JP2019148233A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料カットから復帰する際の燃料の噴射量の適正化を図る。【解決手段】気筒に対する燃料噴射を一時的に中断する燃料カットから復帰する際に行う燃料噴射における燃料の噴射量を決定するものであり、燃料を噴射しその燃焼を実施している間の気筒の燃焼室内温度の上昇の度合いと、燃料カットを実施している間の気筒の燃焼室内温度の低下の度合いとをそれぞれ求め、それら両者を基に推測される、燃料カットから復帰する際の気筒の燃焼室内温度の高低に応じて、燃料カットから復帰する際に噴射する燃料の量を調整する内燃機関の制御装置を構成した。【選択図】図5

Description

本発明は、車両等に搭載される内燃機関を制御する制御装置に関する。
内燃機関が搭載された車両にあっては、その運転状況に応じて内燃機関の気筒に対する燃料噴射を一時中断する燃料カットを行うことが知られている(例えば、下記特許文献を参照)。一般的には、運転者によるアクセルペダルの踏込量が0または0に近い閾値以下となり、かつエンジン回転数が燃料カット許可回転数以上に高いときに、燃料カット条件が成立したものとして燃料カットを実行する。そして、アクセルペダルの踏込量が閾値を上回った、エンジン回転数が燃料カット復帰回転数まで低下した等の何れかの燃料カット終了条件が成立したときに、燃料カットから復帰して燃料噴射を再開する。
燃料カットからの復帰時には、燃料の噴射量ひいては気筒に吸引される燃料の量を平常よりも増量する。このとき、各気筒毎にその行程に合わせて燃料を噴射する同期噴射に加えて、臨時に燃料を噴射する非同期噴射を実行することで、燃料の増量を実現することもある。その目的は、主として、燃料カット中に気筒の燃焼室内の温度が低下することに伴う燃焼の不安定化を回避するためである。また、気筒に連なる吸気ポートに向けて燃料を噴射するポート噴射式の内燃機関にあっては、燃料カットからの復帰時に、インジェクタから噴射した燃料が液化した状態で吸気ポートに付着するポートウェットがより多く発生する。その分気筒に吸引される燃料の量が減少するので、それを補う必要がある。さらには、燃料カット中に燃料成分を含まない新気が排気浄化用の三元触媒に流入することから、触媒に吸蔵された余剰の酸素をパージする意図もある。
特開2016−183607号公報
現状、燃料カットから復帰する際に噴射する燃料の量は、そのときの内燃機関の冷却水温、及び燃料カット期間の長さを基に決定している。即ち、水温センサを介して検出される冷却水温が低いほど燃料噴射量を増量し、燃料カット期間が長いほど燃料噴射量を増量している。
しかしながら、燃料カットからの復帰時における気筒の燃焼室内温度は、冷却水温及び燃料カット期間の長さだけでは一意に定まらない。具体例を挙げると、
(1−1)冷却水温が−20℃の状態で停止している内燃機関を冷間始動し、高負荷運転を行い冷却水温が20℃まで上昇した後に燃料カットを実行し、その燃料カットから復帰するとき
(1−2)冷却水温が20℃の状態で停止している内燃機関を冷間始動した直後に燃料カットを実行し、その燃料カットから復帰するとき
では、たとえ冷却水温及び燃料カット期間の長さが同等であったとしても、気筒の燃焼室内温度は大きく異なる。(1−1)のケースでは、ある程度以上内燃機関の暖機運転が行われた後の燃料カットなので、燃焼室内温度が高い。それに対して、(1−2)のケースでは、内燃機関が常温に近い状態での燃料カットなので、燃焼室内温度が低い。そして、後者のケースの方が燃焼が不安定化しやすい。にもかかわらず、双方のケースで同量の燃料を噴射すると、前者のケースで燃料の量が過剰となって燃費及びエミッションの悪化に繋がる可能性があり、あるいは後者のケースで燃料の量が不十分となって燃焼の不安定ないしは失火を招きかねない。
また、
(2−1)内燃機関の始動後、短期間燃料カットを実行し、その燃料カットから復帰するとき
(2−2)内燃機関の始動後、長期間燃料カットを実行してから燃料噴射を再開し、その後再度短期間の燃料カットを実行して、その燃料カットから復帰するとき
でも、気筒の燃焼室内温度が大きく異なり得る。(2−1)のケースよりも(2−2)のケースの方が、燃料カットに起因する燃焼室内温度の低下の度合いが大きく、そしてやはり燃焼が不安定化しやすい。
本発明は、以上の問題に初めて着目してなされたものであり、燃料カットから復帰する際の燃料の噴射量の適正化を図ることを所期の目的としている。
本発明では、気筒に対する燃料噴射を一時的に中断する燃料カットから復帰する際に行う燃料噴射における燃料の噴射量を決定するものであり、燃料を噴射しその燃焼を実施している間の気筒の燃焼室内温度の上昇の度合いと、燃料カットを実施している間の気筒の燃焼室内温度の低下の度合いとをそれぞれ求め、それら両者を基に推測される、燃料カットから復帰する際の気筒の燃焼室内温度の高低に応じて、燃料カットから復帰する際に噴射する燃料の量を調整する内燃機関の制御装置を構成した。
その上で、過去に推測した気筒の燃焼室内温度に、その後の燃料を噴射しその燃焼を実施している間の気筒の燃焼室内温度の上昇の度合いと、その後の燃料カットを実施している間の気筒の燃焼室内温度の低下の度合いとを合算することで、現在の気筒の燃焼室内温度を推測するとともに、気筒の燃焼室内温度に対する上限値を予め設けておき、推測される現在の気筒の燃焼室内温度が当該上限値を超える場合には、現在の気筒の燃焼室内温度を当該上限値にクリップし、なおかつ、燃料カットから復帰する際に噴射する燃料の量を決定するにあたり、現在の気筒の燃焼室内温度が所定値から前記上限値までの範囲内にある場合の燃料の噴射量を、現在の気筒の燃焼室内温度がその範囲未満である場合の燃料の噴射量よりも減じるものとすることが好ましい。
本発明によれば、燃料カットから復帰する際の燃料の噴射量の適正化を図ることができる。
本発明の一実施形態における内燃機関及び制御装置の概略構成を示す図。 燃料噴射及び燃焼を実施している間の、吸気量及び冷却水温と、単位時間または単位サイクル回数あたりの燃焼室内温度の上昇量との関係を規定したマップデータを例示する図。 燃料カットを実施している間の、吸気量及び冷却水温と、単位時間または単位サイクル回数あたりの燃焼室内温度の低下量との関係を規定したマップデータを例示する図。 内燃機関の停止中の冷却水温または潤滑油温の低下量と、再始動時の燃焼室内温度の初期値との関係を規定したマップデータを例示する図。 燃料カットからの復帰時における燃焼室内温度と、燃料カットからの復帰時に噴射する燃料の量との関係を規定したマップデータを例示する図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、ポート噴射式の4ストローク火花点火エンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、各気筒1毎に、当該気筒1に連なる吸気ポートに向けて燃料を噴射するインジェクタ11を設置している。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイルは、半導体スイッチング素子であるイグナイタとともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、吸気絞り弁である電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させたことで生じる排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
排気通路4における触媒41の上流及び/または下流には、排気通路4を流通する排気ガスの空燃比を検出するための空燃比センサ43、44を設置する。空燃比センサ43、44は、排気ガスの空燃比に比例した出力特性を有するリニアA/Fセンサであってもよいし、排気ガスの空燃比に対して非線形な出力特性を有するO2センサであってもよい。
外部EGR(Exhaust Gas Recirculation)装置2は、いわゆる高圧ループEGRを実現するものであり、排気通路4における触媒41の上流側と吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側とを連通する外部EGR通路21と、EGR通路21上に設けたEGRクーラ22と、EGR通路21を開閉し当該EGR通路21を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ23とを要素とする。EGR通路21の入口は、排気通路4における排気マニホルド42またはその下流の所定箇所に接続している。EGR通路21の出口は、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流の所定箇所、具体的にはサージタンク33に接続している。
本実施形態の内燃機関の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
ECU0の入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するクランク角センサ(エンジン回転センサ)から出力されるクランク角信号b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求されるエンジン負荷率)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号d、内燃機関の冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号e、触媒41の上流側における排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ43から出力される空燃比信号f、触媒41の下流側における排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ44から出力される空燃比信号g、大気圧を検出する大気圧センサから出力される大気圧信号h等が入力される。
ECU0の出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタに対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、EGRバルブ23に対して開度操作信号l等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、気筒1に吸入される吸気量(または、新気量)に見合った要求燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング、要求EGR量(または、EGR率)等といった運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、lを出力インタフェースを介して印加する。
本実施形態のECU0は、運転状況に応じて、気筒1への燃料供給を一時中断する燃料カットを実施する。ECU0は、所定の燃料カット条件が成立したときに、燃料カット即ちインジェクタ11からの燃料噴射を停止する。ECU0は、例えば、少なくとも、アクセルペダルの踏込量が0または0に近い閾値以下となり、かつエンジン回転数が燃料カット許可回転数以上あることを以て、燃料カット条件が成立したものと判断する。
燃料カット中は、スロットルバルブ32をアクセルペダルの踏込量(0または0に近い)に依拠しない開度に開いておく。この操作は、燃料カット中の内燃機関のポンピングロスを低減してエンジン回転の減速を遅らせるために行う。このときのスロットルバルブ32の開度は、一定値としてもよいし、車速等に応じて増減させてもよいが、何れにせよ比較的大きな開度とする。
ECU0は、所定の燃料カット終了条件が成立したときに、燃料カットから復帰することとして、インジェクタ11からの燃料噴射を再開する。ECU0は、例えば、アクセルペダルの踏込量が閾値を上回った、エンジン回転数が燃料カット復帰回転数まで低下した等のうち何れかを以て、燃料カット終了条件が成立したものと判断する。
燃料カットから復帰する際には、インジェクタ11から噴射する燃料の量を平常よりも増量する。通常は、エンジン回転数及び吸気圧等から推定される、気筒1に吸入される吸気量に比例して、その吸気量に対する空燃比が理論空燃比またはその近傍の目標空燃比となるように燃料の噴射量を決定するが、燃料カットからの復帰時には、それを上回る量となるように、即ち吸気量に対する空燃比が理論空燃比またはその近傍の目標空燃比よりも小さくなる(リッチとなる)ように燃料の噴射量を増量補正する。なお、各気筒1毎にその行程に合わせて(ポート噴射式の内燃機関にあっては、吸気行程またはその直前の排気行程中の好適なタイミングで)インジェクタ11から燃料を噴射する同期噴射に加えて、燃料カットからの復帰時に各気筒1の行程によらず臨時に(特に、複数のまたは全ての気筒1に対してインジェクタ11から一斉に)燃料を噴射する非同期噴射を実行することで、燃料の増量を実現することもある。
詳述すると、本実施形態のECU0は、燃料を噴射してその燃焼を実施している間の気筒1の燃焼室内温度の上昇の度合いと、燃料噴射及び燃焼を中断する燃料カットを実施している間の気筒1の燃焼室内温度の低下の度合いとをそれぞれ求め、それら両者を基に推測される、燃料カットから復帰する際の気筒1の燃焼室内温度の高低に応じて、燃料カットから復帰する際に噴射する燃料の量を調整する。
燃料噴射及び燃焼を実施している間の気筒1の燃焼室内温度の上昇の度合いは、気筒1に吸入される吸気量、及び内燃機関の温度を示唆する冷却水温を基に求める。ECU0は、例えば図2に示すようなマップデータを予めメモリに格納している。このマップは、燃料噴射及び燃焼を実施している間の、吸気量及び冷却水温と、単位時間または単位サイクル回数(吸気行程−圧縮行程−膨脹行程−排気行程の一連を一サイクルとする。単位サイクル回数とは、一回若しくは所定の複数回のサイクルを指す)あたりの燃焼室内温度の上昇量との関係を規定するものである。但し、内燃機関の潤滑油温を検出する油温センサが実装されている場合には、潤滑油温を以て冷却水温に代えることができる。傾向としては、吸気量が多いほど単位時間または単位サイクル回数あたりの燃焼室内温度の上昇量が大きくなり、また冷却水温が高いほど単位時間または単位サイクル回数あたりの燃焼室内温度の上昇量が大きくなる。吸気量が多いことは、それに合わせて燃料噴射量も多いことを意味する。
ECU0は、燃料噴射及び燃焼を実施している間、単位時間または単位サイクル回数毎に反復的に、そのときの吸気量及び冷却水温をキーとして当該マップを検索し、単位時間または単位サイクル回数あたりの燃焼室内温度の上昇量を知得する。そして、直近の過去の演算機会に算出した燃焼室内温度のカウンタ値にその上昇量を加算することで、現在の燃焼室内温度のカウンタ値を得る。
ここで、気筒1に吸入される吸気の温度もまた燃焼室内温度に影響を及ぼし得るので、そのときの吸気温に応じて単位時間または単位サイクル回数あたりの燃焼室内温度の上昇量を補正してもよい。この場合には、吸気温が高いほど、単位時間または単位サイクル回数あたりの燃焼室内温度の上昇量を加増する。あるいは、ECU0のメモリに、吸気量、冷却水温及び吸気温と、単位時間または単位サイクル回数あたりの燃焼室内温度の上昇量との関係を規定したマップデータを格納しておき、このマップを参照して吸気温の影響を加味した単位時間または単位サイクル回数あたりの燃焼室内温度の上昇量を知得することとしてもよい。
翻って、燃料カットを実施している間の気筒1の燃焼室内温度の低下の度合いは、気筒1に吸入される吸気量、及び内燃機関の温度を示唆する冷却水温を基に求める。ECU0は、例えば図3に示すようなマップデータを予めメモリに格納している。このマップは、燃料カットを実施している間の、吸気量及び冷却水温と、単位時間または単位サイクル回数あたりの燃焼室内温度の低下量との関係を規定するものである。但し、内燃機関の潤滑油温を検出する油温センサが実装されている場合には、潤滑油温を以て冷却水温に代えることができる。傾向としては、吸気量が多いほど単位時間または単位サイクル回数あたりの燃焼室内温度の低下量が大きくなり、また冷却水温が低いほど単位時間または単位サイクル回数あたりの燃焼室内温度の低下量が大きくなる。
ECU0は、燃料カットを実施している間、単位時間または単位サイクル回数毎に反復的に、そのときの吸気量及び冷却水温をキーとして当該マップを検索し、単位時間または単位サイクル回数あたりの燃焼室内温度の低下量を知得する。そして、直近の過去の演算機会に算出した燃焼室内温度のカウンタ値にその低下量を加算することで、現在の燃焼室内温度のカウンタ値を得る。
ここで、気筒1に吸入される吸気の温度もまた燃焼室内温度に影響を及ぼし得るので、そのときの吸気温に応じて単位時間または単位サイクル回数あたりの燃焼室内温度の低下量を補正してもよい。この場合には、吸気温が低いほど、単位時間または単位サイクル回数あたりの燃焼室内温度の低下量を加増する。あるいは、ECU0のメモリに、吸気量、冷却水温及び吸気温と、単位時間または単位サイクル回数あたりの燃焼室内温度の低下量との関係を規定したマップデータを格納しておき、このマップを参照して吸気温の影響を加味した単位時間または単位サイクル回数あたりの燃焼室内温度の低下量を知得することとしてもよい。
このように、ECU0は、燃料噴射及び燃焼を実施している間は単位時間または単位サイクル回数毎に温度上昇量を燃焼室内温度のカウンタ値に加算し、燃料カットを実施している間は単位時間または単位サイクル回数毎に温度低下量を燃焼室内温度のカウンタ値に加算することで、現在の燃焼室内温度を随時演算している。いわば、単位時間または単位サイクル回数あたりの燃焼室内温度の上昇量及び低下量を時間積分(積算)している。従って、ECU0は、燃料カットからの復帰時における燃焼室内温度の推測値をも得ており、その推測値の高低に応じて、燃料カットからの復帰時の燃料噴射量を増減調整することができる。
因みに、気筒1の燃焼室内温度のカウンタの初期値、即ちイグニッションスイッチ(または、イグニッションキー、スタートスイッチ、エンジンスイッチ)がOFFからONに操作されて内燃機関を始動したときの燃焼室内温度の初期値は、その始動時の冷却水温、潤滑油温、または外気温若しくはエンジンルーム内の温度としてもよいが、直近にイグニッションスイッチがOFFに操作されて内燃機関を停止したときの燃焼室内温度のカウンタ値を基に決定してもよい。その場合、例えば、内燃機関の停止時の冷却水温または潤滑油温と、その後の再始動時の冷却水温または潤滑油温との差分、つまりは内燃機関の停止中の冷却水温または潤滑油温の低下量を求め、この低下量が大きいほど内燃機関の停止時の燃焼室内温度のカウンタ値を大きく減算して再始動時の燃焼室内温度の初期値とする。
あるいは、より単純に、内燃機関の停止中の冷却水温または潤滑油温の低下量が大きいほど、再始動時の燃焼室内温度の初期値を低く設定するようにしても構わない。例えば、ECU0のメモリに予め、図4に示すような、内燃機関の停止中の冷却水温または潤滑油温の低下量と、再始動時の燃焼室内温度の初期値との関係を規定したマップデータを格納しておく。そして、ECU0が、内燃機関の停止中の冷却水温または潤滑油温の低下量をキーとして当該マップを検索し、再始動時の燃焼室内温度の初期値を知得する。
また、気筒1の燃焼室内温度のカウンタ値には、予め上限値を設けておく。既に述べた通り、ECU0は、燃料噴射及び燃焼を実施している間、直近の過去の演算機会に算出した燃焼室内温度のカウンタ値に、単位時間または単位サイクル回数あたりの燃焼室内温度の上昇量を加算することで、現在の燃焼室内温度のカウンタ値を反復的に更新する。だが、燃焼室内温度の上昇量を加算した結果のカウンタ値が上限値を超えるならば、現在の燃焼室内温度のカウンタ値を当該上限値のままとする。これは、たとえ内燃機関が完全に暖機されていたとしても、長期間の燃料カットが発生した場合には気筒1の燃焼室が冷却されるので、それに合致するように燃焼室内温度のカウンタ値を減じる必要があることによる。
しかして、本実施形態のECU0は、燃料カットから復帰する際の気筒1の燃焼室内温度に応じて、燃料カットから復帰する際にインジェクタ11から噴射する燃料の量を補正する。ECU0は、例えば図5に示すようなマップデータを予めメモリに格納している。このマップは、燃料カットからの復帰時における燃焼室内温度のカウンタ値と、燃料カットからの復帰時に噴射する燃料の量の増量補正係数との関係を規定するものである。傾向としては、燃料カットからの復帰時の燃焼室内温度が低いほど、増量補正係数が大きくなり、その帰結として燃料カットからの復帰時に噴射する燃料の量が多くなる。ECU0は、燃料カットからの復帰時の燃料噴射量を、
燃料噴射量=(燃料カットからの復帰に必要な基本量)×(増量補正係数)+(燃料カット期間の長さに応じたポートウェット分の増量)
として算定する。上式の右辺第一項の基本量は、燃料カットから復帰する際に気筒1に吸入される吸気量に対する空燃比が理論空燃比若しくはその近傍の目標空燃比となり、またはその目標空燃比よりも小さいリッチとなるような燃料の量とする。当然ながら、吸気量が多いほどこの基本量は多くなる。上式の右辺第二項の増量は、インジェクタ11から噴射した燃料が液化した状態で吸気ポートに付着するポートウェットとなって気筒1に吸引されない分の燃料を補うもので、燃料カット期間が長いほど多くなる。
本実施形態では、気筒1に対する燃料噴射を一時的に中断する燃料カットから復帰する際に行う燃料噴射における燃料の噴射量を決定するものであり、燃料を噴射しその燃焼を実施している間の気筒1の燃焼室内温度の上昇の度合いと、燃料カットを実施している間の気筒1の燃焼室内温度の低下の度合いとをそれぞれ求め、それら両者を基に推測される、燃料カットから復帰する際の気筒1の燃焼室内温度の高低に応じて、燃料カットから復帰する際に噴射する燃料の量を調整する内燃機関の制御装置0を構成した。
本実施形態によれば、実際の気筒1の燃焼室内温度を考慮に入れた上で、燃料カットから復帰する際の燃料の噴射量を適正化ないし最適化することが可能となる。そして、燃焼室内温度が低い状態での燃料カットからの復帰時に、燃料噴射量が不足して燃焼が不安定化し失火が起こることを適切に防止することができる。さらには、燃焼室内温度が高い状態での燃料カットからの復帰時に、不必要に多い量の燃料を噴射することが回避され、エミッションの悪化を招かずに済む。
本実施形態の内燃機関の制御装置0は、過去に推測した気筒1の燃焼室内温度に、その後の燃料を噴射しその燃焼を実施している間の気筒1の燃焼室内温度の上昇の度合いと、その後の燃料カットを実施している間の気筒1の燃焼室内温度の低下の度合いとを合算することで、現在の気筒1の燃焼室内温度を推測する。その上で、気筒1の燃焼室内温度に対する上限値を予め設けておき、推測される現在の気筒1の燃焼室内温度が当該上限値を超える場合には、現在の気筒1の燃焼室内温度を当該上限値にクリップする。このことは、燃焼室内温度が低下した状態での燃料カットからの復帰時において燃料噴射量が不足し燃焼が不安定となることを確実に抑止するために有効である。
なおかつ、本実施形態の内燃機関の制御装置0は、燃料カットから復帰する際に噴射する燃料の量を決定するにあたり、(燃料噴射量に影響を与える他の条件が同等である場合において)現在の気筒1の燃焼室内温度が所定値から前記上限値までの範囲内にあるときの燃料の噴射量を、現在の気筒1の燃焼室内温度がその範囲未満であるときの燃料の噴射量よりも減じる。より具体的には、図5に示しているように、燃料カットからの復帰時の燃焼室内温度のカウンタ値が所定値(図示例では、1000)以上であるときの増量補正係数を1とし、カウンタ値が当該所定値未満であるときの増量補正係数を1よりも大きい値としている。これにより、燃料カットからの復帰時の燃焼室内温度が十分に高く燃焼の不安定化のリスクが小さい状況、例えば内燃機関が完全に暖機された後に実施した燃料カットの期間が極短かったようなケースにおける燃料噴射量を必要最小限度に抑制することができる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態では、(運転者のアクセルペダルの操作を通じて)車両の惰行または車速の減速が要求されたことに伴って開始した燃料カットから復帰する際の制御を想定していたが、ハイブリッド車両において電動機を稼働させこの電動機により内燃機関の回転を維持しながら行う燃料カットからの復帰時の制御に、本発明を適用することも可能である。
その他、各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両等に搭載される内燃機関の制御に適用することができる。
0…制御装置(ECU)
1…気筒
11…インジェクタ
3…吸気通路
32…スロットルバルブ
b…クランク角信号
c…アクセル開度信号
d…吸気温・吸気圧信号
e…冷却水温信号
j…燃料噴射信号
k…開度操作信号

Claims (2)

  1. 気筒に対する燃料噴射を一時的に中断する燃料カットから復帰する際に行う燃料噴射における燃料の噴射量を決定するものであり、
    燃料を噴射しその燃焼を実施している間の気筒の燃焼室内温度の上昇の度合いと、燃料カットを実施している間の気筒の燃焼室内温度の低下の度合いとをそれぞれ求め、
    それら両者を基に推測される、燃料カットから復帰する際の気筒の燃焼室内温度の高低に応じて、燃料カットから復帰する際に噴射する燃料の量を調整する内燃機関の制御装置。
  2. 過去に推測した気筒の燃焼室内温度に、その後の燃料を噴射しその燃焼を実施している間の気筒の燃焼室内温度の上昇の度合いと、その後の燃料カットを実施している間の気筒の燃焼室内温度の低下の度合いとを合算することで、現在の気筒の燃焼室内温度を推測するとともに、
    気筒の燃焼室内温度に対する上限値を予め設けておき、推測される現在の気筒の燃焼室内温度が当該上限値を超える場合には、現在の気筒の燃焼室内温度を当該上限値にクリップし、
    なおかつ、燃料カットから復帰する際に噴射する燃料の量を決定するにあたり、現在の気筒の燃焼室内温度が所定値から前記上限値までの範囲内にある場合の燃料の噴射量を、現在の気筒の燃焼室内温度がその範囲未満である場合の燃料の噴射量よりも減じる請求項1記載の内燃機関の制御装置。
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