JP2019165111A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダイシング領域の存在時において、半導体チップ及びダイシング用マーク間の放電現象を抑制し、信頼性を高めた半導体装置を得る。【解決手段】半導体チップ10のポリイミド膜11は、ダイシング領域4a〜4dのいずれかにTEG2が設けられている場合、4辺のうちTEG2に隣接するマーク隣接辺におけるポリイミド膜11の形成幅を、4辺のうち上記マーク隣接辺に該当しない少なくとも一つの非該当辺における形成幅より広くしている。半導体チップ10の右辺及び下辺がマーク隣接辺となり、半導体チップ10の上辺及び左辺が少なくとも一つの非該当辺となる。したがって、半導体チップ10の右辺及び下辺におけるポリイミド膜11の形成幅W2は、半導体チップ10の上辺及び左辺におけるポリイミド膜1の形成幅W1より広く設定される。【選択図】図1

Description

この発明は、炭化珪素を構成材料とし、ウエハに半導体チップが設けられる構造の半導体装置に関する。特にウエハに設けられる半導体チップ、ダイシング領域及びダイシング用マークの平面構造に関する。
従来、ダイシングラインにインラインTEG(Test Element Group)やマーク等のダイシング用マークを配置した半導体装置が存在する。このような半導体装置として例えば特許文献1で開示された半導体装置がある。
上記半導体装置に対し、一般にウエハプロセス途中あるいはウエハプロセス後のテスト工程として、インラインテスト,サンプルテスト(以下、「ST」と略記する場合あり)、ウエハテスト(以下、「WT」と略記する場合あり)及びチップテストが実施される。そのうち、ダイシング工程によりも前に実施されるインラインテスト、ST及びWTは、ダイシングによりTEGやマークの一部が部分破断または完全に消失する前段階のテストとなるため、ダイシングライン上にTEGやマークが完全に残った状態で実施される。
特開2011−14605号公報
従来の半導体装置は、ダイシング前に実施するインラインテストやSTにおいて、ダイシングライン上にTEGが完全に残っており、チップの開口部における電極領域とTEGとの間で生じる沿面放電が生じる問題点があった。
チップ表面を絶縁膜としてポリイミド等の封止材料でアノード等の電極領域を被覆する場合、後工程のワイヤボンド処理(以下、「WB」と略記する場合あり)のためにチップ中央部に開口部を設ける構造を採用しているため、開口部に露出した電極領域とTEGとの間での放電を抑制することは困難であった。
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、ダイシング領域の存在時におおいて、半導体チップとダイシング用マークとの間の放電現象を抑制し、信頼性を高めた半導体装置を得ることを目的とする。
この発明に係る請求項1記載の半導体装置は、炭化珪素を構成材料とし、ウエハにチップが設けられる半導体装置であって、前記ウエハに設けられ、各々が平面視矩形状の少なくとも一つのチップと、前記ウエハに設けられ、前記少なくとも一つのチップそれぞれの4辺に隣接して配置される4つの辺隣接ダイシング領域と、前記ウエハに設けられ、前記少なくとも一つのチップに隣接して選択的に配置されるダイシング用マークとを備え、前記少なくとも一つのチップは、それぞれ平面視して、対向する辺に向かう方向を形成幅方向として、4辺それぞれから開口部を残存しつつ形成される絶縁膜を有し、前記絶縁膜は、前記4つの辺隣接ダイシング領域のいずれかに前記ダイシング用マークが設けられている場合、4辺のうち前記ダイシング用マークに隣接するマーク隣接辺における前記絶縁膜の形成幅を、4辺のうち前記マーク隣接辺に該当しない少なくとも一つの非該当辺における形成幅より広くしたことを特徴としている。
請求項1記載の本願発明は上記特徴を有することにより、チップの表面電極が通常設けられる開口部とダイシング用マークとの沿面距離を比較的長く設定することができる。
このため、請求項1記載の本願発明は、4つの辺隣接ダイシング領域の存在時に半導体チップを動作させる際、ダイシング用マークと少なくとも一つのチップとの間で放電現象を発生させない高い信頼性を得ることができる。
実施の形態1の半導体装置の平面構造を模式的に示す平面図である。 実施の形態2の半導体装置の平面構造を模式的に示す平面図である。 実施の形態3の半導体装置の全体平面構造を模式的に示す平面図である。 図3の一部を詳細に示す平面図である。 実施の形態4の半導体装置の全体平面構造を模式的に示す平面図である。 図5の一部を詳細に示す平面図である。 実施の形態5の半導体装置の全体平面構造を模式的に示す平面図である。 図7の一部を詳細に示す平面図である。 実施の形態6の半導体装置の平面構造を模式的に示す平面図である。 従来の半導体装置の問題点を模式的に示す説明図である。 放電対策として採用されている従来の半導体装置を模式的に示す説明図である。
<前提技術>
図10は従来の半導体装置の問題点を模式的に示す説明図である。図10にXY直交座標系を記している。図10に示すように、従来の半導体装置は、炭化珪素を構成材料とした図示しないSiCウエハに半導体チップ30が設けられる。
半導体チップ30は平面視して矩形状に形成される。半導体チップ30は平面視して対向する辺に向かう方向を形成幅方向として、4辺それぞれから開口部12を残存しつつ形成される絶縁膜であるポリイミド膜11を有している。開口部12の大部分の領域にはアノード領域等の図示しない電極領域が露出した状態で形成されている。
半導体チップ30の周辺領域にダイシングライン用の周辺ダイシング領域44が設けられる。周辺ダイシング領域44内であるインラインにTEG2が選択的に設けられる。例えば、図10に示すように、ダイシング用マークであるTEG2は、半導体チップ30の4辺のうち、−Y方向側である下辺にのみ隣接して設けられる。
しかしながら、図10に示すように、半導体チップ30に隣接する周辺ダイシング領域44にTEG2を配置すると、半導体チップ30の動作時、具体的には、半導体チップ30内に構成される半導体素子への高電圧印加時に、半導体チップ30とTEG2との間で放電40が生じ易くなるという問題点があった。
図11は放電対策として採用されている従来の改良型半導体装置を模式的に示す説明図である。図11にXY直交座標系を記している。図11に示すように、ある程度の大面積が必要なアルミ電極をTEG3としてダイシングラインとなる周辺ダイシング領域44上に配置する場合、TEG3の平面形状の縦横比を極端に設定し、非常に細長い長方形とした半導体装置が考えられる。具体的には、図11に示すように、Y方向に細長いTEG3が形成されている。
その結果、図11で示す改良型半導体装置は、開口部12とTEG3との距離を図10で示す半導体装置に比べ長くすることができ、放電が生じるリスクの低減化を図っている。しかしながら、図11で示す改良型半導体装置においても、放電対策が十分でなく放電現象を確実に回避することができていないという問題点を残している。
<技術考察>
図10における開口部12とTEG2との沿面距離について考察する。
大気中ではおよそ3(kV/mm)以上で放電すると仮定すれば、沿面放電させないために必要な距離d[mm]は、「d≧(素子耐圧)/(3kV/mm)…(1)」を目安に設計する必要がある。
例えば、半導体チップの素子耐圧が600,1000,1500,3000,及び6000[V]である場合、半導体チップそれぞれ必要な距離dは0.2,0.3,0.5,1.0,及び2.0[mm]となる。
以下、炭化珪素半導体として3kV耐圧のSiCを構成材料としたMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)のウエハプロセス後のウエハに10mm角程度の平面視正方形状の半導体チップを設ける場合を考える。
上述した平面形状の半導体チップの沿面放電のリスクを低減するために、半導体チップの平面形状を規定する4辺のうち、ダイシング領域にTEGを配置している辺であるマーク隣接辺の形成幅を、4辺のうちマーク隣接辺以外の非該当辺における形成幅より約0.2mm以上、より望ましくは約1.0mm以上に大きく設計すればよい。この場合、少なくとも素子耐圧が3000V以下の半導体チップに関し沿面放電のリスクを確実に回避することができる。
WBに用いるアルミワイヤ径と本数から要求される開口部12の一辺の長さが6.0〜8.0mm程度の場合、従来の半導体チップの非該当辺におけるポリイミド膜11の形成幅が1.5mm程度であるのに対して、マーク隣接辺におけるポリイミド膜11の形成幅を2.0mm程度にまで広めることができる。
また、以下で述べる実施の形態では、放電対策の目的を優先しているため、半導体チップのポリイミド膜11の平面形状に関し上下左右の対称性が維持できていないものがある。すなわち、後工程において、ポリイミド膜11の平面形状が互いに異なる複数種の半導体チップを処理する必要が生じる。
例えば、上記複数種の半導体チップに対しワイヤボンド処理を実行する場合、画像処理技術レベルを工夫して量産すべく、自動処理を行う必要がある。
この場合、第1の方法として、開口部12、すなわち、ワイヤボンド処理が可能な領域を自動認識する方法がある。具体的には半導体チップのエッジでチップ認識させるだけでなく、上記複数種の半導体チップにおける互いに異なるポリイミド膜11の平面形状をパターン認識させている。したがって、第1の方法では、開口部12でない領域、すなわち、開口部12の周辺に存在するポリイミド膜11上でWBする不具合が生じないようにすることができる。
第2の方法として、半導体チップの配置を90゜、180゜あるいは270°回転させる方法がある。具体的には半導体チップに形成される半導体素子がMOSFETの場合はゲートパッドが存在するので、回転の自由度はないため第2の方法の採用は困難である。
一方、半導体チップに形成される半導体素子がSBD(Schottky Barrier Diode)の場合には、第2の方法を採用することができる。この場合、複数種の半導体チップそれぞれのポリイミド膜11の形成幅に関し、形成幅の広い辺、形成幅の狭い辺の位置を統一することにより、パターン認識において共通する方向の開口部12の領域を広くすることが可能となり、その分、設計マージンやプロセスマージンを高めることができる結果、歩留向上を図ることができる。
上述した第1及び第2の方法を採用可能な構造を実現すれば、ポリイミド膜11の平面形状に関し上下左右対称な従来の半導体チップ同様、適切な位置でワイヤボンド処理を行うことができる。よって、従来の半導体装置と同様、後工程を良好に処理することを維持したまま、放電を抑制する構造の半導体装置を得ることが可能となる。
このような技術考察を経て、上述した前提技術である従来の半導体装置の問題点の解消を図ったのが以下に述べる実施の形態である。
<実施の形態1>
図1は実施の形態1の半導体装置の平面構造を模式的に示す平面図である。図1にXY直交座標系を記している。図1に示すように、実施の形態1の半導体装置は、炭化珪素を構成材料とした図示しないSiCウエハに半導体チップ10が設けられる。
半導体チップ10は平面視して平方形もしくは正方形に近い矩形状に形成される。半導体チップ10は、平面視して対向する辺に向かう方向を形成幅方向として、4辺それぞれから開口部12を残存しつつ形成される絶縁膜であるポリイミド膜11を有している。例えば、半導体チップ10の+X側の辺である右辺に着目した場合、右辺から平面視して対向する左辺に向かう方向を形成幅方向としている。開口部12の大部分の領域にはアノード領域等の図示しない電極領域が露出して状態で形成されている。なお、図1に示すように、開口部12の平面形状も矩形状となる。この際、開口部12の角部に丸みをもたせても良い。
半導体チップ10の周辺領域にダイシングライン用の周辺ダイシング領域が設けられる。周辺ダイシング領域には以下で述べる4つの辺隣接ダイシング領域が含まれる。
以下、図1に示すように、半導体チップ10の矩形を構成する4辺のうち、+Y方向の上辺、+X方向の右辺、−Y方向の下辺及び−X方向の左辺に隣接する4つの辺隣接ダイシング領域をダイシング領域4a、4b、4c及び4dとして説明する。
半導体チップ10の4辺に隣接するダイシング領域4a〜4dに対し選択的にダイシング用マーク2であるTEG2が設けられる。実施の形態1では、図1に示すように、ダイシング領域4a〜4dのうち、ダイシング領域4b及び4cにそれぞれTEG2が設けられる。
半導体チップ10のポリイミド膜11は、ダイシング領域4a〜4dのいずれかにTEG2が設けられている場合、4辺のうちTEG2に隣接するマーク隣接辺におけるポリイミド膜11の形成幅を、4辺のうち上記マーク隣接辺に該当しない少なくとも一つの非該当辺における形成幅より広くしている。
具体的には、半導体チップ10の右辺及び下辺がマーク隣接辺となり、半導体チップ10の上辺及び左辺が少なくとも一つの非該当辺となる。したがって、半導体チップ10の右辺及び下辺におけるポリイミド膜11の形成幅W2は、半導体チップ10の上辺及び左辺におけるポリイミド膜1の形成幅W1より広く設定される。
実施の形態1の半導体装置は、ダイシング領域4a〜4dのいずれかにTEG2が設けられている場合、4辺のうちTEG2に隣接するマーク隣接辺におけるポリイミド膜11の形成幅W2を、4辺のうち少なくとも一つの非該当辺における形成幅W1より広くしていることを特徴としている。
実施の形態1の半導体装置は、上記特徴を有することにより、半導体チップ10の表面電極が露出した状態で通常設けられる開口部12とTEG2との沿面距離を比較的長く設定することができる。具体的には、ポリイミド膜11の開口部12とTEG2との沿面距離を上述した式(1)を満足する距離d以上に設定することができる。
このため、実施の形態1の半導体装置は、ダイシング領域4a〜4dの存在時に半導体チップ10を動作させる際、ダイシング用マークであるTEG2と少なくとも一つのチップである半導体チップ10との間で放電現象を発生させない高い信頼性を得ることができる。
<実施の形態2>
図2は実施の形態2の半導体装置の平面構造を模式的に示す平面図である。図2にXY直交座標系を記している。図2に示すように、実施の形態2の半導体装置は、炭化珪素を構成材料とした図示しないSiCウエハにY方向である縦方向に隣接して2つの半導体チップ100及び200が設けられる。
半導体チップ100及び200はそれぞれ平面視して正方形もしくは正方形に近い矩形状に形成される。半導体チップ100及び200は、実施の形態1の半導体チップ10と同様、それぞれ平面視して対向する辺に向かう方向を形成幅方向として、4辺それぞれから開口部12を残存しつつ形成される絶縁膜であるポリイミド膜11を有している。そして、半導体チップ100及び200それぞれ4辺におけるポリイミド膜11の形成幅を形成幅W1で統一している。
半導体チップ100及び200の周辺領域にダイシングライン用の周辺ダイシング領域が設けられる。以下、図2に示すように、半導体チップ100及び200それぞれの矩形を構成する4辺に隣接して、実施の形態1と同様、4つの辺隣接ダイシング領域をダイシング領域4a、4b、4c及び4dとする。さらに、半導体チップ100及び200それぞれの矩形を構成する4角に隣接して設けられる角隣接ダイシング領域をダイシング領域4xとする。周辺ダイシング領域は上述した4つの辺隣接ダイシング領域及び4つの角隣接ダイシング領域を含んでいる。
半導体チップ100及び200の4角に隣接する角ダイシング領域4xのみに対し選択的にダイシング用マーク2であるTEG2が設けられる。図2に示すように、半導体チップ100のダイシング領域4cの両端の延長方向にある右下方の角部及び左下方の角部に2つのTEG2が設けられる。なお、2つのTEG2は一部が半導体チップ100のダイシング領域4cに延びて設けられる。また、半導体チップ100のダイシング領域4cは半導体チップ200のダイシング領域4aとして共用している。
実施の形態2の半導体装置は、半導体チップ100及び200それぞれの角部に隣接して存在するダイシング領域4xのみに2つのTEG2が選択的に設けられることを特徴としている。
実施の形態2の半導体装置は上記特徴を有することにより、半導体チップ100及び200それぞれの表面電極が通常設けられる開口部12とTEG2との沿面距離を長く設定することができる。なぜなら、角部のTEG2から半導体チップ10への沿面距離は(√2)・W1程度となり、形成幅W1より長くなるからである。
このため、実施の形態2の半導体装置は、ダイシング領域4a〜4d及びダイシング領域4xの存在時に半導体チップ100及び200を動作させる際、ダイシング用マークであるTEG2と少なくとも一つのチップである半導体チップ100及び200それぞれとの間で放電現象を発生させない高い信頼性を得ることができる。
さらに、実施の形態2の半導体装置は、半導体チップ100及び200それぞれのポリイミド膜11の形成幅は形成幅W1で統一されているため、開口部12の広さを十分に確保することができる。その結果、ポリイミド膜11の平面形状の上下左右対称性を維持することができる。
なお、実施の形態2では、半導体チップ100及び200の平面形状を正方形状で示したが、長方形、正六角形などの多角形や円の平面形状を採用してもよい。この場合、半導体チップの中心となる、対角線の交点からの距離に関して、特に工夫せずとも角部までの距離を長くすることができる。
<実施の形態3>
図3は実施の形態3の半導体装置の全体平面構造を模式的に示す平面図である。図4は図3の一部を詳細に示す平面図である。図3及び図4それぞれにXY直交座標系を記している。
図3及び図4に示すように、実施の形態3の半導体装置は、炭化珪素を構成材料としたSiCウエハ1に半導体チップ101〜105、半導体チップ201〜205、半導体チップ301〜305、及び半導体チップ401〜405がマトリクス状に配置される設けられる。以下、半導体チップ101〜105、半導体チップ201〜205、半導体チップ301〜305、半導体チップ401〜405全体を示す場合、「複数の半導体チップ100P」と称する。さらに、複数の半導体チップ100Pそれぞれに共通する単一の半導体チップを代表して示す場合、単に「半導体チップ10S」と称する。複数の半導体チップ100P及び半導体チップ10Sの呼称は、以降で述べる実施の形態4及び実施の形態5においても共通に使用する。
実施の形態3の半導体装置は、複数の半導体チップ100PがX方向及びY方向に沿ってマトリクス状に配置される。半導体チップ10Sは平面視して正方形もしくは正方形に近い矩形状に形成される。半導体チップ10Sは、平面視して対向する辺に向かう方向を形成幅方向として、4辺それぞれから開口部12を残存しつつ形成される絶縁膜であるポリイミド膜11を有している。
複数の半導体チップ100Pそれぞれの周辺領域にダイシングライン用の周辺ダイシング領域が設けられる。以下、実施の形態1と同様、半導体チップ10Sの矩形を構成する4辺のうち、上辺、右辺、下辺及び左辺に隣接する4つの辺隣接ダイシング領域をダイシング領域4a、4b、4c及び4dとして説明する。
複数の半導体チップ100Pに対し選択的にダイシング用マークであるTEG2が設けられる。
したがって、複数の半導体チップ100Pは、ダイシング領域4a〜4dのいずれかにTEG2が設けられている少なくとも一つのマーク隣接チップと、ダイシング領域4a〜4dの全てにTEG2が設けられていない少なくとも一つのマーク不存在チップとに分類される。
図3で示す複数の半導体チップ100Pのうち、半導体チップ102〜105,202,204,302〜305,402及び404は少なくとも一つのマーク隣接チップに該当し、半導体チップ101,201,203,205,301,305,401,403及び405は少なくとも一つのマーク不在チップに該当する。
少なくとも一つのマーク不存在チップはそれぞれ、4辺それぞれからのポリイミド膜11の形成幅が第1の形成幅である形成幅W1に設定される。具体的には、図4に示すように、マーク不在チップである半導体チップ203は4辺それぞれからのポリイミド膜11の形成幅が形成幅W1で統一される。
さらに、少なくとも一つのマーク隣接チップはマーク隣接辺におけるポリイミド膜11の形成幅が形成幅W1より広い第2の形成幅である形成幅W2に設定され、かつ、少なくとも一つの非該当辺におけるポリイミド膜11の形成幅が形成幅W1に設定されている。
具体的には、マーク隣接チップである半導体チップ102のダイシング領域4b及び4cそれぞれにTEG2が形成されており、マーク隣接辺が右辺及び下辺となり、少なくとも一つの非該当辺が上辺及び左辺となる。
したがって、半導体チップ102の右辺及び下辺におけるポリイミド膜11の形成幅が形成幅W2に設定され、半導体チップ102の上辺及び左辺におけるポリイミド膜11の形成幅が形成幅W1に設定される。
半導体チップ103及び202においても、半導体チップ102と同様、マーク隣接辺におけるポリイミド膜11の形成幅が形成幅W2に設定され、かつ、少なくとも一つの非該当辺におけるポリイミド膜11の形成幅が形成幅W1に設定されている。
実施の形態3の半導体装置における少なくとも一つのマーク隣接チップは、それぞれ、マーク隣接辺におけるポリイミド膜11の形成幅が形成幅W2に設定され、かつ、少なくとも一つの非該当辺におけるポリイミド膜11の形成幅が形成幅W1に設定されていることを特徴としている。
実施の形態3の半導体装置は上記特徴を有することにより、実施の形態1と同様、マーク隣接チップの表面電極が通常設けられる開口部12とダイシング用マークであるTEG2との沿面距離を長く設定することができる。このため、実施の形態3の半導体装置は、ダイシング領域4a〜4dの存在時に少なくとも一つのマーク隣接チップを動作させる際、TEG2とマーク隣接チップとの間で放電現象を発生させない高い信頼性を得ることができる。
加えて、実施の形態3の半導体装置はおける少なくとも一つのマーク不存在チップは、それぞれ、4辺それぞれからのポリイミド膜11の形成幅が形成幅W1に設定されているため、開口部12を狭めることなく形成することができる。
このように、実施の形態3の半導体装置における少なくとも一つのマーク不在チップは、ポリイミド膜11の平面形状に関し上下左右の対称性を維持でき、かつ、開口部12の面積も従来構造から狭める必要はない。なぜなら、開口部12は、ワイヤボンド処理等の後工程において、所望の太さと本数のアルミ等のワイヤを少しでも作業性、量産性よくボンディングする目的のために設けられるため、広い方が望ましいからである。
一方、少なくとも一つのマーク隣接チップは4辺におけるポリイミド膜11の形成幅が異なるため、ポリイミド膜11の平面形状が非対称となる。しかしながら、対向する一対の辺が少なくとも一つの非該当辺である場合、対向する一対の辺は対称な関係を維持できる。
例えば、図4で示す半導体チップ202は、右辺及び左辺は共に非該当辺となるため、ポリイミド膜11の平面形状に関し、対向する一対の辺となる右辺及び左辺は左右対称な関係を維持することができる。さらに、実施の形態3では、マーク隣接チップにおける全ての非該当辺におけるポリイミド膜11の形成幅を形成幅W1としているため、非該当辺における開口部12の開口幅を広くすることができる。
このように、マーク隣接チップにおいてもポリイミド膜11が上下あるいは左右対称を維持できる場合があり、かつ、開口部12の開口幅が広くすることができるため、後工程であるワイヤボンド処理を容易にし、実施の形態3の半導体装置を用いたモジュールの設計が容易になる効果を奏する。例えば、SiCウエハ1の面内においてポリイミド膜11の4辺間で形成幅の異なる半導体チップ10Sをモジュール毎に使い分けることができるなどのメリットがある。
したがって、ポリイミド膜11の平面形状が互いに異なる複数の半導体チップに対して、後工程における画像認識技術レベルを要求する第1の対応、上述したようにモジュール毎に半導体チップを使い分けるなど第2の対応のうち、いずれの対応を選択するかは、コスト、歩留、量産規模などを総合的に判断して決定すれば良い。
<実施の形態4>
図5は実施の形態4の半導体装置の全体平面構造を模式的に示す平面図である。図6は図5の一部を詳細に示す平面図である。図5及び図6それぞれにXY直交座標系を記している。
図5及び図6に示すように、実施の形態4の半導体装置は、炭化珪素を構成材料としたSiCウエハ1に半導体チップ101〜105、半導体チップ201〜205、半導体チップ301〜305、及び半導体チップ401〜405がマトリクス状に配置されている。すなわち、SiCウエハ1に設けられる複数の半導体チップ100PがX方向及びY方向に沿ってマトリクス状に配置されている。
半導体チップ10Sは平面視して正方形もしくは正方形に近い矩形状に形成される。半導体チップ10Sは、平面視して対向する辺に向かう方向を形成幅方向として、4辺それぞれから開口部12を残存しつつ形成される絶縁膜であるポリイミド膜11を有している。
複数の半導体チップ100Pそれぞれの周辺領域にダイシングライン用の周辺ダイシング領域が設けられる。以下、実施の形態1と同様、半導体チップ10Sの矩形を構成する4辺のうち、上辺、右辺、下辺及び左辺に隣接する4つの辺隣接ダイシング領域をダイシング領域4a、4b、4c及び4dとして説明する。
複数の半導体チップ100Pに対し選択的にダイシング用マークであるTEG2が設けられる。
したがって、複数の半導体チップ100Pは、ダイシング領域4a〜4dのいずれかにTEG2が設けられている複数のマーク隣接チップと、ダイシング領域4a〜4dの全てにTEG2が設けられていない複数のマーク不存在チップとに分類される。
図5で示す複数の半導体チップ100Pのうち、半導体チップ102,104,202,204,302,304,402及び404は複数のマーク隣接チップに該当し、半導体チップ101,103,105,201,203,205,301,303,305,401,403及び405は複数のマーク不存在チップに該当する。
TEG2は複数のマーク隣接チップそれぞれに対し、4辺のうち1辺のみに隣接して設けられ、かつ、ダイシング領域4a〜4dのうち、複数のマーク隣接チップそれぞれに対し、X方向及びY方向にうち一の方向であるY方向に存在する一対のダイシング領域4a及び4cのいずれか一方に設けられる。このように、実施の形態4では、第1の方向であるX方向及び第2の方向であるY方向のうち一の方向であるY方向をマーク隣接方向とし、X方向をマーク不存在方向としている。
複数のマーク不存在チップはそれぞれ、実施の形態3と同様、4辺それぞれからのポリイミド膜11の形成幅が第1の形成幅である形成幅W1に設定される。
一方、複数のマーク隣接チップはマーク隣接辺におけるポリイミド膜11の形成幅が形成幅W1より広い第2の形成幅である形成幅W2に設定され、かつ、少なくとも一つの非該当辺におけるポリイミド膜11の形成幅が形成幅W1に設定されている。
具体的には、図6に示すように、マーク隣接チップである半導体チップ102はダイシング領域4cにTEG2が形成されており、マーク隣接辺が下辺となり、少なくとも一つの非該当辺が上辺、右辺及び左辺となる。
このように、実施の形態4において、少なくとも一つの非該当辺はマーク不存在方向であるX方向に沿って互いに対向する二辺を必ず含んでいる。したがって、実施の形態4の半導体装置は、マーク隣接チップにおいてもマーク不存在方向に沿って対称なポリイミド膜11の平面形状を必ず得ることができる。例えば、図6で示す半導体チップ102及び1202のポリイミド膜11の平面形状は共に左右対称性を有している。
したがって、半導体チップ102の下辺におけるポリイミド膜11の形成幅が形成幅W2に設定され、半導体チップ102の上辺、右辺及び左辺におけるポリイミド膜11の形成幅が形成幅W1に設定される。
半導体チップ202においても、半導体チップ102と同様、マーク隣接辺におけるポリイミド膜11の形成幅が形成幅W2に設定され、かつ、少なくとも一つの非該当辺におけるポリイミド膜11の形成幅が形成幅W1に設定されている。
実施の形態4の半導体装置におけるダイシング用マークであるTEG2は、複数のマーク隣接チップそれぞれに対し、4辺のうち1辺のみに隣接して設けられるため、開口部12の面積縮小化を必要最小限に抑え、かつ、実施の形態3と同様、マーク隣接チップを動作させる際、放電現象を発生させない高い信頼性を得ることができる。
さらに、実施の形態4の半導体装置は、複数のマーク隣接チップそれぞれに対し、マーク隣接方向のみに隣接してダイシング用マークが設けられるため、少なくとも一つの非該当辺は、マーク不存在方向に沿って互いに対向する二辺を必ず含んでいる。
このため、複数のマーク隣接チップそれぞれにおいて、マーク不存在方向に沿って互いに対向する二辺における絶縁膜の形成幅は形成幅W1で統一される。その結果、実施の形態4の半導体装置は、複数のマーク隣接チップにおけるポリイミド膜11の平面形状をマーク不存在方向に沿って対称にすることができるため、その分、後処理の簡略化を図ることができる。
このように、実施の形態4の半導体装置は、TEG2の配置をY方向に揃えることにより、ポリイミド膜11の形成幅を広くする辺を最大で“1”に減らすことができる。その結果、実施の形態4の半導体装置は、開口部12の開口幅を広げることができ、モジュールの設計が容易になる。
<実施の形態5>
図7は実施の形態5の半導体装置の全体平面構造を模式的に示す平面図である。図8は図7の一部を詳細に示す平面図である。図7及び図8それぞれにXY直交座標系を記している。図7及び図8に示すように、実施の形態5の半導体装置は、炭化珪素を構成材料としたSiCウエハ1に半導体チップ101〜105、半導体チップ201〜205、半導体チップ301〜305、及び半導体チップ401〜405がマトリクス状に配置される。すなわち、SiCウエハ1に設けられる複数の半導体チップ100PはX方向及びY方向に沿ってマトリクス状に配置される。
半導体チップ10Sは平面視して正方形もしくは正方形に近い矩形状に形成され、半導体チップ10Sは、平面視して対向する辺に向かう方向を形成幅方向として、4辺それぞれから開口部12を残存しつつ形成される絶縁膜であるポリイミド膜11を有している。
複数の半導体チップ100Pそれぞれの周辺領域にダイシングライン用の周辺ダイシング領域が設けられる。以下、実施の形態1と同様、半導体チップ10Sの矩形を構成する4辺のうち、上辺、右辺、下辺及び左辺に隣接する4つの辺隣接ダイシング領域をダイシング領域4a、4b、4c及び4dとして説明する。
複数の半導体チップ100Pに対し選択的にダイシング用マークであるTEG2が設けられる。
したがって、複数の半導体チップ100Pは、ダイシング領域4a〜4dのいずれかにTEG2が設けられている複数のマーク隣接チップと、ダイシング領域4a〜4dの全てにTEG2が設けられていない複数のマーク不存在チップとに分類される。
図7で示す複数の半導体チップ100Pのうち、半導体チップ102,104,202,204,302,304,402及び404は複数のマーク隣接チップに該当し、半導体チップ101,103,105,201,203,205,301,303,305,401,403及び405は複数のマーク不存在チップに該当する。
ダイシング用マークであるTEG2は、複数のマーク隣接チップそれぞれに対し、Y方向のみに隣接して設けられる。このように、実施の形態5では、第1の方向であるX方向及び第2の方向であるY方向のうち一の方向であるY方向をマーク隣接方向とし、X方向をマーク不存在方向としている。
複数のマーク不存在チップはそれぞれ、実施の形態3と同様、4辺それぞれからのポリイミド膜11の形成幅が第1の形成幅である形成幅W1に設定される。
一方、複数のマーク隣接チップはそれぞれマーク隣接辺におけるポリイミド膜11の形成幅が形成幅W1より広い第2の形成幅である形成幅W2に設定される。さらに、複数のマーク隣接チップはそれぞれマーク隣接辺に対向する辺であるマーク対向辺におけるポリイミド膜11の形成幅も形成幅W2に設定される。すなわち、マーク隣接辺に該当しないマーク対向辺においてもポリイミド膜11が形成幅W2に設定される。
さらに、実施の形態5では、少なくとも一つの非該当辺は、マーク隣接方向でないマーク不存在方向であるX方向に沿って互いに対向する二辺のみとなる。
具体的には、図8に示すように、マーク隣接チップである半導体チップ102はダイシング領域4cにTEG2が形成されており、マーク隣接辺が下辺となり、マーク対向辺が上辺となり、少なくとも一つの非該当辺が右辺及び左辺となる。
したがって、半導体チップ102の上辺及び下辺におけるポリイミド膜11の形成幅が形成幅W2に設定され、半導体チップ102の右辺及び左辺におけるポリイミド膜11の形成幅が形成幅W1に設定される。
このように、実施の形態5において、少なくとも一つの非該当辺はマーク不存在方向であるX方向に沿って互いに対向する二辺を必ず含んでいる。したがって、実施の形態5の半導体装置は、マーク隣接チップにおいてもマーク不存在方向に沿って対称なポリイミド膜11の平面形状を得ることができる。例えば、図8で示す半導体チップ102及び半導体チップ202それぞれのポリイミド膜11の平面形状は左右対称性を有している。
さらに、実施の形態5において、マーク隣接辺及びマーク対向辺におけるポリイミド膜11の形成幅を共に形成幅W2に設定している。したがって、実施の形態5の半導体装置は、マーク隣接チップのマーク隣接方向に沿って対称なポリイミド膜11の平面形状を得ることができる。例えば、図8で示す半導体チップ102及び202それぞれのポリイミド膜11は上下対称性を有している。
実施の形態5の半導体装置におけるダイシング用マークであるTEG2は、複数のマーク隣接チップそれぞれに対し、マーク隣接方向であるY方向のみに隣接して設けられるため、実施の形態3と同様、マーク隣接チップを動作させる際、放電現象を発生させない高い信頼性を得ることができる。
実施の形態5の半導体装置における複数のマーク隣接チップそれぞれの少なくとも一つの非該当辺は、マーク不存在方向のX方向に沿って互いに対向する二辺のみとなる。このため、複数のマーク隣接チップそれぞれにおいて、マーク不存在方向に沿って互いに対向する二辺におけるポリイミド膜11の形成幅は必ず形成幅W1で統一される。
その結果、実施の形態5の半導体装置は、複数のマーク隣接チップそれぞれのポリイミド膜11の平面形状をマーク不存在方向に沿って対称にすることができる。
さらに、実施の形態5の半導体装置における複数のマーク隣接チップは、それぞれ、マーク隣接辺及びマーク対向辺におけるポリイミド膜11の形成幅が共に形成幅W2設定されている。
その結果、実施の形態5の半導体装置は、複数のマーク隣接チップそれぞれのポリイミド膜11の平面形状をマーク不存在方向に加え、マーク隣接方向に沿って対称にすることができるため、その分、後処理の簡略化を図ることができる。
このように、実施の形態5の半導体装置は、半導体チップ10Sの外観であるポリイミド膜11の平面形状を上下左右対称にでき、後工程における組立効率を上げることができる。また、複数の半導体チップ100P全てにおいて、ポリイミド膜11の形成幅が上下左右対称となるため、実施の形態5の半導体装置を利用したモジュールの設計が容易になる。
<実施の形態6>
図9は実施の形態6の半導体装置の平面構造を模式的に示す平面図である。図9にXY直交座標系を記している。実施の形態6の半導体装置は、炭化珪素を構成材料とした図示しないSiCウエハに半導体チップ100及び200が設けられる。すなわち、SiCウエハに少なくとも一つのチップが設けられる。
半導体チップ100及び200はそれぞれ平面視して正方形もしくは正方形に近い矩形状に形成される。半導体チップ100及び200は、それぞれ平面視して対向する辺に向かう方向を形成幅方向として、4辺それぞれから開口部12を残存しつつ形成される絶縁膜であるポリイミド膜11を有している。開口部12は平面視矩形状を呈し、ポリイミド膜11と形成方向が一致する4辺を有している。
半導体チップ100及び200はそれぞれ、開口部12から露出し、開口部12の一つの辺に隣接して設けられるゲートパッド5を有している。ゲートパッド5はトランジスタのゲート電極の外部取り出し用の電極領域である。開口部12におけるゲートパッド5の周辺にゲートパッド用ポリイミド膜15が形成されている。
そして、実施の形態6では、マーク隣接辺を、ポリイミド膜11の4辺のうちゲートパッド5が隣接して形成されている辺であるゲートパッド隣接辺と垂直関係を有する辺としている。
具体的には、図9で示す構造では、半導体チップ100は左辺をゲートパッド隣接辺としており、左辺と垂直関係を有する下辺をマーク隣接辺としている。また、半導体チップ200は左辺をゲートパッド隣接辺としており、左辺と垂直関係を有する上辺をマーク隣接辺としている。
半導体チップ100及び200それぞれの周辺領域にダイシングライン用の周辺ダイシング領域が設けられる。以下、実施の形態1と同様、半導体チップ100及び200それぞれの矩形を構成する4辺のうち、上辺、右辺、下辺及び左辺に隣接する4つの辺隣接ダイシング領域をダイシング領域4a、4b、4c及び4dとして説明する。
半導体チップ100及び200それぞれ4辺に隣接するダイシング領域4a〜4dに対し選択的にダイシング用マーク2であるTEG2が設けられる。図9に示すように、半導体チップ100のダイシング領域4cにTEG2が設けられる。なお、半導体チップ100のダイシング領域4cは半導体チップ200のダイシング領域4aと共通の領域である。
半導体チップ100及び200それぞれのポリイミド膜11は、ダイシング領域4a〜4dのいずれかにTEG2が設けられている場合、4辺のうちTEG2に隣接するマーク隣接辺におけるポリイミド膜11の形成幅を、4辺のうち上記マーク隣接辺に該当しない少なくとも一つの非該当辺における形成幅より広くしている。
具体的には、半導体チップ100の下辺がマーク隣接辺となり、半導体チップ100の上辺、右辺及び左辺が少なくとも一つの非該当辺となる。したがって、半導体チップ100の下辺におけるポリイミド膜11の形成幅W2は、半導体チップ10の上辺、右辺及び左辺におけるポリイミド膜1の形成幅W1より広く設定される。
実施の形態6の半導体装置は、実施の形態1と同様、ダイシング領域4a〜4dのいずれかにTEG2が設けられている場合、4辺のうちTEG2に隣接するマーク隣接辺におけるポリイミド膜11の形成幅W2を、4辺のうち少なくとも一つの非該当辺における形成幅W1より広くしていることを特徴としている。
したがって、実施の形態6の半導体装置は、実施の形態1と同様、ダイシング用マークであるTEG2と少なくとも一つのチップである半導体チップ100及び200との間で放電現象を発生させない高い信頼性を得ることができる。
さらに、実施の形態6の半導体装置は、4辺のうち、ゲートパッド5が隣接されるゲートパッド隣接辺と垂直関係を有する辺をマーク隣接辺としている。
このため、実施の形態6は、ゲートパッド5とTEG2との沿面距離を確実に長く設定することができる。その結果、実施の形態6の半導体装置は、ダイシング領域4a〜4dの存在時に半導体チップ100及び200を動作させる際、TEG2と半導体チップ100及び200それぞれのゲートパッド5との間で放電現象を発生させない高い信頼性を得ることができる。
また、実施の形態6において、実施の形態4と同様、4辺のうち最大で1辺のみに隣接してTEG2を設けるようにすれば、ゲートパッド5を有する開口部12の縮小化を必要最小限に抑えることができ、半導体チップ100及び200それぞれのポリイミド膜11の平面形状の上下対称性及び左右対称性のうち片方を必ず維持できる。
<その他>
上述した実施の形態1〜実施の形態6の半導体チップおいて、半導体チップを設けるウエハをSiCウエハとし、半導体チップに設けられる半導体素子を例えば3kV耐圧のSiC MOSFETを一例として示した。
しかし、上記半導体素子として、他にSiCSBD(Schottky Barrier Diode), SiC JBS(Junction Barrier Schottky), SiC MPS(Merged Pin Shottky), SiCIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の他の半導体デバイスを採用しても良い。大電力素子として使用されるIGBTにおいては放電リスクも高まることが多いため、上記半導体素子としてIGBTを採用することは特に有効である。
さらに、上記半導体素子を有する半導体チップを、ワイドバンドギャップ半導体材料と用いたウエハ、GaNウエハ、ダイヤモンドウエハ、あるいは既存のシリコン半導体を用いたウエハに設けることも可能である。
また、実施の形態1、実施の形態3〜実施の形態6では、半導体チップの平面形状として矩形状を示したが、5角形以上の多角形を半導体チップの平面形状としても良い。多角形の場合も、矩形状の場合と同様、ダイシング領域は各辺に隣接して形成される。ただし、実施の形態5の半導体チップの平面形状は6以上の偶数をnとしたn角形にする必要がある等の制約がある。
1 SiCウエハ、2,3 TEG、4a〜4d,4x ダイシング領域、5 ゲートパッド、10,10S,100〜105,200〜205,301〜305,401〜405 半導体チップ、11 ポリイミド膜、15 ゲートパッド用ポリイミド膜、100P 複数の半導体チップ。

Claims (7)

  1. 炭化珪素を構成材料とし、ウエハにチップが設けられる半導体装置であって、
    前記ウエハに設けられ、各々が平面視矩形状の少なくとも一つのチップと、
    前記ウエハに設けられ、前記少なくとも一つのチップそれぞれの4辺に隣接して配置される4つの辺隣接ダイシング領域と、
    前記ウエハに設けられ、前記少なくとも一つのチップに隣接して選択的に配置されるダイシング用マークとを備え、
    前記少なくとも一つのチップは、それぞれ
    平面視して、対向する辺に向かう方向を形成幅方向として、4辺それぞれから開口部を残存しつつ形成される絶縁膜を有し、
    前記絶縁膜は、前記4つの辺隣接ダイシング領域のいずれかに前記ダイシング用マークが設けられている場合、4辺のうち前記ダイシング用マークに隣接するマーク隣接辺における前記絶縁膜の形成幅を、4辺のうち前記マーク隣接辺に該当しない少なくとも一つの非該当辺における形成幅より広くしたことを特徴とする、
    半導体装置。
  2. 請求項1記載の半導体装置であって、
    前記少なくとも一つのチップは複数のチップを含み、
    前記複数のチップは、前記4つの辺隣接ダイシング領域のいずれかに前記ダイシング用マークが設けられている少なくとも一つのマーク隣接チップと、前記4つの辺隣接ダイシング領域の全てに前記ダイシング用マークが設けられていない少なくとも一つのマーク不存在チップとを有し、
    前記少なくとも一つのマーク不存在チップは、それぞれ、4辺それぞれからの前記絶縁膜の形成幅が第1の形成幅に設定され、
    前記少なくとも一つのマーク隣接チップは、それぞれ、前記マーク隣接辺における前記絶縁膜の形成幅が前記第1の形成幅より広い第2の形成幅に設定され、かつ、前記少なくとも一つの非該当辺における前記絶縁膜の形成幅が前記第1の形成幅に設定されていることを特徴とする、
    半導体装置。
  3. 請求項2記載の半導体装置であって、
    前記複数のチップは第1の方向及び前記第1の方向に直交する第2の方向に沿ってマトリクス状に配置され、
    前記少なくとも一つのマーク隣接チップは複数のマーク隣接チップを含み、
    前記少なくとも一つのマーク不存在チップは複数のマーク不存在チップを含み、
    前記ダイシング用マークは、前記複数のマーク隣接チップそれぞれに対し、4辺のうち1辺のみに隣接して設けられ、かつ、前記4つの辺隣接ダイシング領域のうち、前記複数のマーク隣接チップそれぞれに対し、前記第1及び第2の方向にうち一の方向であるマーク隣接方向に存在する一対の辺隣接ダイシング領域のいずれか一方に設けられ、
    前記少なくとも一つの非該当辺は、前記第1及び第2の方向のうち前記マーク隣接方向でないマーク不存在方向に沿って互いに対向する二辺を含む、
    半導体装置。
  4. 請求項2記載の半導体装置であって、
    前記複数のチップは第1の方向及び前記第1の方向に直交する第2の方向に沿ってマトリクス状に配置され、
    前記少なくとも一つのマーク隣接チップは複数のマーク隣接チップを含み、
    前記少なくとも一つのマーク不存在チップは複数のマーク不存在チップを含み
    前記ダイシング用マークは、前記複数のマーク隣接チップそれぞれに対し、前記第1及び第2の方向にうち一の方向であるマーク隣接方向のみに隣接して設けられ、
    前記少なくとも一つの非該当辺は、前記第1及び第2の方向のうち前記マーク隣接方向でないマーク不存在方向に沿って互いに対向する二辺のみであり、
    前記複数のマーク隣接チップは、それぞれ、4辺のうち前記マーク隣接辺に対向するマーク対向辺における前記絶縁膜の形成幅が前記第2の形成幅に設定されている、
    半導体装置。
  5. 請求項1記載の半導体装置であって、
    前記開口部は平面視矩形状を呈し、前記絶縁膜と形成方向が一致する4辺を有し、
    前記少なくとも一つのチップは、前記開口部から露出し、前記開口部の一つの辺に隣接して設けられるゲートパッドを有し、
    前記マーク隣接辺は、前記絶縁膜の4辺のうち前記ゲートパッドが隣接して形成されているゲートパッド隣接辺と垂直関係を有する辺である、
    半導体装置。
  6. 炭化珪素を構成材料とし、ウエハにチップが設けられる半導体装置であって、
    前記ウエハに設けられる平面視矩形状の少なくとも一つのチップと、
    前記ウエハに設けられ、前記少なくとも一つのチップの周辺領域に配置される周辺ダイシング領域と、
    前記ウエハに設けられ、前記少なくとも一つのチップに隣接して選択的に配置されるダイシング用マークとを備え、
    前記少なくとも一つのチップは、それぞれ
    平面視して、対向する辺に向かう方向を形成幅方向として、4辺それぞれから開口部を残存しつつ形成される絶縁膜を有し、
    前記ダイシング用マークは、前記少なくとも一つのチップの角部周辺に存在する角隣接ダイシング領域に選択的に設けられることを特徴とする、
    半導体装置。
  7. 請求項1から請求項6のうち、いずれか1項に記載の半導体装置であって、
    前記絶縁膜はポリイミドを構成材料とすることを特徴とする、
    半導体装置。
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