
(3)局所刺激剤の吸着性試験
三方シールパウチAの重量を測定後、l−メントールを2g入れ、開口部をヒートシール(シール幅10mm)によって閉じた。密閉容器中に23℃の恒温条件で2週間静置し、次いで開封し、l−メントールを取り出し、再度シールパウチの重量を測定し、重量変化から吸着率を求めた。サリチル酸メチル、dl−カンフルの吸着率についても同様の方法を用いた。
(5)全光線透過率
全光線透過率を、厚み100ミクロンのフィルムを使用し、JIS−K7105に従い、濁度計(日本電色工業(株)製 NDH 2000)にて測定した。
(6)限界応力
射出成形試験片C(10×100×1mm)上にサラダ油(日清オイリオ社製)を塗布する。1時間後に、図1(断面図)で示されるx2/1002+y2/402=1で表される曲線を有する楕円治具の点Aを始点として曲面に沿って試験片を曲げる。次いで、クラックが発生した位置と点Aとの曲線上の距離をL(cm)、試験片厚さをtとし、式1により算出した歪みE及び、JIS K7171に基づいで測定した曲げ弾性率Ebの積を算出し限界応力とした。
式1: E=0.02×(1−0.0084×L2)−3/2×t
限界応力が高いほど、皮脂による亀裂が発生しない傾向にある。
(7)ヒートシール強度
a)ヒートシールサンプルの作成
フィルムAを、30cm(MD方向)×10cm(TD方向)に切断し、切断した2枚のフィルムの押出方向を揃えて重ね、ヒートシールテスター(テスター産業社製、TP−701−B)を使用して、シール圧力0.2MPa、シール時間2秒、シール温度(上下バー同一)170℃の条件で30cm側をヒートシールし、15cmの短冊状に切断してヒートシールサンプルを作成した。
b)ヒートシール強度測定
上記作成のヒートシールサンプルを、万能引張り圧縮試験機(新興通信工業社製 TCM−200)を用いて、引張り速度300mm/minで180°剥離試験し(N=5)、このときの最大応力の平均をヒートシール強度とした。
(8)落下試験
三方シールパウチBの開口部からパップ剤(MS冷シップ:大鵬薬品製:サイズ140×200mm:1枚あたり重量40g:l−メントール、サリチル酸メチル、カンフルの含有量は、それぞれ2.0g、0.5g、0.3g(膏体100g中))を5枚を入れた後、開口部をヒートシール(シール幅10mm)によって閉じる。次いで、高さ150cmの高さより、コンクリート床上に落下させ、破損がないかどうか確認を行なった。
(9)高温放置試験
落下試験と同様に、三方シールパウチBの開口部からパップ剤(MS冷シップ,大鵬薬品製,サイズ140×200mm,1枚あたり重量40g)を5枚を入れ、開口部をヒートシール(シール幅10mm)によって閉じた。次いで40℃のオーブンに2週間静置した。次いで、シールパウチを開封しパップ剤の状態を確認した。
各種の物性の測定は、下記の方法に従って行った。
(1)ガラス転移点
JIS−K7121に基づいて、示差操作熱量計(DSC法)により測定した。
(2)水素添加率
1H−NMRを用いて算出した。
(3)局所刺激剤の吸着性試験
三方シールパウチAの重量を測定後、l−メントールを2g入れ、開口部をヒートシール(シール幅10mm)によって閉じた。密閉容器中に23℃の恒温条件で2週間静置し、次いで開封し、l−メントールを取り出し、再度シールパウチの重量を測定し、重量変化から吸着率を求めた。サリチル酸メチル、dl−カンフルの吸着率についても同様の方法を用いた。
(5)全光線透過率
全光線透過率を、厚み100ミクロンのフィルムを使用し、JIS−K7105に従い、濁度計(日本電色工業(株)製 NDH 2000)にて測定した。
(6)限界応力
射出成形試験片C(10×100×1mm)上にサラダ油(日清オイリオ社製)を塗布する。1時間後に、図1(断面図)で示されるx2/1002+y2/402=1で表される曲線を有する楕円治具の点Aを始点として曲面に沿って試験片を曲げる。次いで、クラックが発生した位置と点Aとの曲線上の距離をL(cm)、試験片厚さをtとし、式1により算出した歪みE及び、JIS K7171に基づいで測定した曲げ弾性率Ebの積を算出し限界応力とした。
式1: E=0.02×(1−0.0084×L2)−3/2×t
限界応力が高いほど、皮脂による亀裂が発生しない傾向にある。
(7)ヒートシール強度
a)ヒートシールサンプルの作成
フィルムAを、30cm(MD方向)×10cm(TD方向)に切断し、切断した2枚のフィルムの押出方向を揃えて重ね、ヒートシールテスター(テスター産業社製、TP−701−B)を使用して、シール圧力0.2MPa、シール時間2秒、シール温度(上下バー同一)170℃の条件で30cm側をヒートシールし、15cmの短冊状に切断してヒートシールサンプルを作成した。
b)ヒートシール強度測定
上記作成のヒートシールサンプルを、万能引張り圧縮試験機(新興通信工業社製 TCM−200)を用いて、引張り速度300mm/minで180°剥離試験し(N=5)、このときの最大応力の平均をヒートシール強度とした。
(8)落下試験
三方シールパウチBの開口部からパップ剤(MS冷シップ:大鵬薬品製:サイズ140×200mm:1枚あたり重量40g:l−メントール、サリチル酸メチル、カンフルの含有量は、それぞれ2.0g、0.5g、0.3g(膏体100g中))を5枚を入れた後、開口部をヒートシール(シール幅10mm)によって閉じる。次いで、高さ150cmの高さより、コンクリート床上に落下させ、破損がないかどうか確認を行なった。
(9)高温放置試験
落下試験と同様に、三方シールパウチBの開口部からパップ剤(MS冷シップ,大鵬薬品製,サイズ140×200mm,1枚あたり重量40g)を5枚を入れ、開口部をヒートシール(シール幅10mm)によって閉じた。次いで40℃のオーブンに2週間静置した。次いで、シールパウチを開封しパップ剤の状態を確認した。
[製造例1(重合体Aの製造)]
室温、窒素雰囲気の反応器に、脱水したシクロヘキサン250部を入れ、更に1−ヘキセン0.84部、ジブチルエーテル0.06部及びトリイソブチルアルミニウム0.11部を入れて混合した後、45℃に保ちながら、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(以下DCP)85部、8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(以下ETD)15部、及び六塩化タングステンの0.7%トルエン溶液15部を2時間かけて連続的に添加して重合した。重合転化率は100%であった。
得られた重合反応液を耐圧性の水素化反応器に移送し、ケイソウ土担持ニッケル触媒(日産ガードラー社製;G−96D、ニッケル担持率58%)5部及びシクロヘキサン100部を加え、150℃、水素圧4.4MPaで8時間反応させた。この反応溶液を、ラジオライト#500を濾過床として、圧力0.25MPaで加圧濾過(フンダフィルター、石川島播磨重工社製)して水素化触媒を除去し、無色透明な溶液を得た。次いで前記水素添加物100部あたり0.3部の酸化防止剤:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](イルガノックス1010、チバガイギー社製)を、得られた溶液に添加して溶解させた。次いで、ゼータープラスフィルター30H(孔径0.5〜1μm、キュノーフィルター社製)にて順次濾過しさらに別の金属ファイバー製フィルター(孔径0.4μm、ニチダイ社製)にて濾過して微小な固形分を除去した。
次いで、上記溶液を、円筒型濃縮乾燥器(日立製作所製)を用いて、温度270℃、圧力1kPa以下で、溶液から、溶媒であるシクロヘキサン及びその他の揮発成分を除去し、濃縮機に直結したダイから溶融状態でストランド状に押出し、冷却後ペレット化してDCP−ETD開環共重合体の高水素化物(重合体A)のペレットを得た。
このペレット化された重合体Aの、重量平均分子量(Mw)は42000、数平均分子量(Mn)は、14000、水素添加率は99.5%、ガラス転移点は105℃、密度は1.01g/cm3、MFRは、22.5g/10分であった。
室温、窒素雰囲気の反応器に、脱水したシクロヘキサン250部を入れ、更に1−ヘキセン0.84部、ジブチルエーテル0.06部及びトリイソブチルアルミニウム0.11部を入れて混合した後、45℃に保ちながら、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(以下DCP)85部、8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(以下ETD)15部、及び六塩化タングステンの0.7%トルエン溶液15部を2時間かけて連続的に添加して重合した。重合転化率は100%であった。
得られた重合反応液を耐圧性の水素化反応器に移送し、ケイソウ土担持ニッケル触媒(日産ガードラー社製;G−96D、ニッケル担持率58%)5部及びシクロヘキサン100部を加え、150℃、水素圧4.4MPaで8時間反応させた。この反応溶液を、ラジオライト#500を濾過床として、圧力0.25MPaで加圧濾過(フンダフィルター、石川島播磨重工社製)して水素化触媒を除去し、無色透明な溶液を得た。次いで前記水素添加物100部あたり0.3部の酸化防止剤:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](イルガノックス1010、チバガイギー社製)を、得られた溶液に添加して溶解させた。次いで、ゼータープラスフィルター30H(孔径0.5〜1μm、キュノーフィルター社製)にて順次濾過しさらに別の金属ファイバー製フィルター(孔径0.4μm、ニチダイ社製)にて濾過して微小な固形分を除去した。
次いで、上記溶液を、円筒型濃縮乾燥器(日立製作所製)を用いて、温度270℃、圧力1kPa以下で、溶液から、溶媒であるシクロヘキサン及びその他の揮発成分を除去し、濃縮機に直結したダイから溶融状態でストランド状に押出し、冷却後ペレット化してDCP−ETD開環共重合体の高水素化物(重合体A)のペレットを得た。
このペレット化された重合体Aの、重量平均分子量(Mw)は42000、数平均分子量(Mn)は、14000、水素添加率は99.5%、ガラス転移点は105℃、密度は1.01g/cm3、MFRは、22.5g/10分であった。
[製造例2(重合体Bの製造)]
製造例1において、ケイソウ土担持ニッケル触媒(日産ガードラー社製;G−96D、ニッケル担持率58%)を4部にした以外は製造例1と同様に行い、DCP−ETD開環重合体の低水素化物(重合体B)のペレットを得た。
得られた重合体BのMwは43000、Mnは15000であり水素添加率は88.3%、ガラス転移点は100℃であった。
製造例1において、ケイソウ土担持ニッケル触媒(日産ガードラー社製;G−96D、ニッケル担持率58%)を4部にした以外は製造例1と同様に行い、DCP−ETD開環重合体の低水素化物(重合体B)のペレットを得た。
得られた重合体BのMwは43000、Mnは15000であり水素添加率は88.3%、ガラス転移点は100℃であった。
〔実施例1〕
製造例1で得られた重合体Aのペレット90部と高密度ポリエチレン HY540(日本ポリケム製、密度0.960、メルトーフローレート1.0g/10分(温度190℃、荷重2.16kgf、融点135℃))のペレット10部とを、ブレンダーで混合し、次いで80℃で4時間乾燥した。次いで、スクリュー径50mmφ、圧縮比2.5、比L/D=30のスクリューを備え、Tダイの手前にそれぞれ40、80、120メッシュのフィルター3枚を設け、溶融樹脂を通すようにした樹脂溶融混練機を有するハンガーマニホールドタイプのTダイ式フィルム溶融押出し成形機を使用し、ダイリップを0.5mm、溶融樹脂温度を220℃、Tダイの温度240℃、Tダイの幅300mm、キャストロール温度110℃、冷却ロール温度80℃の条件で、厚さ100μmのフィルムA1を得た。なお、成形時には窒素をホッパー下部よりホッパー内部へ導入した。フィルムをキャストロールに密着させる際には、エアーナイフを用いた。
得られたフィルムA1を用いて全光透過率、ヒートシール強度を測定した。
又、フィルムA1を切断して幅100×150mmの2枚のフィルムを得、170℃、0.2MPa、2秒、シール幅10mmの条件でヒートシールを行い三方シールパウチA1を作成し、局所刺激剤の吸着性試験、落下試験、高温放置試験を行った。
又、フィルムA1を切断して幅180×230mmの2枚のフィルムを得、170℃、0.2MPa、2秒、シール幅10mmの条件でヒートシールを行い三方シールパウチB1を作成し、落下試験、高温放置試験を行った。
また、フィルム溶融押出し成形機の代わりに、射出成形機[ファナック社製「ロボショットα−100B」、型締め力最大100t]により、樹脂温度280℃、金型温度135℃で、10×100×1mmの射出成形試験片C1を成形し、限界応力を測定した。
これらの評価結果を表1に示す。
製造例1で得られた重合体Aのペレット90部と高密度ポリエチレン HY540(日本ポリケム製、密度0.960、メルトーフローレート1.0g/10分(温度190℃、荷重2.16kgf、融点135℃))のペレット10部とを、ブレンダーで混合し、次いで80℃で4時間乾燥した。次いで、スクリュー径50mmφ、圧縮比2.5、比L/D=30のスクリューを備え、Tダイの手前にそれぞれ40、80、120メッシュのフィルター3枚を設け、溶融樹脂を通すようにした樹脂溶融混練機を有するハンガーマニホールドタイプのTダイ式フィルム溶融押出し成形機を使用し、ダイリップを0.5mm、溶融樹脂温度を220℃、Tダイの温度240℃、Tダイの幅300mm、キャストロール温度110℃、冷却ロール温度80℃の条件で、厚さ100μmのフィルムA1を得た。なお、成形時には窒素をホッパー下部よりホッパー内部へ導入した。フィルムをキャストロールに密着させる際には、エアーナイフを用いた。
得られたフィルムA1を用いて全光透過率、ヒートシール強度を測定した。
又、フィルムA1を切断して幅100×150mmの2枚のフィルムを得、170℃、0.2MPa、2秒、シール幅10mmの条件でヒートシールを行い三方シールパウチA1を作成し、局所刺激剤の吸着性試験、落下試験、高温放置試験を行った。
又、フィルムA1を切断して幅180×230mmの2枚のフィルムを得、170℃、0.2MPa、2秒、シール幅10mmの条件でヒートシールを行い三方シールパウチB1を作成し、落下試験、高温放置試験を行った。
また、フィルム溶融押出し成形機の代わりに、射出成形機[ファナック社製「ロボショットα−100B」、型締め力最大100t]により、樹脂温度280℃、金型温度135℃で、10×100×1mmの射出成形試験片C1を成形し、限界応力を測定した。
これらの評価結果を表1に示す。
〔実施例2〕
重合体Aのペレットと高密度ポリエチレンの割合を、それぞれ70部及び30部に変えた以外は実施例1と同様に行い、フィルムA2、三方シールパウチA2、三方シールパウチB2、射出成形試験片A2を得、各種測定をおこなった。評価結果を表1に示す。
重合体Aのペレットと高密度ポリエチレンの割合を、それぞれ70部及び30部に変えた以外は実施例1と同様に行い、フィルムA2、三方シールパウチA2、三方シールパウチB2、射出成形試験片A2を得、各種測定をおこなった。評価結果を表1に示す。
〔比較例1〕
実施例1において、重合体A90部及び高密度ポリエチレン10部を、重合体B50部及び高密度ポリエチレン50部に変えた以外は、実施例1と同様に行い、フィルムA3、三方シールパウチA3、三方シールパウチB3、射出成形試験片A3を得、各種測定をおこなった。評価結果を表1に示す。
実施例1において、重合体A90部及び高密度ポリエチレン10部を、重合体B50部及び高密度ポリエチレン50部に変えた以外は、実施例1と同様に行い、フィルムA3、三方シールパウチA3、三方シールパウチB3、射出成形試験片A3を得、各種測定をおこなった。評価結果を表1に示す。
〔比較例2〕
実施例1において、高密度ポリエチレン用いない以外は、実施例1と同様に行い、フィルムA4、三方シールパウチA4、三方シールパウチB4、射出成形試験片A4を得、各種測定をおこなった。評価結果を表1に示す。
実施例1において、高密度ポリエチレン用いない以外は、実施例1と同様に行い、フィルムA4、三方シールパウチA4、三方シールパウチB4、射出成形試験片A4を得、各種測定をおこなった。評価結果を表1に示す。
水素添加率95%以上のノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)と高密度ポリエチレン(B)とを含有し、且つ前記ノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)と高密度ポリエチレン(B)との比率(重量比)が、A/Bで96/4〜60/40である樹脂組成物(C)を成形してなる層を少なくとも一層有するフィルムからなる、局所刺激剤含有製剤封入用包装体は、l−メントール、サリチル酸メチル、カンフル等の局所刺激剤の吸着が少なく、内容物の視認性が高く、強度が高く、かつ皮脂による亀裂が発生しない。
それに対して、水素添加率が95%未満であり、ノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)と高密度ポリエチレン(B)との比率(重量比)が、A/Bで96/4〜60/40の範囲にない樹脂組成物を成形してなる層を少なくとも一層有するフィルムからなる、局所刺激剤含有製剤封入用包装体は、局所刺激剤の吸着が多く、内容物の視認性が低く、強度が弱く、かつ皮脂による亀裂が発生し、内容物の水分の揮発も多かった。
又、ノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)と高密度ポリエチレン(B)との比率(重量比)が、A/Bで96/4より大きい樹脂組成物を成形してなる層を少なくとも一層有するフィルムからなる、局所刺激剤含有製剤封入用包装体は、強度が弱かった。
本発明の局所刺激剤含有製剤封入用包装体は、l−メントール、サリチル酸メチル、カンフル等の局所刺激剤の吸着が少なく、内容物の視認性が高く、強度が高く、かつ皮脂による亀裂が発生しないので、湿布の包装体等に好適に用いられる。
A :試験片を曲げる始点である。
Claims (7)
- 水素添加率95%以上のノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)と高密度ポリエチレン(B)とを含有し、且つ前記ノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)と高密度ポリエチレン(B)との比率(重量比)が、A/Bで96/4〜60/40である樹脂組成物(C)を成形してなる層を少なくとも一層有するフィルムからなる、局所刺激剤含有製剤封入用包装体。
- ノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)のガラス転移温度が50〜200℃の範囲にあり、かつ密度が0.97〜1.02g/cm3の範囲にある請求項1記載の包装体。
- ノルボルネン系開環重合体水素添加物(A)が、脂環式構造を含有してなる繰り返し単位(a)を有し、かつ脂環式構造を含有してなる繰り返し単位(a)全体に対するノルボルナン構造を含有してなる繰り返し単位(b)の割合が10〜100重量%の範囲である請求項1又は2記載の包装体。
- 高密度ポリエチレン(B)のメルトフローレートが0.1〜10g/10分の範囲にある請求項1乃至3記載の包装体。
- 局所刺激剤が、サリチル酸メチルである請求項1乃至4記載の包装体。
- 局所刺激剤含有製剤が、湿布である請求項1乃至4記載の包装体。
- 湿布が、l−メントール、カンフルを含有してなる冷湿布である請求項6記載の包装体。
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JP2004070874A JP2005255222A (ja) | 2004-03-12 | 2004-03-12 | 局所刺激剤含有製剤封入用包装体 |
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---|---|---|---|---|
WO2009001724A1 (ja) * | 2007-06-22 | 2008-12-31 | Zeon Corporation | 樹脂組成物およびこれを用いたフィルム |
JP2011136735A (ja) * | 2009-12-28 | 2011-07-14 | Kose Corp | ラミネート包装型製品 |
WO2016194554A1 (ja) * | 2015-06-03 | 2016-12-08 | ポリプラスチックス株式会社 | 貼付剤用基材 |
-
2004
- 2004-03-12 JP JP2004070874A patent/JP2005255222A/ja active Pending
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JP5564945B2 (ja) * | 2007-06-22 | 2014-08-06 | 日本ゼオン株式会社 | 樹脂組成物およびこれを用いたフィルム |
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