JP2019156405A - カバーテープおよび電子部品包装体 - Google Patents

カバーテープおよび電子部品包装体 Download PDF

Info

Publication number
JP2019156405A
JP2019156405A JP2018040604A JP2018040604A JP2019156405A JP 2019156405 A JP2019156405 A JP 2019156405A JP 2018040604 A JP2018040604 A JP 2018040604A JP 2018040604 A JP2018040604 A JP 2018040604A JP 2019156405 A JP2019156405 A JP 2019156405A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sealant layer
cover tape
layer
electronic component
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018040604A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6638751B2 (ja
Inventor
皓基 阿部
Hiroki Abe
皓基 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=67995682&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2019156405(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP2018040604A priority Critical patent/JP6638751B2/ja
Publication of JP2019156405A publication Critical patent/JP2019156405A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6638751B2 publication Critical patent/JP6638751B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Packages (AREA)
  • Packaging Frangible Articles (AREA)

Abstract

【課題】再付着性を抑制できるカバーテープを提供する。【解決手段】カバーテープ10は、一方の面にシーラント層2を備え、シーラント層2上に基材層3を備えており、電子部品を収容できる凹部を有するキャリアテープ20を、シーラント層2によりシールするために用いられる。シーラント層2におけるJIS Z0237で規定されるプローブタック試験により測定された70℃でのタック値をT70としたとき、T70が30gf以上、300gf未満である。【選択図】図2

Description

本発明は、カバーテープおよび電子部品包装体に関する。より詳細には、半導体ICチップなどの電子部品を運搬するために格納ポケットを備えるキャリアテープをヒートシールすることが可能なカバーテープと、電子部品が格納されたキャリアテープにカバーテープをヒートシールして得られる電子部品包装体に関する。
半導体ICチップなどの電子部品は、その製造後、実装工程に提供されるまでの間、汚染を防止すべく包装材にてパッキングされ、紙製或いはプラスチック製のリールに巻かれた状態で、保管および輸送される。この電子部品の包装には、自動実装装置による基板への実装工程に対応するように、テープ状の包装材が用いられており、この包装材は、長尺のシートに所定の間隔をおいて複数個の凹状の格納ポケットが形成されたキャリアテープと、該キャリアテープにヒートシールされるカバーテープから構成される。このような包装材によりパッキングされた電子部品は、カバーテープがキャリアテープから剥離された後、パッケージから自動的に取出され、電子回路基板上に実装される。
また、カバーテープがキャリアテープから剥離される工程において、キャリアテープからカバーテープを剥離するために必要な強度である剥離強度が高すぎると、カバーテープが剥離される際にキャリアテープが振動し、電子部品が格納ポケットから飛び出してしまう現象が生じる。一方、キャリアテープとカバーテープとの接着強度が低いと、パッケージの輸送中に、カバーテープがはがれ、パッキングされた電子部品が落下する場合がある。そのため、カバーテープには、キャリアテープに対して十分な接着強度を有していると同時に、実装工程においてキャリアテープから首尾よく剥離される剥離性が要求される。
上述の課題を解決するために、様々な検討がなされており、例えば、特許文献1では、キャリアテープと上記カバーテープとの間における剥離抵抗力の最大値と最小値との剥離抵抗力比αに着目し、剥離性を適切にすることが開示されている。
特開2017−171393号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されるような従来技術においては、パッキングされた電子部品輸送する際や、キャリアテープからカバーテープを剥離する際、振動などによりキャリアテープ内に収容された電子部品が上面のカバーテープに接触し、そのままカバーテープに張り付いてしまうといった問題があった。すなわち、単に、カバーテープの剥離性を制御しただけでは、電子部品がカバーテープに付着しない耐付着性において、十分なものは得られなかった。
そこで、本発明者は、良好な耐付着性を得る観点から、鋭意検討を行ったところ、電子部品包装体が輸送される環境、例えば、直射日光に晒される等の過酷な輸送環境を想定した70℃における所定のタック値という指標を用いることで、耐付着性を適切に評価できることを知見し本発明を完成するに至った。
本発明によれば、良好な耐付着性が得られるカバーテープ、および当該カバーテープを用いた電子部品包装体が提供される。
本発明によれば、一方の面にシーラント層を有し、前記シーラント層上に基材層を備えており、
電子部品を収容できる凹部を有するキャリアテープを、前記シーラント層によりシールするために用いる、カバーテープであって、
前記シーラント層におけるJIS Z0237で規定されるプローブタック試験により測定された70℃でのタック値をT70としたとき、T70が30gf以上、300gf未満である、カバーテープが提供される。
また本発明によれば、電子部品が凹部に収容されたキャリアテープと、上記のカバーテープと有し、前記電子部品を封止するように前記シーラント層が前記キャリアテープに接着された電子部品包装体が提供される。
本発明によれば、良好な耐付着性が得られるカバーテープ、および当該カバーテープを用いた電子部品包装体が提供される。
本実施形態に係るカバーテープの構成を示す断面図である。 本実施形態に係る電子部品包装用カバーテープをキャリアテープにシールした状態の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
なお、本実施形態において、タック値とは、JIS Z0237で規定されるプローブタック試験により測定されたものとする。また、剥離強度とは、JIS C0806−3に準拠した180°剥離強度とする。
<カバーテープ>
本実施形態に係る電子部品包装用のカバーテープ10は、図1に示すように、基材層3と、基材層3の一方の面に設けられたシーラント層2とを含む。ここで、カバーテープ10は、基材層3/シーラント層2の二層構造であってもよいし、例えば、基材層3とシーラント層2との間に別の層である中間層1を介在させた、基材層3/中間層1/シーラント層2のような多層構造であってもよい。以下、カバーテープ10が、基材層3/中間層1/シーラント層2といった多層構造の場合について説明する。
まず、カバーテープ10の使用方法について図2を参照して説明する。
図2に示すとおり、カバーテープ10は、電子部品の形状に合わせて凹状のポケット21が連続的に設けられたキャリアテープ20の蓋材として用いられる。具体的には、カバーテープ10は、キャリアテープ20のポケット21の開口部全面を覆うように、キャリアテープ20の表面に接着(例えば、ヒートシール)させて使用する。なお、後述においては、カバーテープ10と、キャリアテープ20とを接着して得られた構造体のことを、電子部品包装体100と称する。
[基材層]
基材層3は、キャリアテープ20に対してカバーテープ10を接着させる際、カバーテープ10の使用時等に外部から加わる応力に耐えうることができる程度の機械的強度、キャリアテープ20に対してカバーテープ10を接着させる際に加わる熱履歴に耐えうることができる程度の耐熱性を有したものがよい。
基材層3を構成する材料としては、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリメタアクリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
また、基材層3を構成する材料の形態は、特に限定されないが、加工が容易である観点から、フィルム状に加工されたものであることが好ましい。製膜されたフィルム、特に二軸延伸フィルムを好適に用いることができる。
基材層3の厚さは、一般的には、5〜50μmである。
[シーラント層]
シーラント層2はヒートシール性を有し、キャリアテープ20に対して接着させられるものであり、使用時に容易に剥がすことのできる易剥離性を示すものである。
シーラント層2のタック値とは、カバーテープ10の一方の面を構成しているシーラント層2の当該面におけるタック値である。
カバーテープ10において、シーラント層2における70℃でのタック値をT70としたとき、T70が30gf以上、300gf未満である。
70を30gf以上とすることにより、適度な密着性が得られるようになる。密着性と耐付着性のバランスをさらに向上する観点から、T70は、好ましくは35gf以上、より好ましくは38gf以上である。
一方、T70を300gf未満とすることにより、キャリアテープ20のポケット21に収納された電子部品などの耐付着性を向上できる。密着性と耐付着性のバランスをさらに向上する観点から、T70は、好ましくは250gf以下、より好ましくは200gf以下である。
本発明は、シーラント層2の当該における70℃でのタック値に着目し、これを指標とすることで、耐付着性を適切に評価できることが見出され、完成されたものである。T70が、かかる指標となる理由の詳細は明らかではないが、以下のように推測される。
一般的に、タック力は、瞬間の接着性を示すものと考えられているのに対し、剥離力は恒久的な接着性に対する剥離性を示すものであり、異なるものである。したがって、単に、剥離性を向上させたからといって、直ちに、タック性が向上するものではない。また、タック力は、温度上昇に伴い上昇する傾向にあるが、一般に剥離力と温度上昇との関連性を直ちに結びつけることは困難である。そこで、本発明においては、70℃という電子部品包装体が輸送される高温環境を想定し、高温条件下でのタック値を制御することで、結果的に、カバーテープ10の耐付着性を良好にできることを見出した。
また、カバーテープ10において、シーラント層2における90℃でのタック値をT90としたとき、T90が40gf以上、500gf以下であることが好ましい。
90は、適度な密着性が得られるようになる。密着性と耐付着性のバランスをさらに向上する観点から、好ましくは50gf以上、より好ましくは55gf以上である。
一方、T90は、キャリアテープ20のポケット21に収納された電子部品などの付着を抑制しつつ、良好な密着性が得られる観点から、好ましくは400gf以下、より好ましくは360gf以下、さらに好ましくは340gf以下である。
また、シーラント層2において、T90/T70が、1.3以上、6以下であることが好ましく、1.3以上、4以下であることがより好ましい。かかる数値範囲とすることで密着性と耐付着性の良好なバランスが安定的に得られるようになる。
本発明のシーラント層2におけるタック値を実現するためには、以下の条件を適切に調整し、組み合わせることが重要である。
(1)後述するシーラント層形成用樹脂組成物の組成
(2)表面処理の有無
(3)成膜方法
以下、より具体的に説明するが、本発明は、かかる条件に限定されるものではない。
(1)シーラント層形成用樹脂組成物としては、(A)ポリオレフィン系樹脂と、(B)ポリスチレン系樹脂および(C)(メタ)アクリル酸エステル重合体の中から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
(2)表面処理としては、コロナ処理、表粗さ付与等が挙げられ、例えば、中間層3にコロナ処理を施し、シーラント層2と中間層3の密着性を高めることにより、シーラント層2の剥離強度を高めることができる。また、例えば、シーラント層2のカバーテープ10の一方の面となる面において、表粗さ付与を施し、シーラント層2のタック力を抑制することが挙げられる。
(3)成膜方法としては、例えば、シーラント層形成用樹脂組成物をフィルム状に押し出し成形する方法、シーラント層形成用樹脂組成物を基材層1上に押し出しラミネートする方法を用いることができる。
シーラント層2における剥離強度とは、キャリアテープ10を、シーラント層2によりシールした際の剥離強度を意味する。
シーラント層2における剥離強度は、15gf以上であることが好ましく、20gf以上であることがより好ましく、28gf以上であることがさらに好ましい。これにより、カバーテープ10と、キャリアテープ20との密着性と耐付着性のバランスを良好にできる。
一方、シーラント層2における剥離強度は、100gf以下であることが好ましく、80gf以下であることがより好ましく、50gf以下であることがさらに好ましい。これにより、カバーテープ10と、キャリアテープ20と容易に剥離しつつ、密着性と耐付着性のバランスを良好にできる。
シーラント層2の厚み(μm)に対する、基材層1の厚み(μm)が、0.1以上、25以下であることが好ましく、1.0以上、15以下であることがより好ましい。
上記下限値以上とすることで、密着性を向上しつつ、良好な耐付着性が得られる。一方、上記上限値以下とすることで、適度な強度を確保し、剥離しやすくなるとともに、良好な耐付着性が得られる。
本実施形態のシーラント層2は、シーラント層形成用樹脂組成物で構成することができる。シーラント層形成用樹脂組成物は、(A)ポリオレフィン系樹脂と、(B)ポリスチレン系樹脂および(C)(メタ)アクリル酸エステル重合体の中から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。これにより、本発明におけるタック値を制御しやすくなる。
(A)ポリオレフィン系樹脂は、電位部品に対する親和性を低減する観点から、エチレン、プロピレン、ブテン等のα−オレフィンに由来する構造単位を有する、単独重合体または共重合体を含むことができる。例えば、上記単独重合体としては低密度ポリエチレンなどのポリエチレン、上記共重合体としてはエチレン共重合体を含むことができる。
また、上記エチレン共重合体としては、例えば、エチレンとカルボン酸あるいはその誘導体との共重合体が挙げられる。これにより、キャリアテープとの密着強度を高めつつ、耐付着性を制御することができる。
上記カルボン酸またはカルボン酸誘導体としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。この中でも、無水マレイン酸を用いてもよい。詳細なメカニズムは定かでないが、無水マレイン酸に由来する構造の含有率などの、樹脂の極性を調整することによって、キャリアテープに対する密着性がよい一方で、サーミスタなどの金属電極及び/またはインダクタなどの外層のエポキシ樹脂との密着性が低いような、密着性のバランスに優れた(A)ポリオレフィン系樹脂を適切に選択することにより、キャリアテープへの密着性を高くしつつも、電子部品に対する付着性を低減できると考えられる。
上記共重合体は、カルボン酸またはカルボン酸誘導体に由来する構造単位に加えて、他のモノマーに由来する構造単位を含むことができる。他のモノマーとしては、例えば、
エチレン、プロピレン等のオレフィン系単量体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸等のメタ(アクリル)酸系単量体などを用いることができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、上記のカルボン酸あるいはその誘導体に由来する繰り返し構造単位の割合は、(A)ポリオレフィン系樹脂全量に対して、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、2質量%以上25質量%以下であることがさらに好ましい。これにより、キャリアテープとの密着性と電子部品に対する耐付着性のバランスを向上させることができる。
上記エチレンとカルボン酸あるいはその誘導体との共重合体としては、具体的には、例えば、エチレン−酸無水物共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、およびアイオノマーなどの樹脂が挙げられる。このような樹脂を用いることより、キャリアテープ20に対する剥離強度を好適なものとすることができる。
上記エチレン−酸無水物共重合体としては、例えば、エチレン−無水マレイン酸共重合体またはエチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体を用いることができる。これにより、キャリアテープとの密着性と電子部品に対する耐付着性のバランスを好適なものとすることができる。
上記エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体としては、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体などが挙げられる。
上記エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体としては、例えば、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルとしては、メタノール、エタノール等炭素数1〜8のアルコールとのエステルが好適に使用される。上記エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体の中でも、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、もしくはエチレン−メタクリル酸メチル共重合体が汎用性の面から好ましい。
上記の樹脂のうち、キャリアテープ基材への接着性およびコストの面から、エチレン共重合体が、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体であることが好ましい。
(A)ポリオレフィン系樹脂は、剥離強度の観点から、JIS−K−7210に準じて測定されるメルトフローレートの値(以下、「MFR」と記載する場合がある)(190℃、2.16kg)が0.1g/10min〜100g/10minであることが好ましく、1g/10min〜50g/10minであることがさらに好ましい。これにより、キャリアテープ20との剥離強度を好適なものとすることができる。
本実施形態において、シーラント層形成用樹脂組成物100質量部に対する(A)ポリオレフィン系樹脂の含有量は20質量部以上であり、好ましくは30質量部以上であり、より好ましくは45質量部以上である。
このように(A)ポリオレフィン系樹脂の含有量を設定することにより、シーラント層2としての適度な剥離強度を達成することができる。
また、本実施形態において、シーラント層形成用樹脂組成物100質量部に対する(A)ポリオレフィン系樹脂の含有量は、好ましくは85質量部以下であり、より好ましくは80質量部以下であり、さらに好ましくは78質量部以下である。
このように(A)ポリオレフィン系樹脂の含有量を設定することにより、良好な耐付着性が得られる。
本実施形態に係るシーラント層形成用樹脂組成物は、(B)ポリスチレン系樹脂を含むことができる。これにより、適度な耐付着性と、剥離強度のバランスの調整を図ることができる。
(B)ポリスチレン系樹脂は、特に限定されないが、例えばポリスチレン、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、水素添加スチレンブロック共重合体、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS;High Impact Polystyrene)、汎用ポリスチレン樹脂(GPPS;General Purpose Polystyrene)等が含まれ、これらを2種以上組合せて用いてもよい。
この中でも、透明性が高く、また、耐付着性と剥離強度とをバランスよく向上させるという観点から、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体を用いることができる。
本実施形態において、シーラント層形成用樹脂組成物100質量部に対する(B)ポリスチレン系樹脂の含有量は5〜80質量部以上が好ましく、10〜60質量%がより好ましい。かかる数値範囲とすることにより、耐付着性が良好になる。
本実施形態に係るシーラント層形成用樹脂組成物は、(C)(メタ)アクリル酸エステル重合体を含むことができる。これにより、(B)ポリスチレン系樹脂を含ませた場合と同様に、耐付着性と、剥離強度のバランスの調整を図ることができる。
(C)(メタ)アクリル酸エステル重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、及び(メタ)アクリル酸エチルヘキシル等から選択される(メタ)アクリル酸エステルの重合体を挙げることができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、これら重合体は、前述の成分(A)、(B)に該当しない限りにおいて、他のモノマーとの共重合体とすることもできる。
なお、本実施形態においては、これらのうち、入手容易性が高く、また、耐付着性と剥離強度とをバランスよく向上させるという観点から、(メタ)アクリル酸メチル重合体を用いることができる。
本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸、メタクリル酸またはこれらの混合物を表し、(メタ)アクリル酸を有する共重合体とは、アクリル基を1以上有する、またはメタクリル基を1以上有する共重合体を表す。
なお、(C)(メタ)アクリル酸エステル重合体は、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を、たとえば60モル%以上含むものであり、好ましくは70モル%以上含むものであり、より好ましくは80モル%以上含むものである。
本実施形態において、シーラント層形成用樹脂組成物100質量部に対する(C)(メタ)アクリル酸エステル重合体の含有量は、1質量部以上であり、好ましくは10質量部以上であり、より好ましくは20質量部以上である。一方、シーラント層形成用樹脂組成物100質量部に対する(C)(メタ)アクリル酸エステル重合体の含有量は、100質量%であってもよく、98質量%以下であってもよい。これにより、良好な耐付着性が得られる。
本実施形態に係るシーラント層形成用樹脂組成物は、さらに、(D)帯電防止剤を含むことができる。
(D)帯電防止剤としては、リチウムイオンを含むことができる。本実施形態において、上述したリチウムイオンを含むものを(D)帯電防止剤として用いることにより、シーラント層2として、一段と良好な帯電防止能を実現することができる。より具体的には、リチウムイオンが樹脂中に存在する高分子型帯電防止剤を用いることができる。これにより、優れた帯電防止性能が持続的に安定して発揮される。
上記リチウムイオンは、たとえば、リチウム塩のような形でこの帯電防止剤に含有させることができる。このリチウム塩としては、塩化リチウム、フッ化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、過塩素酸リチウム、酢酸リチウム、フルオロスルホン酸リチウム、メタンスルホン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ペンタフルオロエタンスルホン酸リチウム等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、(D)帯電防止剤に含まれるリチウムイオンは、金属元素量測定により確認することができる。本実施形態において、帯電防止剤に含まれるリチウムイオン量は、たとえば、50μg/g以上(50ppm以上)に設定されていることが好ましい。
また、本実施形態において、(D)帯電防止剤は、前述のリチウムイオンを含むもの以外にも、公知の帯電防止剤を併用することもできる。
このような帯電防止剤としては、たとえば、ポリエーテルエステルアミドなどのポリアミド系コポリマー、ポリオレフィンとポリエーテルのブロックポリマー、ポリエチレンエーテル及びグリコールからなるポリマー、カリウムアイオノマーなどのカルボン酸塩基含有ポリマー、第4級アンモニウム塩基含有コポリマー、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン等の金属フィラー、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)等のチオフェン系導電性ポリマーなどが挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、これら、(D)帯電防止剤は、押出しラミネートや熱シールの際の高温による変質などを防止するために、熱分解温度が120℃以上であることが好ましい。
本実施形態において、シーラント層形成用樹脂組成物100質量部に対する(D)帯電防止剤の含有量は、たとえば5質量部以上であり、好ましくは8質量部以上であり、より好ましくは10質量部以上である。
このように(D)帯電防止剤の含有量を設定することにより、シーラント層2として、適切な帯電防止能を発揮することができる。
また、本実施形態において、シーラント層形成用樹脂組成物100質量部に対する(D)帯電防止剤の含有量は、好ましくは25質量部以下であり、より好ましくは20質量部以下であり、さらに好ましくは18質量部以下、とくに好ましくは16質量部以下である。
一般に、(D)帯電防止剤は、高価なものであるため、このように帯電防止剤の含有量を設定することにより、カバーテープ作製におけるコスト低減に資することができる。
また、本実施形態において、(D)帯電防止剤全体100質量部に対するリチウムイオンを含む帯電防止剤の割合は、たとえば、50質量部以上であり、好ましくは60質量部以上であり、より好ましくは75質量部以上である。
このようにリチウムイオンを含む帯電防止剤の割合を設定することにより、シーラント層2としての適切な帯電防止能を効果的に発揮することができる。
(D)帯電防止剤全体100質量部に対するリチウムイオンを含む帯電防止剤の割合の上限値は特に制限されず、(D)帯電防止剤の全体がリチウムイオンを含む帯電防止剤であってもよい。
本実施形態に係るシーラント層形成用樹脂組成物は、(E)粘着付与剤を含むことができる。
(E)粘着付与剤としては、例えば、石油樹脂、ロジン系樹脂、テルペン樹脂、スチレン樹脂、クマロン・インデン樹脂等が挙げられるが、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。この中でも、キャリアテープに対するヒートシール性を高める観点から、石油樹脂を用いることができる。上記石油樹脂としては、例えば、脂肪族系の石油樹脂、芳香族系の石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系の石油樹脂等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(E)粘着付与剤を含む場合、シーラント層形成用樹脂組成物の混合条件を適切に組み合わせることが好ましい。これにより、シーラント層2の良好な耐付着性が得られる。
また、シーラント層2の押出ラミネート時において、酸化に対する安定性を向上させる観点から、高温で溶融酸化される石油樹脂として、脂肪族系の石油樹脂を用いることができ、好ましくは脂環族飽和炭化水素樹脂系の石油樹脂を用いることができる。
また、本実施形態における石油樹脂としては、キャリアテープに対するヒートシール性を一層向上させる観点から、石油樹脂として、水素化石油樹脂を用いることができる。
本実施形態のシーラント層2は、(A)ポリオレフィン系樹脂が、カルボン酸またはカルボン酸誘導体に由来する構造単位Iを有する共重合体を含む場合、(E)粘着付与剤を含まなくてもよい。
また、本実施形態のシーラント層2は、シーラント層2中の(A)ポリオレフィン系樹脂がα−オレフィンに由来する構造単位IIを有する共重合体を含む場合、(E)粘着付与剤を含むことが好ましい。詳細なメカニズムは定かでないが、低分子量である粘着付与剤を採用することにより、その流動性によるアンカー効果によって、キャリアテープに対する密着力を高めることができると考えられる。
また、本実施形態において、シーラント層2を構成する樹脂組成物100質量部に対する(E)粘着付与剤の含有量の下限値は、キャリアテープ20との剥離強度を好適なものとする観点から、好ましくは、7質量部より多い量であり、より好ましくは、7.5質量部以上である。
一方、シーラント層2を構成する樹脂組成物100質量部に対する(E)粘着付与剤の含有量の上限値は、電子部品に対する耐付着性と、キャリアテープに対するヒートシール性とのバランスに優れたカバーテープを実現する観点から、たとえば、20質量部以下としてもよいし、15質量部以下としてもよい。
また、本実施形態に係るシーラント層2を構成する樹脂組成物において、(D)帯電防止剤および(E)粘着付与剤の合計含有量は、電子部品に対する耐付着性と、キャリアテープに対するヒートシール性とのバランスに優れたカバーテープを実現する観点から、(A)ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、好ましくは、34質量部以上80質量部以下であり、より好ましくは、34質量部以上75質量部以下である。
また、本実施形態に係るシーラント層2を構成する樹脂組成物において、当該樹脂組成物100質量部に対する(E)粘着付与剤の含有量をXとし、当該樹脂組成物100質量部に対する(B)ポリスチレン系樹脂および(C)(メタ)アクリル酸エステル重合体の含有量の総量をYとしたとき、X/Yの値は、電子部品に対する耐付着性と、キャリアテープに対するヒートシール性とのバランスに優れたカバーテープを実現する観点から、好ましくは、0.2以上15以下であり、より好ましくは、0.3以上12以下である。
また、本実施形態において、シーラント層2を構成する樹脂組成物は、たとえば、用途に応じ、以下に示す、アンチブロッキング剤、スリップ剤等を含有してもよい。
上記アンチブロッキング剤の例としては、例えば、シリカ、アルミノ珪酸塩(ゼオライト等)などを挙げることができる。アンチブロッキング剤を含有することで、シーラント層2のブロッキングが緩和される。
上記スリップ剤の例としては、例えば、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、オレイルパルミドアミド、ステアリルパルミドアミド、メチレンビスステアリルアミド、メチレンビスオレイルアミド、エチレンビスオレイルアミド、エチレンビスエルカ酸アミドなどの各種アミド類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール、水添ひまし油などが挙げられる。シーラント層2がスリップ剤を含有することで、押出加工等の加工性、離ロール性、フィルム滑り性などが向上される。
その他、上記シーラント層2は、その特性を損なわない範囲で、各種導電材料、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、各種界面活性剤、無機フィラー等の任意の添加剤を含んでいてもよい。また、コーティング処理が施されていてもよい。
本実施形態において、シーラント層2の厚さは、例えば、1μm以上30μm以下であることが好ましく、2μm以上20μm以下であることがより好ましい。シーラント層2の厚さが上記上限値以下のものであれば、ヒートシール時の染み出しを制御しやすくなり、良好な耐付着性が安定的に得られる。また、シーラント層2の厚さが、上記下限値以上のものであれば、耐付着性と密着性のバランスを良好にできる。
[中間層]
中間層1は、基材層3とシーラント層2の間には設けられる。中間層1により、カバーテープ10全体の柔軟性を調整しクッション性を向上させるとともに、耐付着性を良好にできる。さらに、接着対象であるキャリアテープ20との密着性を向上させることができ、また、基材層3とシーラント層2の接着強度を強固にすることができる。
中間層1は、熱可塑性樹脂からなることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではなく、オレフィン系樹脂、環状オレフィン系樹、スチレン系樹脂からなる群から選択される一種、または二種以上の熱可塑性樹脂が挙げられる。
また、中間層1は、単層でもあっても、複層でもよく、それぞれ、熱可塑性樹脂は、一種または二種以上であってもよい。
中間層1の厚さは、接着対象であるキャリアテープ20との密着性を向上させる観点から、好ましくは、10μm以上30μm以下であり、さらに好ましくは、15μm以上25μm以下である。
カバーテープ10は、基材層3と、シーラント層2または中間層1との接着強度を強固にして安定するために、シーラント層2または中間層1と接する側をサンドプラスト処理、コロナ放電処理、プラズマ処理等の表面処理をすることができる。また、基材層3には、帯電防止剤が練り込まれたかまたは表面コーティングされた静電防止品を用いることもできる。
カバーテープ10の厚みは、好ましくは、25μm以上200μm以下であり、より好ましくは、30μm以上150μm以下である。
カバーテープ10の幅は、好ましくは、1mm以上100mm以下であり、より好ましくは2mm以上80mm以下であり、さらに好ましくは、2mm以上50mm以下である。
また、本実施形態のカバーテープ10の変形例としては、図2に示すように、シーラント層2とは反対側の基材層1の面に、他の層が形成されていてもよい。他の層としては、例えば、導電層を用いることができる。このようなカバーテープ10を包装体100に用いることにより、静電気の蓄積をより効果的に抑止することができる。
次に、電子部品を収容して搬送する際にシーラント層2の表面と接触する対象物を形成する材料について説明する。
上述した通り、上記対象物としては、キャリアテープ20の底面等が挙げられるが、電子部品を収容して搬送する際や電子部品を実装する際にシーラント層2の表面と接触する可能性を有したものであれば限定されない。また、上記対象物を形成する材料の具体例としては、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等のキャリアテープを形成する材料や、ポリエチレン、ゴム(天然ゴム、合成ゴムなどを加工した材料)および紙等が挙げられる。
<電子部品包装体>
図2に示すように、電子部品包装体100は、電子部品がポケット21(凹部)に収容されたキャリアテープ20と、上記のカバーテープ10と有し、当該電子部品を封止するようにシーラント層2がキャリアテープ20に接着されたものである。
電子機器の製造現場においては、キャリアテープ20のポケット21内に電子部品を収容し、次いで、キャリアテープ20のポケット21の開口部全面を覆うように、キャリアテープ20の表面にカバーテープ10を接着することで、電子部品が収容された電子部品包装体100が作製される。包装体100は、上述のように、紙製あるいはプラスチック製のリールに電子部品包装体100を巻いた状態で、電子回路基板等に表面実装を行う作業領域まで搬送される。電子部品の表面実装工程において、カバーテープ10がキャリアテープ20から剥離されて、電子部品がパッケージから自動的に取出され、電子回路基板上に実装される。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
膜厚25μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製「E7415」)の上に押出ラミネート法により、中間層として低密度ポリエチレン(住友化学株式会社製「スミカセンL705」)を押出温度300℃で厚み20μmに製膜した。この中間層をコロナ処理した後、シーラント層としてのアクリル系シーラント樹脂(DIC株式会社製「A450A」)を、膜厚が2μmとなるように製膜し、カバーテープを得た。
<実施例2>
膜厚25μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製「E7415」)の上に押出ラミネート法により、中間層1として低密度ポリエチレン(住友化学株式会社製「スミカセンL705」)を押出温度300℃で厚み20μmに製膜した。製膜した中間層1の上に、中間層2としてスチレン−メタクリル酸メチル共重合体(新日鉄住金株式会社製「エスチレンMS−600」)15質量%、低密度ポリエチレン(住友化学株式会社製「スミカセンL705」)55質量%、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(旭化成ケミカルズ株式会社製「タフテックH1031」)30質量%の混合物を押出温度280℃で厚さ10μmに製膜した。
この中間層2をコロナ処理した後、シーラント層としてのアクリル系シーラント樹脂(DIC株式会社製「A450A」)を、膜厚が2μmとなるように製膜し、カバーテープを得た。
<実施例3>
膜厚25μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製「E7415」)の上に押出ラミネート法により、中間層として低密度ポリエチレン(住友化学株式会社製「スミカセンL705」)を押出温度300℃で厚み20μmに製膜した。
製膜した中間層の上に、シーラント層としてスチレン−メタクリル酸メチル共重合体(新日鐵住金株式会社製「エスチレンMS−600」)15質量%、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(三井・デュポンポリケミカル株式会社製「エルバロイAC1820」、アクリル基の含有率:20質量%)65質量%、ポリエーテル/ポリオレフィン共重合体(三洋化成工業株式会社製「ペレスタット212」)20質量%の混合物を押出温度280℃で厚さ10μmに製膜しカバーテープを得た。
なお、シーラント層を製膜する際に表面粗さ5.5μmの突起を備える冷却ロールにシリコンゴム製マットロールを圧力0.2MPaで押当てることでシーラント層表面の粗面化をおこなった。
<実施例4>
膜厚25μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製「E7415」)の上に押出ラミネート法により、中間層として低密度ポリエチレン(住友化学株式会社製「スミカセンL705」)を押出温度300℃で厚み20μmに製膜した。
製膜した中間層の上に、シーラント層としてスチレン−メタクリル酸メチル共重合体(新日鐵住金株式会社製「エスチレンMS−600」)10質量%、低密度ポリエチレン(住友化学社株式会社製「スミカセンL705」)67質量%、ポリエーテル/ポリオレフィン共重合体(三洋化成工業株式会社製「ペレクトロンPVL」)15質量%、粘着付与剤(荒川化学工業株式会社製「アルコンP−100」)8質量%の混合物を押出温度280℃で厚さ10μmに製膜しカバーテープを得た。
なお、シーラント層を製膜する際に表面粗さ5.5μmの突起を備える冷却ロールにシリコンゴム製マットロールを圧力0.2MPaで押当てることでシーラント層表面の粗面化をおこなった。
<比較例1>
シーラント層を製膜する際に用いる冷却ロールを表面粗さ2.5μmの突起を備えるものにした以外は、実施例3と同様にしてカバーテープを得た。
<比較例2>
シーラント層を製膜する際に用いるエチレン−アクリル酸メチル共重合体をアルケマ株式会社製「ロトリル28MA07」(アクリル基の含有率:28質量%)にした以外は、実施例3と同様にしてカバーテープを得た。
得られたカバーテープを用いて、以下の評価・測定を行った。結果を表1に示す。
・タック力
JIS Z0237で規定されるプローブタック試験により、ステージ上にシーラント層が上側となるようにしてカバーテープを配置し、測定した。また、プローブとステージの設定温度を同じにし、設定温度25℃、50℃、70℃、90℃としたときのそれぞれのタック値(T25、50、70、90)を測定した。
装置:株式会社レスカ製「TAC−1000」
押し付け速度:0.5mm/s
押し付け荷重:1,000gf
押し付け保持時間:60s
引き上げ速度:10mm/s
プローブの直径:5mm(プローブ素材:SUS)
・剥離強度
以下の条件でヒートシールを行い、JIS C0806−3に準拠した180°剥離強度を測定した。
(ヒートシール)
設備:ISMECA MBM4000
アイロンサイズ:0.4mmx8mm
温度:180℃
荷重:1kg
シール時間:100ms
キャリアテープ送りピッチ:4mm
キャリア:ポリカーボネート(PC)
(電子部品に対する耐付着性)
・金属片の付着試験A
まず、ニッケルを精密切断機で切断し、縦:0.4mm×横:0.8mm×厚み:0.4mmに加工することにより、金属片を用意した。
つぎに、実施例および比較例で得られたカバーテープのシーラント層の表面が上向きになるように、当該カバーテープをスライドガラスの上に貼り付け、シーラント層の上に、金属片(縦:0.4mm×横:0.8mm×厚み:0.4mm)20個を載せた試験片を作製した。得られた試験片を、60℃、95%RHの条件下において24時間静置し、さらに常温常湿で24時間静置した。その後、スライドガラスを反転させた状態で1,500rpmで20秒間の振動を試験片に加えた後、当該カバーテープのシーラント層の表面に付着している、金属片の数から付着割合(%)を算出した。
算出された付着割合(%)から、以下の基準に沿って、評価した。
○:0〜20%未満
△:20〜40%未満
×:40〜100%
・エポキシ樹脂片の付着試験B
まず、エポキシ試験片を、次のように作製した。
ビフェニル型エポキシ樹脂64.3g(三菱化学製YX−4000HK)、フェノールノボラック樹脂35.5g(DIC製TD−2090)、トリフェニルホスフィン0.2gを配合し、ミキサーで混合したのち、加熱ロールで80℃で5分間混練した。得られた樹脂組成物の混練物を粉砕したのち、100kg/cm、175℃で10分間プレス成型した。さらに180℃6時間、後硬化し、エポキシ硬化成形物を得た。上記エポキシ硬化成形物を精密切断機で切断し、縦:0.4mm×横:0.8mm×厚み:0.4mmのエポキシ樹脂片を得た。
つぎに、実施例および比較例で得られたカバーテープの前記シーラント層の表面が上向きになるように、当該カバーテープをスライドガラスの上に貼り付け、シーラント層の上に、エポキシ樹脂片(縦:0.4mm×横:0.8mm×厚み:0.4mm)20個を載せた試験片を作製した。得られた試験片を、60℃、95%RHの条件下において24時間静置し、さらに常温常湿で24時間静置した。その後、前記スライドガラスを反転させた状態で1,500rpmで20秒間の振動を試験片に加えた後、当該カバーテープのシーラント層の表面に付着している、エポキシ樹脂片の数から付着割合(%)を算出した。
算出された付着割合(%)から、以下の基準に沿って、評価した。
○:0〜20%未満
△:20〜40%未満
×:40〜100%
Figure 2019156405
1 中間層
2 シーラント層
3 基材層
10 カバーテープ
20 キャリアテープ
21 ポケット
100 電子部品包装体

Claims (10)

  1. 一方の面にシーラント層を有し、前記シーラント層上に基材層を備えており、
    電子部品を収容できる凹部を有するキャリアテープを、前記シーラント層によりシールするために用いる、カバーテープであって、
    前記シーラント層におけるJIS Z0237で規定されるプローブタック試験により測定された70℃でのタック値をT70としたとき、T70が30gf以上、300gf未満である、カバーテープ。
  2. 前記シーラント層におけるJIS C0806−3に準拠した180°剥離強度が15gf以上である、請求項1に記載のカバーテープ。
  3. 前記シーラント層におけるJIS Z0237で規定されるプローブタック試験により測定された90℃でのタック値をT90としたとき、T90/T70が、1.3以上、6以下である、請求項1または2に記載のカバーテープ。
  4. 前記シーラント層は、
    (A)ポリオレフィン系樹脂、(B)ポリスチレン系樹脂、および(C)(メタ)アクリル酸エステル重合体からなる群から選択される一種以上を含む、請求項1乃至3いずれか一項に記載のカバーテープ。
  5. 前記(A)ポリオレフィン系樹脂が、カルボン酸またはカルボン酸誘導体に由来する構造単位を有する共重合体を含む、請求項4に記載のカバーテープ。
  6. 前記カバーテープが、前記シーラント層と、前記基材層との間に、さらに中間層を備える、請求項1乃至5いずれか一項に記載のカバーテープ。
  7. 前記中間層は、オレフィン系樹脂、環状オレフィン系樹、スチレン系樹脂からなる群から選択される一種以上の熱可塑性樹脂を含む、請求項6に記載のカバーテープ。
  8. 前記シーラント層の厚み(μm)に対する、前記基材層の厚み(μm)が、0.1以上、25以下である、請求項1乃至7いずれか一項に記載のカバーテープ。
  9. 1mm以上100mm以下の幅を有する、請求項1乃至8いずれか一項に記載のカバーテープ。
  10. 電子部品が凹部に収容されたキャリアテープと、
    請求項1乃至9いずれか一項に記載のカバーテープと有し、
    前記電子部品を封止するように前記シーラント層が前記キャリアテープに接着された電子部品包装体。
JP2018040604A 2018-03-07 2018-03-07 カバーテープおよび電子部品包装体 Active JP6638751B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018040604A JP6638751B2 (ja) 2018-03-07 2018-03-07 カバーテープおよび電子部品包装体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018040604A JP6638751B2 (ja) 2018-03-07 2018-03-07 カバーテープおよび電子部品包装体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019156405A true JP2019156405A (ja) 2019-09-19
JP6638751B2 JP6638751B2 (ja) 2020-01-29

Family

ID=67995682

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018040604A Active JP6638751B2 (ja) 2018-03-07 2018-03-07 カバーテープおよび電子部品包装体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6638751B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021095638A1 (ja) * 2019-11-15 2021-05-20 住友ベークライト株式会社 カバーテープおよび電子部品包装体
JP2021080024A (ja) * 2019-11-15 2021-05-27 住友ベークライト株式会社 カバーテープおよび電子部品包装体
WO2021187519A1 (ja) * 2020-03-17 2021-09-23 大日本印刷株式会社 電子部品包装用カバーテープおよび包装体
WO2021187521A1 (ja) * 2020-03-17 2021-09-23 大日本印刷株式会社 電子部品包装用カバーテープおよび包装体
KR20220041727A (ko) 2020-09-25 2022-04-01 가부시기가이샤 디스코 디바이스 칩의 제조 방법

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003192022A (ja) * 2001-12-26 2003-07-09 Toppan Printing Co Ltd チップ体搬送用カバーテープ
WO2012143994A1 (ja) * 2011-04-18 2012-10-26 電気化学工業株式会社 カバーフィルム
JP2016014129A (ja) * 2014-03-14 2016-01-28 三井化学株式会社 樹脂組成物、フィルム、積層フィルム、積層体、イージーピール用材料およびカバーテープ
JP2016182989A (ja) * 2015-03-27 2016-10-20 住友ベークライト株式会社 電子部品包装用カバーテープ、電子部品包装用包材、および電子部品包装体
JPWO2016076331A1 (ja) * 2014-11-12 2017-04-27 住友ベークライト株式会社 電子部品包装用カバーテープ、電子部品包装用包材、および電子部品包装体
JP2017222387A (ja) * 2016-06-15 2017-12-21 住友ベークライト株式会社 電子部品包装用カバーテープ

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003192022A (ja) * 2001-12-26 2003-07-09 Toppan Printing Co Ltd チップ体搬送用カバーテープ
WO2012143994A1 (ja) * 2011-04-18 2012-10-26 電気化学工業株式会社 カバーフィルム
JP2016014129A (ja) * 2014-03-14 2016-01-28 三井化学株式会社 樹脂組成物、フィルム、積層フィルム、積層体、イージーピール用材料およびカバーテープ
JPWO2016076331A1 (ja) * 2014-11-12 2017-04-27 住友ベークライト株式会社 電子部品包装用カバーテープ、電子部品包装用包材、および電子部品包装体
JP2016182989A (ja) * 2015-03-27 2016-10-20 住友ベークライト株式会社 電子部品包装用カバーテープ、電子部品包装用包材、および電子部品包装体
JP2017222387A (ja) * 2016-06-15 2017-12-21 住友ベークライト株式会社 電子部品包装用カバーテープ

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021095638A1 (ja) * 2019-11-15 2021-05-20 住友ベークライト株式会社 カバーテープおよび電子部品包装体
JP2021080024A (ja) * 2019-11-15 2021-05-27 住友ベークライト株式会社 カバーテープおよび電子部品包装体
JP2022009083A (ja) * 2019-11-15 2022-01-14 住友ベークライト株式会社 カバーテープおよび電子部品包装体
CN114728741A (zh) * 2019-11-15 2022-07-08 住友电木株式会社 盖带及电子部件包装体
WO2021187519A1 (ja) * 2020-03-17 2021-09-23 大日本印刷株式会社 電子部品包装用カバーテープおよび包装体
WO2021187521A1 (ja) * 2020-03-17 2021-09-23 大日本印刷株式会社 電子部品包装用カバーテープおよび包装体
JPWO2021187519A1 (ja) * 2020-03-17 2021-09-23
JP2021176758A (ja) * 2020-03-17 2021-11-11 大日本印刷株式会社 電子部品包装用カバーテープおよび包装体
JP7201125B2 (ja) 2020-03-17 2023-01-10 大日本印刷株式会社 電子部品包装用カバーテープおよび包装体
KR20220041727A (ko) 2020-09-25 2022-04-01 가부시기가이샤 디스코 디바이스 칩의 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP6638751B2 (ja) 2020-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6638751B2 (ja) カバーテープおよび電子部品包装体
JP6358403B1 (ja) 樹脂組成物、カバーテープおよび電子部品用包装体
JP4437505B2 (ja) 包装材用積層テープ
US10099454B2 (en) Cover tape for packaging electronic part
WO2021095638A1 (ja) カバーテープおよび電子部品包装体
JP4573442B2 (ja) 電子部品キャリア用ボトムカバーテープ
JP4301673B2 (ja) 包装材用積層テープ
JP2018118766A (ja) カバーテープおよび電子部品用包装体
JP2020033044A (ja) 電子部品包装用のカバーテープおよび電子部品包装体
KR20140039041A (ko) 반도체 가공시트용 기재필름, 반도체 가공시트 및 반도체 장치의 제조방법
JP5419329B2 (ja) 包装材用積層テープ
JP4198163B2 (ja) 包装材用積層テープ
JP7289816B2 (ja) カバーテープおよび電子部品包装体
JP2020100707A (ja) 樹脂組成物およびカバーテープ
JP2021080024A (ja) カバーテープおよび電子部品包装体
JP4912970B2 (ja) 熱可塑性樹脂多層積層体
JP2017128699A (ja) 樹脂組成物およびカバーテープ
JP7074229B1 (ja) カバーテープおよび電子部品包装体
JP7414165B1 (ja) 電子部品包装用カバーテープおよび電子部品包装体
JP5166762B2 (ja) 帯電防止フィルム
KR20240052785A (ko) 커버 테이프 및 전자 부품 포장체
JP2020121785A (ja) 電子部品包装用のカバーテープおよび電子部品包装体
JP2019064640A (ja) 樹脂組成物およびカバーテープ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190411

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20190411

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20190425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190716

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190829

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191126

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191209

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6638751

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R157 Certificate of patent or utility model (correction)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R157