図1に、本発明を適用する回胴式遊技機を示す。回胴式遊技機は、一般にパチスロと呼ばれ、遊技機規則、すなわち平成16年(2004年)1月30日の国家公安委員会規則第1での改正を経た昭和60年(1985年)2月12日の国家公安委員会規則第4「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」に適合するスロットマシンである。以下、用語及びその技術内容は現行の遊技機規則に準ずる。
遊技機筐体8Bは、ハニカムリアキャビネット8R及びキャビネット枠8W、扉状の上下フロントキャビネット8E,8Fを備える。上フロントキャビネット8Eには、動画等をフルカラーで映し出す上部液晶表示装置71、サーチライトを模したドットマトリクス表示装置73、リールパネル8、展開及び収納可能な組ランプe1〜3をもつ左上可動ランプE1,同組ランプe4〜6をもつ右上可動ランプE2,同組ランプe7〜9をもつ左下可動ランプE3,同組ランプe10〜12をもつ右下可動ランプE4、左上ランプE5,右上ランプE6、リールパネル8を囲む門型ランプE7〜E11を備える。なお、左右は、遊技機に対面した遊技者目線における左右を意味する。
下フロントキャビネット8Fには、操作部8S、演出用の下部液晶ボタンABを兼用し且つ上部液晶表示装置71と協働した動画等を表示させる可動式ビジョンATVから成る下部液晶表示装置72、その両脇のサイドランプE12,E13を備える。91〜94はBGMや各種効果音等を出音するスピーカ、8Mはメダル払出口、8Gはメダル受皿である。筐体8Bの内部には、「ド、ド、ド、ドォー」等の重低音の再生により振動を発生させるウーハー90を内蔵している。
リールパネル8の透明な表示窓80の内部には、複数の可変表示要素となる左リール1L、中リール1C、右リール1Rを備え、それぞれのリール帯10L,10C,10Rの外周に全部で20コマ配列した図柄のうち連続する3コマを窓越しに臨ませている。定常回転時を含む通常の正転時、各図柄は上から下にスクロールする。表示窓80の窓越しに表示される複数列及び複数段の図柄表示位置、すなわち、左・中・右リール1L,1C,1Rの3列とそれぞれの上・中・下の3段との、列と段で特定される3×3=9個の図柄表示位置において、例えば中段ライン(左中−中中−右中)のみを有効ラインとしている。なお、他のラインを含めて2本以上のラインを有効ラインとしてもよい。
操作部8Sには、遊技媒体たる遊技メダルを投入するメダル投入口2i、開始ボタンbi・上下左右の移動ボタンb1〜4・終了ボタンboをもち、音量、光量、BGM、キャラクター等を選択変更できる実機カスタマイズ用の十字キーユニットBT、貯留装置の電磁的記録すなわちクレジットから一回の遊技に必要な規定数例えば3枚(3BET)の掛けメダルを引き落とすベットボタン3、クレジット等に残る数のメダルをメダル受皿8Gに落す精算ボタン4、各リール1L,1C,1Rの可変表示(回転)を開始させるスタートスイッチとなるスタートレバー5、各リール1L,1C,1Rに対応して設け、対応するリールの可変表示(回転)を個別に停止させるストップスイッチとなる左ストップボタン6L、中ストップボタン6C、右ストップボタン6R、メダル投入口2i下流のメダル詰り時に押すリジェクトボタン2R、ドアキーの操作穴8Kを備える。
また、現時のクレジット数を表示させるクレジット表示器DL1、入賞による払出メダル枚数を表示させると共に有利区間たるアシストタイムATによる指示機能の作動時に指示情報信号のコード(番号等)を表示させるメインモニタMAを兼ねるペイアウト表示器DL2、そのドットを利用し、有利区間への移行が決定された次遊技から有利区間中にあるとき点灯させ、有利区間が終了した次遊技からの通常区間中に消灯させる区間表示器Ek、充当掛けメダルが1枚、2枚、3枚になる毎に点灯させる1〜3枚ランプEL1〜3、掛けメダルが受付可能なとき点灯させるベットランプELb、スタートレバー5による始動操作が可能なとき点灯させるスタートランプELs、再遊技に係る図柄の組合せが表示されて再遊技が作動したとき点灯させるリプレイランプELrを含む遊技基本ランプ類30を備える。
ベットランプELbの点灯時、掛けメダルが0の状態でメダル投入口2iからメダル1枚を入れると1枚ランプEL1が点灯し、さらに1枚入れると2枚ランプEL2が点灯し、さらに1枚入れると3枚ランプEL3が点灯し、規定数に達する。規定数の掛けメダルになると、スタートランプELsが点灯し、スタートレバー5による始動操作が可能になる。規定数に達した状態からスタートレバー5を操作しないでメダル投入口2iにさらにメダルを入れると、クレジット表示器DL1のカウンタを進め、所定上限数である50枚まで貯留可能となる。入賞により払出されたメダルも50枚まではクレジットに加算され、50枚を超えて払出されたメダルは、メダル払出口8Mからメダル受皿8Gに受止められる。
図2に示すように、各リール帯10L,10C,10Rの外周面には、赤7、白7、青7、黒バー、ブドウ1、ブドウ2、チェリー、ベル、リプレイ、ブランクの全10種類の図柄を、図柄番号0,1〜19に対応させ且つ独特の縦の並びに従って印刷等により描いている。なお、ブドウ1はスイカ1に、ブドウ2はスイカ2にする等、図柄は任意選定可能である。
各リール1L,1C,1Rは20コマの図柄を配する20コマリールである。各リール1L,1C,1Rの駆動には、21コマリール駆動用の1ステップ角が約1.43度、1−2相励磁により504ステップで一回転する仕様のステッピングモータSMを用いている。21コマリールの場合、一図柄あたり504/21=24ステップの均等ステップ数を割付けることができるが、20コマリールでは、504/20=25.2で整数解にならないため、不均等ステップ数を割付けている。ステップ数の多い方を26、ステップ数の少ない方を24とし、図柄番号0〜19を5で割った整数解の余りが奇数となる図柄番号1,3,6,8,11,13,16,18の図柄に少ない方の24ステップを割付け、その他の図柄番号0,2,4,5,7,9,10,12,14,15,17,19の図柄に多い方の26ステップを割付けている。
図3に示すように、各リール1L,1C,1Rに駆動軸SHを直結させるステッピングモータSM(12L,12C,12R)は、鉄芯外周に多数のロータ小歯をもつ永久磁石内蔵式のロータRmと、磁極内周に複数のステータ小歯をもつ複数組の磁極にA相、B相、C相(Aバー相(Aの反転相))、D相(Bバー相(Bの反転相))の巻線を巻回したステータSwとを有し、定常回転時、一の巻線をオンにする1相励磁と、一の巻線及び隣接する他の巻線をオンにする2相励磁とを、一割込み時間例えばt=1.49ms毎に交互に繰返す1−2相励磁により、励磁パルスの1ステップ更新により半ステップ角(2ステップ更新により1ステップ角)ずつ変位させ、504のステップ更新で一回転させる。また、励磁パルスのステップ更新方向を変更することにより正転と逆転とを可能にしている。なお、ステッピングモータSMには、1−2相励磁により20の倍数である400等のステップ更新により一回転させる仕様のものを用い、1割込時間を1.875ms等としてもよい。
各リール1L,1C,1Rに対応して設ける各インデックスセンサIDs(11L,11C,11R)は、各リールの内側に取付ける半円帯状のインデックスID(1Li,1Ci,1Ri)のオンエッジとオフエッジとを半周毎に検出する。約100ms前後の所定の加速シーケンスに従う始動励磁パルスの更新後、約50msの停止禁止タイマー区間を確保した後、定常回転状態に到達したものとみなし、以後、オンエッジ又はオフエッジの検出により、表示窓80中の例えば上段に定める所定基準位置を通過中の図柄の図柄番号とステップ数を管理する図柄カウンタ及びステップカウンタを初期設定(初回)又は補正(2回目以降)する。
図柄カウンタ及びステップカウンタは、各リール1L,1C,1R毎に主制御装置MCのRWM上に確保している。オンエッジの検出時、図柄カウンタに例えば図柄番号8番の8を、ステップカウンタに図柄番号8番の図柄に割付けたステップ数24の初期値23から0に向けてカウントダウンする降順管理のステップ数の例えば1を上書きにより各格納する。オフエッジの検出時、図柄カウンタに図柄番号18番の18を、ステップカウンタに1を上書きにより各格納する。オンエッジ又はオフエッジの検出による初期設定が各リールについてされた後、停止表示器61,62,63の赤LED61R,62R,63Rの点灯を青LED61B,62B,63Bの点灯に変え、ストップボタン6L,6C,6Rの操作を受付可能にする。
なお、所定基準位置は有効ラインと一致させても一致させなくてもよく、表示窓80中の中段や下段に定めてもよいし、表示窓80外に定めてもよい。所定基準位置と有効ラインとが異なる場合には、所定基準位置に停止対象とする図柄を停止させると、有効ラインに当せん役に対応した図柄が表示される関係になるように所定基準位置の停止図柄を決定することになる。また、インデックスは、任意の固定した回転角においてリール一回転毎にオン又はオフが少なくとも1回検出されるものであれば、リールに一体化する突起物等をセンサで検知するものや、ステッピングモータのシャフトに一体化するディスクの切欠き等をセンサで検知するもの等、どのようなタイプのものでもよい。
定常回転時、各リール1L,1C,1Rは、504ステップと1割込時間1.49msを乗じた750.96msで一回転する。1分間に約80回転となる。図柄が一コマ移動するのに要する時間は、平均約37.55msとなる。遊技機規則において通常時のリール停止操作から停止までの原則的な第1規定時間「190ms以内」を最大4コマ滑りを許容しつつ余裕をもって達成するため、また、第二種特別役物の作動中の1個以上の特定リール(本実施形態では左リール1L)について求められる第2規定時間「75ms以内」を最大1コマ滑りを許容しつつ現に達成するため、1コマ未満の滑り(0コマ滑り)で最短停止させるストップボタン6L,6C,6Rの押下位置図柄を通過ステップ数に応じて決定する独特の制御を行っている。
すなわち、第1規定時間190ms以内での停止では、ステップカウンタの値が26ステップの図柄では25、24ステップの図柄では23のとき、現在図柄を0コマ目として上流に連続する5コマの範囲で停止図柄を決定し、ステップカウンタの値が26ステップの図柄では24〜0、24ステップの図柄では22〜0のとき、現在図柄を含まずに一つ上流の図柄を0コマ目として上流に連続する5コマの範囲で停止図柄を決定する。これにより、「190ms以内」の停止を最大4コマ滑りを許容しつつ余裕をもって達成できる。
また、第2規定時間75ms以内での停止では、ステップカウンタの値が26ステップの図柄では25〜22、24ステップの図柄では23と22のとき、現在図柄を0コマ目として上流に連続する2コマの範囲で停止図柄を決定し、ステップカウンタの値が26ステップの図柄も24ステップの図柄も何れも21〜0のとき、現在図柄を含まずに一つ上流の図柄を0コマ目として上流に連続する2コマの範囲で停止図柄を決定する。これにより、「75ms以内」の停止を最大1コマ滑りを許容しつつ現に達成することができる。
なお、リール停止時、図柄カウンタが更新され且つステップカウンタが初期値23又は25のとき等からステッピングモータSMのA〜D相の全相を励磁する全相励磁パルスを印加するようにしている。
検索対象の5コマ又は2コマから停止図柄を決定する優先順位は、再遊技役>入賞役>役物を原則とする。また、入賞役については、配当が最も高くなる図柄の組合せを構成する図柄を停止図柄に決定する枚数優先、又は、図柄の組合せの種類の数が最も多くなる図柄を停止図柄に決定する個数優先に従う。
上記優先順位は、停止制御時、内部抽せんの結果に基づいて、全リールの全20コマの図柄に対して予めRWM上で作成する停止候補検索データに反映させることができる。停止候補検索データは、例えば、当せん役に対応した図柄を有効ラインの中段に表示できる一つ上の上段図柄(所定基準位置にくる図柄)に、再遊技役なら最も値の大きい80H、入賞役なら40Hに枚数優先の場合は例えば配当8枚なら8を加えた48H、同個数優先の場合は例えば図柄の組合せ数4通りなら4を加えた44H等、役物なら20H、その他の図柄に10Hをセットしたもの等となる。特別役の当せん持ち越し時の内部中に、同一図柄を構成図柄にもつ再遊技役に当せんした場合、該当図柄に80H+20H=A0Hを、同一図柄を構成図柄にもつ入賞役に当せんした場合、該当図柄に48H+20H=68Hや44H+20H=64Hをセットしたもの等となる。第1番目、第2番目の停止後、表示対象外となる図柄は10Hに、図柄の組合せの種類数が減少する場合は減少後の図柄の組合せの種類数例えば42H等に、当せんしていない図柄の組合せが完成することとなる図柄には蹴飛ばして停止禁止とする00Hに書き換える。
検索対象の5コマ又は2コマに停止候補検索データ上で最高値となる最高優先順位の図柄が一つある場合、その最高優先順位の図柄を停止図柄に決定する。この場合、ロジック演算のみで停止制御が完結することになる。検索対象の5コマ又は2コマに最高優先順位の図柄が複数存在する場合、予めROMに常駐させた停止テーブルを参照して最高優先順位の図柄の中から一つを停止図柄に決定する。この場合、ロジック演算と停止テーブル参照処理とにより停止制御を完結させることになる。
遊技機筐体8Bの内部に組込む制御装置CNは、遊技を進行させる主遊技制御を担う所謂メイン側となる主基板に対応する主制御装置MCと、この主制御装置MCから一方向性通信仕様に従って送信する情報を受信して主制御装置MCでの決定事項に基づいて、遊技の進行に伴う演出制御を担う所謂サブ側となる周辺基板に対応する周辺制御装置SCとを含む。一方向性通信仕様とは、主基板に関して遊技機規則で規定する「周辺基板が送信する信号を受信することができるものでないこと」を満たす通信仕様をいう。
主制御装置MCは、ROM及びRWMを内蔵したメインCPUを備える。メインCPUは、Z80互換チップから成り、基本的なZ80仕様に所定の遊技機用拡張仕様を適用しており、例えば12MHzのシステムクロック動作環境下で使用している。入力ポートI1には、各リールのインデックスセンサIDs、各ストップボタン6L,6C,6R、ベットボタン3、精算ボタン4、スタートレバー5、投入口2i下流のメダルセレクター2に設ける投入センサーSEN0及び通過センサーSEN1,2、メダルセレクター2からメダルを引き継ぐRシュートに設けるRシュートセンサーSEN3、メダル払出装置HPの出口に設ける払出センサーSEN4、メダル払出装置HPのバケット容量を超えて余剰に投入されたメダルを貯める補助収納庫に設けるオーバーフローセンサーSEN5、フロントキャビネット8E,8Fの開放を検出するドア開閉スイッチSi1、内部抽せんでの当せん確率の組合せである設定を遊技場係員による操作により設定1(低)〜設定6(高)の6段階何れかに定める設定変更スイッチSi2等の各信号を入力している。
出力ポートO1から、LEDドライバDr0を介して各ストップボタンに内蔵する停止表示器61,62,63を、モータドライバDr1を介して各ステッピングモータSMを、LEDドライバDr2を介して遊技基本ランプ類30を、ソレノイドドライバDr3を介してメダルセレクター2からメダルを離脱させるブロッカー爪部28を突出させるブロッカーソレノイド28sを、モータドライバDr4を介してメダル払出装置HPのメダル払出モータHPmを各制御している。
メインCPUのROM上には、規定数のメダルを投入するメダル投入手段T、スタートレバー5の操作を契機に抽出する内部抽せん用の乱数値が、乱数範囲内において役に対応づけて区分した何れの当せんエリアに属するかに応じて、入賞、再遊技の作動、役物(役物連続作動装置を含む)の作動に係る何れかの当せん役又は不当せんを決定する内部抽せん手段K、スタートレバー5の操作後で且つ前遊技の開始から4.1秒経過後に全リールを正転側に加速して定常回転に到達させる回胴回転装置制御手段V1と、内部抽せんの結果に応じてRWM上で作成する停止候補検索データ並びに停止表示器61,62,63の青LED61B,62B,63Bの点灯下でする対応するストップボタン6L,6C,6Rの操作とに基づき、ロジック演算及び必要に応じた停止テーブルの参照処理により決定する停止図柄を個別に停止させる回転停止装置制御手段V2とを含むリール制御手段Vを設けている。
また、遊技結果が入賞なら所定配当数のメダルを払出すメダル払出手段M、遊技結果が再遊技の作動なら掛けメダルを自動投入するメダル自動投入手段N、遊技結果が再遊技の確率を変動させるリプレイタイムRTへの移行や役物作動中への移行等を伴うのなら遊技状態を移行させる遊技状態移行手段J、所定のフリーズ抽せんにより当せん役別に定めた所定確率により各リールを逆回転等させる所定の回胴演出の当否を決定するフリーズ抽せん手段W、その当せんに係る回胴演出を実行させる回胴演出実行手段Qを設けている。
さらに、有利区間たるアシストタイムATへの移行を設定差のない当せん役例えば後記チャンリプ1,2、強ベルリプによるチャンス役と関連付けた所定作動条件下で決定するAT作動決定手段H1、アシストタイムATの作動を延長させることとなる継続ゲーム数の上乗せを設定差のない前記チャンス役や後記RB中バーリプ等と関連付けた所定上乗せ条件下で決定するAT上乗せ決定手段H2、アシストタイムATの作動開始から作動終了までを管理するAT継続管理手段H3、高配当のメダルを獲得できる後記押し順ベル左1〜右2による択役についての正解押し順や第2リプレイタイムRT2への移行や維持のための正解押し順等の指示情報信号を主制御装置MCで管理するメインモニタMAに出力させると共に周辺制御装置SCで管理する上部液晶表示装置71に出力させるAT指示情報出力手段H4を設けている。
周辺制御装置SCは、ROM及びRWMをもつサブCPUを備える。サブCPUは、32ビットRISC(Reduced Instruction Set Computer)チップマイコンから成り、例えば200MHzを超えるシステムクロック動作環境下で使用している。サブCPUは、リアルタイムオペレーティングシステムRTOS(Real−Time Operating System)の管理下、画像演出や音声演出等に関するタスクに割当てるCPU時間、優先順位を制御することにより、適切且つ効率的なタスクの並行処理を可能にしている。
サブCPUは、汎用ポート制御機能Po、調歩同期式シリアルUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)及びクロック同期式シリアルによるシリアル通信機能Sr、I2C(Inter−Integrated Circuit)コントロール機能Ii等の、入出力ポートI2/O2を介した通信制御機能と共に、出力形態の異なる演出用デバイス毎の専用制御機能を統合した統合チップSOC(System On a Chip)から成るマイクロプロセッサである。
専用制御機能として、上下の液晶表示装置71,72に動画等を表示させる液晶表示機能Sy1、スピーカ91〜94及び/又はウーハー90から効果音等を出力させる音声出力機能Sy2、各種ランプE1〜E13及び表示窓80に臨む9つの図柄をリール帯の背面から照明するリールバックランプBL1〜9を点灯等させる電飾制御機能Sy3、可動ランプE1〜E4の展開及び収納用のモータm1〜m4を駆動させるモータ制御機能Sy4等の各種機能を内蔵する。RTCは、二次電池Btでバックアップするリアルタイムクロックであり、遊技待機中、同一機種間で、下部液晶表示装置72から上部液晶表示装置71に一斉に蝶が舞い上がる等の同期演出が行えるようにしている。
入力ポートI2には、主制御装置MCからの送信情報、十字キーユニットBT、下部液晶ボタンABの信号を入力している。主制御装置MCからの送信情報には、メイン側初期化完了情報、ベットボタン3の操作情報を含むメダル投入情報、スタートレバー5の操作情報を含むリール始動情報、内部抽せんによる当せんフラグ情報、ストップボタン6L,6C,6Rの操作情報、遊技結果情報、遊技状態情報、フリーズ及び回胴演出情報、AT作動情報、AT指示情報、AT上乗せ情報、AT終了情報、エラー情報等、主制御装置MCで検出し又は決定若しくは実行する各種制御情報が含まれる。
サブCPUによる演出制御の対象となる演出用デバイスには、上下の液晶表示装置71,72、ドットマトリクス表示装置73、各種ランプE1〜13及びリールバックランプBL1〜9、モータm1〜m4、スピーカ91〜94及びウーハー90を含む。また、各液晶表示装置71,72の背後に配置する面光源ユニットであって、パルス幅変調PWMによるデューティ比の変更により輝度を調整可能としたLEDバックライトによるディスプレイ用バックライト71B,72Bも含む。
各液晶表示装置71,72は、各LCDドライバDr5,6を介して制御し、各バックライト71B,72Bは、各LEDドライバDr7,8を介して制御している。ドットマトリクス表示装置73は専用のLEDドライバDr9を介して制御している。各種ランプE1〜13及びリールバックランプBL1〜9は、I2C仕様のLEDドライバDr10〜13を介して制御している。モータm1〜m4は、モータドライバDr14を介して制御している。スピーカ91〜94及びウーハー90は、デジタル/アナログ変換機能付きアンプDr15,16を介して制御している。下部液晶ボタンABをロックしてその押圧を禁止する下部液晶ボタンロッカーARは、ソレノイドドライバDr17を介して制御している。
サブCPUのROM上には、主制御装置MCから受信する主遊技制御の情報、及び/又は、周辺制御装置SCの現在の演出制御の情報に基づいて、サブ側の演出状態を管理して、各演出用デバイスの演出内容を決定する演出状態管理手段Zを設けている。この演出状態管理手段Zは、主遊技制御の情報及び/又は演出制御の情報に基づいて、演出対象とする複数の演出用デバイスで協働した演出、或は、特定の演出用デバイスによる単独の演出を実行させる演出メッセージを決定する演出メッセージ決定手段Yを含む。
演出状態管理手段Zの統括下、演出メッセージ決定手段Yで決定し且つ演出対象となる各演出用デバイスに指令する演出メッセージの実行により、演出対象となる各演出用デバイスを演出メッセージで指定する演出内容により作動させる。ここに、「指令」とは、主にサブCPU統括下の内部的な送受信処理を意味し、ジャンプ命令、サブルーチンコール命令、関数呼出し命令等の実行を含む。演出メッセージは、サブCPUのROM上に予め複数種類(多数)を定義している。
サブCPUのROM上には、演出メッセージの複数の組合せにより構築する次の各手段を設けている。すなわち、上部液晶表示装置71にAT指示情報出力手段H4から出力するAT指示情報信号に従ったナビ例えば正解押し順が「左中右」ならストップボタン位置に対応させて「123」等を表示させる表示ナビ手段X1、この表示ナビに連動してスピーカ91〜94から操作すべきストップボタンが左か中か右かを音声で知らせる音声ナビ手段X2を設けている。
また、遊技状態、回胴演出、ATによる有利区間等に応じて液晶表示装置71,72及びドットマトリクス表示装置73に映し出す動画等を変更表示させる画像演出手段X3、これに連動して各種ランプE1〜13の点灯及び発光色を制御するランプ演出手段X4、スピーカ91〜94から効果音やBGMを出音させる音声演出手段X5、モータm1〜4により可動ランプE1〜E4の展開及び収納を制御するメカ演出手段X6、下部液晶ボタンABの押圧タイミング等に合わせてウーハー90を作動させる振動演出手段X7等を設けている。
図4に、内部抽せんにおいて抽せん対象とする個々の条件装置(個々の当せん役(当せんフラグ))に対応する有効ライン上の図柄の組合せを示す。役物に係る特別役に、6種類の第一種特別役物に係る役物連続作動装置RBB1〜6と、2種類の第二種特別役物に係る役物連続作動CBB1,2を定義している。配当欄の二重丸は、役物が作動するという意味である。
役物でない非役物に係る通常役に、再遊技に係る役(再遊技役)REP1〜14と、入賞に係る役(入賞役(小役))NML1〜9を定義している。配当欄の一重丸は、再遊技が作動するという意味であり、数字は払出されるメダル枚数である。こぼしBLK1,BLK2は、特別役が未当せんの遊技状態時、後記押し順ベル左1〜押し順ベル右2の択役の当せん時に払出し0となる取りこぼし時に表示させ、再遊技の当せん仕様を後記RT1の状態に変動させる契機となる特定図柄の組合せである。一欄に複数の図柄を列挙しているものがあるが、例えばREP2については、左リール1Lの図柄は赤7又は青7又は黒バー又は白7という意味である。
NML1は、択役当せん時に不正解順序で停止操作したとき不正解図柄の組合せを表示させる1枚配当の低配当役である。左構成図柄たる左図柄は、最大4コマ滑りの範囲内で必ず有効ラインの中段に引込み可能な表示確率1の「リプレイ」である。中構成図柄たる中図柄は、図柄番号6〜15の10コマの何れかを中段に0コマ滑りで表示可能なタイミングで停止操作をしたとき最大4コマ滑りの範囲内で中段に引込み可能な第1図柄「ブドウ1」と、図柄番号7〜11の5コマの何れかを中段に0コマ滑りで表示可能なタイミングで停止操作をしたとき最大4コマ滑りの範囲内で中段に引込み可能な第2図柄「青7」である。右構成図柄たる右図柄は、図柄番号4〜13の10コマの何れかを中段に0コマ滑りで表示可能なタイミングで停止操作をしたとき最大4コマ滑りの範囲内で中段に引込み可能な第1図柄「ブドウ1」と、図柄番号8〜12の5コマの何れかを中段に0コマ滑りで表示可能なタイミングで停止操作をしたとき最大4コマ滑りの範囲内で中段に引込み可能な第2図柄「青7」である。
第1図柄の引込み範囲内に第2図柄の引込み範囲があり、何れの特別役の当せんもない特別役の未当せん時、一律、各表示確率1/2で第1図柄「ブドウ1」を中段に各表示させる。何れかの特別役に当せんしてその当せんの権利が持ち越された特別役の当せん持ち越し時、第2図柄「青7」を中段に表示可能な場合は「ブドウ1」に代えて「青7」を中段に各表示させ、「青7」を中段に表示不可な場合で「ブドウ1」を中段に表示可能な場合は「ブドウ1」を中段に各表示させる。
NML2は、同低配当役である。左図柄は「リプレイ」である。中図柄は、図柄番号0〜5,16〜19の10コマの何れかを有効ラインの中段に0コマ滑りで表示可能なタイミングで停止操作をしたとき最大4コマ滑りの範囲内で中段に引込み可能な第3図柄「ブドウ2」と、図柄番号17〜19,0,1の5コマの何れかを中段に0コマ滑りで表示可能なタイミングで停止操作をしたとき最大4コマ滑りの範囲内で中段に引込み可能な第4図柄「ブランク」である。右図柄は、図柄番号14〜19,0〜3の10コマの何れかを中段に0コマ滑りで表示可能なタイミングで停止操作をしたとき最大4コマ滑りの範囲内で中段に引込み可能な第3図柄「ブドウ2」と、図柄番号18,19,0〜2の5コマの何れかを中段に0コマ滑りで表示可能なタイミングで停止操作をしたとき最大4コマ滑りの範囲内で中段に引込み可能な第4図柄「ブランク」である。
第3図柄の引込み範囲内に第4図柄の引込み範囲があり、特別役の未当せん時、一律、各表示確率1/2で第3図柄「ブドウ2」を中段に各表示させる。特別役の当せん持ち越し時、第4図柄「ブランク」を中段に表示可能な場合は「ブドウ2」に代えて「ブランク」を中段に各表示させ、「ブランク」を中段に表示不可な場合で「ブドウ2」を中段に表示可能な場合は「ブドウ2」を中段に各表示させる。
NML3は、同低配当役である。左図柄は「リプレイ」である。中図柄は、図柄番号6〜15の10コマの何れかを有効ラインの中段に0コマ滑りで表示可能なタイミングで停止操作をしたとき最大4コマ滑りの範囲内で中段に引込み可能な第1図柄「ブドウ1」と、図柄番号7〜11の5コマの何れかを中段に0コマ滑りで表示可能なタイミングで停止操作をしたとき最大4コマ滑りの範囲内で中段に引込み可能な第2図柄「青7」である。右図柄は、図柄番号14〜19,0〜3の10コマの何れかを中段に0コマ滑りで表示可能なタイミングで停止操作をしたとき最大4コマ滑りの範囲内で中段に引込み可能な第3図柄「ブドウ2」と、図柄番号18,19,0〜2の5コマの何れかを中段に0コマ滑りで表示可能なタイミングで停止操作をしたとき最大4コマ滑りの範囲内で中段に引込み可能な第4図柄「ブランク」である。
第1図柄の引込み範囲内に第2図柄の引込み範囲があり、かつ、第3図柄の引込み範囲内に第4図柄の引込み範囲があり、特別役の未当せん時、一律、各表示確率1/2で中図柄には第1図柄「ブドウ1」を右図柄には第3図柄「ブドウ2」を中段に各表示させる。特別役の当せん持ち越し時、中図柄には、第2図柄「青7」を中段に表示可能な場合は「ブドウ1」に代えて「青7」を中段に表示させ、「青7」を中段に表示不可な場合で「ブドウ1」を中段に表示可能な場合は「ブドウ1」を中段に表示させ、右図柄には、第4図柄「ブランク」を中段に表示可能な場合は「ブドウ2」に代えて「ブランク」を中段に表示させ、「ブランク」を中段に表示不可な場合で「ブドウ2」を中段に表示可能な場合は「ブドウ2」を中段に表示させる。
NML4は、同低配当役である。左図柄は「リプレイ」である。中図柄は、図柄番号0〜5,16〜19の10コマの何れかを有効ラインの中段に0コマ滑りで表示可能なタイミングで停止操作をしたとき最大4コマ滑りの範囲内で中段に引込み可能な第3図柄「ブドウ2」と、図柄番号17〜19,0,1の5コマの何れかを中段に0コマ滑りで表示可能なタイミングで停止操作をしたとき最大4コマ滑りの範囲内で中段に引込み可能な第4図柄「ブランク」である。右図柄は、図柄番号4〜13の10コマの何れかを中段に0コマ滑りで表示可能なタイミングで停止操作をしたとき最大4コマ滑りの範囲内で中段に引込み可能な第1図柄「ブドウ1」と、図柄番号8〜12の5コマの何れかを中段に0コマ滑りで表示可能なタイミングで停止操作をしたとき最大4コマ滑りの範囲内で中段に引込み可能な第2図柄「青7」である。
第3図柄の引込み範囲内に第4図柄の引込み範囲があり、かつ、第1図柄の引込み範囲内に第2図柄の引込み範囲があり、特別役の未当せん時、一律、各表示確率1/2で中図柄には第1図柄「ブドウ1」を右図柄には第3図柄「ブドウ2」を中段に各表示させる。特別役の当せん持ち越し時、中図柄には、第4図柄「ブランク」を中段に表示可能な場合は「ブドウ2」に代えて「ブランク」を中段に表示させ、「ブランク」を中段に表示不可な場合で「ブドウ2」を中段に表示可能な場合は「ブドウ2」を中段に表示させ、右図柄には、第2図柄「青7」を中段に表示可能な場合は「ブドウ1」に代えて「青7」を中段に表示させ、「青7」を中段に表示不可な場合で「ブドウ1」を中段に表示可能な場合は「ブドウ1」を中段に表示させる。
NML5は、択役当せん時に正解順序で停止操作したとき正解図柄の組合せを表示させる8枚配当の高配当役である。「左図柄」−「中図柄」−「右図柄」は、各表示確率1の、「リプレイ」−「ベル」−「ベル」で、右下りラインに「ベル」を三つ揃いさせる。
NML6は、同高配当役であり、「左図柄」−「中図柄」−「右図柄」は、各表示確率1の、「ベル」−「ベル」−「ベル」で、中段ラインに「ベル」を三つ揃いさせる。
なお、これら高配当役NML5又はNML6に係る正解図柄の組合せについて、例えば中図柄を2種類以上とし、正解図柄の組合せ種類数を2以上としてもよい。すなわち、一の択役の当せんエリアにおける高配当役に係る正解図柄の組合せの種類数は、低配当役に係る不正解図柄の組合せの種類数以下としていればよい。逆に、一の択役の当せんエリアにおける低配当役に係る不正解図柄の組合せの種類数は、高配当役に係る正解図柄の組合せの種類数以上としていればよい。高配当役に係る正解図柄の組合せの種類数と低配当役に係る不正解図柄の組合せの種類数とが同数の場合、停止テーブルの参照処理により、高配当役に係る正解図柄の組合せよりも低配当役に係る不正解図柄の組合せの表示を優先させることができる。
低配当役NML1,2,3,4についての、それぞれの図柄の組合せの種類の数は、左図柄の1種類と中図柄の2種類と右図柄の2種類の積1×2×2=4種類となる。低配当役NML1,2,3,4の中図柄及び右図柄に「青7」又は「ブランク」を追加した直接的効果であり、一の択役の当せんエリア中における、低配当役に係る不正解図柄の組合せの種類の数は、高配当役に係る正解図柄の組合せの種類の数よりも多くしている。
よって、何れかの択役の当せん時、不正解順序で停止操作したとき、欄外の表示出目に示すように、個数優先の停止制御により、低配当役NML1,2,3,4に係る何れかの不正解図柄の組合せを高配当役NML5,6に係る何れかの正解図柄の組合せよりも優先的に表示させることができる。このとき、特別役の未当せん時は、第1図柄「ブドウ1」又は第3図柄「ブドウ2」を含む図柄の組合せを表示させる一方、特別役の当せん持ち越し時、第1図柄「ブドウ1」に代えて第2図柄「青7」を、第3図柄「ブドウ2」に代えて第4図柄「ブランク」を含む図柄の組合せを表示させることができる。
中リール1Cについて、第1図柄「ブドウ1」は3個配置しており、第2図柄「青7」はその引込み範囲が「ブドウ1」の引込み範囲内の一部と重複する位置に配置している。また、中リール1Cについて、第1図柄「ブドウ1」の引込み範囲外を、第3図柄「ブドウ2」の引込み範囲内としている。よって、停止操作のタイミングが同じでも、特別役の未当せん時は第1図柄「ブドウ1」を、特別役の当せん持ち越し時は第2図柄「青7」を適切に表示できると共に、特別役の未当せん時、第1図柄「ブドウ1」を表示できないとき第3図柄「ブドウ2」を表示できる。
同様に、右リール1Rについて、第3図柄「ブドウ2」は3個配置しており、第4図柄「ブランク」はその引込み範囲が「ブドウ2」の引込み範囲内の一部と重複する位置に配置している。また、右リール1Rについて、第3図柄「ブドウ2」の引込み範囲外を、第1図柄「ブドウ1」の引込み範囲内としている。よって、停止操作のタイミングが同じでも、特別役の未当せん時は第3図柄「ブドウ2」を、特別役の当せん持ち越し時は第4図柄「ブランク」を適切に表示できると共に、特別役の未当せん時、第3図柄「ブドウ2」を表示できないとき第1図柄「ブドウ1」を表示できる。
こぼしBLK1,BLK2は、第1図柄「ブドウ1」又は第3図柄「ブドウ2」を構成図柄に含むが、第2図柄「青7」又は第4図柄「ブランク」を構成図柄に含まない。仮に、「青7」又は「ブランク」をBLK1,BLK2の構成図柄に含ませると、「青7」又は「ブランク」を含む不正解図柄の組合せは特別役の当せん持ち越し時の内部中にしか表示しないため、d契機図柄による再遊技の確率変動が認められていない内部中にのみ表示するd契機図柄という訳の分からない図柄の組合せを定義してしまうことになり、遊技の公正を害する恐れが生じる。このため、BLK1,BLK2には「青7」又は「ブランク」は含まず、その特定図柄の組合せは、「リプレイ」−「ブドウ1又はブドウ2」−「リプレイ」、「リプレイ」−「ベル」−「ブドウ1又はブドウ2」としており、特別役の未当せん時、第1図柄「ブドウ1」又は第3図柄「ブドウ2」を取りこぼした場合に、こぼしBLK1又はBLK2を適切に表示できる。よって、特別役の未当せん時、表示出目を遊技者に見せながら、遊技機規則上の規定に抵触することなく、再遊技の当せん仕様を適切に変動させることができる。
一方、特別役の当せん持ち越し時、
NML1についての「リプレイ」−「青7」−「青7」、
NML2についての「リプレイ」−「ブランク」−「ブランク」、
NML3についての「リプレイ」−「青7」−「ブランク」、
NML4についての「リプレイ」−「ブランク」−「青7」、
等を表示でき、これらは、特別役の未当せん時には表示させないリーチ目として機能させることができ、特別役の当せんに対する期待感を効果的に煽ることができる。
なお、特別役の当せん持ち越し時である内部中は、「青7」又は「ブランク」を含むリーチ目も、「青7」又は「ブランク」を含まないその他の低配当役NML1,2,3,4に係る図柄の組合せも表示できないとき、こぼしBLK1,2以外の図柄の組合せに係る外れ出目を表示させるようにしている。
図5に、内部抽せんでのくじ(籤)、すなわち同時当せん(重複当せん)させる条件装置の内訳が異なるように定義した当せんエリアを示す。内部抽せんでは、スタートレバー5の操作時、主制御装置MCのRWM上で所定範囲例えば0〜65535の2バイトの数値範囲内で高速更新するカウンタから抽出する乱数値が、その数値範囲内0〜65535にて予め定めた当せん値数(置数)により区分したどの当せんエリアに属するかにより、当せんエリアに含まれる条件装置の当せん(当せんフラグ)を決定する。
当せんエリアは遊技状態に応じて異なる。遊技状態は次の10種類ある。
[1]非RT
特別役RBB1〜6,CBB1,2の作動終了後の復帰先となり、当せんエリア1,25,27,29,37,39の通常リプ、当せんエリア4,30,33のブドウリプ、当せんエリア5,31,34のチャンリプ1、当せんエリア6,32,35のチャンリプ2、当せんエリア7の強ベルリプを合わせた再遊技の確率を約1/7.3の最低値とした非リプレイタイム状態である。
[2]RT1
非RT又は次記RT2から、こぼしBLK1,2の表示により移行する、当せんエリア1,25,27,29,37,39の通常リプ、当せんエリア4,30,33のブドウリプ、当せんエリア5,31,34のチャンリプ1、当せんエリア6,32,35のチャンリプ2、当せんエリア7の強ベルリプ、当せんエリア8〜13のRT2移行リプ1〜6を合わせた再遊技の確率を約1/1.8と顕著に高めた第1リプレイタイム状態である。有利な次記RT2に昇格することも、不利な後記RT3に転落することもある。再遊技確率を次記RT2と同じように高くしているのは、非RTからのこぼしBLK1,2の表示後、手持ちのメダルを減らすことなくRT2に移行させるためである。また、RT2中のAT中に押し順ミスによりRT1に転落しても有利な状態を維持しながらRT2への復帰を可能にするためである。
[3]RT2
RT1からREP12の表示により昇格移行する、当せんエリア1,25,27,29,37,39の通常リプ、当せんエリア4,30,33のブドウリプ、当せんエリア5,31,34のチャンリプ1、当せんエリア6,32,35のチャンリプ2、当せんエリア7の強ベルリプを合わせた再遊技の確率を約1/1.8と顕著に高めた有利な第2リプレイタイム状態である。多くは、アシストタイムATの作動下、RT1からRT2移行リプ1〜6の当せん時にナビするREP12の表示により移行する。アシストタイムATの作動が継続する限り、こぼしBLK1,2の表示を回避してRT2に止まることができる。この第2リプレイタイム状態RT2が、アシストタイムATと高確率リプレイタイムRTとが融合したアシストリプレイタイムARTの作動場面となる。アシストタイムATの継続ゲーム数の減算もRT2の移行後から開始させる。
[4]RT3
RT1からREP13又は14の表示により転落移行する、当せんエリア1,25,27,29,37,39の通常リプ、当せんエリア4,30,33のブドウリプ、当せんエリア5,31,34のチャンリプ1、当せんエリア6,32,35のチャンリプ2、当せんエリア7の強ベルリプを合わせた再遊技の確率を約1/7.3の最低値とし、特別役の当せんがない限り、有限のゲーム数例えば255G(ゲーム)を消化するまで滞在する不利な第3リプレイタイム状態である。255G(ゲーム)の消化後、非RTに復帰するが、255Gの間、有利なRT2に移行することができない所謂ハマリRTとなる。最も不利な擬似一般の遊技状態ともなる。
[5]内部中
非RT、RT1、RT2、RT3の各一般中の遊技状態から、特別役RBB1〜6,CBB1,2の何れか一つに当せんするも当せん遊技で対応する作動図柄の組合せを表示できずに特別役の当せんフラグが持ち越された遊技状態である。当せんエリア1,25,27,29,37,39の通常リプ、当せんエリア4,30,33のブドウリプ、当せんエリア31,34のチャンリプ1、当せんエリア32,35のチャンリプ2を合わせた再遊技の確率を約1/4とやや高くし、内部中のメダルの減りをやや抑制できるようにしている。当せんエリア23〜39の特別役との重複当せんエリアは特別役の当せんのないエリアに、当せんエリア24〜38の特別役の単独当せんエリアは不当せんエリアになる。内部抽せんで不当せんエリアを引くと、持ち越された当せんに係る特別役に対応する作動図柄の組合せを表示させることができる。内部中も、役物は未作動のため、非RT、RT1、RT2、RT3と同様、入賞に係る当せんエリア16〜23の当せん値数の内訳は同一である。なお、アシストタイムATの作動中に特別役に当せんした場合、ATの残存ゲーム数を保証し、特別役の作動終了後、ATを再会させる。
[6]RB1中
黒バーの三つ揃いにより次ゲームから開始される第1特別役RBB1の作動中に常時作動させる第1の第一種特別役物RB1の作動中の遊技状態である。獲得メダル枚数が第1上限例えば299枚超過で第1特別役RBB1及びその第一種特別役物RB1の作動を終了させ、非RTに復帰する。RB1中に、不当せんはなく、多くのゲームで、12枚ベル1又は12枚ベル2に当せんし、12枚のメダルを獲得できる。また、やや低い確率でRB中煽りリプに当せんさせ、更に低い確率でRB中バーリプに当せんさせ、RB中バーリプの当せんによりアシストタイムATの作動や継続ゲーム数の上乗せを確定させる。さらに、12枚ベル1の当せん時に所定条件下でNML9の右上りベルを表示させ、アシストタイムATの作動や継続ゲーム数の上乗せに高確率で当せんさせるようにしている。これらは、以下のRB2中又はRB3中も同様である。
[7]RB2中
白7の三つ揃いにより次ゲームから開始される第2特別役RBB2の作動中に常時作動させる第2の第一種特別役物RB2の作動中の遊技状態である。獲得メダル枚数が第2上限えば203枚超過で第2特別役RBB2及びその第一種特別役物RB2の作動を終了させ、非RTに復帰する。
[8]RB3中
赤7の三つ揃いにより次ゲームから開始される第3特別役RBB3の作動中に常時作動させる第3の第一種特別役物RB3の作動中の遊技状態である。獲得メダル枚数が第3上限例えば107枚超過で第3特別役RBB3及びその第一種特別役物RB3の作動を終了させ、非RTに復帰する。
[9]RB4中
青7の三つ揃いにより次ゲームから開始される第4特別役RBB4、又は、「青7」−「青7」−「白7」により次ゲームから開始される第5特別役RBB5、若しくは、「青7」−「青7」−「赤7」により次ゲームから開始される第6特別役RBB6の、何れかの作動中に常時作動させる第4の第一種特別役物RB4の作動中の遊技状態である。獲得メダル枚数が第4上限例えば95枚超過で作動に係る特別役及びその第一種特別役物RB4の作動を終了させ、非RTに復帰する。RB4中は、12枚ベル1又は12枚ベル2のどちらかに当せんし、RB中バーリプによる上乗せ等の確定はない。
[10]CB中
「赤7」−「赤7」−「黒バー」により次ゲームから開始される第7特別役CBB1、若しくは、「青7」−「青7」−「黒バー」により次ゲームから開始される第8特別役CBB2の、何れかの作動中に常時作動させる第二種特別役物CBの作動中の遊技状態である。獲得メダル枚数が第5上限例えば47枚超過で作動に係る特別役CBB1又は2及びその第二種特別役物CBの作動を終了させ、非RTに復帰する。CB中は、全入賞役NML1〜9の当せん状態とし、毎遊技、NML7又は8の入賞により12枚のメダルを獲得できる。
当せんエリア17の押し順ベル左1は、NML1とNML2とNML5との重複当せんに係り、予め定めた正解順序である左第1停止の順押し(左中右、左右中)による停止操作がされたとき、枚数優先の停止制御により、投入メダル3枚以上の高配当の8枚のメダルを獲得できる高配当役NML5に係る正解図柄の組合せを表示させ、左第1停止以外の不正解順序で停止操作がされたとき、個数優先の停止制御により、投入メダル3枚を下回る低配当の1枚のメダルを獲得できる低配当役NML1又はNML2に係る不正解図柄の組合せを所定の表示確率1/2により表示させる。
当せんエリア18の押し順ベル左2は、NML3とNML4とNML5との重複当せんに係り、予め定めた正解順序である左第1停止の順押し(左中右、左右中)による停止操作がされたとき、枚数優先の停止制御により、投入メダル3枚以上の高配当の8枚のメダルを獲得できる高配当役NML5に係る正解図柄の組合せを表示させ、左第1停止以外の不正解順序で停止操作がされたとき、個数優先の停止制御により、投入メダル3枚を下回る低配当の1枚のメダルを獲得できる低配当役NML3又はNML4に係る不正解図柄の組合せを所定の表示確率1/2により表示させる。
当せんエリア19の押し順ベル中1は、NML1とNML3とNML6との重複当せんに係り、予め定めた正解順序である中第1停止の中押し(中左右、中右左)による停止操作がされたとき、枚数優先の停止制御により、投入メダル3枚以上の高配当の8枚のメダルを獲得できる高配当役NML6に係る正解図柄の組合せを表示させ、中第1停止以外の不正解順序で停止操作がされたとき、個数優先の停止制御により、投入メダル3枚を下回る低配当の1枚のメダルを獲得できる低配当役NML1又はNML3に係る不正解図柄の組合せを所定の表示確率1/2により表示させる。
当せんエリア20の押し順ベル中2は、NML2とNML4とNML6との重複当せんに係り、予め定めた正解順序である中第1停止の中押し(中左右、中右左)による停止操作がされたとき、枚数優先の停止制御により、投入メダル3枚以上の高配当の8枚のメダルを獲得できる高配当役NML6に係る正解図柄の組合せを表示させ、中第1停止以外の不正解順序で停止操作がされたとき、個数優先の停止制御により、投入メダル3枚を下回る低配当の1枚のメダルを獲得できる低配当役NML2又はNML4に係る不正解図柄の組合せを所定の表示確率1/2により表示させる。
当せんエリア21の押し順ベル右1は、NML1とNML2とNML5とNML6との重複当せんに係り、予め定めた正解順序である右第1停止の逆押し(右左中、右中左)による停止操作がされたとき、枚数優先の停止制御により、投入メダル3枚以上の高配当の8枚のメダルを獲得できる高配当役NML5又はNML6に係る正解図柄の組合せを表示させ、右第1停止以外の不正解順序で停止操作がされたとき、個数優先の停止制御により、投入メダル3枚を下回る低配当の1枚のメダルを獲得できる低配当役NML1又はNML2に係る不正解図柄の組合せを所定の表示確率1/2により表示させる。
当せんエリア22の押し順ベル右2は、NML3とNML4とNML5とNML6との重複当せんに係り、予め定めた正解順序である右第1停止の逆押し(右左中、右中左)による停止操作がされたとき、枚数優先の停止制御により、投入メダル3枚以上の高配当の8枚のメダルを獲得できる高配当役NML5又はNML6に係る正解図柄の組合せを表示させ、右第1停止以外の不正解順序で停止操作がされたとき、個数優先の停止制御により、投入メダル3枚を下回る低配当の1枚のメダルを獲得できる低配当役NML3又はNML4に係る不正解図柄の組合せを所定の表示確率1/2により表示させる。
以上、当せんエリア17〜22の何れかの択役の当せん時、配当の少ない不正解図柄の組合せを表示させる停止制御に適合させながら、不正解図柄の組合せを表示させる際、遊技状態に応じて適切に表示出目を変更できる本発明課題が効果的に達成される。
以上の実施形態では、特別役の種類によらず、何れかの特別役の当せん持ち越し時に「青7」又は「ブランク」を含む不正解図柄の組合せを表示可能としたが、特別役作動中の獲得メダル数が比較的多いいわゆる出玉の高い特別役の当せん持ち越し時のみに「青7」又は「ブランク」を含む不正解図柄の組合せを表示し、出玉の低い特別役の当せん持ち越し時には、特別役未当せん時と同様に「青7」又は「ブランク」を含まない不正解図柄の組合せを表示してもよい。また、出玉の高い特別役が複数ある場合に、その中でも特定の特別役の当せん持ち越し時のみに「青7」又は「ブランク」を含む不正解図柄の組合せを表示可能としてもよい。
また、アシストタイムATへの移行や継続ゲーム数等の上乗せ等、有利区間についての特典付き或は特典の大きな特別役と、そうでない特別役とがある場合に、有利区間についての特典付き或は特典の大きな特別役の当せん持ち越し時のみに「青7」又は「ブランク」を含む不正解図柄の組合せを表示し、有利区間についての特典のない或は特典の小さい特別役の当せん持ち越し時には、「青7」又は「ブランク」を含まない不正解図柄の組合せを表示してもよい。また、有利区間についての特典付の特別役が複数ある場合に、その中でも特定の特別役の当せん持ち越し時のみに「青7」又は「ブランク」を含む不正解図柄の組合せを表示可能としてもよい。
以上の実施形態において、「青7」又は「ブランク」は、何れか一つのリールについてのみ表示し、他の一つのリールについては「ブドウ1」又は「ブドウ2」を表示する、リーチ目として比較的弱い弱リーチ目を定義し、出玉の低い特別役や有利区間についての特典のない或は特典の小さい特別役の当せん持ち越し時に弱リーチ目を表示し、出玉の高い特別役や有利区間についての特典付き或は特典の大きな特別役の当せん持ち越し時に、複数のリールで「青7」又は「ブランク」を表示する強リーチ目を表示するようにしてもよい。
さらに、以上の実施形態では、「青7」又は「ブランク」を最大4コマ滑りで表示可能としたが、例えば0コマ滑り等の限定した滑りコマ数で停止操作できた場合に限り「青7」又は「ブランク」表示し、いわゆる目押しの難易度を高めてもよい。この場合、目押しに失敗した場合は「ブドウ1」又は「ブドウ2」を表示することになる。
以上の実施形態では、択役として、左第1停止、中第1停止、右第1停止の3択仕様のものを用いたが、正解押し順が、左中右、左右中、中左右、中右左、右左中、右中左の6択仕様のものを用いてもよい。「青7」、「ブランク」は例示であり、リール図柄の配列に応じて「赤7」、「白7」、「黒バー」等に代えてもよい。「ブドウ1」、「ブドウ2」についても同様である。以上の説明中、具体的数字や図柄等は一例示に過ぎない。