JP2016070025A - 遮熱性舗装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な遮熱効果を有すると共に、耐摩耗性及び滑り抵抗性について改善し、舗装体における塗膜寿命(耐久性)を向上させた遮熱性舗装体を提供する。
【解決手段】アスファルト舗装層2上の最表面層として、シランカップリング剤により表面処理されたアルミナ骨材31と、該アルミナ骨材31を含有するウレタン系樹脂32と、からなる第1の遮熱層3を有する遮熱性舗装体1。硬質骨材41と、該硬質骨材41を含有するアクリル系樹脂42と、からなる第2の遮熱層4を、中間層として有することで遮熱性、耐摩耗性及び滑り抵抗性がより良好なものとなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、アスファルト舗装の表面をコーティング処理して遮熱性を付与した遮熱性舗装体、特に、表層に密着性を改善した硬質骨材を有することとし、滑り抵抗性及び耐摩耗性を向上させた遮熱性舗装体に関する。
アスファルト舗装体は、太陽光の日射エネルギーを吸収しやすく内部蓄熱を起こすため、その表面温度が高温となり都市部におけるヒートアイランド現象の原因となっている。そのため、都市部におけるヒートアイランド現象を含めた都市熱環境を改善する対策が望まれている。その対策の一つとして、舗装体の表面に太陽熱遮断性の塗膜を設ける方法が検討されている。
太陽熱遮断性の塗膜を設ける一般的技術としては、従来、表面塗膜のJIS A 5759に規定される日射反射率を可及的に広範囲の波長に調整し、日射エネルギーの可視部及び赤外部を吸収せず塗膜表面において反射し、吸収による塗膜構成成分をエネルギー的に励起し、熱エネルギーへの変化を防止する手段が主にとられてきた。
具体的には、太陽光の可視領域で吸収を示し赤外領域で反射を示す顔料と、ビヒクルと、必要に応じて白色顔料と、を含有する遮熱塗料とすることが提案され、ここで使用する顔料は、日射反射率が15%以上であって、かつ、CIE1976L色空間におけるLが30以下の顔料を含有する塗布剤を塗布した表層を設けてなる太陽熱遮断性舗装体が、開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、排水性舗装体において低騒音化を図りつつ、骨材間の接合強度を高めることができると共に、湿潤した路面や温度が十分に低下していない路面に対しても施工することができ、また、施工時に臭気の発生の少ない低騒音排水性舗装体として、表層部分にウレタン系樹脂を塗布すると共に、すべり止め用の硬質骨材を散布してなる低騒音排水性舗装体が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特許第4401171号公報 特開2005−16151号公報
このように、舗装体表層においては、その特性を良好なものとするために種々のコーティング方法が用いられている。ところで、特許文献1記載の発明においては、良好な遮熱性を有する舗装体を得ることができるとされているが、その表層には硬質骨材が含有されていないため、耐摩耗性や滑り抵抗性について十分な特性が得られない。例えば、自動車等の通行車両により大きな圧力が加えられる用途のアスファルト舗装においては、摩耗し易く、その交換時期を待たずに塗膜が一部消失してしまう問題があった。
また、特許文献2には滑り抵抗性に着目した舗装体が記載されており、硬質骨材の脱落を防止しようとするものであるが、使用しているウレタン樹脂は無機粒子との密着性に劣るため、脱落の防止効果としてはそのままでは不十分であり、塗膜寿命(耐久性)が十分に高まらないものである。
そこで、本発明は、良好な遮熱効果を有すると共に、耐摩耗性及び滑り抵抗性について改善し、舗装体における塗膜寿命(耐久性)を向上させた遮熱性舗装体の提供を目的とする。
本発明の遮熱性舗装体は、アスファルト舗装上の最表面層として第1の遮熱層を有する遮熱性舗装体であり、該第1の遮熱層がシランカップリング剤により表面処理されたアルミナ骨材と、該アルミナ骨材を含有するウレタン系樹脂と、を含むことを特徴とする。
また、本発明の遮熱性舗装体は、さらに、前記アスファルト舗装上の中間層として第2の遮熱層を有し、該第2の遮熱層がモース硬度8以上の硬質骨材と、該硬質骨材を含有するアクリル系樹脂と、を含むことが好ましい。
本発明の遮熱性舗装体は、熱遮蔽性が良好であり太陽光に晒されるような場合にあっても蓄熱しにくいため、都市熱環境の改善に有効である。また、この遮熱性舗装体は、表面の硬質骨材の脱落を有効に防止でき、それにより自動車等の走行により大きな荷重の加わるアスファルト舗装体において耐摩耗性に優れたものとなり、表面のコーティング膜が削られにくいため製品寿命を長いものとできる。さらに、上記硬質骨材は遮熱性舗装体の表面を凹凸形状とし、滑り抵抗性を付与し、上記の通り脱落を防止できるため該特性を長期間良好に保持できる。
本実施形態の遮熱性舗装体の概略構成を示した断面図である。 実施例における滑り抵抗性試験の結果を示した図である。
以下、本発明の遮熱性舗装体について図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の遮熱性舗装体は、上記したように、アスファルト舗装上の最表面層として、シランカップリング剤、により表面処理されたアルミナ骨材と、該アルミナ骨材を含有するウレタン系樹脂と、からなる第1の遮熱層を有するものである。
このような遮熱性舗装体としては、例えば、図1に示したような遮熱性舗装体1が挙げられる。図1に示した遮熱性舗装体1は、地面等の基体の表面に形成されたアスファルト舗装層2と、該アスファルト舗装層2上の最表面層として形成された第1の遮熱層3と、該アスファルト舗装層2上の中間層として形成された第2の遮熱層4と、から構成される。以下、各構成要素について詳細に説明する。
アスファルト舗装層2は、道路や駐車場において地面を覆う公知のアスファルト舗装層が挙げられ、所定の粗骨材をアスファルトで相互に結合してなるアスファルト舗装層である。このアスファルト舗装層は、粗骨材の大きさにより、密粒度アスファルト混合物、細粒度アスファルト混合物、開粒度アスファルト混合物等から形成され、用途に応じて粗骨材間の間隙を調整して形成する。図1においては、開粒度アスファルト混合物により形成された舗装層を例示している。なお、耐摩耗性、滑り抵抗性をさらに良好なものとするためには、粒度が不連続なギャップアスファルト混合物とするのが好ましい。
ここで、本実施形態における第1の遮熱層3は、図1に示したように、アルミナ骨材31とウレタン系樹脂32とから構成され、アスファルト舗装層2上において最表面層となる層である。
ここで、アルミナ骨材31は、最表面層に含有され、遮熱性舗装体1の表面に露出して構成される、アルミナ(Al)を主成分とする硬質骨材である。本明細書において「アルミナを主成分とする」とは、骨材中にアルミナを80質量%以上含有することを意味し、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましい。
このように硬質なアルミナ骨材31が露出することで、遮熱性舗装体1の表面に凹凸形状を付与でき滑り抵抗性を良好なものとできる。また、このような硬質な骨材が表面に存在することで後述する最表層のウレタン系樹脂にかかる負担が軽減され、第1の遮熱層3を摩耗しにくくして使用寿命を大幅に向上できる。なお、ここで使用するアルミナ骨材としては、上記耐摩耗性及び滑り抵抗性をより良好なものとできる点で溶融アルミナが好ましい。このような溶融アルミナ骨材としては、たとえば、褐色溶融アルミナや白色溶融アルミナ(ホワイトアランダム)等が挙げられる。無色透明であり、遮熱特性を阻害しないことから白色溶融アルミナがより好ましい。
ここで使用するアルミナ骨材の粒径は、0.1〜1mmであることが好ましく、0.25〜0.8mmであることがより好ましく、0.425〜0.6mmであることが最も好ましい。アルミナ骨材の粒径が1mmを超えると、アルミナ骨材が比較的大きくなり、遮熱性舗装体表面への固定力が弱まる場合があり、固定力が弱まった場合にあっては、なんらかの衝撃が加わった場合、簡単に遮熱性舗装体表面からアルミナ骨材が剥離するおそれがある。一方、アルミナ骨材の粒径が0.1mmよりも小さいと、アルミナ骨材が小さくなりすぎて、アルミナ骨材を散布していないときと耐摩耗性及び滑り摩擦係数が変わらない場合がある。なお、本明細書における骨材の粒径は、JIS R 8815のふるい分け試験方法におけるふるいの目開きでいうものとし、JIS規定のふるいで振り分けして得られる粒度分布で、60質量%以上の粒子が存在している粒度分布を粒径の範囲とする。例えば、JIS R 6001(研削といし用研磨材の粒度)で規定される粒度では、F36が0.425〜0.600mmの粒度分布を有し、F30が0.500〜0.710mmの粒度分布を有している。
また、アルミナ骨材の形状は、滑り止め用の硬質骨材として公知の形状であれば特に限定されるものではないが、これらは自動車のタイヤ等と直接接触するため、路面の滑り抵抗値を上げるという観点から、角が丸い形状にならないようにすることが好ましく、破砕により形成される形状が好ましい。
そして、ここで使用するアルミナ骨材31は、シランカップリング剤、により表面処理されたものである。シランカップリング剤による表面処理は従来公知の方法により行えばよく、このようにアルミナ骨材31の表面処理を行うことで、次に説明するように樹脂との密着性が改善され、表面からアルミナ骨材31の脱落を防止し、遮熱性舗装体1の耐摩耗性及び滑り抵抗性を効果的に向上させることができる。
ここで使用するシランカップリング剤は、無機粒子の表面を改質処理可能な公知のシランカップリング剤であれば、特に限定されずに使用できる。このようなシランカップリング剤としては、例えば、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、メタクリル基、ビニル基等、の反応性基を有するシランカップリング剤が挙げられ、より具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリ(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリクロルシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフェン等が挙げられる。
なお、アルミナ骨材31の含有量は、遮熱性舗装体1の表面1mあたり0.1kg〜1kgが好ましく、0.25kg〜0.5kgであることがより好ましい。アルミナ骨材31の含有量が0.1kg/mよりも少ない場合にあっては、遮熱性舗装体1の表面の滑り摩擦係数の増加が不十分であり、その結果滑り止め効果が満足できるものではなくなるおそれがある。また、アルミナ骨材31の含有量が1kg/mよりも多い場合にあっては、アルミナ骨材31とウレタン系樹脂32とが接触しない部分ができ、その接触しない部分にあっては耐摩耗性や滑り抵抗性の向上に何ら寄与せず、衝撃によりアルミナ骨材31が飛散してしまうおそれがある。
また、この遮熱性舗装体1には、アルミナ骨材31の他に、他の骨材や、舗装体に弾性を付与するチップ材、等を含有するようにしてもよい。ここで、他の骨材としては、例えば、ケイ砂、エメリー、コージェライトなどの、セラミックス骨材やガラス骨材等が挙げられる。また、チップ材としては、樹脂チップ材とゴムチップ材との混合チップ材もしくは樹脂チップ材が挙げられる。混合チップ材もしくは樹脂チップ材を使用した場合にあっては、樹脂チップが遮熱性舗装体表面に部分的に突出することにより、遮熱性舗装体表面に凹凸形状を形成し、遮熱性舗装体表面の滑り摩擦係数を増加させることができる。
このように他の骨材やチップ材を使用する場合には、使用する骨材及びチップ材の合計量に対して、アルミナ骨材31を50体積%以上含有することが好ましく、80体積%以上含有することがより好ましい。
また、ウレタン系樹脂32は、ウレタン結合を有する樹脂であればよく、例えば、イソシアネートを含有するA剤と、ポリオールを含有するB剤と、からなる2液混合型のウレタン樹脂が典型的なものとして挙げられるが、種々変性したものや、1液型のウレタン樹脂であってもよい。また、ウレタン系樹脂32としては、ウレタン樹脂や、ウレタンウレア樹脂等が挙げられる。ウレタン系樹脂32は、高い靱性を有するため耐摩耗性に優れた遮熱性舗装体とでき、(メタ)アクリル系樹脂等と異なり無溶媒で施工できるため臭気を効果的に低減できる。
なお、ウレタン樹脂としてはイソシアネート成分を含有するA剤とポリオールとポリアミンとを混合して含有するB剤を用いることで得られるウレタンウレア樹脂が好ましい。ウレタンウレア樹脂は、ウレタン系樹脂と同等の高い靱性を有しながら、ウレタン樹脂よりも硬化反応が速いため、表面層の形成操作が簡便で、短時間で施工が済むため、道路への施工の際に必要な通行止め時間を最小限に抑えることができる。
なお、ウレタン系樹脂は、骨材との接着性が比較的低いため、遮熱性舗装体とした場合に骨材が脱落しやすく、使用時間に応じて耐摩耗性及び滑り抵抗性が低下する傾向がある。しかし、本発明においては、上記したように骨材をシランカップリング剤により表面処理することによりこの点を改善し、耐摩耗性及び滑り抵抗性を良好に維持できる遮熱性舗装体が得られる。
また、このウレタン系樹脂32には、遮熱性顔料が含有されており、舗装体に遮熱性を付与している。車道の遮熱性舗装には無彩色(いわゆるグレー色)の舗装が求められており、ここで使用される遮熱性顔料は、白色系顔料と黒色系顔料である。
それらには、公知の遮熱性顔料が挙げられ、白色系顔料には、可視領域から近赤外領域にわたって反射を示す顔料を、黒色顔料には可視領域では吸収を示し、近赤外領域で反射を示す顔料を使用することが好ましい。また、遮熱性顔料としては、例えば、粒径D50が0.1〜30μm程度の放熱性を有するポリマー粒子、トナー、無機系又は金属系の化合物からなる粒子等が挙げられる。より具体的には、白色系顔料としては、酸化チタン、炭酸カルシウム、等が挙げられ、黒色系顔料としては、有機系顔料であるアゾメチアゾ系顔料や無機系顔料であるFe−Cr系顔料、Cu−Mg等が挙げられる。
さらに、このウレタン系樹脂32には、耐摩耗性顔料が含有されるようにして、舗装体に耐摩耗性を付与してもよい。ここで使用される耐摩耗性顔料は、公知の耐摩耗性顔料が挙げられるが、舗装体の遮熱性能を損なわないように日射反射率の高い耐摩耗性顔料を用いることが好ましく、日射反射率が80%以上の耐摩耗性顔料を用いることが好ましい。このような耐摩耗性顔料としては、たとえば、0.1〜80μm程度の粒径D50を有する硬質白色セラミックス粒子が挙げられる。特に、日射反射率と耐摩耗性の観点より、アルミナ−ジルコニア共晶体構造を有する白色セラミックス微粒子を用いることが好ましい。
このとき、遮熱性顔料の配合によって遮熱性舗装体1の明度調整も可能であり、白色系顔料と黒色系顔料、さらに耐摩耗性顔料を混合比の調整によって色合いを調製できる。
なお、本明細書における顔料の粒径D50は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した粒径分布の累積粒度曲線において、その積算量が体積基準で50%での粒径を表す。
次に、本実施形態における第2の遮熱層4は、図1に示したように、モース硬度が8以上の硬質骨材41とアクリル系樹脂42とから構成され、アスファルト舗装2上において中間層となる層である。ここで使用する硬質骨材41は、直接表面に露出するものではないが、中間層として、第2の遮熱層4と第1の遮熱層3との層間がずれるのを防止して、遮熱性舗装体の構造を維持すると共に、第2の遮熱層4に凹凸形状を付与することで、上記耐摩耗性及び滑り抵抗性を付与する補助的な作用を有するものとして機能する。
ここで、硬質骨材41は、従来公知の舗装体用の硬質骨材であって、モース硬度が8以上のものが使用でき、特に限定されるものではない。なお、モース硬度は9以上が好ましい。このような硬質骨材としては、例えば、アルミナ骨材やセラミックス骨材等が挙げられる。
硬質骨材41の粒径は、0.1〜3mmであることが好適であり、0.5〜2mmであることがさらに好ましい。硬質骨材41の粒径が3mmを超えると、硬質骨材41が比較的大きくなり、遮熱性舗装体1の表面への固定力が弱まる場合があるからである。硬質骨材41の遮熱性舗装体1の表面への固定力が弱まった場合にあっては、なんらかの衝撃が加わった場合、第1の遮熱層3と第2の遮熱層との層間がずれて第1の遮熱層3が剥離して、遮熱性舗装体1の耐摩耗性及び滑り抵抗性の機能が損なわれるおそれがある。一方、硬質骨材41の粒径が0.1mmよりも小さいと、硬質骨材が比較的小さくなり、硬質骨材を含有していないときと滑り摩擦係数が変わらない場合があるからである。
なお、硬質骨材41の含有量は、遮熱性舗装体1の表面1mあたり0.3kg〜1kgが好ましい。硬質骨材41の含有量が0.3kg/mよりも少ない場合にあっては、第1の遮熱層3と第2の遮熱層4との界面における各層がずれるのを防止する硬化が不十分となるおそれがある。また、硬質骨材41の含有量が1kg/mよりも多い場合にあっては、硬質骨材41とアクリル系樹脂42とが接触しない部分ができ、上記各層のずれ防止に寄与しない骨材が存在し、これらはその上層となる第1の遮熱層3の形成にあたって遮熱層の薄い部分等が形成されるおそれがあり、遮熱効果を低減させるおそれがある。
また、アクリル系樹脂42は、アクリル酸やメタクリル酸のエステルを主成分とする樹脂であり、(メタ)アクリル酸エステル樹脂の他、ビニルエステル樹脂、(メタ)アクリル変性ウレタン樹脂、(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂等のアクリル変性した樹脂も使用することができる。これらアクリル系樹脂42は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。なお、このアクリル系樹脂42を含有する樹脂溶液を、舗装業界では、「MMA樹脂」と呼ぶこともある。
MMA樹脂とは、一般的にポリメタクリル酸メチルの重合硬化物を指すが、樹脂舗装用途では、これら変性されたアクリル系樹脂をメチルメタクリレートなどの反応性モノマーで希釈した、ラジカル硬化性を有する樹脂溶液のことを指す。このMMA樹脂は2液混合硬化型が主流である。A液に過酸化ベンゾイル、B液にアミン触媒が含有されており、2液混合によりラジカルを発生させることで、(メタ)アクリル基の重合硬化が進行する。
上記アクリル変性樹脂としては、ビニルエステル樹脂が好ましく使用される。ポリエポキシ化合物に(メタ)アクリル酸を付加したものであり、特に、(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂、即ち末端カルボキシル基を有する飽和または不飽和のポリエステルオリゴマーまたはポリマーにグリシジル(メタ)アクリレートを付加したものが好ましく使用される。(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂の具体的なものとしては、ディオバーHTP−761,HTP−763(いずれも大日本インキ化学工業社製)などを挙げることができる。
また、(メタ)アクリル変性ウレタン樹脂も有用であり、有機ポリイソシアネートや末端NCO基を有するウレタンプレポリマーにOH基含有(メタ)アクリル化合物、例えば2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートなどを付加して得られる(メタ)アクリロイル基を有するウレタン樹脂が挙げられる。なお、上記(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂を用いると、他の熱硬化性樹脂に比べて硬化時間が短く、施工性や作業性が向上するというメリットがある。
上記(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのグリコールと、フタル酸、テレフタル酸およびそれらの無水物などの非重合性二塩基酸、場合によりフマル酸、マレイン酸およびそれらの無水物などの重合性二塩基酸とを酸成分過剰で反応して得られる末端カルボキシル基を有する飽和または不飽和のポリエステルオリゴマーまたはポリマーにグリシジル(メタ)アクリレートを反応することによって得られる末端にアクリロイル基を有するポリエステル樹脂が挙げられる。なお、上記グリコール成分の一部として、ポリエチレンテレフタレート(PET)の容器などを回収し、グリコール分解して得られるポリエチレンテレフタレートグリコールのオリゴマーも使用することができる。なお(メタ)アクリル酸エステル樹脂も有用であり、該樹脂としては、通常、例えばメチルメタクリレート等のモノマーの一部を重合し、生成ポリマーと未反応のモノマーとの重合性混合物として使用に供せられる。
また、このアクリル系樹脂42には、遮熱性顔料が含有されており、舗装体に遮熱性を付与している。ここで使用される遮熱性顔料は、公知の遮熱性顔料が挙げられ、可視領域から近赤外領域で反射を示す白色顔料を使用することが好ましい。また、遮熱性顔料としては、例えば、粒径D50が0.1〜30μm程度の放熱性を有するポリマー粒子、無機系又は金属系の化合物からなる粒子等が挙げられる。より具体的には、酸化チタン、炭酸カルシウム等が挙げられるが、隠ぺい率に優れることから酸化チタンを使用することが好ましい。
さらに、このアクリル系樹脂42には、耐摩耗性顔料が含有されるようにして、舗装体に耐摩耗性を付与してもよい。ここで使用される耐摩耗性顔料は、公知の耐摩耗性顔料が挙げられるが、舗装体の遮熱性能を損なわないように日射反射率の高い耐摩耗性顔料を用いることが好ましく、日射反射率が80%以上の耐摩耗性顔料を用いることが好ましい。このような耐摩耗性顔料としては、たとえば、0.1〜80μm程度の粒径D50を有する硬質白色セラミックス粒子が挙げられる。特に、日射反射率と耐摩耗性の観点より、アルミナ−ジルコニア共晶体構造を有する白色セラミックス微粒子を用いることが好ましい。
(遮熱性舗装体の製造方法)
本発明の遮熱性舗装体を形成するには、アスファルト舗装層2の表面に、まず、第2の遮熱層を形成し、次いで、第2の遮熱層上に第1の遮熱層を順番に形成すればよい。以下、各層の形成について説明する。
なお、アスファルト舗装層2の形成は従来公知のアスファルト舗装層の形成方法によればよく、特に限定されるものではない。ここで、アスファルト舗装層2を形成するアスファルト混合物としては、密粒度アスファルト混合物、細粒度アスファルト混合物、ポーラスアスファルト混合物等が挙げられる。
(第2の遮熱層の形成)
まず、アクリル系樹脂組成物を調製し、アスファルト舗装層2の表面に調製したアクリル系樹脂組成物を塗布する。塗布したアクリル系樹脂組成物が硬化する前に硬質骨材41を表面に散布し、その後、アクリル系樹脂組成物を硬化させてアクリル系樹脂42の層をアスファルト舗装層2の表面に形成する。このようにして、硬質骨材41を含有、固定した第2の遮熱層4を形成できる。
ここで使用するアクリル系樹脂組成物は、固形分密度が0.8〜1.5g/cmの樹脂組成物が遮熱性舗装体の表面に0.2〜0.8kg/m吹き付けられていることが好適である。アクリル系樹脂組成物を遮熱性舗装体の表面に吹き付ける量が固形分として0.2kg/m未満では、硬質骨材を固定するのに少ない場合がある。また、アクリル系樹脂組成物を遮熱性舗装体の表面に吹き付ける量が固形分として0.8kg/mより多いと、無用に層が厚くなって製造コストが増大したり、遮熱性舗装体1中に存在する空隙を詰めてしまったりする場合がある。
このアクリル系樹脂42は、次工程で形成する第1の遮熱層とアスファルト舗装層2の中間層として両層のなじみを良好なものとする作用も有し、アスファルト舗装層2を上方から十分に被覆できればよい。このアクリル系樹脂42で形成される層の厚さは、0.1〜0.8mmが好ましく、0.15〜0.6mmがより好ましい。ここで、この厚さは、アスファルト舗装層2上に形成されるアクリル系樹脂層の平均厚みをいう。なお、第2の遮熱層4においては、アクリル系樹脂組成物を使用しているため、比較的短時間で硬化させることができる。
(第1の遮熱層の形成)
次に、ウレタン系樹脂組成物を調製し、上記のようにアスファルト舗装層2上に形成した第2の遮熱層4の表面に、調製したウレタン系樹脂組成物を塗布する。塗布したウレタン系樹脂組成物が硬化する前にアルミナ骨材31を表面に散布し、その後、ウレタン系樹脂組成物を硬化させてウレタン系樹脂32の層を第2の遮熱層4の表面に形成する。このようにして、アルミナ骨材31が固定された第1の遮熱層3を遮熱性舗装体1の最表面層として形成できる。
ここで使用するウレタン系樹脂組成物は、固形分密度が0.8〜1.5g/cmの樹脂が遮熱性舗装体1の表面に0.2〜0.8kg/m吹き付けられていることが好適である。ウレタン系樹脂組成物を遮熱性舗装体1の表面に吹き付ける量が固形分として0.2kg/m未満では、アルミナ骨材31を固定するのに少ない場合がある。また、ウレタン系樹脂組成物を遮熱性舗装体の表面に吹き付ける量が固形分として0.8kg/mより多いと、無用に第1の遮熱層4が厚くなって製造コストが高いものとなったり、遮熱性舗装体中に存在する空隙を詰めてしまったり、する場合がある。
このウレタン系樹脂32は、アルミナ骨材31を遮熱性舗装体1の表面にしっかりと固定し、アスファルト舗装層2上に形成された第2の遮熱層4を上方から十分に被覆できればよい。このウレタン系樹脂32で形成される層の厚さは、0.10〜0.8mmが好ましく、0.15〜0.6mmがより好ましい。ここで、この厚さは、第2の遮熱層4上に形成されるウレタン系樹脂層の平均厚みをいう。なお、第1の遮熱層3においては、ウレタン系樹脂組成物を使用しているため、比較的短時間で硬化させることができる。
さらに、硬質骨材の飛散を十分に防止するとともに、遮熱性舗装体表面の耐摩耗性を向上させるには、同じウレタン系樹脂を再度塗布して形成するトップコート手法も有効である。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。例1〜3が実施例であり、例4、5が比較例である。
[ウレタン樹脂遮熱バインダーの調製]
(製造例1)
ポリプロピレングリコール(旭硝子社製、商品名:エクセノール3020)55質量部、遮熱白色顔料(AGCセラミックス社製、商品名:タフクーレP325)30質量部、酸化チタン(石原産業社製、商品名:PFR−404)12質量部、添加剤(消泡剤、レオロジー付与剤)1質量部を調合し、ウレタン樹脂遮熱バインダーB剤を得た。
[シランカップリング剤溶液の調製]
(製造例2)
KBM−903(信越化学工業社製、商品名;3−アミノプロピルトリメトキシシラン)の1gとメタノール/水混合溶媒(混合比9/1)の19gとを混合してシランカップリング剤溶液1を調製した。
(製造例3)
KBM−903(信越化学工業社製、3−アミノプロピルトリメトキシシラン)の10gとメタノール/水混合溶媒(混合比9/1)の10gとを混合してシランカップリング剤溶液2を調製した。
(製造例4)
KBM−403(信越化学工業社製、商品名;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)の1gとメタノール/水混合溶媒(混合比9/1)の19gとを混合してシランカップリング剤溶液3を調製した。
[骨材表面へのシランカップリング処理]
(製造例5)
30Lモルタルミキサーに酸化アルミニウムを主成分とする骨材であるホワイトアランダム(JIS R 6001による粒度:F36)を10kg投入し、撹拌を開始した。撹拌されている上記ホワイトアランダムに製造例2で調製したシランカップリング剤溶液1の2gを約10分かけて滴下してから、そのまま撹拌を20分継続することでシランカップリング剤溶液とホワイトアランダムの混合物を得た。ステンレス製のバットに得られた上記混合物を移し、120℃に予熱した乾燥機中で1時間乾燥した。乾燥後の混合物には凝集体が見られたのでジャイロシフター(メッシュ目開き:1mm)を用いて解砕処理を行い、シランカップリング剤被覆骨材1を得た。
(製造例6)
シランカップリング剤として、製造例3で調製したシランカップリング剤溶液2の2gを使用すること以外は、製造例5と同様にしてシランカップリング剤被覆骨材2を作製した。
(製造例7)
シランカップリング剤として、製造例4で調製したシランカップリング剤溶液3の2gを使用すること以外は、製造例5と同様にしてシランカップリング剤被覆骨材3を作製した。
[遮熱性舗装試験体の作製]
(例1)
〈第2の遮熱層(中間層)の形成〉
アスファルト舗装試験体(排水性舗装、サイズ:300mm×300mm×50mm)上に第2の遮熱バインダー(日進化成社製MMA樹脂バインダー、ポーラスコートクールU−NS下塗り)A剤、B剤をスプレーガン先端で混合させながら塗布量0.5kg/mで塗布し、その上から骨材としてタフバーンEH(AGCセラミックス製超硬質骨材、粒径0.7−1.7mm、モース硬度:9)を0.6kg/m散布した。上記遮熱バインダーを硬化させるため、1時間養生して、第2の遮熱層を形成した。
〈第1の遮熱層(最表面層)の形成〉
上記第2の遮熱層の養生が終了した試験体上に、第1の遮熱バインダー(日進化成社製ウレタンウレア樹脂バインダー、ポーラスコートクールU−NS上塗り)A剤、B剤をスプレーガン先端で混合させながら塗布量0.5kg/mを塗布し、その上から骨材として製造例5で製造したシランカップリング剤被覆骨材1を0.3kg/m散布した。上記第1の遮熱バインダーは散布5分後には初期硬化が進行し、タックが消失していた。このようにして、最表面層として第1の遮熱層を形成し、遮熱性舗装試験体1を得た。
(例2)
「第1の遮熱層の形成」において、製造例6で製造したシランカップリング剤被覆骨材2を用いる以外は、例1と同様にして、遮熱性舗装試験体2を得た。
(例3)
「第1の遮熱層の形成」において、製造例7で製造したシランカップリング剤被覆骨材3を用いる以外は、例1と同様にして、遮熱性舗装試験体3を得た。
(例4)
「第1の遮熱層の形成」において、第1の遮熱バインダー(日進化成社製ウレタンウレア樹脂バインダー、ポーラスコートクールU−NS上塗り)A剤と製造例1で作製したウレタン樹脂遮熱バインダーB剤を用いることと、シランカップリング剤被覆骨材1の代わりにシランカップリング剤で表面処理していないホワイトアランダム(JIS R 6001による粒度:F36)を用いる以外は、例1と同様にして、遮熱性舗装試験体4を得た。
(例5)
「第1の遮熱層の形成」において、シランカップリング剤被覆骨材1の代わりにシランカップリング剤で表面処理していないホワイトアランダム(JIS R 6001による粒度:F36)を用いた以外は、例1と同様にして、遮熱性舗装試験体5を得た。
(試験例)
上記例1〜5で得られた遮熱性舗装試験体1〜5において、以下の方法で、初期硬化性、滑り抵抗値、骨材の耐脱落性能、遮熱性能、をそれぞれ評価した。その結果を、第1の遮熱バインダーの構成、第1の遮熱層に使用した骨材とともに表2にまとめて示す。
[初期硬化性の評価]
初期硬化性の評価は、指触法によって実施した。第1の遮熱バインダー吹き付け後5分間経過した遮熱性舗装試験体をサンプルとした。吹き付け面の中央部に指で触れた際、未硬化の樹脂バインダーで指先が汚れない状態を合格とした。
[滑り抵抗値の測定]
滑り抵抗性能の測定は、「舗装試験法便覧,6−5舗装路面のすべり抵抗の測定方法」に準じ、ASTM E 303に準拠する英国式ポータブル・スキッドレジスタンステスタを用いて滑り抵抗性能評価の試験片のBPN滑り抵抗(BPN値)を測定した。測定は、試験片の表面に水を散布し、測定器の振り子の先のゴムスライダーを所定の位置から振り下ろし、スライダーと試験片表面間の摩擦による減衰を目盛りによって、読み取るもので、測定値の単位はBPN(British Pundulumu Number)である。 測定は、連続した5回の測定値のばらつきが3未満になるまで行い、この5回の中央値をその試料の滑り抵抗値とし、以下の基準により評価した。
○:60BPN以上、×:60BPN未満
[骨材の耐脱落性能(ホイールトラッキング試験)]
第26回日本道路会議(報文番号12001)で報告されている、ホイールトラッキング試験機を用いて試料表面に車輪を所定回数通過(トラバース走行)させ、滑り抵抗値(BPN)の測定を行って、滑り抵抗値の推移を評価する方法で骨材の脱落抵抗性を比較した。試験温度は、25℃にて行った。その結果を、表1に示すように、トラバース走行時間0、15、45、90分間行った場合について、滑り抵抗値を求めた。表1に基づいて、図2にトラバース走行試験に供する前の滑り抵抗値を100%とした場合の、滑り抵抗値の推移(残存率)を示すグラフを作成した。なお、表2においては、次の基準で評価した。
○:試験時間45分後の滑り抵抗残存率が97%以上
×:試験時間45分後の滑り抵抗残存率が97%未満
Figure 2016070025
[遮熱性評価]
作成した試験片について、遮熱性舗装技術研究会が規定する「遮熱性舗装室内照射試験法」に準拠して、東芝ライテック株式会社製ビームランプ「BRF110V/150W」を所定の時間照射し、その時の表面温度を測定した。なお基準試験片として、排水性アスファルト舗装試験片(遮熱バインダー塗布、骨材の散布なし)を用い、この基準試験片に当該ランプ照射試験を実施して、表面温度が23℃から60℃となるまでの時間を照射時間Tとした。
その後、試験片の当初の表面温度を23℃とし、これに上記ビームランプを照射し、照射時間T後における当該試験片の表面温度を測定し、試験片の表面温度とした。基準試験片の表面温度との差を温度上昇の抑制効果として求めた。すなわち温度上昇の抑制効果は(試験片の表面温度)−(基準試験片の表面温度、60℃)で表され、負の値であれば、基準試験片の表面温度に対して、表面温度が低く、温度上昇の抑制効果が認められ、正の値であれば、基準試験片の表面温度に対して、表面温度が高く、温度上昇の抑制効果が認められないことを示しており、以下の基準で評価した。
○:−11℃以下、△:−11℃超0℃以下、×:0℃超
Figure 2016070025
上記の結果からわかるように、ウレタンウレア樹脂を主成分とする第1の遮熱バインダーを用いた例1〜3、5の遮熱性舗装試験体では、第1の遮熱バインダー吹き付け5分後には、指触で硬化していることが確認され、初期硬化が速やかに進行することが分かった。一方、ウレタン樹脂を主成分とする第1の遮熱バインダーを用いた例4の遮熱性舗装試験体では、上記評価による指触で硬化していないことが確認された。
また、シランカップリング剤で第1の硬質骨材を被覆した例1〜3の遮熱性舗装試験体では、ホイールトラッキング試験のトラバース走行を90分繰り返しても滑り抵抗値(BPN)がほぼ低下せず、骨材の脱落が抑制されていることが確認できた。さらに、遮熱性評価において温度の低減効果が−11℃以上と良好であることも確認できた。
本発明により、熱遮蔽性が良好であり、表面の硬質骨材の脱落を有効に防止できる遮熱性舗装体を提供できる。この遮熱性舗装体は、遮熱用途に加え、上記硬質骨材の脱落防止を良好なものとしたことから、耐摩耗性及び滑り抵抗性の改善された遮熱性舗装体である。
1…遮熱性舗装体、2…アスファルト舗装層、3…第1の遮熱層、4…第2の遮熱層、31…アルミナ骨材、32…ウレタン系樹脂、41…硬質骨材、42…アクリル系樹脂

Claims (6)

  1. アスファルト舗装上の最表面層として第1の遮熱層を有する遮熱性舗装体であり、
    該第1の遮熱層がシランカップリング剤により表面処理されたアルミナ骨材と、該アルミナ骨材を含有するウレタン系樹脂と、を含むことを特徴とする遮熱性舗装体。
  2. 前記アスファルト舗装上の中間層として第2の遮熱層を有し、該第2の遮熱層がモース硬度8以上の硬質骨材と、該硬質骨材を含有するアクリル系樹脂と、を含む請求項1に記載の遮熱性舗装体。
  3. 前記シランカップリング剤が、アミノシランカップリング剤である請求項1又は2に記載の遮熱性舗装体。
  4. 前記ウレタン系樹脂が、ウレタンウレア樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載の遮熱性舗装体。
  5. 前記アルミナ骨材が、溶融アルミナ骨材である請求項1〜4のいずれか1項に記載の遮熱性舗装体。
  6. 前記アルミナ骨材の粒径が0.1〜1.0mmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の遮熱性舗装体。
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