JP7219129B2 - 施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、施工方法に関する。
船、ビルや道路等の建造物や車両等の対象物に所定の機能を付加するための塗工材料として、ポリウレアが知られている。ポリウレアは、ポリイソシアネートとポリアミンとの反応によって得られるものであり、ウレタン結合に比べて結合力の高いウレア結合に起因して、引裂強度、引張強度、耐薬品性や耐摩耗性について優れた特性を有する(例えば、特許文献1)。
特開昭58-188643号公報
しかしながら、ポリウレアを用いて対象物の上に塗工膜を形成する場合、対象物に対する塗工膜の密着性を確保するために、ポリウレアの塗工に先だって、下地用の塗料を対象物に塗布する必要がある。ところが、下地用の塗料としては、有機溶剤を使用する場合も多いことから、下地用の塗料を用いる作業現場における安全性の確保が必要となる。
一方、水性の下地用の塗料としては、ポリウレアとの密着性が低い。このため、塗工膜全体としてみたときに、引裂強度、引張強度、耐薬品性や耐摩耗性等の優れた特性を発現させることができない。
特に、対象物がアスファルト舗装である場合には、所望の密着性の確保ができず、ポリウレアを用いた塗工膜をアスファルト舗装に形成することが困難であった。
そこで、本発明は、作業現場における安全性を確保するとともに、ポリウレア特有の優れた特性をもつ塗工膜を得ることが可能な施工方法を提供する。
本発明の施工方法は、アスファルト舗装の上に下塗り塗料を塗布して下塗り層を形成する下塗り工程と、前記下塗り工程が行われた前記アスファルト舗装に対し中塗り塗料を塗布して、中塗り層を形成する中塗り工程と、前記中塗り工程が行われた前記アスファルト舗装に対し上塗り塗料を塗布して、上塗り層を形成する上塗り工程と、を備え、前記上塗り塗料はポリウレアを含み、前記中塗り塗料はアクリル系合成樹脂エマルジョンを含み、前記下塗り塗料はアクリル系合成樹脂エマルジョンと、反射顔料と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、作業現場における安全性を確保するとともに、ポリウレア特有の優れた特性をもつ塗工膜を得ることが可能な施工方法を提供することができる。
施工方法の概要を示すフローチャートである。 積層体の概要を示す説明図である。
図1~2に示すように、施工方法2は、下塗り工程S10と、下塗り後乾燥工程S11と、中塗り工程S20と、中塗り後乾燥工程S25と、上塗り工程S30と、を備える。
下塗り工程S10では、対象物となるアスファルト舗装TGの上に下塗り塗料を塗布して下塗り層ASを形成する。下塗り後乾燥工程S11は、下塗り層D1の乾燥を行うものであり、下塗り層D1から溶媒が十分に蒸発するまで行われることが好ましい。中塗り工程S20では、下塗り工程S10が行われたアスファルト舗装TG、すなわち下塗り層ASに対し中塗り塗料を塗布して、中塗り層S1を形成する。中塗り後乾燥工程S25は、中塗り層S1の乾燥を行うものであり、中塗り層S1から溶媒が十分に蒸発するまで行われることが好ましい。上塗り工程S30では、中塗り工程S20が行われたアスファルト舗装TG、すなわち、中塗り層S1に対し上塗り塗料を塗布して、上塗り層P1を形成する。こうして、施工方法2によれば、下塗り層ASと、中塗り層S1と、上塗り層P1とが積層する塗工膜10をアスファルト舗装TGの上に形成することができる。以後、塗工膜10とアスファルト舗装TGとを含めて積層体20と称する。
アスファルト舗装TGは、図1(B)に示すように、骨材をアスファルトで結合したアスファルト混合物によって路面を地盤の表層部(路床)T0上に形成するものであり、路床T0の上に設けられる路盤T1と、路盤T1の上に設けられる基層T2と、基層T2の上に設けられる表層T3と、を備える。表層T3はアスファルト舗装において最上部にある層である。表層T3の役割は交通荷重を分散し、交通の安全性、快適性など、路面の機能を確保するものである。基層T2は、路盤T1の不陸を整正し、表層T3に加わる荷重を均一に路盤T1に伝達する役割をする。表層T3や基層T2にはそれぞれアスファルト混合物が用いられる。路盤T1は、表層T3および基層T2に対して均一な支持基盤であるともに、上層側から伝わった交通荷重を分散して路床T0に伝える役割を果たす層である。
アスファルトとしては、例えば、種々のアスファルトが使用できる。例えば、舗装用石油アスファルトであるストレートアスファルトの他、改質アスファルトが挙げられる。ストレートアスファルトとは、原油を常圧蒸留装置,減圧蒸留装置などで処理して得られる残留瀝青物質のことである。改質アスファルトとしては、ブローンアスファルト;熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂など高分子材料で改質したアスファルト等が挙げられる。熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン/ブタジエン/ブロック共重合体(以下、単に「SB」ともいう)、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体(以下、単に「SBS」ともいう)、スチレン/イソプレン/ブロック共重合体(以下、単に「SI」ともいう)、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体(以下、単に「SIS」ともいう)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA」ともいう)、エチレン/アクリル酸エステル共重合体、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレンブロック共重合体等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/エチルアクリレート共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。改質アスファルト中、熱可塑性エラストマー及び熱可塑性樹脂の量は、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上であり、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
アスファルトの針入度としては、好ましくは40超え、そして、好ましくは120以下、より好ましくは80以下、更に好ましくは60以下である。針入度の測定方法は、JIS K2207:2006に規定された方法による。なお、JIS K2207:2006に記載された試験条件の下で、規定の針が試料中に垂直に進入した長さ0.1mmを1として表す。
アスファルト組成物中のアスファルトの含有量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上であり、そして、好ましくは98質量%以下、より好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。
骨材としては、例えば、砕石、玉石、砂利、砂、再生骨材、セラミックスなどを任意に選択して用いることができる。骨材としては、平均粒径2.36mm以上の粗骨材、平均粒径2.36mm未満の細骨材のいずれも使用することができる。粗骨材としては、例えば、粒径範囲2.36mm以上4.75mm以下の7号砕石、粒径範囲4.75mm以上13.2mm以下の6号砕石、粒径範囲13.2mm以上19mm以下の5号砕石、粒径範囲19mm以上31.5mm以下の4号砕石が挙げられる。細骨材は、好ましくは粒径0.075mm以上2.36mm未満の細骨材である。細骨材としては、例えば、川砂、丘砂、山砂、海砂、砕砂、細砂、スクリーニングス、砕石ダスト、シリカサンド、人工砂、ガラスカレット、鋳物砂、再生骨材破砕砂が挙げられる。上記の粒径はJIS 5001:1995に規定される値である。これらの中でも、粗骨材と細骨材との組み合わせたものが好ましい。
なお、細骨材には、平均粒径0.075mm未満のフィラー(例えば、砂)が含まれていてもよい。フィラーの平均粒径の下限値は、例えば、0.001mm以上である。フィラーの平均粒径は、乾燥強度向上の観点から、好ましくは0.001mm以上であり、そして、同様の観点から、好ましくは0.05mm以下、より好ましくは0.03mm以下、更に好ましくは0.02mm以下である。フィラーの平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定することができる。ここで、平均粒径とは、体積累積50%の平均粒径を意味する。
〔フィラー平均粒径の測定方法〕
フィラーの平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所株式会社製「LA-950」)を用い、以下に示す条件で測定した値である。
・測定方法:フロー法
・分散媒:エタノール
・試料調製:2mg/100mL
・分散方法:攪拌、内蔵超音波1分
フィラーとしては、砂、フライアッシュ、炭酸カルシウム、消石灰などが挙げられる。このうち、乾燥強度向上の観点から、炭酸カルシウムが好ましい。
粗骨材と細骨材との質量比率は、好ましくは10/90以上、より好ましくは20/80以上、より好ましくは30/70以上であり、そして、好ましくは90/10以下、より好ましくは80/20以下、より好ましくは70/30以下である。
表層T3において用いられるアスファルト混合物として、密粒度アスファルト混合物等がある。
下塗り塗料は、含浸性に優れた水性の塗料であり、主成分である合成樹脂エマルジョンと、溶媒と、反射顔料と、を含む。なお、下塗り塗料は、所定の添加剤を含むものでもよい。所定の添加剤としては、例えば、二酸化ケイ素、炭酸カルシウムや酸化鉄等がある。二酸化ケイ素は、耐汚染性、耐火性及び付着性を向上させるために添加される。炭酸カルシウムは、塗料の凝固性を高めるために添加される。酸化鉄は、下地及び塗料の耐腐食性を向上させるために添加される。
下塗り塗料の合成樹脂エマルジョンとしては、アクリル系合成樹脂エマルジョン、酢酸系樹脂エマルジョン、塩化ビニル系合成樹脂エマルジョン、塩化ビニリデン系合成樹脂エマルジョン、スチレン・ブタジエン系合成樹脂エマルジョン、エポキシ系合成樹脂エマルジョン、及びアクリル酸エステル、スチレン、エチレン、ビニルエステル、酢酸ビニル、合成ゴム等と共重合によって得られる合成樹脂エマルジョンがある。共重合によって得られる合成樹脂エマルジョンとして、例えば、アクリル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体エンカビニリデン/ブチルアクリレート共重合体、などが挙げられる。
下塗り塗料の合成樹脂エマルジョンの中でも、アクリル系合成樹脂エマルジョンを用いることが好ましく、また、これらを併用することも好ましい。これにより、アスファルト舗装TGに対する下塗り塗料の含浸性が高まる結果、下塗り層ASとアスファルト舗装TGとの間の密着性が高まる。また、下塗り塗料の合成樹脂エマルジョンと、中塗り塗料の合成樹脂エマルジョンとは同一であることが好ましい。これにより、中塗り層S1と下塗り層ASとの間の密着性が高まる。
下塗り塗料における溶媒としては、水を用いることが好ましい。
下塗り塗料において、合成樹脂エマルジョン及び溶媒に対する合成樹脂エマルジョンの割合は、85質量%以上であることが好ましく、93質量%以上であることがより好ましい。下塗り塗料において、合成樹脂エマルジョン及び溶媒に対する溶媒の割合は、15質量%以下であることが好ましく、7質量%以上であることがより好ましい。
反射顔料は、外部からの熱を反射する性質を有するものであり、外部からの熱がアスファルト舗装へ伝わることを遮るために添加される。反射顔料としては、例えば、チタン酸カルシウムなどがある。反射顔料の濃度は、本発明の所期の効果が発現する程度の範囲であればよく、その上限は、例えば、塗料の全体(合成樹脂エマルジョンと溶媒の合計)に対して20重量%以下であることが好ましく、その下限は、例えば、塗料の全体に対して10重量%以上であることが好ましい。
下塗り塗料における成分、すなわち、合成樹脂エマルジョンをなす合成樹脂及び水と、その他の物質(反射顔料や添加剤)との割合は、水が最も大きく、その次に合成樹脂が大きく、その他の物質が最も小さい。
このような下塗り塗料によれば、アスファルト舗装に対する高い含浸性と、下塗り塗料からなる塗膜の高い硬化性とを両立させることができる。
中塗り塗料は、粘着性を有する水性の塗料であり、主成分である合成樹脂エマルジョンと、アルコールと、を含む。なお、中塗り塗料は、必要に応じて添加剤を備えていてもよい。
中塗り塗料の合成樹脂エマルジョンの中でも、アクリル系合成樹脂エマルジョンが好ましい。これにより、上塗り層P1と中塗り層S1との間の密着性が高まる。上塗り層P1と中塗り層S1との間の密着性が高まる理由としては、中塗り塗料に含まれるアクリル系合成樹脂エマルジョンと上塗り塗料のポリウレアとの相性が良いためと推測される。
アルコールは、水の乾燥を促進させるために添加されたものであり、メタノール、エタノール、3-クロロ‐1,2‐プロパンジオールと、1,3-ジクロロ‐2‐プロパノール等のうち1つまたは2つ以上の組み合わせて用いることができる。
中塗り塗料における合成樹脂エマルジョンの割合は、85質量%以上であることが好ましく、93質量%以上であることがより好ましい。中塗り塗料におけるアルコールの割合は、15質量%以下であることが好ましく、7質量%以上であることがより好ましい。
中塗り塗料の塗布方法は、下塗り塗料と同様とすればよい。
上塗り塗料はポリウレアである。
上塗り塗料の塗布方法としては、下塗り塗料と同様の方法でもよいし、吹き付けでもよい。吹き付けの方法としては、液状のイソシアネート(A剤)と液状のアミン(B剤)とをスプレーガンで衝突混合させて化学反応にてポリウレアを生成しながら吹き付けを行うものでもよいし、以下の様なポリウレア吹き付け装置を用いたものでもよいし、その他の公知の方法を用いてもよい。
ポリウレア吹付装置は、A剤が収容された第1容器と、B剤が収容された第2容器と、第1容器及び第2容器からA剤及びB剤を圧送するドラムポンプと、A剤及びB剤に高圧をかけて所定量だけ送り出す高圧計量装置と、を備えている。第1容器には、イソシアネートを主成分とするA剤が収容されている。
イソシアネートは、例えば、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’-MDI)、2,4-トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)、2,6-トリレンジイソシアネート(2,6-TDI)等の芳香族イソシアネートが好適である。なお、イソシアネートは、脂肪族イソシアネートであってもよい。A剤は、これらのイソシアネートの一部をポリオールと反応させてウレタンプレポリマーとした混合物であってもよい。第2容器には、ポリアミンを主成分とするB剤が収容されている。B剤は、平均分子量1000~10000のポリアミンに芳香族ジアミンを加えた混合物である。ポリアミンは、例えば、ポリオキシプロピレンジアミン等のポリアルキレンアミンが好適である。芳香族ジアミンとして、例えば、ジエチルトルエンジアミンや4,4’-メチレンビス(N-sec-ブチルアニリン)が挙げられる。複数の芳香族ジアミンを混合してもよい。B剤の配合比は、ポリアミン100重量部に対して芳香族ジアミン20~40重量部である。A剤やB剤に溶剤を加えてもよい。溶剤よってポリウレア樹脂の硬化時間や粘度を調整すれば、たて糸4を構成する繊維の隙間へのポリウレア樹脂の浸透が促進される。溶剤の一例は、メチルエチルケトン(MEK)である。なお、イソシアネートやポリアミンへの相溶性に優れた溶剤であれば、ジャケット2やライニング3に悪影響を及ぼすものを除いてアセトン等の種々の汎用溶剤を使用できる。
ドラムポンプは、第1容器及び第2容器にそれぞれ装着されている。ドラムポンプは、高圧計量装置に接続された送液ホースを備えており、例えばエアコンプレッサによって駆動されて高圧計量装置にA剤及びB剤を供給する。高圧計量装置は、装置本体と、加熱ホースと、二液衝突混合型吹付ガンと、を備えている。これにより、ドラムポンプによって所定の圧力となったA剤及びB剤は、二液衝突混合型吹付ガンを介して、対象物へ塗布される。
このように、各塗料の成分を適宜選択することにより、アスファルト舗装TGと下塗り層ASとの間、下塗り層ASと中塗り層S1との間や、中塗り層S1と上塗り層P1との間における密着性が高まる。すなわち、アスファルト舗装TGに対する塗工膜の密着性が高まる。この結果、上塗り層P1の厚みを薄くしても、アスファルト舗装TGに対して上塗り層P1が剥がれにくくなる。また、積層体20の表層に上塗り層P1が位置するため、ポリウレア特有の優れた特性をもつ積層体を得ることができる。また、下塗り層ASと中塗り層S1はいずれも水性の塗料であるため、施工方法2を行う作業現場における安全
性が確保される。
したがって、本発明によれば、作業現場における安全性を確保するとともに、ポリウレア特有の優れた特性をもつ塗工膜を得ることが可能となる。
ところで、ポリウレアは、他の材料に比べコストが高い傾向にある。このため、ポリウレアを用いて塗工膜を形成する際、所望の引裂強度、引張強度等を得るために、所定以上の膜厚が必要となる結果、材料コストが高くなりやすい。本発明によれば、上塗り層P1の厚みを減らしつつも、下塗り層ASと中塗り層S1とによって、塗工膜全体の強度及びアスファルト舗装TGとの密着性を確保することができる。したがって、本発明によれば、作業現場における安全性を確保するとともに、ポリウレア特有の優れた特性をもつ塗工膜を安価に得ることが可能となる。
ところで、ポリウレアは、他の材料に比べコストが高い傾向にある。このため、ポリウレアを用いて塗工膜を形成する際、所望の引裂強度、引張強度等を得るために、所定以上の膜厚が必要となる結果、材料コストが高くなりやすい。本発明によれば、上塗り層P1の厚みを減らしつつも、下塗り層ASと中塗り層S1とによって、塗工膜全体の強度及びアスファルト舗装TGとの密着性を確保することができる。したがって、本発明によれば、作業現場における安全性を確保するとともに、ポリウレア特有の優れた特性をもつ塗工膜を安価に得ることが可能となる。
ポリウレア特有の優れた特性をもつ塗工膜を得るためには、上塗り層P1の厚みとして所定のもの(例えば、2mm程度)が必要とされる。また、下塗り層AS、中塗り層S1においては、それぞれ、所定の厚みが必要となる。下塗り層ASや中塗り層S1の厚みは、の上限は、本発明の所期の効果が発現する程度の範囲であればよく、例えば、4mm以下であることが好ましく、2mm以下であることがより好ましく、1mm以下であることがさらに好ましい。また、下塗り層ASや中塗り層S1の厚みの下限は、本発明の所期の効果が発現する程度の範囲であればよく、例えば、0.01mm以上であることが好ましく、0.1mm以上であることが好ましい。アスファルト舗装TGに対して上塗り層P1のみを塗工する場合には、アスファルト舗装TGとの密着性の確保の点から、膜厚が2~4mm程度の上塗り層P1が必要になる。一方、アスファルト舗装TGと上塗り層P1との間に、下塗り層AS及び中塗り層S1を設ける場合には、上塗り層P1の膜厚が2mm程度としても、アスファルト舗装TGとの密着性が確保できる。本発明によれば、上塗り層P1の厚みを減らしつつも、下塗り層ASと中塗り層S1とによって、塗工膜全体の強度及びアスファルト舗装TGとの密着性を確保することができる。したがって、本発明によれば、作業現場における安全性を確保するとともに、ポリウレア特有の優れた特性をもつ塗工膜を安価に得ることが可能となる。
<実施例>
(実験A1)
1片が2.4m四方のテストピースに対し、図1に示す施工方法2を行い、図2に示す積層体20を得た。
下塗り塗料の成分は以下の通りである。
水性アクリル系合成樹脂エマルジョン 85重量部
水(溶媒) 15重量部
チタン酸カルシウム(反射顔料) 15~20重量部
中塗り塗料の成分は以下の通りである。
水性アクリル系合成樹脂エマルジョン 85重量%
エタノール(溶媒) 15重量%
上塗り塗料としては、ライノエクストリーム(ライノジャパン株式会社製)を用いた。
下塗り工程S10では、テストピース(板に設けられた密粒度アスファルト混合物(骨材の最大粒径20mm)の層。表1~2では、一般アスファルトと称する)に対し、下塗り塗料を所定量塗布した。下塗り工程S10の後、下塗り後乾燥工程S11を行った。下塗り後乾燥工程S11では、テストピースを大気中に2時間静置した。下塗り層D1の厚み(乾燥後)は、0.4mmであった。
中塗り工程S20では、下塗り層D1に対し、中塗り塗料を所定量塗布した。中塗り工程S20の後、中塗り後乾燥工程S25を行った。中塗り後乾燥工程S25では、テストピースを大気中に2時間静置した。中塗り層S1の厚み(乾燥後)は、0.2mmであった。
上塗り工程S30では、中塗り層S1に対し、上塗り塗料を所定量塗布した。上塗り層P1の厚み(乾燥後)は、2mmであった。
(実験A2~12)
表1に記載したこと以外は、実験A1と同様にして、図1に示す施工方法2を行い、図2に示す積層体20を得た。
(比較実験A1)
1片が2.4m四方のテストピース(板に設けられた密粒度アスファルト混合物(骨材の最大粒径20mm)の層)に対し、上塗り工程S30のみを直接行ない積層体を得た。上塗り層P1の厚み(乾燥後)は、2mmであった。
Figure 0007219129000001
(実験B1~B12)
表2に記載したこと以外は、実験A1と同様にして、図1に示す施工方法2を行い、図2に示す積層体20を得た。
(比較実験B1)
表2に記載したこと以外は、比較実験A1と同様にして積層体を得た。
Figure 0007219129000002
(評価)
得られた積層体について、次の評価を行った。
(密着性試験)
得られた積層体を外気に1か月間晒した。その後、積層体を目視観察し、評価を行った。
評価基準は以下の通りである。
○:塗工膜の全体がテストピースに対し剥がれていなかった。
△:一部の塗工膜がテストピースから剥がれていた。
×:大部分の塗工膜がテストピースから剥がれていた。
上記の実験A1~B12、比較実験A1~B1において、上塗り塗料として、ライノハイブリット(ライノジャパン株式会社製)を用いて積層体をつくった。得られた積層体について評価を行ったところ、評価結果は、いずれも、上記の実験A1~B12、比較実験A1~B1と同様の傾向を示した。
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
2 施工方法
10 塗工膜
20 積層体
AS 下塗り層
P1 上塗り層
S1 中塗り層
S10 下塗り工程
S20 中塗り工程
S30 上塗り工程
TG アスファルト舗装



Claims (1)

  1. アスファルト舗装の上に下塗り塗料を塗布して下塗り層を形成する下塗り工程と、
    前記下塗り工程が行われた前記アスファルト舗装に対し中塗り塗料を塗布して、中塗り層を形成する中塗り工程と、
    前記中塗り工程が行われた前記アスファルト舗装に対し上塗り塗料を塗布して、上塗り層を形成する上塗り工程と、を備え、
    前記上塗り塗料はポリウレアを含み、
    前記中塗り塗料はアクリル系合成樹脂エマルジョンを含み、
    前記下塗り塗料はアクリル系合成樹脂エマルジョンとエチレン-酢酸ビニル樹脂系エマルジョンとのうち少なくともいずれか一方と、反射顔料と、を含むことを特徴とする施工方法。

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