JP2019152825A - 光ファイバケーブル及び光ファイバケーブルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】介在物による防水性能を確保すること。【解決手段】光ケーブルは、複数本の光ファイバ1と内側介在物40Aとを押え巻きテープ2で包んで形成されたコア3と、コアの外側に配置された外側介在物40Bと、コアを挟んで配置された一対の抗張力体20と、コア、外側介在物及び一対の抗張力体を被覆する外被60とを備える。外側介在物は、コアの外側に縦添えされている。内側介在物は、コアの内側でSZ状に撚られて配置されている。【選択図】図1
Description
本発明は、光ファイバケーブル及び光ファイバケーブルの製造方法に関する。
従来から、下記特許文献1,2に示されるような光ファイバケーブルが知られている。これらの光ファイバケーブルは、複数本の光ファイバを外被の内部に収容して構成されている。
この種の光ファイバケーブルでは、複数本の光ファイバを介在物とともに押え巻きテープ(単に「押さえ巻き」とも呼ばれる)で包むことでコアを形成し、このコアを外被内に収容する場合がある。更に、吸水性を有する介在物を用いることで、光ファイバケーブル内における走水を防止する場合がある。
しかし、このようなコアを形成する場合には、介在物の位置や状態などによって、所望の防水性能が得られないことがある。
本発明は、間欠連結型の光ファイバテープを用いた光ファイバケーブルにおいて、介在物による防水性能を確保することを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、複数本の光ファイバと内側介在物とを押え巻きテープで包んで形成されたコアと、前記コアの外側に配置された外側介在物と、前記コアを挟んで配置された一対の抗張力体と、前記コア、前記外側介在物及び前記一対の抗張力体を被覆する外被とを備え、前記外側介在物は、前記コアの外側に縦添えされており、前記内側介在物は、前記コアの内側でSZ状に撚られて配置されていることを特徴とする光ファイバケーブルである。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、介在物による防水性能を確保することができる。
後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
複数本の光ファイバと内側介在物とを押え巻きテープで包んで形成されたコアと、前記コアの外側に配置された外側介在物と、前記コアを挟んで配置された一対の抗張力体と、前記コア、前記外側介在物及び前記一対の抗張力体を被覆する外被とを備え、前記外側介在物は、前記コアの外側に縦添えされており、前記内側介在物は、前記コアの内側でSZ状に撚られて配置されていることを特徴とする光ファイバケーブルが明らかとなる。これにより、介在物が光ケーブルの内部で偏って配置されることを抑制でき、防水特性の局所的な低下を抑制できる。
前記押え巻きテープは、両縁の重なる重複領域を有するように巻かれており、前記外側介在物は、前記押え巻きテープの重複領域に隣接しない位置に配置されていることが望ましい。これにより、外側介在物が押え巻きテープの重複領域から押え巻きテープの内側に入り込むことを抑制できる。
前記外側介在物は、前記コアから見て前記押え巻きテープの前記重複領域の反対側に配置されていることが望ましい。これにより、外側介在物が押え巻きテープの重複領域から押え巻きテープの内側に入り込むことを更に抑制できる。
前記外側介在物は、前記重複領域の外側になっている前記押え巻きテープの縁の方に寄って配置されていることが望ましい。これにより、外側介在物が押え巻きテープの重複領域から押え巻きテープの内側に入り込むことを更に抑制できる。
前記複数本の光ファイバは、SZ状に撚られて配置されていることが望ましい。これにより、光ファイバの伝送損失を抑制できる。
前記内側介在物は、前記複数本の光ファイバと一緒に、SZ状に撚り合わされていることが望ましい。これにより、内側介在物も複数の光ファイバもSZ状に撚ることができる。
前記内側介在物は、前記光ファイバのSZ状の隙間を横切るように、配置されていることが望ましい。これにより、光ファイバの隙間での走水を抑制できる。
前記内側介在物のSZ状の撚りの位相は、前記光ファイバのSZ状の撚りに対して180度ずれていることが望ましい。これにより、光ファイバの隙間での走水を更に抑制できる。
複数本の光ファイバと、SZ状に撚られた内側介在物とを押え巻きテープで包んでコアを形成する工程と、前記コアの外側に縦添えさせた外側介在物と、前記コアを挟んで配置させた一対の抗張力体とを外被で一括被覆する工程とを行う光ファイバケーブルの製造方法が明らかとなる。これにより、介在物が光ケーブルの内部で偏って配置されることを抑制でき、防水特性の局所的な低下を抑制できる。
前記複数本の光ファイバと、前記内側介在物とを一緒にSZ状に撚り合わせることが望ましい。これにより、簡易な方法で、内側介在物及び複数の光ファイバをSZ状に撚ることができる。
前記複数本の光ファイバと、前記内側介在物とを別々にSZ状に撚ることが望ましい。これにより、内側介在物の撚りを光ファイバの撚りに対して任意に設定できる。
SZ状に撚った前記複数本の光ファイバの外周で長手方向に沿って前記内側介在物を添い合わせることによって、前記内側介在物をSZ状に撚ることが望ましい。これにより、簡易な方法で内側介在物をSZ状に撚ることができる。
SZ状に撚った前記複数本の光ファイバの外周で長手方向に沿って前記内側介在物を添い合わせた後、前記複数本の光ファイバの撚りを戻すことによって、前記複数本の光ファイバの撚り方向とは逆方向に前記内側介在物をSZ状に撚ることが望ましい。これにより、内側介在物のSZ状の撚りの位相を、光ファイバのSZ状の撚りに対して180度ずらすことができ、光ファイバの隙間での走水を抑制できる。
===第1実施形態===
<全体構成>
図1は、第1実施形態の光ファイバケーブルの断面図である。光ファイバケーブルは、本体部と、支持線部とを備えている。支持線部は、鋼線などで構成された支持線50を外被60(第2被覆部60B)で被覆して構成されている。支持線部は、本体部と接続部60Cで連結されている。接続部60Cを切断することによって、本体部と支持線部とを分離することができる。以下の説明では、支持線付き光ファイバケーブルも、支持線部の無い本体部のみの構成のものも、いずれも単に「光ケーブル(光ファイバケーブル)」と呼び、符号100を付けることとする。
<全体構成>
図1は、第1実施形態の光ファイバケーブルの断面図である。光ファイバケーブルは、本体部と、支持線部とを備えている。支持線部は、鋼線などで構成された支持線50を外被60(第2被覆部60B)で被覆して構成されている。支持線部は、本体部と接続部60Cで連結されている。接続部60Cを切断することによって、本体部と支持線部とを分離することができる。以下の説明では、支持線付き光ファイバケーブルも、支持線部の無い本体部のみの構成のものも、いずれも単に「光ケーブル(光ファイバケーブル)」と呼び、符号100を付けることとする。
光ケーブル100は、光ファイバユニット10を有するコア3と、一対の抗張力体20と、外被60とを備えている。また、本実施形態の光ケーブル100は、内側介在物40Aと、外側介在物40Bとを有する。
光ファイバユニット10は、複数本の光ファイバ1(光ファイバ心線)から構成されている。ここでは、光ファイバユニット10は、複数枚の間欠連結型の光ファイバテープ(間欠固定テープ心線)で構成されている。
図2A及び図2Bは、間欠連結型の光ファイバテープの説明図である。
間欠連結型の光ファイバテープは、複数の光ファイバ1を並列させて間欠的に連結した光ファイバテープである。隣接する2心の光ファイバ1は、連結部11によって連結されている。隣接する2心の光ファイバ1を連結する複数の連結部11は、長手方向に間欠的に配置されている。また、光ファイバテープの複数の連結部11は、長手方向及びテープ幅方向に2次元的に間欠的に配置されている。連結部11は、接着剤となる紫外線硬化樹脂を塗布した後に紫外線を照射して固化することによって、形成されている。なお、連結部11を熱可塑性樹脂で構成することも可能である。隣接する2心の光ファイバ1間の連結部11以外の領域は、非連結部12(分離部)になっている。非連結部12では、隣接する2心の光ファイバ1同士は拘束されていない。連結部11の形成された位置のテープ幅方向に非連結部12が配置されている。これにより、光ファイバテープを丸めて束状にすることが可能になり、多数の光ファイバ1を高密度に収容することが可能になる。なお、非連結部12において、隣接する2心の光ファイバ1が接触していても良いし、離間していても良い。
間欠連結型の光ファイバテープは、複数の光ファイバ1を並列させて間欠的に連結した光ファイバテープである。隣接する2心の光ファイバ1は、連結部11によって連結されている。隣接する2心の光ファイバ1を連結する複数の連結部11は、長手方向に間欠的に配置されている。また、光ファイバテープの複数の連結部11は、長手方向及びテープ幅方向に2次元的に間欠的に配置されている。連結部11は、接着剤となる紫外線硬化樹脂を塗布した後に紫外線を照射して固化することによって、形成されている。なお、連結部11を熱可塑性樹脂で構成することも可能である。隣接する2心の光ファイバ1間の連結部11以外の領域は、非連結部12(分離部)になっている。非連結部12では、隣接する2心の光ファイバ1同士は拘束されていない。連結部11の形成された位置のテープ幅方向に非連結部12が配置されている。これにより、光ファイバテープを丸めて束状にすることが可能になり、多数の光ファイバ1を高密度に収容することが可能になる。なお、非連結部12において、隣接する2心の光ファイバ1が接触していても良いし、離間していても良い。
図3A及び図3Bは、別の間欠連結型の光ファイバテープの説明図である。この間欠連結型の光ファイバテープは、長手方向にわたって連結された2心の光ファイバ1の対(ファイバ対)を複数(ここでは4つ)備えており、隣接するファイバ対の間が間欠的に連結部11で連結されている。この間欠連結型の光ファイバテープにおいても、連結部11の形成された位置のテープ幅方向に非連結部12が配置されている。これにより、ファイバ対を丸めて束状にすることが可能である。
なお、間欠連結型光ファイバテープは、図に示したものに限られるものではない。例えば、連結部11の配置を変更しても良いし、光ファイバ1の数を変更しても良い。また、光ファイバユニット10を構成する複数の光ファイバ1は、間欠連結型の光ファイバテープで構成されていなくても良く、例えば複数の単心光ファイバ1を束ねて構成されていても良い。
コア3は、光ファイバユニット10と、押え巻きテープ2とを有する。具体的には、コア3は、光ファイバユニット10を押え巻きテープ2によって包むことによって形成されている。本実施形態では、コア3は、更に内側介在物40Aを有する。内側介在物40Aは、押え巻きテープ2の内側に配置されている。
押え巻きテープ2は、光ファイバユニット10を包む部材である。光ファイバユニット10を押え巻きテープ2で包むことによって、溶融樹脂で外被60を形成するときに、外被60の内部に光ファイバ1が埋没すること(食い込むこと)を防止できる。押え巻きテープ2は、プラスチック製のテープ部材で構成されている。押え巻きテープ2の材質としては、例えばポリエチレンテレフタラート(PET)を用いることができる。本実施形態では、光ケーブル100の断面において、押え巻きテープ2が渦巻き状に巻かれており、押え巻きテープ2の両縁が重なることによって重複領域(図1参照)が形成されている。
内側介在物40Aは、押え巻きテープ2の内側に配置される介在物である。内側介在物40Aは、収容空間の体積を確保する役割を有している。すなわち、外被60を押出し成形する際に内側介在物40Aが外被60となる樹脂の圧力に抗することで、収容空間が過剰に狭くなってしまうことを抑止できる。なお、収容空間を適切に形成するため、収容空間の断面積の上限値及び下限値を設けて、収容空間の断面積が上限値と下限値の範囲内となるように内側介在物40Aの量を調整しても良い。
本実施形態では、内側介在物40Aは、吸水性ヤーンである。これにより、コア3の内側(押え巻きテープ2の内側)における走水を抑制することができる。なお、内側介在物40Aとしては、繊度を自由に変更できるヤーンを用いることが望ましい。
本実施形態では、内側介在物40Aは、吸水性ヤーンである。これにより、コア3の内側(押え巻きテープ2の内側)における走水を抑制することができる。なお、内側介在物40Aとしては、繊度を自由に変更できるヤーンを用いることが望ましい。
抗張力体20は、外被60の収縮に抗い、光ファイバユニット10(特に光ファイバ1)に印加される歪みや曲げを抑制する部材である。抗張力体20は、線状の部材であり、外被60の内部に埋設されている。抗張力体20の材料としては、ノンメタリック材料やメタリック材料が使用可能である。ノンメタリック材料としては、例えばガラス繊維強化プラスチック(GFRP)、ケブラー(登録商標)により強化したアラミド繊維強化プラスチック(KFRP)、ポリエチレン繊維により強化したポリエチレン繊維強化プラスチックなどの繊維強化プラスチック(FRP)が使用可能である。メタリック材料としては、鋼線などの金属線が使用可能である。抗張力体20の断面形状は、ここでは円形状であるが、断面形状を例えば扁平形状、楕円形状、長方形状又は矩形状としても良い。抗張力体20は、長手方向に平行に配置されている。一対の抗張力体20の間には、コア3が配置されている。
外側介在物40Bは、押え巻きテープ2と外被60との間に配置される介在物である。つまり、外側介在物40Bは、押え巻きテープ2の外側に配置される介在物である。外側介在物40Bは、押え巻きテープ2と外被60との間の隙間を埋める役割を有している。本実施形態では、内側介在物40Aは、吸水性ヤーンである。これにより、押え巻きテープ2と外被60との隙間における走水を抑制することができる。
外被60は、他の構成要素を収容するように被覆する部材である。ここでは、外被60は、コア3、一対の抗張力体20、外側介在物40B、支持線50などの周囲を一括被覆している。外被60は、第1被覆部60A、第2被覆部60B及び接続部60Cを有する。
第1被覆部60Aは、コア3、一対の抗張力体20及び外側介在物40Bの周囲を一括被覆する部位である。第1被覆部60Aは、断面が略円筒形状に形成されている(第1被覆部60Aは外形が円形状に形成されている)。
第2被覆部60Bは、支持線50を被覆する部位である。接続部60Cは、第1被覆部60Aと第2被覆部60Bとを接続する部位である。第1被覆部60A、第2被覆部60B及び接続部60Cは、樹脂により一括成形されている。
外被60の材質としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンプロピレン共重合体(EP)などのポリオレフィン(PO)樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)などを用いることができる。外被60は、押出し成形などにより形成することができる。外被60を押出し成形する際の設定温度は、押え巻きテープ2の融点よりも低くすることが望ましい。
<光ファイバ1と介在物の配置>
光ファイバユニット10(複数本の光ファイバ1)は、コア3(押え巻きテープ2)の内部において、SZ状に撚られて配置されている。これにより、伝送損失を抑制することができるとともに、中間後分岐作業時に光ファイバ1を取り出し易くすることができる。
光ファイバユニット10(複数本の光ファイバ1)は、コア3(押え巻きテープ2)の内部において、SZ状に撚られて配置されている。これにより、伝送損失を抑制することができるとともに、中間後分岐作業時に光ファイバ1を取り出し易くすることができる。
外側介在物40Bは、コア3の外部において、コア3に縦添えされている。これは、外被60を押出し成形する際に、チャンバーの中(溶融樹脂の中)において、コア3に対する外側介在物40Bの位置の変更が難しいためであり、外側介在物40Bとコア3とが縦添え集合しかできないためである。この結果、光ケーブル100の長手方向のどの断面においても、外側介在物40Bは、コア3に対してほぼ固定された位置に配置されている。
図1に示す断面では、内側介在物40Aは、コア3(押え巻きテープ2)の内部において、外側介在物40Bの側に寄って配置されている。但し、仮に光ケーブル100の長手方向のどの断面においても内側介在物40Aが外側介在物40Bの近傍に配置されてしまうと、内側介在物40A及び外側介在物40Bが光ケーブル100の内部で偏って配置されてしまい、コア3の反対側において防水特性が低下するおそれがある。
なお、コア3の全体の防水特性を高めるために、コア3(押え巻きテープ2)の内部において、内側介在物40Aを分散配置した場合には、多量の内側介在物40Aを配置しなければならない。また、内側介在物40Aを分散配置した場合には、内側介在物40Aの収縮(外被60の押出し成形時の熱による収縮)によって光ファイバ1の伝送損失が増加するおそれがある。
このため、内側介在物40Aは、撚って配置させることが望ましい。但し、内側介在物40Aを一方向に螺旋状に撚った場合、内側介在物40Aが収縮すると、光ファイバユニット10が内側介在物40Aによって巻き締められることによって、光ファイバ1の伝送損失が増加するおそれがある。
そこで、本実施形態では、内側介在物40Aは、コア3(押え巻きテープ2)の内部において、SZ状に撚られて配置されている。これにより、コア3に対する内側介在物40Aの位置(光ケーブル100の断面における位置)が長手方向に沿って変化するため、内側介在物40A及び外側介在物40Bが光ケーブル100の内部で偏って配置されることを抑制でき、防水特性の局所的な低下を抑制できる。また、仮に内側介在物40Aが収縮しても、光ファイバユニット10が内側介在物40Aに巻き締められずに済むため、光ファイバ1の伝送損失を抑制できる。
本実施形態では、SZ状に撚られる内側介在物40Aの撚りピッチは3m以下であることが望ましい。ここで、撚りピッチとは、回転方向の反転位置の長手方向の間隔である。例えば、撚りピッチは、内側介在物40Aの巻き方向がS方向からZ方向に反転する位置から、Z方向からS方向に反転するまでの間の長手方向の間隔である。内側介在物40Aの撚りピッチを3m以下にすることによって、コア3の内部の走水長を3m以下にすることができるため、防水試験の規格(IEC 60794−1−22 F5B)に光ケーブル100を適合させることができる。
また、本実施形態では、外側介在物40Bは、押え巻きテープ2の重複領域に隣接しないように配置されている。これにより、外側介在物40Bが押え巻きテープ2の重複領域から押え巻きテープ2の内側に入り込むことを抑制できる。
更に、本実施形態では、外側介在物40Bは、押え巻きテープ2の重複領域に隣接しないように配置されつつ、コア3から見て押え巻きテープ2の重複領域の反対側に配置されている。例えば、図1に示す断面では、押え巻きテープ2の重複領域がコア3に対して図中の下側に配置されているのに対し、外側介在物40Bはコア3に対して図中の上側に配置されている。これにより、外側介在物40Bが押え巻きテープ2の重複領域から押え巻きテープ2の内側に入り込むことを更に抑制できる。
<光ケーブル100の製造方法>
図4は、光ケーブル100の製造装置70の説明図である。製造装置70は、各部材の供給源とともに、コア集合機71と、押出機72と、冷却機73と、ドラム74とを有する。
図4は、光ケーブル100の製造装置70の説明図である。製造装置70は、各部材の供給源とともに、コア集合機71と、押出機72と、冷却機73と、ドラム74とを有する。
コア集合機71は、光ファイバユニット10及び内側介在物40Aを押え巻きテープ2に包むことによってコア3を形成する装置である。このため、コア集合機71には、間欠連結型の光ファイバテープと、内側介在物40Aと、押え巻きテープ2とが供給される。本実施形態では、コア集合機71は、光ファイバユニット10と内側介在物40AをSZ状に撚りながら、光ファイバユニット10と内側介在物40Aとを集合させている(後述)。そして、コア集合機71は、SZ状に撚られた光ファイバユニット10及び内側介在物40Aを押え巻きテープ2に包んでコア3を形成し、コア3を押出機72に送り出す。
押出機72は、外被60を押出し成形する装置である。押出機72には、コア3と、一対の抗張力体20と、外側介在物40Bと、支持線50とが供給される。押出機72のダイス穴(不図示)に各部材を挿通しながら、ダイス穴から溶融樹脂を押し出すことによって、各部材を外被60で一括被覆した光ケーブル100が製造される。冷却機73は、光ケーブル100の外被60を冷却する装置である。ドラム74は、光ケーブル100を巻き取る部材である。
<第1の撚り方法(共撚り)>
図5Aは、光ファイバユニット10と内側介在物40Aの第1の撚り方法の説明図である。
コア集合機71は、揺動回転(SZ方向に回転)する目板を有する。目板は、光ファイバユニット10(光ファイバテープ)を挿通させるユニット用挿通穴と、内側介在物40Aを挿通させる介在用挿通穴とを有する。ここでは、1枚の目板にユニット用挿通穴及び介在用挿通穴が設けられているが、ユニット用挿通穴及び介在用挿通穴が別々の目板に設けられていても良い。ユニット用挿通穴及び介在用挿通穴が別々の目板に設けられる場合、第1の撚り方法では、2枚の目板が同期して揺動回転することになる。第1の撚り方法は、光ファイバユニット10と内側介在物40Aを一緒に撚るため、「共撚り」と呼ばれることがある。
図5Aは、光ファイバユニット10と内側介在物40Aの第1の撚り方法の説明図である。
コア集合機71は、揺動回転(SZ方向に回転)する目板を有する。目板は、光ファイバユニット10(光ファイバテープ)を挿通させるユニット用挿通穴と、内側介在物40Aを挿通させる介在用挿通穴とを有する。ここでは、1枚の目板にユニット用挿通穴及び介在用挿通穴が設けられているが、ユニット用挿通穴及び介在用挿通穴が別々の目板に設けられていても良い。ユニット用挿通穴及び介在用挿通穴が別々の目板に設けられる場合、第1の撚り方法では、2枚の目板が同期して揺動回転することになる。第1の撚り方法は、光ファイバユニット10と内側介在物40Aを一緒に撚るため、「共撚り」と呼ばれることがある。
図5Bは、第1の撚り方法でSZ状に撚られた光ファイバユニット10及び内側介在物40Aの説明図(概念図)である。図5Bは、撚り方法を説明するための概念図であり、図の縮尺は正確ではない(例えば、図中の撚りピッチは3m以下であるのに対し、光ファイバ1の直径は約0.25mmである)。
第1の撚り方法(共撚り)の場合、光ファイバユニット10と内側介在物40Aが一緒にSZ状に撚られた状態になる。このため、光ファイバユニット10と内側介在物40Aの撚りピッチ(回転方向の反転位置の長手方向の間隔)は同じになり、回転方向の反転位置も同じになる(言い換えると、光ファイバユニット10と内側介在物40Aの撚りの位相が一致している)。また、撚り角度も同じになる。このため、内側介在物40Aは、第1の撚り方法(共撚り)の場合、光ファイバ1の間に挟まれるように配置されることになる。
上記の第1の撚り方法によれば、簡易な方法で、光ファイバ1と内側介在物40AとをSZ状に撚ることができる。一方、第1の撚り方法の場合、光ファイバ1と内側介在物40Aとが撚り合わされるため、内側介在物40Aが光ファイバ1に強く拘束されることになる。この結果、外被60の押出し成形時の熱によって内側介在物40Aが収縮したときに、光ファイバ1が内側介在物40Aから力を受け易く、光ファイバ1の伝送損失が増加するおそれがある。このため、内側介在物40Aと光ファイバ1との拘束は弱い方が望ましい。そこで、以下に説明する撚り方法(第2〜第4の撚り方法)では、光ファイバ1と内側介在物40Aとを撚り合わせずに、それぞれをSZ状に撚っている。
<第2の撚り方法>
図6Aは、光ファイバユニット10と内側介在物40Aの第2の撚り方法の説明図である。
コア集合機71は、揺動回転(SZ方向に回転)する2枚の目板を有する。目板は、光ファイバユニット10(光ファイバテープ)を撚るためのユニット用目板と、内側介在物40Aを撚るための介在用目板とを有する。第2の撚り方法では、2枚の目板の揺動周期や揺動角度を別々に設定可能である。
図6Aは、光ファイバユニット10と内側介在物40Aの第2の撚り方法の説明図である。
コア集合機71は、揺動回転(SZ方向に回転)する2枚の目板を有する。目板は、光ファイバユニット10(光ファイバテープ)を撚るためのユニット用目板と、内側介在物40Aを撚るための介在用目板とを有する。第2の撚り方法では、2枚の目板の揺動周期や揺動角度を別々に設定可能である。
第2の撚り方法では、ユニット用目板が揺動回転することによって、光ファイバユニット10がSZ状に撚られることになる。それぞれの光ファイバ1の断面は円形状であるため、複数本の光ファイバ1を束ねて構成された光ファイバユニット10の外周には光ファイバ1の外形による凹凸が形成されることになる。言い換えると、光ファイバユニット10の外周には、光ファイバ1に沿って、凹条(光ファイバユニット10の外周で隣接する光ファイバの隙間によって形成された凹状のすじ)が形成されることになる。本実施形態では、複数本の光ファイバ1がSZ状に撚られているため、光ファイバユニット10の外周に形成される凹条もSZ状に形成されることになる。
また、第2の撚り方法では、ユニット用目板の下流側において、介在用目板が揺動回転することによって、内側介在物40Aが、SZ状に撚られた光ファイバユニット10の外周でSZ状に撚られて配置される。第2の撚り方法では、内側介在物40AのSZ状の撚りは、光ファイバユニット10のSZ状の撚りに対して、特に制約無く、任意に設定可能である。
また、第2の撚り方法では、ユニット用目板の下流側において、介在用目板が揺動回転することによって、内側介在物40Aが、SZ状に撚られた光ファイバユニット10の外周でSZ状に撚られて配置される。第2の撚り方法では、内側介在物40AのSZ状の撚りは、光ファイバユニット10のSZ状の撚りに対して、特に制約無く、任意に設定可能である。
図6Bは、第2の撚り方法でSZ状に撚られた光ファイバユニット10及び内側介在物40Aの説明図(概念図)である。
第2の撚り方法の場合、光ファイバユニット10と内側介在物40Aの撚りピッチ(回転方向の反転位置の長手方向の間隔)や回転方向の反転位置を異ならせることが可能である。また、光ファイバユニット10と内側介在物40Aの撚り角度も異ならせることが可能である。つまり、第2の撚り方法によれば、内側介在物40Aの撚りピッチや撚り角度などを光ファイバユニット10の撚りに対して独立して任意に設定できる。
第2の撚り方法の場合、光ファイバユニット10と内側介在物40Aの撚りピッチ(回転方向の反転位置の長手方向の間隔)や回転方向の反転位置を異ならせることが可能である。また、光ファイバユニット10と内側介在物40Aの撚り角度も異ならせることが可能である。つまり、第2の撚り方法によれば、内側介在物40Aの撚りピッチや撚り角度などを光ファイバユニット10の撚りに対して独立して任意に設定できる。
第2の撚り方法の場合、内側介在物40Aは、光ファイバ1のSZ状の隙間(光ファイバユニット10の外周に形成される凹条)を横切るように配置される。なお、光ファイバユニット10と内側介在物40Aの撚りピッチ、回転方向の反転位置、及び撚り角度のうちの少なくとも1つが異なっていれば、光ファイバ1のSZ状の隙間を横切るように内側介在物40Aを配置することができる。光ファイバ1のSZ状の隙間を横切るように内側介在物40Aを配置することによって、図5Bのように内側介在物40Aが特定の光ファイバ1の間に挟まれた場合と比べて、光ファイバ1の隙間での走水を抑制することができる。光ファイバユニット10のSZ状の撚りに対する内側介在物40Aの撚りの位相が180度ずれていれば、より多くの光ファイバ1のSZ状の隙間を横切るように内側介在物40Aを配置できるため、光ファイバ1の隙間での走水を更に抑制することができる。
ところで、上記の第1、第2の撚り方法の場合、内側介在物40AをSZ状に撚るために、介在用挿入穴を有する目板を揺動させるので、コア集合機71が大型化してしまう。そこで、以下に説明する撚り方法(第3、第4の撚り方法)では、目板によって内側介在物40Aを大きく移動させずに、内側介在物40AをSZ状に撚っている。
<第3の撚り方法>
図7Aは、光ファイバユニット10と内側介在物40Aの第3の撚り方法の説明図である。
コア集合機71は、光ファイバユニット10(光ファイバテープ)を撚るために揺動回転(SZ方向に回転)するユニット用目板を有する。第3の撚り方法では、第1の撚り方法及び第2の撚り方法とは異なり、内側介在物40Aを撚るための目板が設けられていないため、コア集合機71の構成を簡易にできる。
図7Aは、光ファイバユニット10と内側介在物40Aの第3の撚り方法の説明図である。
コア集合機71は、光ファイバユニット10(光ファイバテープ)を撚るために揺動回転(SZ方向に回転)するユニット用目板を有する。第3の撚り方法では、第1の撚り方法及び第2の撚り方法とは異なり、内側介在物40Aを撚るための目板が設けられていないため、コア集合機71の構成を簡易にできる。
第3の撚り方法では、ユニット用目板が揺動回転することによって、光ファイバユニット10がSZ状に撚られることになる。それぞれの光ファイバ1の断面は円形状であるため、複数本の光ファイバ1を束ねて構成された光ファイバユニット10の外周には光ファイバ1の外形による凹凸が形成されることになる。言い換えると、光ファイバユニット10の外周には、光ファイバ1に沿って、凹条(光ファイバユニット10の外周で隣接する光ファイバの隙間によって形成された凹状のすじ)や、凸条(光ファイバの外周面によって形成された凸状のすじ)が形成されることになる。また、本実施形態では、複数本の光ファイバ1がSZ状に撚られているため、光ファイバユニットの外周の凹条や凸条もSZ状に形成されることになる。
また、第3の撚り方法では、ユニット用目板の下流側において、内側介在物40Aが、SZ状に撚られた光ファイバユニット10に縦添えさせるように、光ファイバユニット10の長手方向に沿って光ファイバユニット10の外周で添い合わせられる。内側介在物40Aが光ファイバユニット10に所定の圧力で添い合わせられると、内側介在物40Aは、光ファイバユニット10の外周の凸条と凸条の間の凹条に誘導され、この結果、内側介在物40Aが光ファイバユニット10の外周のSZ状の凹条に誘導されて周方向に変位し、内側介在物40Aが光ファイバユニット10の外周上でSZ状に撚られた状態になる。
光ファイバユニット10の外周の凹条に誘導された内側介在物40Aが、光ファイバユニット10の外周に添い合わせられている間にその凹条から外れなければ、内側介在物40Aの撚り角度は、光ファイバユニット10の撚り角度と同じになる。但し、通常、内側介在物40Aは光ファイバ1よりも太く、内側介在物40Aは光ファイバユニット10の外周の凹条の幅や深さよりも太いため、凹条に誘導された内側介在物40Aは、光ファイバユニット10の外周に添い合わせられている間に、一旦誘導された凹条から外れる場合がある。このような場合には、内側介在物40Aの撚り角度は、光ファイバユニット10の撚り角度よりも小さくなる。つまり、第3の撚り方法では、内側介在物40Aの撚り角度は、光ファイバユニット10の撚り角度以下になる。また、凹条に誘導された内側介在物40Aが一旦誘導された凹条から外れた場合には、内側介在物40Aの撚りピッチや回転方向の反転位置が、光ファイバユニット10の撚りピッチや回転方向の反転位置とずれることもある。
図7Bは、第3の撚り方法でSZ状に撚られた光ファイバユニット10及び内側介在物40Aの説明図(概念図)である。
第3の撚り方法の場合、内側介在物40Aの撚り角度は、光ファイバユニット10の撚り角度よりも小さくなる。また、内側介在物40Aのバックテンションを調整することによって、光ファイバユニット10のSZ状の撚りに対する内側介在物40Aの撚りの位相を変更させることも可能である。第3の撚り方法においても、光ファイバユニット10と内側介在物40Aの撚りピッチ、回転方向の反転位置、及び撚り角度のうちの少なくとも1つを異ならせることができるため、光ファイバ1のSZ状の隙間(光ファイバユニット10の外周に形成される凹条)を横切るように内側介在物40Aを配置することができる。
第3の撚り方法の場合、内側介在物40Aの撚り角度は、光ファイバユニット10の撚り角度よりも小さくなる。また、内側介在物40Aのバックテンションを調整することによって、光ファイバユニット10のSZ状の撚りに対する内側介在物40Aの撚りの位相を変更させることも可能である。第3の撚り方法においても、光ファイバユニット10と内側介在物40Aの撚りピッチ、回転方向の反転位置、及び撚り角度のうちの少なくとも1つを異ならせることができるため、光ファイバ1のSZ状の隙間(光ファイバユニット10の外周に形成される凹条)を横切るように内側介在物40Aを配置することができる。
<第4の撚り方法>
図8は、光ファイバユニット10と内側介在物40Aの第4の撚り方法の説明図(概念図)である。
図8は、光ファイバユニット10と内側介在物40Aの第4の撚り方法の説明図(概念図)である。
第4の撚り方法では、上図に示すように、内側介在物40Aは、SZ状に撚られた光ファイバユニット10に縦添えさせる。第4の撚り方法では、第3の撚り方法とほぼ同様に、SZ状に撚られた光ファイバユニット10の外周で長手方向に沿って内側介在物40Aを添い合わせるだけなので、コア集合機71は内側介在物40Aを撚るための目板を備えていなくても良い。
次に、第4の撚り方法では、SZ状に撚られた光ファイバユニット10に内側介在物40Aを縦添えした後、光ファイバユニット10の撚り角度が小さくなるように撚りを戻す(撚り角度を緩める)。このとき、図8の下図に示すように、光ファイバユニット10の外周で光ファイバユニット10に添い合わせられていた内側介在物40Aが、光ファイバユニット10の撚りの戻りに引きずられて、光ファイバユニット10の撚り方向とは逆方向に内側介在物40AがSZ状に撚られることになる。
第4の撚り方法の場合、光ファイバユニット10と内側介在物40Aの撚りピッチは同じであり、回転方向の反転位置も同じ位置であるが、反転位置における回転方向が逆転している。言い換えると、光ファイバユニット10のSZ状の撚りに対する内側介在物40Aの撚りの位相は、180度ずれている。このため、第4の撚り方法の場合、より多くの光ファイバ1のSZ状の隙間(光ファイバユニット10の外周に形成される凹条)を横切るように内側介在物40Aを配置できるため、光ファイバ1の隙間での走水を更に抑制することができる。
===第2実施形態===
図9は、第2実施形態の光ファイバケーブルの断面図である。第1実施形態と同様の部材については、同じ符号を付けて、説明を省略することがある。
図9は、第2実施形態の光ファイバケーブルの断面図である。第1実施形態と同様の部材については、同じ符号を付けて、説明を省略することがある。
以下の説明では、図に示すように各方向を定義する。長手方向は、光ケーブル100の延在する方向である。長辺方向(幅方向)は、一対の抗張力体20の並ぶ方向である。短辺方向(厚さ方向)は、一対のセパレータ30の並ぶ方向であり、長手方向及び長辺方向と直交する方向である。なお、長辺方向は、光ケーブル100(本体部)の断面の長辺に沿った方向である。短辺方向は、光ケーブル100(本体部)の断面の短辺に沿った方向である。
光ケーブル100は、第1実施形態と同様に光ファイバユニット10を有するコア3と、一対の抗張力体20と、外被60とを備えているとともに、第2実施形態では一対のセパレータ30を備えている。また、第2実施形態においても、光ケーブル100は、内側介在物40Aと、外側介在物40Bとを有する。
前述の第1実施形態では、光ファイバユニット10は、複数枚の間欠連結型の光ファイバテープ(間欠固定テープ心線)で構成されているのに対し、第2実施形態の光ファイバユニット10は、1枚の間欠連結型の光ファイバテープで構成されている。このように、光ファイバユニット10を構成する光ファイバテープは、複数枚の光ファイバテープで構成されるものに限らず、1枚の光ファイバテープで構成されても良い。また、光ファイバユニット10を構成する複数の光ファイバ1は、間欠連結型の光ファイバテープで構成されていなくても良く、例えば複数の単心光ファイバ1を束ねて構成されていても良い。
第2実施形態では、通常であれば24心となる光ケーブルの代わりに、12心の光ケーブル100を構成している。このように、コア3に含まれる光ファイバ1の心数が少ない場合に、内側介在物40Aは、収容空間の体積を確保する役割を有している。第2実施形態においても、内側介在物40Aは、吸水性ヤーンである。これにより、コア3の内側(押え巻きテープ2の内側)における走水を抑制することができる。
セパレータ30は、外被60の分離を容易にする部材である。セパレータ30は、テープ状(扁平状・帯状)の部材であり、長手方向に沿うようにコア3(押え巻きテープ2)と外被60との間に配置されている。セパレータ30の厚さは、例えば0.2mm程度である。セパレータ30は、外被60に対して融着も接着もされておらず、外被60から容易に剥離する材料で形成されている。テープ状のセパレータ30は、テープ面が幅方向に平行になるように配置されている。一対のセパレータ30は、厚さ方向に並んで配置されている。一対のセパレータ30の間には、コア3が配置されている。また、本実施形態では、一対のセパレータ30の間には、外側介在物40Bが配置されている。なお、第1実施形態の光ケーブルのように、光ケーブルをセパレータレスにしても良い。
第2実施形態の外被60は、コア3、一対の抗張力体20、一対のセパレータ30、外側介在物40B、支持線50などの周囲を一括被覆している。第1被覆部60Aは、コア3、一対の抗張力体20、一対のセパレータ30及び外側介在物40Bの周囲を一括被覆する部位である。第1被覆部60Aは、断面(外形)が略矩形状に形成されている。第1被覆部60Aの外面にはノッチ60Nが形成されている。ここでは、ノッチ60Nは、上下面にそれぞれ一対設けられているが、上下面に1つずつ形成されていても良い。また、第1実施形態のようにノッチ60Nが無くても良い。外被60を押出し成形する際の設定温度は、セパレータ30や押え巻きテープ2の融点よりも低くすることが望ましい。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、外側介在物40Bは、コア3の外側に縦添えされており、内側介在物40Aは、コア3の内側でSZ状に撚られて配置されている。これにより、第1実施形態と同様に、コア3に対する内側介在物40Aの位置(光ケーブル100の断面における位置)が長手方向に沿って変化するため、内側介在物40A及び外側介在物40Bが光ケーブル100の内部で偏って配置されることを抑制でき、防水特性の局所的な低下を抑制できる。また、仮に内側介在物40Aが収縮しても、光ファイバユニット10が内側介在物40Aに巻き締められずに済むため、光ファイバ1の伝送損失を抑制できる。
また、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、外側介在物40Bは、押え巻きテープ2の重複領域に隣接しないように配置されている。これにより、外側介在物40Bが押え巻きテープ2の重複領域から押え巻きテープ2の内側に入り込むことを抑制できる。
更に、第2実施形態では、外側介在物40Bは、押え巻きテープ2の重複領域に隣接しないように配置されつつ、重複領域の外側になっている押え巻きテープ2の縁の方に寄るように配置されている。例えば、図1に示す断面では、重複領域において外側(図中の下側)になっている押え巻きテープ2の縁の方に寄るように、外側介在物40Bが押え巻きテープ2の重複領域から見て図中の左側(支持線50の側)に寄って配置されている。これにより、外側介在物40Bが押え巻きテープ2の重複領域から押え巻きテープ2の内側に入り込むことを更に抑制できる。
<光ケーブル100の製造方法>
図10は、第2実施形態の光ケーブル100の製造装置70の説明図である。第2実施形態においても、製造装置70は、各部材の供給源とともに、コア集合機71と、押出機72と、冷却機73と、ドラム74とを有する。コア集合機71は、内側介在物40Aをコア3の内側でSZ状に撚って配置する。なお、コア集合機71が内側介在物40AをSZ状に撚る方法は、前述の第1〜第4の撚り方法でも良いし、他の方法でも良い。押出機72には、第1実施形態と同様にコア3と、一対の抗張力体20と、外側介在物40Bと、支持線50とが供給されるとともに、第2実施形態では一対のセパレータ30も供給される。押出機72のダイス穴(不図示)に各部材を挿通しながら、ダイス穴から溶融樹脂を押し出すことによって、図9に示すように、各部材を外被60で一括被覆した光ケーブル100が製造されることになる。
図10は、第2実施形態の光ケーブル100の製造装置70の説明図である。第2実施形態においても、製造装置70は、各部材の供給源とともに、コア集合機71と、押出機72と、冷却機73と、ドラム74とを有する。コア集合機71は、内側介在物40Aをコア3の内側でSZ状に撚って配置する。なお、コア集合機71が内側介在物40AをSZ状に撚る方法は、前述の第1〜第4の撚り方法でも良いし、他の方法でも良い。押出機72には、第1実施形態と同様にコア3と、一対の抗張力体20と、外側介在物40Bと、支持線50とが供給されるとともに、第2実施形態では一対のセパレータ30も供給される。押出機72のダイス穴(不図示)に各部材を挿通しながら、ダイス穴から溶融樹脂を押し出すことによって、図9に示すように、各部材を外被60で一括被覆した光ケーブル100が製造されることになる。
===その他===
上述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。
上述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。
1 光ファイバ、2 押え巻きテープ(押さえ巻き)、
3 コア、10 光ファイバユニット(間欠連結型の光ファイバテープ)、
11 連結部、12 非連結部(分離部)、
20 抗張力体、30 セパレータ、
40A 内側介在物、40B 外側介在物、
50 支持線、60 外被、
60A 第1被覆部、60B 第2被覆部、
60C 接続部、60N ノッチ、
70 製造装置、71 コア集合機、
72 押出機、73 冷却機、74 ドラム、
100 光ケーブル(光ファイバケーブル)
3 コア、10 光ファイバユニット(間欠連結型の光ファイバテープ)、
11 連結部、12 非連結部(分離部)、
20 抗張力体、30 セパレータ、
40A 内側介在物、40B 外側介在物、
50 支持線、60 外被、
60A 第1被覆部、60B 第2被覆部、
60C 接続部、60N ノッチ、
70 製造装置、71 コア集合機、
72 押出機、73 冷却機、74 ドラム、
100 光ケーブル(光ファイバケーブル)
Claims (13)
- 複数本の光ファイバと内側介在物とを押え巻きテープで包んで形成されたコアと、
前記コアの外側に配置された外側介在物と、
前記コアを挟んで配置された一対の抗張力体と、
前記コア、前記外側介在物及び前記一対の抗張力体を被覆する外被と
を備え、
前記外側介在物は、前記コアの外側に縦添えされており、
前記内側介在物は、前記コアの内側でSZ状に撚られて配置されている
ことを特徴とする光ファイバケーブル。 - 請求項1に記載の光ファイバケーブルであって、
前記押え巻きテープは、両縁の重なる重複領域を有するように巻かれており、
前記外側介在物は、前記押え巻きテープの重複領域に隣接しない位置に配置されていることを特徴とする光ファイバケーブル。 - 請求項2に記載の光ファイバケーブルであって、
前記外側介在物は、前記コアから見て前記押え巻きテープの前記重複領域の反対側に配置されていることを特徴とする光ファイバケーブル。 - 請求項2に記載の光ファイバケーブルであって、
前記外側介在物は、前記重複領域の外側になっている前記押え巻きテープの縁の方に寄って配置されていることを特徴とする光ファイバケーブル。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の光ファイバケーブルであって、
前記複数本の光ファイバは、SZ状に撚られて配置されていることを特徴とする光ファイバケーブル。 - 請求項5に記載の光ファイバケーブルであって、
前記内側介在物は、前記複数本の光ファイバと一緒に、SZ状に撚り合わされていることを特徴とする光ファイバケーブル。 - 請求項5に記載の光ファイバケーブルであって、
前記内側介在物は、前記光ファイバのSZ状の隙間を横切るように、配置されていることを特徴とする光ファイバケーブル。 - 請求項7に記載の光ファイバケーブルであって、
前記内側介在物のSZ状の撚りの位相は、前記光ファイバのSZ状の撚りに対して180度ずれていることを特徴とする光ファイバケーブル。 - 複数本の光ファイバと、SZ状に撚られた内側介在物とを押え巻きテープで包んでコアを形成する工程と、
前記コアの外側に縦添えさせた外側介在物と、前記コアを挟んで配置させた一対の抗張力体とを外被で一括被覆する工程と
を行う光ファイバケーブルの製造方法。 - 請求項9に記載の光ファイバケーブルの製造方法であって、
前記複数本の光ファイバと、前記内側介在物とを一緒にSZ状に撚り合わせることを特徴とする光ファイバケーブルの製造方法。 - 請求項9に記載の光ファイバケーブルの製造方法であって、
前記複数本の光ファイバと、前記内側介在物とを別々にSZ状に撚ることを特徴とする光ファイバケーブルの製造方法。 - 請求項9に記載の光ファイバケーブルの製造方法であって、
SZ状に撚った前記複数本の光ファイバの外周で長手方向に沿って前記内側介在物を添い合わせることによって、前記内側介在物をSZ状に撚ることを特徴とする光ファイバケーブルの製造方法。 - 請求項9に記載の光ファイバケーブルの製造方法であって、
SZ状に撚った前記複数本の光ファイバの外周で長手方向に沿って前記内側介在物を添い合わせた後、前記複数本の光ファイバの撚りを戻すことによって、前記複数本の光ファイバの撚り方向とは逆方向に前記内側介在物をSZ状に撚ることを特徴とする光ファイバケーブルの製造方法。
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