JP2019151564A - シリコーンエラストマー組成物及び皮膚化粧料 - Google Patents
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Abstract
Description
皮膚表面のしわを目立たなくさせるための皮膚化粧料として、例えば特許文献1〜5に記載されているものは公知である。
特許文献1によれば、膨潤型吸油性ポリマー粒子やメチルシロキサン網状重合体を含有する凹凸部隠し用化粧料が記載されており、この化粧料は塗布後の皮膚表面の凹部に存在する該膨潤型吸油性ポリマーが膨潤して、体積が大きくなることでしわを確実に埋めることによりしわを隠す効果を発揮する。
特許文献2によれば、皮膚の凹凸を補正するために、オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体とパール顔料を含有する油性化粧料が記載されている。この化粧料は、塗布後において凹凸の凹部にオルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体とパール顔料が充填され、かつパール顔料により凹部表面が蓋をされるような状態とすることで、凹部を隠蔽する性質を備えている。
特許文献3によれば、シリコーンエラストマーとメチルトリメチコンを含有するサンスクリーン剤が記載されているものの、皮膚表面のしわを目立たなくするための化粧料ではない。
特許文献4によれば、架橋型オルガノポリシロキサン重合物、カプリリルメチコン、ジカプリン酸ネオペンチルグリコールを含有する皮膚表面の凹凸を目立たなくするための化粧料組成物が記載されている。
特許文献5の特に実施例によれば、オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体、デカメチルペンタシロキサン、ミリスチン酸2−エチルヘキシル及び水等を含有するサンスクリーンクリームが記載されている。
このような化粧料によれば、しわを目立たなくすることに対してある一定の効果を奏するものの、依然として不十分な効果に留まっていた。この理由としては、化粧料が含有するポリマー粒子の量が少なく、十分に充填できないこと、さらに仮に十分に充填できたとしても、ポリマー粒子1つ1つの周囲に存在する油剤との屈折率との関係により、目視によりしわの存在を確認できることが挙げられる。
またシリコーンエラストマー粒子を単に油剤に分散させてなる場合には、皮膚上の塗布層表面が平滑面になるので、入射した光が、シリコーンエラストマー粒子と油剤の界面の屈折率の差による屈折により、一応ランダムな方向に反射するに留まるので、しわを目立たせない効果は大きくはなかった。
本発明は、より自然な皮膚の外観を維持しつつ、さらにしわのみを目立たなくすることを課題とする。
1.組成物全体に対して、
a.シリコーンエラストマー粒子を40〜56重量%
b.非シリコーン系不揮発性油剤を20〜40重量%
c.シリコーン系揮発性油剤を4〜40重量%
のa〜c成分を含有するシリコーンエラストマー組成物。
2.b.非シリコーン系不揮発性油剤が、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、オクチルドデカノール及びイソノナン酸イソノリルから選ばれた1種以上である1に記載のシリコーンエラストマー組成物。
3.c.シリコーン系揮発性油剤が、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルトリメチコン、カプリリルメチコン及び揮発性ジメチコンから選ばれた1種以上である1又は2に記載のシリコーンエラストマー組成物。
4.皮膚化粧料全体に対して、
a.シリコーンエラストマー粒子を25〜56重量%
b.非シリコーン系不揮発性油剤を14〜40重量%
c.シリコーン系揮発性油剤を2.5〜40重量%
のa〜c成分を含有する皮膚化粧料。
5.b.非シリコーン系不揮発性油剤が、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、オクチルドデカノール及びイソノナン酸イソノリルから選ばれた1種以上である4に記載の皮膚化粧料。
6.c.シリコーン系揮発性油剤が、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルトリメチコン、カプリリルメチコン及び揮発性ジメチコンから選ばれた1種以上である4又は5に記載の皮膚化粧料。
本発明は、シリコーンエラストマー組成物全体に対して、a.シリコーンエラストマー粒子を40〜56重量%、b.非シリコーン系不揮発性油剤を20〜40重量%、c.シリコーン系揮発性油剤を4〜40重量%、のa〜c成分を含有するシリコーンエラストマー組成物であるか、又は皮膚化粧料全体に対して、a.シリコーンエラストマー粒子を25〜56重量%、b.非シリコーン系不揮発性油剤を14〜40重量%、c.シリコーン系揮発性油剤を2.5〜40重量%、のa〜c成分を含有する皮膚化粧料であり、静置した状態において、両油剤の混合相中にシリコーンエラストマー粒子が沈降せずに分散された状態である。
本発明において使用されるa.シリコーンエラストマー粒子としては、ジオルガノシロキシ単位(D単位)からなる直鎖状ジオルガノポリシロキサンの架橋物であり、側鎖若しくは末端に珪素結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと側鎖若しくは末端にアルケニル基等の不飽和炭化水素基を有するジオルガノポリシロキサンを、ヒドロシリル化反応触媒下で架橋反応させることによって好適に得ることができる。
シリコーンエラストマー粒子は、球状、扁平状、不定形状等種々の形状を取りうるが、入射する光をランダムな方向に反射させるためには、球状又は不定形状であることが好ましい。
シリコーンエラストマー粒子としては、電子顕微鏡を用いた観察による一次粒子径及び/又はレーザー回析/散乱法で測定された平均一次粒子径が0.1〜50μm、好ましくは1.0〜10μm、さらに好ましくは2.0〜5.0μmであり、且つ、一次粒子の形状が球状のシリコーンエラストマー粒子が好ましい。
また、一次粒子径分布のピークが2.0〜5.0μmであることが好ましい。
そして一次粒子が凝集してなる二次粒子の粒径は、その二次粒子の粒径分布のピーク(d50)が8.0〜100μmであり、好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは12〜30μmである。その粒径分布のd10は4.0〜15.0μmであり、好ましくは6.0〜10.0μmである。同様にd90は15〜100μmであり、好ましくは20〜80μm、さらに好ましくは25〜75μmである。
それぞれの粒径がこれらの範囲内であると、より確実にしわを目立たなくすることができる。
なお、本発明において、対象とするものは、しわ、毛穴、その他微細な皮膚表面の細かい凹部である。以下しわを例示して説明する。
このような、シリコーンエラストマー粒子自体とその周囲に存在する油剤との屈折率の差が存在することと、シリコーンエラストマー粒子の粒径分布が広いことに起因する効果に加えて、本発明中の特定の油剤との相互作用により、皮膚化粧料の塗布層表面には微細な凹凸が残存する。この表面の凹凸を通過する光もランダムな方向に出るので、この効果も相まって、皮膚表面のしわはさらに目立たないものとなる。
このような塗布層表面に凹凸が形成されるのは、シリコーンエラストマー組成物または配合皮膚化粧料を肌に塗布する過程で、表面が平滑にならずに、凹凸を形成しやすい特性を有すること、具体的には皮膚化粧料に含有されるシリコーンエラストマー粒子の存在と、特定の揮発性油剤と特定の不揮発性油剤を併用することによる。つまり、皮膚表面に皮膚化粧料を塗布した直後に形成される凹凸がまず光学的にしわを見えにくくする効果、そして塗布後に、表面近くにシリコーンエラストマー粒子が存在するときに、揮発性油剤が揮発するにつれて、皮膚化粧料の表面がランダムに収縮する。この結果として得られる凹凸と、塗布後に存在していた凹凸が複合することにより、揮発性油剤の揮発後において皮膚化粧料の層の表面にはさらに複雑な凹凸が生成する。
この凹凸が上記のように作用して、しわの凹部を目視により確認することが困難になる。
使用できるシリコーンエラストマー粒子の一例としては、東レ・ダウコーニング社製のトレフィルE−506S、トレフィルE−508、9701 Cosmetic Powder、9702 Powder、信越化学工業社のKSPシリーズ等が挙げられ、複数種のシリコーンエラストマーを併用することにより、より粒径分布が広いシリコーンエラストマーを配合できる。
なかでも、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーが好ましい。
また、シリコーンエラストマー粒子は、ジメチコン等の油剤を含浸し含有していても良く、このような油剤を含浸しなくても良い。このときには、シリコーンエラストマー粒子はシリコーンエラストマーと含浸された油剤等からなる。また、メチルハイドロジェンポリシロキサン、金属石鹸、シランカップリング剤、シリカ、酸化チタン等の無機酸化物、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロアルキルリン酸エステル塩等のフッ素化合物により表面処理されていないほうが、下記油剤との相互作用を発揮させる点において好ましい。また、本発明にて使用する溶剤により溶解しないことも必要である。
このシリコーンエラストマー粒子は、本発明のシリコーンエラストマー組成物中の含有量が40〜56重量%であることが好ましく、43〜53重量%であることがより好ましく、45〜50重量%が更に好ましく、47〜50重量%が最も好ましい。40重量%未満又は56重量%を超えると本発明による効果を発揮することが困難になる可能性がある。
また、皮膚化粧料としたときの皮膚化粧料中の含有量が25〜56重量%であることが好ましく、28〜37重量%であることがより好ましく、29〜35重量%が更に好ましく、30〜33重量%が更に好ましい。25重量%未満又は56重量%を超えると本発明による効果を発揮することが困難になる可能性がある。
ここで、不揮発性とは、油剤1gを直径48mmの円形に広げ、25℃、常圧かつ無風下で3時間放置後の質量減少率が3%以下のものをいう。なお、この質量減少率が3重量%を超えるものを揮発性という。
ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、リシノレイン酸オクチルドデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、エルカ酸オクチルドデシル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、アボカド油、ヒマワリ油、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、2−オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール等のエステル油、オレイルアルコール等の分岐又は不飽和の高級アルコール、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブテン、水添ポリイソブテン、水添ポリデセン、ワセリン等の炭化水素油、の1種以上を採用できる。
さらに、屈折率が1.430以上であるものが好ましい。
また粘度としては、1〜100mPa・s好ましくは1〜50mPa・sである油剤が好ましい。
この非シリコーン系不揮発性油剤は、本発明のシリコーンエラストマー組成物中含有量が20〜40重量%であることが好ましく、20〜35重量%であることがより好ましく、23〜32重量%が更に好ましい。20重量%未満又は40重量%を超えると皮膚化粧料としたときに、本発明による効果を発揮することが困難になる可能性がある。
また、非シリコーン系不揮発性油剤は、本発明の皮膚化粧料中の含有量が14〜40重量%であることが好ましく、17〜28重量%であることがより好ましく、18〜25が更に好ましく、20〜23重量%が最も好ましい。14重量%未満又は40重量%を超えると本発明による効果を発揮することが困難になる可能性がある。
シリコーン系揮発性油剤としては、その構造は限定されず、直鎖状、環状、分岐状のいずれであってもよい。シリコーン系油剤のメチル基及び/又はヒドロキシル基の一部又は全部を他の官能基に置き換えた変性シリコーンでもよい。変性シリコーンは、主鎖としてポリシロキサン結合の他に、アルキレン鎖、アミノアルキレン鎖又はポリエーテル鎖を有するものであってもよく、いわゆるブロック共重合体を含む。また、前記他の官能基は、ポリシロキサン鎖の側鎖又は末端の一方又は両方に有するものであってよい。
具体的には、アミノ変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、アミノ酸変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、アミドアルキル変性シリコーン、ポリアミド変性シリコーン、アミノグリコール変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、炭素原子数8〜30の高級アルキル変性シリコーンを挙げることができる。
このような揮発性の油剤を使用することにより、本発明の皮膚化粧料の粘度を低下させることができ、かつ、皮膚表面に塗布した後に揮発して、塗布層表面に凹凸を形成させることができる。
これらのシリコーン系油剤として、例えば、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジフェニルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、トリメチルペンタフェニルトリシロキサン、フェニル(トリメチルシロキシ)シロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルアルキルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン・メチルアルキルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン共重合体α,ω−ジエトキシポリジメチルシロキサン、高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、ジメチコノール、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−オクチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−ドデシルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−ヘキサデシルトリシロキサン、トリストリメチルシロキシメチルシラン、トリストリメチルシロキシアルキルシラン、テトラキストリメチルシロキシシラン、テトラメチル−1,3−ジヒドロキシジシロキサン、オクタメチル−1,7−ジヒドロキシテトラシロキサン、ヘキサメチル−1,5−ジエトキシトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルシクロペンタンシロキサン等の低分子量のものや、両末端トリメチルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン等が例示される。
また、カプリリルメチコンを使用することが好ましく、メチルトリメチコンとカプリリルメチコンを併用することがより好ましく、さらに好ましくはメチルトリメチコンとカプリリルメチコンを、重量比でメチルトリメチコン:カプリリルメチコン=1:2〜4:1、中でも1.0:1〜2.5:1、さらに1.1:1〜2.2:1の比率で併用することが好ましい。
さらに、屈折率が1.370〜1.420であるものが好ましい。
このシリコーン系揮発性油剤は、本発明のシリコーンエラストマー組成物中の含有量が4〜40重量%であることが好ましく、10〜35重量%であることがより好ましく、13〜32重量%が更に好ましく、20〜25重量%が最も好ましい。4重量%未満又は40重量%を超えると、皮膚化粧料としたときに本発明による効果を発揮することが困難になる可能性がある。
このシリコーン系揮発性油剤は、本発明の皮膚化粧料中の含有量が2.5〜40重量%であることが好ましく、7〜25重量%であることがより好ましく、10〜20重量%が更に好ましく、12〜16重量%が最も好ましい。2.5重量%未満又は40重量%を超えると本発明による効果を発揮することが困難になる可能性がある。
本発明の皮膚化粧料には、上記各油剤と相溶する有機溶剤を配合することができる。
使用できる溶剤としてはイソヘキサデカン等のパラフィン系溶剤が好ましい。
なお、デカン等のワックス系の溶剤を配合すると、塗布後において表面を凹凸に形成することが困難になるので好ましくない。
本発明の皮膚化粧料には、本発明の効果を阻害しない範囲においてその他の成分を配合することができる。
そのようなその他の成分としては、皮膚化粧料に配合できる周知の染料や顔料、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、(メタ)アクリル樹脂等の各種樹脂からなるエラストマーではない粒子、さらにシリコーンエラストマー以外のエラストマー粒子、公知の紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、粘剤、溶媒、防腐剤、香料、保湿剤、塩類、酸化防止剤、昆虫忌避剤等を配合することができる。
また、化粧料に配合することが公知の各種生理活性成分も配合することができる。そのような生理活性成分としては、アシタバエキス、アボカドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス等の植物由来のエキス、保湿剤、抗炎症剤、ビタミン類、ヒアルロン酸及びその塩、コンドロイチン硫酸及びその塩等のムコ多糖類;グリコール酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、及びそれらの塩等のヒドロキシ酸、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、メバロン酸、N−メチルセリン、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体などの細胞賦活剤、γ−オリザノールなどの血行促進剤、清涼剤等である。
さらにパール顔料等のフレーク状顔料を配合する必要はなく、液状シリコーンエラストマー、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、シリコーンゲル、ジメチコンは配合しないことが望ましい。
その結果として、本発明の皮膚化粧料は、シリコーンエラストマー粒子表面に非シリコーン系不揮発性油剤からなる層が形成され、さらにその層の表面にシリコーン系揮発性油剤からなる層が形成される。これにより、皮膚表面に塗布し、該シリコーン系揮発性油剤が揮発した後においても、形成された皮膚化粧料表面には凹凸が形成されること、さらに皮膚化粧料が含有するシリコーンエラストマー粒子自体が入射光及び反射光を拡散させることにより、目視にて皮膚表面のしわを目立たなくすることができる。
この結果、しわを有する皮膚上に本発明の皮膚化粧料を、通常の塗布量の範囲で塗布することにより、しわ内部にシリコーンエラストマー粒子が入ると共に、塗布層表面には、シリコーンエラストマー粒子の粒径を反映した多くの凸部が形成される。
このため、塗布層に入射した光は、しわを有する皮膚表面で反射することに加えて、少なくとも塗布層表面の凸部によるランダム方向への屈折や反射、シリコーンエラストマー粒子と油剤の界面での屈折、シリコーンエラストマー粒子の表面外側や内側での反射等の効果が総合されて、塗布層表面から外方に放射される。
この放射された光をみると、皮膚表面に存在したしわの形状や深さを確認する光線は、これら各反射や屈折により、目視にて確認できない程度にまで分散される。そのため、目視にて、しわを確認できないこととなる。
(厚づき・薄づき)
シリコーンエラストマー組成物の塗布後の厚みと光学的な隠蔽性を、厚づき及び薄づきで評価した。厚づきは深いしわや毛穴の隠蔽性を、薄づきは浅いしわや毛穴の隠蔽性を目視評価したものである。
◎は目視にて深い又は浅いしわや毛穴を十分に隠蔽でき、確認できなかったものである。
○は目視にて深い又は浅いしわや毛穴を隠蔽できたが、確認できない程度には隠蔽できなかったものである。
×は、目視にて深い又は浅いしわや毛穴を隠蔽できなかったか、又は隠蔽できたとしてもその程度が小さく、深い又は浅いしわや毛穴を十分に確認できたものである。
(感触)
シリコーンエラストマー組成物を塗布したときの感覚を、ベルベットに触れるような滑らかな感触に近いときをベルベットとした。また、油性感があり滑らかでない感触をシリコーンとした。本来はベルベットが好ましい。
(外観)
透明容器内に5mmの深さになるように、シリコーンエラストマー組成物を入れ、その上面から目視し、透明容器を置いた机表面を確認できたかどうかを確認して、その透明、半透明、不透明に分類した結果を示す。
(試料)
下記試験A及びBにて共通して使用する試料を下記により得た。
スライドグラスは松浪MASコートスライドグラスを採用し、このスライドグラスの片面の両端それぞれに厚さ50μmのニチバン製セロハンテープを1枚〜15枚積層(厚さ合計50〜750μm)した。
積層したセロハンテープの間に形成された凹部の区域に対して、積層したニチバン製セロハンテープと同じ塗布厚みになるように各種皮膚化粧料を十分に塗布した。
皮膚化粧料の塗布部をガラス製薄板により覆った試料を得た。
また一旦ガラス製薄板により覆った試料について、そのガラス製薄板を剥離してなる試料も作成した。
図1に示す文字が印刷されたA4サイズの紙の上に皮膚化粧料層を設けたスライドグラスを、皮膚化粧料層を上面にした状態で直接載せた。その上面から、文字をデジタルカメラ(Canon製G9X)にて撮影すると共に目視にて確認し、文字を明瞭に確認できるか、又はぼやけているかを判断した。
基台に固定した試料に対して、レーザー(ZK electric works 社製 赤色レーザーポインター波長650nm)を照射し、スライドグラスから25cm離れた箇所から、散乱像をデジタルカメラ(Canon製G9X)により撮影した。
この図2において、49と付されているものは、スライドグラス上の2箇所に厚さ50μmのニチバン製セロハンテープをそれぞれ1枚張り、計50μmの厚さとし、その間に皮膚化粧料を塗布し、ガラス製薄板を張り付けてなるものである。以後順に50と付されたものはそれぞれ2枚で100μm、51と付されたものはそれぞれ3枚で150μm、52と付されたものはそれぞれ5枚で250μm、53と付されたものはそれぞれ10枚で500μm、54と付されたものはそれぞれ15枚で750μmの厚さとしている。
これらの厚さにあわせるようにして皮膚化粧料をセロハンテープの間のスライドグラス上に塗布し、さらにこの上にガラス製薄板を設けて、正確にそれぞれの厚さとした。
図2はこの状態で行った上記試験Aの結果である。
皮膚化粧料の層が厚くなるに従い、文字がぼやけて判別することが困難になる。判別することが困難な厚さであっても、文字が印刷された紙の印象は残っている。
厚さが150μm以上であるときには、特に散乱像が大きいので、光がより広く拡散したことがわかる。光がより広く拡散することは、皮膚化粧料を塗布した皮膚表面に対して、該皮膚化粧料層を透過した光が当たり、その皮膚表面にて反射した光が再度皮膚化粧料層を通過するとき、その2回の皮膚化粧料層の通過により、光が拡散されるので、目視により皮膚表面のしわを確認することができないことを意味している。
この実施例3のみではなく、実施例1及び2についても、同様の結果を示していたが、文字の判別が最も困難になり、かつレーザー光が最も広く拡散した例は実施例3であった。
さらに、実施例1〜3の試料について、一旦設けたガラス製薄板を剥離した後の試料についても試験A及びBを行った。この場合の各試料は、剥離時においてガラス製薄板に付着して除去される皮膚化粧料があるので、それぞれの厚さよりも実際には薄くなる。
ただし、剥離に伴い、皮膚化粧料層表面は平面ではなく、微細な凹凸が形成され、かつ該凹凸が維持されることも相まって、下記図2及び3に示すような結果と同程度の結果を得た。
また実施例4の試験A及びBの結果は、実施例1〜3による結果より若干劣る結果であったが、ある程度は皮膚上のしわを目立たなくすることができた。
また、塗布後の皮膚化粧料は透明から半透明を呈しており、皮膚面の感触もシリコーン感からベルベット感であり、粗くなく、かつざらざら感もなく、きめ細かい感触となった。
特に厚づきと感触が共に不良である実施例はなかった。
これに対して比較例1はシリコーンエラストマー粒子の含有量が40重量%未満であった例である。この例によれば、厚づき及び薄づきは共に不良であり、皮膚上に対して目的の厚さになるように塗布することが困難であった。
なお、KSP−100はシリコーンレジン被覆シリコーンゴム((ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー)である。
図4はこの状態で行った上記試験Bの結果である。
図4の1は比較例2の結果であり、2は実施例7の結果である。
図5はガラス製薄膜を剥離した後の試料に対する上記試験Bの結果であり、図5の1は比較例2の結果であり、2は実施例7の結果である。
図4及び5の結果によれば、比較例2の組成では、中央部のレーザー光部分は十分に大きい輝度を有しており、照射されたレーザー光が十分に拡散されなかったが、実施例7の組成によれば中央部のレーザー光部分の輝度が低く、照射されたレーザー光は十分に拡散されたことを確認できた。
上記の結果によれば、本発明のシリコーンエラストマー組成物及び皮膚化粧料を皮膚表面に塗布することによって、皮膚表面のしわや毛穴等を目視にて確認できない程度に隠蔽することができる。かつ、皮膚表面の塗布部が周囲の非塗布部と比較して、明るさや色が違わずに自然な状態であり、皮膚自体が有する明度や色等を損なうことがない。
Claims (6)
- 組成物全体に対して、
a.シリコーンエラストマー粒子を40〜56重量%
b.非シリコーン系不揮発性油剤を20〜40重量%
c.シリコーン系揮発性油剤を4〜40重量%
のa〜c成分を含有するシリコーンエラストマー組成物。 - b.非シリコーン系不揮発性油剤が、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、オクチルドデカノール及びイソノナン酸イソノリルから選ばれた1種以上である請求項1に記載のシリコーンエラストマー組成物。
- c.シリコーン系揮発性油剤が、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルトリメチコン、カプリリルメチコン及び揮発性ジメチコンから選ばれた1種以上である請求項1又は2に記載のシリコーンエラストマー組成物。
- 皮膚化粧料全体に対して、
a.シリコーンエラストマー粒子を25〜56重量%
b.非シリコーン系不揮発性油剤を14〜40重量%
c.シリコーン系揮発性油剤を2.5〜40重量%
のa〜c成分を含有する皮膚化粧料。 - b.非シリコーン系不揮発性油剤が、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、オクチルドデカノール及びイソノナン酸イソノリルから選ばれた1種以上である請求項4に記載の皮膚化粧料。
- c.シリコーン系揮発性油剤が、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルトリメチコン、カプリリルメチコン及び揮発性ジメチコンから選ばれた1種以上である請求項4又は5に記載の皮膚化粧料。
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