JP2021080024A - カバーテープおよび電子部品包装体 - Google Patents
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Abstract
Description
基材層と、中間層と、シーラント層とがこの順に積層し、当該シーラント層によりキャリアテープをシールするために用いられる、カバーテープであって、
前記シーラント層は以下の成分(A)、(B)を含み、
(A)スチレン系樹脂
(B)ポリ(メタ)アクリル酸誘導体
成分(A)中のスチレン含有率は15質量%以上である、カバーテープが提供される。
電子部品が格納されたキャリアテープと、
当該キャリアテープ上に前記シーラント層よりシールされた上記カバーテープと、
を備える電子部品包装体が提供される。
図1は、本実施形態の電子部品包装用のカバーテープ10(単に「カバーテープ10」とも表記する)の一例を、模式的に表したものである。図1に示すように、カバーテープ10は、基材層1と、中間層2と、シーラント層3とがこの順に積層している。すなわち、シーラント層3は、最表面であり、カバーテープ10の一方の面を構成し、これにより後述するキャリアテープ20に密着することができる。
本実施形態において、基材層1と、中間層2と、シーラント層3とは、ともに略同じ幅と長さで、切れ目や分断なく存在している。
また、カバーテープ10は、図2に示すように、電子部品を収容するためのポケット21を有するキャリアテープ20をシールするために用いられるものである。すなわち、カバーテープ10におけるシーラント層3がキャリアテープ20と接するようにヒートシールされる。
基材層1を構成する材料は特に限定されない。典型的には、カバーテープ10を作製するとき、キャリアテープに対してカバーテープ10を接着するとき、外力が加わったとき等に十分に耐えうる程度の機械的強度が得られる材料が好ましい。また、キャリアテープにカバーテープ10を接着する際の熱に耐えうる程度の耐熱性を有する材料が好ましい。
基材層1を構成する材料の形態は、加工の容易性の点で、フィルム状であることが好ましい。
中でも、カバーテープ10の機械的強度を向上させる観点から、ポリエステル系樹脂が好ましい。また、カバーテープ10の機械的強度および/または柔軟性を向上させる観点から、ナイロン6を、基材層1を構成する材料として用いてもよい。
また、基材層1は、滑材などの添加剤を含んでもよい。
基材層1を形成するために用いられるフィルムは、未延伸フィルムであってもよいし、一軸方向又は二軸方向に延伸されたフィルムであってもよい。カバーテープ10の機械的強度を一層向上させる観点からは、一軸方向又は二軸方向に延伸されたフィルムであることが好ましい。
基材層1の厚さが50μm以下であることで、カバーテープ10の剛性が高くなりすぎない。これにより、シール後のキャリアテープに対して捻り応力がかかった場合でも、カバーテープ10がキャリアテープの変形に追従しやすい。よって、カバーテープ10がキャリアテープから意図せず剥離してしまうことを抑制することができる。
基材層1の厚さが5μm以上であることで、カバーテープ10の機械的強度を十分良好なものとすることができる。よって、例えばキャリアテープからカバーテープ10を高速で剥離する場合でも、カバーテープ10が破断してしまうことを抑制することができる。
こうすることで、カバーテープ10とキャリアテープとからなる電子部品包装体において、電子部品が正しく収容されているか否かを検査できる程度に必要な透明性を確保することができる。言い換えると、基材層1の全光線透過率を80%以上とすることにより、カバーテープ10とキャリアテープとからなる包装体の内部に収容した電子部品を、外部から視認して確認しやすくなる。
全光線透過率は、JIS−K−7361に準じて測定することが可能である。
中間層2は、基材層1とシーラント層3の間に位置し、カバーテープ10のクッション性、耐衝撃性などを高めることができる。
中でも、カバーテープ10全体のクッション性を向上させる観点から、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、およびポリスチレン系樹脂を含むことが好ましい。ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)または直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)がより好ましい。
また、中間層2は、各種の添加剤を含んでもよい。
シーラント層3は、(A)スチレン系樹脂、(B)(メタ)アクリル酸エステル重合体を含むものである。これにより良好なヒートシール性が得られる。
(A)スチレン系樹脂中のスチレン含有率は15質量%以上であり、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上がさらに好ましい。一方、(A)スチレン系樹脂中のスチレン含有率の上限値は、特に限定されないが、シーラント層3の密着性を保持する観点から、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは80質量%以下である。
本実施形態のカバーテープ10においては、シーラント層3のスチレン含有率を、上記下限値以上とすることにより、中間層2とシーラント層3との密着性が向上し、剥離強度が向上できる。かかるメカニズムの詳細は明らかではないが、中間層2とシーラント層3との親和性が向上するためと推測される。
ここでスチレン含有率とは、(A)スチレン系樹脂に含まれるスチレン由来の構造単位の割合(質量%)をいう。(A)スチレン系樹脂が、2種以上の共重合体を含むとき、それぞれが有するスチレン含有率の平均値が、(A)スチレン系樹脂のスチレン含有率となる。
なかでも、剥離強度を効果的に向上させる観点から、スチレン−(メタ)アクリレート共重合体および/またはスチレン−オレフィン共重合体を含むことが好ましい。
スチレン−オレフィン共重合体の重合様式に制限はないが、カバーテープ10とキャリアテープ20との剥離強度の向上の観点から、スチレン−オレフィン共重合体は好ましくはブロック共重合体である。
MFRを、上記下限値以上とすることにより、剥離強度を向上させやすくなる。
一方、MFRを、上記上限値以下とすることにより、作業性を良好にし、高い剥離強度が安定的に得られる。
ここで、(A)スチレン系樹脂のMFRは、200℃、5kgの条件でJIS−K−7210に準じて測定される。
成分(B)のポリ(メタ)アクリル酸誘導体とは、(B−1)(メタ)アクリル酸または(B−2)(メタ)アクリル酸エステルをいずれかまたは両方を含む重合体のことをいう。
成分(B−1)の(メタ)アクリル酸としては、アクリル酸またはメタクリル酸等が挙げられる。
成分(B−2)の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、および(メタ)アクリル酸エチルヘキシル等の中から選ばれる1種または2種以上を用いたものが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル重合体は、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を、たとえば5質量%以上含むものであり、好ましくは10質量%以上含むものであり、より好ましくは15質量%以上含むものである。
(A)/(B)を、かかる数値範囲とすることで、剥離性と、密着性のバランスを向上させることができる。
シーラント層3は、帯電防止剤を含んでもよい。これにより、帯電防止能を向上させることができる。
帯電防止剤としては、例えば、リチウムイオンを含むものが挙げられる。リチウムイオンが樹脂中に存在する高分子型帯電防止剤を用いることができる。これにより、優れた帯電防止性能が持続的に安定して発揮される。
リチウムイオンは、例えば、リチウム塩のような形で帯電防止剤に含有させることができる。このリチウム塩としては、塩化リチウム、フッ化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、過塩素酸リチウム、酢酸リチウム、フルオロスルホン酸リチウム、メタンスルホン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ペンタフルオロエタンスルホン酸リチウム等が挙げられる。
リチウムイオンを含まない帯電防止剤としては、例えば、以下を挙げることができる。
・ポリエーテル構造を含むポリマー(例えば、ポリエーテルエステルアミドなどのポリアミド系コポリマー、ポリオレフィンとポリエーテルのブロックポリマー、ポリエチレンエーテル及びグリコールからなるポリマーなど)、カリウムアイオノマーなどのカルボン酸塩基含有ポリマー、第4級アンモニウム塩基含有コポリマーなど。
・酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン等の金属フィラー。
・ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)、ポリアセチレン、ポリアニリン等の導電性ポリマー。
・導電カーボン
また、帯電防止剤の含有量は、シーラント層3全体に対して、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下、特に好ましくは70質量%以下である。帯電防止剤はしばしば高価である。よって、帯電防止剤の含有量をこのようにすることで、カバーテープ10作製のコスト低減につながる。
シーラント層3は、粘着付与剤を含んでもよい。
粘着付与剤としては、石油樹脂、ロジン系樹脂、テルペン樹脂、スチレン樹脂、クマロン・インデン樹脂等が挙げられる。中でも、電子部品の付着しにくさ、キャリアテープに対するヒートシール性、ガスバリア性などから、石油樹脂とスチレン樹脂が好適である。
石油樹脂系の粘着付与剤としては、脂肪族系の石油樹脂、芳香族系の石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系の石油樹脂等が挙げられる。市販品としては、荒川化学工業社の水素化石油樹脂、商品名「アルコン」シリーズなどがある。
シーラント層3が粘着付与剤を含む場合、シーラント層3全体に対する粘着付与剤の含有量の下限値は、キャリアテープとのシール強度を好適なものとする観点から、好ましくは0.5質量%より多く、より好ましくは1質量%以上である。
また、シーラント層全体に対する粘着付与剤の含有量の上限値は、電子部品の付着しにくさや、キャリアテープに対するヒートシール性などの観点から、例えば5質量%以下、具体的には4質量%以下である。
シーラント層3は、その特性を損なわない範囲で、上記成分のほか、アンチブロッキング剤、スリップ剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、界面活性剤、無機フィラー等の任意の添加剤を含んでいてもよい。かつ/または、シーラント層3の表面には、これらのコーティング処理が施されていてもよい。
シーラント層3の厚みが0.01μm以上であることで、十二分なシール性を担保することができる。
シーラント層3の厚みが30μm以下であることで、カバーテープ10の剛性が高くなりすぎない。これにより、シール後のキャリアテープに対して捻り応力がかかった場合でも、カバーテープ10がキャリアテープの変形に追従しやすい。よって、カバーテープ10がキャリアテープから意図せず剥離してしまうことを抑制することができる。
また、シーラント層3の厚みが20μm以下であることで、ヒートシール時に溶融した樹脂の「染み出し」が抑えられるという利点もある。
また、シーラント層3の厚みは、カバーテープ10全体の厚みに対して、0.001〜0.05であることが好ましく、0.002〜0.03であることがより好ましい。
カバーテープ10は、上記の各層のほか、さらに追加の層を備えていてもよい。
例えば、カバーテープ10の機械的強度を高めるための補強層を備えたり、基材層1と中間層2の間、および/または、中間層2とシーラント層3の間に接着層が存在してもよい。
カバーテープ10は、シーラント層3の中間層2側の面上の任意の位置に、さらに補強層4を備えていてもよい(図3参照)。補強層4を備えることにより、さらにカバーテープ10の機械的強度を高めることができる。
中でも、カバーテープ10の機械的強度を向上させる観点から、ポリエステル系樹脂が好ましい。また、カバーテープ10の機械的強度および/または柔軟性を向上させる観点から、ポリアミド系樹脂、特にナイロン6を、補強層4を構成する材料として用いてもよい。
また、補強層4は、滑材などの添加剤を含んでもよい。
補強層4を形成するために用いられるフィルムは、未延伸フィルムであってもよいし、一軸方向又は二軸方向に延伸されたフィルムであってもよい。カバーテープ10の機械的強度を一層向上させる観点からは、一軸方向又は二軸方向に延伸されたフィルムであることが好ましい。
補強層4の厚さが50μm以下であることで、カバーテープ10の剛性が高くなりすぎない。これにより、シール後のキャリアテープに対して捻り応力がかかった場合でも、カバーテープ10がキャリアテープの変形に追従しやすい。よって、カバーテープ10がキャリアテープから意図せず剥離してしまうことを抑制することができる。
補強層4の厚さが5μm以上であることで、カバーテープ10の機械的強度を十分良好なものとすることができる。よって、例えばキャリアテープからカバーテープ10を高速で剥離する場合でも、カバーテープ10が破断してしまうことを抑制することができる。
補強層4の厚みは、基材層1の厚みと同じであってもよいが、効果的に強度を高める観点からは、基材層1よりも厚いことが好ましい。
こうすることで、カバーテープ10とキャリアテープとからなる電子部品包装体において、電子部品が正しく収容されているか否かを検査できる程度に必要な透明性を確保することができる。言い換えると、補強層4の全光線透過率を80%以上とすることにより、カバーテープ10とキャリアテープとからなる包装体の内部に収容した電子部品を、外部から視認して確認しやすくなる。
全光線透過率は、JIS−K−7361に準じて測定することが可能である。
接着層を形成する材料としては、例えば、公知の溶剤系または水系の各種アンカーコート剤を使用することができる。アンカーコート剤についてより具体的には、イソシアネート系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、ポリオレフィン系、アルキルチタネート系などのものを挙げることができる。
カバーテープ10の厚みは、適宜設定されるが、20〜80μmが好ましく、25〜70μmがより好ましい。
カバーテープ10の幅や長さは、主としてキャリアテープの幅および長さに応じて適宜設定することができる。
典型的には、カバーテープ10の幅は1〜100mm程度、長さは100〜30000m程度である。
本実施形態のカバーテープ10の製造方法は特に限定されない。例えば、公知の押出法、ラミネート法、塗布法などを適用することで製造することができる。
一例として、本実施形態のカバーテープ10は、押出ラミネート法により製造することができる。
(1)基材層1に相当するフィルムを準備する。
(2)(1)で準備したフィルムの片面にラミネート剤を塗り、その上に中間層2に相当する層を、押出ラミネート法により製膜する。これにより、基材層1−中間層2の2層構成のフィルムを得る。
(3)(2)の2層構成のフィルムの、中間層2が露出している面に、シーラント層3に相当する層を、グラビアコーティング法により製膜する。これにより3層構成のフィルムを得る。
(4)必要に応じ、得られた3層構成のフィルムを、適当な長さおよび幅に裁断する。
上述のカバーテープ10と、電子部品がポケット21(凹部)に収容されたキャリアテープ20とから、電子部品包装体100を得ることができる。これについて図2を参照しつつ説明する。
具体的には、カバーテープ10は、キャリアテープ20のポケット21の開口部全面を覆うように、キャリアテープ20の表面に接着(通常、ヒートシール)される。なお、以降、カバーテープ10と、キャリアテープ20とを接着して得られた構造体のことを、電子部品包装体100と称する。
まず、キャリアテープ20のポケット21内に電子部品を収容する。
次いで、キャリアテープ20のポケット21の開口部全面を覆うように、キャリアテープ20の表面にカバーテープ10をヒートシール法により接着する。この際、カバーテープ10におけるシーラント層3がキャリアテープ20と接するようにする(つまり、図2におけるカバーテープ10の「裏面」がシーラント層3となるようにしてヒートシールを行う)。こうすることで、電子部品が密封収容された構造体(電子部品包装体100)が得られる。
ヒートシールの具体的なやり方や条件は、カバーテープ10がキャリアテープ20に十分強く接着する限り特に限定されない。典型的には、公知のテーピングマシンを用い、温度100〜240℃、荷重0.1〜10kgf、時間0.0001〜1秒の範囲内で行うことができる。
上述のカバーテープ10を、これら材料で構成されたキャリアテープにヒートシールして電子部品包装体とすることで、シーラント層のキャリアテープ側への残存を一層低減しやすい。
(A)スチレン系樹脂
・スチレン−ブタジエン共重合体:旭化成社製、「タフテックH1221」(スチレン含有率(PS比率):12%、MFR(230℃、2.16kg):4.5g/10分)
・スチレン−ブタジエン共重合体:旭化成社製、「タフテックH1062」(スチレン含有率(PS比率):18%、MFR(230℃、2.16kg):4.5g/10分)
・スチレン−ブタジエン共重合体:旭化成社製、「タフテックH1041」(スチレン含有率(PS比率):30%、MFR(230℃、2.16kg):5g/10分)
・スチレン−ブタジエン共重合体:旭化成社製、「タフテックH1517」(スチレン含有率(PS比率):43%、MFR(230℃、2.16kg):3g/10分)
・スチレン−ブタジエン共重合体:デンカ社製、「クリアレン730L」(スチレン含有率(PS比率):75%、MFR(200℃、5kg):8g/10分
・スチレンオリゴマー:三井化学社製、「FTR8100」分子量(Mn):820
(B)ポリ(メタ)アクリル酸誘導体
・大日本インキ社製「A450A」
(C)帯電防止剤
・酸化錫(三菱マテリアル社製 T−1)
〔中間層〕
・住友化学社製、「スミカセンL705」低密度ポリエチレン(LDPE)
・三井・デュポンポリケミカル株式会社製、「エルバロイAC1820」EMA(エチレンーメチルアクリレート共重合樹脂)
〔補強層〕
・二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社、商品名:E5202)
・二軸延伸ポリアミドフィルム(東洋紡株式会社、商品名:N1202)
(実施例1〜10、比較例1〜2)
基材層として膜厚12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社、商品名:T6140)を用い、この上に、ラミネート剤(三井化学株式会社製、タケラック A−520)を塗り、表1に示す中間層の原料となる樹脂を押出しラミネート法(押出し温度:280℃)により積層することで、基材層上に中間層(厚み25μm)を形成した。
得られた積層フィルムの中間層側の面上に、60質量%の(C)帯電防止剤と40質量%の表1に示す配合((A)/(B))で成分(A)および成分(B)からなるシーラント層をグラビアコーティング法により膜厚0.5μmで製膜した。
以上により、各実施例および比較例のカバーテープを製造した。
(実施例11)
基材層として膜厚12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社、商品名:T6140を用い、この上に、ラミネート剤(三井化学株式会社製、タケラック A−520)を塗り、表1に示す中間層の原料となる樹脂を押出しラミネート法(押出し温度:280℃)により積層することで、基材層上に中間層(厚み40μm)を形成した。
得られた積層フィルムの中間層側の面上に、60質量%の(C)帯電防止剤と40質量%の表1に示す配合((A)/(B))で成分(A)および成分(B)からなるシーラント層をグラビアコーティング法により膜厚0.5μmで製膜した。
基材層として膜厚12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社、商品名:T6140を用い、この上に、ラミネート剤(三井化学株式会社製、タケラック A−520)を塗り、表1に示す補強層となるフィルムをドライラミネート法により積層することで、基材層上に補強層(厚み16μm)を形成した。さらにこの上に、ラミネート剤(三井化学株式会社製、タケラック A−520)を塗り、表1に示す中間層の原料となる樹脂を押出しラミネート法(押出し温度:280℃)により積層することで、補強層上に中間層(厚み25μm)を形成した。
得られた積層フィルムの中間層側の面上に、60質量%の(C)帯電防止剤と40質量%の表1に示す配合((A)/(B))で成分(A)および成分(B)からなるシーラント層をグラビアコーティング法により膜厚0.5μmで製膜した。
基材層として膜厚12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社、商品名:T6140)を用い、この上に、ラミネート剤(三井化学株式会社製、タケラック A−520)を塗り、表1に示す補強層となるフィルムをドライラミネート法により積層することで、基材層上に補強層(厚み15μm)を形成した。さらにこの上に、ラミネート剤(三井化学株式会社製、タケラック A−520)を塗り、表1に示す中間層の原料となる樹脂を押出しラミネート法(押出し温度:280℃)により積層することで、補強層上に中間層(厚み25μm)を形成した。
得られた積層フィルムの中間層側の面上に、60質量%の(C)帯電防止剤と40質量%の表1に示す配合((A)/(B))で成分(A)および成分(B)からなるシーラント層をグラビアコーティング法により膜厚0.5μmで製膜した。
各実施例および比較例で得られたカバーテープを用いて、以下の評価・測定を行った。結果を表1に示す。
(キャリアテープに対する剥離強度)
剥離強度の評価は、JIS C 0806−3に準拠する剥離試験にしたがっておこなった。上述の方法で得られたカバーテープを、幅9.5mmの寸法にして、幅12mmの寸法のキャリアテープ(導電ポリスチレンキャリアテープ、住友ベークライト社製の「CEL−E980A」)にヒートシール温度180℃、アイロンサイズ0.4mm巾×32mm長、2列・4度打ち、荷重1kg、シール時間100ミリ秒の条件でヒートシール機を用いてヒートシールして、サンプルを調整した。得られたサンプルに対して、剥離速度300mm/min、剥離角度170°、剥離時間10秒の条件でカバーテープをキャリアテープから剥離した際の剥離強度(gf)を測定した。
引張強度の評価は、JIS K6734に準拠する方法でおこなった。
2 中間層
3 シーラント層
4 補強層
10 カバーテープ
20 キャリアテープ
21 ポケット
100 電子部品包装体。
基材層と、中間層と、シーラント層とがこの順に積層し、当該シーラント層によりキャリアテープをシールするために用いられる、カバーテープであって、
前記シーラント層は以下の成分(A)、(B)を含み、
(A)スチレン系樹脂
(B)ポリ(メタ)アクリル酸誘導体
成分(A)中のスチレン含有率は15質量%以上90質量%以下である、カバーテープが提供される。
以下、本発明の参考形態の一例を示す。
<1>
基材層と、中間層と、シーラント層とがこの順に積層し、当該シーラント層によりキャリアテープをシールするために用いられる、カバーテープであって、
前記シーラント層は以下の成分(A)、(B)を含み、
(A)スチレン系樹脂
(B)ポリ(メタ)アクリル酸誘導体
成分(A)中のスチレン含有率は15質量%以上である、カバーテープ。
<2>
成分(A)が、(A−1)スチレン系ポリマーまたは(A−2)スチレン系オリゴマーである、<1>に記載のカバーテープ。
<3>
成分(A−1)が、スチレン−オレフィン共重合体である、<2>に記載のカバーテープ。
<4>
成分(B)が、以下の成分(B−1)、(B−2)およびこれらのうち少なくとも一方を用いた共重合体である、<1>または<2>に記載のカバーテープ。
(B−1)アクリル酸またはメタクリル酸
(B−2)(メタ)アクリル酸エステル
<5>
成分(B−2)が、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、および(メタ)アクリル酸エチルヘキシルの中から選ばれる1種または2種以上である、<4>に記載のカバーテープ。
<6>
成分(B)の含有量に対する、成分(A)の含有量[(A)/(B)]が、0.015以上である、<1>乃至<5>いずれか1つに記載のカバーテープ。
<7>
前記シーラント層が、さらに(C)帯電防止剤を含む、<1>乃至<6>いずれか1つに記載のカバーテープ。
<8>
前記シーラント層の前記中間層側の面上の任意の位置に、さらに補強層を含有する、<1>乃至<7>いずれか1つに記載のカバーテープ。
<9>
電子部品が格納されたキャリアテープと、
当該キャリアテープ上に前記シーラント層よりシールされた<1>乃至<8>いずれか1つに記載のカバーテープと、
を備える電子部品包装体。
Claims (9)
- 基材層と、中間層と、シーラント層とがこの順に積層し、当該シーラント層によりキャリアテープをシールするために用いられる、カバーテープであって、
前記シーラント層は以下の成分(A)、(B)を含み、
(A)スチレン系樹脂
(B)ポリ(メタ)アクリル酸誘導体
成分(A)中のスチレン含有率は15質量%以上である、カバーテープ。 - 成分(A)が、(A−1)スチレン系ポリマーまたは(A−2)スチレン系オリゴマーである、請求項1に記載のカバーテープ。
- 成分(A−1)が、スチレン−オレフィン共重合体である、請求項2に記載のカバーテープ。
- 成分(B)が、以下の成分(B−1)、(B−2)およびこれらのうち少なくとも一方を用いた共重合体である、請求項1または2に記載のカバーテープ。
(B−1)アクリル酸またはメタクリル酸
(B−2)(メタ)アクリル酸エステル - 成分(B−2)が、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、および(メタ)アクリル酸エチルヘキシルの中から選ばれる1種または2種以上である、請求項4に記載のカバーテープ。
- 成分(B)の含有量に対する、成分(A)の含有量[(A)/(B)]が、0.015以上である、請求項1乃至5いずれか1項に記載のカバーテープ。
- 前記シーラント層が、さらに(C)帯電防止剤を含む、請求項1乃至6いずれか1項に記載のカバーテープ。
- 前記シーラント層の前記中間層側の面上の任意の位置に、さらに補強層を含有する、請求項1乃至7いずれか1項に記載のカバーテープ。
- 電子部品が格納されたキャリアテープと、
当該キャリアテープ上に前記シーラント層よりシールされた請求項1乃至8いずれか1項に記載のカバーテープと、
を備える電子部品包装体。
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