JP2019162027A - 圧電駆動装置及びその駆動方法、ロボット及びその駆動方法 - Google Patents

圧電駆動装置及びその駆動方法、ロボット及びその駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被駆動体を所望の位置で停止させ、静止状態を維持させる。【解決手段】発明の圧電駆動装置は、被駆動体と接触可能な接触部を有し、圧電体を有する圧電駆動部と、圧電駆動部を駆動する駆動回路とを備える。駆動回路は、許容最大出力トルクTlim以下を許容出力トルクの範囲とし、圧電駆動部の出力トルクTdを前記許容出力トルクの範囲内に設定して圧電駆動部を作動させる。前記許容最大出力トルクTlimは下式(1)で表される。Tlim=r1×μk×Ns×fs ・・・(1)ここで、r1は被駆動体の回転中心と接触部の接触位置との距離であり、μkは被駆動体と接触部との動摩擦係数であり、Nsは圧電駆動部の作動を停止した際に接触部が被駆動体を押圧する押圧力であり、fsは1以下の係数である。【選択図】図6

Description

本発明は、圧電駆動装置及びその駆動方法、ロボット及びその駆動方法に関する。
圧電体を振動させて被駆動体を駆動する圧電アクチュエーター(圧電駆動装置)は、磁石やコイルが不要のため、様々な分野で利用されている(例えば特許文献1)。この圧電駆動装置の基本的な構成は、補強板の2つの面のそれぞれの上に、4つの圧電素子が2行2列に配置された構成であり、合計で8つの圧電素子が補強板の両側に設けられている。個々の圧電素子は、圧電体をそれぞれ2枚の電極で挟んだユニットであり、補強板は、圧電素子の一方の電極としても利用される。補強板の一端には、被駆動体としてのローターに接してローターを回転させるための突起部が設けられている。4つの圧電素子のうちの対角に配置された2つの圧電素子に交流電圧を印加すると、この2つの圧電素子が伸縮運動を行い、これに応じて補強板の突起部が往復運動又は楕円運動を行う。そして、この補強板の突起部の往復運動又は楕円運動に応じて、被駆動体としてのローターが所定の回転方向に回転する。また、交流電圧を印加する2つの圧電素子を他の2つの圧電素子に切り換えることによって、ローターを逆方向に回転させることができる。
特開2004−320979号公報
圧電駆動装置を適用した稼働装置(ロボット等)において、稼働部分の動作を停止した状態では、突起部が被駆動体を押圧したままの状態となり、突起部と被駆動体との間に生じる静止摩擦力が、被駆動体に繋がった稼働部分を静止状態で保持するための保持力または保持トルクとなる。このため、この保持力を超えた外力が稼働部分に加わると、被駆動体の静止状態が保持できなくなって稼働部分が動いてしまう、という特性を有していた。
そして、稼働部分の作動時には、圧電駆動装置は突起部の運動(楕円運動等)による大きな押圧力によって、保持トルクを超えた出力トルクを発生し、これに応じて被駆動体に接続された稼働部分を作動させる。また、稼働部分の移動の減速時には、慣性力によって出力トルクは見かけ上大きくなる。これらの保持トルクよりも大きな出力トルクの発生により、保持トルクよりも大きな負荷トルクで動作させることは可能であるが、この動作を停止した瞬間に、直前までの動作方向とは逆向きに動いてしまい、所望の位置で停止させることができない、という課題があった。
また、稼働部分の作動時において、保持トルクと出力トルクが拮抗した状態の場合に、突起部と被駆動体との間で、一旦僅かな滑りが発生すると、静止摩擦状態から動摩擦状態に変化して摩擦力が減少するため、そのまま滑り続けて停止することができなくなる、という課題もあった。そのため、稼働部分動作開始後、所望の位置で停止させるとともに、その位置での静止状態を保持させるように、圧電駆動装置を動作させることが可能な技術が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、圧電駆動装置が提供される。この圧電駆動装置は、被駆動体と接触可能な接触部を有し、圧電体を有する圧電駆動部と;前記圧電駆動部を駆動する駆動回路と;を備える。前記駆動回路は、許容最大出力トルクTlim以下を許容出力トルクの範囲とし、前記圧電駆動部の出力トルクTdを前記許容出力トルクの範囲内に設定して前記圧電駆動部を作動させる。前記許容最大出力トルクTlimは下式(1)で表される。
Tlim=r1×μk×Ns×fs ・・・(1)
ここで、r1は前記被駆動体の回転中心と前記接触部の接触位置との距離であり、μkは前記被駆動体と前記接触部との動摩擦係数であり、Nsは前記圧電駆動部の作動を停止した際に前記接触部が前記被駆動体を押圧する押圧力であり、fsは1以下の係数である。
この形態によれば、圧電駆動装置の出力トルクTdを許容最大出力トルクTlim以下の許容出力トルクの範囲内に設定して、圧電駆動部を作動させることができる。この場合、被駆動体に掛かる負荷トルクは、出力トルクTd以下である。従って、課題で説明したような、保持トルクよりも大きな負荷トルクで作動させることはないので、被駆動体を所望の位置で停止させることができる。また、許容最大出力トルクTlimは、被駆動体を静止状態で保持する保持トルク(r1×μs×Ns,μsは被駆動体と接触部との静止摩擦係数)よりも小さい。従って、課題で説明したような、接触部と被駆動体との間での滑りの発生を抑制することができる。
(2)上記形態の圧電駆動装置において、前記係数fsは1未満の値であるとしてもよい。
この形態によれば、許容出力トルクの範囲の上限側を低く制限することができ、設定可能な出力トルクの上限側を制限することができるので、より確実に、被駆動体を所望の位置で停止させることができ、また、接触部と被駆動体との間での滑りの発生を抑制することができる。
(3)上記形態の圧電駆動装置において、前記被駆動体に加わる負荷トルクは、前記許容最大出力トルクTlim以下に設定された出力トルク以下に制限されることを特徴とする圧電駆動装置。前記被駆動体に加わる負荷トルクは、前記許容最大出力トルクTlim以下に制限されることとしてもよい。
この形態によれば、負荷トルクが加わった被駆動体を所望の位置で停止させることができ、また、接触部と被駆動体との間での滑りの発生を抑制することができる。
本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、圧電駆動装置の他、圧電駆動装置の駆動方法、圧電駆動装置の製造方法、圧電駆動装置を搭載するロボット、圧電駆動装置を搭載するロボットの駆動方法、電子部品搬送装置、送液ポンプ、投薬ポンプ等、様々な形態で実現することができる。
本発明の一実施形態の圧電駆動装置を備えた双腕ロボットの構造を示す模式正面図である。 圧電駆動装置の一例を示す概略構成図である。 圧電駆動部の概略構成図である。 振動板の平面図である。 圧電駆動部の動作の例を示す説明図である。 圧電駆動部に許容する出力トルクについて示す説明図である。 本発明の他の実施形態としての圧電駆動部の断面図である。 本発明のさらに他の実施形態としての圧電駆動部の平面図である。 圧電駆動装置を利用した単腕ロボットの一例を示す説明図である。 単腕ロボットの手首部分の説明図である。 圧電駆動装置を利用した送液ポンプの一例を示す説明図である。
A.実施形態の双腕ロボット:
図1は、本発明の一実施形態の圧電駆動装置1300を備えた双腕ロボット1000の構造を示す模式正面図である。図1に示すように双腕ロボット1000は本体部1190を備えている。そして、本体部1190に接続して一対の腕部1200が設置されている。各腕部1200には、肩関節部1210、第1リンク部1220、肘関節部1230、第2リンク部1240、手首関節部1250、ロボットハンド1260が、本体部1190側からこの順に設置されている。第1リンク部1220の肘関節部1230側には、肘関節部1230を回動させて、第1リンク部1220に対して第2リンク部1240を回動させるための圧電駆動装置1300が設置されている。なお、他の関節部に対しても同様に、関節部を回動させるための圧電駆動装置が設置されているが、いずれの圧電駆動装置の動作も、基本的に、圧電駆動装置1300と同様であるので、以下では、代表して圧電駆動装置1300を例に説明する。
図2は、圧電駆動装置1300の一例を示す概略構成図である。圧電駆動装置1300は、ギヤトレイン50に含まれる被駆動体としてのローターR1を駆動する圧電駆動部10と、圧電駆動部10を駆動する駆動回路300と、を備えている。
ギヤトレイン50は、圧電駆動部10によって駆動(回転)される被駆動体としての第1ローターR1と、第1ローターR1によって回転される第2ローターR2と、第2ローターR2によって回転される第3ローターR3と、を有している。このギヤトレイン50は、第1ローターR1と第3ローターR3のギヤ比(変速比)が1:M(M>1)の減速装置ある。以下、第1ローターR1に対する第3ローターのギヤ比Mを「減速比M」とも呼ぶ。第3ローターR3は、肘関節部1230(図1)の回転軸1231と同心で連結されている。従って、圧電駆動部10によって第1ローターR1が回転すると、これに応じて第3ローターR3が減速比Mで回転する。これにより、第3ローターR3の回転に応じて回転軸1231を介して肘関節部1230が回転(回動)し、肘関節部1230の回動に応じて第2リンク部1240が第1リンク部1220に対して回動する。
図3は、圧電駆動部10の概略構成図である。図3(A)は、圧電駆動部10の平面図であり、図3(B)はそのB−B断面図である。圧電駆動部10は、振動板200と、振動板200の両面(第1面211と第2面212)にそれぞれ配置された2つの圧電振動体100とを備える。圧電振動体100は、基板120と、基板120の上に形成された第1電極130と、第1電極130の上に形成された圧電体140と、圧電体140の上に形成された第2電極150と、を備えている。第1電極130と第2電極150は、圧電体140を挟持している。2つの圧電振動体100は、振動板200を中心として対称に配置されている。2つの圧電振動体100は同じ構成を有しているので、以下では特に断らない限り、振動板200の上側にある圧電振動体100の構成を説明する。
圧電振動体100の基板120は、第1電極130と圧電体140と第2電極150を成膜プロセスで形成するための基板として使用される。また、基板120は機械的な振動を行う振動板としての機能も有する。基板120は、例えば、Si,Al,ZrOなどで形成することができる。Si製の基板120として、例えば半導体製造用のSiウェハーを利用することが可能である。この実施形態において、基板120の平面形状は長方形である。基板120の厚みは、例えば10μm以上100μm以下の範囲とすることが好ましい。基板120の厚みを10μm以上とすれば、基板120上の成膜処理の際に基板120を比較的容易に取扱うことができる。また、基板120の厚みを100μm以下とすれば、薄膜で形成された圧電体140の伸縮に応じて、基板120を容易に振動させることができる。
第1電極130は、基板120上に形成された1つの連続的な導電体層として形成されている。一方、第2電極150は、図2(A)に示すように、5つの導電体層150a〜150e(「第2電極150a〜150e」とも呼ぶ)に区分されている。中央にある第2電極150eは、基板120の幅方向の中央において、基板120の長手方向のほぼ全体に亘る長方形形状に形成されている。他の4つの第2電極150a,150b,150c,150dは、同一の平面形状を有しており、基板120の四隅の位置に形成されている。図2の例では、第1電極130と第2電極150は、いずれも長方形の平面形状を有している。第1電極130や第2電極150は、例えばスパッタリングによって形成される薄膜である。第1電極130や第2電極150の材料としては、例えばAl(アルミニウム)や、Ni(ニッケル)、Au(金)、Pt(白金)、Ir(イリジウム)などの導電性の高い任意の材料を利用可能である。なお、第1電極130を1つの連続的な導電体層とする代わりに、第2電極150a〜150eと実質的に同じ平面形状を有する5つの導電体層に区分してもよい。なお、第2電極150a〜150eの間の電気的接続のための配線(又は配線層及び絶縁層)と、第1電極130及び第2電極150a〜150eと駆動回路との間の電気的接続のための配線(又は配線層及び絶縁層)とは、図2では図示が省略されている。
圧電体140は、第2電極150a〜150eと実質的に同じ平面形状を有する5つの圧電体層として形成されている。この代わりに、圧電体140を、第1電極130と実質的に同じ平面形状を有する1つの連続的な圧電体層として形成してもよい。第1電極130と圧電体140と第2電極150a〜150eとの積層構造によって、5つの圧電素子110a〜110e(図2(A))が構成される。5つの圧電素子110a〜110eのうちの4つの圧電素子110a〜110dは、第1の対角にある一対の圧電素子110a,110dと、第2の対角にある一対の圧電素子110b,110cとに区分され、これらは、圧電振動体100の長手方向に沿った中央線CXに対して、左右対称の位置関係にある。残りの圧電素子110eは、一対の圧電素子110a,110dと他の一対の圧電素子110b,110cに挟まれて、中央線CXに沿って圧電振動体100の幅方向の中央位置にある。なお、以下では、一対の圧電素子110a,110dを「第1の圧電素子110a,110d」とも呼び、他の一対の圧電素子110b,110cを「第2の圧電素子110b,110c」とも呼ぶ。また、中央の圧電素子110eを「第3の圧電素子110e」とも呼ぶ。
圧電体140は、例えばゾル−ゲル法やスパッタリング法によって形成される薄膜である。圧電体140の材料としては、ABO型のペロブスカイト構造を採るセラミックスなど、圧電効果を示す任意の材料を利用可能である。ABO型のペロブスカイト構造を採るセラミックスとしては、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、タングステン酸ナトリウム、酸化亜鉛、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)、タンタル酸ストロンチウムビスマス(SBT)、メタニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等を用いることが可能である。またセラミック以外の圧電効果を示す材料、例えばポリフッ化ビニリデン、水晶等を用いることも可能である。圧電体140の厚みは、例えば50nm(0.05μm)以上20μm以下の範囲とすることが好ましい。この範囲の厚みを有する圧電体140の薄膜は、成膜プロセスを利用して容易に形成することができる。圧電体140の厚みを0.05μm以上とすれば、圧電体140の伸縮に応じて十分に大きな力を発生することができる。また、圧電体140の厚みを20μm以下とすれば、圧電振動体100(圧電駆動部10)を十分に小型化することができる。
図4は、振動板200の平面図である。振動板200は、長方形形状の振動体部210と、振動体部210の左右の長辺からそれぞれ3本ずつ延びる接続部220とを有しており、また、左右の3本の接続部220にそれぞれ接続された2つの取付部230を有している。なお、図4では、図示の便宜上、振動体部210にハッチングを付している。取付部230は、ネジ240によって他の部材に圧電駆動部10を取り付けるために用いられる。振動板200は、例えば、シリコン、シリコン化合物、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金、鉄−ニッケル合金などの金属、金属酸化物、またはダイヤモンド等の材料で形成することが可能である。
振動体部210の上面(第1面)及び下面(第2面)には、圧電振動体100(図3)がそれぞれ接着剤を用いて接着される。振動体部210の長さLと幅Wの比は、L:W=約7:2とすることが好ましい。この比は、振動体部210がその平面に沿って左右に屈曲する超音波振動(後述)を行うために好ましい値である。振動体部210の長さLは、例えば0.1mm以上30mm以下の範囲とすることができ、幅Wは、例えば0.05mm以上8mm以下の範囲とすることができる。なお、振動体部210が超音波振動を行うために、長さLは50mm以下とすることが好ましい。振動体部210の厚み(振動板200の厚み)は、例えば20μm以上700μm以下の範囲とすることができる。振動体部210の厚みを20μm以上とすれば、圧電振動体100を支持するために十分な剛性を有するものとなる。また、振動体部210の厚みを700μm以下とすれば、圧電振動体100の変形に応じて十分に大きな変形を発生することができる。
振動板200の一方の短辺には、突起部20(「接触部」や「当接部」、「作用部」とも呼ぶ)が設けられている。突起部20は、被駆動体と接触して、被駆動体に力を与えるための部材である。突起部20は、セラミックス(例えばSi,SiC,Al,Zr0)などの耐久性がある材料で形成することが好ましい。
図2に示すように、圧電駆動部10の5つの第2電極150a〜150eのうちで、対角にある一対の第2電極150a,150dが配線151を介して互いに電気的に接続され、他の対角の一対の第2電極150b,150cも配線152を介して互いに電気的に接続されている。これらの配線151,152は成膜処理によって形成しても良く、或いは、ワイヤ状の配線によって実現してもよい。図2の右側にある3つの第2電極150b,150e,150dと、第1電極130(図3)は、配線310,312,314,320を介して駆動回路300に電気的に接続されている。駆動回路300は、一対の第2電極150a,150dと第1電極130との間に周期的に変化する交流電圧又は脈流電圧を印加することにより、圧電駆動部10を超音波振動させて、突起部20に接触するローター(被駆動体)を所定の回転方向に回転させることが可能である。ここで、「脈流電圧」とは、交流電圧にDCオフセットを付加した電圧を意味し、その電圧(電界)の向きは、一方の電極から他方の電極に向かう一方向である。また、他の一対の第2電極150b,150cと第1電極130との間に交流電圧又は脈流電圧を印加することにより、突起部20に接触するローターを逆方向に回転させることが可能である。このような電圧の印加は、振動板200の両面に設けられた2つの圧電振動体100に対して同時に行われる。なお、図2に示した配線151,152,310,312,314,320を構成する配線(又は配線層及び絶縁層)は、図3では図示が省略されている。
図5は、圧電駆動部10の動作の例を示す説明図である。圧電駆動部10の突起部20は、被駆動体としての第1ローターR1の外周に接触している。図5に示す例では、駆動回路300(図2)は、一対の第2電極150a,150dと第1電極130との間に交流電圧又は脈流電圧を印加しており、第1の圧電素子110a,110dは図4の矢印xの方向に伸縮する。これに応じて、圧電駆動部10の振動体部210が圧電振動体部210の平面内で屈曲して蛇行形状(S字形状)に変形し、突起部20の先端が矢印yの向きに往復運動するか、又は、楕円運動する。その結果、第1ローターR1は、その中心51の周りに所定の方向z(図5では時計回り方向)に回転する。図3で説明した振動板200の3つの接続部220は、このような振動体部210の振動の節(ふし)の位置に設けられている。なお、駆動回路300が、他の一対の第2電極150b,150cと第1電極130との間に交流電圧又は脈流電圧を印加する場合には、第1ローターR1は逆方向に回転する。なお、中央の第2電極150eに、一対の第2電極150a,150d(又は他の一対の第2電極150b,150c)と同じ電圧を印加すれば、圧電駆動部10の運動には、中央の第3の圧電素子110eが長手方向に伸縮する成分が加わるので、突起部20から第1ローターR1に与える力をより大きくすることが可能である。なお、圧電駆動部10(又は圧電振動体100)のこのような動作については、上記先行技術文献1(特開2004−320979号公報、又は、対応する米国特許第7224102号)に記載されており、その開示内容は参照により組み込まれる。
図6は、圧電駆動部10に許容する出力トルクについて示す説明図である。圧電駆動部10が出力可能なトルク(可能出力トルク)の範囲は、0〜出力し得る最大のトルク(以下、「可能最大出力トルク」とも呼ぶ)Tmaxの範囲であり、基本的には、圧電駆動部10は可能出力トルクの範囲内の出力トルクTdで作動させることができる。
ここで、駆動回路300による圧電駆動部10の駆動を停止した場合、圧電駆動部10は突起部20が被駆動体としての第1ローターR1の外周に接触して押圧した状態でその作動を停止する(図2,5)。この際、突起部20の第1ローターR1との接触面には、第1ローターR1を静止状態で保持するための保持力Fs及び保持トルクTsが発生する。
Fs=μs×Ns ・・・(2)
Ts=Fs×r1=[μs×Ns]×r1 ・・・(3)
ここで、Nsは圧電駆動部10の作動停止時に突起部20が第1ローターR1を押圧する押圧力(以下、「作動停止時押圧力」とも呼ぶ)、μsは突起部20と第1ローターR1との間の静止摩擦係数、r1は第1ローターR1の半径(以下、「ローター半径」とも呼ぶ)である。
この保持トルクTsは、上式(3)に示すように、圧電駆動部10が出力し得る最大のトルク(可能最大出力トルク)Tmax以下の範囲で、静止摩擦係数μs及び作動停止時押圧力Nsに応じて変化する。例えば、静止摩擦係数μsは第1ローターR1及び突起部20の部材に応じて変化するものであり、静止摩擦係数μsが低い場合には、これに応じて保持トルクTsは低くなる。また、作動停止時押圧力Nsは、第1ローターR1と圧電駆動部10の設置状態に応じて変化するものであり、作動停止時押圧力Nsが低くなると、これに応じて保持トルクTsは低くなる。このため、肘関節部1230から第3ローターR3及び第2ローターR2を介して第1ローターR1に掛かる負荷トルクTrがこの保持トルクTs以上であった場合、第1ローターR1、すなわち、肘関節部1230をそのままの姿勢で静止状態に保持することができなくなる。逆に言えば、第1ローターに掛かる負荷トルクTrは、この保持トルクTs未満に制限されることが好ましい。言い換えると、肘関節部1230の第2リンク部1240側に掛かる負荷による負荷トルクは、保持トルクTsに減速比Mを乗じた値Ts・M未満に制限されることが好ましい。ここで、「減速比M」とは、圧電駆動部10の被駆動体としてのローターに対する被駆動体を介して駆動される負荷部の回転軸と同心で連結されたローターのギヤ比である(図2参照)。なお、本例では、被駆動体としてのローターは第1ローターR1、負荷部はロボットハンド1260、手首関節部1250、及び、第2リンク部1240が接続された肘関節部1230)、負荷部の回転軸は回転軸1231である。
ところで、一般に、静止摩擦係数μs>動摩擦係数μkとなる。そこで、圧電駆動部10の出力トルクTdとして許容する最大出力トルク(許容最大出力トルク)Tlimを、次式で与えることが好ましい。
Tlim=[μk×Ns]×r1 ・・・(4)
ここで、μkは動摩擦係数、Nsは作動停止時押圧力、r1は第1ローター半径r1である。
設定した出力トルクTd以上の負荷トルクの負荷を駆動することはできないので、第1ローターR1に掛かる負荷に対応する負荷トルクTrは、出力トルクTd以下である。また、設定される出力トルクTdの最大値は許容最大出力トルクTlimであり、動摩擦係数μk<静止摩擦係数μsの関係から、許容最大出力トルクTlim<保持トルクTsとなるので、設定した出力トルクTdにより駆動できる負荷トルクTrは、必ず、保持トルクTsよりも低くすることができる。これにより、保持トルクTs以上の出力トルクTdで負荷トルクTrを駆動しないように制限することができる。この結果、圧電駆動部10によって肘関節部1230を駆動している状態から、圧電駆動部10の作動を停止して、第1ローターR1の回転すなわち肘関節部1230の回動を停止した場合に、第1ローターR1の回転の位置すなわち肘関節部1230の回動の位置を、停止した瞬間に逆方向に動いてしまうことなく、所望の位置で停止させることができる。そして、突起部20と第1ローターR1との間で滑りが発生することなく、保持トルクTsによってその停止した位置での静止状態を保持することが可能である。
なお、出力トルクTdの設定は、あらかじめ、例えば、装置の出荷調整時において、以下のように実行される。肘関節部1230の圧電駆動装置1300においては、図1に示した第2リンク部1240に貼り付けたトルクセンサーTsで肘関節部1230に掛かる負荷トルクを測定する。但し、把持可能とする最大の負荷をロボットハンド1260で把持した状態で測定する。そして、測定した負荷トルクを1/M(Mは減速比)倍した値を第1ローターR1に掛かる最大の負荷トルクTrとして求めることにより、求めた負荷トルクTrに対応する出力トルクTdを上記した許容出力トルクの範囲内で設定すればよい。仮に負荷トルクTrが、許容最大出力トルクTlimより大きい場合には、圧電駆動部10の突起部20と第1ローターR1との接触状態を調整することにより、作動停止時押圧力Nsを大きくすることにより、負荷トルクTrが許容最大出力トルクTlim以下となるように調整すればよい。
以上の説明では、圧電駆動部10の出力トルクTdを、0以上で許容最大出力トルクTlim以下の許容出力トルクの範囲内に設定することとし、許容最大出力トルクTlimとして上記式(4)を用いた。これに対して、許容最大出力トルクTlimとして、下式(5)で表すものとしてもよい。
Tlim=[μk×Ns]×r1×fs ・・・(5)
ここで、fsは1以下の係数であり、安全率を示している。fs=1の場合は(5)式は(4)式と同じである。係数fsが小さいほど、許容最大出力トルクTlimは小さくなるので、設定された出力トルクTdに対応する負荷トルクTrも小さくなり、より確実に、圧電駆動部10によって肘関節部1230を駆動している状態から、圧電駆動部10の作動を停止した場合に、所望の位置で停止させるとともに、その停止した位置での静止状態を保持することが可能である。但し、安全率fsが小さいほど駆動できる負荷が小さくなる。なお、fsとしては、7/10〜9/10の範囲に設定されるのが好ましい。例えば、8/10(=4/5)に設定されることがより好ましい。
なお、以上の説明では、肘関節部1230における圧電駆動装置1300の圧電駆動部10の動作条件を例に説明したが、他の関節部等に用いられた圧電駆動装置の圧電駆動部においても同様にして動作条件を設定することができる。また、以上の説明では、圧電駆動部10の突起部20を第1ローターR1の外周に接触させる構成であるので、式(4)で表した保持トルクTsや、式(5),(6)で表した許容最大出力トルクTlimでは、第1ローター半径r1が用いられている。但し、突起部20を第1ローターR1の円周面に接触させる場合には、第1ローターR1の中心51から突起部20の接触位置までの距離がr1となる。
B.圧電駆動部の他の実施形態:
図7は、本発明の他の実施形態としての圧電駆動部10aの断面図であり、上記実施形態の図3(B)に対応する図である。この圧電駆動部10aでは、圧電振動体100が、図3(B)とは上下を逆にした状態で振動板200に配置されている。すなわち、ここでは、第2電極150が振動板200に近く、基板120が振動板200から最も遠くなるように配置されている。なお、図7においても、図3(B)と同様に、第2電極150a〜150eの間の電気的接続のための配線(又は配線層及び絶縁層)と、第1電極130及び第2電極150a〜150eと駆動回路との間の電気的接続のための配線(又は配線層及び絶縁層)とは、図示が省略されている。この圧電駆動部10aも、第1実施形態と同様な効果を達成することができる。
図8(A)は、本発明の更に他の実施形態としての圧電駆動部10bの平面図であり、上記実施形態の図3(A)に対応する図である。図8(A)〜(C)では、図示の便宜上、振動板200の接続部220や取付部230は図示が省略されている。図8(A)の圧電駆動部10bでは、一対の第2電極150b,150cが省略されている。この圧電駆動部10bも、図5に示すような1つの方向zにローターR1を回転させることが可能である。なお、図8(A)の3つの第2電極150a,150e,150dには同じ電圧が印加されるので、これらの3つの第2電極150a,150e,150dを、連続する1つの電極層として形成してもよい。
図8(B)は、本発明の更に他の実施形態としての圧電駆動部10cの平面図である。この圧電駆動部10cでは、図3(A)の中央の第2電極150eが省略されており、他の4つの第2電極150a,150b,150c,150dが図3(A)よりも大きな面積に形成されている。この圧電駆動部10cも、第1実施形態とほぼ同様な効果を達成することができる。
図8(C)は、本発明の更に他の実施形態としての圧電駆動部10dの平面図である。この圧電駆動部10dでは、図3(A)の4つの第2電極150a,150b,150c,150dが省略されており、1つの第2電極150eが大きな面積で形成されている。この圧電駆動部10dは、長手方向に伸縮するだけであるが、突起部20から被駆動体(図示省略)に対して大きな力を与えることが可能である。
図3及び図8(A)〜(C)から理解できるように、圧電振動体100の第2電極150としては、少なくとも1つの電極層を設けることができる。但し、図3及び図8(A),(B)に示す実施形態のように、長方形の圧電振動体100の対角の位置に第2電極150を設けるようにすれば、圧電振動体100及び振動板200を、その平面内で屈曲する蛇行形状に変形させることが可能である点で好ましい。
C.圧電駆動装置を用いた装置の他の実施形態:
上述した圧電駆動装置は、共振を利用することで被駆動体に対して大きな力を与えることができるものであり、各種の装置に適用可能である。圧電駆動装置は、例えば、ロボット、電子部品搬送装置(ICハンドラー)、投薬用ポンプ、時計のカレンダー送り装置、印刷装置(例えば紙送り機構。ただし、ヘッドに利用される圧電駆動装置では、振動板を共振させないので、ヘッドには適用不可である。)等の各種の機器における駆動装置として用いることが出来る。以下、図1に示した双腕ロボット以外の代表的な他の実施の形態について説明する。
図9は、上述の圧電駆動装置1300を利用した単腕ロボット2050の一例を示す説明図である。単腕ロボット2050は、複数本のリンク部2012(「リンク部材」とも呼ぶ)と、それらリンク部2012の間を回動又は屈曲可能な状態で接続する複数の関節部2020とを備えたアーム2010(「腕部」とも呼ぶ)を有している。それぞれの関節部2020には、上述した圧電駆動装置1300のうちの圧電駆動部10が内蔵されており、圧電駆動部10を用いて関節部2020を任意の角度だけ回動又は屈曲させることが可能である。アーム2010の先端には、ロボットハンド2000が接続されている。ロボットハンド2000は、一対の把持部2003を備えている。ロボットハンド2000にも圧電駆動部10が内蔵されており、圧電駆動部10を用いて把持部2003を開閉して物を把持することが可能である。また、ロボットハンド2000とアーム2010との間にも圧電駆動部10が設けられており、圧電駆動部10を用いてロボットハンド2000をアーム2010に対して回転させることも可能である。なお、各圧電駆動部10を制御する駆動回路300は不図示の制御回路に含まれている。
図10は、図9に示した単腕ロボット2050の手首部分の説明図である。手首の関節部2020は、手首回動部2022を挟持しており、手首回動部2022に手首のリンク部2012が、手首回動部2022の中心軸O周りに回動可能に取り付けられている。手首回動部2022は、圧電駆動部10を備えており、圧電駆動部10は、手首のリンク部2012及びロボットハンド2000を中心軸O周りに回動させる。なお、手首回動部2022も、複数の関節部2020の一つとみることができ、この場合手首の関節部2020はリンク部2012の一つとみつことができる。ロボットハンド2000には、複数の把持部2003が立設されている。把持部2003の基端部はロボットハンド2000内で移動可能となっており、この把持部2003の根元の部分に圧電駆動部10が搭載されている。このため、圧電駆動部10を動作させることで、把持部2003を移動させて対象物を把持することができる。
なお、ロボットとしては、実施形態の双腕ロボット(図1)や他の実施形態の単腕ロボットに限らず、腕の数が3以上の多腕ロボットにも圧電駆動部10を適用可能である。ここで、手首の関節部2020やロボットハンド2000の内部には、圧電駆動部10の他に、力覚センサーやジャイロセンサー等の各種装置に電力を供給する電力線や、信号を伝達する信号線等が含まれ、非常に多くの配線が必要になる。従って、関節部2020やロボットハンド2000の内部に配線を配置することは非常に困難だった。しかしながら、上述した実施形態の圧電駆動部10は、通常の電動モーターや、従来の圧電駆動装置よりも駆動電流を小さくできるので、関節部2020(特に、アーム2010の先端の関節部)やロボットハンド2000のような小さな空間でも配線を配置することが可能になる。
図11は、上述の圧電駆動装置1300を利用した送液ポンプ2200の一例を示す説明図である。送液ポンプ2200は、ケース2230内に、リザーバー2211と、チューブ2212と、圧電駆動部10と、ローター2222と、減速伝達機構2223と、カム2202と、複数のフィンガー2213、2214、2215、2216、2217、2218、2219と、が設けられている。なお、駆動回路300は不図示である。リザーバー2211は、輸送対象である液体を収容するための収容部である。チューブ2212は、リザーバー2211から送り出される液体を輸送するための管である。圧電駆動部10の突起部20は、ローター2222の側面に押し付けた状態で設けられており、圧電駆動部10がローター2222を回転駆動する。ローター2222の回転力は減速伝達機構2223を介してカム2202に伝達される。フィンガー2213から2219はチューブ2212を閉塞させるための部材である。カム2202が回転すると、カム2202の突起部2202Aによってフィンガー2213から2219が順番に放射方向外側に押される。フィンガー2213から2219は、輸送方向上流側(リザーバー2211側)から順にチューブ2212を閉塞する。これにより、チューブ2212内の液体が順に下流側に輸送される。こうすれば、極く僅かな量を精度良く送液可能で、しかも小型な送液ポンプ2200を実現することができる。なお、各部材の配置は図示されたものには限られない。また、フィンガーなどの部材を備えず、ローター2222に設けられたボールなどがチューブ2212を閉塞する構成であってもよい。上記のような送液ポンプ2200は、インシュリンなどの薬液を人体に投与する投薬装置などに活用できる。ここで、上述した実施形態の圧電駆動装置1300を用いることにより、従来の圧電駆動装置よりも駆動電流が小さくなるので、投薬装置の消費電力を抑制することができる。従って、投薬装置を電池駆動する場合は、特に有効である。
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記実施形態では、基板120の上に第1電極130と圧電体140と第2電極150とが形成されていたが、基板120を省略して、振動板200の上に第1電極130と圧電体140と第2電極150とを形成するようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、振動板200の両面にそれぞれ1つの圧電振動体100を設けていたが、圧電振動体100の一方を省略することも可能である。但し、振動板200の両面にそれぞれ圧電振動体100を設けるようにすれば、振動板200をその平面内で屈曲した蛇行形状に変形させることがより容易である点で好ましい。
(3)上記各実施形態では、圧電素子として、成膜プロセスにより形成した圧電体を用いるものを例に取り説明したが、圧電体は、バルクの圧電体であってもよい。
(4)上記実施形態では、振動体部210の左右の長辺からそれぞれ3本ずつ延びる接続部220によって振動体部210を振動可能に支持する構成を例に説明したが、接続部220の配置位置や数は、これに限定されるものではなく、種々の配置位置や数を採用することができる。例えば、長手方向に沿った片側のみに接続部を設けて、振動体部210を片持ち状態で支持する構造としても良い。また、振動体部210の突起部20とは反対側の短辺に接続部を設けて、振動体部210を片持ち状態で支持する構造としても良い。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、或いは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10,10a,10b,10c,10d…圧電駆動部
20…突起部(接触部、作用部)
50…ギヤトレイン
51…中心51
100…圧電振動体
110a,110b,110c,110d,110e…圧電素子
120…基板
125…絶縁層
130…第1電極
140…圧電体
150,150a,150b,150c,150d,150e…第2電極
151,152…配線
200…振動板
210…振動体部
220…接続部
230…取付部
240…ネジ
300…駆動回路
310,312,314,320…配線
1000…双腕ロボット
1190…本体部
1200…腕部
1210…肩関節部
1220…第1リンク部
1230…肘関節部
1231…回転軸
1240…第2リンク部
1250…手首関節部
1260…ロボットハンド
1300…圧電駆動装置
2000…ロボットハンド
2003…把持部
2010…アーム
2012…リンク部
2020…関節部
2022…手首回動部
2050…ロボット
2200…送液ポンプ
2202…カム
2202A…突起部
2211…リザーバー
2212…チューブ
2213…フィンガー
2222…ローター
2223…減速伝達機構
2230…ケース
R1…第1ローター
R2…第2ローター
R3…第3ローター
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態して実現することが可能である。
[形態1]
被駆動体と接触可能な接触部を有し、圧電体を有する圧電駆動部と、
前記圧電駆動部を駆動する駆動回路と、
を備え、
前記駆動回路は、許容最大出力トルクTlim以下を許容出力トルクの範囲とし、前記圧電駆動部の出力トルクを前記許容出力トルクの範囲内に設定して前記圧電駆動部を作動させ、
前記許容最大出力トルクTlimは、前記被駆動体の回転中心と前記接触部の接触位置との距離r1、前記被駆動体と前記接触部との動摩擦係数μk、前記圧電駆動部の作動を停止した際に前記接触部が前記被駆動体を押圧する押圧力Ns、1以下の係数fs、を用いて、下式(1)で表され、前記出力トルクが前記許容最大出力トルクTlim以下となるように、前記押圧力Nsが設定され、
前記圧電駆動部が駆動されていないときに前記被駆動体に加わる負荷トルクは、前記許容最大出力トルクTlim以下に制限される
ことを特徴とする圧電駆動装置。
Tlim=r1×μk×Ns×fs ・・・(1)
この形態の圧電駆動装置によれば、圧電駆動装置の出力トルクを許容最大出力トルクTlim以下の許容出力トルクの範囲内に設定して、圧電駆動部を作動させることができる。この場合、被駆動体に掛かる負荷トルクは、出力トルク以下である。従って、課題で説明したような、保持トルクよりも大きな負荷トルクで作動させることはないので、被駆動体を所望の位置で停止させることができる。また、許容最大出力トルクTlimは、被駆動体を静止状態で保持する保持トルク(r1×μs×Ns,μsは被駆動体と接触部との静止摩擦係数)よりも小さい。従って、課題で説明したような、接触部と被駆動体との間での滑りの発生を抑制することができる。また、圧電駆動部が駆動されていないときに、被駆動体に加わる負荷トルクは、許容最大出力トルクTlim以下に制限されるので、負荷トルクが加わった被駆動体と接触部との間での滑りの発生を抑制することができる。

Claims (6)

  1. 被駆動体と接触可能な接触部を有し、圧電体を有する圧電駆動部と、
    前記圧電駆動部を駆動する駆動回路と、
    を備え、
    前記駆動回路は、許容最大出力トルクTlim以下を許容出力トルクの範囲とし、前記圧電駆動部の出力トルクを前記許容出力トルクの範囲内に設定して前記圧電駆動部を作動させ、
    前記許容最大出力トルクTlimは下式(1)で表される
    ことを特徴とする圧電駆動装置。
    Tlim=r1×μk×Ns×fs ・・・(1)
    ここで、r1は前記被駆動体の回転中心と前記接触部の接触位置との距離であり、μkは前記被駆動体と前記接触部との動摩擦係数であり、Nsは前記圧電駆動部の作動を停止した際に前記接触部が前記被駆動体を押圧する押圧力であり、fsは1以下の係数である。
  2. 請求項1に記載の圧電駆動装置であって、
    前記係数fsは1未満の値である、圧電駆動装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の圧電駆動装置であって、
    前記被駆動体に加わる負荷トルクは、前記許容最大出力トルクTlim以下に設定された出力トルク以下に制限される、圧電駆動装置。
  4. 複数のリンク部と
    前記複数のリンク部を接続する関節部と、
    前記複数のリンク部を前記関節部で回動させる請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の少なくとも一つの圧電駆動装置と、
    を備えるロボット。
  5. 請求項4に記載のロボットの駆動方法であって
    前記圧電駆動装置の少なくとも一つを駆動することで前記複数のリンク部を前記関節部で回動させ、
    前記圧電駆動装置の駆動回路は、許容最大出力トルクTlim以下を許容出力トルクの範囲とし、前記圧電駆動部の出力トルクTdを前記許容出力トルクの範囲内に設定して前記圧電駆動部を作動させ、
    前記許容最大出力トルクTlimは下式(1)で表される
    ことを特徴とするロボットの駆動方法。
    Tlim=r1×μk×Ns×fs ・・・(1)
    ここで、r1は前記被駆動体の回転中心と前記接触部の接触位置との距離であり、μkは前記被駆動体と前記接触部との動摩擦係数であり、Nsは前記圧電駆動部の作動を停止した際に前記接触部が前記被駆動体を押圧する押圧力であり、fsは1以下の係数である。
  6. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の圧電駆動装置の駆動方法であって、
    前記圧電駆動装置の駆動回路は、許容最大出力トルクTlim以下を許容出力トルクの範囲とし、前記圧電駆動部の出力トルクTdを前記許容出力トルクの範囲内に設定して前記圧電駆動部を作動させ、
    前記許容最大出力トルクTlimは下式(1)で表される
    ことを特徴とするロボットの駆動方法。
    Tlim=r1×μk×Ns×fs ・・・(1)
    ここで、r1は前記被駆動体の回転中心と前記接触部の接触位置との距離であり、μkは前記被駆動体と前記接触部との動摩擦係数であり、Nsは前記圧電駆動部の作動を停止した際に前記接触部が前記被駆動体を押圧する押圧力であり、fsは1以下の係数である。
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