JP6105300B2 - 水中油型メイクアップ化粧料 - Google Patents
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Description
(A)ジェランガム
(B)リン脂質
(C)コレステロール及び/又はフィトステロール
(D)板状粉体
を配合したことを特徴とする水中油型メイクアップ化粧料を提供するものである。
本発明において、前記成分(B)リン脂質と成分(C)コレステロール及び/又はフィトステロールの配合質量比は1:0.1〜1:1でありうる。
本発明において、前記成分(D)が撥水撥油処理されているものを含みうる。
本発明において、前記化粧料はさらに油性成分を配合し、当該油性成分の配合量が0.1〜10質量%でありうる。
本発明において、前記成分(D)板状粉体の配合量は10〜55質量%でありうる。
本発明において、前記成分(A)ジェランガムの配合量は0.1〜5質量%であり、且つ、前記成分(B)リン脂質の配合量は0.01〜10質量%でありうる。
本発明に用いられる成分(A)ジェランガムは、水で膨潤させることで弾力のあるゲルを形成する水性ゲル化剤である。ジェランガムには脱アシル型ジェランガムやネイティブ型ジェランガムがあり、本発明においては、どちらも好適に使用することができる。ジェランガムは、食品、化粧品などで用いられており、市販品としては、ケルコゲル、ケルコゲル LT100、ケルコゲル HM(以上、大日本住友製薬社製)等、があり、これらの一種又は二種以上を組み合わせて配合することもできる。
具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、モンタンワックス、フィッシャトロプスワックス等の炭化水素類、モクロウ、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、ホホバ油、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、メチルフェニルポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、オクタン酸デキストリン、ラウリン酸デキストリン、パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、ベヘニン酸デキストリン、ヤシ油脂肪酸デキストリン、(パルミチン酸/オクタン酸)デキストリン、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類、水添ロジン酸ペンタエリスリチル、特定のアクリル酸アルキルメチルポリシロキサンエステル等の油溶性樹脂、軽質流動イソパラフィン、イソドデカン等の炭化水素油、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、メチルトリメチコン、低重合度ジメチルポリシロキサン等のシリコーン類等の揮発性油剤等が挙げられる。これらの油剤は必要に応じて一種又は二種以上を用いることができる。
水溶性高分子としては、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン等の天然系のもの、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキシビニルポリマー、アルキル付加カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成系のものを挙げることができる。タンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等の他の保湿剤を含有する事もできる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等、保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等、酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、1,2―ペンタンジオール等が挙げられる。
表1に示す処方のチークブラッシュを調製し、a.ぼかしやすさ、b.フィット感、c.肌への負担感のなさ、d.化粧持ちについて下記の方法により評価した。結果を表1に示す。
A.成分(1)を成分(2)の一部で均一に加温膨潤する。
B.成分(2)の残部と成分(3)、(19)〜(23)を加温混合し、そこに加温した成分(24)〜(28)を加えて乳化する。
C.AにB、成分(4)〜(18)を加えて均一に混合する。
D.Cを脱泡し、容器に充填してチークブラッシュ(ゲル状)を得た。
下記a〜dの評価項目について、専門パネル20名による使用テストを行った。パネル各人が実施例1〜6及び比較例1〜5の各チークブラッシュを指で使用し、下記の絶対評価基準にて7段階に評価し評点をつけ、各試料についてパネル全員の評点の合計からその平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
a.ぼかしやすさは、指でまぶたに塗布する際に自然な仕上がりになるかを、b.フィット感は、肌への密着感があるかを、c.肌への負担感のなさは、仕上がった後につっぱるような違和感を感じるかどうかを、それぞれ評価した。また、d.化粧持ちについては、各試料を塗布し、パネルに通常の生活をしてもらった後、6時間後に涙や汗などで化粧膜がくずれていないかを評価した。
a.ぼかしやすさ
b.フィット感
c.肌への負担感のなさ
d.化粧持ち
[絶対評価基準]
(評点):(評価)
6 :非常に良い
5 :良い
4 :やや良い
3 :普通
2 :やや悪い
1 :悪い
0 :非常に悪い
[4段階判定基準]
(判定):(評点の平均点)
◎ :5点を超える :非常に良好
○ :3.5点を超え5点以下:良好
△ :1点を超え3.5点以下:やや不良
× :1点以下 :不良
表1の結果から明らかな如く、本発明の実施例1〜6のチークブラッシュは、比較例1〜5に比べ、ぼかしやすさ、フィット感、肌への負担感のなさ、化粧持ちの全てにおいて優れたものであった。これに対して、成分(B)のリン脂質を含まない比較例1は、安定性の面でも懸念があり、全ての項目において評価が劣るものであった。成分(C)のコレステロールおよびフィトステロールを含まない比較例2では、フィット感以外は満足のいくものが得られなかった。また、成分(D)の板状粉体を含まず、代わりに不定形粉体であるタルクを配合した比較例3では、ぼかしにくくフィット感も感じにくく、板状粉体の代わりに球状粉体である(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマーを配合した比較例4は、化粧料が伸び広がりすぎてぼかしにくく、フィット感も感じにくく、化粧持ちの点においても満足のいくものが得られなかった。化粧持ち向上のため、皮膜形成剤であるアクリル酸アルキル共重合体エマルジョンを配合した比較例5は、ぼかしやすさや負担感のなさの点で劣るものであった。
(成分) (%)
1.脱アシル型ジェランガム 0.5
2.水 残量
3.1,3−ブチレングリコール 1
4.トリエタノールアミン 0.1
5.ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート 0.3
6.タルク 3
7.酸化チタン被覆合成金雲母 (板状) ※7 10
8.パーフルオロオクチルトリエトキシシラン3%処理
酸化チタン被覆マイカ(板状) ※8 10
9.パーフルオロオクチルトリエトキシシラン3%処理
酸化チタン被覆ガラス末(板状) ※9 10
10.(PET/Al/エポキシ樹脂)ラミネート(板状) ※10 1
11.リン脂質 0.15
12.コレステロール 0.05
13.モノステアリン酸グリセリン 1
14.セタノール 1
15.流動パラフィン 0.5
16.スクワラン 1
17.トリオクタン酸グリセリル 1.5
18.ジペンタエリトリットテトラ12−ヒドロキシステアリン酸
セスキステアリン酸ヘミロジンエステル 0.25
19.ジメチルポリシロキサン(6cs) 0.25
※7:HELIOS R100S(トピー工業社製)
※8:パーフルオロオクチルトリエトキシシラン3%処理
FLAMENCO BLUE(大東化成工業社製)
※9:パーフルオロオクチルトリエトキシシラン3%処理
メタシャインMT1080RG(大東化成工業社製)
※10:アルミフレーク ゴールド 0.15mm(角八魚鱗箔社製)
A.成分(1)を成分(2)の一部にて均一に加温膨潤する。
B.成分(2)の残部、(3)〜(5)、(11)、(12)を均一に加温分散する。
C.成分(13)〜(19)を加温溶解する。
D.A、Bを混合し、そこにCを加えて乳化する。
E.Dに成分(6)〜(10)を添加し混合する。
F.Eを脱泡し、容器に充填して、ゲル状アイカラーを得た。
(結果)
実施例7のアイカラーは、ぼかしやすさ、フィット感、肌への負担感のなさ、化粧持ち、全ての項目に優れたアイカラーであった。
(成分) (%)
1.ネイティブジェランガム ※1 0.1
2.水 残量
3.EDTA−2Na 0.05
4.トリエタノールアミン 0.1
5.1,3−ブチレングリコール 10
6.リン脂質 0.1
7.コレステロール 0.02
8.ポリオキシエチレンセチルエーテル 0.5
9.セリサイト(板状、平均粒径10μm) 2
10.板状セルロース(板状、平均粒径18μm) 2
11.パーフルオロオクチルトリエトキシシラン処理黒酸化鉄 ※11 5
12.合成金雲母(板状、平均粒径10μm) ※12 5
13.黒酸化鉄被覆マイカ 10
14.(アクリレーツ/VA)コポリマー 20
15.リンゴ酸ジイソステアリル 0.5
16.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル
/セチル/ステアリル/ベヘニル) 0.5
17.ジメチコノール 0.3
18.水添ポリイソブテン 1
※11:COLORONA MICA BLACK(メルク社製)
※12:PDM−10S(トピー工業社製)
A.成分(1)を(2)の一部で均一に加温膨潤する。
B.成分(2)の一部、(5)の一部と(6)、(7)を均一に分散し、加温する。
C.成分(15)〜(18)を加温溶解する。
D.BにCを加え乳化する。
E.AにD、成分(3)、(4)、(8)〜(14)を均一に混合する。
F.Eを脱泡し容器に充填してアイライナーを得た。
(結果)
実施例8のアイライナーは、フィット感、化粧持ち、肌への負担感のなさの項目に優れたアイライナーであった。
(成分) (%)
1.ネイティブジェランガム ※1 0.5
2.水 残量
3.L−アルギニン 0.3
4.EDTA−2Na 0.05
5.塩化カルシウム 0.03
6.フェノキシエタノール 0.3
7.1,3−ブチレングリコール 15
8.リン脂質 3.5
9.フィトステロール 0.5
10.グリセリン 13
11.ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウム 0.3
12.ジメチルポリシロキサン処理タルク 3.5
13.ジメチルポリシロキサン処理黄酸化鉄 1.5
14.ジメチルポリシロキサン処理黒酸化鉄 0.1
15.ジメチルポリシロキサン処理ベンガラ 0.1
16.ジメチルポリシロキサン処理板状酸化チタン 7
17.ジメチルポリシロキサン処理板状硫酸バリウム 3
18.ポリエチレンテレフタレート微細粉末 10
19.セタノール 1.5
20.流動パラフィン 1
21.スクワラン 2
22.トリオクタン酸グリセリル 1
23.ジペンタエリトリットテトラ12−ヒドロキシステアリン酸
セスキステアリン酸ヘミロジンエステル 0.5
24.ジメチルポリシロキサン(20cs) 0.5
A.成分(1)を成分(2)にて均一に加温膨潤する。
B.成分(3)〜(18)を均一に分散する。
C.成分(19)〜(24)を加熱溶解する。
D.A、Bを混合し、そこにCを加えて乳化する。
E.Dを必要に応じて加温溶解し、脱泡して容器に充填した後、室温まで冷却して、固型状ファンデーションを得た。
(結果)
実施例9のファンデーションは、ぼかしやすさ、フィット感、化粧持ち、肌への負担感のなさ全ての項目に優れたファンデーションであった。
(成分) (%)
1.脱アシル型ジェランガム 0.3
2.カラギーナン 0.1
3.キサンタンガム 0.1
4.リン脂質 3.5
5.コレステロール 0.5
6.ステアロイルグルタミン酸ナトリウム 0.15
7.1,3−ブチレングリコール 15
8.1,2−ペンチレングリコール 3
9.グリセリン 10
10.EDTA−2Na 0.1
11.パーフルオロオクチルトリエトキシシラン処理酸化チタン 2
12.パーフルオロオクチルトリエトキシシラン処理ベンガラ 0.2
13.合成金雲母 10
14.パーフルオロオクチルトリエトキシシラン処理
ヒドロキシフルオロケイ酸(Mg/K) 10
15.セスキオレイン酸ソルビタン 0.2
16.フェニルベンズイミダゾールスルホン酸 1
17.スクワラン 1
18.パラメトキシケイ皮酸オクチル 2
19.トリオクタン酸グリセリル 1
20.ワセリン 0.5
21.香料 0.1
22.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
23.精製水 残量
A.成分(1)〜(3)、(9)〜(16)と、(7)の一部、(8)、(23)の一部で均一に加温溶解する。
B.成分(17)〜(22)と、(4)、(5)、(7)の残部と(23)の残部を70℃に加温し乳化し冷却する。
C.A,Bを60℃で加温混合し、冷却する。
D.Cを50℃に再加温し、化粧料容器に充填して、ゲル状下地を得た。
(結果)
実施例10の下地化粧料は、ぼかしやすさ、フィット感、化粧持ち、肌への負担感のなさ全ての項目に優れた下地化粧料であった。
Claims (6)
- 次の成分(A)〜(D);
(A)ジェランガム
(B)リン脂質
(C)コレステロール及び/又はフィトステロール
(D)板状粉体
を配合したことを特徴とする水中油型メイクアップ化粧料。 - 前記成分(B)リン脂質と成分(C)コレステロール及び/又はフィトステロールの配合質量比が1:0.1〜1:1であることを特徴とする請求項1に記載の水中油型メイクアップ化粧料。
- 前記成分(D)が撥水撥油処理されているものを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の水中油型メイクアップ化粧料。
- さらに油性成分を配合し、当該油性成分の配合量が0.1〜10質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水中油型メイクアップ化粧料。
- 前記成分(D)板状粉体の配合量が10〜55質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の水中油型メイクアップ化粧料。
- 前記成分(A)ジェランガムの配合量が0.1〜5質量%であり、且つ、前記成分(B)リン脂質の配合量が0.01〜10質量%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の水中油型メイクアップ化粧料。
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