JP2016182989A - 電子部品包装用カバーテープ、電子部品包装用包材、および電子部品包装体 - Google Patents

電子部品包装用カバーテープ、電子部品包装用包材、および電子部品包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】紙キャリアテープ等の包装基材に対する熱接着性に優れるとともに、帯電防止性能と、剥離時に紙製包装基材の表面を毛羽立たせることなく剥離できる良好な剥離性を長期間にわたり維持し、高い実装率を確保することができる電子部品包装用カバーテープを提供する。
【解決手段】電子部品収納用ポケットを有する紙製キャリアテープにヒートシールされるシーラントカバーテープであって、該カバーテープが、基材層、中間層、シーラント層の順に積層され、前記シーラント層が、(A)エチレン共重合体と(B)高分子型帯電防止剤を含み、シーラント層の(B)高分子型帯電防止剤の含有量が、25質量%以上、35質量%以下であることを特徴とするカバーテープである。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品包装用カバーテープ、電子部品包装用包材、および電子部品包装体に関する。
チップ部品を搬送する方法として、該電子部品を包装材に包装して搬送する、テーピングリール方式が知られている。このテーピングリール方式では、テープ状厚紙の長さ方向に一定間隔でチップ型部品収納用のポケットを設けたキャリア(紙製包装基材)に部品を挿入し、上からカバーテープ(トップテープ)を熱シールして封入して、リール状に巻き取られ搬送される。搬送後には、回路基板などの作製工程において、カバーテープを剥離し、チップ部品をエアー吸着ノズルで吸着して、基板上に実装するシステムが主流となっている
このようなテーピングから基盤へのチップ供給までの一連の工程において、電子部品の包装材として用いられるカバーテープに対しては、チップを確実に供給するために次のような性能が要求されている。すなわち、(1)紙製包装基材に対して良好な接着性を有すること。(2)カバーテープ剥離の際、安定な剥離性があり、紙製包装基材からの毛羽発生などなく、部品実装時のトラブルがないこと。(3)カバーテープ剥離時に発生する剥離帯電によりチップがポケットから飛び出すのを抑制する、いわゆる帯電防止性に優れること。(4)輸送途中、環境条件に起因して部品がカバーテープに付着しないことなどである。
特に近年、チップ型電子部品においては部品サイズが益々小型化し、カバーテープを剥離する際に生じる紙製包装基材表層を剥がし取る現象(毛羽発生)などが、実装機の吸着ノズルへの悪影響を与え、実装率の低下をもたらすなどの問題が発生している。このため、特に極小部品の包装等に用いられるカバーテープにおいては、良好な剥離性を有し、剥離時、紙製包装基材の表面を毛羽立たせないことが、帯電防止性能とともに重要な性能であり、このようなカバーテープが所望されている。
包装材の剥離帯電圧を抑制する方法としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂、エチレン系共重合体、アクリル系樹脂及びワックス類から選択された少なくとも1種の成分を表面又は内部に含有する包装基材と、分子内にカルボキシル基又はアシルオキシ基を含有するオレフィン系共重合体、アイオノマー樹脂、及び芳香族ビニル化合物と共役ジエン系化合物とのブロック共重合体から選択された少なくとも1種の重合体を含む樹脂組成物により形成された接着樹脂層を有しているカバーテープを組み合わせる方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法では、種類の違う基材とカバーテープを組み合わせた場合効果が得られなくなるため、組み合わせる基材の種類を問わず帯電防止性能を発揮することができるカバーテープが所望されている。
特開2003−341720号公報
本発明の目的は、キャリアテープ等の包装基材に対する熱接着性に優れるとともに、帯電防止性能と、剥離時に紙製包装基材の表面を毛羽立たせることなく剥離できる良好な剥離性を長期間にわたり維持し、高い実装率を確保できる包装材用カバーテープを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(11)に記載の本発明により達成される。
(1)電子部品収納用ポケットを有する紙製キャリアテープにヒートシールされるカバーテープであって、
該カバーテープが、基材層、中間層、シーラント層の順に積層され、
前記シーラント層が、(A)エチレン共重合体と(B)高分子型帯電防止剤を含み、
シーラント層の(B)高分子型帯電防止剤の含有量が、25質量%以上、35質量%以下であることを特徴とするカバーテープ。
(2)前記(A)エチレン共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体、アイオノマーからなる群から選ばれる化合物であることを特徴とする(1)記載のカバーテープ。
(3)前記(A)エチレン共重合体がエチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする(2)に記載のカバーテープ
(4)前記エチレン−酢酸ビニル共重合体が、共重合体を構成する全モノマー中の酢酸ビニルの割合が、20質量%以上、35質量%以下であることを特徴とする(3)記載のカバーテープ。
(5)前記(A)エチレン共重合体がエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体であることを特徴とする(2)に記載のカバーテープ
(6)前記エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体がエチレン−アクリル酸メチル共重合体であることを特徴とする(5)に記載のカバーテープ。
(7)前記エチレン−アクリル酸メチル共重合体が、共重合体を構成する全モノマー中のアクリル酸メチルの割合が、20質量%以上、35質量%以下であることを特徴とする(6)記載のカバーテープ。
(8)前記エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体がエチレン−アクリル酸エチル共重合体であることを特徴とする(5)に記載のカバーテープ。
(9)前記エチレン−アクリル酸エチル共重合体が、共重合体を構成する全モノマー中のアクリル酸エチルの割合が、20質量%以上、35質量%以下であることを特徴とする(8)記載のカバーテープ。
(10)前記エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体がエチレン−メタクリル酸メチル共重合体であることを特徴とする(5)に記載のカバーテープ。
(11)前記エチレン−メタクリル酸メチル共重合体が、共重合体を構成する全モノマー中のメタクリル酸メチルの割合が、20質量%以上、35質量%以下であることを特徴とする(10)記載のカバーテープ。
(12)前記(A)エチレン共重合体のJIS−K−7210に準じて測定されるメルトフローレートの値が10g/10min以上、100g/10min以下であることを特徴とする(1)ないし(11)のいずれか1項に記載のカバーテープ。
(13)前記(B)高分子型帯電防止剤がポリエーテル構造を含む高分子型帯電防止剤であることを特徴とする(1)ないし(12)のいずれか1項に記載のカバーテープ。
(14)前記シーラント層の厚みが、2μm以上、30μm以下であることを特徴とする(1)ないし(13)のいずれか1項に記載のカバーテープ。
(15)前記中間層の厚みが、2μm以上、50μm以下であることを特徴とする(1)ないし(14)のいずれか1項に記載のカバーテープ。
(16)前記中間層が、ポリオレフィン系樹脂を含むことを特徴とする(1)ないし(15)のいずれか1項に記載のカバーテープ。
(17)(1)ないし(16)のいずれか1項に記載のカバーテープと、該カバーテープがシールされ凹部がカバーされたキャリアテープとを有することを特徴する電子部品包装用包材。
(18)(17)に記載の電子部品包装用包材と、凹部内に収納された前記電子部品とを有することを特徴とする電子部品包装体。
本発明の電子部品包装用カバーテープは、紙キャリアテープ等の包装基材に対する熱接着性に優れるとともに、帯電防止性能と、剥離時に紙製包装基材の表面を毛羽立たせることなく剥離できる良好な剥離性を長期間にわたり維持し、高い実装率を確保することができる。
本発明の電子部品包装用包材の実施形態を示す部分斜視図である。 図1に示す電子部品包装用包材を矢印A方向から見た図(平面図)である。 図1に示す電子部品包装用包材の線B−Bに沿った断面図である。 本発明の電子部品包装用カバーテープの断面図である。
以下、本発明の電子部品包装用カバーテープ、電子部品包装用包材および電子部品包装体を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明のカバーテープの説明に先立って、本発明のカバーテープを備える電子部品包装用包材(本発明の電子部品包装用包材)について説明する。
<電子部品包装用包材>
図1は、本発明の電子部品包装用包材の実施形態を示す部分斜視図、図2は、図1に示す電子部品包装用包材を矢印A方向から見た図、図3は、図1に示す電子部品包装用包材の線B−Bに沿った断面図である。なお、以下の説明では、図1、3、4中の上側を「上」、下側を「下」、図2中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」と言う。
電子部品包装用包材10は、電子部品を包装(収納)するために用いられ、帯状をなし、電子部品(図示せず)を収納し得る凹部(電子部品収納用凹部;ポケット)12を第1面(上面)15に備える電子部品収納用キャリアテープ(以下、単に「キャリアテープ」とも言う。)1と、第1面15側で、キャリアテープ1に接合して、キャリアテープ1の凹部12の開口を封止(カバー)するトップカバーテープ(以下、単に「カバーテープ」とも言う。)20とを有している。
図1〜4に示すキャリアテープ(基材)1は、帯状のシートからなる紙製のものであり、このキャリアテープ1の上側の第1面15に、その長手方向に沿って1列に配置された複数の凹部12と、複数の凹部12に平行となるように1列に配置された複数の送り穴11とを有している。
また、本実施形態では、キャリアテープ1における第1面15の反対側(下側)の第2面13は、ほぼ平坦となっている。
換言すれば、本実施形態では、キャリアテープ1は、第1面15に開放する有底の凹部12と、第1面15および第2面13に貫通する送り穴11とを有し、第2面13は、凹部12の底部およびその外周部付近に実質的に段差がない面で構成されている。
複数の凹部12は、図1に示すように、帯状のシートの長手方向に沿って、第1面15に1列に並ぶように等間隔で設けられている。これらの凹部12には、それぞれ電子部品を収納可能になっている。
なお、電子部品は、通常、その全体形状が直方体状をなしており、本実施形態では、図1、2に示すように、電子部品を収納する凹部12の形状も、これに対応するように直方体状をなしている。したがって、本実施形態では、凹部12の平面視形状は、長方形状をなしているが、収納すべき電子部品の形状に対応して、三角形、五角形、六角形のような多角形状や、円形状等をなしていても良い。
また、凹部12の内周面には、電子部品吸着ノズルのピックアップ性等を考慮して、キャリアテープ1の厚さ方向に沿って、凸条または凹条が形成されていても良い。
さらに、凹部12の底面には、段差が設けられていても良い。これにより、例えば、電子部品の底面に端子等が形成されている場合には、この端子が凹部12の底面に接触するのを防止することができるようになるため、キャリアテープ1の輸送時等に、端子等が破損してしまうのを的確に防止することができる。
また、複数の送り穴11は、図1、2に示すように、複数の凹部12に平行となるように、1列に並んで等間隔に設けられている。これら送り穴11は、凹部12に収納された電子部品を、電子部品包装体製造機や表面実装機等にフィードする際に用いられる。すなわち、電子部品包装体の製造方法および電子部品の取り出し方法に適用する際に用いられる。
また、送り穴11のサイズは、例えば、キャリアテープ1の短手方向の幅が8mmの場合、その平均内径が、好ましくはΦ1.5〜1.6mm程度に設定され、より好ましくはΦ1.5〜1.55mm程度に設定され、キャリアテープ1の短手方向の幅が4mmの場合、その平均内径が、好ましくはΦ0.76〜0.84mm程度に設定され、より好ましくはΦ0.78〜0.82mm程度に設定される。これにより、前記フィードを確実に実施することができる。
なお、複数の凹部12と、複数の送り穴11は、ともに、帯状をなすシートの長手方向に沿って、1列に並ぶように設けられているが、それぞれが配置される間隔は、特に限定されず、例えば、前記長手方向において、2つの送り穴11の間に2つ以上の凹部12が配置されているものであってもよいし、2つの送り穴11の間に1つの凹部12が配置されているものであってもよい。
また、電子部品包装用包材10が備えるキャリアテープ1は、操作性、安定性、コスト等の点から紙製である。
キャリアテープ1に用いる原紙は、従来より紙キャリアテープに用いられている各種の紙素材であってよい。その素材の組成構成は、導電性インキとの親和性、密着性等を考慮して選択することができるが、原紙の含水率をコントロールしておくことが好ましい。通常、この含水率は7%〜12%の範囲である。
また、本実施形態では、凹部12がキャリアテープ1の第1面15に形成され、キャリアテープ1における第1面15の反対側の第2面13は、ほぼ平坦となっている。すなわち、第2面13は、凹部12の底部およびその外周部付近には実質的に段差がない面で構成されている。このため、キャリアテープ1は、パンチキャリアテープやプレスキャリアテープ用のテーピング機および実装機を用いて、パンチキャリアテープやプレスキャリアテープと同様に使用することができる。また、前記キャリアテープ1をリールに巻いて輸送する際、第2面13がほぼ平坦であることにより、巻き崩れや巻き緩みを防止することができる。これにより凹部12の変形や、カバーテープ20のキズを防ぐことができる。
また、凹部12のサイズは、包装する電子部品のサイズにより決められるが、凹部12のサイズをD(mm)、E(mm)、D≦Eとし、電子部品のサイズをX(mm)、Y(mm)、X≦Yとしたとき、0<D−X≦0.3、0<E−Y≦0.3を満たすことが好ましく、0.05≦D−X≦0.15、0.05≦E−Y≦0.15がより好ましい。前記好ましい範囲にあることにより、テーピング時の収納安定性や実装時のピックアップ性を向上させることができ、キャリアテープ1の保管時や輸送時の衝撃、汚染等から電子部品の破損を防止することができる。
<カバーテープ>
カバーテープ20は、図1、2に示すように、帯状をなし、キャリアテープ1の凹部12の開口を封止(カバー)するように、キャリアテープ1の第1面15に貼り合わ(シール)されている。
このカバーテープ20は、凹部12に電子部品を収納した状態で、キャリアテープ1の第1面15側でキャリアテープ1に接合され、そして、この状態で、保管および輸送された後に、キャリアテープ1から剥離され、その後、電子部品吸着ノズル等を用いて、凹部12内から収納された電子部品をピックアップ(取り出)するために用いられる。
このようなカバーテープ(本発明のカバーテープ)20は、本発明では、図3、4に示すように、基材層21と、この基材層21に積層された中間層22、シーラント層23とを有し、基材層21、中間層22、シーラント層23の順に積層され、シーラント層23をキャリアテープ1側としてキャリアテープ1の第1面15にシールするものである。
<基材層>
はじめに、基材層21について説明する・
基材層21は、テープ加工時やキャリアテープへのヒートシール時等に加わる外力に耐えうる機械的強度、ヒートシール時に耐えうる耐熱性があれば用途に応じて適宜種々の材料を加工したフィルムを用いることができる。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ナイロン6、ナイロン66、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ABS樹脂などが基材層フィルム用素材の例として挙げられる。機械的強度を向上させるにはポリエチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン66、等が好ましい。また、基材層21としては例示された樹脂より選ばれた2層以上の積層体を用いても良い。
基材層21を構成する樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、8,000〜1,000,000程度であるのが好ましく、8,500〜950,000程度であるのがより好ましい。基材層21を構成する樹脂の重量平均分子量を上記の範囲内に設定することで、基材層21を優れた可撓性を備えるものとすることができる。
なお、基材層21を構成する樹脂の重量平均分子量は、例えば、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定することができる。
基材層21には未延伸のフィルムが用いられてもかまわないが、カバーテープ全体としての機械的強度を高めるためには一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムを用いることが好ましい。特に、二軸延伸ポリエステル、二軸延伸ポリプロピレンのいずれか1つ以上を含むものであることがより好ましい。
また、基材層21の厚さは、7μm以上、30μm以下であることが好ましく、10μm以上、25μm以下であることがより好ましい。これにより、基材層21を優れた可撓性を備えるものとすることができる。基材層21の厚さが上記上限値以下のものであればカバーテープの剛性が高くなりすぎず、ヒートシール後のキャリアテープ1に対して捻り応力がかかった場合であってもカバーテープ20がキャリアテープ1の変形に追従し剥離が生じるおそれが少ない。また、基材層21の厚さが、上記下限値以上のものであれば、カバーテープ20の機械的強度が好適なものとなり、凹部12に収納された電子部品を取り出す際の高速剥離時にカバーテープ20が破断するという問題を抑制することができる。
また、基材層は、その特性を損なわない範囲で、帯電防止剤、スリップ剤およびアンチブロッキング剤等の添加剤を有していても構わない。
<中間層>
次に中間層22について説明する。
中間層22はカバーテープに、フィルムの製造時の製膜安定性や、テーピングの際のシール性を付与する機能を有する。テーピングの際のシール性が高まる理由としては、中間層22がシール圧力を均一に分散させるクッション層として機能することが考えられる。このような観点から、中間層22は、熱可塑性樹脂を含む層であることが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、水素添加ビニル芳香族系樹脂、ビニル芳香族系エラストマー、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂が挙げられる。これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。なお、これらの樹脂は、1種類を単独で又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
前記、ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂及びこれらの混合物が挙げられ、上記ポリエチレン系樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体が挙げられる。ポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体、プロピレンとエチレンとα−オレフィンとの3元共重合体が好適に使用できる。このような樹脂によれば、フィルムの成形性を向上させつつ、フィルムの剛性を維持することができる。これらの中でも、低密度ポリエチレンが好ましい。これにより、これにより高いクッション性、耐破断性などの効果が得られる。
中間層22は、その特性を損なわない範囲で、各種導電材料、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、各種界面活性剤、アンチブロック剤、無機フィラー等の任意の添加剤を含んでいてもよい。また、コーティング処理が施されていてもよい。
また、中間層22の厚さは、2μm以上、50μm以下であることが好ましく、10μm以上、30μm以下であることがより好ましい。中間層22の厚さが上記上限値以下のものであればシール圧力がキャリアテープまで十分伝達する。また、中間層22の厚さが、上記下限値以上のものであれば、カバーテープ20のキャリアテープに対する剥離強度や剥離の安定性が好適なものとなる。
<シーラント層>
次にシーラント層23について説明する。
本実施形態に係るカバーテープにおいて、シーラント層23は、キャリアテープと接触する。本発明のシーラント層23は、(A)エチレン共重合体と(B)高分子型帯電防止剤を含み、シーラント層の(B)高分子型帯電防止剤の含有量が、25質量%以上、35質量%以下である
<エチレン共重合体>
(A)エチレン共同重合体について説明する。
エチレン共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体、アイオノマーなどが挙げられる。
エチレン共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体、アイオノマーからなる群から選ばれる化合物であることが好ましい。これにより、紙キャリアテープとの剥離強度を好適なものとすることができる。すなわち、エチレン共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体、アイオノマーからなる群から選ばれる化合物である場合、紙キャリアテープを構成するセルロースと水素結合を構成するため、剥離強度が好適なものとなると考えられる。
コストの面から、エチレン共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体であると好ましい。
本発明における、エチレン−酢酸ビニル共重合体は、少なくともエチレンと酢酸ビニルとが共重合した共重合体であり、場合により他のモノマーがさらに共重合されていてもよい。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体は、剥離強度の観点から、共重合体を構成する全モノマー中の酢酸ビニルの割合が、20〜35質量%であることが好ましく、25〜30質量%であることが更に好ましい。これにより、紙キャリアテープとの剥離強度を好適なものとすることができる。すなわち、共重合体を構成する全モノマー中の酢酸ビニル部分が紙キャリアテープを構成するセルロースと水素結合を構成するため、剥離強度が好適なものとなると考えられる。
上記エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体としては、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体などがあげられる。
上記エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体としては、例えば、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルとしては、メタノール、エタノール等炭素数1〜8のアルコールとのエステルが好適に使用される。上記エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体の中でも、エチレンーアクリル酸メチル共重合体、エチレンーアクリル酸エチル共重合体、もしくはエチレン−メタクリル酸メチル共重合体が汎用性の面から好ましい。
これらの共重合体は、3成分以上のモノマーを共重合してなる多元共重合体であってもよい。上記多元共重合体としては、例えば、エチレン、脂肪族不飽和カルボン酸エステルおよび酸無水物から選ばれる少なくとも3種類のモノマーを共重合してなる共重合体等が挙げられる。
上記エチレンーアクリル酸メチル共重合体は、剥離強度の観点から、共重合体を構成する全モノマー中のアクリル酸メチルの割合が、20〜35質量%であることが好ましく、25〜30質量%であることが更に好ましい。これにより、紙キャリアテープとの剥離強度を好適なものとすることができる。すなわち、共重合体を構成する全モノマー中のアクリル酸メチル部分が紙キャリアテープを構成するセルロースと水素結合を構成するため、剥離強度が好適なものとなると考えられる。
上記エチレンーアクリル酸エチル共重合体は、剥離強度の観点から、共重合体を構成する全モノマー中のアクリル酸エチルの割合が、20〜35質量%であることが好ましく、25〜30質量%であることが更に好ましい。これにより、紙キャリアテープとの剥離強度を好適なものとすることができる。すなわち、共重合体を構成する全モノマー中のアクリル酸エチル部分が紙キャリアテープを構成するセルロースと水素結合を構成するため、剥離強度が好適なものとなると考えられる。
上記エチレンーメタクリル酸メチル共重合体は、剥離強度の観点から、共重合体を構成する全モノマー中のメタクリル酸メチルの割合が、20〜35質量%であることが好ましく、25〜30質量%であることが更に好ましい。これにより、紙キャリアテープとの剥離強度を好適なものとすることができる。すなわち、共重合体を構成する全モノマー中のメタクリル酸メチル部分が紙キャリアテープを構成するセルロースと水素結合を構成するため、剥離強度が好適なものとなると考えられる。
上記エチレン共重合体は、剥離強度の観点から、JIS−K−7210に準じて測定されるメルトフローレートの値(以下、「MFR」と記載する場合がある)(190℃、2.16kg)が10g〜100gであることが好ましく、15g〜50gであることが更に好ましい。これにより、紙キャリアテープとの剥離強度を好適なものとすることができ、剥離した際に、紙キャリアテープの毛羽立ちを抑制することができる。すなわち、メルトフローレートの値が前記範囲であると、熱シール時にエチレン共重合体が紙キャリアテープによくしみ込み、またしみ込んだエチレン共重合体が、紙を破壊する前に自己破断し、毛羽立ちを抑制することができるものと考えられる。
シーラント層(ヒートシール層)23を構成する樹脂組成物に対してエチレン共重合体の含有量は、65質量%以上100質量%以下であることが好ましい。含有量が前記範囲であると、カバーテープ20のキャリアテープに対する剥離強度が好適なものとなる。
(B)高分子型帯電防止剤について説明する。
シーラント層23が、高分子型帯電防止樹脂を含むことで、カバーテープに導電性を付与することが可能となる。導電性を付与することにより、カバーテープ20を剥離する際に発生する静電気によって、帯電したカバーテープ20に電子部品が付着してしまうという不具合や静電気放電による電子部品の破壊を防止することができる。
前記、高分子型帯電防止剤としては、帯電防止性を有するポリマーを何れも使用することができ、特に限定されない。例えば、ポリエーテルエステルアミドなどのポリアミド系コポリマー、カリウムアイオノマーなどのカルボン酸塩基含有ポリマー、第4級アンモニウム塩基含有コポリマーなどが挙げられる。高分子型帯電防止剤は、低分子型の帯電防止剤のようにシーラント層23内を移動し、シーラント層23表面に浮き出ることなどがないため、高分子型帯電防止剤を使用することにより、カバーテープは、長期にわたり安定した帯電防止性と接着性が得られる。例えば、シーラント層23の表面抵抗率を1013Ω/□以下(例えば、108〜1013Ω/□程度)、好ましくは109〜1011Ω/□程度とすることができる。また、接着力についても適正な接着力である10〜70gf(98.1mN〜687mN)を長期にわたり安定して維持することができる。
高分子型帯電防止剤としては、例えばポリエーテルエステルアミド、ポリオレフィンとポリエーテルのブロックポリマー、ポリエチレンエーテル及びグリコールからなるポリマーなどのポリエーテル構造を含む高分子型帯電防止剤を好適に使用することができる。
高分子型帯電防止剤は、シーラント層23が含有する(A)ポリオレフィン系樹脂の種類等により、相溶性やその他の物性を考慮して、適宜選択して使用すればよい。なお、高分子型帯電防止剤は、押出しラミネートや熱シールの際の高温による変質などを防止するために、熱分解温度が120℃以上であることが好ましい。
高分子型帯電防止剤の配合量は、シーラント層(ヒートシール層)23を構成する樹脂組成物に対して25質量%〜35質量%である。高分子型帯電防止剤の配合量が少ない場合は、所望の帯電防止性能が得られず、表面抵抗率が1013Ω/□を超えることとなり、極少のチップ部品では、静電気による接着剤層への付着などの問題が発生する。また、本発明においては、高分子型帯電防止剤の配合量が少ない場合は、剥離強度が低下することを見出した。これは、高分子型帯電防止剤中の極性基部分が、紙キャリアテープを構成するセルロースと水素結合を構成するため、剥離強度が好適なものとなると考えられる。
また、逆に、高分子型帯電防止剤の配合割合が多すぎると、帯電防止性能は良好となるが、接着性能の低下をまねき、所望の接着力が得られない。
高分子型帯電防止剤に加えて、一般に使用される低分子型帯電防止剤(界面活性剤)を併用して表面抵抗率を調整することも可能である。この際の低分子型帯電防止剤の使用量は特に制限されないが、シーラント層(ヒートシール層)23を構成する樹脂組成物に対して、例えば5質量%を超えない範囲内で適宜選択することができる。低分子型帯電防止剤の配合量が多すぎると、低分子型帯電防止剤が熱接着剤層表面にブリードするなどの問題が発生する場合があり、好ましくない。
シーラント層23は粘着付与樹脂を含有してもよい。
粘着付与樹脂としては、例えば、石油樹脂(脂肪族石油樹脂、芳香族石油樹脂、前期芳香族石油樹脂を水添した脂環族石油樹脂など)、ロジン系樹脂、テルペン樹脂、スチレン樹脂、クマロン・インデン樹脂などが挙げられる。これらの粘着付与樹脂は単独又は、2種以上組み合わせて使用できる。なお、接着剤層を押出ラミネートにより形成する場合には、高温で溶融酸化されるので、酸化に対する安定性の点から、脂環族石油樹脂が特に好ましい。
シーラント層23はアンチブロッキング剤を含有していてもよい。
アンチブロッキング剤を含有することで、フィルムのブロッキングが緩和される。
アンチブロッキング剤の例としては、シリカ、アルミノ珪酸塩(ゼオライト等)などを挙げることができる。
シーラント層23はスリップ剤を含有していてもよい。
シーラント層23がスリップ剤を含有することで、押出加工等の加工性、離ロール性、フィルム滑り性などが向上される。
スリップ剤の例としては、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、オレイルパルミドアミド、ステアリルパルミドアミド、メチレンビスステアリルアミド、メチレンビスオレイルアミド、エチレンビスオレイルアミド、エチレンビスエルカ酸アミドなどの各種アミド類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール、水添ひまし油などが挙げられる。
シーラント層23は、その特性を損なわない範囲で、各種導電材料、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、各種界面活性剤、無機フィラー等の任意の添加剤を含んでいてもよい。また、コーティング処理が施されていてもよい。
また、シーラント層23の厚さは、2μm以上、30μm以下であることが好ましく、5μm以上、20μm以下であることがより好ましい。シーラント層23の厚さが上記上限値以下のものであれば、ヒートシール時にシーラント層が染み出してテーピングマシン等を汚染するトラブルが発生しない。また、シーラント層23の厚さが、上記下限値以上のものであれば、カバーテープ20のキャリアテープに対する剥離強度が好適なものとなる。
以上、本発明のカバーテープ、電子部品包装用包材および電子部品包装体を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、本発明のカバーテープ、電子部品包装用包材、電子部品包装体において、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することができる。
また、前記実施形態では、カバーテープは、基材層と中間層とシーラント層との3層で構成されたが、これに限定されず、基材層と中間層との間または、中間層とシーラント層の間に各種接着層層が介挿されていてもよいし、基材層の中間層と反対側の面には各種被覆層が積層されていてもよく、基材層と中間層とシーラント層とを含む4層以上で構成されるものであってもよい。
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
(実施例1)
膜厚12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製:商品名E7415)の上に押出ラミネート法により、中間層として低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製:商品名ペトロセン203)を押出温度300℃で厚み20μmに製膜し、製膜した中間層の上にさらにシーラント層としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(三井・デュポンポリケミカル製:商品名エバフレックスEV250:酢酸ビニル割合28%)70重量部、ポリエーテル構造を含む高分子型帯電防止剤(三洋化成工業製:商品名ペレクトロンPVH)30重量部の混合物を押出温度280℃で厚み10μmに製膜し、カバーテープを得た。
(実施例2)
シーラント層として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(NUC製:商品名DQDJ−3269:酢酸ビニル割合28%)70重量部、ポリエーテル構造を含む高分子型帯電防止剤(三洋化成工業製:商品名ペレクトロンPVH)30重量部の混合物を使用した以外は、実施例1と同等にして、カバーテープを得た。
(実施例3)
シーラント層として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(東ソー製:商品名ウルトラセン750:酢酸ビニル割合28%)70重量部、ポリエーテル構造を含む高分子型帯電防止剤(三洋化成工業製:商品名ペレクトロンPVH)30重量部の混合物を使用した以外は、実施例1と同等にして、カバーテープを得た。
(実施例4)
シーラント層として、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)(日本ポリエチレン製:商品名レクスパールEB440H:アクリル酸メチル割合20%)70重量部、ポリエーテル構造を含む高分子型帯電防止剤(三洋化成工業製:商品名ペレクトロンPVH)30重量部の混合物を使用した以外は、実施例1と同等にして、カバーテープを得た。
(実施例5)
シーラント層として、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)(住友化学製:商品名アクリフトWK402:メタクリル酸メチル割合25%)70重量部、ポリエーテル構造を含む高分子型帯電防止剤(三洋化成工業製:商品名ペレクトロンPVH)30重量部の混合物を使用した以外は、実施例1と同等にして、カバーテープを得た。
(実施例6)
シーラント層として、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)(NUC製:商品名NUC−6570:アクリル酸エチル割合25%)70重量部、ポリエーテル構造を含む高分子型帯電防止剤(三洋化成工業製:商品名ペレクトロンPVH)30重量部の混合物を使用した以外は、実施例1と同等にして、カバーテープを得た。
(実施例7)
シーラント層として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(三井デュポンポリケミカル製:商品名エバフレックスEV250:酢酸ビニル割合28%)75重量部、ポリエーテル構造を含む高分子型帯電防止剤(三洋化成工業製:商品名ペレクトロンPVH)25重量部の混合物を使用した以外は、実施例1と同等にして、カバーテープを得た。
(実施例8)
シーラント層として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(三井デュポンポリケミカル製:商品名エバフレックスEV250:酢酸ビニル割合28%)65重量部、ポリエーテル構造を含む高分子型帯電防止剤(三洋化成工業製:商品名ペレクトロンPVH)35重量部の混合物を使用した以外は、実施例1と同等にして、カバーテープを得た。
(実施例9)
シーラント層として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(三井デュポンポリケミカル製:商品名エバフレックスEV260:酢酸ビニル割合14%)70重量部、ポリエーテル構造を含む高分子型帯電防止剤(三洋化成工業製:商品名ペレクトロンPVH)30重量部の混合物を使用した以外は、実施例1と同等にして、カバーテープを得た。
(実施例10)
シーラント層として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(三井デュポンポリケミカル製:商品名エバフレックスEV250:酢酸ビニル割合28%)70重量部、ポリエーテル構造を含む高分子型帯電防止剤(三洋化学工業製:商品名サンコノールTBX−25)30重量部の混合物を使用した以外は、実施例1と同等にして、カバーテープを得た。
(比較例1)
シーラント層として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(三井デュポンポリケミカル製:商品名エバフレックスEV250:酢酸ビニル割合28%)70重量部、ポリエーテル構造を含む高分子型帯電防止剤の代わりに低分子型帯電防止剤(理研ビタミン製:リケマールS−100(グリセリンモノステアレート)30重量部を2軸混練機にてメルトブレンドして調製した溶融物を使用した以外は、実施例1と同等にして、カバーテープを得た。
(比較例2)
シーラント層として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(三井デュポンポリケミカル製:商品名エバフレックスEV250:酢酸ビニル割合28%)80重量部、ポリエーテル構造を含む高分子型帯電防止剤(三洋化成工業製:商品名ペレクトロンPVH)20重量部の混合物を使用した以外は、実施例1と同等にして、カバーテープを得た。
(比較例3)
シーラント層として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(三井デュポンポリケミカル製:商品名エバフレックスEV250:酢酸ビニル割合28%)50重量部、ポリエーテル構造を含む高分子型帯電防止剤(三洋化成工業製:商品名ペレクトロンPVH)50重量部の混合物を使用した以外は、実施例1と同等にして、カバーテープを得た。
(比較例4)
シーラント層として、低密度ポリエチレン(LDPE)(東ソー株式会社製:商品名ペトロセン203)70重量部、ポリエーテル構造を含む高分子型帯電防止剤(三洋化成工業製:商品名ペレクトロンPVH)30重量部の混合物を使用した以外は、実施例1と同等にして、カバーテープを得た。
(評価方法)
実施例及び比較例で得られた各カバーテープにつき、下記の試験を行った。
(剥離強度)
実施例及び比較例で得られた各カバーテープを5.3mm幅にスリットし、紙製キャリアテープ(東京製紙製)の表面に、テーピングマシン(東京ウェルズ製:TWA−6621)を用いて、200℃、1kg/cm2、0.1秒の条件で熱シールし、熱シール直後、及び、温度40℃湿度90%の条件で7日保存した後の剥離強度を測定した。なお、剥離強度の測定は、剥離試験機を用いて、剥離速度300mm/min 剥離角度約180°の条件で行った。
(表面抵抗率)
実施例及び比較例で得られた各カバーテープを、JIS K6911に基づき温度23℃湿度50%環境下で、表面抵抗測定器(SIMCO社製)を用いて、シーラント面の表面抵抗率を測定した。

表1よりわかるように、電子部品収納用ポケットを有する紙製キャリアテープにヒートシールされるシーラントカバーテープであって、該カバーテープが、基材層、中間層、シーラント層の順に積層され、前記シーラント層が、(A)エチレン共重合体と(B)高分子型帯電防止剤を含み、シーラント層の(B)高分子型帯電防止剤の含有量が、25質量%以上、35質量%以下であることを特徴とするカバーテープである、実施例1〜10については、熱シール直後および40℃90%7日後の剥離強度ともに良好であり、十分な保存性を有するとともに、表面抵抗率も良好であった。これに対し、高分子型帯電防止剤の代わりに低分子型帯電防止剤を用いた比較例1は、40℃90%7日後の剥離強度が低下し、保存性が劣る結果となった。また、高分子型帯電防止剤の含有量が、25質量%未満である比較例2は、表面抵抗率が劣る結果となった。また、高分子型帯電防止剤の含有量が、35質量%をこえる比較例3は、剥離強度が十分なものとならなかった。また、エチレン共重合体を用いなかった比較例4は、剥離強度が十分なものとならなかった。



Claims (18)

  1. 電子部品収納用ポケットを有する紙製キャリアテープにヒートシールされるカバーテープであって、
    該カバーテープが、基材層、中間層、シーラント層の順に積層され、
    前記シーラント層が、(A)エチレン共重合体と(B)高分子型帯電防止剤を含み、
    シーラント層の(B)高分子型帯電防止剤の含有量が、25質量%以上、35質量%以下であることを特徴とするカバーテープ。
  2. 前記(A)エチレン共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体、アイオノマーからなる群から選ばれる化合物であることを特徴とする請求項1記載のカバーテープ。
  3. 前記(A)エチレン共重合体がエチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする請求項2に記載のカバーテープ。
  4. 前記エチレン−酢酸ビニル共重合体が、共重合体を構成する全モノマー中の酢酸ビニルの割合が、20質量%以上、35質量%以下であることを特徴とする請求項3記載のカバーテープ。
  5. 前記(A)エチレン共重合体がエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体であることを特徴とする請求項2に記載のカバーテープ。
  6. 前記エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体がエチレン−アクリル酸メチル共重合体であることを特徴とする請求項5に記載のカバーテープ。
  7. 前記エチレン−アクリル酸メチル共重合体が、共重合体を構成する全モノマー中のアクリル酸メチルの割合が、20質量%以上、35質量%以下であることを特徴とする請求項6記載のカバーテープ。
  8. 前記エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体がエチレン−アクリル酸エチル共重合体であることを特徴とする請求項5に記載のカバーテープ。
  9. 前記エチレン−アクリル酸エチル共重合体が、共重合体を構成する全モノマー中のアクリル酸エチルの割合が、20質量%以上、35質量%以下であることを特徴とする請求項8記載のカバーテープ。
  10. 前記エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体がエチレン−メタクリル酸メチル共重合体であることを特徴とする請求項5に記載のカバーテープ。
  11. 前記エチレン−メタクリル酸メチル共重合体が、共重合体を構成する全モノマー中のメタクリル酸メチルの割合が、20質量%以上、35質量%以下であることを特徴とする請求項10記載のカバーテープ。
  12. 前記(A)エチレン共重合体のJIS−K−7210に準じて測定されるメルトフローレートの値が10g/10min以上、100g/10min以下であることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載のカバーテープ。
  13. 前記(B)高分子型帯電防止剤がポリエーテル構造を含む高分子型帯電防止剤であることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載のカバーテープ。
  14. 前記シーラント層の厚みが、2μm以上、30μm以下であることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載のカバーテープ。
  15. 前記中間層の厚みが、2μm以上、50μm以下であることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載のカバーテープ。
  16. 前記中間層が、ポリオレフィン系樹脂を含むことを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1項に記載のカバーテープ。
  17. 請求項1ないし16のいずれか1項に記載のカバーテープと、該カバーテープがシールされ凹部がカバーされたキャリアテープとを有することを特徴する電子部品包装用包材。
  18. 請求項17に記載の電子部品包装用包材と、凹部内に収納された前記電子部品とを有することを特徴とする電子部品包装体。
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