JP2019154239A - 糯米を用いたピザ生地用加工餅の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明では、加熱調理後に、餅本来の「もちもち」とした食感と共に、「パリパリ」とした食感を出すことができるピザ生地用加工餅の製造方法の提供。【解決手段】糯米を、水に浸した後、蒸す第1の工程S1と、該第1の工程で蒸した糯米を搗き、餅生地を形成する第2の工程S2と、該第2の工程で形成した餅生地を、所定形状に形成された型に流し込む第3の工程S3と、該第3の工程で型に流し込まれた餅生地を、冷却して前記所定形状に成型する第4の工程S4と、該第4の工程で所定形状に成型した餅生地を、所定の厚さに切断する第5の工程S5と、を備えたピザ生地用加工餅の製造方法。【選択図】図1
Description
この発明は、糯米を原料として用いた加工餅の製造方法に関し、特に、糯米を原料として用いたピザ生地用加工餅の製造方法に関するものである。
近年、グルテンフリーの食品が注目されている。グルテンとは、小麦に水を加えて捏ねることで生成されるタンパク質であり、アレルギー反応を起こしやすい物質、あるいは、シリアック病やグルテン不耐症を引き起こす物質としても広く知られている。グルテンフリーの食品や、このグルテンフリーの食品を用いた食事・食生活等は、小麦を原料としたパンを主食とする欧米から始まり、今では、食文化の欧米化が進んでいる日本でも、グルテンフリーの食品、食事、食生活等が普及しつつある。
小麦を原料とした食品は、パン、パスタ、ピザ、うどん、その他、数多く知られているが、例えば、ピザ生地については、特にグルテンフリーを目的としたものではないが、従来から、主原料としての小麦に代えて糯米を用いたものが知られている。以下、ピザ生地の主原料に糯米を用いた従来例について示す。
特許文献1には、「前記した従来のピッツァ状食品は、小麦粉と水と粒状の餅との混合工程および2度にわたる加熱工程を必要とするもので、インスタント食品としては、調理に非常に手間がかかるという問題点がある」(段落「0004」参照。)、「また、後者のお好み焼き味の餅は、加熱した際、非常に柔らかくなり、つきたて同様の食感を呈するものであって、いわゆるピッツァ台のような硬質のテクスチャーは得られないという問題点もある」(段落「0005」参照。)と記載され、これらの問題点を解決するために「餅を主材料とするピッツァ状食品を、その皿形の主材料が香ばしく、かつ適当に硬さがあって本来のピッツァ状の食感があり、しかも調理法が極めて簡単なものとすることを課題」(段落「0006」参照。)として、「肉厚5mm以下のフレーク状餅小片を、その縁同士が近接配置されるようにして薄肉の皿形を形成し、この皿形に副食材を載置し、加熱調理により前記餅小片同士を融着一体化してなるピッツァ状食品」(「請求項1」参照。)が記載されている。
また、特許文献2には、「元来、餅は糯米(もちごめ)を水に浸してから蒸して杵やこね機でよくついて得られる餅の生地を、成形、裁断、乾燥したものである。又餅の貯蔵性を高めるために、餅の生地が固まらないうちに合成樹脂製フィルム容器に空気が残らないよう充填し、密封した包装餅も製造されている。しかし、上述のようにして得られる餅は食用に供するため焼成すると変形することが避けられないので、餅の食品としての利用範囲が極めて限られることになる。例えば餅をクラスト形態になしてその表面にチーズやピザソースのような加工食品を塗布してピツツアパイ様の食品を製造せんとしてもその焼成時に餅クラストが変形するため実用に適しない」(第1欄第14行乃至第27行参照。)という問題を解決するために、「餅の生地を皿状のクラストに成形したものを低温下に乾燥した後、急速冷凍することを特徴とする焼成により変形しない餅クラスト成形体の製造法」(「特許請求の範囲1」参照。)が記載されている。
また、特許文献3には、「もちを利用したピッツア料理用の生地の製造方法とその生地によるピッツア料理の調理方法」に関して「この種の従来例は、広く一般的に知られているとおり、小麦粉を主とした生地を薄い円盤状に作り、とまと味のピッツア(以下特に断りのない限り、一般的に指称されている用語「ピザ」という)ソースをかけ、各種の野菜、肉、ソーセージなどの具とチーズをのせて焼くことによって調理されている。このような従来例は、伝統的調理法であり、広く世界的に普及し、手軽な料理として嗜好されている。しかし、日本に普及化しつつあるものの、調理法について変化がなく、比較的若年層に嗜好が高いが、未だ必ずしも一般的ではない。その原因は、小麦粉を主体とする生地にあるといわれ、チーズと小麦粉の生地に違和感がある。また、趣向性の変化については日本人のみならず、欧米人などのピザ料理を好む民族においても所望されていた」(段落「0001」〜「0006」参照。)、「解決しようとする問題点は、ピザ料理の嗜好に対する変化のないことである」(段落「0007」参照。)と記載され、「もち米を洗浄して水に浸し、水分を含有したもち米を蒸すか、または煮て、そのもち米に比較的少量の塩水または砂糖水を含ませ、塩水または砂糖水を含んだもち米の水分を若干除去させ、水分を除去させたもち米の粒子を半潰しに搗くかまたは混練させ、比較的薄く圧延させると共に円盤形などの一定の形状に切断させ、その後比較的低温度により表層部が乾燥する程度に加熱処理させることを特徴とするもちを利用したピッツア用生地の製造方法」(「請求項1」参照。)が記載されている。
また、特許文献4には、「今までの加工餅では食するためには焼く時間がかかり、上に具などを乗せて焼くと、ふくれてしまい、あまり乗せられない上に、具を乗せたものだと食べにくい。ピザ・お好み焼きなどには適さなかった。また、従来の切り餅で適した薄いものもあるが、面積の点で上に具を乗せるにも限界があった。つなぎあわせて焼く方法もあるが、すき間に液体のものが入ってしまうとはなれてしまう。その上、液体も外へこぼれやすい。さらに、つきたての柔らかめの餅においては、表面がパリッとせず、ベトベトして餅クラフトとしては適さない」(段落「0003」参照。)という欠点を解決するために、「上面あるいはどちらか一面をソース塗布や具をつける処理加工面とし、他面を何もしない非処理面とし、非処理面を食用に適した範囲内のこげ目がつく位の加熱条件で加工処理をすることで全体が食するのに適した柔らかさに焼きあがる厚さよりなり、ピザクラフト形状よりなることを特徴とする加工餅」(「請求項1」参照。)が記載されている。
ここで、特許文献1に「図1および図2に示すように、ピッツァ状食品は、約70gのフレーク状の餅小片1(肉厚約2mmで大きさ5×5mmから5×20mmの略方形状のもの)を、その縁同士が接し、または接近して近接配置されるようにして、厚さ3〜5mmで直径13〜20cmの薄肉の皿形2を形成し、この皿形2に副食材3を載せて、加熱調理により、餅小片1同士を融着一体化したものである」(段落「0012」、図1、図2等参照。)と記載されているように、特許文献1記載の「ピッツァ状食品」は、生地が、一般的なピザ生地(ピザクラスト)のような一枚のシート形状ではないので、利用者は、調理の度に複数の「餅小片1」を配置して「皿形2」を形成する必要があり、加熱するまでの準備作業に非常に手間が掛かかるものと思われる。また、加熱ムラがないように調理するためには、できるだけ「皿形2」の厚さを均一にすることが好ましいが、「皿形2」の厚さが均一になるように多数の「餅小片1」を配置するにはある程度の熟練技術を要し、利用者が調理に不慣れな場合は、均一な厚さの「皿形2」を形成することが難しいので、「皿形2」の厚さが不均一になって加熱調理した際に加熱ムラが発生する虞がある。したがって、引用文献1に記載の「ピッツァ状食品」は、利用者が「極めて簡単」に調理できるものとは言えない。
また、引用文献1には、「厚さ3〜5mmで直径13〜20cmの薄肉の皿形2」と記載されているけれども、本願出願人の経験では、厚さが3mm以上になると、加熱調理後に、餅本来の「もちもち」とした食感が強く出てしまい、「パリパリ」とした食感を出すことは難しいものと思われる。
特許文献2には、「この餅の生地を常法により塩化ビニル樹脂のシートを用い圧延ロールにより厚さ約4mmの均一なのし餅となし」(第4欄第1行乃至第3行参照。)と記載されているが、「餅の生地」の厚さが「4mm」では厚すぎるので、上述したように、「もちもち」とした食感を出すことはできても、「パリパリ」とした食感を出しにくいので、更に「餅の生地」の厚さを、2mm程度に薄く形成する必要があるが、「圧延ロール」を用いる方法では、「餅の生地」が柔らかい状態で圧延するので、餅の粘性等により厚みが復元することより、「餅の生地」を2mm程度に薄く延ばして形成することが困難である。
また、特許文献3には、「そこで、このようにして得たもちをピザ生地として二次加工するのであるが、好みに応じて例えば3〜4mm程度の薄い層にもちを圧延する」(段落「0032」参照。)と記載されており、上述したように、「3〜4mm」の厚さでは、「ピザ生地」を加熱調理した後に「もちもち」とした食感を出すことはできても「パリパリ」とした食感を出すことが難しく、「圧延」では、餅の生地の厚さを2mm程度に薄く形成することも困難である。なお、特許文献1〜3では、調理装置・器具については、開示されていない。
また、特許文献4には、「材料はもち米100%、面積18cm四方、厚さ6mm、重さ150gのものを使用。全実施例同じ」(段落「0006」参照。)、「オーブン250°で約4分。ちなみに電気グリラーを使う場合、・・・」(段落「0006」参照。)と記載されており、「厚さ6mm」では、上述したように、「餅クラフト」を加熱調理した後に「もちもち」とした食感を出すことはできても「パリパリ」とした食感を出すことが難しく、また、「オーブン」や「電気グリル」を使用するので、例えば、簡単に「フライパン」で調理するようなことを想定されていないものと推量される。
このため、本発明では、加熱調理後に、餅本来の「もちもち」とした食感と共に、「パリパリ」とした食感を出すことができるピザ生地用加工餅の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明では、熟練技術を要せず、簡単に調理することができるピザ生地用加工餅の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ピザ生地用加工餅の製造方法であって、糯米を、水に浸した後、蒸す第1の工程と、該第1の工程で蒸した糯米を搗き、餅生地を形成する第2の工程と、該第2の工程で形成した餅生地を、所定形状に形成された型に流し込む第3の工程と、該第3の工程で型に流し込まれた餅生地を、冷却して前記所定形状に成型する第4の工程と、該第4の工程で所定形状に成型した餅生地を、所定の厚さに切断する第5の工程と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のピザ生地用加工餅の製造方法であって、前記第4の工程において、前記冷却を5℃で3日間行い、前記所定形状を半円筒形状に成型し、前記第5の工程において、前記所定の厚さを2mmにして、半円形板状に切断することを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のピザ生地用加工餅の製造方法であって、前記第5の工程において2mmの厚さに切断された餅生地を、脱酸素剤と共にガスバリア性の包装袋に脱気密封する第6の工程を備えたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、ピザの製造方法であって、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のピザ生地用加工餅の製造方法に、さらに、具材を載せて加熱調理する工程を備えたことを特徴とする。
本発明のピザ生地用加工餅の製造方法を用いて製造したピザ生地は、例えば、フライパンで熟練技術を要せずに簡単に加熱調理することができ、このピザ生地用加工餅を加熱調理した後、餅本来の「もちもち」とした食感と共に「パリパリ」とした食感を出すことができるという顕著な効果を奏する。
また、本発明のピザ生地用加工餅の製造方法によれば、ピザ生地用加工餅が硬化するまでの時間が非常に長い(6カ月以上)という、顕著な効果を奏することができる。
また、本発明のピザ生地用加工餅の製造方法によれば、ピザ生地用加工餅は、保管後のひび割れ、反り等の変形がないという顕著な効果を奏する。
以下、好適な実施形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、下記の実施形態は本発明を具現化した例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施形態)
(実施形態)
本発明の実施形態におけるピザ生地用加工餅の製造方法について、図1に示すフローチャートを参照しながら説明する。
[第1の工程;ステップS1]
本発明の実施形態におけるピザ生地用加工餅の製造方法において、まず、第1の工程(図1のステップS1)では、主原料となる糯米を、水に浸漬して水分調製した後、蒸気ボイラーで約30分間蒸す。本工程は、周知の餅の製造装置・製造方法を用いることができる。本実施形態では、水以外の添加物は使用せず、いわゆる、糯米100%である。
本発明の実施形態におけるピザ生地用加工餅の製造方法において、まず、第1の工程(図1のステップS1)では、主原料となる糯米を、水に浸漬して水分調製した後、蒸気ボイラーで約30分間蒸す。本工程は、周知の餅の製造装置・製造方法を用いることができる。本実施形態では、水以外の添加物は使用せず、いわゆる、糯米100%である。
[第2の工程;ステップS2]
次に、第2の工程(図1のステップS2)では、第1の工程で蒸した糯米の杵搗きを3分間行う。搗き方は、杵搗きに代えて捏ね搗きで行ってもよい。本工程は、周知の餅の製造装置・製造方法を用いることができる。本工程において、糯米を杵搗きして製造したものを、以下、「餅生地」という。
次に、第2の工程(図1のステップS2)では、第1の工程で蒸した糯米の杵搗きを3分間行う。搗き方は、杵搗きに代えて捏ね搗きで行ってもよい。本工程は、周知の餅の製造装置・製造方法を用いることができる。本工程において、糯米を杵搗きして製造したものを、以下、「餅生地」という。
[第3の工程;ステップS3]
次に、第3の工程(図1のステップS3)では、第2の工程で製造した餅生地を、成型用の「型」に流し込む。この型は、最終的に製品として仕上がるピザ生地用加工餅のサイズ・形状を決めるものであり、半円筒形状を構成している。この半円の直径は170mmに設定されている。つまり、型の内径の最大幅が170mmであり、本実施形態のピザ生地用加工餅は、最終的に直径170mmの半円形板状に製造される。型の長さは、製造されるピザ生地用加工餅の枚数を決める要因にもなり(型の長さ=ピザ生地用加工餅の厚さ×製造枚数)、必要に応じて適宜決めればよい。
次に、第3の工程(図1のステップS3)では、第2の工程で製造した餅生地を、成型用の「型」に流し込む。この型は、最終的に製品として仕上がるピザ生地用加工餅のサイズ・形状を決めるものであり、半円筒形状を構成している。この半円の直径は170mmに設定されている。つまり、型の内径の最大幅が170mmであり、本実施形態のピザ生地用加工餅は、最終的に直径170mmの半円形板状に製造される。型の長さは、製造されるピザ生地用加工餅の枚数を決める要因にもなり(型の長さ=ピザ生地用加工餅の厚さ×製造枚数)、必要に応じて適宜決めればよい。
[第4の工程;ステップS4]
次に、第3の工程で半円筒形状の型に流し込まれた状態の餅生地を、約5℃で3日間冷却して、切断可能な硬さに固めると同時に半円筒形状に成型する。餅生地が充填された型を、冷蔵庫に入れて冷却してもよいし、予め、温度調節可能な冷蔵庫の中に型を設置しておき、餅生地を型に流し込んだ後、設定温度に冷蔵する構成でもよい。半円筒形状に成型された餅生地の最大幅(半円の直径)は、型の内径の170mmと同寸になる。
次に、第3の工程で半円筒形状の型に流し込まれた状態の餅生地を、約5℃で3日間冷却して、切断可能な硬さに固めると同時に半円筒形状に成型する。餅生地が充填された型を、冷蔵庫に入れて冷却してもよいし、予め、温度調節可能な冷蔵庫の中に型を設置しておき、餅生地を型に流し込んだ後、設定温度に冷蔵する構成でもよい。半円筒形状に成型された餅生地の最大幅(半円の直径)は、型の内径の170mmと同寸になる。
[第5の工程;ステップS5]
次に、半円筒形状に成型された餅生地を、型から取り出して、厚さ2mmの半円形板状に切断する。このようにして、ピザ生地用の加工餅が完成する。従来の加工餅、特にピザ生地用の加工餅は、餅生地を、型で成型することなく、圧延ローラー等で圧延処理し、その後型抜きしていた(上記の特許文献2、3等参照。)が、本実施形態では、餅生地を圧延せずに、型に流し込んで成型した後に切断する点が、従来技術と顕著に異なっている。従来技術では、薄く圧延するためには、餅生地が硬化する前、つまり、餅生地が粘性を有するうちに圧延する必要がある。しかしながら、餅生地が粘性を有する状態では、薄く圧延しても粘性により厚みが復元するので、最終的な餅生地の厚さが、圧延した直後の状態より厚くなってしまう。このため、従来技術の圧延では、餅生地を2mmの厚さに形成することは、困難であった。しかしながら、本実施形態では、切断可能な硬さに冷却して固めて成型された餅生地を切断するので、2mmの厚さに切断しても厚さが復元することはなく、精度よく2mm厚のピザ生地用加工餅を製造することができる。
また、例えば、従来技術のように圧延した餅生地を円形板状に型抜きすると、製品に使用されない無駄な部分が多く生じてしまうが、本実施形態では、半円筒形状に成型した餅生地を切断したものが、そのまま製品の半円形板状のピザ生地用加工餅として仕上がるので、殆ど無駄がない。
さらに、本実施形態のピザ生地用加工餅は、半円形板形状の1枚のシートであるので、厚さを均一にすることができる。
以上のようにして、製造されたピザ生地用加工餅(直径170mm,厚さ2mmの半円形板形状)を、すぐに調理するときには、このままの状態でよいが、店舗で販売するときは、以下に説明するように、保存処理を行う。
次に、半円筒形状に成型された餅生地を、型から取り出して、厚さ2mmの半円形板状に切断する。このようにして、ピザ生地用の加工餅が完成する。従来の加工餅、特にピザ生地用の加工餅は、餅生地を、型で成型することなく、圧延ローラー等で圧延処理し、その後型抜きしていた(上記の特許文献2、3等参照。)が、本実施形態では、餅生地を圧延せずに、型に流し込んで成型した後に切断する点が、従来技術と顕著に異なっている。従来技術では、薄く圧延するためには、餅生地が硬化する前、つまり、餅生地が粘性を有するうちに圧延する必要がある。しかしながら、餅生地が粘性を有する状態では、薄く圧延しても粘性により厚みが復元するので、最終的な餅生地の厚さが、圧延した直後の状態より厚くなってしまう。このため、従来技術の圧延では、餅生地を2mmの厚さに形成することは、困難であった。しかしながら、本実施形態では、切断可能な硬さに冷却して固めて成型された餅生地を切断するので、2mmの厚さに切断しても厚さが復元することはなく、精度よく2mm厚のピザ生地用加工餅を製造することができる。
また、例えば、従来技術のように圧延した餅生地を円形板状に型抜きすると、製品に使用されない無駄な部分が多く生じてしまうが、本実施形態では、半円筒形状に成型した餅生地を切断したものが、そのまま製品の半円形板状のピザ生地用加工餅として仕上がるので、殆ど無駄がない。
さらに、本実施形態のピザ生地用加工餅は、半円形板形状の1枚のシートであるので、厚さを均一にすることができる。
以上のようにして、製造されたピザ生地用加工餅(直径170mm,厚さ2mmの半円形板形状)を、すぐに調理するときには、このままの状態でよいが、店舗で販売するときは、以下に説明するように、保存処理を行う。
[第6の工程;ステップS6]
上記の製造されたピザ生地用加工餅は、同じ向きに2枚ずつ重ねられたもの同士を、切り口が対向するようにして袋詰めされる。つまり、平面視で略円形になるように4枚のピザ生地用加工餅を2枚ずつ積層して袋詰めされる。なお、切断されたピザ生地用加工餅を袋詰めする前には、適宜選別作業が行われてよい。袋詰めに使用される包装袋は、通常のガスバリア性のフィルム素材を袋状に形成されたもので、包装袋の開口部からピザ生地用加工餅が投入された後、開口部は密閉される。ここで、包装袋を真空処理した後に開口部の密閉処理を行う工程、又は、包装袋内に不活性ガスを充填した後に開口部の密閉処理を行う工程、あるいは、包装袋内にピザ生地用加工餅と共に脱酸素剤を投入して脱気処理した後に開口部の密閉処理を行う工程のうち、いずれかの工程が選択して行われる。ピザ生地用加工餅が2mmで、非常に薄いので、包装袋内に空気(酸素)が残留していると、ピザ生地用加工餅が乾燥してひび割れや反り等の変形が発生する虞がある。このため、包装袋内の空気をできるだけ脱気しておいた方がよいのである。本実施形態では、真空処理や不活性ガス充填処理は、処理装置が高価であり製品の原価低減が困難になるので、安価な脱気処理装置を用いて包装袋の脱気処理を行うことにした(つまり、ピザ生地用加工餅は脱酸素剤と共に、脱気処理された包装袋に密封される。)。このようにして、脱気処理されたものが製品として販売される。
上記の製造されたピザ生地用加工餅は、同じ向きに2枚ずつ重ねられたもの同士を、切り口が対向するようにして袋詰めされる。つまり、平面視で略円形になるように4枚のピザ生地用加工餅を2枚ずつ積層して袋詰めされる。なお、切断されたピザ生地用加工餅を袋詰めする前には、適宜選別作業が行われてよい。袋詰めに使用される包装袋は、通常のガスバリア性のフィルム素材を袋状に形成されたもので、包装袋の開口部からピザ生地用加工餅が投入された後、開口部は密閉される。ここで、包装袋を真空処理した後に開口部の密閉処理を行う工程、又は、包装袋内に不活性ガスを充填した後に開口部の密閉処理を行う工程、あるいは、包装袋内にピザ生地用加工餅と共に脱酸素剤を投入して脱気処理した後に開口部の密閉処理を行う工程のうち、いずれかの工程が選択して行われる。ピザ生地用加工餅が2mmで、非常に薄いので、包装袋内に空気(酸素)が残留していると、ピザ生地用加工餅が乾燥してひび割れや反り等の変形が発生する虞がある。このため、包装袋内の空気をできるだけ脱気しておいた方がよいのである。本実施形態では、真空処理や不活性ガス充填処理は、処理装置が高価であり製品の原価低減が困難になるので、安価な脱気処理装置を用いて包装袋の脱気処理を行うことにした(つまり、ピザ生地用加工餅は脱酸素剤と共に、脱気処理された包装袋に密封される。)。このようにして、脱気処理されたものが製品として販売される。
以上のようにして保存処理されたピザ生地用加工餅は、硬化することなく、軟らかい状態を少なくとも半年以上維持することが確認された。通常の餅・加工餅が、搗いてから2,3日で硬化することに比べれば、顕著な効果を奏することができるといえる。ピザ生地用加工餅が軟らかい状態で加熱調理することができるので、簡単に「もちもち」とした食感と共に「パリパリ」とした食感を出すことができる。
ここで、脱酸素剤と共に脱気密封されたピザ生地用加工餅は、包装袋に密封された状態で冷凍されて保存もよい。なお、脱気密封されたピザ生地用加工餅は、冷凍するしないに拘わらず、ひび割れや反り等の変形が発生していない。
ここで、脱酸素剤と共に脱気密封されたピザ生地用加工餅は、包装袋に密封された状態で冷凍されて保存もよい。なお、脱気密封されたピザ生地用加工餅は、冷凍するしないに拘わらず、ひび割れや反り等の変形が発生していない。
以上、本実施形態のピザ生地用加工餅の製造方法について説明したが、以下では、この製造方法によって製造したピザ生地用加工餅の調理方法、つまり、ピザの製造方法について具体例を説明する。
本実施形態のピザ生地用加工餅は、家庭でフライパンを用いて簡単に調理することを想定している。まず、包装袋から、ピザ生地用加工餅を2枚取り出し、予め中火で加熱し油を引いたフライパンに並べて載せる。そして、ピザ生地用加工餅の上に具材を載せる。具材については、利用者が適宜選択して決めればよい。次に、具材の上から、チーズやケチャップを載せて、フライパンに蓋をする。加熱を続け、ピザ生地用加工餅の裏面がパリパリになれば、調理完了である。なお、オーブントースター、グリル、オーブン、ピザ窯等で調理することは可能であるが、「パリパリ」とした食感を出すためには、下面から加熱するフライパンによる調理が適している。
このように調理することで、調理後のピザ生地用加工餅は、下面側が「パリパリ」とした食感になり、下面側より上部が、餅本来の「もちもち」とした食感になる。ここで、ピザ生地用加工餅が3mm以上の厚さになると、全体的に「もちもち」とした食感が強くなりすぎて「パリパリ」とした食感を出すことが難しくなる。また、ピザ生地用加工餅の厚さをさらに薄くして1mm程度にすると、全体的に「パリパリ」とした食感が強く出てしまい、「もちもち」とした食感が出しにくくなってしまうので、本実施形態のピザ生地用加工餅の厚さは、2mmが最適な厚さである。
本実施形態のピザ生地用加工餅は、家庭でフライパンを用いて簡単に調理することを想定している。まず、包装袋から、ピザ生地用加工餅を2枚取り出し、予め中火で加熱し油を引いたフライパンに並べて載せる。そして、ピザ生地用加工餅の上に具材を載せる。具材については、利用者が適宜選択して決めればよい。次に、具材の上から、チーズやケチャップを載せて、フライパンに蓋をする。加熱を続け、ピザ生地用加工餅の裏面がパリパリになれば、調理完了である。なお、オーブントースター、グリル、オーブン、ピザ窯等で調理することは可能であるが、「パリパリ」とした食感を出すためには、下面から加熱するフライパンによる調理が適している。
このように調理することで、調理後のピザ生地用加工餅は、下面側が「パリパリ」とした食感になり、下面側より上部が、餅本来の「もちもち」とした食感になる。ここで、ピザ生地用加工餅が3mm以上の厚さになると、全体的に「もちもち」とした食感が強くなりすぎて「パリパリ」とした食感を出すことが難しくなる。また、ピザ生地用加工餅の厚さをさらに薄くして1mm程度にすると、全体的に「パリパリ」とした食感が強く出てしまい、「もちもち」とした食感が出しにくくなってしまうので、本実施形態のピザ生地用加工餅の厚さは、2mmが最適な厚さである。
以上のように、本実施形態のピザ生地用加工餅は、熟練技術要せずに、フライパンで簡単に加熱調理することができ、調理後は、餅本来の「もちもち」とした食感と共に、「パリパリ」とした食感を出すことができる。また、原料が糯米のみであるので、グルテンフリーの食品を製造することができ、小麦アレルギー等の心配がない。
さらに、本実施形態のピザ生地用加工餅を加熱調理した後、冷ましても、通常の餅、加工餅のようにすぐに硬くなることがなく、少なくとも14時間は軟らかい状態を維持することができ、長時間に亘り「もちもち」とした食感と共に「パリパリ」とした食感を味わうことができることを確認している。
Claims (4)
- 糯米を、水に浸した後、蒸す第1の工程と、
該第1の工程で蒸した糯米を搗き、餅生地を形成する第2の工程と、
該第2の工程で形成した餅生地を、所定形状に形成された型に流し込む第3の工程と、
該第3の工程で型に流し込まれた餅生地を、冷却して前記所定形状に成型する第4の工程と、
該第4の工程で所定形状に成型した餅生地を、所定の厚さに切断する第5の工程と、
を備えたことを特徴とするピザ生地用加工餅の製造方法。 - 前記第4の工程において、前記冷却を5℃で3日間行い、前記所定形状を半円筒形状に成型し、
前記第5の工程において、前記所定の厚さを2mmにして、半円形板状に切断する
ことを特徴とする請求項1に記載のピザ生地用加工餅の製造方法。 - 前記第5の工程において2mmの厚さに切断された餅生地を、脱酸素剤と共にガスバリア性の包装袋に脱気密封する第6の工程を備えた
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のピザ生地用加工餅の製造方法。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載されたピザ生地用加工餅の製造方法に、さらに、具材を載せて加熱調理する工程を備えた
ことを特徴とするピザの製造方法。
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JP2018040624A JP2019154239A (ja) | 2018-03-07 | 2018-03-07 | 糯米を用いたピザ生地用加工餅の製造方法 |
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