JP2019167074A - ウインドレギュレータ - Google Patents

Abstract

【課題】窓ガラスの移動方向における小型化が可能なウインドレギュレータを提供する。【解決手段】ウインドレギュレータ１は、ガイドレール２と、キャリアプレート３と、上昇側ケーブル４１及び下降側ケーブル４２のそれぞれの一部が巻き回されたドラム５２と、ガイドレール２の下端に設けられ、ドラム５２を収容する収容空間５４０が形成されたドラムハウジング５４と、を備え、ドラムハウジング５４は、収容空間５４０に収容されたドラム５２の外周に沿って設けられた壁部５５を有し、窓ガラス９０の全開状態においてキャリアプレート３と接触するドラムハウジング５４の接触面５４ｆが、窓ガラス９０が移動する上下方向における壁部５５の上端部よりも下方に設けられている。【選択図】図２

Description

本発明は、ウインドレギュレータに関する。

従来の技術として、車両の窓ガラスの昇降方向に沿って設けられるガイドレールと、ガイドレールと摺動して前記窓ガラスと共に移動するキャリアプレートと、キャリアプレートを牽引するケーブルと、ケーブルの一部が巻き回されたドラムと、ドラムを回転駆動するモータと、ガイドレールの下端に設けられ、モータ及びドラムを保持するハウジングと、を備えるウインドレギュレータが知られている（例えば、特許文献１参照）。

特開２０１６−２１７０９０号公報

特許文献１に記載のウインドレギュレータでは、ガイドレールの下端側にモータ及びハウジングが配置されているので、窓ガラスがガイドレール上を移動するのに必要な距離に加えて、モータ及びハウジングを配置するスペースだけ窓ガラスが移動する上下方向の寸法が大きくなるという問題があった。

そこで、本発明では、窓ガラスの移動方向における小型化が可能なウインドレギュレータを提供することを目的とする。

本発明は、上記課題を解決することを目的として、車両の窓ガラスの昇降方向に沿って設けられるガイドレールと、前記ガイドレールと摺動して前記窓ガラスと共に移動するキャリアプレートと、前記キャリアプレートを牽引するケーブルと、前記ケーブルの一部が巻き回されたドラムと、前記ドラムを回転駆動するモータと、前記ガイドレールの下端に設けられ、前記ドラムを収容する収容空間が形成されたドラムハウジングと、を備え、前記ドラムハウジングは、前記収容空間に収容された前記ドラムの外周側に設けられた壁部を有し、前記窓ガラスの全開状態において前記キャリアプレートと接触する前記ドラムハウジングの接触面が、前記窓ガラスが移動する上下方向における前記壁部の上端部よりも下方に設けられている、ウインドレギュレータを提供する。

本発明に係るウインドレギュレータによれば、窓ガラスの移動方向における小型化が可能である。

図１は、本実施の形態に係るウインドレギュレータ、及びウインドレギュレータが設けられる車両のドアを示す全体概略図である。 図２（ａ）は、本実施の形態に係るウインドレギュレータの構成を示す正面図であり、図２（ｂ）は図２（ａ）におけるＡ−Ａ線に沿った断面図である。 図３は、本実施の形態に係るウインドレギュレータの構成を示す背面図である。 図４は、ドラムハウジングの構成を示す斜視図である。 図５（ａ）〜（ｆ）は、ドラムハウジングの構成を示す平面図である。 図６は、図２（ａ）に示すウインドレギュレータのドラムハウジング及びその周辺部を拡大した拡大図である。

（実施の形態の要約）
本実施の形態に係るウインドレギュレータ１は、車両の窓ガラス９０の昇降方向に沿って設けられるガイドレール２と、ガイドレール２と摺動して窓ガラス９０と共に移動するキャリアプレート３と、キャリアプレート３を牽引する上昇側ケーブル４１及び下降側ケーブル４２と、上昇側ケーブル４１及び下降側ケーブル４２のそれぞれの一部が巻き回されたドラム５２と、ドラム５２を回転駆動するモータ５１と、ガイドレール２の下端に設けられ、ドラム５２を収容する収容空間５４０が形成されたドラムハウジング５４と、を備え、ドラムハウジング５４は、収容空間５４０に収容されたドラム５２の外周側に設けられた壁部５５を有し、窓ガラス９０の全開状態においてキャリアプレート３と接触するドラムハウジング５４の接触面５４ｆが、窓ガラス９０が移動する上下方向における壁部５５の上端部よりも下方に設けられている。

このウインドレギュレータ１は、窓ガラスの全開状態においてキャリアプレートと接触するドラムハウジングの接触面が、窓ガラスが移動する上下方向における壁部の上端部よりも上方に設けられている場合に比較して、モータ及びドラムの位置を上方に設けることができるので、ウインドレギュレータの上下方向における寸法が短縮化される。つまり、窓ガラスの移動方向における小型化が可能である。

［実施の形態］
本実施の形態に係るウインドレギュレータ１は、例えば自動車のドア９の窓ガラス９０を昇降するための装置であり、自動車のドアパネルに取り付けられて使用される。

（ウインドレギュレータの概要）
図１は、本実施の形態に係るウインドレギュレータ１、及びウインドレギュレータ１が設けられる車両のドア９を示す全体概略図である。図２（ａ）は、本実施の形態に係るウインドレギュレータの構成を示す正面図であり、図２（ｂ）は図２（ａ）のけるＡ−Ａ線断面図である。図３は、本実施の形態に係るウインドレギュレータの構成を示す背面図である。なお、図１は、窓ガラス９０の全閉状態を示し、ドア９及び窓枠を二点鎖線で示す。またさらに図１において、紙面の左側を車両前後方向の前方側、紙面の右側を車両前後方向の後方側とするなお、以下の説明において、窓ガラス９０の移動方向を単に上下方向（後述する図５に示す矢印Ｘ）という。

図１に示すように、ウインドレギュレータ１は、車両のドア９に設けられた図略のドアパネル内に格納され、窓ガラス９０の昇降方向に沿って設けられたガイドレール２と、ガイドレール２と摺動して窓ガラス９０と共に移動するキャリアプレート３と、キャリアプレート３を牽引する上昇側ケーブル４１及び下降側ケーブル４２と、上昇側ケーブル４１及び下降側ケーブル４２の巻き取り及び繰り出しを行うための駆動力を発生する駆動部５と、を備えて概略構成されている。

（ガイドレールの構成）
ガイドレール２は、長板状の金属板を所定の曲率で折り曲げて形成された金属製の部材であり、ドア９に対して車両前後方向の後方側に傾いて配置されている。また、ガイドレール２は、図２（ｂ）に示すように、その長手方向に延びる平板部２０と、平板部２０における長手方向に直交する幅方向の両端部から立設された第１及び第２の側板部２１，２２と、を一体に有している。第１及び第２の側板部２１，２２には、それぞれの先端部から平板部２０とは反体側に張り出した第１及び第２の鍔部２１０，２２０が設けられている。図２では、第１及び第２の側板部２１，２２が紙面の手前側に突出している。

（キャリアプレートの構成）
キャリアプレート３は、例えばポリアセタール等の樹脂によって形成された板状の部材である。キャリアプレート３は、上昇側ケーブル４１及び下降側ケーブル４２の一端が係止する本体部３０と、本体部３０から車両前後方向に張り出して窓ガラス９０と結合される第１及び第２の結合部３１，３２と、を有している。第１及び第２の結合部３１，３２には、それぞれ、窓ガラス９０と結合するための図略の結合部材が取り付けられる取付穴３１ａ，３２ａが形成されている。

図３に示すように、キャリアプレート３の本体部３０には、ガイドレール２の第１及び第２の側板部２１，２２に摺動する第１乃至第３の摺動部３０１〜３０３が設けられている。第１及び第２の摺動部３０１がガイドレール２の第１の側板部２１に摺動し、第３の摺動部３０３がガイドレール２の第２の側板部２２に摺動する。

（上昇側ケーブル及び下降側ケーブルの構成）
上昇側ケーブル４１は、一端部がキャリアプレート３に連結され、ガイドレール２の上端に配置されたプーリー６０を介して、他端部が後述する駆動部５のドラム５２に連結されている。下降側ケーブル４２は、一端部がキャリアプレート３に連結され、他端部がドラム５２に連結されている。プーリー６０とドラム５２との間に配策される上昇側ケーブル４１は、ガイドレール２の長手方向における中央部に設けられたケーブル支持部８０によって支持されている。これにより、上昇側ケーブル４１の振動に起因した異音が抑制されている。

プーリー６０は、ガイドレール２の上端に固定されたプーリーブラケット７０に軸支されている。プーリーブラケット７０は、金属製の部材であり、プーリー６０を回転可能に支持する中央部７００と、中央部７００の両端からそれぞれ延びて形成された第１及び第２のパネル固定部７０１，７０２とを有している。第１及び第２のパネル固定部７０１，７０２には、プーリーブラケット７０をドアパネルに固定するための固定孔７０１ａ，７０２ａがそれぞれ形成されている。

また、プーリー６０は、ガイドレール２の平板部２０が車両前後方向に切欠いて形成された一端部２００の近傍に配置されている。ガイドレール２の一端部２００は、ガイドレールの長手方向の上端側の端部であり、平板部２０よりもガイドレールの長手方向に直交する方向の寸法が小さくなるように形成されている。プーリー６０は、ガイドレール２の一端部２００と車両前後方向に沿って並んでいる。これにより、ガイドレール２の上方にプーリー６０が配置される場合に比較して、ウインドレギュレータ１の上下方向の寸法の短縮化が図ることができる。

（駆動部の構成）
図２（ａ）及び図３に示すように、駆動部５は、減速機付きのモータ５１と、モータ５１によって回転駆動され、回転することにより上昇側ケーブル４１及び下降側ケーブル４２の巻き取り及び繰り出しを行う円柱状のドラム５２（図２（ａ）の破線部）と、ガイドレール２の下端に設けられ、モータ５１を保持するモータハウジング５３及びモータハウジング５３に固定されてドラム５２を収容するドラムハウジング５４からなるハウジング５０と、を有している。

モータ５１は、後述するモータハウジング５３のモータ保持部５３０に保持されて、ドラム５２の回転軸Ｏを回転中心として所定の角度だけ傾いて配置されている。モータ５１の出力軸にはウォームホイール等からなる減速ギヤが噛み合うように連結され、この減速ギヤの一部がモータハウジング５３のモータ保持部５３０に収容されている。

モータハウジング５３は、モータ５１及び減速機を保持するモータ保持部５３０と、ドラムハウジング５４の開口を覆うドラムカバー部５３１と、を一体に有している。ドラムカバー部５３１には、モータハウジング５３をドラムハウジング５４に対して締結するための第１乃至第３の締結部５３１ａ〜５３１ｃが設けられている。第１乃至第３の締結部５３１ａ〜５３１ｃには、例えばボルト及びナット等の締結部材が取り付けられる。

（ドラムハウジングの詳細）
ドラムハウジング５４について図４及び図５を参照して詳細に説明する。図４は、ドラムハウジング５４の構成例を示す斜視図である。図５（ａ）〜（ｆ）は、ドラムハウジング５４の構成を示す平面図であり、図５（ａ）は上面図であり、図５（ｂ）は正面図であり、図５（ｃ）は左側面図であり、図５（ｄ）は右側面図であり、図５（ｅ）は底面図であり、図５（ｆ）は背面図である。なお、図５（ｂ）及び図５（ｆ）では、ガイドレール２を二点鎖線で示している。

ドラムハウジング５４は、ガイドレール２の下端に設けられ、ドラム５２を収容する収容空間５４０と、収容空間５４０に収容されたドラム５２の外周側に設けられた壁部５５と、を有している。壁部５５は、収容空間５４０に収容されたドラム５２がドラムハウジング５４と回転軸Ｏ方向に沿って当接する当接面５４０ｄの外縁から、回転軸Ｏ方向に沿って立ち上がるように設けられている。また、壁部５５は、ドラム５２の外周面を覆うように配置されている。また、収容空間５４０には、ドラム５２を回転可能に支持する軸部５４０ａが設けられている。軸部５４０ａは、当接面５４０ｄから開口側に向かって突出している。

図５（ｂ）に示すように、ドラムハウジング５４の壁部５５は、収容空間５４０に対して上下方向における上側に位置する上壁５４１と、収容空間５４０に対して上下方向における下側に位置する下壁５４２と、収容空間５４０に対して上下方向に直交する方向の両側にそれぞれ位置する第１及び第２の側壁５４３，５４４と、を一体に有している。

上壁５４１は、ドラム５２の回転軸Ｏ方向に沿って見た場合に、上下方向の上側に膨らむように湾曲した円弧状である。下壁５４２は、ドラム５２の回転軸Ｏ方向に沿って見た場合に、上下方向の下側に膨らむように湾曲した円弧状である。

下壁５４２は、ドラム５２の回転軸Ｏを中心とした円弧状であり、第１の側壁５４３が下壁５４２の周方向における一端から直線状に延びて形成され、第２の側壁５４４が下壁５４２の周方向における他端から直線状に延びて形成されている。

上壁５４１と第１の側壁５４３との間には、ドラム５２に巻き回された上昇側ケーブル４１を外部へ導出するための上昇側導出溝５４０ｂが形成されている。また、上壁５４１と第２の側壁５４４との間には、ドラム５２に巻き回された下降側ケーブル４２を外部へ導出するための下降側導出溝５４０ｃが形成されている。上昇側導出溝５４０ｂ及び下降側導出溝５４０ｃは、収容空間５４０に連通し、かつ、上方側及び正面側に開口している。

上壁５４１及び下壁５４２は、ドラム５２の外周の外側に設けられ、かつ、上昇側導出溝５４０ｂ及び下降側導出溝５４０ｃを介して略環状に形成された壁部である。本実施の形態では、上壁５４１及び下壁５４２は、ドラム５２の外周に沿うように設けられている。また、上壁５４１は、ドラム５２の半径方向に沿って所定の厚みを有する板状である。上壁５４１の厚みＴは、例えば２〜５ｍｍである（後述する図６参照））。

ドラムハウジング５４には、窓ガラス９０の全開状態におけるキャリアプレート３の位置（以下、この位置を最下端位置という）において、キャリアプレート３の底面３０ａ（図６参照）と接触する平坦な接触面５４ｆが形成されている。接触面５４ｆは、収容空間５４０に対して下降側導出溝５４０ｃ側に位置し、上壁５４１の外面５４１ａよりも下側に位置している。

ドラムハウジング５４の接触面５４ｆには、上下方向に深さを有する矩形状の取付穴５４ｇが形成されている。この取付穴５４ｇには、キャリアプレート３との接触による衝撃を緩和するための弾性体５４８が配置されている（図６参照）。

ドラムハウジング５４には、モータハウジング５３の第１乃至第３の締結部５３１ａ〜５３１ｃがそれぞれ固定される第１乃至第３の固定部５４ａ〜５４ｃが設けられている。第１乃至第３の固定部５４ａ〜５４ｃは、それぞれの中心点を結んで三角形をなすように配置され、収容空間５４０を取り囲む位置に配置されている。第１の固定部５４ａは収容空間５４０に対して上側に位置し、第２及び第３の固定部５４ｂ，５４ｃは収容空間５４０に対して下側に位置している。

図５（ａ）に示すように、ドラムハウジング５４には、ガイドレール２の下端が嵌合する嵌合穴５４５が形成されている。嵌合穴５４５は、収容空間５４０の背面側に位置している。また、ドラムハウジング５４には、上壁５４１の外面５４１ａから上方向に延びて、ガイドレール２の第２の鍔部２２０を支持する第１及び第２の支持壁５４６，５４７が設けられている。

第１及び第２の支持壁５４６，５４７は、回転軸Ｏ方向に沿って隙間を介して対向し、当該隙間にガイドレール２の第２の鍔部２２０が収容されて第１及び第２の支持壁５４６，５４７に挟まれている。

ドラムハウジング５４を車両の車幅方向に沿って見た場合に、嵌合穴５４５に嵌合したガイドレール２の少なくとも一部が、下降側導出溝５４０ｃ及び、収容空間５４０と重なる位置に設けられている。これにより、本実施の形態に係るガイドレール２はドラムハウジング５４の下降側導出溝５４０ｃをまたぐように位置するので、ガイドレール２の剛性が向上する。ここで、嵌合穴５４５の上下方向の深さをｄは、例えば３２ｍｍである。

次に、キャリアプレート３の詳細並びに本発明の作用及び効果について、図６を参照して説明する。図６は、図２（ａ）に示すウインドレギュレータのドラムハウジング及びその周辺部を拡大した拡大図である。なお、図６では、窓ガラス９０及び従来のドラムハウジングＡの形状の一部を二点鎖線で示している。

（キャリアプレート３の詳細）
図６に示すように、キャリアプレート３の本体部３０の底面３０ａは、キャリアプレート３の最下端位置において、ドラムハウジング５４の接触面５４ｆと接触する平坦面である。また、キャリアプレート３には、窓ガラス９０を上下方向に保持する第１及び第２保持壁３１０，３２０が設けられている。第１保持壁３１０は第１の結合部３１の取付穴３１ａの下側に配置され、第２保持壁３２０は第２の結合部３２の取付穴３２ａの下側に配置されている。

キャリアプレート３は、窓ガラス９０の全開状態においてドラムハウジング５４の壁部５５における上壁５４１の外面５４１ａと対向する対向面３０ｂを有している。この対向面３０ｂは、壁部５５における上壁５４１の外面５４１ａに沿った円弧状である。これにより、キャリアプレート３及び窓ガラス９０が移動に必要な移動距離（窓ガラス９０を全閉状態から全開状態にするのに必要な移動距離）を確保している。

具体的に述べると、キャリアプレート３がドラムハウジング５４の上壁５４１の外面５４１ａと対向する対向面が上壁５４１の外面５４１ａに沿った形状でない場合には、キャリアプレート３の底面３０ａがドラムハウジング５４の接触面５４ｆに接触する前に、キャリアプレート３とドラムハウジング５４の上壁５４１とが衝突してしまい、キャリアプレート３が最下端位置まで移動できないため、窓ガラス９０の全開することができないという問題が生じる。そこで、本実施の形態では、キャリアプレート３がドラムハウジング５４の上壁５４１と対向する面を上壁５４１の外面５４１ａに沿った形状にすることにより、上記したキャリアプレート３とドラムハウジング５４との衝突を回避して、窓ガラス９０及びキャリアプレート３の移動距離を確保している。さらに、キャリアプレート３の小型軽量化にも寄与している。

なお、キャリアプレート３の対向面３０ｂの形状はこれに限定されず、ドラムハウジング５４の上壁５４１の外面に沿った形状であればよい。つまり、ドラムハウジング５４の上壁５４１の外面が平坦状である場合には、キャリアプレート３の対向面を平坦にしてもよい。

キャリアプレート３の最下端位置において、キャリアプレート３がドラムハウジング５４と接触する際には、キャリアプレート３の底面３０ａによって弾性体５４８が押しつぶされて、キャリアプレート３の底面３０ａとドラムハウジング５４の接触面５４ｆとが接触する。なお、弾性体５４８がキャリアプレート３と接触する面も、本発明における「キャリアプレートと接触するドラムハウジングの接触面」に含むものとする。つまり、キャリアプレート３の底面３０ａによって弾性体５４８が完全に押し潰されず、弾性体５４８を除いた接触面５４ｆとキャリアプレート３の底面３０ａとが非接触となっている場合でも、ドラムハウジング５４の接触面５４ｆはキャリアプレート３と接触しているものとする。

（作用及び効果）
窓ガラス９０の全開状態におけるキャリアプレート３の最下端位置において、キャリアプレート３と接触するドラムハウジング５４の接触面５４ｆが、上下方向Ｘにおける壁部５５の上端部よりも下方に設けられている。より詳細には、ドラムハウジング５４の接触面５４ｆは、壁部５５の上壁５４１の外面５４１ａよりも下方に位置している。

換言すれば、ドラムハウジング５４の上壁５４１の外面５４１ａがドラムハウジング５４の接触面５４ｆよりも上方に位置している。つまり、本実施の形態では、従来の特許文献１に記載のウインドレギュレータに比較して、モータ５１及びドラム５２のドラムハウジング５４における位置を上方に配置している。これにより、ウインドレギュレータ１の移動方向における寸法の短縮化を実現している。

ここで、「ドラムハウジング５４の接触面５４ｆが、上下方向Ｘにおける上壁５４１の外面５４１ａよりも下方に設けられている」とは、接触面５４ｆが、外面５４１ａの周方向における最も上側に位置する頂点Ｐよりも、上下方向Ｘにおいて、少なくとも下方に位置していることをいう。なお、接触面５４ｆは、ドラム５２の外周面と対向する上壁５４１の内面の周方向における最も上側に位置する頂点Ｑよりも、上下方向Ｘにおいて、少なくとも下方に位置している。

次に、従来のドラムハウジングＡとの対比で本発明の作用について説明する。従来のドラムハウジングＡは、キャリアプレート３と接触する接触面が上壁５４１の外面５４１ａよりも上方に位置していることを除き、本実施の形態に係るドラムハウジング５４と同じ構成である。

従来のドラムハウジングＡでは、キャリアプレート３が本実施の形態に係るドラムハウジング５４の接触面５４ｆから上方に距離Ｌだけ隔てた位置でドラムハウジングと接触することになる。ここで、距離Ｌは、ドラムハウジング５４の接触面５４ｆと従来のドラムハウジングＡのキャリアプレート３と接触する面との間の上下方向の距離である。

そうすると、窓ガラス９０の移動距離は車両によって予め定められる固定の値であるので、窓ガラス９０の移動距離を確保するためにはガイドレール２を距離Ｌだけ伸ばす必要がある。換言すれば、本実施の形態では、接触面５４ｆを壁部５５の上壁５４１の外面５４１ａよりも下方に位置させることにより、ウインドレギュレータ１の移動方向における寸法を距離Ｌだけ短縮できている。

以上説明したように、本実施の形態では、窓ガラス９０の全開状態におけるキャリアプレート３の最下端位置において、キャリアプレート３と接触するドラムハウジング５４の接触面５４ｆが、上下方向Ｘにおける壁部５５の上端部よりも下方に設けられているので、ウインドレギュレータ１の移動方向における小型化が可能である。

なお、本実施の形態では、上壁５４１の外面５４１ａがドラム５２の外周に沿った円弧状であるが、上壁５４１の外面の形状はこれに限定されず、例えば平坦面であってもよい。

以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。

本実施の形態では、ウインドレギュレータ１の窓ガラスの移動方向における小型化を図ることで、車両のドアパネル内にウインドレギュレータ１を組付ける際の組付性の向上にも寄与している。より詳細に述べると、ウインドレギュレータ１が収容されるドアパネル内は、車両のレイアウトによって事前に定められることが一般的であり、この制限された空間に対していかにウインドレギュレータを収めるかが重要な課題となる。

特に、ガイドレールの下端側にモータ及びドラムを配置した、いわゆる、下端ドライブ式のウインドレギュレータにおいては、窓ガラスの長手方向においてスペースを必要とする。さらに、ウインドレギュレータの下端部とドアパネルの底面との間には、組付け作業に必要な隙間を設けなければならないので、ウインドレギュレータの窓ガラスの移動方向における寸法の短縮化は重要な問題である。

また、ウインドレギュレータの窓ガラスの移動方向における寸法は、窓ガラスの移動距離と、キャリアプレートのサイズ、およびモータ及びハウジングのサイズで概ね決定される。従って、キャリアプレートのサイズを小さくすることによっても、上記した問題を解決することができる。しかし、キャリアプレートを小型化することによって窓ガラスに対する保持力が低下して、窓ガラスの移動が不安定になるおそれがある。

そこで、本発明の出願人は、ハウジングにおけるモータ及びドラムの配置に着目し、上記問題の解決を図った。つまり、キャリアプレート３との接触面５４ｆよりドラムハウジング５４の上壁５４１の外面５４１ａを上方に位置させることで、窓ガラス９０の移動距離を維持しつつ、ウインドレギュレータ１の窓ガラス９０の移動方向における小型化を可能にした。

１…ウインドレギュレータ ２…ガイドレール
３…キャリアプレート ５…駆動部
９…ドア ２０…平板部
２１…第１の側板部 ２２…第２の側板部
８０…ケーブル支持部 ３０…本体部
３０ａ…底面 ３０ｂ…対向面
４１…上昇側ケーブル ４２…下降側ケーブル
５０…ハウジング ５１…モータ
５２…ドラム ５３…モータハウジング
５４…ドラムハウジング ５４ｆ…接触面
５５…壁部 ９０…窓ガラス
２００…一端部 ５４０…収容空間
５４１…上壁 ５４１ａ…外面
５４２…下壁 ５４３…第１の側壁
５４４…第２の側壁 ５４５…嵌合穴
５４８…弾性体

Claims (5)

1. 車両の窓ガラスの昇降方向に沿って設けられるガイドレールと、
   前記ガイドレールと摺動して前記窓ガラスと共に移動するキャリアプレートと、
   前記キャリアプレートを牽引するケーブルと、
   前記ケーブルの一部が巻き回されたドラムと、
   前記ドラムを回転駆動するモータと、
   前記ガイドレールの下端に設けられ、前記ドラムを収容する収容空間が形成されたドラムハウジングと、を備え、
   前記ドラムハウジングは、前記収容空間に収容された前記ドラムの外周側に設けられた壁部を有し、
   前記窓ガラスの全開状態において前記キャリアプレートと接触する前記ドラムハウジングの接触面が、前記窓ガラスが移動する上下方向における前記壁部の上端部よりも下方に設けられている、
   ウインドレギュレータ。
2. 前記ドラムハウジングには、前記ガイドレールの下端が嵌合する嵌合穴と、前記ケーブルを外部へ導出する下降側導出溝と、が形成され、
   前記ドラムハウジングを前記車両の車幅方向に沿って見た場合に、前記嵌合穴に嵌合した前記ガイドレールの少なくとも一部が、前記下降側導出溝をまたぐように位置している、
   請求項１に記載のウインドレギュレータ。
3. 前記キャリアプレートは、前記窓ガラスの全開状態において前記ドラムハウジングの前記壁部における外面と対向する対向面を有し、
   前記対向面が、前記壁部の外面に沿った形状である、
   請求項１又は２に記載のウインドレギュレータ。
4. 前記壁部は、前記ドラムの半径方向に沿って所定の厚みを有する板状である、
   請求項１乃至３の何れか１項に記載のウインドレギュレータ。
5. 車両の窓ガラスの昇降方向に沿って設けられるガイドレールと、
   前記ガイドレールと摺動して前記窓ガラスと共に移動するキャリアプレートと、
   前記キャリアプレートを牽引するケーブルと、
   前記ケーブルの一部が巻き回されたドラムと、
   前記ドラムを回転駆動するモータと、
   前記ガイドレールの下端に設けられ、前記ドラムを収容する収容空間が形成されたドラムハウジングと、を備え、
   前記ドラムハウジングは、前記収容空間に収容された前記ドラムの外周を覆うように設けられた壁部を有し、
   前記壁部は、前記収容空間に収容された前記ドラムが前記ドラムハウジングと前記ドラムの回転軸方向に沿って当接する当接面の外縁から、前記ドラムの回転軸方向に沿って立ち上がるように設けられ、
   前記窓ガラスの全開状態において前記キャリアプレートと接触する前記ドラムハウジングの接触面が、前記窓ガラスが移動する上下方向における前記壁部の上端部よりも下方に設けられている、
   ウインドレギュレータ。
   

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