JP2019162682A - チャックの爪交換用ハンド、チャックの爪自動交換方法及び爪自動交換システム - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献2には、ロボットアームの先端へ選択的に装備されるナットランナーハンドとジョーハンドとを用い、工具主軸にジョー用工具を装備させて、ロボットアームと工具主軸とで共同して爪を交換するようにした自動交換システムの発明が開示されている。
搬送装置への取付状態で搬送装置とハンド部との間の相対的な変位を許容するコンプライアンスユニットを備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、取付溝から爪を取り外す際に、チャックに設けられたロック機構による爪のロック/アンロック状態を確認する爪ロック確認手段が設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2の構成において、ロック機構は、爪のロック/アンロック状態に応じて変位する変位部材を備え、爪ロック確認手段は、変位部材の位置を検出するセンサであることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3の構成において、センサは接触式であることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、チャックの爪自動交換方法であって、請求項1乃至4の何れかに記載の爪交換用ハンドを搬送装置に取り付けて、工作機械のチャックに設けた取付溝に爪を着脱することを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項6に記載の発明は、チャックの爪自動交換システムであって、請求項1乃至4の何れかに記載の爪交換用ハンドと、爪交換用ハンドが取り付けられて、工作機械のチャックに設けた取付溝に対して爪を出し入れする搬送装置と、を含み、取付溝と爪との少なくとも一方に、爪が取付溝に挿入される際に爪を取付溝の入口に案内するガイド部が設けられていることを特徴とする。
[形態1]
図1は、NC旋盤等の工作機械の機体内におけるチャックの爪自動交換システムの正面図、図2は爪交換用ハンドを単独で見た正面図である。
まず、チャック1は、機体内に設けた図示しない主軸の先端に設けられ、正面視が円形状のチャック本体2を有する。チャック本体2には、軸心に設けた図示しないプランジャの進退動によって放射方向へ移動する3つのマスタジョー3,3・・(図5に1つのみ図示)と、各マスタジョー3の前側でチャック本体2の前面から周面にかけて開口し、後側が前側の開口よりも幅広の横断面凸字状となる3つの放射状の取付溝4,4・・と、各取付溝4に取り付けられる3つの爪5,5・・とが備えられている。
ここではプランジャが後退すると、各マスタジョー3が軸心側へ移動して爪5を一体に移動させてワークをクランプし、プランジャが前進すると、各マスタジョー3が外周側へ移動してワークをアンクランプする。
この爪交換用ハンド20は、ロボットアーム12の先端に、アーム先端の回転軸と同軸で取り付けられる軸部21と、軸部21の前端に取り付けられる側面視倒L字状のブラケット22と、ブラケット22へ下向きに取り付けられるコンプライアンスユニット23と、コンプライアンスユニット23に取り付けられるハンド部24とを備えている。
ブラケット22は、軸部21と直交状に固定される縦板部25と、縦板部25の上端から前方へ突出する横板部26とを有する。縦板部25の中央には、図3に示すように、前方へ突出付勢される押圧部28を備えたプランジャ27が前向きに固定され、その下側には、前方へ突出する接触子30を備えた爪ロック確認手段としての接触式のセンサ29が、前向きに固定されている。
まず、本体40の後面には、プランジャ27に対向する円形凹部42が形成されており、この円形凹部42の中心にプランジャ27の押圧部28が当接することで、コンプライアンスユニット23で吊り下げ支持される本体40の過度な揺れを規制している。また、本体40の前面には、左右方向にガイド溝43が形成されている。
爪部45は、スライド部44の支持部47の左右の外面に上端が連結されて下向きに垂下する板状で、互いの対向面の下端前寄りの位置には、突起48が、互いの相手側へ向けて突設されている。各突起48の先端は、先端へ行くほど上下幅が狭くなるテーパ状に形成されている。この爪部45,45は、スライド部44,44のスライドにより、突起48,48がベースジョー6の把持ブロック10の凹部11,11にそれぞれ挿入して把持ブロック10を左右から挟持するクランプ位置と、把持ブロック10の左右の側面から離れて突起48,48が凹部11,11から抜き取られるアンクランプ位置との間で開閉動作可能となっている。
次に、ロボットアーム12によって、爪交換用ハンド20を、ハンド部24の爪部45,45をアンクランプ位置とした状態で、センサ29の接触子30が把持ブロック10の上側に位置する高さでチャック本体2に前方から接近させる。このとき、変位部材15がアンロック位置であれば、図3に示すように、接触子30が変位部材15に当接するため、センサ29からの検出信号によって爪5のアンロック状態が確認できる。
アンロック状態を確認したら、ロボットアーム12によって、爪交換用ハンド20を、爪部45,45が把持ブロック10の凹部11,11の前方外側に位置する高さに移動させて、爪部45,45の突起48,48を凹部11,11の外側に位置させる。
そして、ここから爪交換用ハンド20を上昇させれば、爪5を取付溝4から上方へ抜き取ることができる。
そして、ロボットアーム12によって爪5を、チャック本体2の上方へ搬送する。このとき、コンプライアンスユニット23では、コンプライアンス機構部38のロック機構により、ボディ35とベース36とを原点位置で固定して、搬送時の爪5のぐらつきを規制する。
次に、爪5を、図5,6に示すように、ベースジョー6が取付溝4の上方延長上となる位置に位置決めする。ここで、コンプライアンス機構部38のボディ35とベース36との固定を解除する。
続いて図8(B)に示すように、コンプライアンスユニット23のコンプライアンス機構部38により、ベース36がボディ35に対してハンド部24ごと変位して位置の修正を行うため、ベースジョー6は取付溝4へスムーズに挿入される。ベースジョー6が取付溝4内へ進入した後、マスタジョー3のロック機構によって爪5はロックされる。
以上の手順を、チャック本体2を回転させて取付溝4を順番に割り出して繰り返すことで、全ての爪5の交換が可能となる。
特にここでは、ハンド部24に、取付溝4から爪5を取り外す際に、チャック1に設けられたロック機構による爪5のロック/アンロック状態を確認する爪ロック確認手段(センサ29)を設けているので、爪5がロックされた状態で取り外し動作がされるおそれがなくなる。
さらに、センサ29を接触式としているので、変位部材15の変位を確実に検出できる。特に、コンプライアンスユニット23を介して取り付けられるハンド部24にセンサ29が設けられることで、接触させる爪5の姿勢が悪い場合でもセンサ29への負荷が軽減され、損傷のおそれを解消できる利点がある。よって、先端が一方向にしか動作しないセンサでも使用可能となる。
なお、上記形態1では、凹部を備えた把持ブロックを爪へ一体に設けているが、把持ブロックを省略してベースジョーの側面に凹部を直接形成してもよい。
次に、本発明の他の形態を説明する。但し、チャック1をはじめ形態1と同じ構成部には同じ符号を付して重複する説明は省略する。但し、形態2では爪交換用ハンド20もチャック本体2に準じて前後の向きを特定する。
形態1では、前向きのロボットアーム12に対して軸部21及びブラケット22を介してコンプライアンスユニット23を下向きに吊り下げ支持し、コンプライアンスユニット23を介してハンド部24を前向きに支持する構造となっているが、形態2では、図9,10に示すように、下向きのロボットアーム12の下端にコンプライアンスユニット23を下向きに吊り下げ支持し、コンプライアンスユニット23を介してハンド部24Aを下向きに支持している。
前サポート板51は、図11に示すように、上端が本体50の正面に固定されて下端が本体50の前方で本体50と平行に延びる側面視逆L字状を有し、上端下面には、爪5のトップジョー8の上面に当接する押さえロッド54が下向きに設けられている。また、前サポート板51の下端背面には、トップジョー8の前面に当接するサポートガイド55が設けられている。
後サポート板52は、上端が本体50の背面に固定されて下端が本体50の下方で後方に延びる側面視L字状を有し、下端には、爪5のベースジョー6の上面に当接する左右一対の押さえボルト56,56が下向きに螺合されている。
次に、ロボットアーム12によって、爪交換用ハンド20を、ハンド部24Aの爪部59,59をアンクランプ位置とした状態で、チャック本体2の上方に移動させ、そのまま図11に示すように、センサ29の接触子30を変位部材15の真上に位置させる。このとき前サポート板51のサポートガイド55がトップジョー8の前面と干渉するが、ここではボルト7が螺合されるボルト穴16にサポートガイド55を進入させることで当接が回避されるため、後方への移動は許容される。
そして、変位部材15がアンロック位置であれば、接触子30が変位部材15に当接するため、センサ29からの検出信号によって爪5のアンロック状態が確認できる。
その後、爪部59,59をクランプ位置へスライドさせれば、ハンド部24Aによって爪5を把持することができる。そこから爪交換用ハンド20を上昇させれば、爪5を取付溝4から上方へ抜き取ることができる。
そして、ロボットアーム12によって爪5を、チャック本体2の上方へ搬送する。このとき、コンプライアンスユニット23では、コンプライアンス機構部38のロック機構により、ボディ35とベース36とを原点位置で固定して、搬送時の爪5のぐらつきを規制する。
次に、爪5を、図13,14に示すように、ベースジョー6が取付溝4の上方延長上となる位置に位置決めする。ここで、コンプライアンス機構部38のボディ35とベース36との固定を解除する。
続いて図15(B)に示すように、コンプライアンスユニット23のコンプライアンス機構部38により、ベース36がボディ35に対してハンド部24Aごと変位して位置の修正を行うため、ベースジョー6は取付溝4へスムーズに挿入される。ベースジョー6が取付溝4内へ進入した後、マスタジョー3のロック機構によって爪5はロックされる。
以上の手順を、チャック本体2を回転させて取付溝4を順番に割り出して繰り返すことで、全ての爪5の交換が可能となる。
特にここでは、ハンド部24Aに、チャック1の前後方向で爪5に当接して当該前後方向で爪5を位置決めする第1ガイド(サポートガイド55)と、取付溝4への挿入方向で爪5に当接して当該挿入方向で爪5を位置決めする第2ガイド(押さえロッド54及び押さえボルト56)とからなる位置決め手段を設けているので、2方向で爪5が位置決めされてハンド部24Aによる爪5の把持姿勢が安定し、よりスムーズな交換が可能となる。また、ハンド部24Aでの把持力の低減にも繋がる。
また、上記形態2では、ハンド部に把持される凹部をベースジョーの側面に設けているが、形態1のような把持ブロックを用いてもよい。
さらに、爪ロック確認手段としては、センサ等を用いず、チャックの制御装置側でロック/アンロック状態に応じた信号を出力させて搬送装置側で当該信号に基づいてロック状態を確認する場合も含まれる。
さらに、取付溝を上側に割り出して爪の交換を行っているが、搬送装置の形態等によっては上側に限らず、チャックの横側や下側を交換位置としても同様に爪の交換は可能である。
そして、チャックに対する爪の取り外しと取り付けとを一つずつ順番に行っているが、最初にロボットアーム等によってチャックから全ての爪を取り外した後、ロボットアーム等で爪の取り付けを連続して行う手順としても差し支えない。
一方、搬送装置もロボットアームに限らず、ローダーや交換専用に設けたアーム等であってもよい。旋盤のタレット(刃物台)も搬送装置として使用可能である。
Claims (6)
- 工作機械のチャックに設けられる爪を把持可能なハンド部を備え、搬送装置に取り付けられて前記チャックに設けた取付溝に前記爪を着脱するために使用される爪交換用ハンドであって、
前記搬送装置への取付状態で前記搬送装置と前記ハンド部との間の相対的な変位を許容するコンプライアンスユニットを備えることを特徴とする爪交換用ハンド。 - 前記取付溝から前記爪を取り外す際に、前記チャックに設けられたロック機構による前記爪のロック/アンロック状態を確認する爪ロック確認手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の爪交換用ハンド。
- 前記ロック機構は、前記爪のロック/アンロック状態に応じて変位する変位部材を備え、前記爪ロック確認手段は、前記変位部材の位置を検出するセンサであることを特徴とする請求項2に記載の爪交換用ハンド。
- 前記センサは接触式であることを特徴とする請求項3に記載の爪交換用ハンド。
- 請求項1乃至4の何れかに記載の爪交換用ハンドを搬送装置に取り付けて、工作機械のチャックに設けた取付溝に爪を着脱することを特徴とするチャックの爪自動交換方法。
- 請求項1乃至4の何れかに記載の爪交換用ハンドと、
前記爪交換用ハンドが取り付けられて、工作機械のチャックに設けた取付溝に対して爪を出し入れする搬送装置と、を含み、
前記取付溝と前記爪との少なくとも一方に、前記爪が前記取付溝に挿入される際に前記爪を前記取付溝の入口に案内するガイド部が設けられていることを特徴とするチャックの爪自動交換システム。
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