JP2019171662A - 積層体の製造方法及び積層体 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]分子末端にCOOH基を有する重合体(α)からなる基材層(A)の少なくとも片面に、下記(i)〜(iii)を満たす接着用重合体組成物(β)からなる接着層(B)を積層することを特徴とする積層体の製造方法。
(i)カルボジイミド基と反応する基を有するポリオレフィン(a)と、カルボジイミド基含有化合物(b)とが反応して形成されるポリオレフィンを含む。
(ii)該接着用重合体組成物100gに対し、カルボジイミド基を0.1〜50mmolの量で含む。
(iii)密度が0.870g/cm3〜0.940g/cm3である。
[2]前記接着用重合体組成物(β)からなる接着層(B)の該接着層(B)の層(A)と接する面と反対側の面に、上記重合体(α)および重合体組成物(β)のいずれとも異なる重合体(γ)からなる層(C)を、少なくともその一部に積層することを特徴とする[1]に記載の積層体の製造方法。
[3]前記の分子末端にCOOH基を有する重合体(α)が、半芳香族ポリアミドを含むことを特徴とする[1]または[2]に記載の積層体の製造方法。
[4]前記半芳香族ポリアミドが、ジカルボン酸成分単位(c1)とジアミン成分単位(c2)から構成される[3]に記載の積層体の製造方法。
[5]前記ジカルボン酸成分単位(c1)が、テレフタル酸成分単位を少なくとも含む[4]に記載の積層体の製造方法。
[6]前記重合体(γ)が、ポリオレフィンを含むことを特徴とする[2]〜[5]の何れか一項に記載の積層体の製造方法。
[7]前記基材層(A)と前記接着層(B)とを積層し、任意に、さらに前記層(C)を積層した後、得られた積層体を温水中でレトルト処理することを特徴とする、[1]〜[6]の何れか一項に記載の積層体の製造方法。
[8]分子末端にCOOH基を有する重合体(α)からなる基材層(A)と、少なくとも一部が該層(A)に接する接着用組成物(β)からなる接着層(B)とを含み、該接着用組成物(β)が下記(i)〜(iii)を満たすことを特徴とする積層体。
(i)カルボジイミド基と反応する基を有するポリオレフィン(a)と、カルボジイミド基含有化合物(b)とが反応して形成されるポリオレフィンを含む。
(ii)該接着用組成物(β)100gに対し、カルボジイミド基を0.1〜50mmolの量で含む。
(iii)密度が0.870g/cm3〜0.940g/cm3である。
〔分子末端にCOOH基を有する重合体(α)からなる基材層(A)〕
本発明に係わる積層体を構成する基材層(A)は、分子末端にCOOH基を有する重合体(α)は、分子末端にCOOH基を有していれば特に制限無く用いることができるが、特に半芳香族ポリアミドであることが好ましい。
重合体(α)の、示差走査熱量測定(DSC)で測定される融点(TmA)は250〜340℃であり、好ましくは260〜335℃であり、さらに好ましくは280〜335℃である。重合体(α)の融点が上記範囲内であると、基材層(A)の成形性と、基材層(A)から得られる積層体の耐熱性とを両立させることができる。
[η]=ηSP/(C(1+0.205ηSP))
上記式において、各代数または変数は以下を表す。
[η]:極限粘度(dl/g)
ηSP:比粘度
C:試料濃度(g/dl)
上記ηSPは以下の式によって求められる。
ηSP=(t−t0)/t0
t:試料溶液の流下秒数(秒)
t0:ブランク硫酸の流下秒数(秒)
ここで、重合体(α)は、前述のように、ジカルボン酸成分単位(c1)と、ジアミン成分単位(c2)と、から主に構成される。
本発明に係わる積層体を構成する接着層(B)は、下記要件(i)〜(iii)を満たす接着用重合体組成物(β)を含んでなる。
すなわち該接着用重合体組成物(β)は、カルボジイミド基を有するポリオレフィンを含む。
ポリオレフィン(a)は、ポリオレフィンに、カルボジイミド基と反応する基を有する化合物(m)を導入することにより得ることができる。ポリオレフィン(a)は、1種単独でも2種以上でもよい。
カルボジイミド基と反応する基を有する化合物(m)として用いられる不飽和カルボン酸および/またはその誘導体としては、カルボン酸基を1つ以上有する不飽和化合物、好ましくは、無水カルボン酸基を1つ以上有する不飽和化合物およびその誘導体を挙げることができる。不飽和基としては、ビニル基、ビニレン基、不飽和環状炭化水素基などを挙げることができる。具体的な化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸などの不飽和カルボン酸、またはこれらの酸無水物あるいはこれらの誘導体(例えば酸ハライド、アミド、イミド、エステルなど)が挙げられる。具体的な化合物の例としては、塩化マレニル、マレニルイミド、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、テトラヒドロフタル酸ジメチル、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸ジメチル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メタクリル酸アミノエチルおよびメタクリル酸アミノプロピルなどを挙げることができる。
以下に、グラフト共重合する場合とラジカル共重合する場合とに分けて、具体的に説明する。
カルボジイミド基と反応する基を有するポリオレフィン(a)は、ポリオレフィン主鎖に対し、カルボジイミド基と反応する基を有する化合物(m)をグラフト共重合することによって得ることが可能である。
ポリオレフィン主鎖として用いられるポリオレフィンは、炭素数2〜20の脂肪族α−オレフィン、環状オレフィン、非共役ジエンを主成分とする重合体であり、好ましくは炭素数2〜10の脂肪族α−オレフィン、更に好ましくは2〜8の脂肪族α−オレフィンを主成分とする重合体である。これらのオレフィンは、1種単独でも2種以上でもよい。共重合体の場合、コモノマーとなるオレフィンの含有量は、本発明の効果が得られる限り特に限定されないが、通常50モル%以下であり、好ましくは40モル%以下、更に好ましくは30モル%以下である。このような範囲にあるポリオレフィンの中では、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンおよびこれらのα−オレフィン共重合体などの結晶性ポリオレフィンが好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはプロピレン・エチレン共重合体がより好ましい。また、これらはアイソタクチック構造、シンジオタクチック構造の両者ともに使用可能であり、立体規則性についても特段の制限はない。
カルボジイミド基と反応する基を有するポリオレフィン(a)をグラフト共重合により得る場合には、上記のグラフト主鎖となるポリオレフィンに、カルボジイミド基と反応する基を有する化合物(m)、更に必要に応じてその他のエチレン性不飽和単量体等をラジカル開始剤の存在下で、グラフト共重合する。
カルボジイミド基と反応する基を有するポリオレフィン(a)は、オレフィンとカルボジイミド基と反応する基を有する化合物(m)とをラジカル共重合することによっても得ることも可能である。オレフィンとしては、上述のグラフト主鎖となるポリオレフィンを形成する場合のオレフィンと同一のものを採用することが可能であり、また、カルボジイミド基と反応する基を有する化合物(m)も上述の通りである。
カルボジイミド基と反応する基を有するポリオレフィン(a)中におけるカルボジイミド基と反応する基を有する化合物(m)残基の含有量は、通常は0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜8.0重量%、さらに好ましくは0.1〜6.0重量%である。カルボジイミド基と反応する基を有する化合物(m)残基の含有量が、上記範囲であれば、ポリオレフィン(a)はカルボジイミド基含有化合物(b)と好適に架橋して、接着用重合体組成物(β)を製造することが可能となるため、好ましい。
カルボジイミド基含有化合物(b)は、下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するポリカルボジイミドである。カルボジイミド基含有化合物(b)は、1種単独でも2種以上でもよい。
−N=C=N−R1 ・・・ (1)
〔式中、R1は炭素数2から40の2価の有機基を示す。〕
カルボジイミド基含有化合物(b)としては、市販のカルボジイミド基含有化合物をそのまま使用することも可能である。市販のカルボジイミド基含有化合物としては、日清紡績ケミカル株式会社製カルボジライト(登録商標)HMV−8CA、HMV−15CAやカルボジライト(登録商標)LA1などが挙げられる。
前記接着用重合体組成物(β)に含有されるカルボジイミド基を有するポリオレフィンは、カルボジイミド基と反応する基を有するポリオレフィン(a)とカルボジイミド基含有化合物(b)とを好ましくは230℃以上にて反応させることにより得られる。接着用重合体組成物(β)は、具体的には、溶融変性などのように溶融混練することにより得ることが可能であるが、この方法に限定されるものではない。
上記のカルボジイミド基と反応する基を有するポリオレフィン(a)(リファレンス)と、カルボジイミド基を有するポリオレフィンを含む接着用重合体組成物(β)に対し、各々の熱プレスシ−トを作成した後に、赤外吸収分析装置を用いて赤外線吸収を測定する。得られたチャ−トから、ポリオレフィン(a)中のカルボジイミド基と反応する基に由来する吸光度と、該ポリオレフィン(a)中のカルボジイミド基と反応する基に由来する吸光度と接着用重合体組成物(β)中のカルボジイミド基と反応する基に由来する吸光度との差を比較して、下記式(2)を用いて反応率を計算できる。なお、カルボジイミド基と反応する基として無水マレイン酸を用いた場合は、1790cm-1付近の吸光度を用いることができる。
反応率(%)={X/Y}×100・・・(2)
X:ポリオレフィン(a)中のカルボジイミド基と反応する基に由来する吸光度と接着用重合体組成物中のカルボジイミド基と反応する基に由来する吸光度との差
Y:ポリオレフィン(a)中のカルボジイミド基と反応する基に由来する吸光度
前記接着用重合体組成物(β)は、カルボジイミド基を有するポリオレフィンを含み、そのカルボジイミド基の量は、接着用重合体組成物(β)100gあたり0.1〜50mmolであり、好ましくは0.2〜40mmolであり、より好ましくは0.5〜30mmolである。接着用重合体組成物(β)中のカルボジイミド基の量が前記範囲内であると、接着用重合体組成物(β)は接着性に優れるとともに、ポリオレフィン(a)の架橋を抑制することができるので好ましい。
前記接着用重合体組成物(β)のJIS K7112に準拠して測定された密度は、0.870〜0.940g/cm3であり、好ましくは0.875〜0.940g/cm3、更に好ましくは0.880g〜0.940/cm3である。接着用重合体組成物(β)の密度が前記範囲にあると、接着用重合体組成物(β)の安定生産性、成形加工性および接着性が良好であるため、好ましい。
本発明に係わる積層体を構成することのある層(C)は、上記重合体(α)および接着用重合体組成物(β)のいずれとも異なる重合体(γ)からなる。重合体(γ)としては、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、ポリオレフィン、ポリ乳酸、ポリケトン、ポリエステル、ポリアミド、エチレン・ビニルアルコール共重合体などが挙げられる。重合体(γ)は、1種単独でも2種以上であってよい。
本発明に係わる積層体を構成する層(C)として、ポリオレフィン層を用いることが好適である。
ポリオレフィン層は、ポリオレフィンを含んでなる。該ポリオレフィンとしては、炭素数が2〜20のα−オレフィンの単独重合体および共重合体が挙げられる。該ポリオレフィンは、1種単独でも2種以上であってもよい。α−オレフィンとして具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。またポリオレフィンには、α−オレフィン以外の他のモノマーが少量、例えば10モル%以下共重合されていてもよい。他のモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、極性基(例えば、カルボニル基、水酸基、エーテル結合基など)および重合性の炭素・炭素二重結合を分子中に有するモノマーが挙げられる。
本発明の積層体は、分子末端にCOOH基を有する重合体(α)からなる基材層(A)の少なくとも片面に、少なくとも一部が該層(A)に接する接着用重合体組成物(β)からなる接着層(B)が積層されてなる。
本発明に係わる積層体としては、例えば、(A)層/(B)層/(C)層の3種3層構造の積層体、および(A)層/(B)層/(C)層/(B)層/(A)層または(C)層/(B)層/(A)層/(B)層/(C)層の3種5層構造の積層体がより好ましいが、これらに限定されない。
積層体の製造方法は本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、例えば、(A)/(B)/(C)層の三層構造の積層体は次のような成形法により製造することができる。
[各種測定方法]
本実施例等においては、以下の方法に従って測定を実施した。
〔メルトフローレート(MFR)〕
ASTM D1238に従い、230℃、2.16kg荷重の下、測定を実施した。
〔密度〕
密度は、JIS K7112に準拠して測定した。
〔極限粘度[η]〕
重合体(α)の極限粘度[η]は、測定装置としてウベローデ粘度計を用い、温度25℃、96.5%硫酸中で測定した。具体的には、約0.5gの分子末端にCOOH基を有する重合体(α)を96.5%濃硫酸50mlに溶解させた。得られた溶液の、25±0.05℃の条件下での流下秒数を、ウベローデ粘度計を使用して測定し、以下の式に基づき算出した。
[η]=ηSP/(C(1+0.205ηSP))
[η]:極限粘度(dl/g)
ηSP:比粘度
C:試料濃度(g/dl)
上記ηSPは以下の式によって求めた。
ηSP=(t−t0)/t0
t:試料溶液の流下秒数(秒)
t0:ブランク硫酸の流下秒数(秒)
重合体(α)の融点(Tm)は、測定装置として示差走査熱量計(DSC220C型、セイコーインスツル(株)製)を用いて測定した。具体的には、約5mgの重合体(α)を測定用アルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/minで340℃まで加熱した。重合体(α)を完全融解させるために、340℃で5分間保持し、次いで、10℃/minで30℃まで冷却した。30℃で5分間置いた後、10℃/minで340℃まで2度目の加熱を行なった。この2度目の加熱でのピーク温度(℃)を重合体(α)の融点(Tm)とし、ガラス転移に相当する変位点をガラス転移温度(Tg)とした。
重合体(α)の末端カルボキシル基含量は以下の方法で測定される。
1H−NMR測定では、試料0.02gを1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール/クロロホルム-d=3/2(v/v)の混合溶媒0.6mlに加熱溶解させる。この溶液をグラスフィルター(G2)で濾過し、内径10mmのNMRチューブに装入する。そして日本電子(株)製ECA−500型NMR測定装置を用い、50℃で1H−NMR測定を行う。積算回数は、500回以上とする。
カルボジイミド基含有化合物の数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用い、テトラヒドロフラン溶媒(移動相)とし、カラム温度40℃で測定した(ポリスチレン換算、Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)。標準ポリスチレンは、分子量が580≦Mw≦7×106については、アジレント・テクノロジー(株)(旧ポリマーラボラトリーズリミテッド)社製ポリスチレンPS−1を用いた。
カルボジイミド基含有量は、仕込み量から算出した。
無水マレイン酸のグラフト量は、FT−IRを用いて次の方法にて測定した。
FT−IR測定は、試料を250℃、3分で熱プレスシ−トを作製した後に、赤外分光光度計(日本分光(株)社製、FT−IR410型)を用いて透過法で1790cm-1付近の赤外吸収スペクトルを測定した。測定条件は、分解能を2cm-1、積算回数を32回とした。
反応率(%)は、FT−IRにて測定された、接着性重合体組成物およびポリオレフィン(a)に対して測定した無水マレイン酸のグラフト量(接着性重合体組成物中の無水マレイン酸に由来する吸光度(1790cm-1)と、ポリオレフィン(a)中の無水マレイン酸に由来する吸光度)とを用いて、上記式(2)により算出した。
得られた積層体を15mm幅に切り取り、引張試験機を使用して180度ピール法にて、半芳香族ポリアミド層と接着用重合体組成物(β)(CDI−PP1)からなる層との界面の接着力(単位:N/15mm)、または、半芳香族ポリアミド層とMAH−PPからなる層との界面の接着力(単位:N/15mm)を室温23℃雰囲気下および100℃雰囲気下で測定した。また、得られた積層体を121℃の温水で30分間レトルト処理を行い、上記と同様に室温雰囲気下での接着力を測定した。クロスヘッドスピードは、300mm/minとした。
実施例及び比較例において使用したポリオレフィンを以下に示す。尚、特に断らない限り、該ポリオレフィンとしては、いずれも市販品を使用した。
(1)PP−1:ポリプロピレン(ランダムPP、MFR:7g/10分、密度:0.910g/cm3、(株)プライムポリマー社製)
(2)MAH−PP−2:無水マレイン酸変性ポリプロピレン(MFR:6g/10分、密度:0.890g/cm3、無水マレイン酸グラフト量:0.15%、三井化学(株)社製)
<カルボジイミド基と反応する基を有するポリオレフィン(a)の製造>
PP−1 100重量部に、無水マレイン酸(和光純薬工業(株)社製、以下、MAHと略記)1重量部、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3(日油(株)社製、商品名パーヘキシン(登録商標)25B)0.25重量部を混合し、二軸混練機((株)日本製鋼所製、TEX−30、L/D:40、真空ベント使用)を用いてシリンダー温度220℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量80g/分にて押し出し、マレイン酸変性ポリプロピレン(以下、MAH−PP−1と略記する)を得た。MAH−PP−1の密度は0.915g/cm3であった。
PP−1:90重量部、上記で製造したMAH−PP−1:10重量部、およびカルボジイミド基含有化合物(日清紡ケミカル(株)社製、商品名カルボジライト(登録商標)HMV−8CA、カルボジイミド基当量278、数平均分子量2100、1分子中のカルボジイミド基数が9個)1.7重量部を混合し、二軸混練機((株)日本製鋼所製、TEX−30、L/D=40、真空ベント使用)を用いてシリンダー温度250℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量80g/分にて押し出し、接着用重合体組成物(β)(以下、CDI−PP1と略記する)を製造した。
半芳香族ポリアミド樹脂(α−1(ポリアミド6T66))の調製
テレフタル酸2176g(13.1モル)、1,6−ヘキサンジアミン2800g(24.1モル)、アジピン酸1578g(10.8モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物5.7g及び蒸留水554gを内容量13.6Lのオートクレーブに入れ、窒素置換した。190℃から攪拌を開始し、3時間かけて内部温度を250℃まで昇温させた。このとき、オートクレーブの内圧を3.01MPaまで昇圧させた。このまま1時間反応を続けた後、オートクレーブ下部に設置したスプレーノズルから反応物を大気放出させて低縮合物を抜き出した。その後、低縮合物を室温まで冷却し、粉砕機で1.5mm以下の粒径まで粉砕した。そして、粉砕物を110℃で24時間乾燥させた。乾燥後の低縮合物の水分量は3600ppm、極限粘度[η]は0.14dl/gであった。
自動プレス成形機((株)神藤金属工業所製、NSF50)を使用し、下記方法により接着用重合体組成物(β)のシートを作成した。鉄板(3mm)/アルミ板(0.2mm)/ポリフッ化エチレンシート(0.3mm)/金枠(0.5mm)/ポリフッ化エチレンシート(0.3mm)/アルミ板(0.2mm)/鉄板(3mm)の順で重ね、金枠内部には接着用重合体組成物(β)のペレットを敷き詰めて成形ユニットを作成した。成形ユニットを加熱温度200℃に設定した自動プレス成形機に設置し、無加圧で予備加熱時間2分の加熱を実施後、面圧40Kgf/cm2の圧力下で加熱時間2分の加熱を実施した。
射出成形機(東芝機械(株)EC75N−2A)を使用し、成形機シリンダー温度:325度、金型温度:120℃の成形条件にて、厚さ半芳香族ポリアミド(α−1)の2mmの角板試験片を作成した。
重合体(γ)として前記PP−1を用い、上記の接着用重合体組成物(β)シートの作成と同様の手法により厚さ0.5mmのシートを作成した。
上記で製造した接着用重合体組成物(β)シートと半芳香族ポリアミドシートを重ね、ヒートシール機(テスター産業(株)社製TP−701−A・B)を用いて半芳香族ポリアミド側の温度を150℃、接着用重合体組成物(β)側の温度200℃、圧力0.1MPa、30秒間ヒートシールすることで、層間接着力測定用の2層積層体を得た。
上記で製造した積層体の層間接着力を測定した。結果を表1に示す。
実施例1で用いた接着用重合体組成物(β)に替えて、MAH−PP−2を接着層として用いる以外は実施例1と同様に行い積層体を得た。
結果を表1に示す。
上記の実施例1と比較例1において接着力に違いが生じた理由は定かでは無いが、以下のような機構ではないかと考察する。
すなわち、接着用重合体として比較例1で用いている無水マレイン酸変性ポリオレフィンを用いると、半芳香族ポリアミドの末端COOH基との間で共有結合もしくは水素結合とが形成される。
Claims (8)
- 分子末端にCOOH基を有する重合体(α)からなる基材層(A)の少なくとも片面に、下記(i)〜(iii)を満たす接着用重合体組成物(β)からなる接着層(B)を積層することを特徴とする積層体の製造方法。
(i)カルボジイミド基と反応する基を有するポリオレフィン(a)と、カルボジイミド基含有化合物(b)とが反応して形成されるポリオレフィンを含む。
(ii)該接着用重合体組成物100gに対し、カルボジイミド基を0.1〜50mmolの量で含む。
(iii)密度が0.870g/cm3〜0.940g/cm3である。 - 前記接着用重合体組成物(β)からなる接着層(B)の該接着層(B)の層(A)と接する面と反対側の面に、上記重合体(α)および重合体組成物(β)のいずれとも異なる重合体(γ)からなる層(C)を、少なくともその一部に積層することを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
- 前記の分子末端にCOOH基を有する重合体(α)が、半芳香族ポリアミドを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層体の製造方法。
- 前記半芳香族ポリアミドが、ジカルボン酸成分単位(c1)とジアミン成分単位(c2)から構成される請求項3に記載の積層体の製造方法。
- 前記ジカルボン酸成分単位(c1)が、テレフタル酸成分単位を少なくとも含む請求項4に記載の積層体の製造方法。
- 前記重合体(γ)が、ポリオレフィンを含むことを特徴とする請求項2〜5の何れか一項に記載の積層体の製造方法。
- 前記基材層(A)と前記接着層(B)とを積層し、任意に、さらに前記層(C)を積層した後、得られた積層体を温水中でレトルト処理することを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の積層体の製造方法。
- 分子末端にCOOH基を有する重合体(α)からなる基材層(A)と、少なくとも一部が該層(A)に接する接着用組成物(β)からなる接着層(B)とを含み、
該接着用組成物(β)が下記(i)〜(iii)を満たすことを特徴とする積層体。
(i)カルボジイミド基と反応する基を有するポリオレフィン(a)と、カルボジイミド基含有化合物(b)とが反応して形成されるポリオレフィンを含む。
(ii)該接着用組成物(β)100gに対し、カルボジイミド基を0.1〜50mmolの量で含む。
(iii)密度が0.870g/cm3〜0.940g/cm3である。
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