JP2019162618A - 施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業現場における安全性を確保するとともに、ポリウレア特有の優れた特性をもつ塗工膜を得ることが可能な施工方法を提供する。【解決手段】施工方法2は、下塗り工程S10と、中塗り工程S20と、上塗り工程S30と、を備える。下塗り工程S10では、対象物TGの上に下塗り塗料を塗布して下塗り層D1を形成する。中塗り工程S20では、下塗り工程S10が行われた対象物TG、すなわち下塗り層D1に対し中塗り塗料を塗布して、中塗り層S1を形成する。上塗り工程S30では、中塗り工程S20が行われた対象物TG、すなわち、中塗り層S1に対し上塗り塗料を塗布して、上塗り層P1を形成する。こうして、施工方法2によれば、下塗り層D1と、中塗り層S1と、上塗り層P1とが積層する塗工膜10を対象物TGの上に形成することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、施工方法に関する。
船、ビルや道路等の建造物や車両等の対象物に所定の機能を付加するための塗工材料として、ポリウレアが知られている。ポリウレアは、ポリイソシアネートとポリアミンとの反応によって得られるものであり、ウレタン結合に比べて結合力の高いウレア結合に起因して、引裂強度、引張強度、耐薬品性や耐摩耗性について優れた特性を有する(例えば、特許文献1)。
特開昭58−188643号公報
しかしながら、ポリウレアを用いて対象物の上に塗工膜を形成する場合、対象物に対する塗工膜の密着性を確保するために、ポリウレアの塗工に先だって、下地用の塗料を対象物に塗布する必要がある。ところが、下地用の塗料としては、有機溶剤を使用する場合も多いことから、下地用の塗料を用いる作業現場における安全性の確保が必要となる。
一方、水性の下地用の塗料としては、ポリウレアとの密着性が低い。このため、塗工膜全体としてみたときに、引裂強度、引張強度、耐薬品性や耐摩耗性等の優れた特性を発現させることができない。
そこで、本発明は、作業現場における安全性を確保するとともに、ポリウレア特有の優れた特性をもつ塗工膜を得ることが可能な施工方法及び塗工膜を有する積層体の製造方法を提供する。
本発明の施工方法は、対象物の上に下塗り塗料を塗布して下塗り層を形成する下塗り工程と、前記下塗り工程が行われた前記対象物に対し中塗り塗料を塗布して、中塗り層を形成する中塗り工程と、前記中塗り工程が行われた前記対象物に対し上塗り塗料を塗布して、上塗り層を形成する上塗り工程と、を備え、前記上塗り塗料はポリウレアを含み、前記中塗り塗料はアクリル系合成樹脂エマルジョンを含み、前記下塗り塗料はエチレン-酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを含むことを特徴とする。
本発明によれば、作業現場における安全性を確保するとともに、ポリウレア特有の優れた特性をもつ塗工膜を得ることが可能な施工方法を提供することができる。
第1の施工方法の概要を示すフローチャートである。 第1の積層体の概要を示す説明図である。 第2の施工方法の概要を示すフローチャートである。 第2の積層体の概要を示す説明図である。
図1〜2に示すように、施工方法2は、下塗り工程S10と、下塗り後乾燥工程S11と、中塗り工程S20と、中塗り後乾燥工程S25と、上塗り工程S30と、を備える。
下塗り工程S10では、対象物TGの上に下塗り塗料を塗布して下塗り層D1を形成する。下塗り後乾燥工程S11は、下塗り層D1の乾燥を行うものであり、下塗り層D1から溶媒が十分に蒸発するまで行われることが好ましい。中塗り工程S20では、下塗り工程S10が行われた対象物TG、すなわち下塗り層D1に対し中塗り塗料を塗布して、中塗り層S1を形成する。中塗り後乾燥工程S25は、中塗り層S1の乾燥を行うものであり、中塗り層S1から溶媒が十分に蒸発するまで行われることが好ましい。上塗り工程S30では、中塗り工程S20が行われた対象物TG、すなわち、中塗り層S1に対し上塗り塗料を塗布して、上塗り層P1を形成する。こうして、施工方法2によれば、下塗り層D1と、中塗り層S1と、上塗り層P1とが積層する塗工膜10を対象物TGの上に形成することができる。以後、塗工膜10と対象物TGとを含めて積層体20と称する。
対象物TGは、コンクリート、金属、合成樹脂、木等広くて適用できるが、シリコーン樹脂、ポリプロピレン、フッ素系の合成樹脂については、使用条件等によって適用できないものもある。具体的には、コンクリート構造体、鋼板、電子機器の筐体等がある。
下塗り塗料は、粘着性を有する水性の塗料であり、主成分である合成樹脂エマルジョンと、溶媒と、を含む。なお、下塗り塗料は、所定の添加剤を含むものでもよい。所定の添加剤としては、例えば、二酸化ケイ素、炭酸カルシウムや酸化鉄等がある。
下塗り塗料の合成樹脂エマルジョンとしては、アクリル系合成樹脂エマルジョン、酢酸系樹脂エマルジョン、塩化ビニル系合成樹脂エマルジョン、塩化ビニリデン系合成樹脂エマルジョン、スチレン・ブタジエン系合成樹脂エマルジョン、エポキシ系合成樹脂エマルジョン、及びアクリル酸エステル、スチレン、エチレン、ビニルエステル、酢酸ビニル、合成ゴム等と共重合によって得られる合成樹脂エマルジョンがある。共重合によって得られる合成樹脂エマルジョンとして、例えば、アクリル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体エンカビニリデン/ブチルアクリレート共重合体、などが挙げられる。
下塗り塗料の合成樹脂エマルジョンの中でも、エチレン-酢酸ビニル樹脂系エマルジョンやアクリル系合成樹脂エマルジョンを用いることが好ましく、また、これらを併用することも好ましい。これにより、対象物TGに対する下塗り塗料の含浸性が高まる結果、下塗り層D1と対象物TGとの間の密着性が高まる。また、下塗り塗料の合成樹脂エマルジョンと、中塗り塗料の合成樹脂エマルジョンとは同一であることが好ましい。これにより、中塗り層S1と下塗り層D1との間の密着性が高まる。
下塗り塗料における溶媒としては、水を用いることが好ましい。
下塗り塗料における合成樹脂エマルジョンの割合は、85質量%以上であることが好ましく、93質量%以上であることがより好ましい。下塗り塗料における溶媒の割合は、15質量%以下であることが好ましく、7質量%以上であることがより好ましい。
下塗り塗料の塗布方法としては、ローラや刷毛等公知の方法を用いることができる。塗布の条件によっては、短毛のローラやスポンジローラ等を用いればよい。
中塗り塗料は、粘着性を有する水性の塗料であり、主成分である合成樹脂エマルジョンと、アルコールと、を含む。なお、中塗り塗料は、必要に応じて添加剤を備えていてもよい。
中塗り塗料の合成樹脂エマルジョンの中でも、アクリル系合成樹脂エマルジョンが好ましい。これにより、上塗り層P1と中塗り層S1との間の密着性が高まる。上塗り層P1と中塗り層S1との間の密着性が高まる理由としては、中塗り塗料に含まれるアクリル系合成樹脂エマルジョンと上塗り塗料のポリウレアとの相性が良いためと推測される。
アルコールは、水の乾燥を促進させるために添加されたものであり、メタノール、エタノール、3−クロロ‐1,2‐プロパンジオールと、1,3−ジクロロ‐2‐プロパノール等のうち1つまたは2つ以上の組み合わせて用いることができる。
中塗り塗料における合成樹脂エマルジョンの割合は、85質量%以上であることが好ましく、93質量%以上であることがより好ましい。中塗り塗料におけるアルコールの割合は、15質量%以下であることが好ましく、7質量%以上であることがより好ましい。
中塗り塗料の塗布方法は、下塗り塗料と同様とすればよい。
上塗り塗料はポリウレアである。
上塗り塗料の塗布方法としては、下塗り塗料と同様の方法でもよいし、吹き付けでもよい。吹き付けの方法としては、液状のイソシアネート(A剤)と液状のアミン(B剤)とをスプレーガンで衝突混合させて化学反応にてポリウレアを生成しながら吹き付けを行うものでもよいし、以下の様なポリウレア吹き付け装置を用いたものでもよいし、その他の公知の方法を用いてもよい。
ポリウレア吹付装置は、A剤が収容された第1容器と、B剤が収容された第2容器と、第1容器及び第2容器からA剤及びB剤を圧送するドラムポンプと、A剤及びB剤に高圧をかけて所定量だけ送り出す高圧計量装置と、を備えている。第1容器には、イソシアネートを主成分とするA剤が収容されている。
イソシアネートは、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)等の芳香族イソシアネートが好適である。なお、イソシアネートは、脂肪族イソシアネートであってもよい。A剤は、これらのイソシアネートの一部をポリオールと反応させてウレタンプレポリマーとした混合物であってもよい。第2容器には、ポリアミンを主成分とするB剤が収容されている。B剤は、平均分子量1000〜10000のポリアミンに芳香族ジアミンを加えた混合物である。ポリアミンは、例えば、ポリオキシプロピレンジアミン等のポリアルキレンアミンが好適である。芳香族ジアミンとして、例えば、ジエチルトルエンジアミンや4,4’−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)が挙げられる。複数の芳香族ジアミンを混合してもよい。B剤の配合比は、ポリアミン100重量部に対して芳香族ジアミン20〜40重量部である。A剤やB剤に溶剤を加えてもよい。溶剤よってポリウレア樹脂の硬化時間や粘度を調整すれば、たて糸4を構成する繊維の隙間へのポリウレア樹脂の浸透が促進される。溶剤の一例は、メチルエチルケトン(MEK)である。なお、イソシアネートやポリアミンへの相溶性に優れた溶剤であれば、ジャケット2やライニング3に悪影響を及ぼすものを除いてアセトン等の種々の汎用溶剤を使用できる。
ドラムポンプは、第1容器及び第2容器にそれぞれ装着されている。ドラムポンプは、高圧計量装置に接続された送液ホースを備えており、例えばエアコンプレッサによって駆動されて高圧計量装置にA剤及びB剤を供給する。高圧計量装置は、装置本体と、加熱ホースと、二液衝突混合型吹付ガンと、を備えている。これにより、ドラムポンプによって所定の圧力となったA剤及びB剤は、二液衝突混合型吹付ガンを介して、対象物へ塗布される。
このように、各塗料の成分を適宜選択することにより、対象物TGと下塗り層D1との間、下塗り層D1と中塗り層S1との間や、中塗り層S1と上塗り層P1との間における密着性が高まる。すなわち、対象物に対する塗工膜の密着性が高まる。この結果、上塗り層P1の厚みを薄くしても、対象物TGに対して上塗り層P1が剥がれにくくなる。また、積層体20の表層に上塗り層P1が位置するため、ポリウレア特有の優れた特性をもつ積層体を得ることができる。また、下塗り層D1と中塗り層S1はいずれも水性の塗料であるため、施工方法2を行う作業現場における安全性が確保される。
したがって、本発明によれば、作業現場における安全性を確保するとともに、ポリウレア特有の優れた特性をもつ塗工膜を得ることが可能となる。
ところで、ポリウレアは、他の材料に比べコストが高い傾向にある。このため、ポリウレアを用いて塗工膜を形成する際、所望の引裂強度、引張強度等を得るために、所定以上の膜厚が必要となる結果、材料コストが高くなりやすい。ポリウレア特有の優れた特性をもつ塗工膜を得るためには、上塗り層P1の厚みとして所定のもの(例えば、2mm程度)が必要とされる。また、下塗り層D1、中塗り層S1においては、それぞれ、所定の厚みが必要となる。下塗り層D1や中塗り層S1の厚みの上限は、本発明の所期の効果が発現する程度の範囲であればよく、例えば、4mm以下であることが好ましく、2mm以下であることがより好ましく、1mm以下であることがさらに好ましい。また、下塗り層D1や中塗り層S1の厚みの下限は、本発明の所期の効果が発現する程度の範囲であればよく、例えば、0.01mm以上であることが好ましく、0.1mm以上であることが好ましい。対象物TGに対して上塗り層P1のみを塗工する場合には、対象物TGとの密着性の確保の点から、膜厚が2〜4mm程度の上塗り層P1が必要になる。一方、対象物TGと上塗り層P1との間に、下塗り層D1及び中塗り層S1を設ける場合には、上塗り層P1の膜厚が2mm程度としても、対象物TGとの密着性が確保できる。本発明によれば、上塗り層P1の厚みを減らしつつも、下塗り層D1と中塗り層S1とによって、塗工膜全体の強度及び対象物TGとの密着性を確保することができる。したがって、本発明によれば、作業現場における安全性を確保するとともに、ポリウレア特有の優れた特性をもつ塗工膜を安価に得ることが可能となる。
上記実施形態では、下塗り層D1と、中塗り層S1と、上塗り層P1とが積層した塗工膜を対象物TGに形成したが、本発明はこれに限られない。例えば、下塗り層D1と中塗り層S1との間に所定の機能層を設けてもよい。図3では、2種類の機能層として、下塗り層D1の上に設けられた第1機能付与層D2と、第1機能付与層D2の上に設けられた第2機能付与層D3と、が設けられた塗工膜を示す。かかる塗工膜を形成するためには、施工方法2において、下塗り工程S10と、下塗り後乾燥工程S11と、第1機能付加塗料からなる第1機能付与層D2を形成する第1機能付加工程S12と、第1機能付与層D2の乾燥を行う第1機能付加後乾燥工程S13と、第2機能付加塗料からなる第2機能付与層D3を形成する第2機能付加工程S14と、第2機能付与層D3の乾燥を行う第2機能付加後乾燥工程S15と、中塗り工程S20と、中塗り後乾燥工程S25と、上塗り工程S30と、をこの順序で行う(図4)。なお、第1機能付与層D2と第2機能付与層D3のうちいずれか一方だけを設けてもよい。かかる場合は、図4に示す施工方法2において、第1機能付加工程S12と第1機能付加後乾燥工程S13を省略する、または、第2機能付加工程S14と第2機能付加後乾燥工程S15を省略する、としてもよい。
第1機能付加塗料や第2機能付加塗料(以下、これらを総称して機能付加塗料と称する)は、水性の塗料であり、主成分である合成樹脂エマルジョンと、所定の添加剤とを含む。添加剤としては、炭酸カルシウム、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化鉄やけい砂がある。
機能付加塗料の合成樹脂エマルジョンは、下塗り塗料と同様に、アクリル系合成樹脂エマルジョン、酢酸系樹脂エマルジョン、塩化ビニル系合成樹脂エマルジョン、塩化ビニリデン系合成樹脂エマルジョン、スチレン・ブタジエン系合成樹脂エマルジョン、エポキシ系合成樹脂エマルジョン、及びアクリル酸エステル、スチレン、エチレン、ビニルエステル、酢酸ビニル、合成ゴム等と共重合によって得られる合成樹脂エマルジョンがある。共重合によって得られる合成樹脂エマルジョンとして、例えば、アクリル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体エンカビニリデン/ブチルアクリレート共重合体、などが挙げられる。
機能付加塗料の合成樹脂エマルジョンの中でも、エチレン-酢酸ビニル樹脂系エマルジョンやアクリル系合成樹脂エマルジョンを用いることが好ましく、また、これらを併用することも好ましい。また、機能付加塗料の合成樹脂エマルジョンと、隣接する層を成す塗料(機能付加塗料、下塗り塗料や中塗り塗料)の合成樹脂エマルジョンとは同一であることが好ましい。これにより、中塗り層S1や下塗り層D1等との間の密着性が高まる。
炭酸カルシウムは、塗料の凝固性を高めるために添加される。
酸化鉄は、下地及び塗料の耐腐食性を向上させるために添加される。
二酸化ケイ素は、耐汚染性、耐火性及び付着性を向上させるために添加される。
二酸化チタンは、隣接する層への含浸を防ぐものである。
けい砂は、耐腐食性及び耐火性を向上させるために添加される。
第1機能付加塗料における合成樹脂エマルジョンの割合は、25質量%以上55質量%以下であることが好ましく、35質量%以上45質量%以下であることがより好ましい。第1機能付加塗料における炭酸カルシウムの割合は、5質量%以上25質量%以下であることが好ましく、10質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。第1機能付加塗料における二酸化チタンの割合は、10質量%以上30質量%以下であることが好ましく、15質量%以上25質量%以下であることがより好ましい。第1機能付加塗料における二酸化ケイ素の割合は、10質量%以上30質量%以下であることが好ましく、15質量%以上25質量%以下であることがより好ましい。第1機能付加塗料における酸化鉄の割合は、2質量%以上10質量%以下であることが好ましく、3質量%以上8質量%以下であることがより好ましい。これにより、第1機能付加塗料は、塗工膜に対し防水機能を付与することができる。
第2機能付加塗料における合成樹脂エマルジョンの割合は、25質量%以上55質量%以下であることが好ましく、35質量%以上45質量%以下であることがより好ましい。第2機能付加塗料における二酸化ケイ素の割合は、10質量%以上30質量%以下であることが好ましく、15質量%以上25質量%以下であることがより好ましい。第2機能付加塗料における炭酸カルシウムの割合は、10質量%以上25質量%以下であることが好ましく、15質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。第2機能付加塗料におけるけい砂の割合は、5質量%以上20質量%以下であることが好ましく、10質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。第2機能付加塗料における二酸化チタンの割合は、3質量%以上8質量%以下であることが好ましく、5質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。これにより、第2機能付加塗料は、塗工膜に対し防火機能を付与することができる。
機能付加塗料の塗布方法は、下塗り塗料と同様とすればよい。
<実施例>
(実験A1)
1片が2.4m四方のテストピースに対し、図1に示す施工方法2を行い、図2に示す積層体20を得た。
下塗り塗料の成分は以下の通りである。
水性アクリル系合成樹脂エマルジョン 85重量%
水(溶媒) 15重量%
中塗り塗料の成分は以下の通りである。
水性アクリル系合成樹脂エマルジョン 85重量%
エタノール(溶媒) 15重量%
上塗り塗料としては、ライノエクストリーム(ライノジャパン株式会社製)を用いた。
下塗り工程S10では、テストピース(板状の塩化ビニール)に対し、下塗り塗料を所定量塗布した。下塗り工程S10の後、下塗り後乾燥工程S11を行った。下塗り後乾燥工程S11では、テストピースを大気中に2時間静置した。下塗り層D1の厚み(乾燥後)は、0.3mmであった。
中塗り工程S20では、下塗り層D1に対し、中塗り塗料を所定量塗布した。中塗り工程S20の後、中塗り後乾燥工程S25を行った。中塗り後乾燥工程S25では、テストピースを大気中に2時間静置した。中塗り層S1の厚み(乾燥後)は、0.2mmであった。
上塗り工程S30では、中塗り層S1に対し、上塗り塗料を所定量塗布した。上塗り層P1の厚み(乾燥後)は、2mmであった。
(実験A2〜12)
表1に記載したこと以外は、実験A1と同様にして、図1に示す施工方法2を行い、図2に示す積層体20を得た。
(比較実験A1)
1片が2.4m四方のテストピース(板状の塩化ビニール)に対し、上塗り工程S30のみを直接行ない積層体を得た。上塗り層P1の厚み(乾燥後)は、2mmであった。
Figure 2019162618
(実験B1〜B12)
表2に記載したこと以外は、実験A1と同様にして、図1に示す施工方法2を行い、図2に示す積層体20を得た。
(比較実験B1)
表2に記載したこと以外は、比較実験A1と同様にして積層体を得た。
Figure 2019162618
(実験C1〜C12)
表3に記載したこと以外は、実験A1と同様にして、図1に示す施工方法2を行い、図2に示す積層体20を得た。
(比較実験C1)
表3に記載したこと以外は、比較実験A1と同様にして積層体を得た。
Figure 2019162618
(実験D1〜D12)
表4に記載したこと以外は、実験A1と同様にして、図1に示す施工方法2を行い、図2に示す積層体20を得た。
(比較実験D1)
表4に記載したこと以外は、比較実験A1と同様にして積層体を得た。
Figure 2019162618
(評価)
得られた積層体について、次の評価を行った。
(密着性試験)
得られた積層体を外気に1か月間晒した。その後、積層体を目視観察し、評価を行った。
評価基準は以下の通りである。
○:塗工膜の全体がテストピースに対し剥がれていなかった。
△:一部の塗工膜がテストピースから剥がれていた。
×:大部分の塗工膜がテストピースから剥がれていた。
上記の実験A1〜D12、比較実験A1〜D1において、下塗り塗料の主成分として、エチレン-酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを用いて積層体をつくった。得られた積層体について評価を行ったところ、評価結果は、いずれも、上記の実験A1〜D12、比較実験A1〜D1と同様の傾向を示した。
上記の実験A1〜D12、比較実験A1〜D1において、上塗り塗料として、ライノハイブリット(ライノジャパン株式会社製)を用いて積層体をつくった。得られた積層体について評価を行ったところ、評価結果は、いずれも、上記の実験A1〜D12、比較実験A1〜D1と同様の傾向を示した。
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
2 施工方法
10 塗工膜
20 積層体
AS 下塗り層
D1 上塗り層
S1 中塗り層
S10 下塗り工程
S20 中塗り工程
S30 上塗り工程
TG 対象物



Claims (2)

  1. 対象物の上に下塗り塗料を塗布して下塗り層を形成する下塗り工程と、
    前記下塗り工程が行われた前記対象物に対し中塗り塗料を塗布して、中塗り層を形成する中塗り工程と、
    前記中塗り工程が行われた前記対象物に対し上塗り塗料を塗布して、上塗り層を形成する上塗り工程と、を備え、
    前記上塗り塗料はポリウレアを含み、
    前記中塗り塗料はアクリル系合成樹脂エマルジョンを含み、
    前記下塗り塗料はアクリル系合成樹脂エマルジョンとエチレン-酢酸ビニル樹脂系エマルジョンとのうち少なくともいずれか一方を含むことを特徴とする施工方法。
  2. 前記下塗り工程及び前記中塗り工程の間に行われ、前記下塗り工程が行われた前記対象物に対し機能性塗料を塗布して、機能層を形成する機能層形成塗布工程を更に備え、
    前記機能性塗料は合成樹脂エマルジョンを含み、
    前記機能性塗料に含まれる合成樹脂エマルジョンは、前記下塗り塗料の合成樹脂エマルジョンの成分又は前記中塗り塗料の合成樹脂エマルジョンの成分と共通の成分をもつことを特徴とする請求項1記載の施工方法。

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