JP2021080024A - カバーテープおよび電子部品包装体 - Google Patents

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誠志 鈴木
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Abstract

【課題】剥離強度が向上したカバーテープ10を得る。【解決手段】カバーテープ10は、基材層1と、中間層2と、シーラント層3とがこの順に積層し、シーラント層3によりキャリアテープ20をシールするために用いられ、シーラント層3は(A)スチレン系樹脂、(B)ポリ(メタ)アクリル酸誘導体を含み、成分(A)中のスチレン含有率は15質量%以上である。(A)スチレン系樹脂(B)ポリ(メタ)アクリル酸誘導体成分(A)中のスチレン含有率は15質量%以上である、カバーテープ。【選択図】図1

Description

本発明は、カバーテープおよび電子部品包装体に関する。
半導体ICチップなどの電子部品は、その製造後、実装工程に提供されるまでの間、汚染を防止すべく包装材にてパッキングされ、紙製あるいはプラスチック製のリールに巻かれた状態で、保管および輸送される。この電子部品の包装には、自動実装装置による基板への実装工程に対応するように、テープ状の包装材が用いられており、この包装材は、長尺のシートに所定の間隔をおいて複数個の凹状の格納ポケットが形成されたキャリアテープと、該キャリアテープにヒートシールされるカバーテープから構成される。電子部品は、キャリアテープの格納ポケットに収容された後、キャリアテープの上面に蓋材としてのカバーテープが重ねられ、加熱したシールバーでカバーテープの両端を長さ方向に連続してヒートシールされて、電子部品包装体とされる。
搬送された電子部品包装体は、半導体基板への実装工程に運ばれ、キャリアテープからカバーテープが剥離され、格納された電子部品が取り出され、半導体基板に実装される。そのため、カバーテープの剥離が円滑に行われることが重要となる。また近年の高速実装化に伴い、カバーテープの剥離速度が上昇し、カバーテープの剥離強度の向上が求められている。例えば、特許文献1には、剥離強度が剥離速度の影響を受けにくく、従来の剥離強度管理方法においても高速実装時の剥離強度が異常に高まらないカバーテープを得る観点から、所定の厚さ、引張弾性率を有する基材層と、ポリスチレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂、脂肪酸アミドを含有し、所定の厚さ、引張弾性率を有するヒートシール層を備えるカバーテープが開示されている。
特開2005−263257号公報
しかしながら、上述した特許文献1記載の技術では、カバーテープの剥離時に、カバーテープのシーラント層がキャリアテープ側にとどまり、シーラント層と、中間層との間で剥離が生じる場合があった。その結果、カバーテープの高い剥離強度を十分に得ることができなかった。
本発明によれば、
基材層と、中間層と、シーラント層とがこの順に積層し、当該シーラント層によりキャリアテープをシールするために用いられる、カバーテープであって、
前記シーラント層は以下の成分(A)、(B)を含み、
(A)スチレン系樹脂
(B)ポリ(メタ)アクリル酸誘導体
成分(A)中のスチレン含有率は15質量%以上である、カバーテープが提供される。
また、本発明によれば、
電子部品が格納されたキャリアテープと、
当該キャリアテープ上に前記シーラント層よりシールされた上記カバーテープと、
を備える電子部品包装体が提供される。
本発明によれば、剥離強度が向上したカバーテープを得ることができる。
本実施形態におけるカバーテープの構成を模式的に示す断面図である。 本実施形態における電子部品包装用のカバーテープをキャリアテープにシールした状態の一例を示す斜視図である。 本実施形態におけるカバーテープの変形例を模式的に示す断面図である。
以下、実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には共通の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは必ずしも一致していない。また、本実施形態において、組成物は、各成分をいずれも単独でまたは2種以上を組み合わせて含むことができる。
<カバーテープ10>
図1は、本実施形態の電子部品包装用のカバーテープ10(単に「カバーテープ10」とも表記する)の一例を、模式的に表したものである。図1に示すように、カバーテープ10は、基材層1と、中間層2と、シーラント層3とがこの順に積層している。すなわち、シーラント層3は、最表面であり、カバーテープ10の一方の面を構成し、これにより後述するキャリアテープ20に密着することができる。
本実施形態において、基材層1と、中間層2と、シーラント層3とは、ともに略同じ幅と長さで、切れ目や分断なく存在している。
また、カバーテープ10は、図2に示すように、電子部品を収容するためのポケット21を有するキャリアテープ20をシールするために用いられるものである。すなわち、カバーテープ10におけるシーラント層3がキャリアテープ20と接するようにヒートシールされる。
以下、カバーテープ10の各層の態様、素材などについて以下説明する。
[基材層1]
基材層1を構成する材料は特に限定されない。典型的には、カバーテープ10を作製するとき、キャリアテープに対してカバーテープ10を接着するとき、外力が加わったとき等に十分に耐えうる程度の機械的強度が得られる材料が好ましい。また、キャリアテープにカバーテープ10を接着する際の熱に耐えうる程度の耐熱性を有する材料が好ましい。
基材層1を構成する材料の形態は、加工の容易性の点で、フィルム状であることが好ましい。
基材層1を構成する材料の具体例としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリメタアクリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS樹脂等が挙げられる。
中でも、カバーテープ10の機械的強度を向上させる観点から、ポリエステル系樹脂が好ましい。また、カバーテープ10の機械的強度および/または柔軟性を向上させる観点から、ナイロン6を、基材層1を構成する材料として用いてもよい。
また、基材層1は、滑材などの添加剤を含んでもよい。
基材層1は、1層のみであってもよいし、2層以上あってもよい(例えば、基材層1は、上述した材料が積層された多層フィルムにより形成されてもよい)。
基材層1を形成するために用いられるフィルムは、未延伸フィルムであってもよいし、一軸方向又は二軸方向に延伸されたフィルムであってもよい。カバーテープ10の機械的強度を一層向上させる観点からは、一軸方向又は二軸方向に延伸されたフィルムであることが好ましい。
基材層1の厚さは特に限定されない。基材層1の厚さは、好ましくは5μm以上であり、より好ましくは10μm以上である。また、基材層1の厚さは、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは40μm以下であり、さらに好ましくは30μm以下である。
基材層1の厚さが50μm以下であることで、カバーテープ10の剛性が高くなりすぎない。これにより、シール後のキャリアテープに対して捻り応力がかかった場合でも、カバーテープ10がキャリアテープの変形に追従しやすい。よって、カバーテープ10がキャリアテープから意図せず剥離してしまうことを抑制することができる。
基材層1の厚さが5μm以上であることで、カバーテープ10の機械的強度を十分良好なものとすることができる。よって、例えばキャリアテープからカバーテープ10を高速で剥離する場合でも、カバーテープ10が破断してしまうことを抑制することができる。
基材層1の全光線透過率は、好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは85%以上である。
こうすることで、カバーテープ10とキャリアテープとからなる電子部品包装体において、電子部品が正しく収容されているか否かを検査できる程度に必要な透明性を確保することができる。言い換えると、基材層1の全光線透過率を80%以上とすることにより、カバーテープ10とキャリアテープとからなる包装体の内部に収容した電子部品を、外部から視認して確認しやすくなる。
全光線透過率は、JIS−K−7361に準じて測定することが可能である。
[中間層2]
中間層2は、基材層1とシーラント層3の間に位置し、カバーテープ10のクッション性、耐衝撃性などを高めることができる。
中間層2を形成する材料としては、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン系樹脂、およびポリエチレンのなかから選ばれる1種または2種以上が挙げられる。
中でも、カバーテープ10全体のクッション性を向上させる観点から、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、およびポリスチレン系樹脂を含むことが好ましい。ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)または直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)がより好ましい。
また、中間層2は、各種の添加剤を含んでもよい。
中間層2の厚さは、カバーテープ10全体のクッション性を向上させる観点から、好ましくは10〜50μmであり、さらに好ましくは15〜45μmであり、ことさらに好ましくは20〜40μmである。
[シーラント層3]
シーラント層3は、(A)スチレン系樹脂、(B)(メタ)アクリル酸エステル重合体を含むものである。これにより良好なヒートシール性が得られる。
・(A)スチレン系樹脂
(A)スチレン系樹脂中のスチレン含有率は15質量%以上であり、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上がさらに好ましい。一方、(A)スチレン系樹脂中のスチレン含有率の上限値は、特に限定されないが、シーラント層3の密着性を保持する観点から、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは80質量%以下である。
本実施形態のカバーテープ10においては、シーラント層3のスチレン含有率を、上記下限値以上とすることにより、中間層2とシーラント層3との密着性が向上し、剥離強度が向上できる。かかるメカニズムの詳細は明らかではないが、中間層2とシーラント層3との親和性が向上するためと推測される。
ここでスチレン含有率とは、(A)スチレン系樹脂に含まれるスチレン由来の構造単位の割合(質量%)をいう。(A)スチレン系樹脂が、2種以上の共重合体を含むとき、それぞれが有するスチレン含有率の平均値が、(A)スチレン系樹脂のスチレン含有率となる。
(A)スチレン系樹脂としては、(A−1)ポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリレート共重合体、スチレン−オレフィン共重合体、水素添加スチレンブロック共重合体、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS;High Impact Polystyrene)、および汎用ポリスチレン樹脂(GPPS;General Purpose Polystyrene等のスチレン系ポリマー、並びに(A−2)スチレン系重合体、α−メチルスチレン系重合体、スチレン−(α−メチルスチレン)系共重合体、スチレン−脂肪族炭化水素系共重合体、スチレン−(α−メチルスチレン)−脂肪族炭化水素系共重合体、およびスチレン−芳香族炭化水素系共重合体等のスチレン系オリゴマー等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
なかでも、剥離強度を効果的に向上させる観点から、スチレン−(メタ)アクリレート共重合体および/またはスチレン−オレフィン共重合体を含むことが好ましい。
上記のスチレン−オレフィン共重合体は、オレフィンに由来する単位とスチレンに由来する単位とを有する共重合体である。オレフィンの具体例として、エチレン、プロピレン、ブテン等のα−オレフィンをはじめとするモノオレフィン;ブタジエン、イソプレン等のジオレフィン(共役ジエン)が挙げられる。
スチレン−オレフィン共重合体の重合様式に制限はないが、カバーテープ10とキャリアテープ20との剥離強度の向上の観点から、スチレン−オレフィン共重合体は好ましくはブロック共重合体である。
スチレン−オレフィン共重合体としては、例えば、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)などが挙げられる。
スチレン−オレフィン共重合体中のスチレン含有率は、スチレン−オレフィン共重合体全体に対し、カバーテープ10とキャリアテープ20との剥離強度をより好ましいものとする観点から、好ましくは15質量%以上であり、より20質量%以上、さらに好ましくは25質量%以上である。また、同様の観点から、スチレン−オレフィン共重合体中のスチレン含有率は、スチレン−オレフィン共重合体全体に対し、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは85質量%以下である。
(A)スチレン系樹脂の含有量は、カバーテープ10とキャリアテープ20との剥離強度の向上の観点から、シーラント層3形成用の樹脂組成物100質量%に対し、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは8質量%以上である。また、同様の観点から、(A)スチレン系樹脂の含有量は、シーラント層3形成用の樹脂組成物100質量%に対し、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である。
(A)スチレン系樹脂のうち、(A−1)のスチレン系ポリマーを使用する場合、200℃、5kgにおけるメルトフローレート(MFR)が、0.05g/10min以上200g/10min以下であり、好ましくは0.1g/10min以上100g/10min以下である。
MFRを、上記下限値以上とすることにより、剥離強度を向上させやすくなる。
一方、MFRを、上記上限値以下とすることにより、作業性を良好にし、高い剥離強度が安定的に得られる。
ここで、(A)スチレン系樹脂のMFRは、200℃、5kgの条件でJIS−K−7210に準じて測定される。
(A)スチレン系樹脂のうち、(A−1)のスチレン系オリゴマーを使用する場合、数平均分子量は、例えば300以上5000以下であり、好ましくは500以上3000以下である。
・(B)ポリ(メタ)アクリル酸誘導体
成分(B)のポリ(メタ)アクリル酸誘導体とは、(B−1)(メタ)アクリル酸または(B−2)(メタ)アクリル酸エステルをいずれかまたは両方を含む重合体のことをいう。
成分(B−1)の(メタ)アクリル酸としては、アクリル酸またはメタクリル酸等が挙げられる。
成分(B−2)の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、および(メタ)アクリル酸エチルヘキシル等の中から選ばれる1種または2種以上を用いたものが挙げられる。
(B)ポリ(メタ)アクリル酸エステル重合体は、前述の成分(A)に該当しない限りにおいて、他のモノマーとの共重合体とすることもできる。例えば、エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体およびエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる群から選択される1種または2種以上を含む共重合体であってもよい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体は、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を、たとえば5質量%以上含むものであり、好ましくは10質量%以上含むものであり、より好ましくは15質量%以上含むものである。
(B)ポリ(メタ)アクリル酸エステル重合体の含有量は、シーラント層3形成用の樹脂組成物100質量%に対する1質量%以上であり、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上である。一方、(B)ポリ(メタ)アクリル酸エステル重合体の含有量は、シーラント層3形成用の樹脂組成物100質量%に対し、100質量%であってもよく、98質量%以下であってもよい。これにより、良好な耐付着性が得られる。
成分(B)の含有量に対する、成分(A)の含有量[(A)/(B)](重量比)が、0.015以上であることが好ましく、0.02以上であることがより好ましい。一方、[(A)/(B)](重量比)が、5以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましい。
(A)/(B)を、かかる数値範囲とすることで、剥離性と、密着性のバランスを向上させることができる。
シーラント層3は、さらに以下の成分を含んでもよい。
・(C)帯電防止剤
シーラント層3は、帯電防止剤を含んでもよい。これにより、帯電防止能を向上させることができる。
帯電防止剤としては、例えば、リチウムイオンを含むものが挙げられる。リチウムイオンが樹脂中に存在する高分子型帯電防止剤を用いることができる。これにより、優れた帯電防止性能が持続的に安定して発揮される。
リチウムイオンは、例えば、リチウム塩のような形で帯電防止剤に含有させることができる。このリチウム塩としては、塩化リチウム、フッ化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、過塩素酸リチウム、酢酸リチウム、フルオロスルホン酸リチウム、メタンスルホン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ペンタフルオロエタンスルホン酸リチウム等が挙げられる。
帯電防止剤に含まれるリチウムイオンは、金属元素量測定により確認することができる。帯電防止剤に含まれるリチウムイオン量は、例えば、50μg/g以上(50ppm以上)であることが好ましい。
もちろん、帯電防止剤としては、リチウムイオンを含むもの以外にも、公知の帯電防止剤を用いることができる。また、リチウムイオンを含むものと、そうでないものとを併用することもできる。
リチウムイオンを含まない帯電防止剤としては、例えば、以下を挙げることができる。
・ポリエーテル構造を含むポリマー(例えば、ポリエーテルエステルアミドなどのポリアミド系コポリマー、ポリオレフィンとポリエーテルのブロックポリマー、ポリエチレンエーテル及びグリコールからなるポリマーなど)、カリウムアイオノマーなどのカルボン酸塩基含有ポリマー、第4級アンモニウム塩基含有コポリマーなど。
・酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン等の金属フィラー。
・ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)、ポリアセチレン、ポリアニリン等の導電性ポリマー。
・導電カーボン
シーラント層3が帯電防止剤を含む場合、その量(2種以上を含む場合は合計量)は、シーラント層3全体に対して、例えば1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上であり、さらに好ましくは10質量%以上である。これにより、適切な帯電防止能を得ることができる。
また、帯電防止剤の含有量は、シーラント層3全体に対して、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下、特に好ましくは70質量%以下である。帯電防止剤はしばしば高価である。よって、帯電防止剤の含有量をこのようにすることで、カバーテープ10作製のコスト低減につながる。
・粘着付与剤
シーラント層3は、粘着付与剤を含んでもよい。
粘着付与剤としては、石油樹脂、ロジン系樹脂、テルペン樹脂、スチレン樹脂、クマロン・インデン樹脂等が挙げられる。中でも、電子部品の付着しにくさ、キャリアテープに対するヒートシール性、ガスバリア性などから、石油樹脂とスチレン樹脂が好適である。
石油樹脂系の粘着付与剤としては、脂肪族系の石油樹脂、芳香族系の石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系の石油樹脂等が挙げられる。市販品としては、荒川化学工業社の水素化石油樹脂、商品名「アルコン」シリーズなどがある。
粘着付与剤を用いる場合、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
シーラント層3が粘着付与剤を含む場合、シーラント層3全体に対する粘着付与剤の含有量の下限値は、キャリアテープとのシール強度を好適なものとする観点から、好ましくは0.5質量%より多く、より好ましくは1質量%以上である。
また、シーラント層全体に対する粘着付与剤の含有量の上限値は、電子部品の付着しにくさや、キャリアテープに対するヒートシール性などの観点から、例えば5質量%以下、具体的には4質量%以下である。
・その他添加成分
シーラント層3は、その特性を損なわない範囲で、上記成分のほか、アンチブロッキング剤、スリップ剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、界面活性剤、無機フィラー等の任意の添加剤を含んでいてもよい。かつ/または、シーラント層3の表面には、これらのコーティング処理が施されていてもよい。
アンチブロッキング剤の例としては、シリカ、アルミノ珪酸塩(ゼオライト等)などを挙げることができる。シーラント層3がアンチブロッキング剤を含有することで、シーラント層3のブロッキングが緩和される。
スリップ剤の例としては、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、オレイルパルミドアミド、ステアリルパルミドアミド、メチレンビスステアリルアミド、メチレンビスオレイルアミド、エチレンビスオレイルアミド、エチレンビスエルカ酸アミドなどの各種アミド類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール、水添ひまし油などが挙げられる。シーラント層3がスリップ剤を含有することで、押出加工等の加工性、離ロール性、フィルム滑り性などが向上される。
シーラント層3中のその他添加成分の量は、添加目的に応じて適宜調整すればよい。典型的には、シーラント層3全体に対して0.01〜10質量%程度の範囲で調整すればよい。
シーラント層3の厚みは、例えば0.01〜30μm、好ましくは0.02〜20μm、より好ましくは0.05〜10μmであり、さらに好ましくは0.1〜5μmである。
シーラント層3の厚みが0.01μm以上であることで、十二分なシール性を担保することができる。
シーラント層3の厚みが30μm以下であることで、カバーテープ10の剛性が高くなりすぎない。これにより、シール後のキャリアテープに対して捻り応力がかかった場合でも、カバーテープ10がキャリアテープの変形に追従しやすい。よって、カバーテープ10がキャリアテープから意図せず剥離してしまうことを抑制することができる。
また、シーラント層3の厚みが20μm以下であることで、ヒートシール時に溶融した樹脂の「染み出し」が抑えられるという利点もある。
また、シーラント層3の厚みは、カバーテープ10全体の厚みに対して、0.001〜0.05であることが好ましく、0.002〜0.03であることがより好ましい。
[その他の層]
カバーテープ10は、上記の各層のほか、さらに追加の層を備えていてもよい。
例えば、カバーテープ10の機械的強度を高めるための補強層を備えたり、基材層1と中間層2の間、および/または、中間層2とシーラント層3の間に接着層が存在してもよい。
[補強層4]
カバーテープ10は、シーラント層3の中間層2側の面上の任意の位置に、さらに補強層4を備えていてもよい(図3参照)。補強層4を備えることにより、さらにカバーテープ10の機械的強度を高めることができる。
補強層4を構成する材料の具体例としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリメタアクリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、およびABS樹脂等が挙げられる。
中でも、カバーテープ10の機械的強度を向上させる観点から、ポリエステル系樹脂が好ましい。また、カバーテープ10の機械的強度および/または柔軟性を向上させる観点から、ポリアミド系樹脂、特にナイロン6を、補強層4を構成する材料として用いてもよい。
また、補強層4は、滑材などの添加剤を含んでもよい。
補強層4は、シーラント層3の中間層2側の面上であれば、いずれの位置にあってもよい。図3に示されるカバーテープにおいては、基材層1と中間層2の間に補強層4が位置しているが、これに限られない。例えば、補強層4は、基材層1の中間層2側の面と反対側の表面にあってもよい。
補強層4は、1層のみであってもよいし、2層以上あってもよい(例えば、補強層4は、上述した材料が積層された多層フィルムにより形成されてもよい)。
補強層4を形成するために用いられるフィルムは、未延伸フィルムであってもよいし、一軸方向又は二軸方向に延伸されたフィルムであってもよい。カバーテープ10の機械的強度を一層向上させる観点からは、一軸方向又は二軸方向に延伸されたフィルムであることが好ましい。
補強層4の厚さは特に限定されない。補強層4の厚さは、好ましくは5μm以上であり、より好ましくは10μm以上である。また、補強層4の厚さは、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは40μm以下であり、さらに好ましくは30μm以下である。
補強層4の厚さが50μm以下であることで、カバーテープ10の剛性が高くなりすぎない。これにより、シール後のキャリアテープに対して捻り応力がかかった場合でも、カバーテープ10がキャリアテープの変形に追従しやすい。よって、カバーテープ10がキャリアテープから意図せず剥離してしまうことを抑制することができる。
補強層4の厚さが5μm以上であることで、カバーテープ10の機械的強度を十分良好なものとすることができる。よって、例えばキャリアテープからカバーテープ10を高速で剥離する場合でも、カバーテープ10が破断してしまうことを抑制することができる。
補強層4の厚みは、基材層1の厚みと同じであってもよいが、効果的に強度を高める観点からは、基材層1よりも厚いことが好ましい。
補強層4の全光線透過率は、好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは85%以上である。
こうすることで、カバーテープ10とキャリアテープとからなる電子部品包装体において、電子部品が正しく収容されているか否かを検査できる程度に必要な透明性を確保することができる。言い換えると、補強層4の全光線透過率を80%以上とすることにより、カバーテープ10とキャリアテープとからなる包装体の内部に収容した電子部品を、外部から視認して確認しやすくなる。
全光線透過率は、JIS−K−7361に準じて測定することが可能である。
[接着層]
接着層を形成する材料としては、例えば、公知の溶剤系または水系の各種アンカーコート剤を使用することができる。アンカーコート剤についてより具体的には、イソシアネート系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、ポリオレフィン系、アルキルチタネート系などのものを挙げることができる。
なお、基材層1に対してコロナ処理またはプラズマ処理を行うことにより、基材層1と他の層との密着性を向上させることができる。このコロナ処理またはプラズマ処理は公知の条件を適宜選択して行えばよい。
その他、本実施形態の電子部品包装用のカバーテープ10は、基材層1、中間層2およびシーラント層3とは別に、導電層(帯電防止層)を備えていてもよい。
[カバーテープ10の厚み、幅、長さ]
カバーテープ10の厚みは、適宜設定されるが、20〜80μmが好ましく、25〜70μmがより好ましい。
カバーテープ10の幅や長さは、主としてキャリアテープの幅および長さに応じて適宜設定することができる。
典型的には、カバーテープ10の幅は1〜100mm程度、長さは100〜30000m程度である。
<カバーテープ10の製造方法>
本実施形態のカバーテープ10の製造方法は特に限定されない。例えば、公知の押出法、ラミネート法、塗布法などを適用することで製造することができる。
一例として、本実施形態のカバーテープ10は、押出ラミネート法により製造することができる。
より具体的には、本実施形態のカバーテープ10は、以下(1)〜(4)の手順で製造することができる。
(1)基材層1に相当するフィルムを準備する。
(2)(1)で準備したフィルムの片面にラミネート剤を塗り、その上に中間層2に相当する層を、押出ラミネート法により製膜する。これにより、基材層1−中間層2の2層構成のフィルムを得る。
(3)(2)の2層構成のフィルムの、中間層2が露出している面に、シーラント層3に相当する層を、グラビアコーティング法により製膜する。これにより3層構成のフィルムを得る。
(4)必要に応じ、得られた3層構成のフィルムを、適当な長さおよび幅に裁断する。
工程(2)の押出ラミネートにおいては、基材層1に相当するフィルムの片面に、溶融状態の樹脂材料を製膜する。樹脂材料としては、上記[中間層2]の欄で挙げた樹脂や各種添加剤などが挙げられる。樹脂材料が2種以上の素材を含む場合には、製膜前に(溶融状態において)適切に混合されることが好ましい。工程(2)における押出温度は適宜調整すればよい。例えば150〜350℃の間で調整することができる。
<電子部品包装体>
上述のカバーテープ10と、電子部品がポケット21(凹部)に収容されたキャリアテープ20とから、電子部品包装体100を得ることができる。これについて図2を参照しつつ説明する。
図2において、カバーテープ10は、電子部品の形状に合わせて凹状のポケット21が連続的に設けられた帯状のキャリアテープ20の蓋材として用いられている。
具体的には、カバーテープ10は、キャリアテープ20のポケット21の開口部全面を覆うように、キャリアテープ20の表面に接着(通常、ヒートシール)される。なお、以降、カバーテープ10と、キャリアテープ20とを接着して得られた構造体のことを、電子部品包装体100と称する。
電子部品包装体100は、例えば、以下の手順で作製することができる。
まず、キャリアテープ20のポケット21内に電子部品を収容する。
次いで、キャリアテープ20のポケット21の開口部全面を覆うように、キャリアテープ20の表面にカバーテープ10をヒートシール法により接着する。この際、カバーテープ10におけるシーラント層3がキャリアテープ20と接するようにする(つまり、図2におけるカバーテープ10の「裏面」がシーラント層3となるようにしてヒートシールを行う)。こうすることで、電子部品が密封収容された構造体(電子部品包装体100)が得られる。
ヒートシールの具体的なやり方や条件は、カバーテープ10がキャリアテープ20に十分強く接着する限り特に限定されない。典型的には、公知のテーピングマシンを用い、温度100〜240℃、荷重0.1〜10kgf、時間0.0001〜1秒の範囲内で行うことができる。
キャリアテープ20の素材は、ヒートシールによりカバーテープ10を接着可能である限り特に限定されないが、ポリスチレン樹脂を含む材料、ポリカーボネート樹脂を含む材料、ポリエチレンテレフタレート樹脂を含む材料などの樹脂製、または紙製が挙げられる。なかでも、剥離強度を効果的に向上させる観点から、樹脂製であることが好ましい。
上述のカバーテープ10を、これら材料で構成されたキャリアテープにヒートシールして電子部品包装体とすることで、シーラント層のキャリアテープ側への残存を一層低減しやすい。
電子部品包装体100は、例えば、リールに巻かれ、その後、電子部品を電子回路基板等に実装する作業領域まで搬送される。リールの素材は、金属製、紙製、プラスチック製などであることができる。
電子部品包装体100が作業領域まで搬送された後、カバーテープ10をキャリアテープ20から剥離し、収容された電子部品を取り出す。
電子部品包装体100内に収容される電子部品は、特に限定されない。半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、コンデンサ、圧電素子、光学素子、LED関連部材、コネクタ、電極など、電気・電子機器の製造に用いられる部品全般を挙げることができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<原料>
(A)スチレン系樹脂
・スチレン−ブタジエン共重合体:旭化成社製、「タフテックH1221」(スチレン含有率(PS比率):12%、MFR(230℃、2.16kg):4.5g/10分)
・スチレン−ブタジエン共重合体:旭化成社製、「タフテックH1062」(スチレン含有率(PS比率):18%、MFR(230℃、2.16kg):4.5g/10分)
・スチレン−ブタジエン共重合体:旭化成社製、「タフテックH1041」(スチレン含有率(PS比率):30%、MFR(230℃、2.16kg):5g/10分)
・スチレン−ブタジエン共重合体:旭化成社製、「タフテックH1517」(スチレン含有率(PS比率):43%、MFR(230℃、2.16kg):3g/10分)
・スチレン−ブタジエン共重合体:デンカ社製、「クリアレン730L」(スチレン含有率(PS比率):75%、MFR(200℃、5kg):8g/10分
・スチレンオリゴマー:三井化学社製、「FTR8100」分子量(Mn):820
(B)ポリ(メタ)アクリル酸誘導体
・大日本インキ社製「A450A」
(C)帯電防止剤
・酸化錫(三菱マテリアル社製 T−1)
〔中間層〕
・住友化学社製、「スミカセンL705」低密度ポリエチレン(LDPE)
・三井・デュポンポリケミカル株式会社製、「エルバロイAC1820」EMA(エチレンーメチルアクリレート共重合樹脂)
〔補強層〕
・二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社、商品名:E5202)
・二軸延伸ポリアミドフィルム(東洋紡株式会社、商品名:N1202)
<カバーテープの製造1>
(実施例1〜10、比較例1〜2)
基材層として膜厚12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社、商品名:T6140)を用い、この上に、ラミネート剤(三井化学株式会社製、タケラック A−520)を塗り、表1に示す中間層の原料となる樹脂を押出しラミネート法(押出し温度:280℃)により積層することで、基材層上に中間層(厚み25μm)を形成した。
得られた積層フィルムの中間層側の面上に、60質量%の(C)帯電防止剤と40質量%の表1に示す配合((A)/(B))で成分(A)および成分(B)からなるシーラント層をグラビアコーティング法により膜厚0.5μmで製膜した。
以上により、各実施例および比較例のカバーテープを製造した。
<カバーテープの製造2>
(実施例11)
基材層として膜厚12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社、商品名:T6140を用い、この上に、ラミネート剤(三井化学株式会社製、タケラック A−520)を塗り、表1に示す中間層の原料となる樹脂を押出しラミネート法(押出し温度:280℃)により積層することで、基材層上に中間層(厚み40μm)を形成した。
得られた積層フィルムの中間層側の面上に、60質量%の(C)帯電防止剤と40質量%の表1に示す配合((A)/(B))で成分(A)および成分(B)からなるシーラント層をグラビアコーティング法により膜厚0.5μmで製膜した。
(実施例12)
基材層として膜厚12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社、商品名:T6140を用い、この上に、ラミネート剤(三井化学株式会社製、タケラック A−520)を塗り、表1に示す補強層となるフィルムをドライラミネート法により積層することで、基材層上に補強層(厚み16μm)を形成した。さらにこの上に、ラミネート剤(三井化学株式会社製、タケラック A−520)を塗り、表1に示す中間層の原料となる樹脂を押出しラミネート法(押出し温度:280℃)により積層することで、補強層上に中間層(厚み25μm)を形成した。
得られた積層フィルムの中間層側の面上に、60質量%の(C)帯電防止剤と40質量%の表1に示す配合((A)/(B))で成分(A)および成分(B)からなるシーラント層をグラビアコーティング法により膜厚0.5μmで製膜した。
(実施例13)
基材層として膜厚12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社、商品名:T6140)を用い、この上に、ラミネート剤(三井化学株式会社製、タケラック A−520)を塗り、表1に示す補強層となるフィルムをドライラミネート法により積層することで、基材層上に補強層(厚み15μm)を形成した。さらにこの上に、ラミネート剤(三井化学株式会社製、タケラック A−520)を塗り、表1に示す中間層の原料となる樹脂を押出しラミネート法(押出し温度:280℃)により積層することで、補強層上に中間層(厚み25μm)を形成した。
得られた積層フィルムの中間層側の面上に、60質量%の(C)帯電防止剤と40質量%の表1に示す配合((A)/(B))で成分(A)および成分(B)からなるシーラント層をグラビアコーティング法により膜厚0.5μmで製膜した。
<評価・測定>
各実施例および比較例で得られたカバーテープを用いて、以下の評価・測定を行った。結果を表1に示す。
[剥離強度]
(キャリアテープに対する剥離強度)
剥離強度の評価は、JIS C 0806−3に準拠する剥離試験にしたがっておこなった。上述の方法で得られたカバーテープを、幅9.5mmの寸法にして、幅12mmの寸法のキャリアテープ(導電ポリスチレンキャリアテープ、住友ベークライト社製の「CEL−E980A」)にヒートシール温度180℃、アイロンサイズ0.4mm巾×32mm長、2列・4度打ち、荷重1kg、シール時間100ミリ秒の条件でヒートシール機を用いてヒートシールして、サンプルを調整した。得られたサンプルに対して、剥離速度300mm/min、剥離角度170°、剥離時間10秒の条件でカバーテープをキャリアテープから剥離した際の剥離強度(gf)を測定した。
[引張強度(破断点荷重:MPa)]
引張強度の評価は、JIS K6734に準拠する方法でおこなった。
Figure 2021080024
1 基材層
2 中間層
3 シーラント層
4 補強層
10 カバーテープ
20 キャリアテープ
21 ポケット
100 電子部品包装体。
本発明によれば、
基材層と、中間層と、シーラント層とがこの順に積層し、当該シーラント層によりキャリアテープをシールするために用いられる、カバーテープであって、
前記シーラント層は以下の成分(A)、(B)を含み、
(A)スチレン系樹脂
(B)ポリ(メタ)アクリル酸誘導体
成分(A)中のスチレン含有率は15質量%以上90質量%以下である、カバーテープが提供される。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
以下、本発明の参考形態の一例を示す。
<1>
基材層と、中間層と、シーラント層とがこの順に積層し、当該シーラント層によりキャリアテープをシールするために用いられる、カバーテープであって、
前記シーラント層は以下の成分(A)、(B)を含み、
(A)スチレン系樹脂
(B)ポリ(メタ)アクリル酸誘導体
成分(A)中のスチレン含有率は15質量%以上である、カバーテープ。
<2>
成分(A)が、(A−1)スチレン系ポリマーまたは(A−2)スチレン系オリゴマーである、<1>に記載のカバーテープ。
<3>
成分(A−1)が、スチレン−オレフィン共重合体である、<2>に記載のカバーテープ。
<4>
成分(B)が、以下の成分(B−1)、(B−2)およびこれらのうち少なくとも一方を用いた共重合体である、<1>または<2>に記載のカバーテープ。
(B−1)アクリル酸またはメタクリル酸
(B−2)(メタ)アクリル酸エステル
<5>
成分(B−2)が、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、および(メタ)アクリル酸エチルヘキシルの中から選ばれる1種または2種以上である、<4>に記載のカバーテープ。
<6>
成分(B)の含有量に対する、成分(A)の含有量[(A)/(B)]が、0.015以上である、<1>乃至<5>いずれか1つに記載のカバーテープ。
<7>
前記シーラント層が、さらに(C)帯電防止剤を含む、<1>乃至<6>いずれか1つに記載のカバーテープ。
<8>
前記シーラント層の前記中間層側の面上の任意の位置に、さらに補強層を含有する、<1>乃至<7>いずれか1つに記載のカバーテープ。
<9>
電子部品が格納されたキャリアテープと、
当該キャリアテープ上に前記シーラント層よりシールされた<1>乃至<8>いずれか1つに記載のカバーテープと、
を備える電子部品包装体。

Claims (9)

  1. 基材層と、中間層と、シーラント層とがこの順に積層し、当該シーラント層によりキャリアテープをシールするために用いられる、カバーテープであって、
    前記シーラント層は以下の成分(A)、(B)を含み、
    (A)スチレン系樹脂
    (B)ポリ(メタ)アクリル酸誘導体
    成分(A)中のスチレン含有率は15質量%以上である、カバーテープ。
  2. 成分(A)が、(A−1)スチレン系ポリマーまたは(A−2)スチレン系オリゴマーである、請求項1に記載のカバーテープ。
  3. 成分(A−1)が、スチレン−オレフィン共重合体である、請求項2に記載のカバーテープ。
  4. 成分(B)が、以下の成分(B−1)、(B−2)およびこれらのうち少なくとも一方を用いた共重合体である、請求項1または2に記載のカバーテープ。
    (B−1)アクリル酸またはメタクリル酸
    (B−2)(メタ)アクリル酸エステル
  5. 成分(B−2)が、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、および(メタ)アクリル酸エチルヘキシルの中から選ばれる1種または2種以上である、請求項4に記載のカバーテープ。
  6. 成分(B)の含有量に対する、成分(A)の含有量[(A)/(B)]が、0.015以上である、請求項1乃至5いずれか1項に記載のカバーテープ。
  7. 前記シーラント層が、さらに(C)帯電防止剤を含む、請求項1乃至6いずれか1項に記載のカバーテープ。
  8. 前記シーラント層の前記中間層側の面上の任意の位置に、さらに補強層を含有する、請求項1乃至7いずれか1項に記載のカバーテープ。
  9. 電子部品が格納されたキャリアテープと、
    当該キャリアテープ上に前記シーラント層よりシールされた請求項1乃至8いずれか1項に記載のカバーテープと、
    を備える電子部品包装体。
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