JP2020100707A - 樹脂組成物およびカバーテープ - Google Patents
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Abstract
【課題】カバーテープとキャリアテープとの剥離強度を向上する。【解決手段】電子部品包装用のカバーテープのシーラント層に用いるための樹脂組成物であって、当該樹脂組成物は、(A)エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体およびエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる群から選択される1種または2種以上を含む共重合体と、(B)帯電防止樹脂と、(C)スチレン−(メタ)アクリレート共重合体と、(D)スチレン−オレフィン共重合体と、を含み、成分(D)の含有量に対する成分(C)の含有量の質量比((C)/(D))が、1.5以上9.5以下である、樹脂組成物。【選択図】図2
Description
本発明は、樹脂組成物およびカバーテープに関する。さらに具体的には、本発明は、電子部品包装用のカバーテープのシーラント層に用いるための樹脂組成物、およびこの樹脂組成物からなるシーラント層を備えるカバーテープに関する。
半導体ICチップなどの電子部品は、その製造後、実装工程に提供されるまでの間、汚染を防止すべく包装材にてパッキングされ、紙製あるいはプラスチック製のリールに巻かれた状態で、保管および輸送される。この電子部品の包装には、自動実装装置による基板への実装工程に対応するように、テープ状の包装材が用いられており、この包装材は、長尺のシートに所定の間隔をおいて複数個の凹状の格納ポケットが形成されたキャリアテープと、該キャリアテープにヒートシールされるカバーテープから構成される。電子部品は、キャリアテープの格納ポケットに収容された後、キャリアテープの上面に蓋材としてのカバーテープが重ねられ、加熱したシールバーでカバーテープの両端を長さ方向に連続してヒートシールされて、電子部品包装体とされる。
電子部品の包装材として用いられるカバーテープに関する技術として、特許文献1および2に記載のものがある。
特許文献1(特開2006−8152号公報)には、基材層、ポリエチレン樹脂を主成分とする中間層、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする支持層およびヒートシール層で構成され、各層が特定の厚さを有する積層フィルムであり、ヒートシール層側の平均表面粗さが、特定の範囲にあり、その表面に帯電防止剤が塗布されている、電子部品包装キャリアテープ用カバーテープについて記載されている。同文献によれば、上記カバーテープは、キャリアテープに対して適度の剥離強度を有していて、電子部品の取り出し時には、容易にキャリアテープから剥離できるものであり、又、透明性が良好であり、内容物の形状を容易に確認することができ、更に、十分な帯電防止効果を有し、且つ高温多湿の環境において、IC等の金属部を有する電子部品の腐食を著しく抑制できるとされている。
特許文献1(特開2006−8152号公報)には、基材層、ポリエチレン樹脂を主成分とする中間層、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする支持層およびヒートシール層で構成され、各層が特定の厚さを有する積層フィルムであり、ヒートシール層側の平均表面粗さが、特定の範囲にあり、その表面に帯電防止剤が塗布されている、電子部品包装キャリアテープ用カバーテープについて記載されている。同文献によれば、上記カバーテープは、キャリアテープに対して適度の剥離強度を有していて、電子部品の取り出し時には、容易にキャリアテープから剥離できるものであり、又、透明性が良好であり、内容物の形状を容易に確認することができ、更に、十分な帯電防止効果を有し、且つ高温多湿の環境において、IC等の金属部を有する電子部品の腐食を著しく抑制できるとされている。
また、特許文献2(特表2014−532602号公報)には、キャリアテープに運搬される対象物と接触する表面部分に凹凸を備え、かつ前記帯電防止層上に粘着層が全面に形成されないながらシール力が十分に強い新規なカバーテープを提供しようとすること、および、ベアチップ状態でキャリアテープに入れてベアチップを運搬しなければならない場合、チップが軽くてカバーテープ面にくっ付く可能性を排除しながらシール力または剥離強度が高い新規なカバーテープを提供しようとすること、についての技術が記載されている。同文献には、シール層を備えたキャリアテープ用帯電防止カバーテープについて記載されており、かかる帯電防止カバーテープは、キャリアテープに運搬される対象物と接触する表面部分に0.5〜50ミクロンの凹凸が備えられ、かつシール層は運搬される対象物が直接接触しない部分にのみ形成されることが記載されている。
しかしながら、上述した特許文献1および2に記載の技術について本発明者が検討したところ、カバーテープとキャリアテープとの剥離強度を向上するという点で改善の余地があった。
本発明によれば、
電子部品包装用のカバーテープのシーラント層に用いるための樹脂組成物であって、
当該樹脂組成物は、
(A)エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体およびエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる群から選択される1種または2種以上を含む共重合体と、
(B)帯電防止樹脂と、
(C)スチレン−(メタ)アクリレート共重合体と、
(D)スチレン−オレフィン共重合体と、
を含み、
前記成分(D)の含有量に対する前記成分(C)の含有量の質量比((C)/(D))が、1.5以上9.5以下である、樹脂組成物が提供される。
電子部品包装用のカバーテープのシーラント層に用いるための樹脂組成物であって、
当該樹脂組成物は、
(A)エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体およびエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる群から選択される1種または2種以上を含む共重合体と、
(B)帯電防止樹脂と、
(C)スチレン−(メタ)アクリレート共重合体と、
(D)スチレン−オレフィン共重合体と、
を含み、
前記成分(D)の含有量に対する前記成分(C)の含有量の質量比((C)/(D))が、1.5以上9.5以下である、樹脂組成物が提供される。
また、本発明によれば、上記本発明における樹脂組成物からなるシーラント層と、基材層とを含む、電子部品包装用のカバーテープが提供される。
本発明によれば、カバーテープとキャリアテープとの剥離強度を向上することができる。
以下、実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には共通の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは必ずしも一致していない。また、数値範囲の「X〜Y」は、断りがなければ、「X以上Y以下」を表す。
本実施形態において、樹脂組成物は、電子部品包装用のカバーテープのシーラント層に用いるための樹脂組成物であって、以下の成分(A)〜(D)を含み、成分(D)の含有量に対する成分(C)の含有量の質量比((C)/(D))が、1.5以上9.5以下である。
(A)エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体およびエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる群から選択される1種または2種以上を含む共重合体
(B)帯電防止樹脂
(C)スチレン−(メタ)アクリレート共重合体
(D)スチレン−オレフィン共重合体
以下、まず、カバーテープについて説明する。
(A)エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体およびエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる群から選択される1種または2種以上を含む共重合体
(B)帯電防止樹脂
(C)スチレン−(メタ)アクリレート共重合体
(D)スチレン−オレフィン共重合体
以下、まず、カバーテープについて説明する。
(カバーテープ)
本実施形態において、カバーテープは、上記樹脂組成物からなるシーラント層と、基材層と、を含む。図1は、本実施形態におけるカバーテープの構成を模式的に示す断面図である。図1に示したカバーテープ10は、基材層3と、基材層3の一方の面に設けられたシーラント層2とを含む。ここで、カバーテープ10は、基材層3/シーラント層2の2層構造であってもよいし、3層以上の多層構造であってもよい。たとえば、カバーテープ10は、基材層3とシーラント層2との間に別の層である中間層1を介在させた、基材層3/中間層1/シーラント層2の3層構造であってもよい。
本実施形態において、カバーテープは、上記樹脂組成物からなるシーラント層と、基材層と、を含む。図1は、本実施形態におけるカバーテープの構成を模式的に示す断面図である。図1に示したカバーテープ10は、基材層3と、基材層3の一方の面に設けられたシーラント層2とを含む。ここで、カバーテープ10は、基材層3/シーラント層2の2層構造であってもよいし、3層以上の多層構造であってもよい。たとえば、カバーテープ10は、基材層3とシーラント層2との間に別の層である中間層1を介在させた、基材層3/中間層1/シーラント層2の3層構造であってもよい。
図1に示したカバーテープ10は、たとえば、樹脂組成物から作製されるシーラント層2を、基材層3に積層して得ることができる。
得られたカバーテープ10は、たとえば以下のように使用される。図2は、電子部品包装用カバーテープをキャリアテープにシールした状態の一例を示す斜視図である。図2に示したように、電子部品の形状に合わせて凹状のポケット21が連続的に設けられたキャリアテープ20の蓋材として、カバーテープ10は用いられる。具体的には、カバーテープ10は、キャリアテープ20のポケット21の開口部全面を覆うように、キャリアテープ20の表面に接着させて使用する。接着は、たとえばヒートシールである。なお、後述においては、カバーテープ10と、キャリアテープ20とを接着して得られた構造体のことを、電子部品包装体100と称する。
電子機器の製造現場においては、キャリアテープ20のポケット21内に電子部品を収容し、次いで、キャリアテープ20のポケット21の開口部全面を覆うように、キャリアテープ20の表面にカバーテープ10を接着することで、電子部品が収容された電子部品包装体100が作製される。電子部品包装体100は、上述のように、紙製あるいはプラスチック製のリールに電子部品包装体100を巻いた状態で、電子回路基板等に表面実装を行う作業領域まで搬送される。電子部品の表面実装工程において、カバーテープ10がキャリアテープ20から剥離されて、電子部品がパッケージから自動的に取出され、電子回路基板上に実装される。
カバーテープ10を、幅5.5mmの寸法にして、幅8mmの寸法のキャリアテープ(導電ポリスチレン、住友ベークライト社製の「CEL−E980A」)と合わせ、片刃が幅0.4mm、長さ32mmの寸法の二本刃アイロンを用いて、温度180℃、荷重1kg、100ミリ秒間、キャリアテープ送りピッチ8mmの条件でヒートシールし、JIS C 0806−3に準拠する試験方法により測定したとき、カバーテープ10の剥離強度は、汎用性に優れるとともに充分な剥離強度を得る観点から好ましくは30g以上であり、より好ましくは40g以上である。また、キャリアテープ20に収容された電子部品のカバーテープへの付着を抑制する観点から、カバーテープ10の上記剥離強度は、好ましくは100g以下であり、より好ましくは70g以下、さらに好ましくは50g以下である。
次に、カバーテープ10を構成する各層について説明する。
(シーラント層)
本実施形態においては、シーラント層2を構成する樹脂組成物として、(A)エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体およびエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる群から選択される1種または2種以上を含む共重合体と、(B)帯電防止樹脂と、(C)スチレン−(メタ)アクリレート共重合体と、(D)スチレン−オレフィン共重合体と、を含み、成分(D)の含有量に対する成分(C)の含有量の質量比((C)/(D))が、1.5以上9.5以下である樹脂組成物が用いられる。かかる樹脂組成物からなるシーラント層2を用いることにより、カバーテープ10をキャリアテープ20から剥離する際の剥離強度を効果的に向上することができる。
(シーラント層)
本実施形態においては、シーラント層2を構成する樹脂組成物として、(A)エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体およびエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる群から選択される1種または2種以上を含む共重合体と、(B)帯電防止樹脂と、(C)スチレン−(メタ)アクリレート共重合体と、(D)スチレン−オレフィン共重合体と、を含み、成分(D)の含有量に対する成分(C)の含有量の質量比((C)/(D))が、1.5以上9.5以下である樹脂組成物が用いられる。かかる樹脂組成物からなるシーラント層2を用いることにより、カバーテープ10をキャリアテープ20から剥離する際の剥離強度を効果的に向上することができる。
成分(A)は、特定のエチレン系共重合体、すなわち、エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体およびエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる群から選択される1種または2種以上を含む共重合体である。
カバーテープ10とキャリアテープ20との剥離強度の向上の観点から、成分(A)は、好ましくはエチレン−(メタ)アクリレート共重合体を含み、より好ましくはエチレン−メタクリレート共重合体を含み、さらに好ましくはエチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体であり、よりいっそう好ましくはエチレン−メタクリレート共重合体である。
カバーテープ10とキャリアテープ20との剥離強度の向上の観点から、成分(A)は、好ましくはエチレン−(メタ)アクリレート共重合体を含み、より好ましくはエチレン−メタクリレート共重合体を含み、さらに好ましくはエチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体であり、よりいっそう好ましくはエチレン−メタクリレート共重合体である。
成分(A)の230℃、2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)は、カバーテープ10とキャリアテープ20との剥離強度の向上の観点から、好ましくは3g/10min以上であり、より好ましくは5g/10min以上である。また、同様の観点から、成分(A)の230℃、2.16kgにおけるMFRは、好ましくは30g/10min以下であり、より好ましくは20g/10min以下、さらに好ましくは10g/10min以下である。
ここで、成分(A)のMFRは、230℃、2.16kgの条件でJIS−K−7210に準じて測定される。
ここで、成分(A)のMFRは、230℃、2.16kgの条件でJIS−K−7210に準じて測定される。
樹脂組成物中の成分(A)の含有量は、カバーテープ10とキャリアテープ20との剥離強度を向上する観点から、樹脂組成物100質量部に対し、好ましくは30質量部以上であり、より好ましくは45質量部以上、さらに好ましくは50質量部以上、さらにより好ましくは55質量部以上である。また、同様の観点から、成分(A)の含有量は、樹脂組成物100質量部に対し、好ましくは85質量部以下であり、より好ましくは78質量部以下、さらに好ましくは70質量部以下である。
成分(B)は、帯電防止樹脂である。成分(B)の具体例として、リチウムイオン含有高分子型帯電防止樹脂、ポリエーテルエステルアミドなどのポリアミド系コポリマー、ポリオレフィンとポリエーテルのブロックポリマー、ポリエチレンエーテルおよびグリコールからなるポリマー、カリウムアイオノマーなどのカルボン酸塩基含有ポリマー、第4級アンモニウム塩基含有コポリマー、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン等の金属フィラー、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)等のチオフェン系導電性ポリマーなどが挙げられる。なお、これら、帯電防止樹脂は、押出しラミネートや熱シールの際の高温による変質などを防止する観点から、熱分解温度が200℃以上であることが好ましい。
成分(B)の含有量は、帯電防止性能を向上する観点から、樹脂組成物100質量部に対して好ましくは10質量部以上、より好ましくは12質量部以上である。また、カバーテープ10とキャリアテープ20との剥離強度の向上の観点から、成分(B)の含有量は、樹脂組成物100質量部に対して好ましくは20質量部以下であり、より好ましくは18質量部以下である。
成分(C)は、スチレン−(メタ)アクリレート共重合体である。スチレン−(メタ)アクリレート共重合体は、スチレンと(メタ)アクリル酸との共重合物である。
成分(C)中の(メタ)アクリレート含有率は、成分(C)全体に対し、カバーテープ10とキャリアテープ20との剥離強度をより好ましいものとする観点から、好ましくは25モル%以上であり、また、好ましくは80モル%以下である。ここで、成分(C)中の(メタ)アクリレート含有率とは、スチレン−(メタ)アクリレート共重合体に含まれる(メタ)アクリレート由来の構造単位の割合(モル%)をいう。
成分(C)は、1種の共重合体を含んでもよいし、2種以上の共重合体を含んでもよい。成分(C)が2種以上の共重合体を含むとき、それらが有する(メタ)アクリレート含有率の平均値が、成分(C)全体に対して、上記範囲となるようにすることが好ましい。
成分(C)中の(メタ)アクリレート含有率は、成分(C)全体に対し、カバーテープ10とキャリアテープ20との剥離強度をより好ましいものとする観点から、好ましくは25モル%以上であり、また、好ましくは80モル%以下である。ここで、成分(C)中の(メタ)アクリレート含有率とは、スチレン−(メタ)アクリレート共重合体に含まれる(メタ)アクリレート由来の構造単位の割合(モル%)をいう。
成分(C)は、1種の共重合体を含んでもよいし、2種以上の共重合体を含んでもよい。成分(C)が2種以上の共重合体を含むとき、それらが有する(メタ)アクリレート含有率の平均値が、成分(C)全体に対して、上記範囲となるようにすることが好ましい。
成分(C)は、カバーテープ10とキャリアテープ20との剥離強度をより好ましいものとする観点から、好ましくはスチレン−メタクリレート共重合体を含み、より好ましくはスチレン−メタクリレート共重合体である。
成分(C)の200℃、5kgにおけるMFRは、カバーテープ10とキャリアテープ20との剥離強度の向上の観点から、好ましくは1g/10min以上であり、より好ましくは2g/10min以上である。また、同様の観点から、成分(C)の200℃、5kgにおけるMFRは、好ましくは20g/10min以下であり、より好ましくは15g/10min以下、さらに好ましくは8g/10min以下である。
ここで、成分(C)のMFRは、200℃、5kgの条件でJIS−K−7210に準じて測定される。
ここで、成分(C)のMFRは、200℃、5kgの条件でJIS−K−7210に準じて測定される。
成分(C)の含有量は、得られるカバーテープ10をキャリアテープ20から剥離する場合の剥離強度を充分に高めつつ、カバーテープ10の破断や、カバーテープ10の樹脂残りが生じず、容易に剥離できる程度とする観点から、樹脂組成物100質量部に対し、好ましくは10質量部以上であり、より好ましくは12質量部以上である。また、同様の観点から、成分(C)の含有量は、樹脂組成物100質量部に対し、好ましくは25質量部以下であり、より好ましくは23質量部以下である。
成分(D)は、スチレン−オレフィン共重合体である。スチレン−オレフィン共重合体は、オレフィンに由来する単位とスチレンに由来する単位とを有する共重合体である。オレフィンの具体例として、エチレン、プロピレン、ブテン等のα−オレフィンをはじめとるすモノオレフィン;ブタジエン、イソプレン等のジオレフィン(共役ジエン)が挙げられる。
成分(D)の重合様式に制限はないが、カバーテープ10とキャリアテープ20との剥離強度の向上の観点から、成分(D)は好ましくはブロック共重合体である。
成分(D)の重合様式に制限はないが、カバーテープ10とキャリアテープ20との剥離強度の向上の観点から、成分(D)は好ましくはブロック共重合体である。
成分(D)中のスチレン含有率は、成分(D)全体に対し、カバーテープ10とキャリアテープ20との剥離強度をより好ましいものとする観点から、好ましくは10モル%以上であり、より15モル%以上、さらに好ましくは25モル%以上である。また、同様の観点から、成分(D)中のスチレン含有率は、成分(D)全体に対し、好ましくは35モル%以下であり、より好ましくは32モル%以下である。ここで、成分(D)中のスチレン含有率とは、スチレン−オレフィン共重合体に含まれるスチレン由来の構造単位の割合(モル%)をいう。
成分(D)は、1種の共重合体を含んでもよいし、2種以上の共重合体を含んでもよい。成分(D)が2種以上の共重合体を含むとき、それらが有するスチレン含有率の平均値が、成分(D)全体に対して、上記範囲となるようにすることが好ましい。
成分(D)は、1種の共重合体を含んでもよいし、2種以上の共重合体を含んでもよい。成分(D)が2種以上の共重合体を含むとき、それらが有するスチレン含有率の平均値が、成分(D)全体に対して、上記範囲となるようにすることが好ましい。
成分(D)の具体例として、スチレン−ブタジエン共重合体、タフテックH1041(旭化成社製)等の水添スチレン系熱可塑性エラストマーが挙げられる。カバーテープ10とキャリアテープ20との剥離強度の向上の観点から、成分(D)は、好ましくはスチレン−ブタジエン共重合体を含み、より好ましくはスチレン−ブタジエン共重合体である。
成分(D)の230℃、2.16kgにおけるMFRは、カバーテープ10とキャリアテープ20との剥離強度の向上の観点から、好ましくは3g/10min以上であり、より好ましくは5g/10min以上である。また、同様の観点から、成分(D)の230℃、2.16kgにおけるMFRは、好ましくは120g/10min以下であり、より好ましくは100g/10min以下、さらに好ましくは30g/10min以下である。
ここで、成分(D)のMFRは、230℃、2.16kgの条件でJIS−K−7210に準じて測定される。
ここで、成分(D)のMFRは、230℃、2.16kgの条件でJIS−K−7210に準じて測定される。
成分(D)の含有量は、カバーテープ10とキャリアテープ20との剥離強度の向上の観点から、樹脂組成物100質量部に対し、好ましくは2質量部以上であり、より好ましくは3質量部以上である。また、同様の観点から、成分(D)の含有量は、樹脂組成物100質量部に対し、好ましくは10質量部以下であり、より好ましくは8質量部以下、さらに好ましくは6質量部以下である。
成分(D)の含有量に対する成分(C)の含有量の質量比((C)/(D))は、カバーテープ10とキャリアテープ20との剥離強度の向上の観点から、1.5以上であり、好ましくは2.5以上、より好ましくは3.0以上である。また、同様の観点から、上記質量比((C)/(D))は、9.5以下であり、好ましくは6.0以下、より好ましくは5.0以下である。
本実施形態においては、成分(D)を成分(C)に対して特定量配合することにより、成分(A)および(C)を組み合わせて含む樹脂組成物を用いてシーラント層2を形成するときの、カバーテープ10とキャリアテープ20との剥離強度を効果的に向上することができる。この理由の一つとして、組成物中に存在する成分(A)と成分(C)との界面を補強することができるため、成分(C)の凝集力を好ましく向上させることができることが推察される。
本実施形態においては、成分(D)を成分(C)に対して特定量配合することにより、成分(A)および(C)を組み合わせて含む樹脂組成物を用いてシーラント層2を形成するときの、カバーテープ10とキャリアテープ20との剥離強度を効果的に向上することができる。この理由の一つとして、組成物中に存在する成分(A)と成分(C)との界面を補強することができるため、成分(C)の凝集力を好ましく向上させることができることが推察される。
また、樹脂組成物中の成分(B)〜(D)の含有量については、カバーテープ10とキャリアテープ20との剥離強度の向上の観点から、成分(B)の含有量が、樹脂組成物100質量部に対し、好ましくは10質量部以上20質量部以下であり、成分(C)の含有量が、樹脂組成物100質量部に対し、好ましくは10質量部以上25質量部以下であり、成分(D)の含有量が、樹脂組成物100質量部に対し、好ましくは2質量部以上10質量部以下である。
本実施形態において、樹脂組成物は、上述した成分(A)〜(D)以外の成分を含んでもよい。たとえば、樹脂組成物は、必要に応じて、粘着付与樹脂、アンチブロッキング剤、スリップ剤等を含有してもよい。
粘着付与樹脂としては、たとえば、脂肪族石油樹脂、芳香族石油樹脂、上記芳香族石油樹脂を水添した脂環族石油樹脂などの石油樹脂;ロジン系樹脂;テルペン樹脂;成分(C)および(D)以外のスチレン樹脂;クマロン・インデン樹脂が挙げられる。これらの粘着付与樹脂は単独または2種以上組み合わせて使用できる。なお、シーラント層を押出ラミネートにより形成する場合には、高温で溶融酸化されるので、酸化に対する安定性向上の観点から、脂環族石油樹脂が好ましい。
粘着付与樹脂としては、たとえば、脂肪族石油樹脂、芳香族石油樹脂、上記芳香族石油樹脂を水添した脂環族石油樹脂などの石油樹脂;ロジン系樹脂;テルペン樹脂;成分(C)および(D)以外のスチレン樹脂;クマロン・インデン樹脂が挙げられる。これらの粘着付与樹脂は単独または2種以上組み合わせて使用できる。なお、シーラント層を押出ラミネートにより形成する場合には、高温で溶融酸化されるので、酸化に対する安定性向上の観点から、脂環族石油樹脂が好ましい。
アンチブロッキング剤の具体例としては、シリカ、アルミノ珪酸塩(ゼオライト等)を挙げることができる。アンチブロッキング剤を含有することで、シーラント層2のブロッキングをさらに緩和することができる。
スリップ剤の具体例としては、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、オレイルパルミドアミド、ステアリルパルミドアミド、メチレンビスステアリルアミド、メチレンビスオレイルアミド、エチレンビスオレイルアミド、エチレンビスエルカ酸アミドなどの各種アミド類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール;水添ひまし油などが挙げられる。シーラント層2がスリップ剤を含有することで、押出加工等の加工性、離ロール性、フィルム滑り性などをさらに向上することができる。
本実施形態の樹脂組成物から作製されるシーラント層2の厚さは、ヒートシール時の染み出しを制御する観点から、好ましくは2μm以上であり、より好ましくは3μm以上である。また、カバーテープ10のキャリアテープ20に対する剥離強度をさらに好適なものとする観点から、シーラント層2の厚さは、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは8μm以下である。
また、シーラント層2は、成分(C)の凝集力を向上するとともにカバーテープ10とキャリアテープ20との剥離強度を高める観点から、好ましくは、成分(A)を含む海部と、成分(C)を含む島部と、を含む海島構造を有する。
(基材層)
基材層を構成する材料は、シーラント層2を積層してカバーテープを作製する際、また、キャリアテープ20に対してカバーテープ10を接着する際、カバーテープ10の使用時等に外部から加わる応力に耐えうることができる程度の機械的強度、および、キャリアテープ20に対してカバーテープ10を接着させる際に加わる熱履歴に耐えうることができる程度の耐熱性を有するものが好ましい。また、基材層3を構成する材料の形態は、限定されないが、加工が容易である観点から、フィルム状に加工されたものであることが好ましい。
基材層を構成する材料は、シーラント層2を積層してカバーテープを作製する際、また、キャリアテープ20に対してカバーテープ10を接着する際、カバーテープ10の使用時等に外部から加わる応力に耐えうることができる程度の機械的強度、および、キャリアテープ20に対してカバーテープ10を接着させる際に加わる熱履歴に耐えうることができる程度の耐熱性を有するものが好ましい。また、基材層3を構成する材料の形態は、限定されないが、加工が容易である観点から、フィルム状に加工されたものであることが好ましい。
基材層3を構成する材料の具体例としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメタアクリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂が挙げられる。中でも、カバーテープ10の機械的強度を向上させる観点から、ポリエステル系樹脂が好ましい。また、カバーテープ10の機械的強度、柔軟性を向上させる観点から、ナイロン6を用いてもよい。基材層3はさらに、滑材を含有してもよい。
基材層3は、上述した材料を含む単層フィルムにより形成してもよいし、上述した材料を各層に含む多層フィルムを用いて形成してもよい。また、基材層3を形成するために使用するフィルムの形態としては、未延伸フィルムであってもよいし、一軸方向又は二軸方向に延伸したフィルムであってもよいが、カバーテープ10の機械的強度を向上させる観点から、一軸方向又は二軸方向に延伸したフィルムであることが好ましい。
基材層3の厚さは、カバーテープ10の機械的強度を良好なものとすることができるため、キャリアテープ20からカバーテープ10を高速で剥離する際、カバーテープ10が破断してしまうことを抑制する観点から、好ましくは5μm以上であり、より好ましくは10μm以上である。また、基材層3の厚さは、カバーテープ10の剛性が高くなりすぎず、シール後のキャリアテープ20に対して捻り応力がかかった場合であっても、カバーテープ10がキャリアテープ20の変形に追従し、剥離してしまうことを抑制する観点から、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは40μm以下である。
基材層3の全光線透過率は、好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは85%以上である。こうすることで、電子部品包装体100において、キャリアテープ20のポケット21内に電子部品が正しく収容されているか否かを検査することができる程度に必要な透明性を付与することができる。言い換えれば、基材層3の全光線透過率を上記下限値以上とすることにより、電子部品包装体100の内部に収容した電子部品を、電子部品包装体100の外部から視認して確認することが可能となる。また、基材層3の全光線透過率は、100%以下である。なお、基材層3の全光線透過率は、JIS K7361−1(1999)に準じて測定することが可能である。
(中間層)
本実施形態において、基材層3とシーラント層2との間に中間層1を設けてもよい。中間層1を設けることにより、カバーテープ10全体のクッション性を向上させることができる。
本実施形態において、基材層3とシーラント層2との間に中間層1を設けてもよい。中間層1を設けることにより、カバーテープ10全体のクッション性を向上させることができる。
中間層1を構成する材料は、オレフィン樹脂、スチレン樹脂、環状オレフィン樹脂等が挙げられる。中でも、カバーテープ全体のクッション性を向上させる観点から、オレフィン樹脂を含むことが好ましい。
中間層を設ける場合、その厚さは、カバーテープ全体のクッション性を向上させる観点から、好ましくは10μm以上であり、より好ましくは15μm以上であり、また、好ましくは30μm以下であり、より好ましくは、25μm以下である。
本実施形態のカバーテープは、従来知られているキャリアテープのいずれにも使用することができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例を参照して説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(原料)
成分(A)として、以下のエチレン−メチルアクリレート共重合体を使用した。
・エチレン−メチルアクリレート共重合体1:三井・デュポンポリケミカル株式会社製、「エルバロイAC1820」(メチルアクリレート含有率(MA比率):20モル%、MFR(230℃、2.16kg):8g/10分)
・エチレン−メチルアクリレート共重合体2:日本ポリエチレン株式会社製、「レクスパールEB230X」(メチルアクリレート含有率:14モル%、MFR(230℃、2.16kg):6g/10分)
・エチレン−メチルアクリレート共重合体3:日本ポリエチレン株式会社製、「レクスパールEB330H」(メチルアクリレート含有率:12モル%、MFR(230℃、2.16kg):10g/10分)
成分(A)として、以下のエチレン−メチルアクリレート共重合体を使用した。
・エチレン−メチルアクリレート共重合体1:三井・デュポンポリケミカル株式会社製、「エルバロイAC1820」(メチルアクリレート含有率(MA比率):20モル%、MFR(230℃、2.16kg):8g/10分)
・エチレン−メチルアクリレート共重合体2:日本ポリエチレン株式会社製、「レクスパールEB230X」(メチルアクリレート含有率:14モル%、MFR(230℃、2.16kg):6g/10分)
・エチレン−メチルアクリレート共重合体3:日本ポリエチレン株式会社製、「レクスパールEB330H」(メチルアクリレート含有率:12モル%、MFR(230℃、2.16kg):10g/10分)
成分(B)として、以下を使用した。
帯電防止樹脂1:三洋化成工業株式会社製の「ペレクトロンPVH」(PP−PEGブロック共重合体)
帯電防止樹脂1:三洋化成工業株式会社製の「ペレクトロンPVH」(PP−PEGブロック共重合体)
成分(C)として、以下のスチレン−メタクリレート共重合体を使用した。
スチレン−メタクリレート共重合体1:新日鐵住金化学社の「エスチレンMS−750」(メタクリレート含有率(アクリル比率):75%、MFR(200℃、5kg):4g/10分)
スチレン−メタクリレート共重合体2:新日鐵住金化学社の「エスチレンMS−500」(メタクリレート含有率:50%、MFR(200℃、5kg):2.3g/10分)
スチレン−メタクリレート共重合体3:新日鐵住金化学社の「エスチレンMS−300」(メタクリレート含有率:30%、MFR(200℃、5kg):3.1g/10分)
スチレン−メタクリレート共重合体1:新日鐵住金化学社の「エスチレンMS−750」(メタクリレート含有率(アクリル比率):75%、MFR(200℃、5kg):4g/10分)
スチレン−メタクリレート共重合体2:新日鐵住金化学社の「エスチレンMS−500」(メタクリレート含有率:50%、MFR(200℃、5kg):2.3g/10分)
スチレン−メタクリレート共重合体3:新日鐵住金化学社の「エスチレンMS−300」(メタクリレート含有率:30%、MFR(200℃、5kg):3.1g/10分)
成分(D)として、以下のスチレン−ブタジエンブロック共重合体を使用した。以下のスチレン−ブタジエン共重合体1〜6は、いずれもブロック共重合体である。
スチレン−ブタジエン共重合体1:旭化成社製、「タフテックH1041」(スチレン含有率(PS比率):30%、MFR(230℃、2.16kg):5g/10分)
スチレン−ブタジエン共重合体2:旭化成社製、「タフテックH1052」(スチレン含有率:20%、MFR(230℃、2.16kg):13g/10分)
スチレン−ブタジエン共重合体3:旭化成社製、「タフテックL522」(スチレン含有率:30%、MFR(230℃、2.16kg):10g/10分)
スチレン−ブタジエン共重合体4:クレイトンポリマー社製、「クレイトンG1657」(スチレン含有率:13%、MFR(230℃、2.16kg):22g/10分)
スチレン−ブタジエン共重合体5:クレイトンポリマー社製、「クレイトンG1726」(スチレン含有率:30%、MFR(230℃、2.16kg):100g/10分以上)
スチレン−ブタジエン共重合体6:クレイトンポリマー社製、「クレイトンG1730」(スチレン含有率:20%、MFR(230℃、2.16kg):11g/10分)
スチレン−ブタジエン共重合体1:旭化成社製、「タフテックH1041」(スチレン含有率(PS比率):30%、MFR(230℃、2.16kg):5g/10分)
スチレン−ブタジエン共重合体2:旭化成社製、「タフテックH1052」(スチレン含有率:20%、MFR(230℃、2.16kg):13g/10分)
スチレン−ブタジエン共重合体3:旭化成社製、「タフテックL522」(スチレン含有率:30%、MFR(230℃、2.16kg):10g/10分)
スチレン−ブタジエン共重合体4:クレイトンポリマー社製、「クレイトンG1657」(スチレン含有率:13%、MFR(230℃、2.16kg):22g/10分)
スチレン−ブタジエン共重合体5:クレイトンポリマー社製、「クレイトンG1726」(スチレン含有率:30%、MFR(230℃、2.16kg):100g/10分以上)
スチレン−ブタジエン共重合体6:クレイトンポリマー社製、「クレイトンG1730」(スチレン含有率:20%、MFR(230℃、2.16kg):11g/10分)
(実施例1〜11、比較例1〜5)
(カバーテープの作製)
表1に記載の成分(A)〜(D)を表1に記載の質量部で配合して二軸押出機にて混練し、シーラント層を構成するための樹脂組成物を得た。基材層として膜厚16μmのPETフィルム(東洋紡績株式会社製、E5102)を使用し、この上に、中間層として低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製、ペトロセン203)を押出ラミネート法により押出温度300℃で厚み20μmに製膜し、製膜した中間層表面にコロナ処理を施し、濡れ指数を40Dyn以上にした後、中間層表面にさらにシーラント層として上記の樹脂組成物を押出ラミネート法により押出温度200℃で厚み5μmに製膜し、各例のカバーテープを得た。
得られたカバーテープの剥離強度および凝集力をそれぞれ以下の方法で評価した。評価結果を表1にあわせて示す。
(カバーテープの作製)
表1に記載の成分(A)〜(D)を表1に記載の質量部で配合して二軸押出機にて混練し、シーラント層を構成するための樹脂組成物を得た。基材層として膜厚16μmのPETフィルム(東洋紡績株式会社製、E5102)を使用し、この上に、中間層として低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製、ペトロセン203)を押出ラミネート法により押出温度300℃で厚み20μmに製膜し、製膜した中間層表面にコロナ処理を施し、濡れ指数を40Dyn以上にした後、中間層表面にさらにシーラント層として上記の樹脂組成物を押出ラミネート法により押出温度200℃で厚み5μmに製膜し、各例のカバーテープを得た。
得られたカバーテープの剥離強度および凝集力をそれぞれ以下の方法で評価した。評価結果を表1にあわせて示す。
(評価方法)
(ポリスチレン(PS)キャリアテープに対する剥離強度)
剥離強度の評価は、JIS C 0806−3に準拠する剥離試験にしたがっておこなった。上述の方法で得られたカバーテープを、幅5.5mmの寸法にして、幅8mmの寸法のキャリアテープ(導電ポリスチレンキャリアテープ、住友ベークライト社製の「CEL−E980A」)にヒートシール機を用いてヒートシールして、試験片とした。カバーテープをキャリアテープから剥離する際の剥離強度を、JIS C 0806−3に準拠する測定方法により測定した。
(ヒートシール条件)
ヒートシール機:ISMECA MBM4000(ISMECA社製)
アイロンサイズ:0.4mm×32mm(二本刃)
シール温度:180℃
シール荷重:1kg
シール時間:100ミリ秒
キャリアテープ送りピッチ:8mm
キャリアテープ:導電ポリスチレン(住友ベークライト社製の「CEL−E980A」)
(剥離条件(JIS C 0806−3に適合))
剥離試験機:GPD856VS(GPD社製)
剥離速度:300mm/min
剥離角度:175°〜180°
(ポリスチレン(PS)キャリアテープに対する剥離強度)
剥離強度の評価は、JIS C 0806−3に準拠する剥離試験にしたがっておこなった。上述の方法で得られたカバーテープを、幅5.5mmの寸法にして、幅8mmの寸法のキャリアテープ(導電ポリスチレンキャリアテープ、住友ベークライト社製の「CEL−E980A」)にヒートシール機を用いてヒートシールして、試験片とした。カバーテープをキャリアテープから剥離する際の剥離強度を、JIS C 0806−3に準拠する測定方法により測定した。
(ヒートシール条件)
ヒートシール機:ISMECA MBM4000(ISMECA社製)
アイロンサイズ:0.4mm×32mm(二本刃)
シール温度:180℃
シール荷重:1kg
シール時間:100ミリ秒
キャリアテープ送りピッチ:8mm
キャリアテープ:導電ポリスチレン(住友ベークライト社製の「CEL−E980A」)
(剥離条件(JIS C 0806−3に適合))
剥離試験機:GPD856VS(GPD社製)
剥離速度:300mm/min
剥離角度:175°〜180°
(凝集力)
各例について、カバーテープを2つずつ準備し、2つのカバーテープのシーラント面同士を合わせ、ヒートシーラーで熱接着し、接着面を剥がすときの荷重を凝集力として測定した。
(ヒートシールシール条件)
ヒートシール機:オートカップシーラー
シール幅:10mm×200mm
シール温度:180℃
シール時間:1.0秒
シール荷重:1.5kg
(剥離条件)
設備:テンシロン
剥離角度:フリー
剥離速度:300mm/min
各例について、カバーテープを2つずつ準備し、2つのカバーテープのシーラント面同士を合わせ、ヒートシーラーで熱接着し、接着面を剥がすときの荷重を凝集力として測定した。
(ヒートシールシール条件)
ヒートシール機:オートカップシーラー
シール幅:10mm×200mm
シール温度:180℃
シール時間:1.0秒
シール荷重:1.5kg
(剥離条件)
設備:テンシロン
剥離角度:フリー
剥離速度:300mm/min
表1より、各実施例で得られたカバーテープは、各比較例で得られたものに比べて、凝集力および剥離強度のバランスに優れていた。
1 中間層
2 シーラント層
3 基材層
10 カバーテープ
20 キャリアテープ
21 ポケット
100 電子部品包装体
2 シーラント層
3 基材層
10 カバーテープ
20 キャリアテープ
21 ポケット
100 電子部品包装体
Claims (10)
- 電子部品包装用のカバーテープのシーラント層に用いるための樹脂組成物であって、
当該樹脂組成物は、
(A)エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体およびエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる群から選択される1種または2種以上を含む共重合体と、
(B)帯電防止樹脂と、
(C)スチレン−(メタ)アクリレート共重合体と、
(D)スチレン−オレフィン共重合体と、
を含み、
前記成分(D)の含有量に対する前記成分(C)の含有量の質量比((C)/(D))が、1.5以上9.5以下である、樹脂組成物。 - 前記成分(D)が、スチレン−ブタジエン共重合体である、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記成分(A)が、エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- 前記成分(B)の含有量が、当該樹脂組成物100質量部に対し、10質量部以上20質量部以下であり、
前記成分(C)の含有量が、当該樹脂組成物100質量部に対し、10質量部以上25質量部以下であり、
前記成分(D)の含有量が、当該樹脂組成物100質量部に対し、2質量部以上10質量部以下である、請求項1乃至3いずれか1項に記載の樹脂組成物。 - 前記成分(D)中のスチレン含有率が、前記成分(D)全体に対し、10モル%以上35モル%以下である、請求項1乃至4いずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記成分(D)の230℃、2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が、3g/10min以上120g/10min以下である、請求項1乃至5いずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記成分(D)がブロック共重合体である、請求項1乃至6いずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1乃至7いずれか1項に記載の樹脂組成物からなるシーラント層と、基材層とを含む、電子部品包装用のカバーテープ。
- 前記シーラント層が、前記成分(A)を含む海部と、前記成分(C)を含む島部と、を含む海島構造を有する、請求項8に記載のカバーテープ。
- 当該カバーテープを、幅5.5mmの寸法にして、幅8mmの寸法のキャリアテープ(導電ポリスチレン、住友ベークライト社製の「CEL−E980A」)と合わせ、片刃が幅0.4mm、長さ32mmの寸法の二本刃アイロンを用いて、温度180℃、荷重1kg、100ミリ秒間、キャリアテープ送りピッチ8mmの条件でヒートシールし、JIS C 0806−3に準拠する試験方法により測定したとき、当該カバーテープの剥離強度が30g以上100g以下である、請求項8または9に記載のカバーテープ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018238805A JP2020100707A (ja) | 2018-12-20 | 2018-12-20 | 樹脂組成物およびカバーテープ |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115027115A (zh) * | 2022-03-24 | 2022-09-09 | 深圳市新创源精密智造有限公司 | 一种环保复合型盖带及其制备工艺 |
-
2018
- 2018-12-20 JP JP2018238805A patent/JP2020100707A/ja active Pending
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CN115027115A (zh) * | 2022-03-24 | 2022-09-09 | 深圳市新创源精密智造有限公司 | 一种环保复合型盖带及其制备工艺 |
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